JP6945506B2 - 透明化シート - Google Patents

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Description

本発明は、主に水からなる透明な液体を吸収すると透明化する透明化シートにおいて、液体を付与する前は高ヘイズでかつ低い全光線透過率を示し、液体を付与した後は低ヘイズでかつ高い全光線透過率を示すように変化する透明化シートに関する。
従来、透明フィルム上に低屈折率顔料を含有する多孔質層を設け、前記多孔質層に主に水からなる透明な液体を吸液させることにより多孔質層を透明化し、下層の色調を現出させる加工紙やシートが知られており、このことは例えば特公昭50−5097号公報、特公平5−15389号公報等に開示されている。吸液した液体が蒸発すると下層の色調が隠蔽され、再度利用することができる。
これらの加工紙やシートは、インクの代わりに水を用いたスタンプやペンにより描画を行う玩具のシートとして用いられており、例えば特開平11−216272号公報(特許文献1)には、人形又は動物形象玩具と、透明フィルム上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態で固着させた多孔質層を形成した変色性シートからなる人形又は動物形象玩具セットが開示されている。
また、透明化する多孔質層の皮膜耐久性を高める技術として、特開平11−198272号公報(特許文献2)には、支持体上に低屈折率顔料とウレタン系樹脂を含む多孔質層を設けた変色性積層体が開示されており、他方、特開2016−189728号公報(特許文献3)には、玩具や装飾以外の分野への応用例として多孔質層を用い、ハウス内部の結露により全光線透過率を向上させることが可能な調光シートが開示されている。
上記した加工紙やシート、および積層体等の透明化シートは、主に水からなる透明な液体を多孔質層が吸収することにより、多孔質層が透明化し、下地の色や模様が見えるようになる。しかしながら透明化した多孔質層のヘイズが高いため、下地と多孔質層が密着している場合には下地の色や模様は視認できるが、数センチメートル程度の隙間が存在すると色や模様が判別しづらくなるという課題があった。
また透明化シートは、繰り返して使用した際や保存した際の、ヘイズや全光線透過率の変化が生じ難いことが求められていた。
特開平11−216272号公報 特開平11−198272号公報 特開2016−189728号公報
本発明は、主に水からなる透明な液体を吸収すると透明化する透明化シートにおいて、下地との間で数センチメートルの隙間が生じても色や模様を容易に判別することが可能であり、繰り返して使用した際や保存した際の、ヘイズや全光線透過率の変化が改善された透明化シートを提供するものである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
液体を付与する前の状態ではヘイズ値が40%以上でかつ全光線透過率が85%以下を示し、液体を付与した後はヘイズ値が30%以下でかつ全光線透過率が86%以上を示すように変化し、下地の色あるいは模様を見えるようにする透明化シートであって、透明フィルム上に、無機微粒子、架橋されたポリビニルアルコール、および水に実質的に不溶かつ常温において蒸気圧を実質的に有さない脂肪族化合物として炭素原子が鎖状に連なった骨格構造を有する脂肪族化合物を少なくとも含有する多孔質層を有することを特徴とする透明化シート。
本発明によれば、主に水からなる透明な液体を吸収すると透明化する透明化シートにおいて、下地との間で数センチメートルの隙間が生じても色や模様を容易に判別することが可能であり、繰り返して使用した際や保存した際の、ヘイズや全光線透過率の変化が改善された透明化シートを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における多孔質層は、無機微粒子、架橋されたポリビニルアルコール、および水に実質的に不溶かつ常温において蒸気圧を実質的に有さない脂肪族化合物として、炭素原子が鎖状に連なった骨格構造を有する脂肪族化合物を少なくとも含有する。本発明の透明化シートは多孔質層内に形成されている空隙に主に水からなる透明な液体を吸収することができ、これによって高ヘイズでかつ全光線透過率が低かったシートが、低ヘイズでかつ全光線透過率が高いシートへ変化する。
本発明において透明化シートに吸収せしめる主に水からなる透明な液体とは、水のみ、あるいは必要に応じ例えばビタミンB2等の蛍光物質や、グリセリンなどの水溶性の不揮発溶剤、色素、界面活性剤などが添加された液体が例示される。ここで主に水からなるとは、透明な液体における水の含有量が90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは99質量%以上である。
本発明の透明化シートに、主に水からなる透明な液体を付与する(多孔質層の空隙が液体で飽和する)前の状態では、不透明感が感じられ、かつ透明化シートを通して見える背景を隠蔽するという観点から、本発明の透明化シートの全光線透過率は85%以下、ヘイズ値は40%以上である。より好ましくは、全光線透過率は85%以下、ヘイズ値は55%以上である。主に水からなる透明な液体を付与した(多孔質層の空隙が液体で飽和した)後の状態では、全光線透過率は86%以上、ヘイズ値は30%以下である。より好ましくは、全光線透過率は86%以上、ヘイズ値は25%以下である。
本発明の透明化シートが有する透明フィルムとしては、全光線透過率が85%以上、ヘイズ値は30%以下である透明フィルムが好適であり、例えば、ポリエチレン・ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル・塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂等の各種樹脂フィルムを挙げることができる。これらの中でもコスト、汎用性の観点からトリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルムから選ばれる樹脂フィルムが好ましい。
多孔質層の透明フィルムに対する接着性を改善するため、透明フィルムはゼラチンや各種ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等を含有する下塗層を有することが好ましい。また、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等では、易接着処理品として下塗層を有する状態で市販されており、これらを入手し利用しても良い。また透明フィルムの表面を、コロナ処理あるいはプラズマ処理することで、多孔質層を塗設する際に用いる、塗液に対する濡れ性を改善することもできる。上記した下塗層の固形分塗布量は10〜500mg/mが好ましく、20〜300mg/mがより好ましい。
本発明において、多孔質層が含有する無機微粒子としては、公知の無機微粒子を広く用いることができる。例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、非晶質合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、アルミナ水和物、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。無論、上記した無機微粒子の2種以上を含有することもできる。上記した無機微粒子の中でも、透明化後の全光線透過率を高める観点から、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物がより好ましく、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物が特に好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。
湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール(登録商標)、ファインシール(登録商標)として、水澤化学工業(株)からミズカシル(登録商標)として市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソーシリカ(株)からニップゲル(登録商標)として、グレースジャパン(株)からシロイド(登録商標)、シロジェット(登録商標)として、水澤化学工業(株)からミズカシル(登録商標)として市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、珪酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックス(登録商標)として市販されている。ゾル法シリカは球状の粒子であり多孔質層を形成し難いため沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、沈降法シリカがより好ましい。
本発明に用いられる湿式法シリカとしては、平均一次粒子径が50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均凝集粒子径が1〜50μmである湿式法シリカが好ましい。特に、主に水からなる透明な液体を付与した後の全光線透過率を高め、ヘイズを低くする観点から、平均凝集粒子径が5〜50μmである湿式法シリカを、平均二次粒子径が300nm以下に分散した湿式法シリカが好ましく、より好ましい湿式法シリカの、平均二次粒子径は200nm以下である。湿式法シリカの分散方法としては、水性媒体中に分散した湿式法シリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用され、これにはビーズミルなどのメディアミルを用いることが好ましい。ビーズミルは密閉されたベッセル内に充填されたビーズとの衝突により顔料粉砕を行うものであり、(株)シンマルエンタープライゼスよりダイノーミルとして、浅田鉄工(株)よりグレンミル(登録商標)として、アシザワ・ファインテック(株)よりスターミル(登録商標)として市販されている。メディアミル等を用いて分散した後あるいは、更に高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を用いて分散することが好ましい。
なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、無機微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均粒子径を求めたものである。また平均二次粒子径とは、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、(株)堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。また、平均凝集粒子径とは、粉体として供給される湿式シリカの平均粒子径を示し、例えばコールターカウンター法で求めることができる。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル(登録商標)、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。気相法シリカの平均一次粒子径は25nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。更に平均一次粒子径が3〜15nmでかつBET法による比表面積が200m/g以上(好ましくは250〜500m/g)の気相法シリカが好ましい。
本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカを用いた場合においても、湿式法シリカと同様に、主に水からなる透明な液体を付与した後の全光線透過率を高め、ヘイズを低くする観点から、平均二次粒子径が300nm以下に分散した気相法シリカが好ましく、より好ましい気相法シリカの平均二次粒子径は200nm以下である。分散方法としては、気相法シリカと水を主体とする分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。
湿式法シリカあるいは気相法シリカのスラリーを製造する際に、スラリーの高濃度化や分散安定性を向上させるため、公知の種々の方法を用いても良い。例えば、特開2002−144701号公報、特開2005−1117号公報に記載されているが如くアルカリ性化合物の存在下で分散する方法、カチオン性化合物の存在下で分散する方法、シランカップリング剤存在下で分散する方法等を挙げることができ、カチオン性化合物の存在下で分散する方法がより好ましい。
上記湿式法シリカあるいは気相法シリカの分散に使用するカチオン性化合物は水溶性であることが好ましく、該カチオン性化合物としては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらのカチオンポリマーの分子量は、2,000〜10万が好ましく、特に2,000〜3万が好ましい。
本発明に用いられるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。アルミナを用いた場合においても、主に水からなる透明な液体を付与した後の全光線透過率を高め、ヘイズを低くする観点から、平均二次粒子径が300nm以下に分散したアルミナが好ましく、より好ましいアルミナの平均二次粒子径は200nm以下である。分散方法としては、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶であるγ−アルミナを超音波や高圧ホモジナイザー、のこぎり歯状ブレード型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。
本発明に用いられるアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。アルミナ水和物は、一般にアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は、主に水からなる透明な液体を付与した後の全光線透過率を高め、ヘイズを低くする観点から、300nm以下が好ましく、より好ましくは200nm以下である。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
本発明において、多孔質層が含有する架橋されたポリビニルアルコールとしては、部分ケン化または完全ケン化したポリビニルアルコールを公知の架橋剤により架橋したものの他、カルボキシ変性、スルホン酸変性、チオール変性、シラノール変性、シリル変性、カチオン性基変性、ジアセトンアクリルアミド変性、アセトアセチル変性などの各種変性ポリビニルアルコールを公知の架橋剤により架橋したものを挙げることができ、前記したポリビニルアルコールは単独あるいは混合して用いることができる。この他、前述したポリビニルアルコールと共に公知の天然、あるいは合成樹脂バインダーを混合して用いることも可能であるが、その場合、架橋されたポリビニルアルコールに対して、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以下である。
上記したポリビニルアルコールの中でも、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化したポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールが好ましく、これらは単独あるいは混合して用いることができる。またポリビニルアルコールの平均重合度は200〜5000であることが好ましい。
多孔質層において無機微粒子に対する架橋されたポリビニルアルコールの含有量は特に限定されないが、無機微粒子に対して、3〜80質量%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜60質量%の範囲である。
本発明において多孔質層が、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化ポリビニルアルコール、あるいはシラノール変性ポリビニルアルコールを含有した場合、これらを架橋する架橋剤としては、例えばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル)尿素、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくはホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類であり、ホウ酸が特に好ましい。
上記した架橋剤の使用量は、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化ポリビニルアルコール、あるいはシラノール変性ポリビニルアルコールの固形分量に対し、0.1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。
本発明において、多孔質層がポリビニルアルコールとしてアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有した場合、これを架橋する架橋剤としては、例えばオルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩の如きホウ素化合物、例えばグリオキシル酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド化合物、例えば塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、チタンアセチルアセテートの如き多価金属化合物、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミンの如きアミン化合物、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントインの如きヒドラジン化合物等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。中でもコハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、グリオキシル酸ナトリウムが好ましい。
上記した架橋剤の使用量は、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの固形分量に対して0.1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。
本発明において多孔質層は、水に実質的に不溶かつ常温において蒸気圧を実質的に有さない脂肪族化合物として炭素原子が鎖状に連なった骨格構造を有する脂肪族化合物を含有する。水に実質的に不溶な脂肪族化合物を含有することにより、繰り返して使用した際のヘイズや全光線透過率の変化が生じ難くなり、常温において蒸気圧を実質的に有さない脂肪族化合物を含有することにより、透明化シートを保存した際のヘイズや全光線透過率の変化が生じ難くなる。
本発明において水に実質的に不溶とは、25℃における脂肪族化合物の水に対する溶解度が100mg/L以下であることを示し、好ましくは5mg/L以下である。
本発明において常温において蒸気圧を実質的に有さないとは、25℃における脂肪族化合物の蒸気圧が1Pa以下であることを示し、好ましくは0.1Pa以下である。
本発明において、多孔質層が含有する水に実質的に不溶かつ常温において蒸気圧を実質的に有さず、かつ炭素原子が鎖状に連なった骨格構造を有する脂肪族化合物としては、脂肪族炭化水素、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル等を例示することができる。
上記した脂肪族炭化水素としては、各種アルカン、アルケン、アルキンが挙げられ、中でも炭素数が17以上のアルカンが好ましく、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ノナデカン等が例示される。なお、これら化合物の25℃における蒸気圧は何れも0Paであり、25℃の水に対する溶解度は何れも5mg/Lに満たない。
上記した脂肪族アルコールとしては、炭素数が16以上の高級アルコールが好ましく、ヘキサデシルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ミリシルアルコール等が例示される。なお、これら化合物の25℃における蒸気圧は何れも0Paであり、25℃の水に対する溶解度は何れも5mg/Lに満たない。
上記した脂肪酸としては、炭素数が16以上の高級脂肪酸が好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が例示される。なお、これら化合物の25℃における蒸気圧は何れも0Paであり、25℃の水に対する溶解度は何れも5mg/Lに満たない。
上記した脂肪酸エステルとしては、炭素数が15以上の高級脂肪酸エステルが好ましく、ミリスチン酸メチル(25℃における蒸気圧は0.065Pa)、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、アラキジン酸メチルが例示される。なお、これら化合物(前述のミリスチン酸メチルを除く)の25℃における蒸気圧は何れも0Paであり、25℃の水に対する溶解度は何れも5mg/Lに満たない。
これらの脂肪族化合物は混合して用いることができる。特に、炭素数が18以上のアルカンの混合物である固形パラフィンは、入手性や価格の点から好ましい。固形パラフィンは、例えば日本精蝋株式会社からパラフィンワックスシリーズとして市販されている。
本発明において、多孔質層における、水に実質的に不溶かつ常温において蒸気圧を実質的に有ず、かつ炭素原子が鎖状に連なった骨格構造を有する脂肪族化合物の含有量は特に限定されないが、本発明の効果を奏し、かつ多孔質層において主に水からなる透明な液体を吸収するための空隙を確保するために、無機微粒子に対して、10〜90質量%の範囲が好ましく、より好ましくは30〜80質量%の範囲である。
本発明において多孔質層の固形分塗布量は、無機微粒子の固形分量で1〜100g/mが好ましく、主に水からなる透明な液体を付与する前の全光線透過率をより低くするという観点から10〜100g/mがより好ましい。
本発明において多孔質層は、二段階の工程により形成されることが好ましい。第一段階として、上記した無機微粒子、ポリビニルアルコール、および架橋剤等を、水等の適当な溶媒に溶解または分散させ、必要に応じ、有機溶剤、レベリング剤、界面活性剤等を添加して多孔質層形成塗布液を調製し、透明フィルム上に該多孔質層形成塗布液を塗布、乾燥し、多孔質層を形成する。塗布方式としては、スライドカーテン方式、スライドビード方式、スロットダイ方式、ダイレクトグラビアロール方式、リバースグラビアロール方式、スプレー方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、スピンコート方式等の各種塗布方式が例示される。
次いで第二段階として、水に実質的に不溶かつ常温において蒸気圧を実質的に有さず、かつ炭素原子が鎖状に連なった骨格構造を有する脂肪族化合物を加熱および/または適当な有機溶媒に溶解した脂肪族化合物塗布液を調整し、第一段階にて透明フィルム上に形成された多孔質層に、該脂肪族化合物塗布液を塗布、乾燥し、本発明の多孔質層を形成する。塗布方式としては、スライドカーテン方式、スライドビード方式、スロットダイ方式、ダイレクトグラビアロール方式、リバースグラビアロール方式、スプレー方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、スピンコート方式、インクジェット方式が例示される。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。また、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り固形分あるいは実質成分の質量部及び質量%を示す。
(透明化シート1の作製)
水に硝酸(2.5部)とアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を用いて、固形分濃度30質量%の無機微粒子分散液1を得た。無機微粒子分散液1中に分散しているアルミナ水和物の平均二次粒子径は160nmであった。この無機微粒子分散液1を用い、下記組成の多孔質層形成塗布液1を作製した。
<多孔質層形成塗布液1>
無機微粒子分散液1 (無機微粒子の固形分として)100部
ポリビニルアルコール 12部
(ケン化度88%、平均重合度3500、分子量約150,000)
ホウ酸 0.5部
固形分濃度が16質量%になるように水で調整した。
透明フィルムとして、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人フィルムソリューション株式会社製、全光線透過率90%、ヘイズ2%)に、上記多孔質層形成塗布液1を、アルミナ水和物固形分量として26.7g/mになるように、スライドビート塗布装置にて塗布・乾燥し多孔質層を形成した。
次いで、多孔質層面に下記組成の脂肪族化合物塗布液1を、リバースグラビアロール塗布装置を用い塗布・乾燥を行い、透明化シート1を得た。多孔質層中に含まれる脂肪族化合物は5.4g/mであり、無機微粒子であるアルミナ水和物に対し20質量%であった。
<脂肪族化合物塗布液1>
n−ヘプタン 66部
固形パラフィン 34部
(日本精蝋(株)、Paraffin Wax 115 25℃における蒸気圧0Pa、25℃の水に不溶)
加熱溶融した固形パラフィンにn−ヘプタンを加え溶解した。
(透明化シート2の作製)
透明化シート1の作製において、脂肪族化合物塗布液1を下記組成の脂肪族化合物塗布液2へ変更した以外は同様とし透明化シート2を得た。多孔質層中に含まれる脂肪族化合物は10.7g/mであり、無機微粒子であるアルミナ水和物に対し40質量%であった。
<脂肪族化合物塗布液2>
n−ヘプタン 35部
固形パラフィン 65部
(日本精蝋(株)、Paraffin Wax 115 25℃における蒸気圧0Pa、25℃の水に不溶)
加熱溶融した固形パラフィンにn−ヘプタンを加え溶解した。
(透明化シート3の作製)
水にジメチルジアリルアルミニウムクロライドホモポリマー(分子量:約9000)3部と気相法シリカ(平均一次粒径7nm、比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20質量%の無機微粒子分散液2を作製した。無機微粒子分散液2中に分散している気相法シリカの平均二次粒子径は130nmであった。この無機微粒子分散液2を用い、下記組成の多孔質層形成塗布液2を作製した。
<多孔質層形成塗布液2>
無機微粒子分散液2 (無機微粒子の固形分として)100部
ホウ酸 4部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
固形分濃度が13質量%になるように水で調整した。
透明フィルムとして、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人フィルムソリューション株式会社製、全光線透過率90%、ヘイズ2%)に、上記多孔質層形成塗布液2を、気相法シリカ固形分量として18.5g/mになるように、スライドビート塗布装置にて塗布・乾燥し多孔質層を形成した。
次いで、多孔質層面に下記組成の脂肪族化合物塗布液3を、リバースグラビアロール塗布装置を用い塗布・乾燥を行い、透明化シート3を得た。多孔質層中に含まれる脂肪族化合物は13.0g/mであり、無機微粒子である気相法シリカに対し70質量%であった。
<脂肪族化合物塗布液3>
n−ヘプタン 27部
固形パラフィン 73部
(日本精蝋(株)、Paraffin Wax 115 25℃における蒸気圧0Pa、25℃の水に不溶)
加熱溶融した固形パラフィンにn−ヘプタンを加え溶解した。
(透明化シート4の作製)
透明化シート3の作製において、脂肪族化合物塗布液3を下記組成の脂肪族化合物塗布液4へ変更した以外は同様とし透明化シート4を得た。多孔質層中に含まれる脂肪族化合物は16.6g/mであり、無機微粒子である気相法シリカに対し90質量%であった。
<脂肪族化合物塗布液4>
n−ヘプタン 8部
固形パラフィン 92部
(日本精蝋(株)、Paraffin Wax 115 25℃における蒸気圧0Pa、25℃の水に不溶)
加熱溶融した固形パラフィンにn−ヘプタンを加え溶解した。
(透明化シート5の作製)
透明化シート3の作製において、脂肪族化合物塗布液3を下記組成の脂肪族化合物塗布液5へ変更した以外は同様とし透明化シート5を得た。多孔質層中に含まれる脂肪族化合物は7.8g/mであり、無機微粒子である気相法シリカに対し42質量%であった。
<脂肪族化合物塗布液5>
アセトン 60部
ミリスチン酸 40部
(東京化成工業(株)、25℃における蒸気圧0.65Pa、25℃の水に対する溶解度20mg/L)
アセトンにミリスチン酸を加え溶解した。
(透明化シート6の作製)
透明化シート3の作製において、脂肪族化合物塗布液3を下記組成の脂肪族化合物塗布液6へ変更した以外は同様とし透明化シート6を得た。多孔質層中に含まれる脂肪族化合物は7.8g/mであり、無機微粒子である気相法シリカに対し42質量%であった。
<脂肪族化合物塗布液6>
アセトン 60部
ステアリン酸 40部
(東京化成工業(株)、25℃における蒸気圧0Pa、25℃の水に対する溶解度3mg/L)
アセトンにステアリン酸を加え溶解した。
(透明化シート7の作製)
透明化シート3の作製において、脂肪族化合物塗布液3を下記組成の脂肪族化合物塗布液7へ変更した以外は同様とし透明化シート7を得た。多孔質層中に含まれる脂肪族化合物は7.7g/mであり、無機微粒子である気相法シリカに対し42質量%であった。
<脂肪族化合物塗布液7>
エタノール 60部
ステアリルアルコール 40部
(東京化成工業(株)、25℃における蒸気圧0Pa、25℃の水に対する溶解度0.0011mg/L)
加熱溶融したステアリルアルコールにエタノールを加え溶解した。
(透明化シート8の作製)
透明化シート3の作製において、脂肪族化合物塗布液3を下記組成の脂肪族化合物塗布液8へ変更した以外は同様とし透明化シート8を得た。多孔質層中に含まれる脂肪族化合物は7.9g/mであり、無機微粒子である気相法シリカに対し43質量%であった。
<脂肪族化合物塗布液8>
エタノール 60部
アラキジン酸メチル 40部
(東京化成工業(株)、25℃における蒸気圧0Pa、25℃の水に不溶)
加熱溶融したアラキジン酸メチルにエタノールを加え溶解した。
(透明化シート9の作製)
透明化シート1の作製において、脂肪族化合物塗布液1を塗布しない以外は同様とし透明化シート9を得た。
(透明化シート10の作製)
透明化シート3の作製において、脂肪族化合物塗布液3を塗布しない以外は同様とし透明化シート10を得た。
(透明化シート11の作製)
透明化シート3の作製において、脂肪族化合物塗布液3を下記組成の脂肪族化合物塗布液9へ変更した以外は同様とし透明化シート11を得た。多孔質層中に含まれる脂肪族化合物は10g/mであり、無機微粒子である気相法シリカに対し54質量%であった。
<脂肪族化合物塗布液9>
水 60部
エチレングリコール 40部
(東京化成工業(株)、25℃における蒸気圧7Pa以上、25℃の水に易溶)
水にエチレングリコールを加え溶解した。
(透明化シート12の作製)
透明化シート3の作製において、脂肪族化合物塗布液3を下記組成の脂肪族化合物塗布液10へ変更した以外は同様とし透明化シート12を得た。多孔質層中に含まれる脂肪族化合物は10.6g/mであり、無機微粒子である気相法シリカに対し57質量%であった。
<脂肪族化合物塗布液10>
水 60部
グリセリン 40部
(純正化学(株)、25℃における蒸気圧0.01Pa、25℃の水に易溶)
水にグリセリンを加え溶解した。
(透明化シート13の作製)
透明化シート3の作製において、脂肪族化合物塗布液3を下記組成の脂肪族化合物塗布液11へ変更した以外は同様とし透明化シート13を得た。多孔質層中に含まれる脂肪族化合物は7.9g/mであり、無機微粒子である気相法シリカに対し43質量%であった。
<脂肪族化合物塗布液11>
アセトン 60部
デカン酸 40部
(東京化成工業(株)、25℃における蒸気圧0.004Pa、25℃の水に対する溶解度150mg/L)
アセトンにデカン酸を加え溶解した。
<水の付与>
上記透明化シート1〜13のそれぞれを水に30秒間浸漬し、引き上げた後、表面に残った水滴をエアで吹き飛ばした。この状態で多孔質層の空隙は水で飽和している。
<水の付与の前後における全光線透過率及びヘイズの測定>
上記透明化シート1〜13について、水の付与の前後における全光線透過率及びヘイズを、スガ試験機(株)製、HZ−V3型を用い測定を行った。その結果を表1に示す。
<透明化官能評価>
上記透明化シート1〜13について、水の付与の前後で、模様を印刷したシートを透明化シートの透明フィルム側に5cm離して置き、多孔質層側から透明化シートを通して模様を見たときの模様の見え方について以下の基準にて評価を行った。その結果を表1に示す。
× :水を付与する前においてもはっきりと模様を認識できる。
かつ水を付与した後においてもはっきりと模様を認識できる。
△ :水を付与する前は模様をある程度認識できるが、はっきりとは認識できない。
かつ水を付与した後ははっきりと模様を認識できる。
○ :水を付与する前は模様を認識できない。
かつ水を付与した後ははっきりと模様を認識できる。
<繰り返し使用耐性評価>
上記透明化シート1〜13について、水の付与および自然放置による乾燥の操作を10回繰り返し実施した後、水の付与の前における全光線透過率及びヘイズを、スガ試験機(株)製、HZ−V3型を用い測定を行い、上記水の付与の前後における全光線透過率及びヘイズの測定における、水の付与前の全光線透過率及びヘイズとの差について、以下の基準にて評価を行った。その結果を表1に示す。
× :全光線透過率及びヘイズの上記差のうち、大きい方が10%を超える。
△ :全光線透過率及びヘイズの上記差のうち、大きい方が1%から10%である。
○ :全光線透過率及びヘイズの上記差のうち、大きい方が1%未満である。
<保存性評価>
上記透明化シート1〜13について、30℃40%RHの環境下に20日間放置した後、水の付与の前における全光線透過率及びヘイズを、スガ試験機(株)製、HZ−V3型を用い測定を行い、上記水の付与の前後における全光線透過率及びヘイズの測定における、水の付与前の全光線透過率及びヘイズとの差について、以下の基準にて評価を行った。その結果を表1に示す。
× :全光線透過率及びヘイズの上記差のうち、大きい方が5%を超える。
△ :全光線透過率及びヘイズの上記差のうち、大きい方が1%から5%である。
○ :全光線透過率及びヘイズの上記差のうち、大きい方が1%未満である。
Figure 0006945506
表1の結果より、本発明の透明化シートでは、水を付与する前は模様がはっきりとは見えず、水を付与した後は下地との間で数センチメートルの隙間が生じても色や模様を容易に判別することが可能であり、繰り返して使用した際や保存した際のヘイズや全光線透過率の変化が改善されていることが分かる。
本発明の透明化シートは、ハウス内部の結露により全光線透過率を向上させることが可能な調光シートとして用いることができる。また、主に水からなる透明な液体の代わりに、透明かつ揮発性を有さない例えばジグリセリンや流動パラフィンなどの液体をペンやインクジェットプリンター等を用いて付与することにより、恒久的に透明化することが可能となり、透明な字を描くシートとして利用することができる。

Claims (1)

  1. 液体を付与する前の状態ではヘイズ値が40%以上でかつ全光線透過率が85%以下を示し、液体を付与した後はヘイズ値が30%以下でかつ全光線透過率が86%以上を示すように変化し、下地の色あるいは模様を見えるようにする透明化シートであって、透明フィルム上に、無機微粒子、架橋されたポリビニルアルコール、および水に実質的に不溶かつ常温において蒸気圧を実質的に有さない脂肪族化合物として炭素原子が鎖状に連なった骨格構造を有する脂肪族化合物を少なくとも含有する多孔質層を有することを特徴とする透明化シート。
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