以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1から図8は、本発明の第一実施形態に係るもので、図1は試薬ディスク(以下、試薬容器ホルダと称することがある)を含む自動分析装置の平面図、図2は自動分析装置の斜視図である。図3は廃棄ボックス移動手段の斜視図、図4は廃棄ボックス移動手段の分解斜視図、図5はA−A断面図、図6(a)は廃棄ボックス移動手段の上面図、(b)は下面図である。図7は廃棄ボックス移動手段の動作を説明する側面図、図8は底面図である。また、以下の説明において、上下左右前後の方向は図1および図2中に示す上下左右前後の方向を基準とする。
図1および図2に本実施形態に係る自動分析装置1の基本的な構成を示す。
自動分析装置は基板や種々の流路などを覆った略直方体の筐体の外形を有する。筐体の上面(以降では、作業面と称することがある)には、サンプルを分析するのに必要な種々の機構が配置されている。機構としては、試薬保冷庫(以下、試薬容器コンテナないしドラムと称することがある)、試薬分注プローブ、サンプル搬送機構、サンプル分注プローブ、インキュベータ、検出部、各種プローブ洗浄機構などが含まれる。各機構の詳細については後述する。
円筒形の試薬保冷庫は、鉛直軸のまわりに回転自在に支持された試薬ディスク2を収容する。試薬ディスクは、外周壁の内側に沿って、円周上に複数の試薬容器(以下、試薬コンテナ、試薬ボトル、ないし単にボトルと称する場合がある)を保持する。
試薬分注プローブは、それぞれの試薬ボトル3から所定の試薬を所定量だけ、分注ピペットによって吸引して、反応容器に分注する。この反応容器には後述するサンプル搬送手段によって搬送された血液や尿といった生物学的サンプルが、サンプル分注プローブによって分取されて供給される。
試薬とサンプルが混合された反応液を収容した反応容器は、インキュベータにより所定温度に管理され、所定の時間反応を促進される。反応が完了した反応液は後述する検出部にてその物理特性を検出される。物理特性としては発光量、散乱光量、透過光量、電流値、電圧値などが挙げられるが、これに限らずに公知の物理特性を計測する計測部が適用される。
また、自動分析装置1には、例えば後方に向けてヒンジで開閉可能に支持された、可動部分を覆う安全カバー4が設けられている。安全カバー4は図示しない例えばソレノイドなどによる所謂インターロックが設けられており、自動分析装置1の動作中はソレノイドに通電することによって閂をかけ、安全カバー4を閉じた状態に保持する構成である。自動分析装置1の停止中はソレノイドへの通電を解除することで安全カバー4は開放可能となるので、操作者が試薬ボトル3を交換することができる。
分析を行うサンプルの搬送経路について説明する。分析を行うサンプル5aは、ベルトコンベヤやラックハンドラ等のサンプル搬送手段5によって自動分析装置1内を移動し、サンプルを分注する分注ピペットを備えたサンプル分注手段6まで搬送されて分注される。
複数のサンプル分注チップと反応容器は、サンプル分注チップ/反応容器供給手段7(以降、チップラックと称することがある)に載置された状態で自動分析装置1内に供給される。
反応容器はチップラック7からサンプル分注チップ/反応容器搬送手段8によって一つずつ把持された後、上昇して、インキュベータ9(培養ディスクと称することがある)へ移動させる。サンプル分注チップ10はチップラック7からサンプル分注チップ/反応容器搬送手段8によって一つずつ把持された後、上昇してサンプル分注チップバッファ11まで移動させる。
このような移動を可能とするため、サンプル分注チップ/反応容器搬送手段8は、X軸(左右方向)、Y軸(前後方向)およびZ軸(上下方向)方向に移動可能に構成されており、その移動範囲としては、反応容器廃棄孔12、サンプル分注チップバッファ11、反応溶液撹拌手段13、チップラック7およびインキュベータ9の一部の上方、の範囲を移動可能に構成されている。
サンプル分注チップバッファ11は、複数のサンプル分注チップ10を一時的に載置するバッファであり、サンプル分注手段6はサンプル分注チップバッファ11の上部に移動して、サンプル分注チップ10のいずれか1つを把持する。
鉛直の中心軸のまわりに回転自在に軸支された円板状のインキュベータ9は、複数の反応容器14を外周近傍の円周上に係止する構成であり、インキュベータ9を回転することによって各々の反応容器14を所定位置まで移動させることができる。
サンプル分注手段6はサンプルの上部領域に移動し、サンプル分注チップ10の内部にサンプルを吸引した後、インキュベータ9上の反応容器14の上部領域へ移動し、サンプルをサンプル分注チップ10内部から反応容器14内に排出する。この後、サンプル分注手段6は、サンプル分注チップ/反応容器廃棄孔12の上部領域に移動し、サンプル分注チップ10を孔の内部に落下して廃棄する。
サンプル分注チップ/反応容器廃棄孔12の下部、すなわち所定の位置には、廃棄されたサンプル分注チップ/反応容器を蓄積する廃棄ボックス22を設ける。
自動分析装置1は、前面に設けられた前面開口20を経由して、閉止位置から全開位置まで水平移動可能に支持され、閉止位置において廃棄ボックス22をサンプル分注チップ/反応容器廃棄孔12の真下である所定の位置から、前面開口20よりも手前の取り出し位置(廃棄ボックス22’の位置)まで引き出すことが可能で、かつ取り出し位置から所定の位置まで閉じることが可能な引出し21を備えた、廃棄ボックス引出し手段24を備える。
引出し21の全開位置において、廃棄された使用済みサンプル分注チップ/反応容器を蓄積した廃棄ボックス22を廃棄ボックス載置台25(以下、容器と称することがある)から取り出し、その後廃棄ボックス載置台25に空の廃棄ボックス22を載置した後、引出し21を後方に押して閉じることにより、新たに空の廃棄ボックス22を前面開口20を介して自動分析装置1の所定の位置に供給することができる。
ここで、引出し21の閉止位置から全開位置までの開き量は、例えば200mmから300mm程度であり、引出し21全開時には、載置された廃棄ボックス22の取り出し、および空の廃棄ボックス22の取付けが容易に行える。
次に、反応容器14内のサンプルに加える試薬の搬送経路について説明する。
円筒状、かつ内側を空洞とした試薬保冷庫の中には、鉛直の中心軸のまわりに回転自在に軸支された試薬ディスク2が収納されている。試薬ディスク2は、内側空洞の外周壁に沿って複数の試薬ボトル3を放射状に保持するスロットを形成しており、試薬ディスク2を回転することで、各試薬ボトル3を円周上の所定位置へ移動させる。なお、試薬ボトル3の一部には、撹拌のための磁気粒子を多数含んだ試薬も含まれる。試薬ボトル3を一定の温度に制御するために、試薬保冷庫は断熱機能を有する。
試薬保冷庫2の上部を覆う蓋には、試薬ボトル3の試薬ディスク2へのセット、および試薬ディスク2からの取り出しを行う試薬ボトル装填口23が設けられている。また、試薬ボトル装填口23には図示しない開閉式の試薬ボトル装填口フタが設けられており、さらに図示しないソレノイド等を用いたインターロックが設けられている。安全カバー4と同様、自動分析装置1の動作中にはロックされて閉じた状態であり、自動分析装置1の停止中には解除して開閉可能となる構成である。
試薬分注ピペット15は、試薬ボトル3内の試薬を吸引して所定の位置まで移動できるよう、移動可能に構成されている。まず、試薬ディスク2上の所定の種類の試薬の上部領域へ試薬分注ピペット15が移動して所定の量の試薬を吸引した後、インキュベータ9上の所定の反応容器14の上部領域へ移動して試薬を反応容器14内に排出する。
試薬保冷庫の上部には、試薬の撹拌手段16が設けられている。この撹拌手段16には、鉛直軸のまわりに回転可能な磁気粒子攪拌アーム(スティラーとも称される)が設けられている。この磁気粒子攪拌アームは、磁気粒子を含んだ攪拌するべき試薬が入っている試薬ボトル3の上部領域へ移動し、磁気粒子攪拌アームの下端に設けられた例えばパドル状ないし螺旋状の磁気粒子攪拌手段を試薬内に下降させ、この磁気粒子攪拌手段を回転させることによって磁気粒子溶液を攪拌する。溶液内の磁気粒子が自然沈殿しないようにするために、磁気粒子攪拌アームは、試薬が分注される直前に磁気粒子を攪拌する。攪拌後、磁気粒子攪拌アームは、試薬ボトル3の上部まで上昇した後、洗浄液が入った洗浄手段17の上部領域へ移動し、洗浄液内に降下した後、磁気粒子攪拌手段を回転させ、この攪拌手段に付着している磁気粒子を取り除く。
サンプルと所定の試薬を分注してから所定の反応時間が経過した後に、反応溶液が形成される。この反応溶液を反応溶液吸引ノズル18によって反応容器14から吸引し、さらに検出手段19へ供給する。この検出手段19は反応溶液を分析する。分析方法については、任意の公知ないずれの手法でも可能となる。また、反応容器14内に反応液を保持したまま分析を行っても良い。
次に、分析された反応溶液はサンプル分注チップ/反応容器搬送手段8によってサンプル分注チップ/反応容器廃棄孔12の上部領域まで移動され、サンプル分注チップ10をサンプル分注チップ/反応容器廃棄孔12内に廃棄する。なお、測定の種類によっては、反応容器を複数回の測定で使いまわしても良い。その場合は分析が終了した反応容器内の反応液を廃棄した後で、反応容器を洗浄水で洗浄する。
装置のこれらの一連の動作は、制御手段であるホストコンピュータ200によって制御される。
この自動分析装置は上記動作を組み合わせ、ないし繰り返すことで、複数の分析項目に関して複数のサンプルを効率的に分析することができる。
図3は、本発明の第一実施形態にかかわる廃棄ボックス引出し手段24の斜視図、図4は分解斜視図、図5はA−A断面図である。図6(a)は廃棄ボックス引出し手段24の上面図、(b)は下面図である。
第一実施形態においては、廃棄ボックス22を載置する容器25を引出し21の開閉動作と連動して前後方向に移動する駆動機構36を備える。
廃棄ボックス22は上面が開放された略直方体であって、例えばビニールで内貼りされた有底の紙筒構造である。一例として、廃棄ボックス22は左右方向の幅が150mm程度、前後方向の奥行きが120mm程度、高さ420mm程度の縦長の箱である。
廃棄ボックス引出し手段24は、前面開口20を備えた前板28と、サンプル分注チップ/反応容器廃棄孔12に対応した位置に上面開口26つを備えた上板27と、右側板29と左側板30と底板31と後板32と、を備えた筐体33を備えている。廃棄ボックス引出し手段24の前面は前後方向に開閉可能な引出し21の前面を構成する扉体34とし、全体として一つのモジュールとして構成されている。
引出し21は、扉体34と一体に前後方向に移動自在に支持された中間移動部材35が前後方向に延伸して設けられ、筐体33の底面31と廃棄ボックス22の底面との間に設けられる。すなわち、中間移動部材35は廃棄ボックス引出し手段24の底面近傍に設けられる。
筐体33の底面31と容器25の底面の間には、引出し21の開閉動作と連動して廃棄ボックス22を前後方向に引出し21の移動量よりも大なる距離を移動する廃棄ボックス移動手段36(以下、駆動手段と称することがある)が設けられ、中間移動部材35は廃棄ボックス移動手段36の一部をなしている。
前面開口20は廃棄ボックス22および中間移動部材35とともに前後方向に移動する廃棄ボックス移動手段36が通過可能な寸法をもち、扉体34は中間移動部材35の前端に鉛直に設けられ、引出し21を全閉した際には前面開口20を覆う構成である。
すなわち、扉体34と中間移動部材35とは互いに直交する構成である。
廃棄ボックス22は縦長の箱体であり、廃棄ボックス22のさらに下側に廃棄ボックス移動手段36を設けた構成なので、前面開口20と扉体34の形状も縦長であって例えば横幅が180mm程度、高さが480mm程度である。
図2に示すように扉体34は自動分析装置1の作業面よりも低い位置に設けられているため、操作者が立位で扉体34を開閉操作する際には、扉体34の上端近傍に前後方向の力を加えて操作するのが操作性がよい。したがって、引出し21を開く際に手を挿入する把手37は、扉体34の高さ方向の中心よりも上側に設けられることが望ましく、扉体34の上辺近傍に設けるのがさらに望ましい。引出し21を閉じる際には、扉体34の上端近傍を後方に押して閉じると操作しやすい。
一方、廃棄ボックス移動手段36は筐体33の底板31に接して設けられているから、中間移動部材35は扉体34の下端近傍に固定して取付けられる。
したがって、引出し21の開閉の際に扉体34の上端近傍に前後方向の力を加えると、中間移動部材35と扉体34の取付部を中心に生じるモーメントにより、扉体34は前後方向に傾斜しやすく、剛性が得にくい。そこで、中間移動部材35と扉体34の間に直交した位置関係を維持する補強部材38を設け、中間移動部材35と扉体34の固定剛性を高めることで引出し21を開閉する際の扉体34の前後方向への傾斜を抑制して、引出し21開閉動作の安定した自動分析装置1を提供することができる。特に、補強部材38を扉体34の幅方向に複数併置することによって、さらに剛性を増加することができるので好適である。
中間移動部材35の後端近傍には、左右方向の回転軸のまわりに回転自在に軸支された左右一対の第一支持ローラ39を設ける。底板31の前面開口20近傍には、左右方向の回転軸のまわりに回転自在に軸支された左右一対の第二支持ローラ40を設ける。筐体33の後板32近傍から前方に向けて延伸された左右一対の第一レール41が備えられ、第一支持ローラ39は、第一レール41に沿って前後方向に移動自在に支持されている。
中間移動部材35のうち、第二支持ローラ40に対向した下面には、前後方向に延伸した受け板42を設け、中間移動部材35は受け板42を介して第二支持ローラ40に前後方向に移動自在に載置されている。換言すれば、中間移動部材35は第一支持ローラ39と第二支持ローラ40を介して、全開位置と全閉位置との間を前後方向に移動自在に支持されている。
扉体34は中間移動部材35と一体なので、操作者が扉体34を前後方向に移動すると、中間移動部材35も一体として全開位置と全閉位置との間を前後方向に移動する構成である。
扉体34は図示しない例えばソレノイドなどによる所謂インターロックが設けられており、サンプル分注チップ/反応容器搬送手段8の動作中は、ソレノイドに通電することによって閂をかけ、扉体34を閉じた状態に保持する構成である。
中間移動部材35の左右側面には一対の第二レール43、43が前後方向に延伸して設けられている。
容器25は廃棄ボックス22を載置する上面を開口とした有底の箱体であり、平面視において容器25の内周は廃棄ボックス22外周よりも一回り大きく、廃棄ボックス22の周囲に適度なガタを設けている。廃棄ボックス22を上方から容器25内にセットし、また廃棄ボックス22を容器25から上方に引き抜くことが可能に構成されている。容器25上面の開口の四辺は、上方ほど開いた形状として、廃棄ボックス22を容器25内にセットする際のガイドとしている。
容器25の右辺と左辺との間隔は、中間移動部材35の左右側面に設けられた一対の第二レール43、43の左右方向の幅よりも大としている。容器25の右辺と左辺とは容器25の底面よりも下方に向けて延伸され、互いに内側に向けて向き合った左右二対の第三支持ローラ44が前後に併置され、それぞれ左右方向の回転軸のまわりに回転自在に軸支されている。左右二対の第三支持ローラ44は、それぞれ左右一対の第二レール43、43に沿って前後方向に移動自在に支持されている。すなわち容器25は、左右それぞれ2対の第三支持ローラ44によって支持されているので傾斜しにくく、安定に中間移動部材35に沿って前後方向に移動自在に支持されている。
容器25の底面の左右略中央かつ前後略中央には、後述する移動ピン45と嵌合する、移動ピン受け穴46が下方から穿設されている。
中間移動部材35の後端近傍には上下方向に設けられた回転軸A47のまわりに回転自在に軸支された第一歯付プーリ49を設け、中間移動部材35の前端近傍には上下方向に設けられた回転軸B48のまわりに回転自在に軸支された第二歯付プーリ50を設ける。
第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50は前後方向に配置されており、第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50の間には無端の歯付ベルト51が巻き回されている。
歯付ベルト51には、引出し21を開く際に第一歯付プーリ49から第二歯付プーリ50に向かって前方に移動する一辺と、第二歯付プーリ50から第一歯付プーリ49に向かって後方に移動する戻り側となる他辺とがある。
歯付ベルト51の周上の一辺のうち一か所には、移動部材52が固定される。例えば、移動部材52とベルト固定部材53によって歯付ベルト51を挟んでネジで締結して固定される。
歯付ベルト51のうち移動部材52が固定された方の一辺は、中間移動部材35に前後方向に設けられた摺動溝54に沿って摺動溝54の近傍に設けられる。
引出し21を前方に移動して第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50が一方向に回転すると、歯付ベルト51の周上に固定された移動部材52が第一歯付プーリ49の近傍から第二歯付プーリ50の近傍まで、歯付ベルト51の一辺とともに直線的に移動自在な構成である。
逆に、引出し21を後方に移動して第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50が他方向に回転すると、歯付ベルト51の周上に固定された移動部材52が第二歯付プーリ50の近傍から第一歯付プーリ49の近傍まで、歯付ベルト51の一辺とともに直線的に移動自在な構成である。
移動部材52の一端には、円筒状の移動ピン45が上向きに設けられている。
移動部材52には、左右方向を向いた回転軸まわりに回転自在に軸支された2組の第四支持ローラ55が、前後に配置されている。
歯付ベルト51の他辺には、回転自在に軸支されたテンションローラ56を当接して、歯付ベルト51に適度な張力を付与する。
中間移動部材35には前後方向に延伸した摺動溝54が設けられ、摺動溝54には移動ピン45が下方から上方に貫通して前後方向に移動する構成である。移動ピン45は摺動溝54の前端から後端までの範囲で移動可能であり、全開時には移動ピン45は摺動溝54の前端に当接することで摺動溝54の前端が引出し21の全開時のストッパとして機能し、全閉時には移動ピン45は摺動溝54の後端に当接することで摺動溝54の後端が引出し21の全閉時のストッパとして機能する。
すなわち、移動部材52の前後方向移動量は、摺動溝54の前後方向の長さと等しい。
中間移動部材35には前後方向に延伸した第三レール57が移動部材52に隣接して設けられ、移動部材52に設けられた左右方向に回転軸を設けた第四支持ローラ55が第三レール57に沿って前後方向に移動自在に支持されている。すなわち移動部材52は、中間移動部材35に沿って前後方向に移動自在に支持されている。
第四支持ローラ55は前後に2式設けたので、移動部材52が前後方向に移動する際にも傾斜しにくく、安定して動作する構成である。
左辺側に配置された第一レール41と筐体33の底板31に沿って直線歯車であるラック58が、歯面を右側に向けて設けられる。中間移動部材35の後端近傍には回転軸C59のまわりに回転自在に軸支された第一ギヤ60が設けられ、第一ギヤ60はラック58と噛み合って回転する。第二ギヤ61は第一ギヤ60よりも直径が大なるギヤであり、第一ギヤ60と一体として回転する。第三ギヤ62は第二ギヤ61よりも直径が小であり、かつ第一歯付プーリ49よりも直径が小なるギヤであり、第二ギヤ61と噛み合って、第一歯付プーリ49と一体として回転軸A47のまわりに回転する。
扉体34に開き方向の力を加えて引出し21を前方に移動すると、中間移動部材35もともに前方に移動し、回転軸A47、回転軸B48もともに前方に移動する。ラック58と第一ギヤ60とは噛み合っているから、第一ギヤ60と第二ギヤ61は上方からみて右回り(時計まわり)に回転する。第三ギヤ62は第二ギヤ61と噛み合っているから、第三ギヤ62と第一歯付プーリ49は上方からみて左回り(反時計まわり)に回転する。さらに、第三ギヤ62は第二ギヤ61よりも直径が小なので、第三ギヤ62は第二ギヤ61よりも増速して回転する。
第一歯付プーリ49が左回りに回転するので歯付ベルト51の一辺に設けられた移動部材52は前方に移動し、移動部材52に設けられた移動ピン45が摺動溝54に沿って前方に移動する。移動ピン45と容器25に設けられた移動ピン受け穴46とは嵌合しているので、容器25は前方に移動する構成である。
すなわち、引出し21を前方に移動すると、歯付ベルト51は第一歯付プーリ49、第二歯付プーリ50とともに前方に移動すると同時に回転するので、移動部材52、移動ピン45を介して前方に増速して容器25を移動する構成である。
引出し21を後方に移動すると、歯付ベルト51は第一歯付プーリ49、第二歯付プーリ50とともに後方に移動すると同時に 回転するので、移動部材52、移動ピン45を介して後方に増速して容器25を移動する構成である。
第一歯付プーリ49、第二歯付プーリ50と歯付ベルト51を引出し21と一体として前後方向に開閉する中間移動部材35に設けたので、容器25の移動量、すなわち廃棄ボックス22の所定の位置と廃棄ボックス22’の取り出し位置との距離は歯付ベルト51に設けられた移動部材52の移動量に等しく、引出し21の移動量と摺動溝54の長さとの和になるので、容器25の移動量を拡大できるので好適である。
中間移動部材35に設けられた回転軸D63のまわりに回転自在に軸支された第四ギヤ64が設けられ、第四ギヤ64はラック58と噛み合って回転する。ロータリーダンパ65の回転軸には第五ギヤ66が設けられ、ロータリーダンパ65を固定して第五ギヤ66を回転させると、ロータリーダンパ65の内部に封入された例えば高粘度のシリコン油による粘性抵抗を受けて、抵抗トルクを生じる構成である。
ロータリーダンパ65は、中間移動部材35に設けられたロータリーダンパ固定穴67を介してネジ止め固定される。第五ギヤ66は第四ギヤ64と噛み合って回転する構成としたので、引出し21を前方に移動すると回転軸D63は前方に移動し、ラック58と第四ギヤ64とは噛み合っているから、第四ギヤ64は上方からみて右回りに回転し、第五ギヤ66は左回りに回転してロータリーダンパ65に粘性抵抗トルクを生じる。
引出し21を後方に移動すると回転軸D63は後方に移動し、ラック58と第四ギヤ64とは噛み合っているから、第四ギヤ64は上方からみて左回りに回転し、第五ギヤ66は右回りに回転してロータリーダンパ65に粘性抵抗トルクを生じる。
すなわち、引出し21を前方に移動する際も、後方に移動する際も、ロータリーダンパ65による粘性抵抗を生じる構成である。その詳細については後述する。
図5のA−A断面図および適宜図3、図4、図6、図7を参照して、容器25の底面と筐体33の底板31の間に設けられた駆動手段36を構成する、レールとローラの配置について説明する。
容器25の左右方向の内側の幅は、セットされる廃棄ボックス22の幅よりも例えば2〜3mm程度広く設けられ、廃棄ボックス22が上方から出し入れ可能に構成されている。
筐体33の左側板30と右側板29との内側間隔は、容器25の左右方向の外側の幅よりもやや広く、容器25および廃棄ボックス22が所定の位置から取り出し位置まで前後方向に移動する際の左右方向の位置誤差を許容するためのガタをもって、配置される。
筐体33の左右幅を低減して小型化を図るためには、容器25を前後方向にスライド自在に支持するレールとローラを容器25の左右方向外側に凸しないよう、容器25の内側に配置すること、および容器25がスライドする際に前後方向に安定して移動可能に支持されていることが望ましい。
そこで、本実施形態においては、容器25の左右側面の内側に二対の第三支持ローラ44、44を設け、第三支持ローラ44、44と摺動する一対の第二レール43、43を中間移動部材35の左右辺に沿って設けた。
中間移動部材35の左右辺の内側かつ下側に中間移動部材35の後端近傍を支持する左右一対の第一支持ローラ39、39を設け、第一支持ローラ39、39と摺動する左右一対の第一レール41、41を筐体33の底板31の上側に設けた。
さらに、中間移動部材35の左右辺内側の下側かつ前方寄りには左右一対の受け板42、42を設け、受け板42、42の下面を介して中間移動部材35の前部を支持する左右一対の第二支持ローラ40、40を筐体33の底板31の前端近傍に設けた。
中間移動部材35の左右方向の略中央に移動ピン45と容器25の移動ピン受け穴46を設けた。
左右一対の第一レール41、41の内側には、移動ピン45を挟んで左右方向の一方に第一歯付プーリ49、第二歯付プーリ50と歯付ベルト51を設け、左右方向の他方に第三レール57と第四支持ローラ55を設けた。
第一歯付プーリ49、第二歯付プーリ50の回転支軸を鉛直方向とすることで、第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50は水平面内に回転するので、上下方向は第一歯付プーリ49、第二歯付プーリ50の厚み方向となり、歯付ベルト51の幅と、第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50に設けられたベルト外れ防止のためのフランジ68厚さの合計であって、第一歯付プーリ49、第二歯付プーリ50の直径よりも小とすることができる。すなわち、水平面内には第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50のフランジ68直径以上の寸法を要するものの、上下方向の厚み寸法は小であり、駆動手段36を薄型にする効果がある。
さらに、第三レール57と第一レール41との間に、第一レール41に沿って歯面を第三レール57に向けてラック58を設けた。
ラック58と噛み合う第一ギヤ60、第二ギヤ61、第二ギヤ61と噛み合う第三ギヤ62も左右一対の第一レール41、41の間に設けた。
すなわち、前後に延伸したレールや歯付ベルト51を互いに上下に重ねて載置することなく、左右に併置する構成としたので、駆動手段36を薄型化して上下の高さ方向を小型化できる。
さらに、容器25の左右両側面よりも内側に全てのレールを設けることで、筐体33の幅拡大を防止して小型化できる。
また、移動ピン45と容器25の移動ピン受け穴46を左右方向の略中央の摺動溝54に沿って配置したので、引出し21および容器25の前後移動時に、容器25に対して略中央部に前後方向の力が加わるので、容器25が安定して前後方向に移動して開閉動作する。容器25が安定して開閉動作するので、容器25左右側面と筐体33左右側面との隙間を例えば2〜5mm程度と狭くすることができ、筐体33の幅を低減して小型化できる。
ラック58は、筐体33の後板32に近接して後端を設ける。さらにラック58と噛み合うピニオンである第一ギヤ60と一体として回転する第二ギヤ61の回転軸と、第二ギヤ61と噛み合って回転する第三ギヤ62と第一歯付プーリ49の回転軸とを中間移動部材35の後辺に沿って横並びに配置すれば、第二ギヤ61と第一歯付プーリ49の外周をともに後板32に近接して配置することができる。さらに第二歯付プーリ50の外周を扉体34に近接して中間移動部材35の前端近傍に設ければ、第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50の間隔を拡大することができるので、歯付ベルト51による移動部材52の移動距離を拡大して、容器25ないし容器25に載置された廃棄ボックス22の前後方向の移動距離を拡大できるので好適である。
中間移動部材35の左右辺の内側に下方に向けて設けた左右一対の受け板42、42は、筐体33の底板31に回転自在に固定された左右一対の第一支持ローラ39、39と相対しており、受け板42、42の前後方向の長さは引出し21の全開位置と全閉位置との間の動作ストロークよりも大として、開閉動作中は受け板42は第一支持ローラ39、39に載置されている。
ここで、引出し21が全閉の位置では、図7(a)に示すように、第一支持ローラ39は受け板42の前端近傍に位置し、引出し21が全開の位置では、図7(c)に示すように、第一支持ローラ39は受け板42の後端近傍に位置し、開閉動作の途中状態においては、図7(b)に示すように、第一支持ローラ39は受け板42の前端と後端の間に位置する。
ここで、受け板42の前端側は、前方に向かうほど上下方向の厚さが薄くなるように傾斜した第一斜面93とし、受け板42の後端側は、後方に向かうほど上下方向の厚さが薄くなるように傾斜した第二斜面94とする。そしてさらに、引出し21が全開の位置では第一支持ローラ39は受け板42の第一斜面93の範囲に位置し、全閉の位置では第一支持ローラ39は受け板42の第二斜面94の範囲に位置するように配置する。
引出し21が開いた状態から閉じ動作を行うと、全閉位置の近傍で受け板42の前端に設けられた第一斜面93が第一支持ローラ39に載置される位置関係となるから、
容器25および中間移動部材35の自重によって、第一支持ローラ39は受け板42の第一斜面93から後方に向けた分力を受け、その分力は引出し21を閉じる方向の力となる。
すなわち、引出し21は全閉位置に向けて自重で閉じる動作を行う。さらに、全閉時に移動ピン45は摺動溝54の後端に当接した状態で、第一支持ローラ39は受け板42の第一斜面93から後方に向けた分力を受けるので、引出し21をさらに閉じる方向の力を受けるので、引出し21は全閉位置で安定して位置を保つ。
引出し21が開き動作を行うと、全開位置の近傍で受け板42の後端に設けられた第二斜面94が第一支持ローラ39に載置される位置関係となるから、容器25および中間移動部材35の自重によって、第一支持ローラ39は受け板42の第二斜面94から前方に向けた分力を受け、その分力は引出し21をさらに開く方向の力となる。
すなわち、引出し21は全開位置に向けて自重で開き動作を行う。さらに、全開時に移動ピン45は摺動溝54の前端に当接した状態で、第一支持ローラ39は受け板42の第二斜面94から前方に向けた分力を受けるので、引出しをさらに開く方向の力を受けるので、引出しは全開位置で安定して位置を保つ。
第一斜面93ないし第二斜面94が第一支持ローラ39に載置されている間は、容器25および中間移動部材35の自重による分力を受ける。したがって、全開位置から引出し21の閉じ始めは、自重による分力相当の閉じ力が増加し、第一支持ローラ39が第二斜面94から離反した後は閉じ力が減少するので、閉じ始めに軽微なクリック感を付与でき、操作性が良好である。
さらに全閉位置から引出し21の開き始めは、自重による分力相当の開き力が増加し、第一支持ローラ39が第一斜面93から離反した後は開き力が減少するので、開き始めに軽微なクリック感を付与でき、操作性が良好である。
換言すれば、受け板42の前端と後端にそれぞれ斜面を設け、第一支持ローラ39がそれぞれ引出し21の全開時と全閉時に斜面上に位置するように配置したので、全開時と全閉時の引出し21が前後方向に安定する、という効果がある。
引出し21の開閉動作を行う際の、引出し21の移動量と容器25の移動量について説明する。
ラック58と噛み合う第一ギヤ60のピッチ円直径をD1とすれば、引出し21をL1=π×D1だけ引き出すと第一ギヤ60が1回転し、同時に第二ギヤ61も1回転する。第三ギヤ62の歯数に対する第二ギヤ61の歯数の比をZ1(>1)とすれば、第三ギヤ62はZ1回転する。すなわち、第一歯付プーリ49もZ1回転する。第一歯付プーリ49の直径をD2とすると、歯付ベルト51外周の送り量はL2=Z1×D2×πとなる。容器25の移動量L3は、引出し21の移動量L1と歯付ベルト51外周の送り量L2の和なので、L3=L1+L2、となる。
ここで、一例として引出し21の引出し量を最大250mm、その時の容器25の移動量を750mmとすれば、その比率は1:3であり、L1:L3=1:3と3倍に増速している。ここでL3=L1+L2だから、L1:L2=1:2となるように第一ギヤ60、第二ギヤ61、第三ギヤ62、および第一歯付プーリ49の歯数を適切に設定すればよい。
図7および図8を用いて、第一実施形態における引出し21の開き動作と容器25の移動動作について説明する。
図7および図8において、(a)は引出し21が全閉状態にあり、廃棄ボックス22は反応容器廃棄孔12の直下の所定の位置にある。(c)は引出し21が全開状態にあり、廃棄ボックス22は前面開口20より前方にあり、引出し21の扉体34に近接した位置にあって、使用済み消耗品の投入された廃棄ボックス22の取り出しおよび空の廃棄ボックス22を容器25に載置することができる。(b)は全開位置と全閉位置の間の開閉途中状態である。
(a)の全閉状態において、左右の辺に一対の第二レール43、43を設けた中間移動部材35は最も後方に移動した位置にあり、中間移動部材35の後端は筐体33の後板32に近接した位置にある。歯付ベルト51の一部に固定された移動部材52は、第一歯付プーリ49に近接した最も後方位置にある。廃棄ボックス22を載置した容器25は最も後方にあり、この位置が反応容器廃棄孔12直下の所定の位置となる。第二支持ローラ40、40には受け板42の第一斜面93が載置され、引出し2 1に閉じ方向の分力を加えることで、閉じ状態を安定に維持する。
(b)は引出し21をL1’だけ開いた開閉途中状態にあり、容器25および容器25に載置された廃棄ボックス22は扉体34に近接しつつ増速して移動し、その移動量は本実施形態において引出し21の移動量の3倍となるようにしたので、容器25の移動量はL3’=3×L1’である。すなわち、容器25および容器25に載置された廃棄ボックス22は引出し21が開く3倍の速度で前方に移動する。
第二支持ローラ40には受け板42の水平面を載置しており、前後方向の分力は発生しない構成である。
(c)は引出し21をL1開いた全開状態であり、中間移動部材35は最も前方に移動した位置にあり、移動部材52は第二歯付プーリ50に近接した最も前方位置にある。廃棄ボックス22を載置した容器25はL3=3×L1開いた最も前方にあり、前面開口20よりも前方に位置して廃棄ボックス22の取り外しおよび空の廃棄ボックス22の取付が容易に行うことができる。第二支持ローラ40、40には受け板42の第二斜面94が載置され、引出し21に開き方向の力を加えることで、開き状態を安定に維持する。
全開状態に至る直前に、第二支持ローラ40は受け板42の第二斜面94が載置されるので、それ以降は開き方向の分力を生じて、引出し21はその自重によってさらに開方向に移動して、全開状態に至る。
上記は開き動作について説明したが、閉じる際には逆に(c)(b)(a)の順に動作して、引出し21の閉じ動作に連動して容器25は所定の位置に移動する。
全閉状態に至る直前に、第二支持ローラ40は受け板42の第一斜面93を載置するので、それ以降は閉じ方向の分力を生じて、引出し21はその自重によって全閉位置まで移動する、所謂引き込み動作を行うので確実に全閉位置まで閉じる。引出し21は全閉位置直前でわずかに開いたままの状態になることがなく、閉じ動作が確実な自動分析装置1を提供できる。
ところで、引出し21の開閉動作に伴って容器25と廃棄ボックス22とは一例として3倍に加速して搬送されるから、全開時ないし全閉時に急停止した際には大きな衝撃を生じる。そのため、減衰手段を設けて衝撃を低減することが望ましい。
減衰手段の一例としては、圧縮動作に応じて減衰を生じる所謂油圧ダンパに引出し21ないし容器25の一部を当接して減衰力を付加して減速することである。しかし、油圧ダンパは圧縮ストロークが例えば20mm程度とすれば、全開位置の20mm手前までは減衰が無いために引出し21を引く力に応じて加速し続け、油圧ダンパに高速で衝突するために十分な減速ができない、という問題がある。ここで油圧ダンパの減衰が過大であれば、例えば油圧ダンパに引出し21の一部が当接してから10mm圧縮されたところで停止してしまうので衝撃吸収が十分にできず、大きな衝撃を生じる。逆に油圧ダンパの減衰が小さければ、20mm圧縮された時点でもまだ十分に減速しないまま全開位置で衝撃的に急停止する。
あるいはまた、回転軸にブシュを嵌合したり、その他の摩擦ブレーキ手段によって開閉動作に摩擦負荷を付加し、減速する手段もある。しかし所謂フックの法則で知られるように、摩擦力は速度によらず一定となる特性をもつので、摩擦負荷を付加すると開閉動作に要する力が全開位置から全閉位置までの範囲で一様にその一定の摩擦力だけ増加する。このような摩擦負荷を付加すると、操作者が摩擦負荷が無い場合と同じ力を加えた場合には開閉速度を低減することができる。しかし、操作者が摩擦力に相当する開き力をさらに追加して加えた場合には開閉速度は低減することなく、摩擦負荷がない場合と同じ速度で全開位置まで加速して衝撃的に急停止する。
このような動作に鑑みて、望ましい減衰力の特性として、引出し21の開閉速度が低速であれば小なる抵抗力を発生し、引出し21の開閉速度が高速になるほど大なる抵抗力を発生するような速度依存性の抵抗特性を備えることが望ましい。すなわち、操作者が引出し21に大きな開閉力を加えて高速で開閉させようとすると抵抗力が増加して、引出し21が高速化することを妨げることで、引出し21の開閉速度を低減することが好適である。このような速度依存性を備えた抵抗特性をもつのは粘性抵抗であり、引出し21の開閉動作の全範囲にわたって粘性抵抗を付加することで、引出し21の開閉速度を低減して全開時ないし全閉時の衝撃を低減することができる。
ロータリーダンパ65は内部に例えば高粘度のシリコンオイルなどの粘性流体を封入して、回転する軸部外周と固定された円筒状のケース内周との間に生じる粘性流体の剪断力によって粘性抵抗トルクを生じる構成が一般的である。このような構成のロータリーダンパ65では、封入された粘性流体は高粘度であるほど大きな粘性抵抗トルクを生じるものの剪断変形の速度には上限があり、その上限速度を超えた剪断変形が加わると粘性流体は内周側と外周側とに分離して空転し、結果として剪断変形による所定の粘性抵抗トルクよりも小さなトルクで回転してしまうことがある。すなわちロータリーダンパ65には、使用できる回転速度に上限があって、操作者がロータリーダンパ65の回転速度の上限を超えるほどの高速で引出し21を開閉すると、ロータリーダンパ65は所定の粘性抵抗トルクを発生できず、結果として抵抗力が不足して引出し21は十分に減速できず、全開ないし全閉時の速度が増加して衝撃時に急停止する。
本実施形態においては、引出し21の開閉動作とともに、ラック58と噛み合った第四ギヤ64が回転し、第四ギヤ64より大なる第五ギヤ66が減速回転してロータリーダンパ65の軸を回転することで、開閉動作の際に粘性減衰を付与する構成である。ロータリーダンパ65は減速回転されるので、第四ギヤ64と第五ギヤ66の減速比を適宜選択することで、開閉動作の際にロータリーダンパ65の回転速度の上限を超えることなく、開閉速度に依存した粘性抵抗を発生する構成である。操作者が引出し21を高速で開閉しようとすれば大きな粘性抵抗を生じることで操作者が引出し21を高速で開閉する操作を抑制することができ、引出し21の開閉速度を低減して全開ないし全閉時の衝撃を低減して、信頼性の高い自動分析装置1を提供できる。
自動分析装置1を小型化するには、筐体33の前後寸法を短縮することが望ましい。そこで、引出し21および容器25の移動量を確保しつつ筐体33の前後寸法を短縮する構成について図18を用いて説明する。図18(a)は、第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50を筐体33に設けた形態で引出し21を開いた状態である。図18(b)は本発明の実施形態に係る構成であって、扉体34の開閉動作とともに移動する引出し21に第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50を設けた形態を示す、模式側面図である。引出し21を閉じた際の容器25の位置を、一点鎖線で示す。
図18(a)に示すごとく歯付ベルト51を巻き回す一対の歯付プーリ49、50を筐体に設けた形態において、歯付プーリ49、50の配置可能な最大の前後方向の間隔は、後方にある第一歯付プーリ49のベルト外れ防止のためのフランジ68を筐体33の後板32に近接して設け、前方にある第二歯付プーリ50のフランジ68を前面開口20に近接して設けた場合であり、このときの第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50の間隔をL0とする。
一対のプーリに巻き回される歯付ベルト51の直線部分の長さはプーリ同士の軸間距離と等しく、第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50にはベルト外れ防止のため直径の大なるフランジ68が設けられるので、歯付ベルト51の移動距離L2は歯付ベルト51の一端に設けられた移動部材52がフランジ68、68に干渉しない範囲内であって、第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50の軸間距離L0より小となり、L2<L0の関係がある。容器25は歯付ベルト51の外周とともに移動するので、容器25の移動量L3は歯付ベルトの移動量と等しくL2であり、L3=L2の関係がある。
引出し21を全開位置までL1だけ開いた際に、前面開口20よりも第二歯付プーリ50は後方にあり、移動部材52は第二歯付プーリ50よりもさらに後方に位置する。一方、全開位置において廃棄ボックス22を載置した容器25の容器後面69は前面開口20よりも前方に位置するものとすれば、移動部材52から容器後面69まで距離L4だけ前方に突き出た、所謂オーバーハングした形態となる。
ここで引出し21を全閉位置まで閉じると容器25は歯付ベルト51とともにL2だけ後方に移動するので、このときの位置を一点鎖線で示す。移動部材52は第一歯付プーリ49の直前の位置まで移動するものの、容器25は移動部材52より距離L4前方までしか後退できないので、容器25から後板32までの距離L5は利用できない所謂デッドスペースとなる。
容器25が最も後退した際に廃棄ボックス22は血液分析装置1の反応容器廃棄孔12の真下に位置するものとすれば、反応容器廃棄孔12の後方には距離L5のスペースが必要となり、血液分析装置1の小型化に限界があり、反応容器廃棄孔12を後板32近傍には設けられない、というレイアウトの制約を生じる。
第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50の間隔L0よりも容器25の移動量L2を大とすることはできないので、距離L5を小さくすると引出し21を全開しても容器後面69が前面開口20よりも前方に移動しないので、廃棄ボックス22の取り出しがしにくくなる、という問題がある。
図18(b)においては、歯付ベルト51を巻き回す一対の第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50を引出し21とともに前後に移動するよう設けた。本形態を図18(a)の形態と比較すると、歯付ベルト51は第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50とともに引出し量L1だけ前方に移動するから、容器移動量L3は歯付ベルト51の移動距離L2と引出し量L1の和となり、L3=L1+L2の関係がある。
前方に設けられた第二歯付プーリ50は移動部材52とともに前面開口20よりも前方に移動可能である。したがって、移動部材52と容器後面69とのオーバーハングした距離L4を、引出し量L1だけ縮小することが可能となる。ここでL3>L2なので、引出し21の移動量L1を大とすればL3>L0、すなわち第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50間の距離よりも容器25の移動量を大とすることもできる。
一方、一点鎖線で示した引出し21を閉じた際の第一歯付プーリ49の位置を図18(a)の形態と同じく後板32の直前近傍に配置すれば、移動部材52も図18(a)の形態と同じ位置まで移動可能なので、オーバーハングした距離L4が縮小された分、容器25をさらに後方に移動することができる。すなわち、容器25から後板32までの距離L5のデッドスペースを削減でき、血液分析装置1の小型化に好適であるとともに、反応容器廃棄孔12の配置レイアウトの制約を低減することができる。
換言すれば、容器移動量L3よりも第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50間の距離L0を小とすることができるので、後板32を前方に移動して筐体33を前後方向に小型化することにより、血液分析装置1の小型化に好適である。
次に、本発明の第二実施形態について、図9から図17により説明する。
図9は廃棄ボックス引出し手段の斜視図であって、引き出し途中状態を示す。図10は分解斜視図、図11はB−B断面図である。図12は平面図であり、(a)上面図、(b)下面図である。図13は全開近傍の減速手段の構成を示す部分上面図であり、(a)減速開始、(b)減速中(c)全開状態を示す。図14は(a)引出し移動量と廃棄ボックスの移動量との関係、(b)引出し移動量と廃棄ボックスの移動量の比率である増速比の関係を示すグラフである。図15は廃棄ボックス引出し動作を示す側面図であり、(a)全閉、(b)開閉途中、(c)全開状態を示す。図16は廃棄ボックス引出し動作を示す上面図であり、(a)全閉、(b)開閉途中、(c)全開状態を示す。図17は(a)揺動アームと第二カム溝の関係、(b)揺動アームと第一カム溝の関係を示す概略図である。
第二実施形態が第一実施形態と異なるところは、ロータリーダンパ65を設けず、その代わりに全開近傍と全閉近傍に容器25の減速手段70を備えたことであり、第一実施形態と同一の構成を備えた部分については、説明を省略する。
また、第一実施形態においては一例として、引出し21を250mm移動すると容器25が一様に3倍速度に増速され、3倍の750mm移動する構成としていた。第二実施形態においては、減速手段70によって3倍速度よりも減速する区間を生じるため、容器25の移動量を引出し21の移動量の3倍とするには、減速区間を除いた容器25の速度は引出し21の3倍よりも大としなくてはならない。第二実施形態の一例としては3.2倍に増速するものとして説明する。
第一実施形態では歯付ベルト51の一辺に固定された移動部材52に設けられた移動ピン45が容器25の底面に嵌合して、移動ピン45の前後移動と一体に容器25が前後に移動する構成であった。
一方、第二実施形態では移動ピン45のまわりに回動自在な揺動アーム71を設け、中間移動部材35の上面には略U字型をなした第一カム溝72を備えた第一カム板73と、容器25の底面下側には略U字型をなした第二カム溝74を備えた第二カム板75を設け、全開近傍と全閉近傍においては、移動ピン45の前後移動動作を第一カム溝72と揺動アーム71と第二カム溝74を介して減速して容器25に伝達する減速手段70を設ける構成なので、以下、詳細に説明する。
図10ないし適宜図12、図13、図17を参照して示すように、中間移動部材35の上面には上側に凸した第一カム板73が設けられ、第一カム板73の上面には第一カム溝72が設けられている。第一カム溝72は平面視で右方から見た時に横長の略U字型をしている。U字型の前後方向長さ、すなわちU字の幅は摺動溝54よりも長く設けられている。第一カム溝72の前端近傍と後端近傍は先端ほど左辺に近接するように湾曲した前後対称な略1/4円弧形状部を介して、さらに先端には左方を向いた第一直線部76、76を備えた一対の湾曲部77、77と、摺動溝に沿って前後方向に延伸されて一対の湾曲部77、77を接続した、第二直線部79を備える。全体として前後に対称な略U字型をしている。
第一カム溝72の第二直線部79のうちU字の外側を向いた右辺には、前後方向に対称に第一カム板73を部分的に切り欠いた一対の切欠部78、78を設け、切欠部78、78においては第一カム溝72は中間移動部材35の上面と同一の面としている。換言すれば、切欠部78、78において、第一カム溝72は外部に開放されている。
容器25の下面には、下側に凸した第二カム板75が設けられ、第二カム板75の下面には第一カム溝72に対向して第二カム溝74が設けられている。第二カム溝74は平面視で右方から見た時に略U字型をしており、U字型の前後方向長さ(U字幅)は容器25の前後方向長さの範囲で設けられており、第二カム溝74の前後方向のU字幅は第一カム溝72のU字幅より小である。
第二カム溝74は、摺動溝54よりも左側の範囲は前後対称な第三直線部80、80をなしており、引出し21の開閉方向に対して直交して、左方を向いた直線状である。摺動溝54よりも右側の範囲はU字溝の第三直線部80、80を滑らかに接続した中央湾曲部81であり、中央湾曲部81における左右方向の溝幅はU字溝の第三直線部80、80よりも大としている。その形状の詳細については後述する。
揺動アーム71は、摺動溝54に沿って前後方向に移動自在な移動ピン45を回転軸として、移動ピン45のまわりに水平面内に回動自在に軸支され、第一カム板73より上方かつ第二カム板75より下方、すなわち第一カム板73と第二カム板75の間に設けられる。
揺動アーム71には、移動ピン45の貫通する穴である揺動中心82が設けられ、移動ピン45に対して水平面内に回動自在に軸支されている。
揺動アーム71の一端には、揺動アーム71の上面側に凸した第一ガイドローラ83が上下方向軸のまわりに回動自在に軸支されており、第一ガイドローラ83と同軸に揺動アーム71の下面側に凸した第二ガイドローラ84が上下方向軸のまわりに回動自在に軸支されている。
揺動アーム71の揺動中心82を挟んで反対側の他端には、揺動アーム71の上面側に凸した第三ガイドローラ85が上下方向に延伸した回動軸のまわりに回動自在に軸支されており、第三ガイドローラ85と同軸に揺動アーム71の下面側に凸した第四ガイドローラ86が上下方向に延伸した回転軸のまわりに回動自在に軸支されている。
本実施形態においては、第一ガイドローラ83と第三ガイドローラ85とは揺動中心82を挟んで対称な位置にあり、第二ガイドローラ84と第四ガイドローラ86とは揺動中心82を挟んで対称な位置にある。また、第一ガイドローラ83と第二ガイドローラ84と第三ガイドローラ85と第四ガイドローラ86の直径は全て等しいものとしている。
第一カム溝72の湾曲部77、77および第一直線部76、76の幅は第二ガイドローラ84と第四ガイドローラ86の直径と略等しく、適度な隙間をもって第一カム溝72内を第二ガイドローラ84と第四ガイドローラ86が滑らかに摺動可能な寸法としている。移動部材52に設けられた移動ピン45が摺動溝54に沿って前後方向に移動すると、揺動アーム71は移動ピン45とともに前後方向に移動し、第二ガイドローラ84と第四ガイドローラ86は第一カム板73に設けられた第一カム溝72に沿って移動する構成である。
第二カム溝74のうち摺動溝54よりも左側の左方を向いた直線状のU字溝の第三直線部80の幅は、第一ガイドローラ83と第三ガイドローラ85の直径と略等しく、て第三直線部80内を適度な隙間をもって第一ガイドローラ83と第三ガイドローラ85が滑らかに摺動可能な寸法としており、第一ガイドローラ83と第三ガイドローラ85は第二カム板75に設けられた第二カム溝74に沿って移動する構成である。
図12は引出し21の開閉動作の途中状態を示すもので、移動ピン45は摺動溝54の略中央にあり、揺動アーム71に設けられた第二ガイドローラ84と第四ガイドローラ86は第一カム溝72の第二直線部79に接する。第二ガイドローラ84と第四ガイドローラ86とを結んだ線の方向を揺動アーム71の方向と呼ぶことにすれば、揺動アーム71は前後方向を向いた状態である。
引出し21が前後方向に移動して移動ピン45が摺動溝54に沿って前後方向に移動しても、第二ガイドローラ84と第四ガイドローラ86はともに第一カム溝72の第二直線部79に接した状態を維持するから、揺動アーム71の方向が変わることはなく摺動溝54に沿って移動ピン45とともに前後方向に移動する。
第一ガイドローラ83と第三ガイドローラ85はそれぞれ第二ガイドローラ84と第四ガイドローラ86と同軸に配置されており、それぞれ第二カム溝74のU字溝の両端の第三直線部80、80と中央湾曲部81の境界に位置する。したがって第一ガイドローラ83と第三ガイドローラ85もともに前後方向に移動するので、第二カム溝74のU字溝を介して第二カム板75と容器25とは、移動ピン45とともに前後方向に移動する。
図13を用いて、引出し21を開いた際に、全開位置の近傍で扉体34に対して容器25を減速する動作について説明する。図13は廃棄ボックス引出し手段24の部分上面図である。
図13(a)は引出し21が全開位置よりも手前に位置し、第二ガイドローラ84と第四ガイドローラ86はともに第一カム溝72の第二直線部79に接し、揺動アーム71は前後方向を向いた状態を示している。開き動作の際には第二ガイドローラ84が先行して前方に移動して、図13(a)の位置では第二直線部79と湾曲部77の境界位置にあるものとする。本実施形態では一例として移動ピン45は引出し21の移動量の3.2倍移動する構成だから、引出し21の開き動作に対して容器25は3.2倍に増速して前方に移動する。
図13(b)は引出し21が図13(a)の位置よりもZ1だけ開き方向に移動した状態を示す。移動ピン45の移動量X1は引出し21の移動量Z1の3.2倍であり、X1=3.2×Z1となる。すなわち、移動ピン45は引出し21の3.2倍の速度で移動する。
このとき、第二ガイドローラ84は第一カム溝72の第二直線部79から湾曲部77に移動するので、揺動アーム71は前後方向から角度θ1だけ揺動する。
第一ガイドローラ83は第二ガイドローラ84と同心位置にあるので第一ガイドローラ83は第二カム溝74のU字形の第三直線部80の先端側に移動する。したがって、第一ガイドローラ83と移動ピン45との前後方向の距離は、揺動アーム71の角度θ1の揺動によってcosθ1を乗じた値に減少する。したがって、容器25の移動量をY1とすれば、Y1<X1となる。すなわち、容器25の前方への移動速度は引出し21の3.2倍よりも小となって、容器25は減速する。
図13(c)は引出し21が図13(b)の位置よりもさらにZ2だけ開き方向に移動した全開状態を示す。移動ピン45は摺動溝54の前端に当接してストッパとなるので、引出し21、容器25とも全開位置におけるさらなる前方への移動を停止する。図13(c)でも移動ピン45は引出し21の移動量の3.2倍移動する構成だから、移動ピン45の移動量X2は引出し21の移動量Z2の3.2倍であり、X2=3.2×Z2となる。第二ガイドローラ84は第一カム溝72の湾曲部77の先端近傍の第一直線部76に移動するので、全開位置の近傍では第二ガイドローラ84は引出し21に対して前後方向には移動せず、揺動アーム71は前後方向から角度θ2だけ揺動する。第一ガイドローラ83は第二カム溝74のU字形先端の第三直線部80の先端側に沿ってさらに移動し、第一ガイドローラ83と移動ピン45との前後方向の距離は、揺動アーム71の揺動によってcosθ2を乗じた値に減少する。容器25の移動量をY2とすれば、Y2<X2となる。θ2の一例として例えば70゜程度とすれば、cos70゜≒0.34なので移動ピン45の移動量に対する容器25の移動量は約1/3に低減して、移動ピン45と容器25とは等速になる。
すなわち、全開位置近傍において第一ガイドローラ83は第二カム溝74のU字形先端の第三直線部80にあり、第二ガイドローラ84は第一カム溝72の湾曲部先端近傍の左方を向いた第一直線部76にあるとすれば、第一カム溝72の前方への移動量と第二カム溝74の前方への移動量とは等しくなるので、引出し21と容器25とは互いに等速で前方に移動して全開位置に至る。
すなわち、図13(a)に示したように、揺動アーム71が前後方向を向いて第一カム溝72の第二直線部79に沿って移動する際には、容器25は引出し21の3.2倍に増速駆動されるものの、図13(c)に示すように全開状態ないしその直前には揺動アーム71が揺動することで、容器25は引出し21と等速にまで減速される。すなわち図13(a)に示した位置から図13(c)に至るまでの引出し21の移動距離Z3はZ3=Z1+Z2であり、そのときの容器25ないし廃棄ボックス22の移動量Y3はY3=Y1+Y2となり、このY3ないしZ3の範囲内では、容器25は減速される。本実施形態の一例として、Z3として30mmから40mm程度であるとする。
換言すれば、引出し21を開く際には、容器25は引出し21の3.2倍速に増速駆動された状態から等速駆動まで減速された後に全開位置に至って停止する。
引出し21を全開位置から後方に移動して閉じ動作を開始する際には、図13(c)(b)(a)の順に作用して、容器25を引出し21に対して等速駆動から3.2倍増速駆動まで加速した後、引出し21に対して3.2倍の速度で等速に後方に移動する。
なお、上記は引出し21の全開位置近傍での動作について説明したが、引出し21の全閉位置近傍での作用は図13から扉体34を除いて前後方向(図示左右方向)に対称の鏡像としたものである。閉じ動作において全閉位置に至る際の動作は図13(a)(b)(c)の鏡像の順であって、図13(c)の鏡像が全閉状態となる。引出し21の閉じ動作に伴って、容器25は3.2倍速に増速駆動された状態から等速駆動まで減速された後に全閉位置に至って停止する。
全閉状態から開き始める際には図13(c)(b)(a)の鏡像の順に、容器25は引出し21に対して等速から3.2倍速にまで加速しながら開き動作を行う構成である。
なお、本実施形態においては第一カム溝72と第二カム溝74とは右側から見てU字形をなす形態として説明したが、その形態に限定されるものではなく、左右対称形状として左側から見てU字形をなす形態であってもよい。
引出し21の全閉位置から扉体34を前方に引き出して引出し21を全開位置まで移動する際の、容器25の変位特性と速度特性について、図14を用いて説明する。
図14は、(a)引出し21の移動量と廃棄ボックス22ないし容器25の移動量との関係、(b)引出し21の移動量と廃棄ボックス22ないし容器25の移動量の比率である増速比の関係を示すグラフである。横軸には引出し21の移動量をとり、左端が全閉位置、右端が全開位置を示す。
本実施形態においては、一例として全閉位置から全開位置まで引出し21を250mm引き出すと、容器25ないし容器25に載置された廃棄ボックス22が750mm前方に移動するものとしている。
図14(a)において、横軸は引出し21の移動量ないし開き量を示し、全閉位置では0、全開位置では250mmとなる。縦軸は容器25ないし廃棄ボックス22の移動量を示し、全閉位置では0、全開位置では750mmとなる。
図13により説明したように、全開位置および全閉位置の近傍それぞれZ3の範囲は、容器25が引出し21に対して等速と3.2倍速との間で加速ないし減速する範囲である。それ以外の範囲では容器25の移動量は引出し21の移動量に対して3.2倍の一定値となる一定速区間なので、グラフは直線状となり、引出し21を一定速度で移動すれば、容器は引出し21と同じ方向に引出し21の3.2倍速の一定速度で移動する。
一方、全閉位置近傍のZ3の範囲では、グラフは下側に凸した曲線形状となり、全開位置近傍のZ3の範囲では、グラフは上側に凸した曲線形状となる。
図14(b)において、縦軸は容器25ないし廃棄ボックス22の引出し21に対する速度の比率、すなわち増速比を示す。本実施形態においては、引出し21を250mm引き出すと、容器25ないし容器25に載置された廃棄ボックス22が750mm前方に移動するものとしているから、平均の増速比は3となる。しかし、全閉位置近傍と全開位置近傍における増速比は平均の増速比よりも小となるから、一定速度範囲における増速比は3よりも大となる。本実施形態の一例としては3.2である。
一方、全閉位置からの開き始めにおいては図13(c)の前後対称(図示左右対称)の状態であり、引出し21の速度と容器25の速度とは等しいから、増速比は1となる。そして引出し21が開くに従って増速比は増大し、Z3開いた位置で図13(a)と前後対称(図示左右対称)の状態となって増速比が3.2となり、その後一定の増速比で容器25は移動する。
図13(a)から図13(c)に至るまでの全開位置近傍のZ3範囲では、容器25の増速比は3.2から減少し、全開位置では引出し21の速度と容器25の速度とは等しいから、増速比は1となる。
すなわち、図14(b)に示すように、引出し21に対する容器25の増速比は、全閉位置と全開位置では増速比は1であり、Z3の範囲では加減速を行い、Z3の範囲以外の一定速度範囲では増速比3.2と一定となる。引出し21を全閉位置から全開位置まで一定速度で開いたとすれば、容器25は図14(b)に示す増速比に従った速度特性で開き動作を行う。
言うまでもなく、引出し21の閉じ動作の際には、本実施形態では増速比の特性を全開近傍と全閉近傍で対称としたので、容器25は開き動作の際と方向が逆で同じ速度特性の閉じ動作を可逆的に行う。
全閉位置から全開位置までの引出し21の動作と容器25の移動量の関係を図15と図16により説明する。図15は廃棄ボックス引出し手段の側面図、図16は上面図であり、それぞれ(a)全閉状態、(b)開閉途中状態、(c)全開状態を示す。図15(a)と図16(a)において引出し21は全閉位置にあり、容器25と廃棄ボックス22とは反応容器廃棄孔12直下の所定の位置にある。
引出し21の扉体34をL1’だけ開くと、図14(a)に示した変位特性ないし図14(b)に示した増速比特性に従って容器は引出し21と等速で開き動作を開始した後増速し、L3’だけ引出し21と同方向に移動して、図15(b)ないし図16(b)に示す開閉途中状態に至る。
さらに引出しをL1まで開くと全開状態に至り、容器25は前方に増速移動したのちに引出し21と等速まで減速してL3移動し、図15(c)ないし図16(c)に示した全開位置に至る。
上記は全閉状態から全開状態に至る開き動作について説明したが、図15(c)ないし図16(c)に示した全開状態から引出し21を後方に移動すれば、図15(b)ないし図16(b)に示す開閉途中状態を経て図15(a)ないし図16(a)に示した全閉位置に至る。すなわち開閉両方向に可逆的に移動可能な構成である。
第一カム溝72と第二カム溝74の形状について、図17を用いて説明する。図17(a)は揺動アーム71と第一カム溝72の関係、図17(b)は揺動アーム71と第二カム溝74の関係を示す概略図である。図17において、揺動アーム71は一部の図象を除いて外形線を省略し、揺動アーム71の回動中心である移動ピン45と、揺動アーム71の一端に設けられた第一ガイドローラ83と第三ガイドローラ85、他端に設けられた第二ガイドローラ84と第四ガイドローラ86の外形線と、揺動アーム71の一端と他端とを結んだ仮想直線として簡略的に表している。また、移動ピン45、第一ガイドローラ83、第二ガイドローラ84、第三ガイドローラ85、および第四ガイドローラ86の移動にともなって、それぞれ対応する位置にaからfの符号を付記して示す。
図13を用いて先に説明したように、揺動アーム71は回動中心である移動ピン45のまわりに回動し、一端に備えた第二ガイドローラ84と他端に備えた第四ガイドローラ86は第一カム溝72に沿って移動し、揺動アーム71を挟んで一端に備えた第一ガイドローラ83と他端に備えた第三ガイドローラ85は第二カム溝74に沿って移動する構成である。
図17(a)において、符号aを付記した位置は、図13(a)に示したと同様に、第二ガイドローラ84aと第四ガイドローラ86aがともに第一カム溝72の第二直線部79に接し、揺動アーム71は前後方向を向いた状態である。
この位置から全開位置までの容器25の移動量X3は、図13に示すように移動ピン45の移動量(X1+X2)と引出し21の移動量(Z1+Z2)の差となるから、X3=(X1+X2)−(Z1+Z2)となる。
引出し21を前方に移動すると、移動ピン45bの前方への移動に伴って第二ガイドローラ84bは第一カム溝72の湾曲部77に侵入して左方(図示上方)にわずかに移動し、揺動アーム71は移動ピン45bを中心にして回動し、第四ガイドローラ86bは第二直線部79よりも右方に移動する。さらに移動ピン45は、45c、45d、45e、を経て45fの全開位置に至るまで移動すると、第二ガイドローラ84は、84c、84d、84e、を経て84fまで湾曲部77に沿って移動し、一方で第四ガイドローラ86は、86c、86d、86e、を経て86fまで第二直線部79からさらに右方に離反して、引出し21の全開位置に至るまでローラ軌跡87に沿った軌跡を描き、揺動アーム71は前後方向に対して角度θ2まで傾斜する。したがって、第四ガイドローラ86のローラ軌跡87に沿った移動と、それに伴う揺動アーム71の回動を妨げないよう、第一カム溝72の第二直線部79には湾曲部77の湾曲方向とは反対側の辺にカム溝を切り欠いた切欠部78を設けることが望ましい。あるいは、切欠部78、78、は前後方向に連続して一体として形成されていてもよい。
さらに第一カム溝72は前後方向に対称な略U字形をしているから、切欠部78もまた、前後方向に対称に一対設けることが望ましい。
図17(b)において、符号aを付記した位置は、図13(a)に示したと同様に、第一ガイドローラ83aと第三ガイドローラ85aがそれぞれ第二カム溝74の第三直線部80、80と中央湾曲部81との境界部分に接し、揺動アーム71は前後方向を向いた状態である。
この位置から全開位置までの容器25の移動量X4は、図13に示すように移動ピン45の移動量(X1+X2)と容器25の移動量(Y1+Y2)の差となるから、X4=(X1+X2)−(Y1+Y2)となる。
以下、図17(a)と同様に、ただし符号bに対応した位置を省略してcからfまでの符号を付記して説明する。引出し21を前方に移動すると、移動ピン45cの前方への移動に伴って第一ガイドローラ83cはU字形をなした第二カム溝74のうち前方に設けられた第三直線部80に侵入して左方(図示上方)に移動し、第三ガイドローラ85cは右前方(図示左下方)に移動する。さらに移動ピン45は、45d、45e、を経て45fの全開位置に至るまで移動すると、第一ガイドローラ83は、83d、83e、を経て83fまで第三直線部80に沿って左方(図示上方)に移動し、第三ガイドローラ85d、85e、85fは中央湾曲部81の内部をローラ軌跡88に沿って移動して、揺動アーム71は前後方向に対して角度θ2まで傾斜する。ここで、移動ピン45の前方への駆動力は第一ガイドローラ83から第二カム溝74を介して容器25に伝達されるから、後方に設けられた第三ガイドローラ85は第二カム溝74に接しないように中央湾曲部81はローラ軌跡88に対して周囲に余裕をもって拡幅した形状とするのが望ましい。
また、引出し21を閉止する際には、揺動アーム71の後方側の他端に設けられた第三ガイドローラ85が第三直線部80’に沿って左方に移動した後、第一ガイドローラ83は中央湾曲部81の内部をローラ軌跡88’に沿って移動するので、第二カム溝74は前後方向(図示左右)に対称形状とすることが好ましい。
第二実施形態において、引出し21を開く際には増速して移動する容器25を全開近傍で減速した後に全開状態とし、引出し21を閉じる際には増速して移動する容器25を全閉近傍で減速してから全閉状態とし、全開全閉近傍を除いた途中区間は引出し21よりも増速した一定速度で容器25を移動する構成としたので、全開時と全閉時の容器が受ける衝撃を低減できる、という効果がある。
第二実施形態において、第一カム溝72と第二カム溝74とは前後方向に対称な略U字形であり、全開時と全閉時の減速の程度が等しい場合について説明したが、対称に限定されるものではなく、前後に非対称なU字形として、全開時と全閉時の減速の程度が異なる構成であってもよい。
その一例として、引出し21を開く際には廃棄ボックス22には廃棄されたサンプル分注チップ/反応容器が蓄積されているから、全開時の減速を大として衝撃を低減してサンプル分注チップ/反応容器の飛散を防止することがさらに望ましく、一方引出しを閉じる際には空の廃棄ボックス22を供給するのだから、全閉時の衝撃は大であっても問題ない場合である。
次に、本発明の第三実施形態について、図19と図20により説明する。
図19は第三実施形態にかかわる廃棄ボックス引出し手段24の分解斜視図、図20は廃棄ボックス引出し動作を示す側面図であり、(a)全閉、(b)開閉途中、(c)全開状態を示す。
第三実施形態が第一実施形態と異なるところは、ロータリーダンパ65を備えておらず、かつ駆動機構36は、容器25を引出し21の開閉動作と連動して前後方向に移動することなく、その代わりに中間移動部材35に対して容器25を電動で前後方向に移動する電動駆動機構36’を備えたことである。第一実施形態ないし第二実施形態と同一の構成を備えた部分については、説明を省略する。
中間移動部材35の後端近傍に、鉛直に設けられた回転軸穴89のまわりに回転駆動するモータ軸を下方に向けた駆動源である例えばステッピングモータ90と、モータ軸とともに回転駆動するピニオンギヤ91と、ピニオンギヤ91と噛み合って、第一歯付プーリ49と一体として回転する、ピニオンギヤ91より歯数の大なる第六歯車92と、を備える。
すなわち、ステッピングモータ90に通電してモータ軸が回転すると、ピニオンギヤ91と第六歯車92を介して、第一歯付プーリ49が減速回転し、歯付ベルト51に設けられた移動部材52が歯付ベルト51の一辺とともに前後方向に移動し、移動部材52に設けられた移動ピン45が摺動溝54に沿って前後方向に移動し、移動ピン45とともに容器25が前後方向に移動する構成である。
図20を用いて第三実施形態による廃棄ボックス22ないし容器25の引出し動作について説明する。図20(a)の全閉状態において、引出し21は閉じられており、容器25は中間移動部材35の後端近傍あって、ステッピングモータ90と近接した位置にある。廃棄ボックス22は、サンプル分注チップ/反応容器廃棄孔12の直下の所定の位置にある。
まず、操作者が図示しない、例えば「廃棄ボックス取り出し」操作ボタンを操作すると、例えばマイクロコンピュータ200から駆動信号を生じてステッピングモータ90を開き方向に回転駆動させる。
ステッピングモータ90が開き方向に回転するとピニオンギヤ91、第六歯車92、第一歯付プーリ49を介して歯付ベルト51が駆動され、歯付ベルト51の一辺に設けられた移動部材52が前方に移動して、移動ピン45は中間移動部材35の摺動溝54に沿って前方に移動する。
ステッピングモータ90は、所定のパルス数だけ駆動した後に停止すれば、移動ピン45はL2だけ前方に移動して、摺動溝54の前端部まで移動して停止する。ここで、このL2とは歯付ベルト51外周の送り量であり、例えば500mm程度である。容器25と廃棄ボックス22とは扉体34の後方に近接した図20(b)の、容器取り出し準備位置となる。この状態で図示しないインターロックを解除すれば、操作者が引出し21を操作可能な状態となる。
しかる後に、操作者が引出し21の扉体34をL1だけ前方に引き出せば、図20(c)に示すように、扉体34の後方近傍の容器取り出し準備位置に位置する容器25ないし廃棄ボックス22とともに前方に引き出される。L1の一例としては250mm程度であり、廃棄ボックス22は前面開口20よりも前方に引き出されて取り出し位置となり、容器25からの廃棄ボックス22の取り出しや、空の廃棄ボックス22の容器25へのセットが容易に行える。
空の廃棄ボックス22を容器25にセットした後、引出し21を閉じると図20(b)の状態となる。この状態で、操作者が図示しない「廃棄ボックスセット」操作ボタンを操作すると、図示しないインターロックを作用した後、ステッピングモータ90を閉じ方向に所定のパルス数だけ回転駆動した後に停止すれば、移動ピン45はL2だけ後方に移動して、容器25は取り出し準備位置から所定の位置に移動する。
本実施形態においては駆動源としてステッピングモータ90を用いた構成について説明したが、ステッピングモータ90に限定されるものではなく、所謂サーボモータや直流モータであってもよく、さらに容器25の全開位置と全閉位置を検出するための例えばマイクロスイッチや光電スイッチを設け、容器25の移動動作の完了を検出してマイクロコンピュータ200に報知する構成であってもよい。
第三実施形態においては、引出し21の開閉動作の際に容器25を連動して増速駆動しないので、引出し21を開閉動作する際に容器25を増速駆動する力を必要とせず、引出
し21をより小さな力で開閉できるので、使い勝手の良い自動分析措置を提供できる、という効果がある。
またさらに、全開位置および全閉位置の近傍でモータを徐々に減速してから停止することで、衝撃を低減して信頼性の高い自動分析装置を提供できる、という効果がある。
本発明においては、第一歯付プーリ49、第二歯付プーリ50と歯付ベルト51を引出し21と一体として前後方向に開閉する中間移動部材35に設けたので、容器25の移動量、すなわち所定の位置と取り出し位置との距離は歯付ベルト51に設けられた移動部材52の移動量に等しく、引出し21の移動量と、引出し21に設けられた歯付ベルト51の外周の移動量との和になるので、容器25の移動量を拡大できる、という効果がある。
さらに、第一歯付プーリ49の回転軸を中間移動部材の後辺の近傍に配置し、第二歯付プーリ50を扉体34に近接して中間移動部材35の前端近傍に設けたので、第一歯付プーリ49と第二歯付プーリ50の間隔を拡大し、歯付ベルト51による移動部材52の移動距離をさらに拡大して、容器25ないし容器25に載置された廃棄ボックス22の前後方向の移動距離をさらに拡大できる、という効果がある。
本発明においては、引出し21、容器25、移動部材52を前後方向に移動自在に支持する、前後方向に延伸した第一レール41、41、第二レール43、43、第三レール57や歯付ベルト51を、互いに上下に重ねて載置することなく、左右に併置する構成としたので、駆動部を薄型化して上下の高さ方向を抑制して、駆動手段36を薄型化できる、という効果がある。
本発明においては、中間移動部材35と扉体34の間に直交した位置関係を維持する補強部材38を設け、中間移動部材35と扉体34の固定剛性を高めることで、引出し21を開閉する際の扉体34の前後方向への傾斜変形を抑制して、引出し21開閉動作の安定した自動分析装置を提供できる、という効果がある。
第一実施形態においては、引出し21を前方に移動する際も、後方に移動する際も、ロータリーダンパ65を減速回転させて速度依存性を備えた粘性抵抗を生じる構成としたので、引出し21の開閉動作の際にロータリーダンパ65の回転速度の上限を超えることなく、開閉速度に依存した粘性抵抗を発生する構成である。操作者が引出し21を高速で開閉しようとすれば抵抗力が増加して、操作者が引出し21を高速で開閉する操作を抑制することができ、引出し21の開閉速度を制限して全開ないし全閉時の衝撃を低減して、信頼性の高い自動分析装置1を提供できる。
本発明においては、受け板42の前端と後端にそれぞれ斜面93、94を設け、第一支持ローラ39がそれぞれ引出し21の全閉時と全開時には斜面93、94上に位置するように配置したので、特段の部品を追加することなく、引出し21の自重と斜面から生じる分力によって全開時には開き力を生じ、全閉時には閉じ力を生じることによって、引出し21が前後方向に安定する、という効果がある。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。