JP2019151795A - 樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制された樹脂組成物を提供すること。【解決手段】セルロースアシレート(A)と、ポリエステル樹脂(B)と、分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、多孔質無機粒子(D)と、を含む樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及び樹脂成形体に関する。
従来、樹脂組成物としては種々のものが提供され、各種用途に使用されている。樹脂組成物は、特に、家電製品や自動車の各種部品、筐体等に使用されている。また、事務機器、電子電気機器の筐体などの部品にも熱可塑性樹脂が使用されている。
近年では、植物由来の樹脂が利用されており、従来から知られている植物由来の樹脂の一つにセルロースアシレートがある。
例えば、特許文献1には、「セルロースエステル樹脂と、アジピン酸エステルを含む化合物と、ポリヒドロキシアルカノエート樹脂と、を含有する樹脂組成物。」が開示されている。
特開2016−069423号公報
ところで、セルロースアシレート(A)は、水酸基やエステル結合等の極性を有する構造を多く有するため、樹脂成形体とした際に、水を吸収することがあった。そして、その吸水の後、さらに低湿環境に置かれた場合などに放水が生じたり、さらにその放水の後に高湿環境に置かれた場合などに再び吸水が生じることがあり、一旦吸水が生じた後における放水や吸水によって膨張や収縮が発生し、寸法安定性に劣ることがあった。
そこで、本発明の課題は、セルロースアシレート(A)、ポリエステル樹脂(B)、及び分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)のみを含む樹脂組成物に比べ、樹脂成形体とした際の、一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制された樹脂組成物を提供することにある。
前記課題は、以下の手段により解決される。
<1>
セルロースアシレート(A)と、
ポリエステル樹脂(B)と、
分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、
多孔質無機粒子(D)と、
を含む樹脂組成物。
<2>
コア層と前記コア層の表面上に(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体を含むシェル層とを有するコアシェル構造の重合体、及び、α−オレフィンに由来する構成単位を60質量%以上含むオレフィン重合体から選択される少なくとも1種の重合体(E)を含む<1>に記載の樹脂組成物。
<3>
(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を50質量部以上含むポリ(メタ)アクリレート化合物(F)を含む<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4>
前記セルロースアシレート(A)が、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、及びセルロースアセテートブチレート(CAB)から選択される少なくとも1種である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<5>
前記ポリエステル樹脂(B)が、ポリヒドロキシアルカノエートである<1>〜<4>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<6>
前記ポリエステル樹脂(B)が、ポリ乳酸である<5>に記載の樹脂組成物。
<7>
前記エステル化合物(C)が、脂肪酸エステル化合物である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<8>
前記エステル化合物(C)が、アジピン酸エステル含有化合物である<7>に記載の樹脂組成物。
<9>
前記多孔質無機粒子(D)が、多孔質シリカ粒子である<1>〜<8>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<10>
前記多孔質無機粒子(D)のBET比表面積が600m/g以下である<1>〜<9>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<11>
前記セルロースアシレート(A)に対する、前記ポリエステル樹脂(B)の質量比(B/A)が、0.05以上0.5以下である<1>〜<10>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<12>
前記セルロースアシレート(A)に対する前記エステル化合物(C)の質量比(C/A)が、0.02以上0.15以下である<1>〜<11>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<13>
前記セルロースアシレート(A)に対する、前記多孔質無機粒子(D)の質量比(D/A)が、0.01以上0.1以下である<1>〜<12>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<14>
<1>〜<13>のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂成形体。
<15>
射出成形体である<14>に記載の樹脂成形体。
<16>
セルロースアシレート(A)と、
ポリエステル樹脂(B)と、
分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、
を含み、
25℃絶乾の環境に24±1時間静置した時(T0)、その後25℃の水中環境に24±1時間静置した時(T1)、さらにその後25℃絶乾の環境に24±1時間静置した時(T2)において、下記に示す吸水率が1%以上6%以下であり、かつ下記に示す放水寸法変化率が0%以上0.7%以下である樹脂成形体。
吸水率=([M1]−[M0])/[M0]×100
放水寸法変化率=([L1]−[L2])/[L1]×100
(前記式において、[M0]は(T0)時における樹脂成形体の質量(g)を、[M1]は(T1)時における樹脂成形体の質量(g)を表す。[L1]は(T1)時における樹脂成形体のMD方向の最大長さ(m)とTD方向の最大長さ(m)との平均値を表し、[L2]は(T2)時における樹脂成形体のMD方向の最大長さ(m)とTD方向の最大長さ(m)との平均値を表す。)
<1>、<2>、<3>、<6>、<7>、<8>、<9>、<11>又は<12>に係る発明によれば、セルロースアシレート(A)、ポリエステル樹脂(B)、及び分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)のみを含む樹脂組成物に比べ、樹脂成形体とした際の、一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制された樹脂組成物が提供される。
<4>に係る発明によれば、セルロースアシレート(A)がセルロースジアセテート(DAC)である場合に比べ、樹脂成形体とした際の、一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制された樹脂組成物が提供される。
<5>に係る発明によれば、ポリエステル樹脂(B)がポリエチレンテレフタレートである場合に比べ、樹脂成形体とした際の、一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制された樹脂組成物が提供される。
<10>に係る発明によれば、多孔質無機粒子(D)のBET比表面積が600m/g超えである場合に比べ、樹脂成形体とした際の、一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制された樹脂組成物が提供される。
<13>に係る発明によれば、セルロースアシレート(A)に対する多孔質無機粒子(D)の質量比(D/A)が、0.01未満又は0.1超えである場合に比べ、樹脂成形体とした際の、一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制された樹脂組成物が提供される。
<14>に係る発明によれば、セルロースアシレート(A)、ポリエステル樹脂(B)、及び分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)のみを含む樹脂組成物を適用した場合に比べ、一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制された樹脂成形体が提供される。
<15>に係る発明によれば、セルロースアシレート(A)、ポリエステル樹脂(B)、及び分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)のみを含む樹脂組成物を適用した場合に比べ、一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制された射出成形体が提供される。
<16>に係る発明によれば、セルロースアシレート(A)、ポリエステル樹脂(B)、及び分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)を含み、放水寸法変化率が0.7%超えである樹脂成形体に比べ、一旦吸水が生じた後における放水による寸法変化が抑制された樹脂成形体が提供される。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
なお、本明細書において、対象物中の各成分の量は、対象物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、対象物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
また、「Aの重合体」との表記は、Aのみの単独重合体に加え、AとA以外の単量体との共重合体も包含する表現である。同様に、「AとBとの共重合体」との表記は、A及びBのみの共重合体(以下、便宜上「単独共重合体」とも称する)に加え、AとBとA及びB以外の単量体との共重合体も包含する表現である。
また、セルロースアシレート(A)、ポリエステル樹脂(B)、エステル化合物(C)、多孔質無機粒子(D)、重合体(E)、及びポリ(メタ)アクリレート化合物(F)を、各々、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)、及び成分(F)とも称する。
<樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースアシレート(A)と、ポリエステル樹脂(B)と、分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、多孔質無機粒子(D)と、を含む。
本実施形態に係る樹脂組成物は、重合体(E)、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)等、その他成分を含んでもよい。
ここで、従来、セルロースアシレート(A)(具体的には、水酸基の一部がアシル基で置換されたセルロースアシレート)は、非可食資源からなり、化学重合を必要としない一次誘導体であるため、環境に優しい樹脂材料である。また、強固な水素結合性から、樹脂材料としては高い弾性率を有する。さらに、透明性が高いという特長がある。
しかし、セルロースアシレート(A)は、水酸基やエステル結合等の極性を有する構造を多く有するため、樹脂成形体とした際に、水を吸収することがあった。そして、その吸水の後、さらに低湿環境に置かれた場合などに放水が生じたり、さらにその放水の後に高湿環境に置かれた場合などに再び吸水が生じることがあり、一旦吸水が生じた後における放水や吸水によって膨張や収縮が発生し、寸法安定性に劣ることがあった。
これに対して、本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースアシレート(A)、ポリエステル樹脂(B)、分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)、及び多孔質無機粒子(D)を含むことで、樹脂成形体とした際に、一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制される。
その理由は、次の通り推測される。
多孔質無機粒子(D)はその孔に水分を吸着し得るために、セルロースアシレート(A)に比べて吸水率が高く且つ吸水による寸法変化が小さい。こうした多孔質無機粒子(D)がセルロースアシレート(A)中に分散した樹脂成形体では、多孔質無機粒子(D)がセルロースアシレート(A)に対し調湿作用をもたらす。
なお、セルロースアシレート(A)を含む樹脂成形体が水を吸収すると膨張し、その後さらに低湿環境に置かれると、吸収したセルロースアシレート(A)中の水分が放出されて収縮が生じて再び寸法変化が生じることがあり、この点において寸法安定性に劣ることがあった。
しかし、本実施形態に係る樹脂組成物によれば、多孔質無機粒子(D)を含むことで、前述の通りセルロースアシレート(A)に対し調湿作用をもたらすため、一旦吸水が生じた後においては、環境中の水分変化によらずセルロースアシレート(A)の吸水率が一定となる。つまり、この樹脂成形体が水分を吸収した後にさらに低湿環境下に置かれた場合でも、セルロースアシレート(A)中の水分が放出されると共に、多孔質無機粒子(D)中の水分がセルロースアシレート(A)へ浸入するためにセルロースアシレート(A)の放水による収縮が抑制され、放水による寸法変化が抑制される。また、さらにその放水の後に高湿環境に置かれた場合であっても、多孔質無機粒子(D)による調湿作用によって、セルロースアシレート(A)の吸水による膨張が抑制され、吸水による寸法変化が抑制される。
以上から、本実施形態に係る樹脂組成物は、樹脂成形体とした際の、一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制される。
以下、本実施形態に係る樹脂組成物の成分を詳細に説明する。
[セルロースアシレート(A):成分(A)]
セルロースアシレート(A)は、例えば、セルロースにおける水酸基の少なくも一部がアシル基により置換(アシル化)されたセルロース誘導体の樹脂である。具体的には、セルロースアシレート(A)は、例えば、一般式(CE)で表されるセルロース誘導体である。

一般式(CE)中、RCE1、RCE2、及びRCE3は、それぞれ独立に、水素原子、又はアシル基を表す。nは2以上の整数を表す。ただし、n個のRCE1、n個のRCE2、及びn個のRCE3のうちの少なくとも一部はアシル基を表す。
なお、RCE1、RCE2、及びRCE3で表されるアシル基は、炭素数1以上6以下のアシル基が好ましい。
一般式(CE)中、nの範囲は特に制限されないが、200以上1000以下が好ましく、500以上1000以下がより好ましい。
一般式(CE)中、RCE1、RCE2、及びRCE3がそれぞれ独立にアシル基を表すとは、一般式(CE)で表されるセルロース誘導体の水酸基の少なくとも一部がアシル化されていることを示している。
つまり、一般式(CE)で表されるセルロース誘導体の分子中にn個あるRCE1は、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよい。同様に、n個あるRCE2、及びn個あるRCE3も、各々、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよい。
ここで、セルロースアシレート(A)は、アシル基として、炭素数1以上6以下のアシル基を有することが好ましい。炭素数7以上のアシル基を有する場合に比べ、透明性の低下を抑制しつつ、耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られ易くなる。
アシル基は「−CO−RAC」の構造で表され、RACは、水素原子、又は炭化水素基(より好ましくは炭素数1以上5以下の炭化水素基)を表す。
ACで表される炭化水素基は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよいが、直鎖状であることがより好ましい。
ACで表される炭化水素基は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよいが、飽和炭化水素基であることがより好ましい。
ACで表される炭化水素基は、炭素及び水素以外の他の原子(例えば酸素、窒素等)を有していてもよいが、炭素及び水素のみからなる炭化水素基であることがより好ましい。
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基(ブタノイル基)、プロペノイル基、ヘキサノイル基等が挙げられる。
これらの中でもアシル基としては、樹脂組成物の成形性向上と共に、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、炭素数2以上4以下のアシル基がより好ましく、炭素数2以上3以下のアシル基がさらに好ましい。
セルロースアシレート(A)としては、セルロースアセテート(セルロースモノアセテート、セルロースジアセテート(DAC)、セルローストリアセテート)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)等が挙げられる。
セルロースアシレート(A)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
これらの中でも、セルロースアシレート(A)としては、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)が好ましく、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)がより好ましい。
セルロースアシレート(A)の重量平均重合度は、樹脂組成物の成形性向上と共に、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、200以上1000以下が好ましく、500以上1000以下がより好ましい。
ここで、重量平均重合度は、以下の手順で重量平均分子量(Mw)から求める。
まず、セルロースアシレート(A)の重量平均分子量(Mw)を、テトラヒドロフランを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ装置(GPC装置:東ソー社製、HLC−8320GPC、カラム:TSKgelα−M)にてポリスチレン換算で測定する。
次いで、セルロースアシレート(A)の構成単位分子量で割ることで、セルロースアシレート(A)の重合度を求める。なお、例えば、セルロースアシレートの置換基がアセチル基の場合、構成単位分子量は、置換度が2.4のとき263、置換度が2.9のとき284となる
セルロースアシレート(A)の置換度は、樹脂組成物の成形性向上と共に、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、2.1以上2.85以下が好ましく、置換度2.2以上2.85以下がより好ましく、2.3以上2.8以下がさらに好ましく、2.35以上2.8以下が特に好ましい。
なお、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)において、樹脂組成物の成形性向上と共に、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、アセチル基とプロピオニル基との置換度の比(アセチル基/プロピオニル基)は、5/1以上1/20以下が好ましく、3/1以上1/15以下がより好ましい。
セルロースアセテートブチレート(CAB)において、樹脂組成物の成形性向上と共に、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、アセチル基とブチリル基との置換度の比(アセチル基/ブチリル基)は、5/1以上1/20以下が好ましく、4/1以上1/15以下がより好ましい。
ここで、置換度とは、セルロースが有する水酸基がアシル基により置換されている程度を示す指標である。つまり、置換度は、セルロースアシレート(A)のアシル化の程度を示す指標となる。具体的には、置換度は、セルロースアシレートのD−グルコピラノース単位に3個ある水酸基がアシル基で置換された置換個数の分子内平均を意味する。
そして、置換度は、H−NMR(JMN−ECA/JEOL RESONANCE社製)にて、セルロース由来水素とアシル基由来ピークの積分比から測定する。
[ポリエステル樹脂(B):成分(B)]
ポリエステル樹脂(B)は、例えば、ヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカン酸)の重合体、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体、環状ラクタムの開環重縮合体等である。
ポリエステル樹脂(B)としては、脂肪族ポリエステル樹脂がよい。脂肪族ポリエステルとしては、ポリヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカノエートの重合体)、脂肪族ジオールと脂肪族カルボン酸との重縮合体等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、ポリエステル樹脂(B)としては、ポリヒドロキシアルカノエートが好ましい。
ポリエステル樹脂(B)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
ポリヒドロキシアルカノエートとしては、例えば、一般式(PHA)で表される構造単位を有する化合物が挙げられる。
なお、一般式(PHA)で表される構造単位を有する化合物おいて、高分子鎖の末端(主鎖の末端)は、両端ともがカルボキシル基であってもよいし、片末端のみがカルボキシル基でもう一方の末端が他の基(例えば水酸基)であってもよい。

一般式(PHA)中、RPHA1は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。nは、2以上の整数を表す。
一般式(PHA)中、RPHA1が表すアルキレン基としては、炭素数3以上6以下のアルキレン基が好ましい。RPHA1が表すアルキレン基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよいが、分岐状が好ましい。
ここで、一般式(PHA)中、RPHA1がアルキレン基を表すとは、1)RPHA1が同じアルキレン基を表す[O−RPHA1−C(=O)−]構造を有すること、2)RPHA1が異なるアルキレン基(RPHA1が炭素数又は分岐が異なるアルキレン基)を表す複数の[O−RPHA1−C(=O)−]構造(即ち、[O−RPHA1A−C(=O)−][O−RPHA1B−C(=O)−]構造)を有することを示している。
つまり、ポリヒドロキシアルカノエートは、1種のヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカン酸)の単独重合体であってもよいし、2種以上のヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカン酸)の共重合体であってもよい。
一般式(PHA)中、nの上限は特に限定されないが、例えば、20000以下が挙げられる。nの範囲は、500以上10000以下が好ましく、1000以上8000以下がより好ましい。
ポリヒドロキシアルカノエートとしては、ヒドロキシアルカン酸(乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシイソヘキサン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオン酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシ−n−オクタン酸等)の単独重合体、又はこれら2種以上のヒドロキシアルカン酸の共重合体が挙げられる。
これらの中でも、ポリヒドロキシアルカノエートは、得られる樹脂成形体の透明性の低下抑制及び耐衝撃性向上の観点から、炭素数2以上4以下の分岐状のヒドロキシアルカン酸の単独重合体、炭素数2以上4以下の分岐状のヒドロキシアルカン酸と炭素数5以上7以上の分岐状のヒドロキシアルカン酸との単独共重合体が好ましく、炭素数3の分岐状のヒドロキシアルカン酸の単独重合体(つまりポリ乳酸)、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸との単独共重合体(つまりポリヒドロキシブチレートヘキサノエート)がより好ましく、炭素数3の分岐状のヒドロキシアルカン酸の単独重合体(つまりポリ乳酸)がさらに好ましい。
なお、ヒドロキシアルカン酸の炭素数はカルボキシル基の炭素も含む数である。
ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合によって重合した高分子化合物である。
ポリ乳酸としては、L−乳酸のホモポリマー、D−乳酸のホモポリマー、L−乳酸及びD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むブロックコポリマー、及び、L−乳酸及びD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むグラフトコポリマーが挙げられる。
前記「L−乳酸又はD−乳酸と共重合可能な化合物」としては、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸及びこれらの無水物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ヘキサンジメタノール等の多価アルコール;セルロース等の多糖類;α−アミノ酸等のアミノカルボン酸;5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸;グリコリド、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル;等が挙げられる。
ポリ乳酸は、ラクチドを経由するラクチド法;溶媒中で乳酸を減圧下加熱し、水を取り除きながら重合させる直接重合法;などによって製造できることが知られている。
ポリヒドロキシブチレートヘキサノエートにおいて、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、3−ヒドロキシ酪酸(3−ヒドロキシブチレート)と3−ヒドロキシヘキサン酸(3−ヒドロキシヘキサノエート)との共重合体に対する3−ヒドロキシヘキサン酸(3−ヒドロキシヘキサノエート)の共重合比は、3モル%以上20モル%以下が好ましく、4モル%以上15モル%以下がより好ましく、5モル%以上12モル%以下がさらに好ましい。
なお、3−ヒドロキシヘキサン酸(3−ヒドロキシヘキサノエート)の共重合比の測定方法は、H−NMRを用い、ヘキサノエート末端とブチレート末端由来のピークの積分値からヘキサノエート比率を算出する。
ポリエステル樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、10,000以上1,000,000以下(好ましくは50,000以上800,000以下、より好ましくは100,000以上600,000以下)であることがよい。
ポリエステル樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。具体的には、GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製、HLC−8320GPCを用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行う。そして、重量平均分子量(Mw)は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
[エステル化合物(C):成分(C)]
エステル化合物(C)は、エステル基(−C(=O)O−)を有し、分子量250以上2000以下(好ましくは250以上1000以下、より好ましくは250以上600以下)の化合物である。
なお、2種以上のエステル化合物(C)を併用する場合、各々、分子量が250以上2000以下のエステル化合物を併用する。
エステル化合物(C)としては、脂肪酸エステル化合物、芳香族カルボン酸エステル化合物等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、エステル化合物(C)としては、脂肪酸エステル化合物が好ましい。
脂肪酸エステル化合物としては、脂肪族モノカルボン酸エステル(酢酸エステル等)、脂肪族ジカルボン酸エステル(コハク酸エステル、アジピン酸エステル含有化合物、アゼライン酸エステル、セバシン酸エステル、ステアリン酸エステル等)、脂肪族トリカルボン酸エステル(クエン酸エステル、イソクエン酸エステル等)、エステル基含有エポキシ化化合物(エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化菜種脂肪酸イソブチル、エポキシ化脂肪酸2−エチルヘキシル)、脂肪酸メチルエステル、ショ糖エステル等が挙げられる。
芳香族カルボン酸エステル化合物としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、テレフタル酸エステル、等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、脂肪族ジカルボン酸エステル、脂肪族トリカルボン酸エステルが好ましく、アジピン酸エステル含有化合物、クエン酸エステルがより好ましく、アジピン酸エステル含有化合物がさらに好ましい。
アジピン酸エステル含有化合物(アジピン酸エステルを含む化合物)とは、アジピン酸エステル単独の化合物、又は、アジピン酸エステルとアジピン酸エステル以外の成分(アジピン酸エステルとは異なる化合物)との混合物であることを示す。ただし、アジピン酸エステル含有化合物は、アジピン酸エステルを全成分に対して50質量%以上で含むことがよい。
アジピン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジエステルが挙げられる。具体的には、下記一般式(AE)で示されるアジピン酸ジエステル等が挙げられる。

一般式(AE)中、RAE1及びRAE2は、それぞれ独立に、アルキル基、又はポリオキシアルキル基[−(C2X−O)−RA1](ただし、RA1はアルキル基を、xは1以上10以下の整数を、yは1以上10以下の整数を、表す。)を表す。
一般式(AE)中、RAE1及びRAE2が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。RAE1及びRAE2が表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
一般式(AE)中、RAE1及びRAE2が表すポリオキシアルキル基[−(C2X−O)−RA1]において、RA1が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。RA1が表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
一般式(AE)中、各符号が表す基は、置換基で置換されていてもよい。置換基としては、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
一方、クエン酸エステルとしては、クエン酸の炭素数1以上12以下(好ましくは1以上8以下)のアルキルエステルが挙げられる。クエン酸エステルは、アルキルカルボン酸無水物(例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水吉草酸等の直鎖状又は分岐鎖状で炭素数2以上6以下(好ましくは2以上3以下)のアルキルカルボン酸無水物)でアシル化されたクエン酸エステルであってもよい。
[多孔質無機粒子(D):成分(D)]
本実施形態に係る樹脂組成物は、多孔質無機粒子(D)を含む。
多孔質無機粒子(D)としては、例えば多孔質シリカ粒子、多孔質酸化チタン粒子、多孔質酸化アルミナ(酸化アルミニウム)粒子、多孔質炭酸カルシウム粒子、多孔質酸化亜鉛粒子等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、多孔質シリカ粒子が好ましい。
なお、多孔質無機粒子(D)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
・BET比表面積
多孔質無機粒子(D)は、BET比表面積が600m/g以下であることが好ましい。BET比表面積が上記範囲でありつまり表面に存在する孔の径が適度に大きいことで、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化をより抑制し易くなる。
さらにBET比表面積は、500m/g以下であることがより好ましく、400m/g以下であることがさらに好ましい。
一方でBET比表面積の下限値は、多孔質無機粒子(D)の吸水量の観点から、50m/g以上であることが好ましく、100m/g以上であることがより好ましく、200m/g以上であることがさらに好ましい。
多孔質無機粒子(D)のBET比表面積は、窒素ガスを用いたガス吸着法により求める。具体的には、比表面積測定装置としてマウンテック社製「MacsorbHMmodel−1201型」を使用し、50mgの試料に脱気のために30℃/120分の前処理を行い、純度99.99%以上の窒素ガスを用いたBET多点法にてBET比表面積を求める。
・平均一次粒子径
また、多孔質無機粒子(D)の平均一次粒子径は、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、体積平均で1μm以上100μm以下であることが好ましく、2μm以上50μm以下であることがより好ましく、2μm以上15μm以下であることがさらに好ましい。
多孔質無機粒子(D)の体積平均一次粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、日機装(株)製、Microtrack)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均一次粒子径として測定される。
[重合体(E):成分(E)]
重合体(E)は、コア層と前記コア層の表面上に(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体を含むシェル層とを有するコアシェル構造の重合体、及び、α−オレフィンに由来する構成単位を60質量%以上含むオレフィン重合体から選択される少なくとも1種の重合体である。
重合体(E)は、例えば、常温(25℃)において弾性を有し、高温において熱可塑性樹脂と同じく軟化する性質を有するもの(熱可塑性エラストマー)であることがよい。
重合体(E)を樹脂組成物に含ませると、樹脂組成物を射出成形する際の可塑化が容易になる。
重合体(E)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
(コアシェル構造の重合体)
本実施形態に係るコアシェル構造の重合体は、コア層と前記コア層の表面上にシェル層とを有するコアシェル構造の重合体である。
コアシェル構造の重合体は、コア層を最内層とし、シェル層を最外層とする重合体(具体的には、コア層となる重合体に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体をグラフト重合してシェル層とした重合体)である。
なお、コア層とシェル層との間には、1層以上の他の層(例えば1層以上6層以下の他の層)を有してよい。なお、他の層を有する場合、コアシェル構造の重合体は、コア層となる重合体に、複数種の重合体をグラフト重合して多層化した重合体である。
コア層は、特に限定されるものではないが、ゴム層であることがよい。ゴム層は、(メタ)アクリルゴム、シリコーンゴム、スチレンゴム、共役ジエンゴム、α−オレフィンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、ポリエステルゴム、ポリアミドゴム、これら2種以上の共重合体ゴム等の層が挙げられる。
これらの中も、ゴム層は、(メタ)アクリルゴム、シリコーンゴム、スチレンゴム、共役ジエンゴム、α−オレフィンゴム、これら2種以上の共重合体ゴム等の層が好ましい。
なお、ゴム層は、架橋剤(ジビニルベンゼン、アリルアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート等)を共重合して架橋させたゴム層であってもよい。
(メタ)アクリルゴムとしては、例えば、(メタ)アクリル成分(例えば、(メタ)アクリル酸の炭素数2以上6以下のアルキルエステル等)を重合した重合体ゴムが挙げられる。
シリコーンゴムとしては、例えば、シリコーン成分(ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルシロキサン等)で構成されたゴムが挙げられる。
スチレンゴムとしては、例えば、スチレン成分(スチレン、α−メチルスチレン等)を重合した重合体ゴムが挙げられる。
共役ジエンゴムとしては、例えば、共役ジエン成分(ブタジエン、イソプレン等)を重合した重合体ゴムが挙げられる。
α−オレフィンゴムは、α−オレフィン成分(エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン)を重合した重合体ゴムが挙げられる。
共重合体ゴムとしては、例えば、2種以上の(メタ)アクリル成分を重合した共重合体ゴム、(メタ)アクリル成分とシリコーン成分を重合した共重合体ゴム、(メタ)アクリル成分と共役ジエン成分とスチレン成分との共重合体等が挙げられる。
シェル層を構成する重合体において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル鎖の水素の少なくとも一部が置換されていてもよい。その置換基としては、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン基等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体として、樹脂成形体とした際の吸水及び放水による寸法変化の抑制の観点から、アルキル鎖の炭素数が1以上8以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体が好ましく、アルキル鎖の炭素数が1以上2以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体がより好ましく、アルキル鎖の炭素数が1の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体がさらに好ましい。特に、アルキル鎖の炭素数が異なる2種以上のアクリル酸アルキルエステルの共重合体が好ましい。
シェル層を構成する重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外に、グリシジル基含有ビニル化合物、及び不飽和ジカルボン酸無水物から選択される少なくとも1を重合した重合体であってもよい。
グリシジル基含有ビニル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−4−グリシジルエーテル、4−グリシジルスチレン等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸等が挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸が好ましい。
なお、コア層とシェル層との間に有する1層以上の他の層は、シェル層で説明した重合体の層が例示される。
シェル層の重合体の含有量は、コアシェル構造の重合体全体に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、3質量%以上30質量%以下がより好ましく、5質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
コアシェル構造の重合体の平均一次粒子径は、特に限定されるものではないが、樹脂成形体とした際の吸水及び放水による寸法変化の抑制の観点で、50nm以上500nm以下であることが好ましく、50nm以上400nm以下であることがより好ましく、100nm以上300nm以下であることがさらに好ましく、150nm以上250nm以下であることが特に好ましい。
なお、平均一次粒径とは、次の方法により測定された値をいう。走査型電子顕微鏡により粒子を観察し、一次粒子の最大径を一次粒子径とし、粒子100個について、一次粒子径を測定し、平均した数平均一次粒子径である。具体的には、樹脂組成物中のコアシェル構造の重合体の分散形態を走査型電子顕微鏡により観察することにより求める。
コアシェル構造の重合体は、公知の方法により作製することができる。
公知の方法としては、乳化重合法が挙げられる。製造方法として具体的には次の方法が例示される。まず単量体の混合物を乳化重合させてコア粒子(コア層)を作った後、他の単量体の混合物をコア粒子(コア層)の存在下において乳化重合させてコア粒子(コア層)の周囲にシェル層を形成するコアシェル構造の重合体を作る。
また、コア層とシェル層との間に他の層を形成する場合は、他の単量体の混合物の乳化重合を繰り返して、目的とするコア層と他の層とシェル層とから構成されるコアシェル構造の重合体を得る。
コアシェル構造の重合体の市販品としては、例えば、三菱ケミカル(株)製“メタブレン”(登録商標)、(株)カネカ製“カネエース”(登録商標)、ダウ・ケミカル日本(株)製“パラロイド”(登録商標)、アイカ工業(株)製“スタフィロイド”(登録商標)、(株)クラレ製“パラフェイス”(登録商標)等が挙げられる。
(オレフィン重合体)
オレフィン重合体は、α−オレフィンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの重合体であって、α−オレフィンに由来する構成単位を60質量%以上含むオレフィン重合体が好ましい。
オレフィン重合体において、α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン等が挙げられる。樹脂成形体とした際の吸水及び放水による寸法変化の抑制の観点から、炭素数2以上8以下のα−オレフィンが好ましく、炭素数2以上3以下のα−オレフィンがより好ましい。これらの中でも、エチレンがさらに好ましい。
一方、α−オレフィンと重合する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。樹脂成形体とした際の吸水及び放水による寸法変化の抑制の観点から、アルキル鎖の炭素数が1以上8以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アルキル鎖の炭素数が1以上4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましく、アルキル鎖の炭素数が1以上2以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルがさらに好ましい。
ここで、オレフィン重合体としては、樹脂成形体とした際の吸水及び放水による寸法変化の抑制の観点から、エチレンとアクリル酸メチルとの重合体、エチレンとアクリル酸エチルとの重合体であるものが好ましい。
オレフィン重合体において、樹脂成形体とした際の吸水及び放水による寸法変化の抑制の観点から、α−オレフィンに由来する構成単位を60質量%以上97質量%以下含むことが好ましく、70質量%以上85質量%以下含むことがより好ましい。
オレフィン重合体は、α−オレフィンに由来する構成単位、及び、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位以外の他の構成単位を有していてもよい。ただし、他の構成単位は、オレフィン重合体における全構成単位に対して10質量%以下とすることがよい。
[ポリ(メタ)アクリレート化合物(F):成分(F)]
ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を50質量%以上(好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%、さらに好ましくは100質量%)含む化合物(樹脂)である。
ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)を樹脂組成物に含ませると、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化を抑制し易くなる。
ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)は、(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体に由来する構成単位を含む化合物(樹脂)であってもよい。
なお、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)が有する構成単位(単量体に由来する単位)は、1種の単独であってもよいし、2種以上であってもよい。
また、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル鎖の炭素数が1以上8以下(好ましくは1以上4以下、より好ましくは1以上2以下、さらに好ましくは1)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルがよい。
ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)のアルキル鎖が短いほうが、SP値がポリエステル樹脂(B)に近づくため、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)とポリエステル樹脂(B)の相溶性が向上し、ヘイズが良化する。
つまり、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)は、アルキル鎖の炭素数が1以上8以下(好ましくは1以上4以下、より好ましくは1以上2以下、さらに好ましくは1)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を50質量%以上(好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%、さらに好ましくは100質量%)含む重合体がよい。
そして、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)としては、アルキル鎖の炭素数が1以上8以下(好ましくは1以上4以下、より好ましくは1以上2以下、さらに好ましくは1)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位が100質量%である重合体がよい。すなわち、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)としては、アルキル鎖の炭素数が1以上8以下(好ましくは1以上4以下、より好ましくは1以上2以下、さらに好ましくは1)のポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステルがよい。なお、アルキル鎖の炭素数が1のポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、ポリメタクリル酸メチルが好ましい。
なお、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)において、(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体としては、
スチレン類[例えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等)、ハロゲン置換スチレン(例えば2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等)、ビニルナフタレン(2−ビニルナフタレン等)、ヒドロキシスチレン(4−エテニルフェノール等)等のスチレン骨格を有する単量体]、
不飽和ジカルボン酸無水物[例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸等の「エチレン性二重結合とジカルボン酸無水物基とを有する化合物」]
等が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、15,000以上120,000以下(好ましくは20,000超100,000以下、より好ましくは22,000以上100,000以下、さらに好ましくは25,000以上100,000以下)がよい。
特に、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)の重量平均分子量(Mw)は、50,000未満(つまり、5万未満)が好ましく、40,000以下がより好ましく、35,000以下がさらに好ましい。ただし、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)の重量平均分子量(Mw)は、15,000以上がよい。
ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。具体的には、GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社製、HLC−8320GPCを用い、東ソー社製カラム・TSKgelα−Mを使用し、テトラヒドロフラン溶媒で行う。そして、重量平均分子量(Mw)は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
[成分(A)〜成分(F)の含有量又は質量比]
各成分の含有量又は質量比について説明する。各成分の含有量又は質量比は、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化の抑制の観点から、次の範囲が好ましい。なお、各成分の略称は次の通りである。
成分(A)=セルロースアシレート(A)
成分(B)=ポリエステル樹脂(B)
成分(C)=エステル化合物(C)
成分(D)=多孔質無機粒子(D)
成分(E)=重合体(E)
成分(F)=ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)
成分(A)に対する成分(B)の質量比(B/A)は、0.05以上0.5以下が好ましく、0.06以上0.35以下がより好ましく、0.075以上0.25以下がさらに好ましい。
成分(A)に対する成分(C)の質量比(C/A)は、0.02以上0.15以下が好ましく、0.03以上0.12以下がより好ましく、0.05以上0.1以下がさらに好ましい。
成分(A)に対する成分(D)の質量比(D/A)は、0.001以上0.1以下が好ましく、0.01以上0.1以下がより好ましく、0.03以上0.08以下がさらに好ましい。
成分(A)に対する成分(E)の質量比(E/A)は、0.03以上0.20以下が好ましく、0.03以上0.15以下がより好ましく、0.05以上0.1以下がさらに好ましい。
成分(A)に対する成分(F)の質量比(F/A)は、0.01以上0.2以下が好ましく、0.03以上0.15以下がより好ましく、0.03以上0.075以下がさらに好ましい。
ここで、樹脂組成物に対する成分(A)の含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
[その他成分]
本実施形態に係る樹脂組成物は、その他成分を含んでもよい。
その他成分としては、例えば、難燃剤、相溶化剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド等)などが挙げられる。
また、必要に応じて、酢酸放出を防ぐための受酸剤、反応性トラップ剤などの成分(添加剤)を添加してもよい。受酸剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの金属水酸化物;炭酸カルシウム;タルク;などが挙げられる。
反応性トラップ剤としては、例えば、エポキシ化合物、酸無水物化合物、カルボジイミドなどが挙げられる。
これらのその他成分の含有量は、樹脂組成物全量に対してそれぞれ、0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、前記樹脂(セルロースアシレート(A)、ポリエステル樹脂(B)、エステル化合物(C)、多孔質無機粒子(D)、重合体(E)、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)等)以外の他の樹脂を含有していてもよい。ただし、他の樹脂を含む場合、樹脂組成物の全量に対する他の樹脂の含有量は、5質量%以下がよく、1質量%未満であることが好ましい。他の樹脂は、含有しないこと(つまり0質量%)がより好ましい。
他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体;ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体;シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体;芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体;シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。これら樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[樹脂組成物の製造方法]
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、セルロースアシレート(A)と、ポリエステル樹脂(B)と、エステル化合物(C)、多孔質無機粒子(D)と、必要に応じて、その他成分等と、を含む混合物を溶融混練することにより製造される。他に、本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、前記成分を溶剤に溶解することによっても製造される。
溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には、例えば、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
<樹脂成形体>
・第1実施形態
第1実施形態に係る樹脂成形体は、前述の本実施形態に係る樹脂組成物を含む。つまり、第1実施形態に係る樹脂成形体は本実施形態に係る樹脂組成物と同じ組成で構成されており、セルロースアシレート(A)と、ポリエステル樹脂(B)と、分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、多孔質無機粒子(D)と、を含む。
第1実施形態に係る樹脂成形体によれば、多孔質無機粒子(D)を含むことで、一旦吸水が生じた後においてセルロースアシレート(A)の放水による収縮や吸水による膨潤が抑制され、つまり一旦吸水が生じた後における放水や吸水による寸法変化が抑制される。
・第2実施形態
第2実施形態に係る樹脂成形体は、セルロースアシレート(A)と、ポリエステル樹脂(B)と、分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、を含む。
そして、第2実施形態に係る樹脂成形体は、25℃絶乾の環境に24±1時間静置した時(T0)、その後25℃の水中環境に24±1時間静置した時(T1)、さらにその後25℃絶乾の環境に24±1時間静置した時(T2)において、下記に示す吸水率が1%以上6%以下であり、かつ下記に示す放水寸法変化率が0%以上0.7%以下である。
吸水率=([M1]−[M0])/[M0]×100
放水寸法変化率=([L1]−[L2])/[L1]×100
(前記式において、[M0]は(T0)時における樹脂成形体の質量(g)を、[M1]は(T1)時における樹脂成形体の質量(g)を表す。[L1]は(T1)時における樹脂成形体のMD方向の最大長さ(m)とTD方向の最大長さ(m)との平均値を表し、[L2]は(T2)時における樹脂成形体のMD方向の最大長さ(m)とTD方向の最大長さ(m)との平均値を表す。)
なお、第2実施形態に係る樹脂成形体は、重合体(E)、ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)等、その他成分を含んでもよい。
放水寸法変化率が上記の上限値以下に抑制されている第2実施形態に係る樹脂成形体によれば、樹脂成形体が一旦水分を吸収した後にさらに低湿環境下に置かれた場合でも、セルロースアシレート(A)の放水による収縮が抑制され、一旦吸水が生じた後における放水による寸法変化が抑制される。
なお、放水寸法変化率は、一旦吸水が生じた後における放水による寸法変化の抑制の観点から、さらに0%以上0.4%以下であることが好ましい。
また、特に限定されるものではないが、吸水による寸法変化の抑制の観点から、下記に示す吸水寸法変化率は、0%以上2%以下であることが好ましく、0%以上1.75%以下であることがより好ましく、0%以上1.5%以下であることがさらに好ましい。
なお、吸水寸法変化率及び放水寸法変化率は、以下の方法により測定される。
測定試料の樹脂成形体を、常温常圧(25℃絶乾)環境のデシケータ中に24±1時間静置し、測定試料におけるMD方向の最大長さ(m)及びTD方向の最大長さ(m)を顕微鏡(ニコン社製、MMT400)で測定する(測定時を(T0)とする)。次いで、測定試料を常温(25℃)の水中下に24±1時間静置し、測定試料におけるMD方向の最大長さ(m)及びTD方向の最大長さ(m)を再び測定する(測定時を(T1)とする)。次いで、測定試料をさらに常温常圧(25℃絶乾)環境のデシケータ中に24±1時間静置し、測定試料におけるMD方向の最大長さ(m)及びTD方向の最大長さ(m)をみたび測定する(測定時を(T2)とする)。
これらの測定値から、以下の式にしたがって吸水寸法変化率及び放水寸法変化率が算出される。
吸水寸法変化率(%)=([L1]−[L0])/[L0]×100
放水寸法変化率(%)=([L1]−[L2])/[L1]×100
(前記式において、[L0]は(T0)時におけるMD方向及びTD方向の長さの平均値を表し、[L1]は(T1)時におけるMD方向及びTD方向の長さの平均値を表し、[L2]は(T2)時におけるMD方向及びTD方向の長さの平均値を表す。)
ここで、「MD方向」とは、樹脂成形体を成形する際に樹脂組成物が流れる方向(例えば射出成形であれば射出方向)を指し、成形後の樹脂成形体においては例えば分子鎖が配向する方向となる。一方、「TD方向」とは、MD方向に直交する方向を指す。
第2実施形態に係る樹脂成形体は、前記に示す吸水率が1%以上6%以下である。なお、この吸水率は、樹脂成形体の水中における過度な寸法拡大を防ぐ観点から、さらに1%以上5%以下であることが好ましく、1%以上4.3%以下であることがより好ましい。
第2実施形態にかかる樹脂成形体、つまり吸水率や放水寸法変化率等が前記の範囲を満たす樹脂成形体は、特に限定されるものではないが、例えば前述の本実施形態に係る樹脂組成物を含むことで達成し得る。
以下においては第1及び第2実施形態の両者を指す場合、単に「本実施形態」という。
本実施形態に係る樹脂成形体の成形方法は、形状の自由度が高い点で、射出成形が好ましい。この点で、樹脂成形体は、射出成形によって得られた射出成形体であることが好ましい。
射出成形のシリンダ温度は、例えば160℃以上280℃以下であり、好ましくは180℃以上240℃以下である。射出成形の金型温度は、例えば40℃以上90℃以下であり、40℃以上60℃以下がより好ましい。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業社製NEX500、日精樹脂工業社製NEX150、日精樹脂工業社製NEX70000、日精樹脂工業社製PNX40、住友機械社製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
本実施形態に係る樹脂成形体を得るための成形方法は、前述の射出成形に限定されず、例えば、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などを適用してよい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、事務機器、家電製品、自動車内装材、玩具、容器などの用途に好適に用いられる。より具体的には、電子・電気機器や家電製品の筐体;電子・電気機器や家電製品の各種部品;自動車の内装部品;ブロック組み立て玩具;プラスチックモデルキット;CD−ROMやDVD等の収納ケース;食器;飲料ボトル;食品トレイ;ラップ材;フィルム;シート;などである。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、特に断りのない限り「部」は「質量部」を表す。
<各材料の準備>
次の材料を準備した。
(セルロースアシレート(A)の準備)
・CA1: 「CAP482−20(イーストマンケミカル社)」、セルロースアセテートプロピオネート
・CA2: 「CAP482−0.5(イーストマンケミカル社)」、セルロースアセテートプロピオネート
・CA3: 「CAP504−0.2(イーストマンケミカル社)」、セルロースアセテートプロピオネート
・CA4: 「CAB171−15(イーストマンケミカル社)」、セルロースアセテートブチレート
・CA5: 「CAB381−20(イーストマンケミカル社)」、セルロースアセテートブチレート
・CA6: 「CAB551−0.2(イーストマンケミカル社)」、セルロースアセテートブチレート
・CA7: 「L−50((株)ダイセル)」、ジアセチルセルロース
・CA8: 「LT−35((株)ダイセル)」、トリアセチルセルロース
(ポリエステル樹脂(B)の準備)
・PE1: 「Ingeo3001D(ネイチャーワークス社)」、ポリ乳酸
・PE2: 「テラマックTE2000(ユニチカ(株))」、ポリ乳酸
・PE3: 「レイシアH100(三井化学(株))」、ポリ乳酸
・PE4: 「アオニレックスX151A((株)カネカ)」、ポリヒドロキシブチレートヘキサノエート
・PE5: 「アオニレックスX131A((株)カネカ)」、ポリヒドロキシブチレートヘキサノエート
・PE6: 「バイロペットEMC500(東洋紡(株))」、ポリエチレンテレフタレート
(エステル化合物(C)の準備)
・CE1: 「Daifatty 101(大八化学工業(株))」、アジピン酸エステル含有化合物、アジピン酸エステルの分子量=326〜378
・CE2: 「DOA(大八化学工業(株))」、アジピン酸2−エチルヘキシル、分子量=371
・CE3: 「D610A(三菱ケミカル(株))」、アジピン酸ジ−n−アルキル(炭素数6、8、10)エステル混合物(R−OOC(CHCOO−R、R=n−C13、n−C17、及びn−C1021)、分子量=314〜427
・CE4: 「HA−5(花王 (株))」、アジピン酸ポリエステル、分子量=750
・CE5: 「D623(三菱ケミカル(株))」、アジピン酸ポリエステル、分子量=1800
・CE6: 「CITROFOL AI(jungbunzlauar社)」、クエン酸トリエチル、分子量=276
・CE7: 「DBS(大八化学工業(株))」、ジブチルセバゲート、分子量=314
・CE8: 「DESU(大八化学工業(株))」、ジエチルサクシネート、分子量=170
・CE9: 「D645(三菱ケミカル(株))」、アジピン酸ポリエステル、分子量=2200
(多孔質無機粒子(D)の準備)
・SG1: 「サイリシア250(富士シリシア化学社)」、BET比表面積:280、体積平均一次粒子径:5.0μm
・SG2: 「サイリシア310P(富士シリシア化学社)」、BET比表面積:300、体積平均一次粒子径:2.7μm
・SG3: 「サイリシア350(富士シリシア化学社)」、BET比表面積:300、体積平均一次粒子径:3.9μm
・SG4: 「サイリシア380(富士シリシア化学社)」、BET比表面積:300、体積平均一次粒子径:9.0μm
・SG5: 「サイリシア430(富士シリシア化学社)」、BET比表面積:350、体積平均一次粒子径:4.1μm
・SG6: 「サイリシア470(富士シリシア化学社)」、BET比表面積:350、体積平均一次粒子径:14.1μm
・SG7: 「サイリシア550(富士シリシア化学社)」、BET比表面積:500、体積平均一次粒子径:3.9μm
・SG8: 「サイリシア730(富士シリシア化学社)」、BET比表面積:700、体積平均一次粒子径:4.0μm
(重合体(E)の準備)
・AE1: 「メタブレンW−600A(三菱ケミカル(株))」、コアシェル構造の重合体(コア層となる「アクリル酸2−エチルヘキシルとアクリル酸n−ブチルの共重合体ゴム」に、「メタクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとの単独重合体ゴム」をグラフト重合してシェル層とした重合体)、平均一次粒径=200nm
・AE2: 「メタブレンS−2006(三菱ケミカル(株))」、コアシェル構造の重合体(コア層が「シリコン・アクリルゴム」、シェル層が「メタクリル酸メチルの重合体」からなる重合体)、平均一次粒径=200nm
・AE3: 「パラロイドEXL−2315(ダウ・ケミカル日本(株))」、コアシェル構造の重合体(コア層となる「ポリアクリル酸ブチルを主成分とするゴム」に、「メタクリル酸メチルの重合体」をグラフト重合してシェル層とした重合体)、平均一次粒径=300nm
・AE4: 「Lotoryl 29MA03(アルケマ社)」、オレフィン重合体(エチレンとアクリル酸メチルとの共重合体であって、エチレンに由来する構成単位を71質量%含むオレフィン重合体)
(ポリ(メタ)アクリレート化合物(F)の準備)
・PM1: 「デルペット720V(旭化成(株))」、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、Mw=55,000
・PM2: 「デルパウダー500V(旭化成(株))」、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、Mw=25,000
・PM3: 「スミペックMHF(住友化学工業(株))」、ポリメタクリル酸メチル(PMMA),Mw=95,000
・PM4: 「デルペット980N(旭化成(株))」、メタクリル酸メチル(MMA)とスチレン(St)と無水マレイン酸(MAH)との単独共重合体(質量比=MMA:St:MAH=67:14:19)、Mw=110,000
<実施例1〜59、比較例1〜16>
(混練及び射出成形)
表1〜表3に示す仕込み組成比、かつ表4〜表6に示す混練温度(シリンダ温度)で、2軸混練装置(東芝機械社製、TEX41SS)にて混練を実施し、樹脂組成物(ペレット)を得た。
得られたペレットを用いて、射出成形機(日精樹脂工業社製、NEX500I)により、射出ピーク圧力が180MPaを越えず、かつ表4〜表6に示す成形温度(シリンダ温度)及び金型温度で、下記の(1)及び(2)の樹脂成形体をそれぞれ成形した。
・(1):D12試験片(寸法:60mm×60mm×厚さ2mm)
<評価>
得られた樹脂成形体について、次の評価を実施した。評価結果を表4〜表6に示す。
(湿度変化による寸法変化)
得られたD12試験片を、常温常圧(25℃)環境の乾燥剤入りデシケータ中に24±1時間静置し、試験片の四辺の長さを顕微鏡(ニコン社製、MMT400)で測定した(測定時を(T0)とする)。これらの試験片を常温(25℃)の水中下に24±1時間静置し、試験片の四辺の長さを再び測定した(測定時を(T1)とする)。これらの試験片をさらに常温常圧(25℃)環境の乾燥剤入りデシケータ中に24±1時間静置し、試験片の四辺の長さをみたび測定した(測定時を(T2)とする)。
これらの測定値から、以下の式にしたがってMD方向(射出方向)及びTD方向(MD方向に直交する方向)の吸水寸法変化率と放水寸法変化率を測定した。
吸水寸法変化率(%)=([L1]−[L0])/[L0]×100
放水寸法変化率(%)=([L1]−[L2])/[L1]×100
(前記式において、[L0]は(T0)時における四辺の長さ(つまりMD方向2箇所及びTD方向2箇所の計4箇所)の長さの平均値を表し、[L1]は(T1)時における四辺の長さ(つまりMD方向2箇所及びTD方向2箇所の計4箇所)の長さの平均値を表し、[L2]は(T2)時における四辺の長さ(つまりMD方向2箇所及びTD方向2箇所の計4箇所)の長さの平均値を表す。)
(吸水率)
また、(T0)時における樹脂成形体の質量(g)、及び(T1)時における樹脂成形体の質量(g)を測定し、以下の式にしたがって吸水率を測定した。
吸水率=([M1]−[M0])/[M0]×100
(前記式において、[M0]は(T0)時における樹脂成形体の質量(g)を、[M1]は(T1)時における樹脂成形体の質量(g)を表す。)
前記結果から、本実施例の樹脂組成物及び樹脂成形体は、比較例の樹脂組成物及び樹脂成形体に比べ、樹脂成形体とした際の一旦吸水が生じた後における放水による寸法変化が抑制されることがわかる。

Claims (16)

  1. セルロースアシレート(A)と、
    ポリエステル樹脂(B)と、
    分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、
    多孔質無機粒子(D)と、
    を含む樹脂組成物。
  2. コア層と前記コア層の表面上に(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体を含むシェル層とを有するコアシェル構造の重合体、及び、α−オレフィンに由来する構成単位を60質量%以上含むオレフィン重合体から選択される少なくとも1種の重合体(E)を含む請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. (メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を50質量部以上含むポリ(メタ)アクリレート化合物(F)を含む請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記セルロースアシレート(A)が、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、及びセルロースアセテートブチレート(CAB)から選択される少なくとも1種である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ポリエステル樹脂(B)が、ポリヒドロキシアルカノエートである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記ポリエステル樹脂(B)が、ポリ乳酸である請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 前記エステル化合物(C)が、脂肪酸エステル化合物である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記エステル化合物(C)が、アジピン酸エステル含有化合物である請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. 前記多孔質無機粒子(D)が、多孔質シリカ粒子である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記多孔質無機粒子(D)のBET比表面積が600m/g以下である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. 前記セルロースアシレート(A)に対する、前記ポリエステル樹脂(B)の質量比(B/A)が、0.05以上0.5以下である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  12. 前記セルロースアシレート(A)に対する前記エステル化合物(C)の質量比(C/A)が、0.02以上0.15以下である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  13. 前記セルロースアシレート(A)に対する、前記多孔質無機粒子(D)の質量比(D/A)が、0.001以上0.1以下である請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  14. 請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂成形体。
  15. 射出成形体である請求項14に記載の樹脂成形体。
  16. セルロースアシレート(A)と、
    ポリエステル樹脂(B)と、
    分子量250以上2000以下のエステル化合物(C)と、
    を含み、
    25℃絶乾の環境に24±1時間静置した時(T0)、その後25℃の水中環境に24±1時間静置した時(T1)、さらにその後25℃絶乾の環境に24±1時間静置した時(T2)において、下記に示す吸水率が1%以上6%以下であり、かつ下記に示す放水寸法変化率が0%以上0.7%以下である樹脂成形体。
    吸水率=([M1]−[M0])/[M0]×100
    放水寸法変化率=([L1]−[L2])/[L1]×100
    (前記式において、[M0]は(T0)時における樹脂成形体の質量(g)を、[M1]は(T1)時における樹脂成形体の質量(g)を表す。[L1]は(T1)時における樹脂成形体のMD方向の最大長さ(m)とTD方向の最大長さ(m)との平均値を表し、[L2]は(T2)時における樹脂成形体のMD方向の最大長さ(m)とTD方向の最大長さ(m)との平均値を表す。)
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