以下、本発明の実施形態の一例として、音楽ゲームを業務用ゲーム装置にて実行する例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
図1は、本実施形態における業務用ゲーム装置1300の構成例を示す図である。
業務用ゲーム装置1300は、本発明が適用されたコンピュータシステムであって、打楽器演奏をモチーフとした音楽ゲーム用の専用筐体である。
業務用ゲーム装置1300は、ゲーム本体装置1301の前方に突設された操作台1304に、プレーヤが各種操作入力をするための打楽器を模した操作入力装置1306を備える。本実施形態では、複数のプレーヤが同時にゲームプレイできるように2つの操作入力装置1306を備える構成となっているが、その数は適宜設定することができる。
また、業務用ゲーム装置1300は、ゲーム本体装置1301の上部に、ゲーム画像を表示させるためのフラットパネルディスプレイ等で実現されるビデオモニタ1322と、ゲーム音や効果音を放音するスピーカ1324と、を備える。
更に、ゲーム本体装置1301の下部及び内部には、携行可能なカード型の記憶媒体であるゲームカード3からデータを読み出すカードリーダ1330と、硬貨投入装置1340と、制御基板1350とを備える。
本実施形態の操作入力装置1306は、和太鼓を模した外形を有しており、各所に感圧センサや振動センサを内蔵している。プレーヤ2が、専用の操作棒1308を持って和太鼓を叩く要領で操作入力装置1306を叩くと、叩かれた場所のセンサから操作入力信号が制御基板1350へ出力される。
ゲームカード3は、カード型の情報担持媒体であって、所謂「トレーディングカード」に相当する。1つのゲームカード3には、何れか1種類の支援キャラクタが割り当てられており、表面に当該支援キャラクタの画像が印刷され、当該支援キャラクタの識別情報(キャラクタID)が担持されている。図示の例では、ゲームカード3は印刷されたバーコードによりカードの識別情報(カードID)が担持されている。よって、カードリーダ1330は、このバーコードを読み取って、読み取った情報を制御基板1350へ出力する。
各支援キャラクタには、それぞれゲームプレイ中にプレーヤを支援する固有の支援スキル(例えば、規準操作と異なる種類の操作入力をした場合、所定回数に限りこれを補正してくれる、など)が設定されており、プレーヤは、自分が所有しているゲームカード3の中から所定枚数をカードリーダ1330に読み取らせて、これから実行するプレイにて使用することができる。
なお、ゲームカード3は、実体としてのカードに限らず仮想カードであってもよい。すなわち、オンラインショッピングによる購入や、会員サイト等による配付により入手した仮想カードの識別情報を、サーバシステム1100で管理される会員サイトでプレーヤ固有のユーザアカウントと紐付け・登録し、非接触式ICカードやウェアラブルコンピュータ、スマートフォン等にその識別情報を記憶させてゲームカード3の代用とするとしてもよい。その際、それらに電子マネー機能やプリペイドポイント機能を具備させ、プレイ対価の支払機能も兼ねると好適である。また、ゲームカード3に対応づけられるのは、キャラクタに限らずアイテムであってもよい。
硬貨投入装置1340は、本実施形態におけるプレイ対価の徴収手段である。プレイ対価の徴収は硬貨等の現金に限らず、電子マネーやプリペイドポイントなどによる徴収形式を採用してもよい。
制御基板1350は、CPU(Central Processing Unit)1351やGPU(Graphics Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリ1352などの電気電子機器を備える。また、制御基板1350は通信装置1353を備え、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)と言った通信回線9と有線又は無線接続し、外部装置との間でデータ通信することが可能に構成されている。
そして、制御基板1350は、搭載されているICメモリ1352やハードディスクなどの記憶媒体からシステムプログラムやゲームプログラムを読み出して演算処理し、業務用ゲーム装置1300の各部を制御して、音楽ゲームを実行する。
なお、本実施形態では操作入力形態を、操作棒1308を使った動作としているが、タイミングゲームとするゲーム内容に応じて、その他の形態を採用することも可能である。例えば、プレーヤ自身の身体的な動きであるモーションを操作入力形態とすることもできる。その場合には、ビデオカメラ1326による撮影画像や、測距センサ1328による測距結果からプレーヤ別のモーションを認識するモーション認識方式を採用し、適宜、制御基板1350にモーション認識チップ1356を搭載するとよい。
[ゲームの説明]
図2は、本実施形態のゲーム内容について説明するための図であって、業務用ゲーム装置1300のビデオモニタ1322にて表示されるゲーム画面の一例を示している。
ゲーム画面は、プレイ曲(プレイする楽曲)の音声再生と同期して表示され、規準タイミングや規準操作などの各種情報をプレーヤに提供する。
具体的には、ゲーム画面W2の上部には、プレイ曲の再生開始からの経過時間を示す経過時間表示部10と、プレイしている楽曲名12と、プレーヤ別の譜面20A,20Bと、が表示される。図示の例は、2人プレイを想定した例なので譜面20A,20Bの2つが描かれているが、1人プレイの場合は譜面20Aのみ表示される。
譜面20A,20Bのデザインは適宜設定可能であるが、本実施形態では、当該譜面が誰宛であるかを示すための宛先表示21と、支援キャラクタ表示部22と、選択されたプレイ難易度を示す難易度表示部23と、基準位置24と、指示体25(25a,25b,25c)と、小節区切り線26と、評価通知部27と、スコア表示部28と、を有する。
宛先表示21は、プレーヤを識別するものであればなんでもよい。本実施形態では、上段の譜面20Aを第1プレーヤが使用し、下段の譜面20Bを第2プレーヤが使用する。
支援キャラクタ表示部22には、プレイ開始前にプレーヤが読み取らせたゲームカード3の支援キャラクタの姿が表示される。
難易度表示部23には、プレイ開始前にプレーヤが選択したプレイ難易度が表示される。
基準位置24は、規準タイミングを示すための基準となる位置を示している。本実施形態では譜面20A,20Bそれぞれ所定位置に1つだけ表示されるが、複数箇所設ける構成としてもよい。
指示体25は、規準操作の種類別に異なるデザインで用意され、本実施形態では譜面20A,20Bの右側から出現表示され、小節区切り線26とともに基準位置24へ向けてライン状に流れるように左側へ向けて移動表示される。小節区切り線26の間が1つ分の小節40を表すことになる。指示体25が基準位置24と重なったタイミングが、本実施形態における規準タイミングであり、当該重なった指示体25の種類が規準操作の種類を示すこととなる。
本実施形態の指示体25は、和太鼓形状の操作入力装置1306の鼓面(打面)を叩打する操作入力を表す第1種指示体であるドン25a(白丸)と、操作入力装置1306の打面外縁部(鼓面フチや胴部の外周とも言える)を叩打する操作入力を表す第2種指示体であるカツ25b(網掛け四角)と、規準タイミングの判定フリーで操作入力装置1306の打面外縁部を連打する操作入力を表す第3種指示体である自由連打カツ25c(横長四角)とを含む。勿論、これら以外の種類の指示体も適宜含めることができる。
評価通知部27は、最新の操作入力についての入力評価の結果を表示する。本実施形態では、成績の良い方から順に、「良」「可」「不可」「スルー」の4段階とするが、段階数や呼称は適宜設定可能である。
スコア表示部28は、入力評価の結果に応じて付与・蓄積された得点を表示する。
各プレーヤは、スピーカ1324から放音される楽曲を聴きつつ、ビデオモニタ1322に表示されるゲーム画面W2のうち、自身が宛先とされる譜面20(20A,20B)を参照しながらゲームプレイする。
[プレイ難易度の自動調整についての説明]
さて、本実施形態の業務用ゲーム装置1300は、プレーヤのプレイ状況に応じてサポート制御を段階的に行う。具体的には、プレイ中のプレイ難易度の自動調整をサポート制御として、「タイミングサポート」と「アクションサポート」の2通りの方法で実現する。
図3は、タイミングサポートについて説明するための図である。
タイミングサポートは、入力評価の評価基準を緩和することで実現される。具体的には、所与の或いは所定の評価期間における入力評価の統計結果が、想定される成績に達していれば、プレーヤは音楽ゲームの爽快感を味わっている状態にあると考えられ、このままプレイ終了まで行くと満足する成績が残せるだろうと推察的に判断する。そして、タイミングサポートは行わない。つまり、入力評価基準は初期設定のまま変更しない。
対して、入力評価の統計結果が芳しくない場合、プレーヤは思った程に爽快感を味わえておらず、このままプレイ終了まで行くと自分のプレイや成績に対して不満を感じるだろうと推察的に判断して、タイミングサポートを行う。つまり、入力評価基準を緩和して、規準タイミングのズレが多少大きくても悪い評価(劣等評価)とならないようにする。
より具体的には、評価期間は、直近過去所定時間分や譜面データの所定区間とすることができる。本実施形態では、直近過去4小節分(又はそれに相当する時間)とする。なお、評価期間は、譜面データのうち予め決められた評価部分、例えば、プレーヤの技量差が評価に反映されやすい比較的難易度の高い配置パターン(指示体の配置間隔や指示体の組み合わせ)で指示体が配列されているような特定部分とすることもできる。すなわち、ゲームの途中途中で統計処理を実行し、直近の統計処理の結果に基づいてサポート制御を実行することとなる。結果、直近の統計処理の結果に応じたサポート制御がなされることで、統計処理の結果に応じた動的なサポート制御がなされることとなる。
入力評価の統計は、入力評価の段階(良・可・不可・スルー)の割合や、入力評価の各段階を数値で表現した場合の平均値や中央値、バラツキなどとしたり、これらの組み合わせとすることができる。
そして、本実施形態における入力評価は、規準タイミングと操作入力タイミングとの時間差と、規準操作種類と操作入力種類との異同と、の2つのパラメータで判定されるが、本実施形態のタイミングサポートは、規準タイミングと操作入力タイミングとの時間差に係る基準を緩和することで実現される。
すなわち、時間幅「0」の規準タイミングを基準として、初期設定の評価基準では、操作入力タイミングとの時間差の大きさが、
1)Δt10未満であれば「良」、
2)Δt10以上でΔt20未満であれば「可」、
3)Δt20以上でΔt30未満であれば「不可」、
4)Δt30以上であれば「スルー」とする。ここで、Δt10<Δt20<Δt30、である。
図3の例では、比較的劣等の評価とされる「不可」の判定をされにくくし、逆に比較的良い評価とされる「良」や「可」と判定され易くなるように、閾値Δt20に代えて閾値Δt21(Δt30>Δt21>Δt20)を適用して入力基準を緩和している。すなわち、閾値Δt21は閾値Δt30に近い値まで近づけられており「不可」判定が出難くなっている。
図4は、本実施形態における段階的なタイミングサポートの内容について説明するための図である。本実施形態ではタイミングサポートに複数の段階的なレベル(「0」から「3」の4段階)を用意し、プレイ中に幾度となくタイミングサポートの要否判定を繰り返す。そして、タイミングサポートレベルを上げ下げし、最新のプレイ状況(より正確には評価の統計結果の状況)に応じた程度のサポート制御を行う。すなわち、ゲームの途中途中で統計処理を実行して直近の統計処理の結果に基づいてサポート制御の要否判定を行うことで、直近の統計処理の結果に応じた動的なサポート制御を実現する。
タイミングサポートレベル「0」では、入力評価基準は初期設定のままとする(図4の(1))。タイミングサポートレベルが「1」の場合は、前述のように閾値Δt20に代えて、閾値Δt30に近い値の閾値Δt21を適用して「不可」判定を出難くする(図4の(2))。
タイミングサポートレベルが「2」では、閾値Δt20及び閾値Δt31に代えて、これらより更に大きい閾値Δt22及び閾値Δt32(Δt30<Δt22<Δt32)を適用して、更に「不可」「スルー」の判定がなされ難くする(図4の(3))。そして、タイミングサポートレベル「3」では、閾値Δt10に代えて、これより大きい閾値Δt13(Δt10<Δt13<Δt20)を適用して「良」判定され易くする(図4の(4))。
詳細は後述するが、タイミングサポートの要否判定の基準は、プレーヤが選択したプレイ難易度に応じて異なる基準が適用される。具体的には、本実施形態のプレイ難易度は低い方から順に「かんたん」「ふつう」「むずかしい」「おに」の4段階とし、プレイ難易度が低いほど、タイミングサポートが必要と判定されやすくなる。
そして、タイミングサポートが必要と判定されると、入力評価の統計結果は1度リセットされて改めて入力評価の結果の統計処理が行われ、再統計された結果が芳しくなればタイミングサポートレベルを段階的に下げる。或いは、再統計された結果が良好であればタイミングサポートレベルを段階的に上げる。
以上、タイミングサポートを適用することにより、入力評価の統計結果が芳しくないプレーヤであっても、評価通知部27に良好な評価結果が表示される。また、評価結果が良好であれば、ゲーム画面W2では派手な演出表示が繰り広げられる。よって、プレーヤはあたかも楽曲のリズムに合った仮想演奏風の操作入力が出来ているかのような爽快感を感じ、プレイ終了時にはその成績に満足することとなる。
もし、同じプレーヤが何度も音楽ゲームをプレイして、徐々に上達した場合、上達した分だけ入力評価の統計結果が良好となり、タイミングサポートレベルも低い段階で抑制されることとなり、芳しくない成績を残していた頃よりも軽度なサポートを受けるだけで済むようになる。つまりは、上達したときには上達したなりのタイミングサポートを受け、音楽ゲームの爽快感やプレイした後の満足感を得ることができることとなる。
次に、「アクションサポート」について説明する。
図5は、本実施形態の音楽ゲームの操作入力のアクションの例について説明するための図である。本実施形態の音楽ゲームでは、第1種指示体であるドン25aと、第2種指示体のカツ25b及び第3種指示体の自由連打カツ25c(図2参照)の「カツ系」と、の大きくわけて2パターンのアクションがある。
前者のドン25aに対する操作入力は、例えば手首スナップの1アクションで事足りる。よって、アクションの所要時間は短く、それ故に規準タイミングへのタイミング合わせへの影響は少ない。つまり、ドン25aに対する操作入力は比較的簡単な種類の操作入力である。音楽ゲームに不慣れなプレーヤ向けと言える。
後者のドン25aに対する操作入力は、例えば腕を振り上げて降ろす2アクション、或いは腕を持ち上げて手首スナップする2アクションで構成される。よって、アクションの所要時間は前者よりも長く、それ故に規準タイミングへのタイミング合わせがし難くなる。音楽ゲームに不慣れなプレーヤには規準タイミングを外しやすい。つまり、ドン25aに対する操作入力は、ドン25aに比べて難易度の高い種類の操作入力と言える。
そこで本実施形態では、図6に示すように、評価期間における特定指示体(本実施形態ではカツ25b)に注目した入力評価の統計結果が芳しくない場合には、次に表示される小節を構成する第2種指示体のカツ25bを、よりアクションとして容易な第1種指示体のドン25aに置き換える。これを「アクションサポート」と言う。なお、アクションサポートに係る評価期間は、本実施形態では、プレイ開始以降の全期間と、タイミングサポートに係る評価期間と同様の直近過去4小節分と、の両方を用いるが、何れか一方のみを用いる構成とすることもできる。
図6の例では、これからゲーム画面W2に表示される予定の次の小節である次表示小節42のうち、前半部分の3つのカツ25bを、それぞれドン25aに置き換えている。実際には、特定指示体の入力評価の統計結果等に応じて、段階的なアクションサポートレベルを設定し、当該レベルに応じた程度の置き換えを実行することになる。
図7は、段階的なアクションサポートの内容について説明するための図である。
本実施形態では、アクションサポートレベルを「0」〜「3」の4段階とする。アクションサポートレベル「0」ではアクションサポートは発動されず、次にゲーム画面W2に表示される予定の次表示小節42の音符構成はオリジナルから変更されない。
アクションサポートレベル「1」では弱サポートが実施され、次表示小節42の1〜2拍中の特定指示体(カツ25b)が置き換えられる。例えば、カツ25bをドン25aへ1対1で置き換える。複数のカツ25bを1つの自由連打カツ25cに置き換えることとしてもよい。自由連打カツ25cは、この指示体が基準位置24に差し掛かっている間、自由にカツの操作入力ができる指示体(この間の操作入力は全て良と判定される指示体)であり、複数のカツ25bに比べて、自由連打カツ25cの方が、操作入力は容易になるからである。自由連打カツ25cに置き換えることは、規準タイミングの時間幅を広げるように変更することに相当する。
アクションサポートレベル「2」では中サポートが実施され、次表示小節42の1〜3拍中のカツ25bが置き換えの対象とされる。
アクションサポートレベル「3」では強サポートが実施され、次表示小節42の全てのカツ25bが置き換えの対象とされる。
勿論、アクションサポートレベルの構成や置き換えパターンは、これら以外にも適宜設定可能である。
アクションサポートにより、プレーヤは、操作入力の動作がより容易となる。結果、プレーヤは、タイミング合わせに集中してプレイできるので、サポートされている方がより良好な成績を出し、爽快感や満足感を得易くなる。
なお、本実施形態ではゲームプレイ中は、タイミングサポートやアクションサポートが実行されていても、その旨をゲーム画面中に明示することはないが、プレイ終了後、例えばゲーム結果すなわち最終的なプレイ成績の表示などのタイミングで明示する。例えば、プレーヤ別に、サポートの有無を表示する。また、サポートの有無とともに、サポートしたタイミングサポートレベルと、アクションサポートレベルとをそれぞれ表示するとしても良い。
[機能構成の説明]
図8は、本実施形態における業務用ゲーム装置1300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態における業務用ゲーム装置1300は、操作入力部100と、媒体読取部110と、処理部200と、音出力部390、画像表示部392と、通信部394と、記憶部500とを備える。
操作入力部100は、各種操作を入力するための手段である。本実施形態では、第1種指示体に対応づけられる種類の操作入力を検出するための第1検出部102と、第2種及び第3種指示体に対応づけられる種類の操作入力を検出するための第2検出部104と、を備える。図1の構成では、操作入力装置1306がこれに該当する。
媒体読取部110は、情報担持媒体から情報の読み取りや書き込みを行う手段である。情報担持媒体の種類に応じたハードウェア、例えば、バーコードリーダや、ICカードリーダライター、磁気カード読取装置、非接触通信機、などにより実現される。図1の例では、カードリーダ1330がこれに該当する。
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、FPGA、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号などに基づいて各種の演算処理を実行して業務用ゲーム装置1300の動作を統合的に制御する。図1の例では、制御基板1350がこれに該当する。
そして、本実施形態の処理部200は、ゲーム管理部220と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294とを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
ゲーム管理部220は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態では、ゲーム管理部220は、支援キャラクタ設定部222と、難易度受付制御部224と、統計処理部226と、サポート制御部230と、ゲーム結果表示制御部232と、を含む。
支援キャラクタ設定部222は、プレイ開始前にプレーヤキャラクタ(使用キャラクタとも言える)又は使用アイテムの設定を行う。本実施形態では、プレーヤ別に、ゲーム開始前に読み取ったゲームカード3(図1参照)が担持する情報に対応づけられる支援キャラクタの設定がこれに該当する。
難易度受付制御部224は、プレイ開始前に、プレーヤ別にプレイするゲーム難易度(プレイ難易度)の選択入力を受け付ける制御を行う。
統計処理部226は、統計対象として設定された評価の結果をゲーム中に統計処理する。本実施形態では、プレイ開始以降の全期間及び現在から直近過去の4小節分の評価期間を統計対象として、譜面データに従った操作入力の評価結果を統計する。
統計種類としては、(1)評価期間毎の可・不可・スルーの合算値の割合、(2)評価期間毎の可・不可の割合、(3)プレイ開始以降における特定指示体(カツ25b)に対する入力評価が不可・スルーであった連続回数、(4)評価期間における特定指示体(25b)に対する入力評価が不可・スルーであった連続回数、(5)プレイ開始以降における特定指示体に対する入力評価が良・可であった割合、を統計する。
サポート制御部230は、統計処理の結果に基づいて、評価基準、規準操作および規準タイミングのうちの少なくとも1つを、劣等評価(本実施形態では「不可」や「スルー」)が低減するように、初期設定よりも簡易化させるサポート制御を実行する。
具体的には、サポート制御部230は、評価基準を緩和することでサポート制御を実行する。本実施形態では、タイミングサポートがこれに該当する(図3,4参照)。また、サポート制御部230は、基準操作及び規準タイミングの簡易化として、従前よりも操作の種類を低減させるように規準操作を変更すること、より具体的には、規準操作に含まれる比較的難易度の高い操作を、比較的難易度の低い操作に変更すること、でサポート制御を実行する。本実施形態では、アクションサポートがこれに該当する(図6,7参照)。
そして、簡易化にあたっては、サポート制御部230は、簡易化の段階を変更することで段階的なサポートを行う。より具体的には、サポート制御を行う場合の開始段階をどの段階とするか、進行の上限となる段階数、および、1段階進行する際の段階間の変化の程度、のうちの少なくとも1つを、プレイ開始前に選択入力されたゲームの難易度(プレイ難易度)に応じて変更することができる。但し、統計処理部226による統計処理の結果が、所定時間分(本実施形態では、直近過去の4小節分)の統計対象を含んでいない場合に、は、サポート制御の段階変更を抑制する。
また、サポート制御部230は、統計処理の結果が所定の良好条件を満たす場合に、サポート制御の段階を低減させることができる。そして、サポート制御部230は、サポート制御の段階を変更する都度、統計処理の結果をリセットすることができる。勿論、リセットを行わない構成も可能である。リセットする/しないを楽曲別に設定する構成も可能である。
ゲーム結果表示制御部232は、タイミングゲームのゲーム結果を表示する際に、サポート制御が実行されたか否かを少なくとも示す表示を行う。
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時やプレイ開始からの経過時間、制限時間等の計時を行う。
音生成部290は、音声データの生成、デコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、ゲームプレイに係る音、BGMなどの音声データを生成或いはデコードする。そして、音声信号を音出力部390sへ出力する。本実施形態では、プレイする楽曲の音楽データに基づく再生・放音制御を実行することができる。また、操作入力の種類別の叩打演出音の再生・放音制御を行うことができる。
音出力部390は、入力された音声信号に基づいて放音する。図1の例ではスピーカ1324がこれに該当する。
画像生成部292は、ゲーム画面W2(図2参照)等の各種表示画面の画像データ等を生成することができる。そして、画像データに基づく画像信号を画像表示部392へ出力することができる。
画像表示部392は、画像生成部292から入力される画像信号に基づいて各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1の例ではビデオモニタ1322がこれに該当する。
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。本実施形態では、サーバシステム1100や、オンラインストレージなどとのデータ通信に係る処理を実行することができる。
通信部394は、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1の例では通信装置1353が該当する。
記憶部500は、処理部200に業務用ゲーム装置1300を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。図1の例では制御基板1350が搭載するICメモリ1352やハードディスクなどの記憶媒体がこれに該当する。
図9は、本実施形態における記憶部500が記憶するプログラムやデータの例を示す図である。記憶部500は、ゲームプログラム503と、ゲーム初期設定データ510と、を予め記憶する。また、記憶部500は、逐次生成・管理されるデータとして、プレイデータ700と、現在日時800と、を記憶する。その他、タイマーや、カウンタ、各種フラグなどの情報を適宜記憶できる。
ゲームプログラム503は、処理部200が読み出して実行することで、ゲーム管理部220としての機能を実現させるためのプログラムである(図8参照)。計時部280、音生成部290、画像生成部292、通信制御部294として機能させるためのプログラムも適宜これに含めることができる。
ゲーム初期設定データ510は、ゲームを実行させるための各種初期設定データを格納する。本実施形態では、
1)ゲーム画面W2(図2参照)の背景演出を表示させるための背景データ511と、
2)譜面20A,20B内にて移動表示される各種指示体別の指示体データ512と、
3)支援キャラクタ定義データ514と、
4)プレイ曲候補リスト516と、
5)プレイ難易度候補リスト518と、
6)楽曲定義データ520と、
7)入力評価基準定義ライブラリ550と、
8)タイミングサポート向上条件定義データ560と、
9)タイミングサポート低下条件定義データ570と、
10)アクションサポート定義データ600と、
11)アクションサポート向上条件定義データ610と、
12)アクションサポート低下条件定義データ620と、
を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
支援キャラクタ定義データ514は、ゲームカード3に割り当てられる支援キャラクタ(或いはアイテム;図1参照)の種類毎に用意され、当該支援キャラクタの各種初期設定データを格納する。具体的には、1つの支援キャラクタ定義データ514は、キャラクタ種類と、支援の内容に相当する支援内容定義データと、支援発動条件と、支援発動確率初期値と、を含む。
楽曲定義データ520は、プレイ可能な楽曲毎に用意され、当該楽曲に関する各種初期設定データを格納する。例えば、1つの楽曲定義データ520は、図10に示すように、固有の楽曲名521と、楽曲音声データ523と、オリジナル譜面定義データ530と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、サポート制御の段階を変更する都度、統計処理の結果をリセットする/しないを指定するデータ、なども含めることができる。
オリジナル譜面定義データ530は、譜面20A,20B(図2参照)にて各種指示体を流れ表示するための基礎データである。オリジナル譜面定義データ530は、プレイ難易度別に用意され、各種指示体の配列順や配列位置、小節区切り線26の配列位置等を定義している。
具体的には、1つのオリジナル譜面定義データ530は、当該定義データがどのプレイ難易度用に用意されているかを示す適用プレイ難易度531と、1拍分の時間的長さの基準となるテンポを表すBPM(Beats Per Minute)533と、拍子535と、小節別指示体構成データ540と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
小節別指示体構成データ540は、当該オリジナル譜面を構成する小節毎に用意され、当該小節における各種指示体の配列順や配列位置、小節区切り線26の配列位置等を定義している。1つの小節別指示体構成データ540は、小節番号541と、当該小節が再生時間のどこから何処までに該当するかを示す再生時間範囲543と、ポジション544と対応付けられた指示体種類545と、を有する。
ポジション544は、当該小節における拍子535に基づいて指示体を配置する位置であり、対応づけられる指示体の規準タイミングを決めることとなる。具体的には、4分音符、8分音符、16分音符のそれぞれで小節を分割した場合の何番目の位置(グリッド;4分音符第1グリッド61、4分音符第2グリッド62、4分音符第3グリッド63、4分音符第4グリッド64、…、16分音符第15分リッド65)であるかを示す。
指示体種類545は、対応するポジションに配列される指示体の種類を定義している。
図9に戻って、入力評価基準定義ライブラリ550は、タイミングサポートレベル別の入力評価基準の定義データを格納する。本実施形態では、図11に示すように、入力評価基準定義ライブラリ550は、タイミングサポートレベル「0」用の基本入力評価基準定義データ551と、タイミングサポートレベル「1」用の第1レベル入力評価基準定義データ552と、タイミングサポートレベル「2」用の第2レベル入力評価基準定義データ553と、タイミングサポートレベル「3」用の第3レベル入力評価基準定義データ554と、を含む。
図9に戻って、タイミングサポート向上条件定義データ560は、タイミングサポートが必要と判定されるための条件を定義している。換言すると、タイミングサポートレベルをアップするための条件を定義している。本実施形態では、図12に示すように、対象プレイ難易度561と、タイミングサポート向上条件562とを対応づけて格納している。タイミングサポート向上条件562の内容は適宜設定可能であるが、本実施形態では、評価期間における入力評価「可」「不可」「スルー」の合計数が、当該評価期間における全規準タイミングの全数に占める割合が、それぞれ所定の割合に達している場合に「タイミングサポートが必要」と判定するように定義されている。
図9に戻って、タイミングサポート低下条件定義データ570は、タイミングサポートを低下させてもよいと判定されるための条件を定義している。換言すると、タイミングサポートレベルをダウンするための条件を定義している。本実施形態では、図13に示すように、対象プレイ難易度571と、タイミングサポート低下条件572とを対応づけて格納している。
タイミングサポート低下条件572の内容は、統計処理の結果が所定の良好条件を満たす場合とする。本実施形態では、評価期間における入力評価「可」又は「不可」の数が、該評価期間における全規準タイミングの全数に占める割合が、それぞれ所定の割合に達していない場合に「サポートの程度を下げても良い」と判定するように定義されている。
図9に戻って、アクションサポート定義データ600は、アクションサポートのレベル別に用意され、当該レベルにて適用されるアクションサポートの内容を定義する。具体的には、例えば図14に示すように、1つのアクションサポート定義データ600は、固有のアクションサポートID601と、適用サポートレベル602と、変更対象ポジション603別に対応付けられた変更元指示体604及び変更先指示体605のセットと、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
図9に戻って、アクションサポート向上条件定義データ610は、アクションサポートが必要と判定されるための条件を定義している。換言すると、アクションサポートレベルをアップするための条件を定義している。本実施形態では、図15に示すように、対象プレイ難易度611と、アクションサポート向上条件612とを対応づけて格納している。
アクションサポート向上条件612の内容は適宜設定可能であるが、本実施形態では、プレイ開始以降の特定指示体(本実施形態ではカツ25b(図2参照))の入力評価結果が、「不可」又は「スルー」の劣等評価が、プレイ難易度に応じた所定の回数以上連続した場合、又は評価期間における特定指示体の入力評価結果が、累計10回以上「不可」又は「スルー」であった場合、とする内容を定義している。何れか一方のみ採用するとしてもよい。
なお、ここで言う特定指示体には、本実施形態ではカツ25b(図2参照)とするが、その他の種類の特定指示体も適宜設定可能である。例えば、用いられる全ての指示体を特定指示体に設定することもできる。また、劣等評価を「不可」又は「スルー」としたが、「良」以外、すなわち「可」も劣等評価に含めることとしてもよい。
図9に戻って、アクションサポート低下条件定義データ620は、アクションサポートの程度を低下させてもよいと判定されるための条件を定義している。換言すると、アクションサポートレベルをダウンするための条件を定義している。本実施形態では、図16に示すように、対象プレイ難易度621と、アクションサポート低下条件622とを対応づけて格納している。
アクションサポート低下条件622の内容は適宜設定可能であるが、本実施形態では、プレイ開始以降(又は評価期間)における特定指示体の入力評価が、「良」又は「可」の良好評価である割合がプレイ難易度に応じた割合に達した場合、とする内容を定義している。
図9に戻って、プレイデータ700は、ゲーム進行状況を記述する各種データを格納する。本実施形態では、図17に示すように、プレイ曲名701と、プレイ人数703と、プレイ開始からの経過時間705(本実施形態ではプレイする楽曲の再生時間に相当)と、プレーヤ別に用意されるプレーヤ管理データ710と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
1つのプレーヤ管理データ710は、当該プレーヤのゲームプレイに係る各種データを格納する。例えば、
1)プレーヤ識別情報711と、
2)当該プレーヤがプレイ前に選択したプレイ難易度712と、
3)当該プレーヤがプレイ前に読み取らせたゲームカード3に対応づけられている支援キャラクタの種類である使用キャラクタ種類713と、
4)タイミングサポートレベル714と、
5)アクションサポートレベル715と、
6)次表示小節42(図6参照)の指示体の構成を示す次表示小節指示体構成716と、
7)譜面表示制御データ717と、
8)入力評価履歴データ718と、
9)入力評価統計データ720と、
10)スコア730と、
を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
入力評価履歴データ718は、プレイ開始からの経過時間705と対応づけて入力評価の結果を時系列に格納する。
入力評価統計データ720は、入力評価履歴データ718に基づく各種統計結果を格納する。本実施形態では、全期間統計データ721と、評価期間限定統計データ722と、を含む。全期間統計データ721は、プレイ開始以降から現在までを対象として、入力評価の種類別の累積回数と累積出現割合とを格納する。評価期間限定統計データ722は、評価期間(図3参照;本実施形態では直近過去4小節分)に限定した、入力評価の種類別の累積回数と累積出現割合とを格納する。
[動作の説明]
図18は、本実施形態の業務用ゲーム装置1300における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する一連の流れは、処理部200にてゲームプログラム503を実行することにより実現される。なお、プレイ人数の選択及びプレイ対価の支払いについては従来通り行われるものとして説明を省略する。また、各プレーヤはゲームカード3を所有しているものとする。
業務用ゲーム装置1300は、先ずプレイする楽曲と、プレーヤ別のプレイ難易度との各選択を受け付ける(ステップS10)。選択受け付けの結果は、プレイデータ700のプレイ曲名701と、プレーヤ管理データ710のプレイ難易度712に格納される。
次いで、業務用ゲーム装置1300は、プレーヤ別に使用するゲームカード3(図1参照)の受け付け、つまりは使用する支援キャラクタの選択の受け付けを行う(ステップS12)。選択受け付けの結果に応じて、プレーヤ管理データ710の使用キャラクタ種類713が設定される(図17参照)。
次に、業務用ゲーム装置1300は、プレーヤ別にタイミングサポートレベル714と、アクションサポートレベル715とを初期化する(ステップS14;図17参照)。
初期化の設定は適宜設定可能であるが、本実施形態では、サポート制御を行う場合の開始段階をどの段階とするかを、プレーヤ別に選択受け付けされたプレイ難易度に応じて決定する。具体的には、プレイ難易度「かんたん」「ふつう」ではサポートレベルを「1」に初期化し、プレイ難易度「むずかしい」「おに」では「0」に設定する。なお、当該ステップを省略して所定のレベル(例えば「0」)に設定することもできる。
次いで、業務用ゲーム装置1300は、プレーヤ別の入力評価履歴と入力評価統計とスコアとをクリアして初期化し(ステップS16)、ゲームプレイを開始する(ステップS18)。
ゲームプレイが開始されると、経過時間705(図17参照)の計時が開始される。それと同時に、プレイ曲名701に合致する楽曲名521の楽曲定義データ520(図10参照)から楽曲音声データ523が読み出され、その前奏部分から楽曲の再生・放音が開始され、プレーヤ別の譜面20A,20Bの表示が開始される。また、プレーヤ別の入力評価と、入力評価履歴の記録と、入力評価の統計処理とが開始される。そして、入力評価に応じてスコアが更新される。
具体的には、譜面の表示については、プレイ難易度712に適合する適用プレイ難易度531のオリジナル譜面定義データ530(図10参照)を参照し、小節番号541の順番に各小節を構成する指示体がゲーム画面に出現して移動表示される。表示中の小節の指示体の表示位置座標等の制御データは、譜面表示制御データ717に格納・管理される。次に表示される予定の小節については、オリジナル譜面定義データ530からポジション544と指示体種類545とが(図10参照)、次表示小節指示体構成716(図17参照)にコピーされ、これに従って新たな小節の表示制御が行われる。
入力評価については、プレーヤ別にタイミングサポートレベル714に対応する入力評価基準定義データ(本実施形態では図11の基本入力評価基準定義データ551〜第3レベル入力評価基準定義データ554の何れか)が選択・適用されて評価される。
そして、ゲームプレイが開始されたならば、業務用ゲーム装置1300は、プレイ曲が終了するまで、タイミングサポート処理(ステップS20)と、アクションサポート処理(ステップS80)と、ゲームカード処理(ステップS100)と、を所定サイクル(例えば、ビデオモニタ1322のリフレッシュレート;1/60秒)で実行する。
図19は、本実施形態におけるタイミングサポート処理についての処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理では、業務用ゲーム装置1300は、プレーヤ別にループAを実行する(ステップS40〜S76)。
ループAでは、先ず、所定の評価期間分の入力評価履歴が貯まっているかを判定する(ステップS42)。本実施形態では、入力評価履歴データ718を参照し、直近過去4小節分の入力評価履歴が記憶されていれば肯定と判定する。
そして、肯定の場合(ステップS42のYES)、業務用ゲーム装置1300は、タイミングサポート向上条件定義データ560(図12参照)を参照し、評価期間における処理対象プレーヤの入力評価の統計結果が、処理対象プレーヤのプレイ難易度712が適合する対象プレイ難易度561のタイミングサポート向上条件562を満たしているかを判定する(ステップS44)。
肯定の場合(ステップS44のYES)、業務用ゲーム装置1300は、処理対象プレーヤのプレイ難易度712が所定の上級者認定難易度に適合しない場合、本実施形態ではプレイ難易度「おに」に設定されていなければ(ステップS46のNO)、処理対象プレーヤのタイミングサポートレベル714を「1」UPする(ステップS54)。
つまり、ステップS46〜ステップS54において、プレイ難易度「かんたん」「ふつう」「むずかしい」を選んだプレーヤについては、評価期間のプレイ成績が芳しくないと判定された場合には、タイミングサポートレベル714が上がり、より程度が強いサポートを行うように設定が変更される。対して、プレイ難易度「おに」を選択したプレーヤについては、タイミングサポートは実質的に行われないこととなる。
このように、ステップS46を設けたことで、進行の上限となる段階数をプレーヤ別に選択受け付けしたプレイ難易度に応じて差別化できる。ステップS46は省略することもできる。
また、本実施形態では1段階ずつアップするが、処理対象プレーヤが選択したプレイ難易度によってアップする段数を異ならせる構成も可能である。例えば、ステップS46の前又はステップS46のYESの直後に、ステップS46と同様にして「初級者認定難易度に適合するか」の判定ステップを追加するとともに、当該判定ステップが肯定の場合にタイミングサポートレベル714を2段階以上アップするステップを追加することもできる。
次に、業務用ゲーム装置1300は、タイミングサポート低下条件定義データ570(図13参照)を参照し、処理対象プレーヤのプレイ難易度712が適合する対象プレイ難易度571のタイミングサポート低下条件572が満たされているかを判定する(ステップS60)。そして、肯定の場合(ステップS60のYES)、業務用ゲーム装置1300は、処理対象プレーヤのタイミングサポートレベル714を1段階下げる(ステップS62)。
次に、処理対象プレーヤのタイミングサポートレベル714を今回のループ処理にて変更した場合で(ステップS70のYES)、且つ処理対象プレーヤのタイミングサポートレベル714が「1」以上であれば(ステップS72のYES)、業務用ゲーム装置1300は、処理対象プレーヤの評価期間における入力評価の統計をリセットする(ステップS74)。これらステップS56〜ステップS58及びステップS42を設けることにより、サポートレベルの変更が及ぼす影響、すなわち変更後のサポートレベルで様子見(プレイ状況の様子見)をした結果、更なるレベル変更が必要であるかどうかを適切に判定できるようにしている。また、タイミングサポートレベル714が短期間に上下して、サポート度合がふらつく事態を回避する効果も期待できる。
そして、業務用ゲーム装置1300は、ループAを終了する(ステップS76)。
全てのプレーヤについてループAを実行したならば、タイミングサポート処理を終了して、次にアクションサポート処理を実行する。
図20は、本実施形態におけるアクションサポート処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、業務用ゲーム装置1300はプレーヤ別にループBを実行する(ステップS80〜S98)。
ループBでは、アクションサポート向上条件定義データ610(図15参照)を参照して、処理対象プレーヤのプレイ難易度712と適合する対象プレイ難易度611のアクションサポート向上条件612が満たされているかを判定する(ステップS82)。そして、肯定ならば(ステップS82のYES)、処理対象プレーヤのアクションサポートレベル715を1段階アップする(ステップS88)。
次に、業務用ゲーム装置1300は、アクションサポート低下条件定義データ620(図16参照)を参照して、処理対象プレーヤのプレイ難易度712と適合する対象プレイ難易度621のアクションサポート低下条件622が満たされているかを判定する。そして、肯定ならば(ステップS90のYES)、更に処理対象プレーヤのアクションサポートレベル715が最大レベル(本実施形態ではレベル「3」)に達しているかを判定し、最大レベルに達していなければ(ステップS92のNO)、業務用ゲーム装置1300は、処理対象プレーヤのアクションサポートレベル715を1段階ダウンする(ステップS94)。
次いで、業務用ゲーム装置1300は、次表示小節42(図6参照)の指示体構成、すなわち次に画面表示される予定の小節の音符の構成を、処理対象プレーヤのアクションサポートレベル715に適合するアクションサポート定義データ600(図14参照)に従って変更し(ステップS96)、ループBを終了する(ステップS98)。
そして、全てのプレーヤについてループBを実行すると、業務用ゲーム装置1300は次にゲームカード処理を実行する。
図21は、ゲームカード処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、業務用ゲーム装置1300はプレーヤ別にループCを実行する(ステップS110〜S118)。
ループCでは、先ず、ゲーム進行状況が、処理対処プレーヤが使用する支援キャラクタの支援発動条件(図9の支援キャラクタ定義データ514を参照)を満たしているかを判定する。そして、満たしている場合(ステップS112のYES)、業務用ゲーム装置1300は、処理対象プレーヤのタイミングサポートレベル714(又はアクションサポートレベル715)に応じて当該支援キャラクタの支援発動確率初期値を基準として、サポートレベルが高いほど確率が高くなるように支援発動確率を設定する(ステップS114)。
次いで、業務用ゲーム装置1300は、設定した支援発動確率でランダム抽選を実行して、当選すれば当該支援キャラクタに設定されている支援を実現する制御を実行し(ステップS116)、ループCを終了する(ステップS118)。そして、全てのプレーヤについてループCを実行したならば、ゲームカード処理を終了する。
図18に戻って、プレイ曲の再生が終了すると(ステップS130のYES)、業務用ゲーム装置1300はプレイ終了処理を実行し(ステップS132)、一連の処理を終了する。
なお、プレイ終了処理においては、例えば、プレーヤ別のゲーム結果、すなわちプレイ成績の発表とともに、タイミングサポートやアクションサポートが実行されたか否か(サポートの有無)を通知する表示制御を行う。更には、タイミングサポートレベルやアクションサポートレベルの通知を含めても良い。また更には、ボーナスプレイ(成績の良し悪しによる無料でもう一回できるプレイ)の可否決定、ボーナスプレイの実行、などを行うことができる。もし、ボーナスプレイを実行する場合には、ステップS12から繰り返せばよい。
以上、本実施形態によれば、プレーヤが上手くプレイできている際に実感し得る爽快感や満足感を得られ易くすることができる。
すなわち、所定の評価期間(本実施形態では直近過去の4小節分)のプレイ成績に応じてプレイ難易度を自動的に変更するので、例えば、ちょっとした操作のもたつきや躓きが出始めたところでプレイ難易度を下げることができる。そして、プレイ難易度を下げたところで、成績が向上し始めたならばプレイ難易度を元に戻すことができる。プレーヤにしてみれば、もたつきや躓きを自身の力で持ち直したかのように感じるであろう。結果、ゲームプレイを通してみれば、難しいところもなんとか乗り切って、爽快感や満足感を得られるだろう。
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
[その1]
上記実施形態では、ゲームの進行制御を業務用ゲーム装置1300にて行うスタンドアローンのゲームシステムとしていたが、これに限らない。業務用ゲーム装置1300をコントローラ兼表示装置すなわちプレーヤ端末として位置付け、ゲーム進行制御をサーバシステム1100(図1参照)にて実行する形態も可能である。すなわち、クライアント・サーバシステムとすることもできる。
また、上記実施形態の業務用ゲーム装置1300は、パソコン、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯型ゲーム機、家庭用据置型ゲーム機、などのその他の形態の装置により実現することもできる。1台の装置を複数人で使用できない場合には、適宜、装置間を通信接続して通信対戦形式とすればよい。通信接続の方式は問わない。
例えば、図27に示すように、タッチパネル1506を搭載したスマートフォン1500にて、ゲームプログラム503に相当するアプリケーションプログラムを実行する形態も可能である。
すなわち、スマートフォン1500は、方向入力キー1502と、ボタンスイッチ1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、スピーカ1510と、内蔵バッテリー1509と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542と、を備える。
制御基板1550は、CPU1551やGPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557などを搭載する。
インターフェース回路1557には、タッチパネル1506のドライバ回路、方向入力キー1502及びボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路、などが含まれている。
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、上記実施形態の記憶部500に記憶されるプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
上記実施形態におけるゲームプログラム503に相当するプログラムは、スマートフォン1500をスタンドアローンとして本発明が適用されたコンピュータシステムとして機能させるアプリケーションプログラムであっても良いし、サーバシステム1100とともに本発明が適用されたコンピュータシステムとして機能させるクライアントプログラムであってもよい。必要なプログラムや各種設定データは、サーバシステム1100からダウンロードするとしても良いし、別途入手したメモリカード1540などの記憶媒体から読み出す構成としても良い。
当該構成においては、図28のゲーム画面W6の例のように、上記実施形態の操作入力装置1306に代えて、タッチパネル1506に表示されるゲーム画面W6内に、適宜、規準操作の種類別の規準操作入力アイコン70a,70bを表示させ、規準タイミングと、どの規準操作入力アイコン70a,70bにタッチ操作があったかに応じて入力評価すると好適である。
なお、当該構成のように、操作入力装置1306に代えてタッチパネル1506を用いる構成では、アクションサポートの対象とされる連続する複数の第2種指示体(カツ25b)を、その期間継続してタッチ操作し続ける指示体に置き換えるパターンを含めるとしてもよい。すなわち、規準操作入力アイコン70aへ短時間で繰り返しタッチ操作をするべきところを、規準操作入力アイコン70aへタッチ操作しっぱなしの単純な操作へ変更するとしてもよい。例えば、第3種指示体25cを、上記実施形態のように自由連打可能な指示体ではなく、当該指示体が基準位置24と重なっている間、タッチし続ける操作を求めるゲームルールとすればよい。
[その3]
また、上記実施形態では、本発明が適用されるタイミングゲームとして、和太鼓を仮想演奏する音楽ゲームとして例示したが、その他の楽器を仮想演奏する音楽ゲームは勿論のこと、他ジャンルのゲームであってもよい。
例えば、操作入力装置1306をピアノ等の鍵盤型とし、鍵盤それぞれに対応する指示体25の移動レーンを用意する。そして、基準位置24に到達した指示体25の移動レーンに対応する鍵盤を、到達したタイミングに合わせて操作入力してプレイする形態とすることもできる。この場合、近くの鍵盤を連続操作するのは容易であるが、遠く離れた鍵盤を連続操作するのは難しい。よって、当該構成においてアクションサポートを実行する場合には、遠くの鍵盤を連続操作する指示体25の組み合わせを、より近くの鍵盤或いは同じ鍵盤による連続操作する指示体25の組み合わせに変更することにより実現することとなる。
また例えば、本発明を適用するタイミングゲームの形態は、音楽ゲームに限らず、図22に示すようなアクションゲームとすることもできる。すなわち、浮遊障害物50又は地上障害物52がゲーム画面W4の右方より出現して、画面左側の基準位置24に立つプレーヤキャラクタ54(54A,54B)へ向けて近づいてくる。プレーヤは、浮遊障害物50がプレーヤキャラクタ54に衝突する前にプレーヤキャラクタ54にパンチ動作をさせて破壊し、プレーヤキャラクタ54が地上障害物52に衝突する前にジャンプ動作をさせてこれを飛び越えさせてプレイする。浮遊障害物50の破壊又は地上障害物52の飛び越えを上手くできればスコアが加算される。
プレーヤキャラクタ54は、上記実施形態における支援キャラクタの役割も果たす。
例えば、浮遊障害物50が上記実施形態で言うところの第1種指示体、地上障害物52が第2種指示体に相当する。各障害物に対応づけられる操作入力のアクションに着目すると、プレーヤキャラクタ54にパンチ操作させる操作入力の方が、タイミングを取りやすく、容易であるが、ジャンプさせる操作入力は跳躍する軌道(高さや着地のタイミング)を考えたアクションになるので、タイミングが取りにくく難しい。よって、当該構成にてアクションサポートを適用した場合、地上障害物52が浮遊障害物50に変更されることにより実現されることとなる。
当該構成における操作入力には、業務用ゲーム装置1300に、パンチ操作を入力するためのパット型スイッチと、ジャンプ操作を入力するための床面スイッチとを設けて実現することも可能であるが、モーション認識を用いると好適である。
すなわち、図23に示すように、業務用ゲーム装置1300が、ビデオカメラ1326で撮影したプレーヤの画像からモーション認識して、プレーヤ2(2A,2B)がパンチしたのかその場ジャンプしたかを認識する。前者ならばプレーヤキャラクタ54にパンチ動作をさせ、後者ならばジャンプ動作をさせればよい。なお、モーション認識には、測距センサ1328(図1参照)を用いてもよい。
[その4]
また、上記実施形態では支援キャラクタを使用する形態を例示したが、支援キャラクタを省略することもできる。
[その5]
或いは、使用される支援キャラクタの種類と、タイミングサポートやアクションサポートを関連づける要素を追加することもできる。
具体的には、図24に示すように、ゲーム管理部220に、プレーヤ別に設定された支援キャラクタに基づいて、サポート制御の発動の是非を決定するサポート発動決定部228を追加する。そして、支援キャラクタ定義データ514(図9参照)に、タイミングサポートの「サポート発動確率」を設定しておく。
そして、図25に示すように、業務用ゲーム装置1300は、タイミングサポート処理において、ステップS46とステップS54の間で、処理対象プレーヤが使用する支援キャラクタの種類に応じたサポート発動確率を用いた発動可否を決定するランダム抽選を行い(ステップS48)、当選して発動可と判定された場合に(ステップS50のYES)、ステップS54を実行する構成とすることもできる。なお、タイミングサポート処理において、ステップS60とステップS62の間に、ステップS48及びステップS50に相当するステップを追加する構成も可能である。
同様に、支援キャラクタ定義データ514(図9参照)に、アクションサポートのサポート発動確率を設定しておく。そして、図26に示すように、アクションサポート処理において、ステップS82とステップS88の間に、ステップS84とステップS86を追加する構成も可能である。また、アクションサポート処理において、ステップS92とステップS94の間に、ステップS84とステップS86を追加する構成も可能である。
なお、タイミングサポートのサポート発動確率と、アクションサポートのサポート発動確率は、同じでも良いし、それぞれ異なる値でもよい。支援キャラクタの種類によっては、何れか又は両方のサポート確率を「0」に設定することもできる。
この場合、実質的に、サポート発動決定部228が、設定されたキャラクタ等に基づいて、サポート制御として、評価基準、規準操作および前記規準タイミングのうちの何れを簡易化させるかを決定することとなる。そして、サポート制御部230は、サポート発動決定部228による発動すると決定された簡易化内容に従って、サポート制御を実行することとなる。
[その6]
また、上記実施形態では、統計対象として設定された入力評価を、現在を基準に決定される所定の評価期間(具体的には、直近過去の4小節分)としたが、譜面における所定箇所に設定し、上記実施形態における評価期間と併用したり置き換えることができる。
所定箇所としては、例えば、所定の小節や、再生時間の範囲、所定の指示体の並び、などを統計対象として設定することができる。この場合、楽曲定義データ520(図10参照)のオリジナル譜面定義データ530に、適宜、所定箇所の定義データを含めることとする。