JP4704564B2 - シリカ分散体、コーティング組成物、及び記録媒体 - Google Patents
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Description
[発明の分野]
本発明は、記録媒体、その調製に有益なカチオン性シリカ分散体及びコーティング組成物、並びにそれらの調製方法に関する。
【0002】
[発明の背景]
表面コーティングを記録媒体に適用して、その印刷特性を改良することがある。例えば光沢コーティングは、優れた感触と写真のような品質を印刷された画像に与えることができる。高度に吸収性のコーティングは、汚れと画像の剥離とを減少させることができる。また、コーティングの外側表面でインク染料を固定する(すなわち吸着する)コーティングは、印刷された画像の水堅牢度及び色濃度を促進する。
【0003】
光沢があり且つまだ吸収性及び固定性が良好な記録媒体のための単一のコーティングを調製することが、未だに求められている。光沢と染料の固定は、異なるタイプのポリマー性樹脂をコーティングに組み込むことによって達成できることがある。例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及び/又はポリカーボネート樹脂を使用して光沢をもたらし、カチオン性ポリマー樹脂を使用して、アニオン性染料の表面固定を促進することができる。しかしながら、樹脂でコーティングされた記録媒体に適用されたインクは比較的ゆっくりと乾燥し、また汚れ及びすり減りをもたらす望ましくない傾向があることが多い。ある種の処理カオリンクレイ又は処理炭酸カルシウムのようないくらかの顔料は染料を固定することができるが、そのような顔料では全体の吸収性及び吸収速度は場合によっては妥協されている。
【0004】
従って、光沢があり且つ良好な吸収性及び固定性を有するコーティングを具備した記録媒体が必要とされている。そのような記録媒体を調製する方法、及びそのような方法で使用することができる分散体及びコーティング組成物も必要とされている。本発明は、そのような記録媒体、方法、分散体及びコーティング組成物を提供する。
【0005】
[発明の簡単な説明]
本発明の記録媒体は、光沢コーティングを有する基材を含む。ここで、この光沢コーティングはカチオン性シリカを含む。このカチオン性シリカは、アルミニウム化合物と接触させた平均直径が約1μm未満のシリカ粒子を含む。カチオン性シリカは、そのコロイド安定性、すなわち約20wt%の濃度でpHが約3〜4の脱イオン水中のその分散体が、比較的小さい剪断速度で約1,500センチポイズ未満の粘度を示すことによって特徴付けられる。ここで、測定は、分散体を調製した直後から180日間にわたって約25℃の温度で維持した後に、BrookfieldのモデルRVTデジタル粘度計において、100rpmでNo.5の軸(スピンドル)を使用して行っている。本発明の分散体は典型的にゼータ電位が、実質的な過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも約50%である。
【0006】
本発明の記録媒体のコーティングは、液体吸収速度が良好であり、液体吸収容量が比較的大きく、且つ染料の固定が良好である光沢表面を有する。本発明の記録媒体の光沢コーティングに適用された画像は、水堅牢性であり、色濃度が大きく、且つ比較的迅速に乾燥する。
【0007】
本発明の記録媒体を調製する方法は、
(a)基材を提供すること、
(b)上述のカチオン性シリカを含むコーティング組成物で前記基材をコーティングして、コーティングされた基材を提供すること、及び
(c)前記コーティングされた基材を乾燥させて、記録媒体を作ること、
を含む。
【0008】
本発明は、カチオン性シリカの水性分散体も提供する。ここで、
(a)前記カチオン性シリカは、1又は複数のアルミニウム化合物に接触したシリカ粒子を含み、
(b)前記シリカ粒子の平均直径は約100nm〜約1μmであり、
(c)前記分散体のpHが、約2〜約6であり、且つ
(d)前記分散体のカチオン性シリカ含有率が、約5wt%〜約50wt%である。
また、前記水性分散体は好ましくは、
(e)調製した直後から約180日間にわたって約25℃の温度で維持した後で、比較的小さい剪断速度での粘度が、約1,500センチポイズ未満であること、及び
(f)ゼータ電位が、実質的な過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも約50%であること、
を特徴とする。
【0009】
本発明は、上述のカチオン性シリカの水性分散体を調製する方法も提供する。本発明のこの方法は、
(a)シリカ粒子の水性サスペンションを調製すること、ここで、この粒子の平均直径は約1μm未満であり、及び
(b)サスペンション中のシリカ粒子を、少なくとも1種のアルミニウム化合物と接触させて混合物を作り、ここで、接触の初期の間に混合物のゼータ電位は急速に増加するが、続く接触の間に安定化し(すなわちゆっくりと増加し)、混合物のゼータ電位が安定するまで接触を継続し、この時点で接触を停止して、カチオン性シリカの水性分散体を提供すること、
を含む。
【0010】
本発明は更に、本発明の水性カチオン性シリカ分散体及び適当なバインダーを含むコーティング組成物を提供する。
【0011】
カチオン性シリカの水性分散体を調製する本発明の方法は、多くの様式で従来の方法の制限を少なくとも1つを克服する。例えば、分散体から電解質を厳密に除去する必要がない。また、二価金属、アンモニア、及び炭酸水素塩のような分散体安定化剤は必要ではない。本発明のこれらの及び他の利点、並びに追加の発明的特徴は、以下の本発明の説明から明らかになる。
【0012】
[好ましい態様の説明]
本発明は、記録媒体、記録媒体の調製方法、並びに記録媒体の調製に有益なコーティング組成物及びカチオン性シリカ分散体を提供する。
【0013】
記録媒体
本発明は、コーティングを有する基材を含む記録媒体を提供する。ここで、このコーティングはカチオン性シリカを含む。カチオン性シリカは平均直径が約1μm未満であり、単独の又は他の化合物と組み合わせたアルミニウム化合物(すなわち1又は複数種のアルミニウム化合物)と接触させたシリカ粒子を含む。好ましくはコーティングは光沢コーティングである。
【0014】
本発明の記録媒体は、透明であっても不透明であってもよく且つ任意の適当な材料でできていてよい基材を含む。そのような材料の例としては、限定するわけではないが、ポリエステル樹脂(例えばポリ(エチレンテレフタレート))、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリイミド樹脂、セロファン及びセルロイドのフィルム又はシート、ガラスシート、金属シート、プラスチックシート、紙(例えばセルロース紙、合成紙)、コート紙(例えば樹脂コート紙)、顔料含有不透明フィルム、並びに発泡フィルムを挙げることができる。
【0015】
本発明の記録媒体で使用する基材上には光沢コーティングがあり、このコーティングは任意の適当な厚さでよい。特にコーティングは、好ましくは厚さが約1μm〜約50μm、より好ましくは厚さが約5μm〜約40μm、最も好ましくは厚さが約10μm〜約30μmである。本発明の記録媒体は、良好な光沢を提供し、また良好なインク吸収性、染料固定性、大きい液体吸収速度、良好な水堅牢度、及び全体としての液体吸収能力を有する。更に、本発明の記録媒体は、特にインクジェット印刷の用途で使用したときに、良好な画像の質を提供する。
【0016】
本発明の特定の用途では、本発明の記録媒体は、複数のコーティング層を有する基材を含む。これらのコーティング層は同じであっても異なっていてもよい。しかしながら、これらのコーティング層のうちの少なくとも1つは、ここで説明したような性質のカチオン性シリカを含む。
【0017】
例えば、本発明の記録媒体は、1若しくは複数のインク受容性層(例えばアニオン性シリカを含む)及び/又は1若しくは複数の樹脂性層(例えば光沢のある積層された表面層)でコーティングされた基材を含むことができる。本発明の記録媒体がそのような追加のコーティング層を含む場合であっても、カチオン性シリカを含む上述の光沢コーティングが、大部分の印刷の用途で十分なインク吸収性、染料固定性、及び光沢を与えることが見出されている。
【0018】
カチオン性シリカは、1又は複数のアルミニウム化合物と接触したシリカ粒子を含んでいる。粒子は、熱分解シリカ、シリカゲル(例えばエアロゾル及びキセルゲル)、沈降シリカ、コロイドシリカ(例えばシリカゾル)、及びそれらの組み合わせを含むことができ、熱分解シリカが好ましい。
【0019】
熱分解シリカの粒子は、比較的小さい一次粒子の凝集体である。一次粒子は多孔質ではないが、凝集体は有意の気孔体積を有し、迅速に液体を吸収することができる。これらの気孔を有する凝集体は、凝集体粒子を密に充填してコーティングの粒子間気孔体積を最小化したときでさえ、コーティングが液体吸収のための有意の容量を維持することを可能にする。
【0020】
本発明の記録媒体の光沢コーティングの液体吸収容量は、任意の適当な方法で測定することができる。例えば、液体吸収の容量は、本発明の記録媒体の計量した試料を、ポリエチレングリコール(例えばPEG400)と水との1:1溶液に、約25℃の温度で10分間にわたって接触させることによって測定できる。後に、過剰な溶液を吸取紙で試料表面から除去し、試験試料を再び計量し、そして光沢コーティングに吸収され保持されている溶液の質量を計算して、g/m2の単位で示す。
【0021】
あるいは、コーティングの液体吸収容量は、気孔率の関数として測定することができる。気孔率は任意の適当な方法、例えばパーカープリントサーフ(Parker Print Surf)(PPS)試験装置を使用して、又は非孔質基材(例えばポリエチレン)に適用した光沢コーティングへの液体(例えば水銀)の全浸入体積の測定によって、測定することができる。特定のコーティング(従って気孔)に対する液体の全浸入体積は、コーティングの構造に影響を与える可変要素、例えばバインダータイプ、顔料とバインダーとの割合、顔料粒子サイズ、カレンダー処理等の関数であってよいことが理解される。液体浸入体積を使用して気孔率を測定する場合、水銀の全浸入体積の測定によって測定することが好ましい。これに関して、本発明の記録媒体の光沢コーティングは、基材が非孔質基材である場合、好ましくは全水銀浸入体積が少なくとも約0.3ml/gである。より好ましくは、光沢コーティングの全水銀浸入体積は少なくとも約0.5ml/g、更により好ましくは少なくとも約0.8ml/g、最も好ましくは約1ml/g又はそれよりも多い。
【0022】
液体吸収の速度は、任意の適当な方法で測定することができる。これは例えば、液体(例えば蒸留水)の滴をコーティング表面に適用し、そして表面に関する滴の角度(接触角)の時間の経過での変化を測定することによって行うことができる。好ましくは蒸留水の接触角は、本発明の記録媒体の光沢コーティングに適用したときに、初めの5分間の間に少なくとも約5°減少する。より好ましくは接触角は、初めの5分間の間に少なくとも約7°減少する。最も好ましくは蒸留水の接触角は、本発明の記録媒体の光沢コーティングに適用したときに、初めの5分間の間に少なくとも約10°減少する。
【0023】
カチオン性シリカを構成するシリカ粒子のサイズは、コーティングの光沢に影響を与える。本発明の記録媒体の光沢は、例えばJISのP8142又は等価の米国標準に従って、光沢光度計、例えば日本電飾工業社のVGS−1001、Hunter75°光沢光度計、Technidyne光沢光度計(例えばモデルT480A)等を使用して、75°鏡面光沢に関して測定することができる。本発明の記録媒体は好ましくは、75°鏡面光沢が少なくとも約15%である。より好ましくは、本発明の記録媒体の光沢は少なくとも約25%、更により好ましくは少なくとも約35%、更にまたより好ましくは少なくとも約45%である。いくらかの場合では、少なくとも約55%、更に少なくとも約65%である。
【0024】
光沢を最大化するために、シリカ粒子の平均直径を約1μm未満にすることが好ましい。より好ましくは、シリカ粒子の平均直径は約500nm未満、最も好ましくはシリカ粒子の平均直径は約400nm未満である。
【0025】
シリカ粒子の少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての直径が、上述の平均直径の値よりも小さいことがかなり好ましい。言い換えると、シリカ粒子の少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての直径が、約1μm未満であることがかなり好ましく、粒子の少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての直径が、約500nm未満であることがよりかなり好ましく、粒子の少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての直径が、約400nm未満であることが最もかなり好ましい。
【0026】
特定の好ましい態様、例えばカチオン性シリカが、少なくとも1種のアルミニウム化合物と接触させた熱分解シリカの粒子を含む態様では、シリカ粒子の平均直径が少なくとも約100nm(例えば粒子の平均直径が、約100nm〜約1μm、より好ましくは約100nm〜約500nm、最も好ましくは約100nm〜約400nm、特に約150nm〜約250nm)であることが好ましい。これらの特定の態様では、シリカ粒子の少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての直径が、少なくとも約100nm(例えば実質的に全ての粒子の直径が、約100nm〜約1μm、より好ましくは約100nm〜約500nm、最も好ましくは約100nm〜約400nm、特に約150nm〜約250nm)である。
【0027】
本発明の他の態様、例えばカチオン性シリカが、コロイドシリカゾルの粒子を含む態様では、シリカ粒子の平均直径は、好ましくは約200nm未満、より好ましくは約100nm未満、最も好ましくは約50nm未満である。これらの態様のいくらかでは、シリカ粒子の少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての直径が、好ましくは約200nm未満、より好ましくは約100nm未満、最も好ましくは約50nm未満である。
【0028】
カチオン性シリカは、個々の粒子の直径が任意の適当な範囲、例えば比較的広い範囲又は比較的狭い範囲であるシリカ粒子を含むことができる。例えばカチオン性シリカは、1又は複数種のアルミニウム化合物に接触した熱分解シリカ粒子及びコロイドシリカ粒子の混合物を含むことができる。粒子は単分散であってもよい。単分散という用語は、個々の粒子の直径が実質的に等しいことを示す。例えば、実質的に全ての単分散55nm粒子の直径は、約50nm〜約60nmである。
【0029】
熱分解シリカでのように、本発明で使用するシリカ粒子が溶融した(すなわち凝集した)一次粒子の凝集体を含む場合、上述の直径の値は凝集体の直径に言及していることに注意すべきである。これらのシリカ凝集体を構成している一次粒子に関して、本発明のある種の態様、例えば液体吸収速度及び液体吸収容量が比較的大きい光沢コーティングが望ましい態様では、一次粒子の平均直径が約100nm未満(例えば約1nm〜約100nm)であることが好ましい。一次粒子の平均直径は、より好ましくは約50nm未満(例えば約1nm〜約50nm)、更により好ましくは約30nm未満(例えば約1nm〜約30nm)、最も好ましくは約20nm未満(例えば約5nm〜約15nm)である。これらの特定の態様では、一次粒子の少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての直径が、上述の平均直径の値よりも小さいことが好ましい。言い換えると、好ましくは、一次粒子の少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての直径が、約100nm未満(例えば約1nm〜約100nm)、より好ましくは、一次粒子の少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての直径が、約50nm未満(例えば約1nm〜約50nm)、更により好ましくは、一次粒子の少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての直径が、約30nm未満(例えば約1nm〜約30nm)、最も好ましくは一次粒子の少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての直径が、約20nm未満(例えば約5nm〜約15nm)である。
【0030】
本発明の記録媒体の光沢コーティングで使用されるカチオン性シリカは、コーティングの固定能力(すなわち吸着能力)を促進し、コーティングの表面で染料分子を見せる。カチオン性シリカは、1又は複数のアルミニウム化合物と接触させた上述の直径のシリカ粒子を含む。任意の適当なアルミニウム化合物を使用することができる。好ましくはアルミニウム化合物としては、ハロゲン化アルミニウム及び硝酸アルミニウムを挙げることができ、塩化アルミニウムが特に好ましい。式Al(OH)2X〜Al3(OH)8X(XはCl又はNO3)の塩化アルミニウム及び硝酸アルミニウムがかなり好ましく、最も好ましくはシリカ粒子は、塩化アルミニウム水和物(Al2(OH)5Cl、より特にAl2(OH)3Cl・2H2O)と接触させる。
【0031】
アルミニウム化合物は固体、液体又は気体でよい。アルミニウム化合物は、1又は複数の他の物質、例えばその溶媒と組み合わせて、アルミニウム組成物を作ることができる。
【0032】
本発明では、シリカ粒子とアルミニウム化合物との接触を任意の適当な様式で達成することができる。例えば接触は、適当な液体(例えば水)中のシリカのサスペンションを1又は複数のアルミニウム化合物と接触させるようにして、シリカサスペンションと固体アルミニウム化合物とを混合することを含むことができる。例えば、塩化アルミニウム水和物を、乾燥固体として、水性シリカサスペンションに加えることができる。特定の態様では、好ましくはシリカ粒子を、1又は複数のアルミニウム化合物及びその適当な溶媒(例えば水)と接触させる。例えば、塩化アルミニウム水和物の水溶液を、シリカ粒子の水性サスペンションに加えることができる。
【0033】
本発明の記録媒体の光沢コーティングは、1種類のカチオン性シリカ又は幅広い性質(例えば粒度、表面積、正味電荷等)のカチオン性シリカを含むことができる。言い換えると、コーティングは、様々な大きさの及び/又は様々な異なる様式(例えば、熱分解、コロイド、沈降等)でもたらされたシリカ粒子を含むカチオン性シリカを含むことができる。また、シリカ粒子は、任意の適当な方法で様々な任意の種類のアルミニウム化合物と独立に又は組み合わせて接触させたものでよい。コーティングは、1種類のこのカチオン性シリカ又は接触させた粒子の任意の適当な組み合わせを含むことができる。
【0034】
ここで説明されているようなアルミニウム化合物とシリカ粒子との接触は、適当なアルミニウム化合物を、場合によっては共有結合的に又は静電気相互作用によって、シリカ粒子の表面に結びつけ又は結合させて、シリカ粒子上にカチオンコーティングを提供する(すなわちカチオン性シリカを作る)。カチオン性コーティングが存在することは、カチオン性シリカ分散体のゼータ電位を測定することによって示される(例えば図1に示すようにして)。例えば、pHが約3〜4で約20wt%の濃度のカチオン性シリカの脱イオン水分散体について、測定を行うことができる。好ましくは、そのような分散体が、本発明の記録媒体の光沢コーティングを作るカチオン性シリカを含む場合、シリカ粒子に接触させたアルミニウム化合物と実質的に同一のアルミニウム化合物を分散体に加えることによって、分散体のアルミニウム含有率を約50wt%増加させたときに、ゼータ電位の変化が約25%未満であるという事実によってこの分散体を特徴付けることができる。より好ましくは、上述のようにして分散体のアルミニウム含有率を約50wt%増加させたときに、そのような分散体のゼータ電位の変化が約15%未満であり、更により好ましくは、上述のようにして分散体のアルミニウム含有率を約50wt%増加させたときに、そのような分散体のゼータ電位の変化が約10%未満であり、最も好ましくは、シリカ粒子に接触させたアルミニウム化合物と実質的に同一のアルミニウム化合物を分散体に加えることによって分散体のアルミニウム含有率を約50wt%増加させたときに、そのような分散体のゼータ電位の変化が約5%未満である。
【0035】
pHが約4で脱イオン水中のカチオン性シリカ含有率が約20wt%である本発明のカチオン性シリカ分散体は、ここで説明するようにして、実質的に過剰なアルミニウムが存在しない条件(好ましくは過剰なアルミニウムが全く存在しない条件)で、可能な最大ゼータ電位に対するそのゼータ電位によって特徴付けることができる。一般に、水性分散体のゼータ電位は、実質的に過剰なアルミニウムが存在しない条件で、最大ゼータ電位の少なくとも約50%である。典型的に水性分散体のゼータ電位は、実質的に過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも約60%であり、より典型的にはこのゼータ電位は、実質的に過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも約70%である。好ましくはカチオン性シリカ水性分散体は、実質的に過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも約80%のゼータ電位を示す。より好ましくは分散体は、実質的に過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも約90%のゼータ電位を示し、更により好ましくは、実質的に過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも約95%のゼータ電位を示す。最も好ましくは分散体のゼータ電位は、実質的に過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも約98%(例えば約100%)である。
【0036】
上述の性質の本発明の記録媒体の光沢コーティングに含まれるカチオン性シリカの水性分散体は、コロイド的に比較的安定である(すなわちゲル化が遅い)という事実によっても特徴付けられる。本発明の水性分散体の安定性は、適当に調製して所定の長期間にわたって乱さないで(すなわち撹拌及び任意の他の振盪なしで)維持した後で、分散体の粘度を測定することによって決定できる。粘度は、例えばBrookfield粘度計(米国マサチューセッツ州ストウトン(Stoughton)のBrookfield Engineering Laboratories社が製造)及びその適当なスピンドル(軸)を使用して、測定することができる。例えば低剪断速度粘度は、Brookfield LVT粘度計(スピンドルNo.2、60rpm、25℃での2分間の回転)、BrookfieldモデルRV粘度計(100rpm、スピンドルNo.4、30秒後)、又はBrookfieldモデルRVTデジタル粘度計(スピンドルNo.5、100rpm)を使用して測定することができる。高剪断粘度(「見かけ粘度」ということもある)は、適当なスピンドル(例えばFF Bob測定形状、4,400rpm)を使用して、HERCULES(商標)高剪断粘度計で測定することができる。あるいは、ASTM D2196(06.01)「回転(Brookfield)粘度計による非ニュートン材料のレオロジー性(Rheological Properties of Non−Newtonian Materials by Rotational(Brookfield) Viscometer.)」に従って測定することもできる。
【0037】
好ましくは、そのような分散体の粘度(低剪断速度での粘度)の増加は、調製の直後から60日、90日、120日、180日、及び/又は270日間にわたって約25℃の温度で分散体を維持したときに、約50%未満である。より好ましくは、調製の後で60日、90日、120日、180日、及び/又は270日間にわたって約25℃の温度で分散体を維持したときに、分散体の粘度の変化が約30%未満である。最も好ましくは、調製の直後から60日、90日、120日、180日、及び/又は270日間にわたって約25℃の温度で分散体を維持したときに、分散体の粘度の変化が約20%未満である。
【0038】
pHが約3〜4でカチオン性シリカの含有率が約20wt%である本発明のカチオン性シリカ水性分散体の粘度は、調製の直後から60日、90日、120日、180日、及び/又は270日間にわたって約25℃の温度で分散体を維持した後で、比較的小さい剪断速度で好ましくは約1,500センチポイズ未満である。水性分散体の粘度は好ましくは、調製の直後から60日、90日、120日、180日、及び/又は270日間にわたって25℃の温度で分散体を維持した後で、約500センチポイズ未満である。より好ましくは粘度は、調製の直後から60日、90日、120日、180日、及び/又は270日間にわたって25℃の温度で分散体を維持した後で、約200センチポイズ未満である。最も好ましくは粘度は、調製の直後から60日、90日、120日、180日、及び/又は270日間にわたって25℃の温度で分散体を維持した後で、約150センチポイズ未満である。
【0039】
有機染料、例えばインクジェットインクで使用される有機染料は、イオン化可能官能基(例えばSO3H、COOH、PO3H2等)を有することがあり、これは染料の水溶性を増加させる。水中でこれらの官能基がイオン化すると(SO3 -、COO-、PO3 2-になると)、染料は負に帯電し、それによって本発明の記録媒体の光沢コーティング中のカチオン性シリカに静電気的に強く引きつけられる。従って、カチオン性シリカの気孔によってインクはコーティング内に迅速に吸収されることができるが、アニオン性染料分子はインクから離れて、コーティングの表面で固定されることができる。そのように、本発明の記録媒体のコーティングは、良好な染料固定性能を有し、これは優れた画像の質のような望ましい性質を促進する。
【0040】
記録媒体表面への染料の吸着は、アニオン染料含有水性インクジェットインクを適用した記録媒体の試験試料の光学濃度及び水堅牢度の測定によって定量化することができる。例えば、約90cm2の面積にわたって約12g/m2のインクを適用された試験試料を半分に切断し、以下のようにして試験することができる。インクを適用した1分後に、半分にしたうちの一方を、1分間にわたって脱イオン水に浸し、そして反復的に水に出し入れして、試料から全ての溶解したインクを除去した。乾燥の後で、濃度計(例えばMacBeth512濃度計)を使用して、試験試料の半分のそれぞれで複数の箇所(例えば無作為の10箇所)において画像強度を測定することができ、半分にした試料のそれぞれで値を平均した。記録媒体の光学濃度は、水に浸していない試験試料の半分の平均画像強度である。水堅牢度は、以下のようにして報告される:
【数1】
ここで、平均I.I.は、試験試料の半分のそれぞれ(すなわち水に浸した半分と水に浸していない半分)の平均画像強度である。この様式で計算される水堅牢度が比較的小さいことは、一般的にコーティングからインクが比較的失われていることを示す。
【0041】
あるいは、水堅牢度は、光学濃度が維持されることに関して評価できる。例えば、試験印刷は、軽く撹拌されている脱イオン水に5分間にわたって試料を浸し、試料を乾燥し、そして適当な濃度計(例えばX−Rite(商標)938分光濃度計)で色濃度を測定することによって(上述のようにして)、この乾燥した試料と水に浸していない試料とで色濃度を比較して評価することができる。水堅牢度は、浸していない試料に対して浸した試料で維持される光学濃度の割合に関して示すことができる。
【0042】
本発明の記録媒体は、良好な水堅牢度を示す。例えば、本発明の記録媒体は典型的に、軽く撹拌しながら5分間にわたって脱イオン水に浸漬した後で、少なくとも約50%の光学濃度を維持する。軽く撹拌しながら5分間にわたって脱イオン水に浸漬した後で、本発明の記録媒体は、好ましくは印刷された画像の光学濃度を少なくとも約60%維持し、より好ましくは光学濃度を少なくとも約70%、更により好ましくは光学濃度を少なくとも約80%、最も好ましくは光学濃度を少なくとも約90%(例えば光学濃度を約95%又は更には100%)維持する。特に好ましい態様では、軽く撹拌しながら5分間にわたって脱イオン水に浸漬した後で、本発明の記録媒体は、印刷された画像の光学濃度を100%維持する。
【0043】
上述のように測定したときに、本発明の記録媒体の光沢コーティングに適用された画像の光学濃度は、好ましくは少なくとも約1.0である。光学濃度は、より好ましくは少なくとも約1.1、更により好ましくは少なくとも約1.2、更にまたより好ましくは少なくとも約1.3、また更により好ましくは少なくとも約1.4、最も好ましくは少なくとも約1.5である。本発明の記録媒体の光沢コーティングの水堅牢度は、上述のように測定したときに、好ましくは少なくとも約0.7である。水堅牢度は、より好ましくは少なくとも約0.8、更により好ましくは少なくとも約0.9、また更により好ましくは少なくとも約0.95、また更により好ましくは少なくとも約0.98、最も好ましくは少なくとも約0.99である。
【0044】
本発明のある態様では、本発明の記録媒体の光沢コーティングは、カチオン性シリカに加えて、1又は複数の顔料、例えば炭酸カルシウム、クレイ、アルミニウムシリケート、尿素−ホルムアルデヒド充填剤等を含む。他の適当な顔料としては、シリカ(例えばコロイド又は熱分解シリカ)、アルミナ(例えばアルミナゾル、コロイドアルミナ、カチオン性酸化アルミニウム又はその水和物、プセウドボエマイト等)、マグネシウムシリケート、マグネシウムカルボネート、カオリン、タルク、硫化カルシウム、硫化バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サテンホワイト、珪藻土、カルシウムシリケート、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水和ハロイサイト、水酸化マグネシウム、ポリオレフィン(例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、プラスチック(例えばアクリル樹脂)、尿素樹脂、及びメラミン樹脂を含むことができる。
【0045】
本発明の記録媒体の光沢コーティングは好ましくは、カチオン性シリカと基材との結合に役立つ1又は複数のバインダーを含む。1又は複数のバインダーを使用する場合、バインダーの全量に対する顔料(例えばカチオン性シリカ)の全量の相対的な割合は、好ましくは重量に基づいて約1:1〜約10:1、より好ましくは重量に基づいて約1.5:1〜約8:1、更により好ましくは重量に基づいて約2:1〜約6:1、最も好ましくは重量に基づいて約2:1〜約4:1(例えば重量に基づいて約3:1又は4:1)である。好ましいバインダーとしては、限定するわけではないが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、酸化デンプン、エーテル化デンプン、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、カゼイン、ゼラチン、大豆プロテイン、シリル改質ポリビニルアルコール、共役ジエンコポリマーラテックス(例えばマレイン酸無水物樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、メチルメタクリレート−ブタジエンコポリマー等)、アクリルポリマーラテックス(例えばアクリルエステル及びメタクリルエステルのポリマー及びコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のポリマー及びコポリマー等)、ビニルポリマーラテックス(例えばエチレン−ビニルアセテートコポリマー)、官能基(例えばカルボキシル基)を有するモノマーによって上述の様々なポリマーを改質することによって得られる官能基改質ポリマーラテックス、熱硬化性樹脂のような水性バインダー(例えばメラミン樹脂、尿素樹脂等)、ポリメチルメタクリレートのような合成樹脂バインダー、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂(例えば不飽和ポリエステル樹脂)、アミド樹脂、塩化ビニル−ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルブチラル、及びアルキド樹脂を挙げることができ、ポリビニルアルコールが最も好ましい。
【0046】
本発明の記録媒体の光沢コーティングは、1又は複数の他の添加剤、例えば界面活性剤(例えばカチオン性界面活性剤、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩及び長鎖で好ましくは枝分かれ鎖のアルキルスルホコハク酸エステルのようなアニオン性界面活性剤、長鎖で好ましくは枝分かれ鎖のアルキル基を有するフェノールのポリアルキレンオキシドエーテル及び長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキシドエーテルのような非イオン性界面活性剤、並びにフッ素化界面活性剤)、硬化剤(例えば活性ハロゲン化合物、ビニルスルホン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、アクリロイル(acryloyl)化合物、イソシアネート化合物等)、顔料分散剤、増粘剤(例えばカルボキシメチルセルロース(CMC))、流動性改良剤、消泡剤(例えばオクチルアルコール、シリコーンに基づく消泡剤等)、発泡開始剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、白色体質顔料(例えば蛍光白色体質顔料)、防腐剤(例えばp−ヒドロキシベンゾエートエステル化合物、ベンズイソチアゾロン化合物、イソチアゾロン化合物等)、防かび剤、黄変抑制剤(例えばナトリウムヒドロキシメタンスルホネート、ナトリウムp−トルエンスルフィネート等)、紫外線吸収剤(例えばヒドロキシ−ジアルキルフェニル基を2の位置に有するベンゾトリアゾール化合物)、酸化防止剤(例えば立体的に封鎖されたフェノール化合物)、静電防止剤、pH調整剤(例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸、塩酸、リン酸、クエン酸等)、耐水性化剤、湿潤強度強化剤、及び乾燥強度強化剤も含むことができる。
【0047】
記録媒体の調製方法
本発明は、記録媒体を製造する方法も提供する。ここでは、記録媒体は、光沢コーティングを有する基材を含み、この光沢コーティングはカチオン性シリカを含む。本発明のこの方法は、
(a)基材を提供すること、
(b)カチオン性シリカを含むコーティング組成物で基材をコーティングして、コーティングされた基材を提供すること、ここでこのカチオン性シリカは、アルミニウム化合物(すなわち1又は複数のアルミニウム化合物)と接触させた平均直径が約1μm未満のシリカ粒子を含む、及び
(c)前記コーティングされた基材を乾燥させて、記録媒体を作ること、
を含む。
【0048】
ここで説明しているように、本発明の方法で使用するpHが約3〜4で約20wt%の濃度のカチオン性シリカの脱イオン水分散体は、そのゼータ電位及び粘度で特徴付けることができる。そのような分散体の典型的な及び好ましいゼータ電位及び粘度は本明細書で示している。再び、この水性分散体は、(i)実質的に過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも約50%のゼータ電位を有し、且つ(ii)調製した直後から60日、90日、120日、180日、及び/又は270日間にわたって25℃の温度で分散体を維持した後で、約1,500センチポイズ未満の粘度を有する。
【0049】
本発明の方法で調製した記録媒体は望ましくは、基材、カチオン性シリカ、コーティング成分(例えばバインダー、界面活性剤、樹脂等)、及びコーティングの性質(例えば厚さ、光沢、吸収性、染料固定性等)が、本発明の記録媒体に関して先に示したようなものである。本発明の方法で使用するコーティング配合物(つまりコーティング組成物)は、適当なキャリアー及び本明細書で示す性質を有するカチオン性シリカを含み、また好ましくは光沢コーティングを構成する任意の他の成分(例えば上述のバインダー、界面活性剤、樹脂等)も含む。コーティング配合物は好ましくは、上述のような水性分散体の形で、カチオン性シリカを含む。
【0050】
キャリアーは、カチオン性シリカ及び任意の他のコーティング成分を混合して基材に適用することができる任意の適当な流体又は流体の組み合わせでよい。好ましいキャリアーは比較的蒸気圧が大きく、適用後にコーティング組成物の乾燥を促進する。好ましいキャリアーとしては、限定するわけではないが、有機溶媒(例えばアルコール)及び水を挙げることができ、水が最も好ましい。
【0051】
コーティング組成物中におけるキャリアーと固体(例えばカチオン性シリカ)との相対的な量は、組成物の多くの性質(例えば粘度、適用の容易さ、乾燥速度等)及び得られる乾燥したコーティングの多くの性質(例えば吸収容量、クラッキングの程度等)に影響を与える。任意の適当な固体含有率を利用できるが、適用されたコーティング組成物を比較的迅速に乾燥させ、べとつかない光沢のあるコーティングを得るためには、コーティング組成物の固体含有率を高くすることが好ましいことが多い。本発明のこれらの態様では、コーティング組成物の固体含有率は、好ましくは少なくとも約10wt%、より好ましくは少なくとも約20wt%、最も好ましくは固体含有率は少なくとも約30wt%である。
【0052】
本明細書で示しているように、コーティング組成物の見かけ粘度(例えば組成物の固体含有率が約25wt%)は、約25℃の温度において4,400rpm(FF Bob計測形状)で、高剪断HERCULES(商標)高剪断粘度計(レオメータ)を使用して測定することができる。この様式で測定した場合、本発明の方法で使用するコーティング組成物の見かけ密度は、好ましくは約150センチポイズ未満、より好ましくは約100センチポイズ未満、最も好ましくは約75センチポイズ未満(例えば約50〜70センチポイズ)である。
【0053】
コーティング組成物を、任意の適当な方法又は複数の方法の組み合わせを使用して基材に適用して、コーティングされた基材を提供することができる。適当な方法としては、限定するわけではないが、ロールコーティング、ブレードコーティング、エアナイフコーティング、ロッドコーティング(例えばマイヤー(Meyer)ロッド等を使用)、バーコーティング、キャストコーティング、ゲルロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、ショート−ダウエル(Short−dowel)コーティング、スライドホッパーコーティング、カーテンコーティング、フレキソ印刷コーティング、グラビアコーティング、Kommaコーティング、装置における又は装置外でのサイズプレスコーティング、及びダイコーティングを挙げることができ、迅速で費用が高くない方法、例えばロッドコーティング及びブレードコーティングが好ましい。
【0054】
基材への適用の後で、任意の適当な方法又は複数の方法の組み合わせを使用してコーティング組成物を乾燥させ、記録媒体を提供することができる。適当な乾燥方法としては、限定するわけではないが、空気又は対流乾燥(例えば直線トンネル乾燥、アーチ乾燥、エアループ乾燥、サイン曲線エアフロート乾燥等)、接触又は伝導乾燥、及び照射エネルギー乾燥(例えば赤外線乾燥及びマイクロ波乾燥)を挙げることができる。
【0055】
カチオン性シリカ水性分散体
カチオン性シリカを含む水性分散体を、記録媒体を製造する本発明の方法で使用する。本明細書で示しているように、カチオン性シリカは好ましくは水性媒体中に分散している。従って本発明は、カチオン性シリカの水性分散体及びその調製方法を提供する。
【0056】
本発明の水性分散体は、カチオン性シリカ及び水を含み、ここで、
(a)カチオン性シリカは、アルミニウム化合物(すなわち1又は複数のアルミニウム化合物)と接触したシリカ粒子を含み、
(b)シリカ粒子の平均直径は約100nm〜約1μmであり、
(c)分散体のpHは約2〜約6であり、且つ
(d)分散体のカチオン性シリカ含有率が約5wt%〜約50wt%であり、また
水性分散体は好ましくは、
(e)分散体を調製した直後から60日間にわたって約25℃の温度で維持した後で、比較的小さい剪断速度での粘度が約1,500センチポイズ未満であり、且つ
(f)実質的に過剰なアルミニウムなしで、ゼータ電位が最大ゼータ電位の少なくとも約50%である、
ことを特徴とする。
【0057】
本発明の水性分散体は、任意の適当な様式で調製し(例えば熱分解、沈降、コロイドゾル、ゲル等)、1又は複数のアルミニウム化合物と接触させたシリカ粒子を含むカチオン性シリカを含む。ここで、アルミニウム化合物及び接触方法は上述のようなものである。本発明の水性分散体は、1又は複数のアルミニウム化合物と接触させた熱分解シリカ粒子を含むカチオン性シリカを含むことが好ましい。本発明の分散体は、多くの理由で有利である。例えば、カチオン性シリカの物理的な性質(例えば粒度、表面積、正味電荷等)を幅広い範囲で最適化して、特定の用途(例えばコーティング組成物)に適当であるようにすることができる。また、本発明の分散体は安定であり、取り扱いが容易で、且つ所望であれば調製箇所から他の使用箇所に輸送することができる。本発明の水性分散体の安定特性は、記録媒体及びその調製に関して先に示されているようなものである。
【0058】
本明細書において使用する場合、「分散体」という用語は、液体媒体(例えば水)中の固体粒子(例えばカチオン性シリカ)の任意のサスペンションであって、調製の後で約25℃の温度において維持したときに、少なくとも約24時間にわたって、粒子が媒体中に懸濁されたままであるもの(すなわち、粒子が底に沈降しないという点で、コロイドとして安定であること)を意味している。分散体は任意の大きさの粒子を含むことができるが、「ゾル」(例えばコロイドゾル)という用語は、本明細書の記載において使用する場合、直径が約100nm未満の粒子を含む分散体を意味している。
【0059】
本発明の水性分散体を構成するカチオン性シリカは、以下のことを除いて、本明細書で本発明の記録媒体に関して説明されているようなものである。本発明の水性分散体は、平均直径が約100nm〜約1μmのシリカ粒子を含むカチオン性シリカを含む。言い換えると、本発明の水性分散体中のカチオン性シリカは、シリカゾルからのみもたらされるものではない(すなわち、本明細書の記載において説明するように、カチオン性シリカは、1又は複数のアルミニウム化合物と接触させたシリカゾルから本質的になるというわけではない)。本発明では、シリカゾルからもたらされたカチオン性シリカを含む分散体は、適当な割合で、直径が約100nm〜約1μmのシリカ粒子からもたらされたカチオン性シリカも含み、それによって本発明の分散体中のカチオン性シリカを構成するシリカ粒子全体の平均直径を少なくとも約100nmにすること(すなわち、平均直径を約100nm〜約1μmにすること)ができる。
【0060】
好ましくは本発明の水性分散体は、ここで説明したようにしてアルミニウム化合物と接触させた平均直径が約100nm〜約500nmのシリカ粒子を含むカチオン性シリカを含む。より好ましくはカチオン性シリカは、平均直径が約100nm〜約400nmのシリカ粒子、最も好ましくはカチオン性シリカは、平均直径が約100nm〜約300nm(例えば約150nm〜約250nm)のシリカ粒子を含む。本発明のある態様では、本発明の水性分散体は、アルミニウム化合物と接触させたシリカ粒子を含むカチオン性シリカを含み、少なくとも約80%(例えば少なくとも約90%)又は実質的に全ての粒子の直径が約100nm〜約1μm(例えば約100nm〜約500nm、約100nm〜約400nm、又は約150nm〜約250nm)である。
【0061】
上述のように、分散体は、液体媒体中に懸濁された粒子を含む。本発明では、好ましくは本発明の水性媒体が水を含み、より好ましくは脱イオン水を含む。本発明の水性媒体は、水に加えて、任意の複数の適当な水混和性の液体、例えば1又は複数の水混和性のアルコール(例えばメタノール、エタノール等)又はケトン(例えばアセトン)を含むことができる。
【0062】
本発明の水性分散体は、約2〜約6のpHで最も安定(すなわち濃化及び/又はゲル化に対して最も抵抗性)である。ある態様、例えば最大の分散体安定性が望ましい態様では、分散体のpHは、好ましくは約3〜5、より好ましくは約3〜4又は3.5〜4.5である。任意の適当な方法、例えば酸(例えば無機酸、酸性カチオン交換樹脂等)又は塩基(例えばアルカリ金属水酸化物、塩基性アニオン交換樹脂等)の添加によって、分散体のpHを調節することができる。
【0063】
本発明の水性分散体は、約5〜約50wt%(例えば約10〜約30wt%)の量のカチオン性シリカを含む。そのような用途で特に有益な本発明の態様は、カチオン性シリカ含有率が少なくとも約10wt%(すなわち約10wt%〜約50wt%)、より好ましくは少なくとも約20wt%(すなわち約20wt%〜約50wt%)、最も好ましくは少なくとも約30wt%(すなわち約30wt%〜約50wt%)である水性分散体を含む。特定の他の用途、例えば安定性が最大の分散体が望ましい態様では、水性分散体は、好ましくは約35wt%未満(例えば約5wt%〜約35wt%)、より好ましくは約25wt%未満(例えば約5wt%〜約25wt%)、最も好ましくは約15wt%未満(例えば約5wt%〜約15wt%)のカチオン性シリカを含む。本発明の分散体をコーティング組成物中で使用するような特定の用途では、分散体から液体媒体(例えば水)を除去して、乾燥カチオン性シリカを提供することが望ましいことがある。
【0064】
本明細書で説明しているように、本発明の水性分散体を構成するシリカ粒子の正味電荷は、分散体のゼータ電位を測定することによって(例えば、Matec MBS8000又はBrookhaven Zeta Plus装置を使用して)、質的に評価することができる。ゼータ電位が負であることは、シリカ粒子の正味電荷が負であることを示し、ゼータ電位が正であることは、シリカ粒子の正味電荷が正であることを示す。ゼータ電位の大きさは、電荷の大きさに比例している。本明細書(ここ)で説明しているように、シリカ粒子(例えば熱分解シリカ)を上述のような1又は複数のアルミニウム化合物と接触させることは、1又は複数の適当なアルミニウム化合物を、例えば静電相互作用又は共有結合によって、シリカ粒子の表面に結合又は会合させ、それによってシリカ粒子にカチオン性コーティングを与える(すなわちカチオン性シリカをもたらす)と考えられる。このカチオン性コーティングができると、ゼータ電位は増加して、最終的には最大値に近づく。
【0065】
多くの用途で、本発明の水性分散体を作るカチオン性シリカの正味電荷は、先に示したように、1又は複数のアルミニウム化合物で粒子をコーティングすることによって得られる最大の正の正味電荷であるか又はそれに近い電荷である。より好ましくは、コーティング又は接触は、実質的に過剰なアルミニウム化合物がないようにして(最も好ましくは過剰なアルミニウムが全くないようにして)達成する。アルミニウム化合物に関するそのようなカチオン性シリカの状態は、任意の適当な様式、例えば本発明の水性分散体のゼータ電位を参照することによって決定することができる。好ましくは、特定のpHにおける本発明の水性分散体のゼータ電位は、上述のように、シリカ粒子を1又は複数のアルミニウム化合物と接触させることによって得られる最大ゼータ電位に近い。
【0066】
既に示しているが、好ましくは、本発明の水性分散体は、シリカサスペンションに接触させた非常に過剰なアルミニウム化合物を含まない。ここで説明したようにシリカ粒子を1又は複数のアルミニウム化合物に接触させて混合物を作る場合、混合物のゼータ電位は、初めに迅速に増加するが、その後増加が比較的ゆっくりになり、そしてアルミニウム化合物との更なる接触がカチオン電荷又はゼータ電位の有意の増加をもたらさなくなり、分散体中のアルミニウム塩濃度が増加する。塩の存在は分散体を不安定にすることがあるので(すなわち濃化及び/又はゲル化させるので)、本発明の水性分散体は、好ましくは、カチオン性シリカの正電荷を最大化するのに十分な量であって、分散体の塩濃度の望ましくない増加を起こさない量のカチオン性シリカ粒子(上述のようなもの)を含む。
【0067】
本発明の水性分散体のゼータ電位特性は、記録媒体及びその調製に関して本明細書の記載のおいて説明しているようなものである。
【0068】
水性分散体の塩濃度は、分散体の電気伝導度を測定することによって、質的に決定することができる。本発明の水性分散体の塩濃度及び電気伝導度は任意の適当な値でよいが(ここで説明しているように)、分散体の塩濃度を最小化して、分散体の安定性を改良することが望ましいことが多い。本発明の特定の態様では、好ましくは、本発明の水性分散体の電気伝導度は約20,000マイクロジーメンス(μS)未満である。電気伝導度は、より好ましくは約15,000μS未満、またより好ましくは約10,000μS未満、更により好ましくは約7,000μS未満、最も好ましくは、これらの態様における本発明の水性分散体の電気伝導度は約5,000μS未満である。
【0069】
任意の適当な方法を使用して、本発明の水性分散体を調製することができるが、好ましくは、ここで説明されている方法によって分散体を調製する。従って本発明は、カチオン性シリカの水性分散体を調製する方法を提供する。この方法は、
(a)シリカ粒子の水性サスペンションを提供すること、ここで前記粒子の平均直径は約1μm未満である、及び
(b)前記サスペンション中のシリカ粒子をアルミニウム化合物と接触させて混合物を作り、ここで混合物のゼータ電位は、接触の初期に素速く増加し、続く接触の間に安定化し(すなわちゆっくりと増加し)、混合物のゼータ電位が安定化するまで接触を継続し、混合物のゼータ電位が安定化したら接触をやめて、カチオン性シリカの水性分散体を提供すること、
を含む。
【0070】
カチオン性シリカの水性分散体を調製する本発明の方法は、多くの点で従来の方法の制限を克服する。例えば、分散体から厳密に電解質(すなわち塩)を除去することが必要ではない。また、分散体安定化剤、例えば2価金属、アンモニア、及び炭酸水素塩が必要ではない。
【0071】
本発明の方法及び本発明の方法によって作った水性分散体の様々な面(例えばpH、ゼータ電位、安定性、カチオン性シリカ含有率、電気伝導度等)、並びにそれらの成分(例えばカチオン性シリカ、シリカ粒子、アルミニウム化合物、液体媒体等)は、本発明の水性分散体に関して示されているようなものであり、カチオン性シリカを構成するシリカ粒子の直径は、本発明の記録媒体に関してここで示されているようなものである(すなわち平均直径が約1μm未満である)。
【0072】
水性サスペンションは任意の適当な様式で調製することができ、ここで示されているような性質のシリカ粒子及び液体媒体を含む。例えば、湿潤シリカ(例えばコロイドシリカ)を、実質的に調製したままで(例えばナトリウムシリケートの酸性溶液で)使用することができる。あるいは、乾燥シリカ粒子(例えば熱分解シリカ粒子)を、好ましくは高剪断混合機において、適当な液体媒体(例えば脱イオン水)と混合して、初期サスペンションを調製することができる。シリカサスペンションが熱分解シリカ及び脱イオン水を含有する場合、サスペンションが実質的に塩を含有していないという点、従って例えば透析又はイオン交換樹脂との接触によって、電解質を除去する必要がないという点で、本発明の方法は特に有利である。
【0073】
サスペンションのpHは、任意の適当の値でよい。しかしながら、本発明の方法の特定の態様、例えばサスペンション及び得られる分散体のpHを比較的狭い範囲(例えば約2のpHの範囲)に維持することが望ましい場合、サスペンションのpHは約6未満であることが好ましい。これらの態様のサスペンションのpHは、より好ましくは約5未満(例えば約3〜5)、最も好ましくは約3〜4又は3.5〜4.5である。サスペンションのpHは、本発明の水性分散体に関してここで説明しているようにして、任意の適当な方法で調節することができる。
【0074】
サスペンションのシリカ含有率は任意の適当な値でよい。例えば、サスペンションのシリカ含有率は、このサスペンションから調製する水性分散体のシリカ含有率とほぼ同じでよい。あるいは、サスペンションのシリカ含有率が比較的高く、得られる分散体を希釈して(例えば脱イオン水によって)、カチオン性シリカ含有率が約5wt%〜約50wt%の最終的な分散体を提供することができる。また好ましくは、サスペンションのシリカ含有率は、約5wt%〜約50wt%、例えば約10wt%〜約30wt%である。
【0075】
任意の適当な方法を使用して、上述のように、シリカサスペンション(及びこれによってシリカ粒子)をアルミニウム化合物と接触させることができる。本発明の方法の2つの特徴は、アルミニウム化合物とシリカ粒子との接触を容易に最適化できること、及び例えば接触の間の混合物のゼータ電位を測定することによって、接触の結果(すなわち、シリカ粒子上での正に帯電したアルミニウムコーティングの形成)を容易に監視できることである。ここで示しているように、混合物のゼータ電位は、接触の間に、負の値(すなわちシリカ粒子はアニオン性表面を有する)から正の値(すなわちシリカ粒子がカチオン性表面を得る)に増加して、粒子が最大の正味正電荷を得たときに最終的に安定化する。好ましくは、ゼータ電位が初めに安定化して、本発明の水性カチオン性シリカ分散体ができたとき又はそのすぐ後に、接触、例えばシリカサスペンションへのアルミニウム化合物の添加を停止する。
【0076】
あるいは、シリカサスペンションを1又は複数のアルミニウム化合物と接触させている間に、作られる混合物に関してゼータ電位曲線をプロットし、この曲線から得られるデータを、その後の分散体の調製に使用することができる。例えば、塩化アルミニウム水和物(例えば2M)の水溶液を脱イオン水中の熱分解シリカの水性サスペンション(例えば10wt%)に加えるときに、もたらされる混合物のゼータ電位を測定し、初期の安定部分の後のプロットをし、この系のためのゼータ電位曲線を提供することができる。カチオン性シリカを含む水性分散体は、シリカサスペンション及び1又は複数のアルミニウム化合物、好ましくは乾燥しているアルミニウム化合物(すなわち好ましくは、アルミニウム化合物は、溶液ではない)から調製することができ、これらの量は、アルミニウム化合物とサスペンションとを接触させてゼータ電位曲線の初期安定部分を作るのに使用した量と同様又は実質的の同一である。
【0077】
本発明の方法を使用する場合、サスペンション又は分散体の電解質濃度を知ることは必要ではない。更に本発明の方法によって調製した水性分散体は、2価金属、アンモニア、又は炭酸水素塩の様な添加剤によって安定化させる必要がない。
【0078】
本発明の記録媒体、水性分散体、コーティング組成物、及びそれらの調製方法は、以下の例を参照することによって更に理解することができる。これらの例は本発明を説明しているが、当然に本発明の範囲を制限するものではない。
【0079】
例1
この例は、本発明の分散体の調製に有益なゼータ電位曲線の作成を説明する。
【0080】
pHが約3の10wt%シリカサスペンション(220ml)を、Matec(商標)ゼータ電位解析装置の混合容器に加えた。混合を行いながら、脱イオン水に2MのAl2(OH)5Cl(塩化アルミニウム水和物、ACH)を徐々に加えることによって滴定を行い、ACHを加える間のゼータ電位を測定した。得られたゼータ電位曲線は図1に示す。
【0081】
ACH溶液を加える前では、サスペンションのゼータ電位は約−2mVであった。初めの3mlのACHを加えている間、ゼータ電位は約9mVまで増加し、次の3mlを加えている間、ゼータ電位は約17mVまで増加し、次の3mlを加えている間、ゼータ電位は約23mVまで増加し、次の3mlを加えている間、ゼータ電位は約25mVまで増加し、次の3mlを加えている間、ゼータ電位は約27mVまで増加し、次の3ml(合計で18ml)を加えている間、ゼータ電位は約28mVまで増加し(pHは約3.6)、ゼータ電位が安定化してきたので、ここで添加をやめて、本発明の水性分散体を提供した。
【0082】
この分散体の粘度は、約25℃の温度で100日間にわたって維持した後で、実質的に変化しないことが分かった。同じ様式で調製した分散体のゼータ電位は、高剪断混合装置で分散体を混合しながら、9mlのACHを更に加えると(合計で27ml)、約30mVまで(すなわち約7%)増加した。対称的に、高剪断混合装置で分散体を迅速に混合しながら、分散体に更に10kgの熱分解シリカを加えると、上述の様式と同じ様式で調製したもう1つの分散体のゼータ電位は、約23mVまで(すなわち約18%)減少した。
【0083】
この例は、塩化アルミニウム水和物を加えると、初めに負に帯電している懸濁された粒子が正に帯電するようになること、及び正の帯電する程度が、初めに(すなわち初めの10ml程度のACHを加えている間に)非常に迅速に増加し、次に(すなわち続く5ml程度のACHを加えている間に)比較的ゆっくりと増加し、そしてその後(すなわち15ml程度を超えて加えている間に)ゼータ電位が安定化して非常にゆっくりと増加することを示している。ゼータ電位が安定した後ですぐに添加をやめると、更なるACHを加えたときに、ゼータ電位がゆっくりと増加する。
【0084】
例2
この例は、例1で得られたゼータ電位曲線を使用する本発明の水性カチオン性シリカ分散体の調製を示している。
【0085】
90リットルの脱イオン水、150mlの濃縮HCl、及び10kgの熱分解シリカ(CAB−O−SIL(商標)HS−5(Cabot社)、表面積=300±25m2/g、平均凝集体直径=170〜250nm)を、容量が380リットルの高剪断混合機に投入して、pHが約3の10wt%シリカサスペンションをこの混合機において調製した。高剪断混合機中の迅速に混合されているサスペンションに、脱イオン水中の2MのAl2(OH)5Cl(塩化アルミニウム水和物、(ACH))をゆっくりと加え、サスペンションに加えられる塩化アルミニウム水和物の量の関数として、ゼータ電位を観察した。
【0086】
図1に示されるように、ゼータ電位は初めに迅速に増加し、そしてサスペンションに更なる量のACHを加えると安定化する。
【0087】
例3
この例は、図1のゼータ電位曲線を使用する本発明の水性分散体の調製を説明している。
【0088】
初めに約28リットルの脱イオン水、約50gの濃縮HCl、及び約5.25kgの熱分解シリカ(CAB−O−SIL(商標)HS−5(Cabot社)、表面積=300±25m2/g、平均凝集体直径=170〜250nm)を、容量が60リットルの高剪断混合機に投入して、pHが約2.5〜3の15wt%シリカサスペンションをこの混合機において調製した。約1時間にわたって高剪断混合機においてサスペンションを迅速に混合し、その後で高剪断混合機中の迅速に混合されているサスペンションに、約1.8kgの固体の塩化アルミニウム水和物を加え、例2で得られた図1のゼータ電位曲線に基づいて、有意に過剰な塩化アルミニウム水和物なしで、シリカの実質的に最大のカチオン電荷を達成した。約0.5時間にわたって、更にサスペンションを迅速に混合し、シリカ及び塩化アルミニウム水和物の合計に基づいて約20wt%の固体を含有する本発明の水性分散体を作った。
【0089】
例4
この例は、本発明のコーティング組成物の調製を説明している。カチオン性シリカの水性分散体を例3に従って調製した。分散体の固体含有物は、約20wt%の固体カチオン性シリカであった(シリカ及び塩化アルミニウム水和物の合計重量に基づいて)。分散体の比重は、1.05〜1.35g/cm3(25℃で)であり、pHは約3.0〜4.0であった。十分なポリビニルアルコールバインダー溶液(PVOH)を加えて、顔料:バインダー(カチオン性シリカ:PVOH)の重量比を4:1にし、全固体含有率(カチオン性シリカ及びバインダーを含む)を21.34%にした。これによって、BrookfieldモデルRVTデジタル粘度計(スピンドルNo.5、100rpm)で測定したときの粘度が932センチポイズであるコーティング組成物を得た。このようにして作ったコーティング組成物は、レオロジー性能が優れており、且つ記録媒体の製造で使用するのに適当であった。
【0090】
例5
この例は、本発明の記録媒体の調製を説明している。コーティングされていない紙の基材に、マイヤー(Meyer)ロッド(手作業による)を使用して、例4のコーティング組成物をコーティングした。マイヤーロッドを選択して、最終的なコーティングの重量を8g/m3にした。さわれるようになるまで、コーティングされた試料を空気乾燥させた。乾燥した試料をその後、ポンチプレスを使用して、直径5インチ(12.7cm)の円形に切断した。CEM Labwave Oven9000マイクロ波湿分解析装置において、試料を乾燥させた。試料のコーティング重量は、乾燥したコーティング試料とコーティングされていない試料との重量の差によって測定した。その後、湿度調節室において試料は調整してから、光学的及び物理的性質の測定を行った。
【0091】
試料の一方の面に、7pli(ポンド/線インチ)(1.25kg/線cm)及び60℃の3つのロール間隙(nip)でカレンダー処理を行った。カレンダー処理した試料の光学的性質、表面性質、及び印刷性質を測定し、カレンダー処理をしていない試料の結果と比較した。
【0092】
コーティングされていない紙基材の性質は以下のようなものである:基本重量77.5g/m2、pH6.6、ash8.31%、厚さ(caliper)3.62/1,000インチ(91.9μm)、明るさ82.7%、光沢6.4%、滑らかさ3.93μm、Hercules(商標)サイズ試験109秒、及びPPS多孔性2.77ml/分。この例に従って基材をコーティングして得た記録媒体は、光沢、明るさ、及び多孔性が良好であった。コーティングの外観は優れており且つ感触が良く、またひび割れがなく且つ脆性を示さなかった。更に、記録媒体は優れた印刷画像をもたらした。
【0093】
明るさは、Technidyne(商標)明るさ測定装置でTAPPI法のT452OM−92を使用して測定した。光沢は、TAPPI標準法のT480OM−92に従って、Hunter75°光沢測定装置を使用して測定した。シートの表面の滑らかさ及び多孔性は、Parker Print Surf(PPS)試験装置(TAPPIのT555PM−94)を使用して測定した。紙の液体吸収速度は、First 10 Angstrom Dynamic Contact Angle(はじめの10Åの動的接触角度)測定装置を使用して測定した。
【0094】
記録媒体(カレンダー処理をしたもの及びこの処理をしていないもの)の性質は、以下の表1に示す。
【表1】
【0095】
EPSONのStylus(商標)Pro Photorealistic及びHewlett Packard(商標)の820Cインクジェットプリンタで、ADOBE(商標)ソフトウェアが作ったテストパターンを試料に印刷した。その後、試料の印刷光沢及び印刷濃度を測定した。印刷光沢は、Gardener60°マイクロ光沢計を使用して測定した。印刷濃度は、BYK Gardner(商標)濃度計を使用して測定した。EPSON(商標)のStylus Pro Photorealistic及びHewlett Packard(商標)の820Cを使用して印刷した画像の質を、それぞれ表2A及び2Bに示している。
【0096】
【表2】
【表3】
【0097】
これらの結果は、光沢に関して測定された大きい値(小さいPPS滑らかさ)、並びに明るさに及び多孔性に関して測定された大きい値で示されるように、この例で製造した記録媒体が優れた光学的、物理的、及び組織的性質を有することを示している。これらの結果は、複数の代表的な色を使用したときのインク濃度の大きい値及び大きいインク光沢の値によって示されるように、そのような記録媒体を使用して得ることができる印刷画像の良好な質も示している。
【0098】
例6
この例は、処理していないシリカを含む組成物の媒染剤適合性に対して、本発明のカチオン性シリカコーティング組成物の媒染剤適合性を示している。媒染剤は、インクジェット記録媒体の水堅牢性及び染料固定性質を改良するためにコーティング組成物中で使用するカチオン性ポリマーである。コーティング組成物の顔料粒子が良好な媒染剤適合性を示し、それによって最終的なコーティングの改良及びコーター使用可能性の根本的な改良をもたらすことがかなり望ましい。
【0099】
この例では、本発明のカチオン性シリカコーティング組成物を例4に従って調製する(「カチオン性シリカ組成物」)。但しここでは、全固体含有率は20wt%で、顔料:バインダーの比は5:1であった。比較されるコーティング組成物(固体含有率20wt%で顔料:バインダーの比が5:1)も、例4の方法を使用して調製した(「処理していないシリカの組成物」)。但しここでは、初期分散体のシリカ粒子は処理しなかった。この例で使用する本発明のカチオン性シリカ組成物は、例3に従って調製したカチオン性シリカ分散体から調製した。処理していないシリカの組成物は、例3で説明したのと同じ熱分解シリカ(すなわち、CAB−O−SIL(商標)HS−5(Cabot社)、表面積=300±25m2/g、平均凝集体直径=170〜250nm)の分散体から調製したが、この熱分解シリカは、アルミニウム反応体と接触させなかった。カチオン性シリカ及び処理していないシリカの両方の組成物で使用したバインダーは、Airvol(商標)203PVOH(Air Products and Chemicals社、ペンシルバニア州アレンタウンから入手可能)であった。
【0100】
媒染剤が存在しない条件で又は様々な濃度の媒染剤が存在する条件で、カチオン性シリカ及び処理していないシリカの組成物の粘度を測定した。2種類の異なる媒染剤を使用して、適合性を測定した。この例において使用した媒染剤は、中分子量ポリ(ジアリルメチルアンモニウム塩化物)(PolyDAMAC(中分子量))、及び高分子量ポリ(ジアリルメチルアンモニウム塩化物)(PolyDAMAC(高分子量))であり、これらは両方とも、Aldrich Chemical社、米国ウイスコンシン州ミルウォーキーから入手することができる。
【0101】
全ての粘度は、30秒間後に、BrookfieldモデルRVTデジタル粘度計、スピンドルNo.5、100rpmで測定した。結果は、3A及び3Bに示している。媒染量の割合(%)は、シリカ、PVOH、バインダー及び水の合計重量に対する媒染剤の割合で表している。
【0102】
【表4】
【表5】
【0103】
これらの結果は、本発明のカチオン性シリカ組成物の媒染剤適合性が、類似の処理していないシリカの組成物の媒染剤適合性と比較したときに良好であることを示している。媒染剤が1.0wt%である場合、処理していないシリカの組成物はゲル化するが、本発明のカチオン性シリカ組成物の粘度は、それぞれ中分子量及び高分子量媒染剤に関して、596及び636センチポイズであった。
【0104】
特許登録明細書、特許出願明細書、及び公知文献を含む参照した全ての文献は、ここで参照して本発明の記載に含める。
【0105】
本発明は好ましい態様に関して説明してきたが、様々な他の好ましい態様を使用できること、及び本明細書において特に示した以外の本発明の態様も含むことを意図していることが当業者に明らかである。従って本発明は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲及び本質に含まれる全ての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2Mの塩化アルミニウム水和物水溶液で滴定した10wt%水性シリカ分散体のゼータ電位の反応をプロットしている。
Claims (33)
- 光沢コーティングを有する基材を含む記録媒体であって、前記光沢コーティングが、平均直径が1μm未満であるカチオン性シリカ粒子を含み、前記粒子が、ハロゲン化アルミニウム及び硝酸アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種のアルミニウム化合物に接触させた熱分解シリカを含む、光沢コーティングを有する基材を含む記録媒体。
- 前記粒子の平均直径が400nm未満である、請求項1に記載の記録媒体。
- 前記粒子の平均直径が少なくとも100nmである、請求項1又は2に記載の記録媒体。
- 実質的に全ての前記粒子の直径が1μm未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の記録媒体。
- 実質的に全ての前記粒子の直径が500nm未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の記録媒体。
- 実質的に全ての前記粒子の直径が少なくとも100nmである、請求項1〜5のいずれかに記載の記録媒体。
- 前記基材がポリマー又はセルロース紙を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の記録媒体。
- 前記基材がポリ(エチレンテレフタレート)を含む、請求項7に記載の記録媒体。
- 前記アルミニウム化合物が塩化アルミニウムからなる群より選択される、請求項1〜8のいずれかに記載の記録媒体。
- 前記アルミニウム化合物が塩化アルミニウム水和物である、請求項1〜9のいずれかに記載の記録媒体。
- 前記光沢コーティングの全水銀浸入体積が少なくとも0.3ml/gである、請求項1〜10のいずれかに記載の記録媒体。
- カレンダー処理したときに、75°鏡面光沢が少なくとも15%である、請求項1〜11のいずれかに記載の記録媒体。
- カチオン性シリカ及び水を含む分散体であって、
(a)前記カチオン性シリカが、少なくとも1種のアルミニウム化合物に接触させた熱分解シリカ粒子を含み、
(b)前記熱分解シリカ粒子の平均直径が100nm〜1μmであり、
(c)前記分散体のpHが2〜6であり、
(d)前記分散体中の前記カチオン性シリカの含有率が5〜50wt%であり、
(e)前記分散体を調製した直後から60日間にわたって25℃の温度で維持した後で、前記分散体の粘度が1,500センチポイズ未満であり、且つ
(f)前記分散体のゼータ電位が、実質的に過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも50%である、
カチオン性シリカ及び水を含む分散体。 - 前記分散体のpHが3〜5である、請求項13に記載の分散体。
- 前記粒子の平均直径が100〜400nmである、請求項13又は14に記載の分散体。
- 実質的に全ての前記粒子の直径が100nm〜1μmである、請求項13〜15のいずれかに記載の分散体。
- 実質的に全ての前記粒子の直径が100nm〜500nmである、請求項16に記載の分散体。
- 前記シリカの含有率が10〜30wt%である、請求項13〜17のいずれかに記載の分散体。
- 前記アルミニウム化合物がハロゲン化アルミニウム及び硝酸アルミニウムからなる群より選択される、請求項13〜18のいずれかに記載の分散体。
- 前記アルミニウム化合物が塩化アルミニウムからなる群より選択される、請求項13〜19のいずれかに記載の分散体。
- 前記アルミニウム化合物が塩化アルミニウム水和物である、請求項13〜20のいずれかに記載の分散体。
- 調製した直後から60日間にわたって25℃の温度で維持した後で、粘度が1,500センチポイズ未満である、請求項13〜21のいずれかに記載の分散体。
- ゼータ電位が、実質的に過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも60%である、請求項13〜22のいずれかに記載の分散体。
- ゼータ電位が、実質的に過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも80%である、請求項23に記載の分散体。
- ゼータ電位が、実質的に過剰なアルミニウムなしで、最大ゼータ電位の少なくとも90%である、請求項24に記載の分散体。
- (a)平均直径が1μm未満のシリカ粒子の水性サスペンションを提供すること、及び
(b)前記サスペンション中の前記シリカ粒子を、少なくとも1種のアルミニウム化合物と接触させて混合物を作り、ここで接触の初期の間に前記混合物のゼータ電位は急速に増加するが、続く接触の間には安定し、混合物のゼータ電位が安定するまで接触を継続し、混合物のゼータ電位が安定したら接触を停止して、カチオン性シリカの水性分散体を作ること、
を含む、請求項13〜25のいずれかに記載の分散体の調製方法。 - バインダー及び請求項13〜25のいずれかに記載の分散体を含む、コーティング組成物。
- (a)基材を提供すること、
(b)前記基材に請求項27に記載の前記コーティング組成物をコーティングして、コーティングされた基材を作ること、及び
(c)前記コーティングされた基材を乾燥させて、記録媒体を作ること、
を含む、記録媒体の製造方法。 - 前記基材がポリマー又はセルロース紙を含む、請求項28に記載の方法。
- 前記基材がポリ(エチレンテレフタレート)を含む、請求項29に記載の方法。
- 前記記録媒体上のコーティングの全水銀浸入体積が少なくとも0.3ml/gである、請求項28〜30のいずれかに記載の方法。
- 前記記録媒体の75°鏡面光沢が少なくとも15%である、請求項28〜31のいずれかに記載の方法。
- 請求項28〜32のいずれかに記載の方法で作られた記録媒体。
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