JP2008246764A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】光透過性支持体を用いたインクジェット記録材料において、光透過性、インク吸収性、耐カール性、印字後の耐裏写り性及び耐ブロッキング性に優れたインクジェット記録材料を提供することにある。
【解決手段】光透過性支持体の片面に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有する少なくとも1層のインク受容層を設け、反対面に少なくとも1層の裏塗り層を設けたインクジェット記録材料において、該裏塗り層が平均一次粒子径50nm以下のコロイダルシリカとバインダーを含有し、該裏塗り層のバインダーの含有量がコロイダルシリカに対して固形分で25質量%以上55質量%未満であり、且つ該裏塗り層が、炭素数3〜5のアルカンジオール類及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録材料に関し、詳しくは、光透過性支持体を用いたインクジェット記録材料であり、光透過性、インク吸収性、耐カール性、印字後の耐裏写り性及び耐ブロッキング性に優れた、特にインクジェット記録方式によって作製される印刷版版下フィルム用途に好適なインクジェット記録材料に関するものである。
インクジェット記録方式に使用される記録材料としては、通常の紙や、インクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の親水性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
多孔質性のインク受容層を設ける場合には、近年、顔料として極微細な無機粒子、例えば、粉砕・分散した気相法シリカや湿式法シリカ等の無機超微粒子をインク受容層の顔料成分として用いることが提案されている。例えば、特公平3−56552号、特開平10−119423号、特開2000−211235号、同2000−309157号公報に気相法シリカの使用例が、特開平9−286165号、同平10−181190号公報に粉砕沈降法シリカの使用例が、特開2001−277712号公報に粉砕ゲル法シリカの使用例が開示されている。また、特開昭62−174183号、同平2−276670号、同平5−32037号、同平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。
インクジェット記録材料の用途が拡大する中で、印刷版版下フィルム用、オーバーヘッドプロジェクタ用や、胸部X線及び超音波診断などの医療画像出力用等の用途に使用することが提案されており、これらのインクジェット記録材料では支持体として光透過性のプラスチックフィルムが用いられることが多い。一般的にプラスチックフィルム支持体上にインク受容層や裏塗り層といった塗布層を設けた場合、紙を支持体として用いた場合と比べると支持体と塗布層との接着強度が劣る傾向にあり、表裏面とも塗布層のひび割れや支持体からの剥離を生じたりしてしまうことがあった。特に印刷版版下フィルム用のように大判の記録材料を扱う場合には、取り扱い時に記録材料が折れたり曲がったりすることで塗布層にひび割れを生じやすく、記録画像に対して大きく悪影響を及ぼし版下フィルムとしての使用に耐えられなくなることがあった。また、特に低湿環境下において、インク受容層または裏塗り層のひび割れが発生しやすく、実用上大きな問題であった。
また、画像印字後に十分に乾燥させても、印字物を重ねておくとインク打ち込み量が多い画像部に残存していたインク由来の水や溶剤が裏面に転写し、ブロッキングや裏写りといった現象が発生してしまうことがあった。画像の裏写りは、印字された画像のインクが直接記録材料裏面に接触して発生する場合と、印字された画像のインクに含有されている水や有機溶剤が揮発により裏面に吸着されて塗布層が透明化や白濁化する場合があり、透明性記録材料の場合には画像を正常に認識させることを困難にさせてしまう。
ブロッキングや裏写りを改良させる方法として、特開平8−174994号、同9−263043号公報には、インク受容層に表面から突出した微粒子やフィラーを含有することが提案されているが、光沢性や画像鮮鋭性、手触り感からの制約があった。また、特開平9−234944号公報にはインク受容層の反対面が水と高沸点のアルコールに対する吸収性を特定以上にすることが提案されているが裏写りの改良は不十分であった。
特開2002−137536号公報(特許文献1)、同2003−80831号公報により、透明支持体を基材としたインクジェット記録シートにおいて、プリンターでの連続給紙性を改善するために、有機または無機の粒子を含有するバックコート層を設けることが提案されているが、耐裏写り性及び耐ブロッキング性の効果は不十分であった。
また、特開2002−240417号公報(特許文献2)、同2003−251912号公報(特許文献3)により、裏塗り層の構成と空隙率を特定の範囲にすることによって、製造時や取り扱い時に折り割れの発生がなく、印字画像の裏写りのないインクジェット記録材料が提供されている。しかし、粒子径の大きな顔料を裏塗り層に含有させた場合、裏塗り層の透明性が低下してしまうことによって、インクジェット記録材料の光透過性が十分に得られないことがあった。また、多くの枚数の印字物を長時間積み重ねた場合にインク打ち込み量の特に多い部分のインク由来の水、溶剤が裏面に転写してしまうなど、過酷な条件下での耐裏写り性、耐ブロッキング性の効果は不十分であり、耐カール性、プリンターでの連続給紙性を全て満足できるものではなかった。
一方、特開2005−262717号公報(特許文献4)では、ケト基を有する樹脂を裏塗り層にバインダーとして使用することにより、裏塗り層の耐折り割れ性、耐裏写り性及び耐ブロッキング性が改善されたインクジェット記録材料が提案されているが、塗布液の経時安定性に劣るなど取り扱いに難点があり生産効率が得られにくいという問題があった。
特開2002−137536号公報 特開2002−240417号公報 特開2003−251912号公報 特開2005−262717号公報
本発明の目的は、光透過性支持体を用いたインクジェット記録材料において、光透過性、インク吸収性、耐カール性、印字後の耐裏写り性及び耐ブロッキング性に優れた、特にインクジェット記録方式によって作製される印刷版版下フィルム用途に好適なインクジェット記録材料を提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成のインクジェット記録材料によって達成された。
1.光透過性支持体の片面に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有する少なくとも1層のインク受容層を設け、反対面に少なくとも1層の裏塗り層を設けたインクジェット記録材料において、該裏塗り層が平均一次粒子径50nm以下のコロイダルシリカとバインダーを含有し、該裏塗り層のバインダーの含有量がコロイダルシリカに対して固形分で25質量%以上55質量%未満であり、且つ該裏塗り層が、炭素数3〜5のアルカンジオール類及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
2.前記裏塗り層のバインダーが、ポリビニルアルコールである前記1に記載のインクジェット記録材料。
3.前記裏塗り層が、メラミン樹脂を含有する前記1または2に記載のインクジェット記録材料。
4.前記裏塗り層の塗布量が、固形分で1〜8g/m2である前記1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録材料。
5.前記インク受容層に含有される無機微粒子が気相法シリカである前記1〜4の何れか1項に記載のインクジェット記録材料。
本発明によって、光透過性支持体を用いたインクジェット記録材料において、光透過性、インク吸収性、耐カール性、印字後の耐裏写り性及び耐ブロッキング性に優れた、特にインクジェット記録方式によって作製される印刷版版下フィルム用途に好適なインクジェット記録材料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
インク受容層の構成について説明する。本発明のインク受容層は平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有する少なくとも1層から構成される。無機微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、擬ベーマイト等が挙げられる。これらの中でも、インク吸収性と生産性の点で非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましく、特に非晶質合成シリカが好ましい。非晶質合成シリカの中でも、高い透明性が得られることから気相法シリカがさらに好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、さらに製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明において、インク受容層に含有させる無機微粒子として湿式法シリカを用いる場合、光透過性を得るためにその平均一次粒子径は50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、さらに分散効率が良いことから沈降法シリカ粒子が特に好ましい。本発明における湿式法シリカの吸油量は、インク吸収性を得るために120〜210ml/100gの範囲が好ましく、さらに160〜210ml/100gの範囲が特に好ましい。吸油量は、JIS K−5101の記載に基づき測定される。
本発明において、湿式法シリカを用いる場合、平均二次粒子径が500nm以下、好ましくは400nm以下になるまで湿式法シリカは粉砕され、インク受容層に含有される。通常の方法で製造された湿式法シリカは、1μm以上の平均二次粒子径を有するため、これを微粉砕して使用する。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルの使用が好ましい。
本発明において、湿式法シリカの粉砕は、カチオン性化合物の存在下で行うことが好ましい。水中に分散されたシリカにカチオン性化合物を添加すると凝集物が発生することが多いが、これを粉砕処理することによって、カチオン性化合物の非存在下で分散するよりも高濃度分散が可能となり、その結果分散効率が上昇し、より微粒子に粉砕することができる。さらに、高濃度分散液を使用することによって、塗布液調製時に塗布液の高濃度化が可能になり、生産効率が向上する等の利点がある。特にこの際に平均二次粒子径が5μm以上の湿式法シリカを使用すると、初期の凝集物発生による粘度上昇が抑制され、より高濃度での分散が可能となるため、さらに有利である。粉砕前の平均二次粒子径の上限は特に無いが、通常湿式法シリカの平均二次粒子径は200μm以下である。
本発明において、平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子を得る具体的な方法としては、まず水中にシリカと、カチオン性化合物としてカチオン性ポリマー及び/または水溶性金属化合物の少なくとも1種を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも1つを用いて予備分散液を得る。必要であればさらに適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。カチオン性化合物の量は、シリカに対して0.5〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。この範囲にすることによって、シリカ予備分散液の粘度が高くなりすぎず、固形分濃度を高くすることができる。本発明のシリカ予備分散物の固形分濃度は高いほうが好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。
上記の方法で得られたシリカ予備分散物をビーズミルで粉砕処理する。ビーズミルとは、内部に撹拌装置を有する容器中にビーズを内填し、容器中に液状物を入れて撹拌装置を回転させてビーズ同士を衝突させることで液状物にせん断力を与えて処理する装置である。ビーズの粒径は0.1〜10mmが一般的であるが、好ましくは0.2〜1mm、より好ましくは0.3〜0.6mmである。ビーズにはガラスビーズ、セラミックスビーズ、金属ビーズ等があるが、耐摩耗性及び分散効率からはジルコニアビーズが好ましい。また、容器中のビーズの添加充填率は一般的には40〜80容量%であり、好ましくは55〜80容量%である。上記分散条件によって、シリカ分散物を効率良く、粗粒残存や凝集物発生もなく、平均二次粒子径を500nm以下に粉砕することが可能である。予備分散物を連続で処理する場合で通し回数が1回では粗粒が残りやすい場合には、2回以上処理するほうが好ましい。粗粒ができない範囲で濃度が高い方が、塗布液の高濃度化が可能になり好ましい。本発明のシリカ分散物の固形分濃度の好ましい範囲としては20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。市販のビーズミルとしては浅田鉄工社製のナノミル、アイメックス社製のウルトラビスコミル、及びマツボー社製のアミュラー型OBミル、シンマルエンタープライゼス社製のダイノミル等が挙げられる。
本発明において、特に高い透明性が得られる理由から、インク受容層に含有させる無機微粒子として気相法シリカを使用するのが好ましい。気相法シリカを用いる場合、その平均一次粒子径は5〜50nm、好ましくは5〜20nmであり、さらに好ましくは5〜10nmであり、且つ高い吸収性を得るためにBET法による比表面積が90〜400m2/gのものを用いるのが好ましい。BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
気相法シリカの特徴は、一次粒子が網目構造または鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在して適度な空隙を形成することにある。本発明では、光透過性とインク吸収性を両立するために500nm以下、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下の平均二次粒子径になるまで超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕、分散させた気相法シリカ粒子がインク受容層に含有される。
本発明において、気相法シリカは湿式法シリカと同様に、カチオン性化合物の存在下で水を主体とする分散媒中で分散された状態で用いられるのが好ましい。このとき、ポリビニルアルコールのようなバインダーやほう酸等の架橋剤(硬膜剤)は含まない状態で分散するのが好ましい。
カチオン化された気相法シリカとしては、特開平11−321079号、特開2000−239536号、特開2001−19421号、特開2001−80204号、特開2001−207078号公報等にカチオン性ポリマーの存在下で気相法シリカを分散する方法が記載されており、いずれも本発明に採用することができる。
なお、本発明でいう平均一次及び二次粒子径は電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察する公知の方法に基づくものである。一次粒子の平均粒子径は、分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒径として求めることができる。また、二次粒子の平均粒子径は緩いせん断力で分散した粒子を電子顕微鏡で観察して求めることができる。
湿式法及び気相法シリカの分散または粉砕に用いられるカチオン性化合物としては、具体的には以下の如きカチオン性ポリマーまたは水溶性金属化合物を使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同昭59−33176号、同昭59−33177号、同昭59−155088号、同昭60−11389号、同昭60−49990号、同昭60−83882号、同昭60−109894号、同昭62−198493号、同昭63−49478号、同昭63−115780号、同昭63−280681号、同平1−40371号、同平6−234268号、同平7−125411号、同平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。分子量が10万よりも大きくなると、分散液が高粘度となりすぎるため好ましくない。
水溶性金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられ、中アルミニウムもしくは周期律表4A族金属(例えばジルコニウム、チタン)からなる化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性アルミニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られており、好ましく用いられる。
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2、または3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm 一般式1
[Al(OH)3nAlCl3 一般式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 一般式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。
本発明に用いられる周期表4A族元素を含む水溶性化合物としては、チタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物がより好ましい。チタンを含む水溶性化合物としては、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。ジルコニウムを含む水溶性化合物としては、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、乳酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が挙げられる。本発明において、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを目安とする。
本発明において、インク受容層に含有させる無機微粒子としてアルミナを用いる場合、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中δグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、本発明では、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは300nm以下程度にまで粉砕したものが使用される。
本発明で用いられるアルミナ水和物はAl23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。アルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下であり、好ましくは300nm以下である。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ギ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
本発明のインク受容層は上述の如き無機微粒子を主体として構成される。ここでいう主体とはインク受容層の全固形分の50質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上を含有することをいう。無機微粒子は各々単独で用いても良いが、任意の比率で混合して使用することもできる。
本発明のインク受容層には、皮膜としての特性を維持するためと、インクの浸透性が得られる親水性バインダーが用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。具体的には、ポリビニルアルコール系化合物、ポリエチレングリコール系化合物、澱粉類、デキストリン、カルボキシメチルセルロース等やそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールや、カチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
本発明において、上記親水性バインダーと共に架橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましく、架橋剤を用いることによって良好な表面光沢、高いインク吸収性が得られ、印字後の滲みが小さくなる。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロロペンタンジオンの如きケトン化合物、N,N′−ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号明細書記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号明細書記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸、ほう酸塩、ほう砂の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸、ほう砂またはほう酸塩が好ましい。ほう酸は、オルトほう酸、メタほう酸、次ほう酸等が、ほう酸塩としてはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。親水性バインダーに対する架橋剤の含有率は、0.02〜50質量%で、特に0.5〜35質量%が好ましい。
本発明のインク受容層において、親水性バインダーの含有量は無機微粒子に対して固形分で5質量%以上40質量%未満であり、好ましくは8質量%以上35質量%未満であり、さらに好ましくは10質量%以上30質量%未満である。上記範囲であれば、支持体との接着強度と塗層強度が得られるために塗布層のひび割れが防止でき、且つ高いインク吸収性を得ることができる。
本発明のインク受容層の塗布量は、固形分で5〜50g/m2であり、好ましくは10〜40g/m2であり、より好ましくは13〜35g/m2の範囲である。上記範囲であることによって、塗層強度とインク吸収性を両立することができる。
本発明のインク受容層には、インク定着剤としてカチオン性化合物を含有することもできる。ここで用いられるカチオン性化合物としては、シリカ微粒子の分散、粉砕に使用したものと同様のカチオン性ポリマーまたは水溶性金属化合物である。カチオン性化合物はアニオン性を有するインクの定着性を向上させることができる。また、水溶性金属化合物を含有することによって、ひび割れを防止することができ、結果として、インク吸収性を向上させるために親水性バインダー量のさらなる低減及び無機微粒子のさらなる増量が可能となる。
さらに、本発明のインク受容層には、界面活性剤、着色染顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、粘度安定剤、pH調節剤等を含有することができるが、インク吸収性等の他の特性に悪影響を及ぼさないことが重要である。
本発明のインク受容層は、少なくとも1層のインク受容層を設けた構成であるが、さらに他のインク吸収層、インク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。
本発明において、インク受容層の反対面に塗設される裏塗り層は、平均一次粒子径50nm以下のコロイダルシリカと、バインダーを含有し、且つ該裏塗り層のバインダーの含有量がコロイダルシリカに対して固形分で25質量%以上55質量%未満であり、且つ該裏塗り層が、炭素数3〜5のアルカンジオール類及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種を含有する。上記構成の裏塗り層を設けることで裏塗り層の光透過性が向上し、さらには裏塗り層の耐水性や、印字後の耐裏写り性及び耐ブロッキング性を満足することができる。また、プリンターでの連続搬送性にも優れたものである。
本発明の裏塗り層には平均一次粒子径が50nm以下のコロイダルシリカが含有されるが、これにより良好な光透過性と強い塗層強度を得ることができる。使用できるコロイダルシリカとして、例えば、触媒化成工業(株)からカタロイドS−20L、S−20H、S−30L、S−30H、SI−30、SI−40、SI−50、SI−350、SI−550、SN、SA等が、日産化学工業(株)からスノーテックスST−20、ST−30、ST−40、ST−C、ST−N、ST−20L、ST−O、ST−OL、ST−S等が市販されているほか、(株)ADEKAからアデライトとして市販されているものがある。本発明では平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、平均一次粒子径が5nm以上50nm以下、好ましくは10nm以上30nm以下のコロイダルシリカが使用される。
一般的なコロイダルシリカが球状または球状に近い一次粒子が連結せずに独立して存在しているのに対して、小さいシリカ粒子が細長く連結した鎖状粒子、またそれらが三次元網目構造を有しているもの、球状の一次粒子が複数個連結し、真珠のネックレスに似た形状を示すパールネックレス状の粒子等の形状で存在する非球状コロイダルシリカを使用することもできる。これらの鎖状シリカ粒子やパールネックレス状シリカ粒子からなる被膜は機械的強度にも優れており、優れた耐傷性を得るのに好適である。
細長い形状の鎖状粒子とは三次元方向には伸長を有さず、同一平面内に伸長したものをいう。細長い形状の鎖状粒子には、ほぼ真っ直ぐなもの、屈曲しているもの、分岐を有するもの、環を有するもの等が含まれる。これに対し、三次元網目構造を有する粒子とは、これらの細長い形状の鎖状粒子が文字通り三次元的に絡まった網目状構造を有するもの等である。
パールネックレス状粒子や鎖状粒子はいずれもシリカの一次粒子が連結した、分岐を有する細長い形状であるが、両者の違いは球状一次粒子の占める割合にある。ここでパールネックレス状粒子とは電子顕微鏡による二次元像において、球状一次粒子に起因する円状図形が真円度70%以上を有し、且つ各円状図形の内接円の合計面積がパールネックレス状粒子全投影面積の70%以上を占め、且つ各円状図形の内接円が互いに重ならないもの等である。ここで真円度とは、対象とする図形輪郭の外接円の半径に対する内接円の半径の比率で表され、真円では100%となる。
本発明の裏塗り層で使用されるバインダーとして、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル重合体、酢酸ビニル重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等の重合体またはこれらの誘導体や、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール系化合物、ポリエチレングリコール系化合物、澱粉類、デキストリン、カルボキシメチルセルロース等やそれらの誘導体等が使用できるが、印字後の裏写りを防止する効果を高めるためにはポリビニルアルコールであることが好ましい。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
本発明の裏塗り層において、バインダーの含有量はコロイダルシリカに対して固形分で25質量%以上55質量%未満であり、好ましくは30質量%以上50質量%未満であり、さらに好ましくは35質量%以上45質量%未満である。上記範囲であれば、支持体との接着強度と塗層強度が得られるために塗布層のひび割れが防止でき、且つ耐ブロッキング性を得ることができる。25質量%未満であると塗布層の塗層強度が得られず、55質量%以上であると耐ブロッキング性が得られない。
本発明の裏塗り層のバインダーとして、ポリビニルアルコールまたはその変性物を用いた場合、架橋剤としてほう酸及びほう酸塩の少なくとも1種を用いることが好ましい。これによって裏塗り層の耐水性が向上し、耐ブロッキング性をさらに改善することができる。ほう酸は、オルトほう酸、メタほう酸、次ほう酸等が、ほう酸塩としてはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。ポリビニルアルコールまたはその変性物に対するほう酸またはほう酸塩の添加量は、固形分で0.02〜50質量%で、特に0.5〜35質量%が好ましい。
本発明の裏塗り層には、炭素数3〜5のアルカンジオール及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種を含有する。該化合物は常温では液体であり、吸湿性が高く、揮発性が低く、水溶性である。該化合物を含有することにより裏塗り層の透明性が向上し、結果としてインクジェット記録材料の光透過性が改善される。さらに、製造時、印字時や画像観察時に裏面にひび割れを発生せず有効である。
炭素数3〜5のアルカンジオールとしては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオールがあり、それらの異性体はいずれも含まれる。また、3−メチル−1,3−ブタンジオール等のような分岐のブタンジオールも含まれる。これらの中でも、炭素数が3〜4のプロパンジオールやブタンジオールが好ましい。プロパンジオールとしてはプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)とトリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)が挙げられ、特にプロピレングリコールが好ましい。
炭素数3〜5のアルカンジオール及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種の添加量は、該化合物の合計が無機微粒子に対して0.1〜50質量%であり、好ましくは0.5〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜20質量%である。
本発明の裏塗り層には、好ましくはメラミン樹脂を含有する。メラミン樹脂を含有させることにより、塗布層の耐水性が向上し、多量のインクを用いて印字した多数枚のシートを長時間積み重ねた場合などの過酷な条件下でもブロッキングを防止することが可能となるので好ましい。また、塗布層の膜強度を強化するのにも有効である。メラミン樹脂としては、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチロール化メラミン樹脂、等が挙げられる。
本発明の裏塗り層の親水性バインダーに対するメラミン樹脂の比率は0.1〜40質量%であり、好ましくは0.5〜20質量%である。
本発明において、裏塗り層には必要に応じて、硬膜剤、界面活性剤、顔料等を添加することもできる。
本発明において、裏塗り層の塗布量は得られる記録材料のカール性等を考慮して決定されるが、固形分塗布量として0.5〜20g/m2であり、好ましくは1〜8g/m2である。
なお、本発明の裏塗り層は、耐裏写り性を得るためにインク受容層と比べて空隙率は低くインク受容層としての機能は極めて低い。本発明でいう裏塗り層の空隙率とは、裏塗り層の乾燥膜厚から出した容量から層中の無機微粒子やバインダー等の固形分総容量を差し引いた値である空隙容量の固形分総容量に対する割合を示し、値が小さいほど耐裏写り性に優れる。裏塗り層の空隙率を70容量%以下、好ましくは50容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下にすることによって、耐裏写り性の効果を十分に得ることができる。
本発明において、インク受容層及び裏塗り層の塗工方法は、特に限定されず、公知の塗工方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。上記塗工方式の中でも、特に前計量タイプであるスライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式が好ましく用いられる。
本発明に用いられる光透過性支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートのようなセルロースエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルムが挙げられる。特にポリエステル樹脂のフィルムが耐熱性等の特性と価格で好ましく用いられる。これらの樹脂フィルム支持体の厚みは、カール性や取り扱い易さ等から50〜250μm程度のものが好ましい。
光透過性支持体の透明性、色調を調整する場合には、例えば熱可塑性樹脂に無機微粒子等を配合して作製するが、無機微粒子としては炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、シリカや、カーボンブラック等の着色顔料等が利用できる。
プラスチック樹脂フィルム等の光透過性支持体にインク受容層及び裏塗り層の塗布液を塗布する場合、塗布に先立って、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等が通常行われる。
プラスチック樹脂フィルム等の光透過性支持体上には天然樹脂や合成樹脂を主体とするプライマー層を設けるのが好ましい。プライマー層は、支持体上に0.01〜5μmの膜厚(乾燥膜厚)で設けられ、好ましくは0.05〜5μmの範囲である。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、以下に示す「部」は、固形分の質量部を表す。
下記に示す光透過性支持体を用意した。
<光透過性支持体>
光透過性支持体として厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(不透明度1%)を用い、その両面に下記組成のプライマー層を乾燥膜厚が0.3μmになるように設けた。
プライマー層:塩化ビニリデン:メチルアクリレート:アクリル酸(90:9:1、質量%)のラテックス(質量平均分子量42000)。
上記光透過性支持体の両面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記のインク受容層1の組成を含有する塗工液をスライド塗布テストコーターにて固形分で22g/m2になるように塗布、乾燥した。なお、インク受容層中の無機微粒子として用いた気相法シリカ微粒子の平均二次粒子径は200nmであった。続いて光透過性支持体のインク受容層を設けた面とは反対面に、下記の裏塗り層1の組成を含有する塗工液をスライド塗布テストコーターにて塗布量が固形分で6g/m2になるように塗布、乾燥し、実施例1のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層1の組成>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径12nm、BET法による比表面積200m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)社製、シャロールDC902P、分子量9000)
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 3部
界面活性剤 0.3部
<裏塗り層1の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
ポリビニルアルコール 40部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 4部
プロピレングリコール 5部
界面活性剤 0.5部
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層2の組成に変更した以外は同様にして、実施例2のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層2の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
ポリビニルアルコール 40部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 4部
ブタンジオール 5部
界面活性剤 0.5部
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層3の組成に変更した以外は同様にして、実施例3のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層3の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
ポリビニルアルコール 40部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 4部
ペンタンジオール 5部
界面活性剤 0.5部
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層4の組成に変更した以外は同様にして、実施例4のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層4の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
ポリビニルアルコール 40部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 4部
ジプロピレングリコール 5部
界面活性剤 0.5部
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層5の組成に変更した以外は同様にして、実施例5のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層5の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
スチレン−ブタジエン系ラテックス 40部
(日本ゼオン社製、Nipol LX438C)
プロピレングリコール 5部
界面活性剤 0.5部
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層6の組成に変更した以外は同様にして、実施例6のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層6の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
ポリビニルアルコール 28部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 3部
プロピレングリコール 5部
界面活性剤 0.5部
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層7の組成に変更した以外は同様にして、実施例7のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層7の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
ポリビニルアルコール 52部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 5部
プロピレングリコール 5部
界面活性剤 0.5部
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層8の組成に変更した以外は同様にして、実施例8のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層8の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
ポリビニルアルコール 52部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 5部
プロピレングリコール 5部
メラミン樹脂 3部
(住化ケムテックス社製、スミレーズレジン 8% AC)
界面活性剤 0.5部
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層9の組成に変更した以外は同様にして、実施例9のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層9の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
スチレン−ブタジエン系ラテックス 40部
(日本ゼオン社製、Nipol LX438C)
プロピレングリコール 5部
メラミン樹脂 3部
(住化ケムテックス社製、スミレーズレジン 8% AC)
界面活性剤 0.5部
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層10の組成に変更した以外は同様にして、実施例10のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層10の組成>
コロイダルシリカ 100部
(日産化学工業社製、スノーテックスOL、平均一次粒子径40〜50nm)
ポリビニルアルコール 40部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 4部
プロピレングリコール 5部
界面活性剤 0.5部
水に擬ベーマイト(平均一次粒子径14nm)と硝酸を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を使用して、固形分濃度20%のアルミナ水和物分散液を作製した。このアルミナ水和物分散液と水に溶解した他の薬品を30℃で混合して下記のインク受容層2の組成を含有する塗工液を調整した。そして実施例1のインクジェット記録材料のインク受容層の代わりに、下記のインク受容層2の組成を含有する塗工液を固形分で30g/m2になるように塗布した。裏塗り層は実施例1と同様にして、実施例11のインクジェット記録材料を得た。なお、インク受容層中の無機微粒子として用いたアルミナ水和物の平均二次粒子径は180nmであった。
<インク受容層2の組成>
アルミナ水和物分散液 (アルミナ水和物固形分として)100部
ポリビニルアルコール 11部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 0.4部
界面活性剤 0.3部
実施例1の裏塗り層の塗布量を固形分で1.2g/m2になるように塗布した以外は同様にして、実施例12のインクジェット記録材料を得た。
実施例1の裏塗り層1の塗布量を固形分で0.8g/m2になるように塗布した以外は同様にして、実施例13のインクジェット記録材料を得た。
実施例1の裏塗り層1の塗布量を固形分で10g/m2になるように塗布した以外は同様にして、実施例14のインクジェット記録材料を得た。
(比較例1)
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層11の組成に変更した以外は同様にして、比較例1のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層11の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 3部
プロピレングリコール 5部
界面活性剤 0.5部
(比較例2)
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層12の組成に変更した以外は同様にして、比較例2のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層12の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
ポリビニルアルコール 58部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 6部
プロピレングリコール 5部
界面活性剤 0.5部
(比較例3)
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層13の組成に変更した以外は同様にして、比較例3のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層13の組成>
コロイダルシリカ 100部
(触媒化成工業社製、カタロイドSI−50、平均一次粒子径21〜30nm)
ポリビニルアルコール 40部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 4部
界面活性剤 0.5部
(比較例4)
実施例1の裏塗り層1の組成を、下記の裏塗り層14の組成に変更した以外は同様にして、比較例4のインクジェット記録材料を得た。
<裏塗り層14の組成>
コロイダルシリカ 100部
(日産化学工業社製、カタロイドSI−80P、平均一次粒子径70〜90nm)
ポリビニルアルコール 40部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 4部
プロピレングリコール 5部
界面活性剤 0.5部
(比較例5)
実施例1の裏塗り層1のコロイダルシリカを、インク受容層1に用いたものと同じ気相法シリカに変更した以外は同様にして、比較例5のインクジェット記録材料を得た。
(比較例6)
実施例1の裏塗り層1のプロピレングリコールを、エチレングリコールに変更した以外は同様にして、比較例6のインクジェット記録材料を得た。
(比較例7)
実施例1の裏塗り層のプロピレングリコールを、ヘキシレングリコールに変更した以外は同様にして塗布を行ったが、裏塗り面に表面亀裂及びハジキが多数発生し、インクジェット記録材料を得ることができなかった。
得られた実施例1〜14及び比較例1〜6のインクジェット記録材料を11インチ×14インチの大きさに裁断して下記の評価を行った。その結果を表1に示す。なお、実施例及び比較例の裏塗り層の空隙率を測定した結果、比較例5のインクジェット記録材料が72容量%であり、その他のインクジェット記録材料は30容量%以下であった。
<インク吸収性>
エプソン社製インクジェットプリンター(PM−980C)にてレッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察した。下記の基準で評価した。
○:転写しない。
△:印字部全体に薄い転写が観察されるが実使用可。
×:印字部全体に濃い転写が観察され実使用不可。
<印字後の耐裏写り性>
前記エプソン社製プリンターで印字してインクが完全に吸収された直後に、印字面を同じ材料の裏面と重ね、同様にして50枚重ねた後に490Paの荷重をかけて、40℃で24時間放置後のインク、及びインク由来の水、溶剤の裏写りを評価した。
○:全く裏写りがない。
△:やや裏写りがあるが実用可。
×:裏写りが大きく実使用不可。
<印字後の耐ブロッキング性>
前記<印字後の耐裏写り性>で用いた試料のブロッキングの様子を評価した。
○:全くブロッキングがない。
△:ややブロッキング気味であるが実用可。
×:ブロッキングが大きく実使用不可。
<インクジェットプリンターでの連続搬送性>
32℃、80%RHの高湿度雰囲気下にて、エプソン社製インクジェットプリンター(PM−950C)の給紙部に記録シートを10枚重ねてセットした。連続で印字した際の搬送の状態を評価した。
○:実用上搬送性に問題はない。
×:重送等の支障が発生して実用上問題である。
<耐カール性>
低温低湿環境として13℃、20%RH、高温高湿環境として32℃、80%RHの2条件の雰囲気下で未印字の記録シートの四隅のカールの平均値を測定し、以下のように判定した。なお、インク受容面側へのカールをプラス(+)側へのカール、裏塗り面側へのカールをマイナス(−)側へのカールとした。
○:−5mm〜+5mmの範囲にある。
△:−10mm〜+10mmの範囲にある。
×:±10mmを越えるカールが生じている。
<光透過性>
記録シートのヘーズ値をヘーズメーター(スガ試験機株式会社製HZ−2)によって測定した。25%以下のヘーズ値であれば実用上問題ないとした。
<裏塗り面の表面亀裂>
裏塗り面に表面亀裂が発生していないか目視にて観察した。
○:表面亀裂が発生していない。
△:微小な表面亀裂が発生しているが実用上問題はない。
×:表面亀裂が多数発生している。成膜性に問題がある。
Figure 2008246764
上記の実施例1〜14により、光透過性支持体を用いたインクジェット記録材料において、光透過性、インク吸収性、耐カール性、印字後の耐裏写り性及び耐ブロッキング性に優れたインクジェット記録材料を提供できることがわかる。これに対し、比較例1〜7は本発明の効果を得ることができなかった。

Claims (5)

  1. 光透過性支持体の片面に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有する少なくとも1層のインク受容層を設け、反対面に少なくとも1層の裏塗り層を設けたインクジェット記録材料において、該裏塗り層が平均一次粒子径50nm以下のコロイダルシリカとバインダーを含有し、該裏塗り層のバインダーの含有量がコロイダルシリカに対して固形分で25質量%以上55質量%未満であり、且つ該裏塗り層が、炭素数3〜5のアルカンジオール類及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 前記裏塗り層のバインダーが、ポリビニルアルコールである請求項1に記載のインクジェット記録材料。
  3. 前記裏塗り層が、メラミン樹脂を含有する請求項1または2に記載のインクジェット記録材料。
  4. 前記裏塗り層の塗布量が、固形分で1〜8g/m2である請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録材料。
  5. 前記インク受容層に含有される無機微粒子が気相法シリカである請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット記録材料。
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