JP2020131451A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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真司 藤江
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Abstract

【課題】光沢性、発色性、および防汚性に優れたインクジェット記録材料を提供する。【解決手段】支持体上に無機微粒子を主体として含有するインク受容層と、インク受容層上に疎水性シリカと数平均分子量70,000以上のポリビニルアセタール樹脂を含有する表面層を有するインクジェット記録材料。【選択図】なし

Description

本発明は光沢性、発色性、および防汚性に優れたインクジェット記録材料に関するものである。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受容層を有するインクジェット記録材料が知られている。近年では、顔料として気相法シリカのような超微粒子、あるいは数百nm程度まで粉砕した湿式法シリカを使用した、フォトライクな光沢を有する記録材料も知られるようになった。
しかしながら、これらの多孔質インク受容層は素早く水性インクを吸収することができる一方で、意図しない着色液体が付着した場合においてもその浸み込みの速さが故に、着色痕が残ってしまう問題があった。このため、水性インクで印字した際の高い発色性を有しながら液体が付着してもインク受容層に吸収されない防汚性表面を有するインクジェット記録材料が求められていた。
インクジェット記録材料において表面を疎水化する検討は既に試されており、例えば特許文献1には、水性カチオン樹脂と疎水性シリカを含有するインクジェット記録用受理組成物が開示され、特許文献2には、顔料とバインダーとを含有するインク受容層上に疎水性シリカ微粒子を含有する撥水層を設ける方法が開示されている。しかし、これら従来技術では、高い光沢性を有する表面層を得ることができず、水性インクで印字した際には優れた発色性が得られないため、改善が求められていた。
一方、特許文献3には、疎水性シリカと疎水性熱可塑性樹脂を含有するインクジェット記録用シートが開示されており、屋外設置で雨等に晒された際の使用での防汚性が改善できる旨、報告されているが、やはり得られる画像の発色性の点で、十分満足できるものではなかった。
特開2003−191602号公報 特開2012−196922号公報 特開2007−276167号公報
本発明は、光沢性、発色性、および防汚性に優れたインクジェット記録材料を提供することを課題とする。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成される。
支持体上に無機微粒子を主体として含有するインク受容層と、該インク受容層上に疎水性シリカと数平均分子量70,000以上のポリビニルアセタール樹脂を含有する表面層を有するインクジェット記録材料。
本発明により、光沢性、発色性、および防汚性に優れたインクジェット記録材料を提供することができる。
以下、本発明のインクジェット記録材料について詳細に説明する。
本発明において、インク受容層は無機微粒子を主体として含有する。ここで主体として含有するとは、インク受容層の全固形分に対して無機微粒子を50質量%以上含有することを意味し、好ましくは60〜96質量%である。インク受容層が含む無機微粒子としては、親水性の無機微粒子が好ましく、例えば、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、高い発色性が得られる点で非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシール(登録商標)として市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲル(登録商標)として市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学(株)からスノーテックス(登録商標)として市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からAEROSIL(登録商標)、(株)トクヤマからレオロシール(登録商標)として市販されている。
本発明のインクジェット記録材料が有するインク受容層には、気相法シリカが好ましく使用できる。インク受容層が含有する気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましく、平均一次粒子径が3〜15nmでかつBET法による比表面積が200m/g以上のものがより好ましく、平均一次粒子径が3〜10nmでかつBET法による比表面積が250〜500m/gのものが特に好ましい。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径としてその平均値を求めたものである。また本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散したものが好ましく使用できる。気相法シリカの平均二次粒子径は好ましくは500nm以下、より好ましくは10〜300nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、レーザー散乱式の粒度分布計(例えば(株)堀場製作所製LA920)を用いて、個数メジアン径として測定したものを指す。
本発明では、湿式法シリカも好ましく使用できる。インク受容層が含有する湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカとしては、平均一次粒子径が50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均二次粒子径が500nm以下である湿式法シリカが好ましく、平均二次粒子径が20〜300nmである湿式法シリカがより好ましい。
湿式法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散・粉砕したものが好ましく使用できる。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカを粉砕する好ましい方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも一つを用いてシリカ予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕することが好ましい。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散あるいは粉砕に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの平均分子量は2,000〜100,000程度が好ましく、特に2,000〜30,000程度が好ましい。
インク受容層が含有するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕したものが使用できる。アルミナの平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、より好ましくは20〜300nmである。
インク受容層が含有するアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。本発明に使用されるアルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は好ましくは500nm以下、より好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散されたものが好ましく用いられる。
上記した無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を併用することもできる。例えば、微粉砕した湿式法シリカと気相法シリカとの併用、微粉砕した湿式法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用、気相法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用が挙げられる。
本発明のインク受容層は水溶性バインダーを含有することが好ましい。水溶性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系やそれらの誘導体が使用されるが、中でも完全ケン化または部分ケン化のポリビニルアルコールが好ましく、特にケン化度が80%以上のものが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500〜6,000が好ましく、1,000〜5,000がより好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
インク受容層中における水溶性バインダーの含有量は、無機微粒子の総量に対して3〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
インク受容層は、上記した水溶性バインダーに加えて架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、水溶性バインダーの架橋剤として公知のものが使用できるが、水溶性バインダーとしてポリビニルアルコールを使用する場合には、ほう酸またはほう酸塩が特に好ましい。また、ポリビニルアルコールが活性の高い変性基を含有する場合には、変性基に応じて公知の架橋剤を使用してもよい。架橋剤の添加量は水溶性バインダーに対して0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
本発明においてインク受容層は、前述の非晶質合成シリカのカチオン化に使用されるものと同様のカチオン性ポリマーを、更に添加剤として含有してもよい。また、インク受容層は、耐水性向上等のため水溶性多価金属化合物を含有してもよい。水溶性多価金属化合物としては水溶性アルミニウム化合物が好ましく利用できる。
水溶性アルミニウム化合物としては例えば、無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。更に、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これらの水溶性アルミニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2または3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n ・・式1
[Al(OH)AlCl ・・式2
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学工業(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードのものが容易に入手できる。
上記した水溶性多価金属化合物の含有量は、インク受容層が含有する無機微粒子に対して0.1〜10質量%の範囲が好ましい。
インク受容層は、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
また、インク受容層には、チオエーテル化合物、カルボヒドラジド及びその誘導体を含有させることによって印字後の保存性を改良することができる。
本発明で用いられるカルボヒドラジド誘導体は、同一分子中にカルボヒドラジド構造を一つまたは二つ以上有する化合物であっても、あるいはカルボヒドラジド構造を分子主鎖または側鎖に有するポリマーであってもよい。
本発明に用いられるチオエーテル化合物には、硫黄原子の両側に芳香族基が結合した芳香族チオエーテル化合物、硫黄原子を挟んだ両端にアルキル基を有する脂肪族チオエーテル化合物等がある。これらの中でも特に親水性基を有する脂肪族チオエーテル化合物が好ましい。
本発明において、インク受容層の乾燥塗布量は10〜60g/mであることが好ましく、支持体が樹脂被覆紙のような非吸収性支持体である場合には、乾燥塗布量は20〜60g/mであることが好ましい。
本発明において、インク受容層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
次に、表面層について説明する。本発明において表面層は疎水性シリカと数平均分子量70,000以上のポリビニルアセタール樹脂を含有する。疎水性シリカは、非晶質シリカの表面に疎水性付与処理がなされたものであり、疎水性付与処理としては、例えばパラフィンワックス、カルナウバワックス、アミドワックス、ポリエチレンワックスなどのワックス類にて非晶質シリカ表面の−OH基を覆う方法や、テトラメチルシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、エポキシ基含有シラン、ジメチルジクロロシランなどの有機ケイ素化合物やアミノ基含有有機化合物を添加し加水分解等で変性する方法が知られている。得られる疎水性シリカは、非晶質シリカ表面の−OH基が、有機ケイ素化合物などと化学反応したものであり、その粒子表面にアルキル基などの疎水性基を有している。そのため、高い疎水性を示す。
上記した疎水性シリカとして、日本アエロジル(株)よりAEROSIL R972、同R974、同R976、同RX200、同RX300、同RY200、同RY300、同R104、同R106などが、旭化成ワッカーシリコーン(株)よりHDK(登録商標)H15、同H18、同H20、同H30などが市販されており、これらは気相法シリカに疎水性付与処理が施されたものである。また、他の疎水性シリカとしては、富士シリシア化学(株)よりサイロホービック(登録商標)100、同200、同704、同507、同505なども市販されており、これらは湿式法シリカに疎水性付与処理が施されたものである。これらの疎水性シリカは、1種または2種以上を便宜的に選択して用いることができる。本発明に用いられる疎水性シリカとしては、防汚性と発色性に特に優れたインクジェット記録材料を得る観点から、気相法シリカの表面に疎水性付与処理が施された疎水性シリカが好ましい。
疎水性シリカは分散処理を施してもよい。分散処理のための機械的手段としては公知の方法が利用可能であるが、上記インク受容層中の気相法シリカ、湿式法シリカの分散に用いた方法が好ましく使用できる。表面層における疎水性シリカの含有量は0.01〜2g/mの範囲が好ましく、0.1〜1g/mの範囲がより好ましい。
本発明において表面層は、疎水性シリカのバインダー樹脂として数平均分子量70,000以上のポリビニルアセタール樹脂を含有する。ポリビニルアセタール樹脂は、非水溶性樹脂の中では無機顔料のバインダー能力が高く、得られる表面層は優れた塗層強度と適度な柔軟性を有する。また、乾燥後の皮膜は透明で耐水性に優れ、水性インクによって印字した際、発色性に優れた画像が得られる。ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールにアルデヒドを反応させてアセタール化することにより得ることができる。このアセタール化は、沈殿法、溶解法、均一法、不均一法等、公知の方法を用いることができる。また、原材料としてポリ酢酸ビニルを用い、ケン化とアセタール化とを並行に行ってポリビニルアセタール樹脂を得ることもできる。また、一般に数平均分子量が大きいものほど機械的強度が大きくなる。これは、数平均分子量が大きくなると分子鎖が長くなり、分子鎖同士の絡み合いが増すためである。上記よりも数平均分子量が小さい場合には、十分な表面強度が得られず、防汚性能が低減する。
上記アセタール化に用いるポリビニルアルコールとしては、ケン化度が75〜99%のものが好ましい。また、ケン化度が異なるものを混合して用いてもよい。更には、それらに各種官能基を好適に導入して得られた誘導体を用いることもできる。
上記アセタール化に用いるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソプロピルアルデヒド、イソブチルアルデヒド等の脂肪族飽和アルデヒド:ベンズアルデヒド、ベンジルアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド:フルフラール等の複素環アルデヒド:アクロレイン、クロトンアルデヒド、プロピオールアルデヒド、ヘキセナール、ヘプテナール等の脂肪族不飽和アルデヒド:グリオキザール、スクシンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジポジアルデヒド、ピペリンジアルデヒド、スベリンジアルデヒド、セバシンジアルデヒド等の脂肪族ジアルデヒドが挙げられる。これらアルデヒドとして、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソプロピルアルデヒドが好ましく、ブチルアルデヒドが特に好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度としては、30mol%以上が好ましく、50mol%以上がより好ましい。アセタール化度を30mol%以上とすることにより、疎水性が向上し防汚性が高まる。上記したポリビニルアセタール樹脂は、例えば、積水化学工業(株)からエスレック(登録商標)、(株)クラレからモビタール(登録商標)、Eastman Chemical社からButvar(登録商標)などが市販されており、容易に入手可能である。
表面層におけるポリビニルアセタール樹脂の含有量は疎水性シリカの含有量に対して15〜500質量%が好ましく、50〜300質量%が更に好ましい。上記範囲よりも少ない場合には疎水性シリカ粒子の結着性能が十分に得られず脱落が生じやすく、多い場合には疎水性シリカの寄与が小さくなり、飲料等の着色液体の付着に伴う防汚性能が低減する場合がある。
表面層は、疎水性シリカ及びポリビニルアセタール樹脂に加え、更にインク受容層の項で述べた公知の各種添加剤を含有することができる。
表面層の塗設に用いる塗布方法としては、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等が好適である。
本発明のインクジェット記録材料が含有する支持体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム、ポリオレフィン樹脂被覆紙等の非吸収性支持体、上質紙、アート紙、コート紙等の吸収性支持体等が例示される。中でも、非吸収性支持体は高い光沢性が得られる点で好ましいが、その反面、インキ中の溶媒成分を吸収しない。このような非吸収性支持体上にはインク吸収性に優れる多孔質なインク受容層が好ましく設けられるが、本発明はこのような構成のインクジェット記録材料に特に有用である。これらの支持体の厚みは、約50〜300μm程度のものが好ましく使用される。
非吸収性支持体であるフィルムやポリオレフィン樹脂被覆紙を使用する場合に、インク受容層を設ける面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことができる。
支持体としてフィルムやポリオレフィン樹脂被覆紙を使用する場合、支持体はインク受容層を設ける面上に天然高分子化合物や合成樹脂を主体とする下引き層を有する支持体であることが好ましく、特にゼラチンを主体とする下引き層を有する支持体が好ましい。
下引き層の塗布量としては特に制限はないが、固形分塗布量で0.005〜2.0g/mの範囲が好ましく、0.01〜1.0g/mの範囲がより好ましく、0.02〜0.5g/mの範囲が特に好ましい。
本発明における支持体には、インク受容層を設ける面とは反対側の面に、帯電防止、搬送性改善、カール防止などのために各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機及び有機の帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめることができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は質量基準である。
(実施例1)
<ポリオレフィン樹脂被覆紙の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレンの樹脂に対して、10%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し表面とした。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出被覆し、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/mとなるように塗布乾燥した。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記のようにして作製したポリオレフィン樹脂被覆紙の下引き層を設けた面に、下記組成のインク受容層塗布液を乾燥塗布量が25g/mとなるようにスライドビードコーターで塗布した。その後10℃で20秒間冷却後、30〜55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。乾燥後、インク受容層の含水率は5%であった。また、ベックマンコールター社製比表面積細孔分布測定装置SA3100にてこのインク受容層の空隙構造を評価した結果、平均細孔径は34nmであった。更に下記組成の表面層塗布液1を、斜線グラビアロールを用いた塗布装置にて塗布を行い、45℃の温風を吹き付けて乾燥し、実施例1のインクジェット記録材料を得た。表面層塗布液の湿潤塗布量は、斜線グラビアロールの回転数を調整し20ml/mとした。
<気相法シリカ分散液の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー4部と親水性気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザー処理して、固形分濃度20%の気相法シリカ分散液を作製した。気相法シリカの平均二次粒子径は135nmであった。
<インク受容層塗布液>
気相法シリカ分散液 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 4部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
塗布液の固形分濃度が13%になるように水で調整した。
<疎水性シリカ分散液の作製>
エタノールに疎水性シリカ(AEROSIL RX200、日本アエロジル(株)製)を固形分濃度20%となるよう添加し予備分散液を作製した後、超音波分散処理して疎水性シリカ分散液を作製した。
<表面層塗布液1>
疎水性シリカ分散液 (疎水性シリカの固形分として)100部
ポリビニルアセタール樹脂(エスレック BH−3、数平均分子量110,000、
積水化学工業(株)製) (樹脂固形分として)200部
塗布液の固形分濃度が2%となるようエタノールを加えた。
(実施例2)
実施例1の表面層塗布液1を下記の表面層塗布液2に変えた以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を得た。
<表面層塗布液2>
疎水性シリカ分散液 (疎水性シリカの固形分として)100部
ポリビニルアセタール樹脂(Butvar B−90、数平均分子量70,000、
Eastman Chemical社製) (樹脂固形分として)200部
塗布液の固形分濃度が2%となるようエタノールを加えた。
(実施例3)
実施例1の表面層塗布液1を下記の表面層塗布液3に変えた以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を得た。
<表面層塗布液3>
疎水性シリカ分散液 (疎水性シリカの固形分として)100部
ポリビニルアセタール樹脂(Butvar B−74、数平均分子量135,000、
Eastman Chemical社製) (樹脂固形分として)200部
塗布液の固形分濃度が2%となるようエタノールを加えた。
(実施例4)
実施例1の表面層塗布液1を下記の表面層塗布液4に変えた以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を得た。
<表面層塗布液4>
疎水性シリカ分散液 (疎水性シリカの固形分として)100部
ポリビニルアセタール樹脂(Butvar B−72、数平均分子量210,000、
Eastman Chemical社製) (樹脂固形分として)200部
塗布液の固形分濃度が2%となるようエタノールを加えた。
(比較例1)
実施例1の表面層塗布液1を下記の表面層塗布液5に変えた以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
<表面層塗布液5>
疎水性シリカ分散液 (疎水性シリカの固形分として)100部
ポリビニルアセタール樹脂(エスレック BL−2、数平均分子量27,000、
積水化学工業(株)製) (樹脂固形分として)200部
塗布液の固形分濃度が2%となるようエタノールを加えた。
(比較例2)
実施例1の表面層塗布液1を下記の表面層塗布液6に変えた以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を得た。
<表面層塗布液6>
疎水性シリカ分散液 (疎水性シリカの固形分として)100部
ポリビニルアセタール樹脂(Butvar B−98、数平均分子量55,000、
Eastman Chemical社製) (樹脂固形分として)200部
塗布液の固形分濃度が2%となるようエタノールを加えた。
上記のようにして作製したインクジェット記録材料について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<光沢性>
上記のようにして得られたインクジェット記録材料の表面層の75度鏡面光沢度を精密光沢計((株)村上色彩技術研究所製GM−26D)で測定した。
○:75度鏡面光沢度が40以上であり、表面層に高い光沢性を有する。
×:75度鏡面光沢度が40より低く、表面層の光沢性が低い。
<発色性>
上記のようにして得られたインクジェット記録材料に市販の水性インクジェットプリンター(キヤノン(株)製PIXUS(登録商標) XK−70)で所定の評価画像を印刷し、シアン・マゼンタ・イエローの各色ベタ画像部を分光測色計(x−rite社製 i1Pro)で光学濃度(OD値)を測定することで発色性を評価した。
○:測定した各色のOD値は1.0より高く、印字品質に問題はない。
×:測定した各色のOD値は1.0以下であり、印字品質に問題がある。
<防汚性>
着色汚れのモデル物質として、1%青色1号染料水溶液をインクジェット記録材料の表面に1ml滴下した後、5秒後に拭き取り、インクジェット記録材料の表面に残った着色痕の度合いを目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:全く着色痕が残らない。
△:僅かに着色痕が残る。
×:明確に着色痕が残る。
Figure 2020131451
表1の結果から、本発明のインクジェット記録材料は、光沢性、発色性、および防汚性が優れていることがわかる。

Claims (1)

  1. 支持体上に無機微粒子を主体として含有するインク受容層と、該インク受容層上に疎水性シリカと数平均分子量70,000以上のポリビニルアセタール樹脂を含有する表面層を有するインクジェット記録材料。
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