[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、楽曲の再生を伴って進行するゲームのプレイ体験を提供可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、操作入力に応じて進行するゲームのプレイ体験を提供することが可能な任意の機器に適用可能である。
《ゲーム装置の構成》
以下、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係るゲーム装置100について説明する。
〈ゲーム装置の外観構成〉
図1は、ゲーム装置100の外観を示した図である。
図1(a)されるように、本実施形態のゲーム装置100は、操作入力部材として打楽器の外観を模した打楽器コントローラ150を備える。打楽器コントローラ150には打面が設けられており、与えられた衝撃を検出可能に構成されている。本実施形態のゲーム装置100でプレイ体験の提供が行われるゲームは、例えば不図示のバチ(鉢)で打楽器コントローラ150を叩くことによって操作(叩き操作)の入力が可能に構成される。
打楽器コントローラ150が備える打面は、図1(b)に示されるように、円盤状に形成される。本実施形態の打楽器コントローラ150は、2種類の叩き操作を受け付けるべく、該円盤のうちの平坦な面である第1打面151と、該円盤のうちの外縁部に位置する曲面である第2打面152とを含んで構成される。特に、打楽器コントローラ150の円盤の全周にある外縁部が第2打面152として構成されるため、低身長のプレイヤであってもゲームプレイが可能となる。
また打楽器コントローラ150は、ゲームプレイ中の興趣性を向上させるべく、演出提示が可能に構成される。より詳しくは、打楽器コントローラ150には、例えばLED等であってよい第1発光部153及び第2発光部154が内蔵され、それぞれ第1打面151、第2打面152を裏側から照明することで発光演出を提示することができる。このため、第1打面151及び第2打面152は、半透過性を有する素材で構成され、照明により拡散発光する。また第1打面151及び第2打面152は、同一成形色の素材が接合されて円盤を形成するよう構成されるが、照明演出がなされることで、その境界部がより明らかに示される。
また本実施形態のゲーム装置100がプレイ体験を提供するゲームでは、ゲーム用物品として設けられた所定のカードからの情報取得を行わせることで、興趣性及び利便性を向上させるよう構成される。一方で、打楽器コントローラ150はその使用方法上、図1(a)に示したようにゲーム装置100の手前側にせり出す形で配置される必要があるが、情報取得に用いられるリーダ120を操作盤面奥側に配置してしまうと、特に低身長のプレイヤにとってアクセスがしづらくなる。このため、打楽器コントローラ150の下方、より詳しくは打楽器コントローラ150の円盤の最下端部の近傍に、リーダ120が配置される。図1(a)に示されるように、リーダ120は、カードを載置可能な載置面を有しており、載置されたカードに付されている情報を読み出す。リーダ120は、ゲームプレイ中もしくはゲームプレイ後にカードが載置されているかをプレイヤが視認しやすいよう、図1(c)に示されるように、載置面が水平に対して第1の傾斜角をなして設けられる。当該傾斜角は、打楽器コントローラ150の第1打面151が水平に対してなす角度(第2の傾斜角)と異なっており、ゲーム装置100の通常利用時におけるプレイヤの位置(正面)から両面(載置面と第1打面151)が確認可能となっている。
〈ゲーム装置の機能構成〉
次に、本実施形態のゲーム装置100が有する機能構成について、図2のブロック図を参照して説明する。
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報や、ゲームに使用される各種のグラフィックスデータを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
支払検出部104は、ゲーム装置100において代価の支払いがなされたことを検出する。代価の支払いは、例えば硬貨の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決算処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。
取得部105は、リーダ120の載置面に載置されたカード(楽曲カード)から、該楽曲カードに付された情報の取得を行う。詳細は後述するが、本実施形態のゲーム装置100でプレイ体験が提供されるゲームは、選択した楽曲に合わせて操作入力を行うことで進行する音楽ゲームである。本実施形態のゲーム装置100ではプレイする楽曲は、リーダ120から取得された情報に基づいて選択される。即ち、プレイヤは、ゲームプレイに際して楽曲カードを使用することで、煩雑な操作入力を要することなく該楽曲カードに対応付けられた楽曲を選択することができる。
ここで、楽曲カードに付される情報(カード情報)は、図12(a)に例示されるようなデータ構成であってよい。図示されるようにカード情報は、楽曲カードを識別するカードID1201に関連付けて、該楽曲カードに対応付けられた楽曲を一意に特定する楽曲ID1202、及び同様に楽曲カードに対応付けられたキャラクタを一意に特定するキャラクタID1203を含む。本実施形態のゲームでは、音楽ゲームのプレイ中の打楽器コントローラ150に対してなされた叩き操作の成否に応じて進行する、キャラクタ同士の対戦行動を示す演出提示がなされる。プレイヤについて該対戦行動を行うキャラクタは、ゲームについて登場可能に設けられたゲームのうちの、情報取得された楽曲カードに対応付けられたキャラクタとなる。カード情報にて規定される楽曲とキャラクタの組み合わせは複数種類存在し、1枚の楽曲カードからの情報取得で、その両方の選択が完了となる。即ち、本実施形態のゲーム装置100で使用可能となる楽曲カードに付されるカード情報は、同一の楽曲であっても、異なるキャラクタとの組み合わせを示すものも含まれる。
本実施形態では、カード情報の楽曲カードへの付加は、該カード情報を変換した2次元コード202が、楽曲カードの表面に2次元画像として印刷されることでなされるものとして説明するが、楽曲カードに該情報を付す方式は、いずれであってもよいことは言うまでもない。即ち、対応付けられた楽曲及びキャラクタを特定する情報は、1次元または3次元以上のコードや文字列等に変換されて付されるものであってもよいし、ICタグ等、楽曲カードに内包された所定の記録媒体に格納されることで付されるものであってもよい。
楽曲DB106は、音楽ゲームでプレイ体験時に再生される楽曲についての情報(楽曲詳細情報)を管理するデータベースである。1曲の楽曲について管理される楽曲詳細情報は、例えば図12(b)に示されるように、該楽曲の楽曲ID1211に関連付けて、楽曲名1212、楽曲の再生テンポを示すBPM情報1213、及びゲームプレイ時に再生される楽曲データ1214を含んで構成されるものであってよい。
キャラクタDB107は、ゲームに登場するものとして予め定められたキャラクタの各々についてキャラクタ情報を管理するデータベースである。1つのキャラクタについて管理されるキャラクタ情報は、例えば図12(c)に示されるように、該キャラクタのキャラクタID1221に関連付けて、キャラクタ名1222、ゲームの進行制御において参照される該キャラクタの特性(各種類のノーツの発生頻度や発動可能な固有アビリティ等)を示すパラメータ1223、及び該キャラクタをゲーム画面に表示するために使用される画像やモデルデータ等を示す表示用情報1224を含んで構成されるものであってよい。
評価部108は、プレイ体験が提供される音楽ゲームについて、打楽器コントローラ150になされた操作入力の評価を行う。詳細は後述するが、音楽ゲームのゲームプレイ中、行うべき叩き操作とその入力タイミングを示すノーツがプレイヤには提示され、該ノーツに対してなされた叩き操作について、評価部108は評価を行う。また評価部108は、1つの楽曲に係る音楽ゲームについて、例えば連続成功回数や失敗回数等に基づいて、その進行内容の評価も行う。
提示制御部109は、例えばGPU等の描画装置を含み、本実施形態では表示部130に表示させる画面の生成及び制御を行う。具体的には提示制御部109は、ゲーム装置100の稼働中(ゲームプレイ中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクトに対して適当な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、ゲーム装置100と同一筐体内に内蔵された表示部130に出力され、所定の表示領域中に表示されることでプレイヤに提示される。ここで、本実施形態では表示部130はゲーム装置100の筐体に内蔵されるものとして説明したが、表示部130はゲーム装置100の外部に着脱可能に接続された表示装置であってもよい。
また提示制御部109は、例えばサウンドボードやアンプ等の音声信号の出力/増幅を行う回路を含み、不図示のスピーカから出力させる音声を生成する際には所定の処理を行う。具体的には提示制御部109は、例えば予め記録媒体102や楽曲DB106に記録された音声や楽曲のデータを電気的な音声信号に変換(D/A変換)してスピーカに音声信号を出力し、該音声信号に基づく音波を出力させる。
また提示制御部109は、打楽器コントローラ150に設けられた第1打面151及び第2打面152における演出提示の制御も行う。即ち、提示制御部109は、第1発光部153及び第2発光部154の発光制御(色・光量)を行うことで、各打面における演出提示を行う。当該演出提示は、打楽器コントローラ150での叩き操作を受け付ける期間、即ち、音楽ゲームに係るプレイ体験の提供中に行われる。
提供制御部110は、代価の支払いに基づく1回のゲームプレイにつき、音楽ゲームにおいて使用可能な楽曲カードを基本的には1枚提供するよう、提供部140の動作を制御する。楽曲カードは、例えば所定の遊戯(音楽ゲーム)の提供に係るゲームシーケンスの開始前に提供され、その後に実行される該ゲームシーケンスにて使用可能に構成されるものであってよい。提供部140は、例えばカードディスペンサであり、鉛直方向に楽曲カードを堆積して収容する不図示のストッカを有し、提供制御部110によりなされた提供命令に応じてストッカ最下部に保持されている楽曲カードを1枚提供する機構を有する構成であってよい。提供された楽曲カードは、提供部140がゲーム装置100と同一筐体内に内蔵される場合は、ゲーム装置100の外部からアクセス可能な取出口141(図1(a))に導かれることでプレイヤに提供されてよい。本実施形態のゲーム装置100から提供される楽曲カードは、上述したように固有のカード情報に係るコードを表面に有して構成された、予め印刷製造された既製カードであり、全ての楽曲カードは同一の外形を有するように形成されるものとする。
なお、本実施形態のゲーム装置100は、予め工場等で印刷、発行された固定的なデザインを有する既製カードを提供するものとして説明するが、提供される楽曲カードは所謂オンデマンド印刷により動的にデザイン変更可能なものであってもよい。この場合、提供部140は、所定の紙媒体に印刷を行う印刷装置であり、例えばゲームの進行に応じてプレイヤにより、もしくは抽選処理により選択されたキャラクタのキャラクタID及び楽曲の楽曲IDを有するカード情報を構成し、これを楽曲カード用の変換方式で変換することで得られたコードを、楽曲カードに印刷して出力すればよい。
操作入力部111は、例えば決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部111は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。また操作入力部111は、打楽器コントローラ150に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力が第1打面151と第2打面152のいずれの打面に対する叩き操作であるかを識別可能な状態で制御信号を制御部101に出力する。なお、操作入力部111は、例えば表示部130の画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含むものであってもよい。
通信部112は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部112は、不図示のインターネット等の通信網やケーブル等、有線無線を問わない通信媒体を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部112は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワークを介してサーバ等の外部装置に送信する。また通信部112は、例えばネットワークを介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。
また本実施形態のゲーム装置100は、ゲームに係る処理のプログラムをパッケージ化したプログラムデータを通信部112を介して外部装置から受信可能に構成される。制御部101は、通信部112により該プログラムデータがプログラムの更新要求とともに受信された場合、更新要求に従って現在記録媒体102に格納されているゲームに係る処理のプログラムを、受信したプログラムデータを用いて更新することができる。なお、ゲームに係る処理のプログラムの更新処理は、この他、例えば記録媒体に記録されているプログラムデータをゲーム装置が有する不図示の光学ドライブ等に挿入した際に自動実行される、あるいは挿入後に管理者が開始命令を行うことによっても実行可能である。
《ゲーム概要》
次に、このような構成を有する本実施形態のゲーム装置100でプレイ体験が提供される音楽ゲームについて、そのサービス提供の概要を説明する。
本実施形態のゲーム装置100では、スタンバイ状態において代価の支払いがなされたことを条件として、プレイヤへのサービス提供が開始される。ここで、スタンバイ状態とは、いずれのプレイヤへのサービス提供も行っていない状態であり、所謂デモンストレーション画面の提示とともに、代価の支払いを行うことでサービス利用が可能である旨の情報が表示部130に提示される。なお、以下では説明を簡単にするため、1回のサービス提供には、少なくとも1回の音楽ゲームのプレイ体験の提供が含まれるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、例えば楽曲カードの提供のみを行う等、プレイ体験の提供を伴わない態様を含むものであってもよい。
サービス提供が開始すると、1枚の楽曲カードが提供される。これにより、プレイヤは少なくとも1枚の楽曲カードを所有した状態でゲームプレイを行うことが可能となる。楽曲カードは上述したように、ゲームプレイを行う楽曲の選択に用いられるものであり、情報取得をさせることで、該楽曲カードに対応付けられた楽曲の再生を伴って進行する音楽ゲームのゲームプレイが可能となる。換言すれば、所有する楽曲カードが増えるほど、プレイヤがゲームプレイを行うことができる楽曲の選択肢が豊富になる。
また本実施形態のゲーム装置100でプレイ体験が提供される音楽ゲームは、興趣性を向上させるべく、複数のプレイヤ間で行われる対戦ゲームの要素を含む。対戦ゲームは、例えばゲーム装置100においてサービス利用を行うプレイヤと、通信部112を介することで接続された他のゲーム装置100においてサービス利用しているプレイヤとの間で行われる。該対戦ゲームにて各プレイヤに対応付けられて登場するキャラクタは、情報取得がなされた楽曲カードに対応付けられたキャラクタであり、楽曲の選択とともにプレイヤの使用キャラクタが確定する。詳細は後述するが各キャラクタの行動は、音楽ゲームにおける各ノーツに対する操作入力の成否に応じて制御されるものであり、例えばキャラクタの攻撃行動または防御行動の発動及び成否がこれによって確定し、進行制御に用いられる。
なお、本実施形態では対戦ゲームが、マッチングされた2つのゲーム装置100を利用するプレイヤ間で行われ、各キャラクタの動作が各プレイヤによる操作入力に基づくものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。対戦ゲームにおける対戦相手のキャラクタは、プレイヤの操作入力に基づいて動作するものに限らず、NPC(Non-Player Character)等の操作入力を疑似的に行う処理に基づいて動作するものであってもよい。
〈プレイ楽曲設定〉
本実施形態のゲーム装置100では、1回の代価の支払いに対して3回の音楽ゲームのプレイ体験が提供される。換言すれば、プレイヤは、スタンバイ状態のゲーム装置100に対して1回分の代価を支払うことで、3種類の楽曲(プレイ楽曲)の再生に伴う音楽ゲームのゲームプレイが可能である。
当該3種類のプレイ楽曲は、楽曲カードの提供後に移行する、プレイ楽曲を設定する設定シーケンスにおける楽曲カードからの情報取得に基づいて設定される。プレイヤは、該設定シーケンスにおいて、リーダ120に楽曲カードを順に載置してカード情報を取得させることで、該カード情報により特定される3種類の楽曲をプレイ楽曲として設定することができる。より詳しくは、ゲームプレイ中に時間を経て進行する第1ステージから第3ステージまでの3つのステージについて、各ステージに係る音楽ゲームで再生されるプレイ楽曲をカード情報の取得順に応じて設定する。即ち、1枚目に情報取得がなされた楽曲カードに基づいて第1ステージのプレイ楽曲が設定され、2枚目に情報取得がなされた楽曲カードに基づいて第2ステージのプレイ楽曲が設定され、3枚目に情報取得がなされた楽曲カードに基づいて第3ステージのプレイ楽曲が設定される。このとき、各ステージにおいてプレイヤに対応付けて登場させるキャラクタについても、同様に、取得されたカード情報に基づいて設定される。
なお、プレイヤ間の公平性を担保すべく、1回のプレイ体験では同一の楽曲を複数のステージのプレイ楽曲として設定することは不可能に制御される。即ち、プレイ体験の提供は、複数のステージについてそれぞれ異なる楽曲がプレイ楽曲として設定されていることを条件とするよう制御される。このため、当該設定シーケンスにおいて、既に取得されたカード情報と同一の楽曲ID1202を有するカード情報が取得された場合には、該カード情報に基づくプレイ楽曲の設定は行わず、異なる楽曲カードの情報取得を促す通知が行われる。
ここで、例えばゲーム装置100の利用回数が少ないプレイヤ等、3枚の楽曲カードを携行していないケースもあるため、プレイヤによる設定終了に係る操作入力がなされた際、もしくはプレイ楽曲設定に係る所定の制限時間が経過した際には、不足数分のプレイ楽曲及びキャラクタの設定は、抽選処理等により決定されるものであってよい。当該抽選処理においても、既にプレイ楽曲として設定されている楽曲と同一の楽曲IDは抽選対象から除外されるものとする。
また、本実施形態の対戦ゲームでは、該対戦ゲームに参加するプレイヤのそれぞれがプレイ楽曲の選択を行うが、各ステージで最終的に再生されるプレイ楽曲は、2人のプレイヤのいずれかについて設定された楽曲が抽選で選択されるものとする。このとき、一方のプレイヤのプレイ楽曲が変更される可能性があるが、該ステージについて設定されたキャラクタは変更されず維持される。このようなプレイ楽曲の調整制御は、対戦ゲームに参加するゲーム装置100が並んで設置されており、2人のプレイヤが互いの画面を確認可能な状況でゲームプレイを行う態様において特に有用であるが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、インターネットを介することで遠離した2台のゲーム装置100の間で対戦ゲームが実現される態様では、各プレイヤの興趣体験を向上させるべく、各ゲーム装置100で行われる音楽ゲームは、それぞれを利用するプレイヤにより設定されたプレイ楽曲が維持して行われるものであってもよい。
〈プレイ体験〉
設定シーケンスにおける各ステージのプレイ楽曲及び登場キャラクタの設定が終了すると、各ステージの音楽ゲームのプレイ体験を提供するゲームシーケンスに移行する。
本実施形態のゲーム装置100でプレイ体験が提供される音楽ゲームは、上述したように対戦ゲームの要素を含むため、1つのステージに係る楽曲の再生中に、攻撃フェーズと防御フェーズの切り替えが生じるよう構成される。即ち、一方のプレイヤに攻撃フェーズが割り当てられる場合、他方のプレイヤには防御フェーズが割り当てられ、フェーズの切り替えが生じた際にはこの関係が逆転するよう構成される。そして1つのステージでは、各プレイヤについて設定されたキャラクタが登場し、各フェーズにおいて打楽器コントローラ150によりなされた操作入力によって、該キャラクタによる対戦行動や動作の制御が行われる。
図3は、本実施形態の音楽ゲームのプレイ中に提示されるゲーム画面を例示したものである。図示されるように、音楽ゲームのプレイ中には、いずれの叩き操作をいずれのタイミングで行うべきであるかを示すノーツ301が提示される。
ノーツ301は、第1地点305と第2地点306を結んで形成されるレーン303を経路とし、該レーン303に沿って等速で移動しながら提示される。ここで、ノーツ301は、攻撃フェーズと防御フェーズのいずれであるかに応じて移動方向が異なるよう制御され、例えば攻撃フェーズでは第1地点305において発生して第2地点306に向かって移動し、防御フェーズでは第2地点306において発生して第1地点305に向かって移動するよう構成されるものであってよい。即ち、プレイヤは、ノーツ301がレーン303を移動している間に、例えば該ノーツ301の表示色によって、該ノーツ301について第1打面151と第2打面152のいずれへの叩き操作を行えばよいかを把握することができる。またゲーム画面には、ノーツ301がいずれの方向に移動しているかを提示する移動方向表示304が含まれるものであってよく、フェーズの切り替えに応じてその態様が変更される。
またレーン303上には、各フェーズのノーツ301についての操作入力を受け付ける期間において移動しないマーカ302が配置される。マーカ302は、ノーツ301についての叩き操作を行うべきタイミングの指標として設けられており、ノーツ301の移動は該タイミングにおいてマーカ302の直上に位置するように制御される。即ち、レーン303を移動したノーツ301の中心がマーカ302の中心と重なる瞬間が叩き操作を行うべきタイミングを示すように、ノーツ301の表示制御がなされる。従って、各フェーズにおいて、各ノーツ301とマーカ302とが重なることに対してなされた叩き操作について、その正確性の評価がなされる。
ここで、マーカ302の配置位置は、攻撃フェーズではノーツ301の移動先である第2地点306、防御フェーズでは同様に第1地点305となるよう制御される。即ち、攻撃フェーズと防御フェーズのいずれにあるかに応じて、マーカ302の配置位置は変更される。マーカ302の配置位置の変更は、プレイヤにフェーズの切り替わりを把握せしめるべく、ノーツ301の移動方向の変更がなされた後に行われる。
これは、各フェーズにおいて、プレイヤは移動するノーツ301に注目することが想定されることによる。即ち、プレイヤはフェーズの切り替わりをノーツ301で把握すると考えられるため、ノーツ301の移動方向の変更後にマーカ302の配置位置の変更を行うよう構成することで、変更後のフェーズにおいてプレイヤが叩き操作を行うタイミングを落ち着いて把握することが可能となる。
例えば図4(a)に示されるように攻撃フェーズに係るノーツ301がレーン303を移動している場合、マーカ302は第2地点306に配置されている。そして、該攻撃フェーズに係るノーツ301が第2地点306まで到達した後、防御フェーズに切り替わり、今度は該防御フェーズに係るノーツ301が(第2地点306から発生して)図4(b)に示されるようにレーン303に並び、第1地点305の方向に移動を開始する。その後、防御フェーズに係るノーツ301が第1地点305に差し掛かると、図4(c)に示されるようにマーカ302が第2地点306から第1地点305に移動する様が提示されながら配置変更される。
またノーツ301についての叩き操作を行うべきタイミングは、レーン303を移動中のノーツ301の表示サイズによっても提示される。攻撃フェーズのゲーム画面を例示した図3では、ノーツ301は、レーン303を移動するにつれ、即ち、マーカ302に近づくにつれて表示サイズが大きくなるよう制御されている。例えば、ノーツ301の表示サイズは、最適な叩き操作のタイミング(マーカ302の直上に配置されるタイミング)において、マーカ302と同一の大きさとなるよう制御されるものであってよい。
なお、本実施形態では説明を簡単にすべく、図3及び図4の例ではレーン303がゲーム画面中に視認可能に表示されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。レーン303はゲーム画面に含められず、視認不可能に制御されるものであってもよい。
また図3に示されるように、ゲーム画面には音楽ゲームに係るノーツ301等に加え、各プレイヤに係り対戦ゲームに登場するキャラクタが配置され、対戦演出の提示に用いられる。対戦演出は、音楽ゲームの興趣性を損なわぬよう、ノーツ301、マーカ302、レーン303及び移動方向表示304の背景として提示される。換言すれば、ゲーム画面において、音楽ゲームに各種GUI(ノーツ301、マーカ302、レーン303及び移動方向表示304)は、キャラクタ間の対戦演出に重畳される態様にて表示される。
図3の例では、プレイヤに対応付けられたプレイヤキャラクタ311が手前(左下)に、相手プレイヤに対応付けられた相手キャラクタ312が奥(右上)となって示されている。これらのキャラクタは、音楽ゲームをプレイ中のプレイヤが容易にその状態を把握可能なよう、基本的にはレーン303に沿って表示される。
各キャラクタに係る対戦演出は、例えば対応する3次元モデルの状態を制御してゲームフィールドである3次元空間に配置し、これを所定の視点から描画することによって生成された画像をゲーム画面に含めることで行われるものであってよい。各キャラクタには、攻撃行動や防御行動を含む種々のモーション(動作)が予め定められており、ゲームシーケンス中は、これらのいずれかのモーションを各3次元モデルに適用させながら対戦演出の提示が行われる。ここで、モーションは所定のテンポの楽曲に適合するよう構成されており、音楽ゲームにおいて再生されるプレイ楽曲のBPM情報1213で示されるテンポに応じてモーションの再生速度が調整されることで、各プレイヤのキャラクタのモーションは違和感なく提示される。
ノーツ301についてなされた叩き操作の評価は、評価が良好な順(ノーツ301がマーカ302の直上に重なるタイミングでなされる場合を最良評価として、時間軸で該タイミングから離れてなされるほど評価が低くなる)に、例えばパーフェクト、グレート、グッド、ミスの4段階に分類されており、本実施形態では前二者を成功評価、後二者を失敗評価として取り扱う。上述したように、本実施形態の対戦ゲームは、音楽ゲームにおける叩き操作の成否に応じて進行制御がなされるものであり、キャラクタ間の対戦行動は、音楽ゲームでの両プレイヤの叩き操作の成否に応じて内容が確定する対戦行動(攻撃成功(大ダメージ)+防御失敗、攻撃成功+防御成功、攻撃失敗(小ダメージ)+防御成功、攻撃失敗+防御失敗)に基づくモーションの提示を含む。即ち、1つの対戦行動に係る各キャラクタのモーションは、対応するプレイヤによってなされた叩き操作の成否に応じて異なる態様を示すよう制御される。
ところで、興趣性の高いゲーム画面を提示するためには、キャラクタが3次元空間内を移動しながら対戦行動を行う様を提示することが好ましい。一方で、本実施形態の対戦演出は音楽ゲームに係る情報提示とともに行われるものであるため、ゲーム画面中でキャラクタを不規則に移動配置させる態様は誤操作の要因ともなり得、好ましいものではない。故に、ゲーム画面に表示されるキャラクタ間の対戦行動は、上述したようにレーン303に沿って提示されるよう、描画視点の制御がなされる。
より詳しくは、対戦行動中には、キャラクタを側方(対峙するキャラクタに対して横方向)に移動させる行動(旋回移動)が生じるが、図5(a)に示されるように、当該移動中及び移動後においてキャラクタ間を結ぶ直線がレーン303と略平行となり、かつ、各キャラクタが第1地点305、第2地点306の近傍に表示されるように、3次元空間を描画する視点の位置及び方向の制御が行われる。該移動は、キャラクタ間の距離が略一定に維持されるように制御されるものとする。これにより、3次元空間に配置される背景オブジェクトやテクスチャの表示態様は変化するため、キャラクタの表示位置があまり変化しなくとも、キャラクタの移動を伴う対戦行動が行われていることを提示することができる。
対戦行動にはこの他、キャラクタ間の距離を異ならせる行動(前後移動)も含まれる。前後移動は、例えば攻撃行動に係り攻撃対象のキャラクタに近づく移動、被撃したことに基づいて生じる後退やノックバック、等の演出提示に用いられるものであってよく、叩き操作の成否に応じた演出提示において一時的にキャラクタ間の距離を変化させる。前後移動は、上述した旋回移動とは異なり、視点移動制御を伴わず行われるものであってよく、図5(b)に示されるように、少なくともいずれかのキャラクタがレーン303の延びる方向に移動して表示されることで表現されるものであってよい。
なお、1つのプレイ楽曲の再生中に行われるキャラクタを用いた対戦演出は、必ずしもレーン303に沿って提示されることを必須とするものではない。例えば該プレイ楽曲に係る音楽ゲームの開始時、フェーズの切り替え時、音楽ゲームの終了時においては、キャラクタの対戦演出はレーン303に沿わずに提示されるものであってもよい。
また、プレイ楽曲の再生を伴う音楽ゲームが開始すると、打楽器コントローラ150においても、第1発光部153及び第2発光部154の発光制御による演出提示が行われる。本実施形態では打楽器コントローラ150における演出提示は、操作入力を受け付ける期間をプレイヤに認識させやすいよう、音楽ゲームが開始して打楽器コントローラ150への叩き操作を要する期間に行われるものとする。また加えて、叩き操作がなされた場合には、該叩き操作が入力されたこと、あるいは、該叩き操作の成否を通知すべく、異なる種類の演出提示が行われるように制御されるものであってよい。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、打楽器コントローラ150の打面における演出提示は、他の条件に基づいて行われるものであってもよい。
上述したように、本実施形態のゲーム装置100では1回の代価の支払いに対して、設定された3種類のプレイ楽曲の音楽ゲームのプレイ体験がゲームシーケンスにおいて提供される。より詳しくは、ゲームシーケンスでは、第1ステージ→第2ステージ→第3ステージの順に遷移して進行しながら、各ステージについて、設定されたプレイ楽曲の再生、該楽曲について定められたノーツ301の表示制御、フェーズ切り替え制御、及び設定されたキャラクタの動作制御が行われる。つまり、ステージ(先行ステージ)が後続のステージ(後続ステージ)に進行する際には、先行ステージに係る音楽ゲームの提供要素(ノーツ301やマーカ302等)と該先行ステージについて設定された対戦演出の提供要素(プレイヤキャラクタ311や相手キャラクタ312等)の表示は終了され、該表示終了を条件として、後続ステージに係る音楽ゲームの提供要素及び対戦演出の提供要素の表示が行われるよう制御される。
また、本実施形態のゲームシーケンスでは、各ステージで行われる音楽ゲームについて、対戦ゲームの進行に応じた途中終了条件が定められているものとする。該途中終了条件は、例えば、1つのステージについて設定されたプレイヤキャラクタもしくは相手キャラクタの少なくともいずれかが、被撃等によって行動不能状態に至ったことによって満たされるものであってよい。ここで、途中終了条件が満たされた際に即時ゲーム終了としてしまうと、各プレイヤの興趣が削がれ得るため、途中終了条件が満たされたとしても、該条件が満たされたフェーズに係る対戦演出の提示完了まではゲームを継続する、即ちプレイ楽曲の再生を継続するよう制御されるものとする。また該対戦演出の提示完了後にはプレイ楽曲の再生は停止され、後続するステージが存在する場合には、ステージ遷移に係る処理が実行される。
〈コンティニュー機能〉
1回の代価の支払いに対するゲームシーケンスが終了すると、本実施形態のゲーム装置100では、プレイ内容の評価を行う評価シーケンスに移行する。ここで、プレイ内容の評価とは、ゲームシーケンスにおいて行われた、3種類のプレイ楽曲に係る音楽ゲームの進行内容を評価するものであり、例えば各曲についての叩き操作の成功回数、連続成功回数、失敗回数等に基づいて、プレイ内容のランク付け(各曲についてSランク、Aランク、Bランク、Cランク、Dランクの5段階、全体についてSSランク、Sランク、Aランク、Bランク、Cランク、Dランクの6段階等で成績ランクを評価)、あるいはスコアリングしたもの(各曲及び3曲総合のスコア)を導出することでなされるものであってよい。1回のサービス提供について評価シーケンスで導出される評価結果は、例えばプレイヤにより設定されたプレイヤ名に関連付けてゲーム装置100の記録媒体102に格納され、以降のサービス提供時やスタンバイ状態において、表示部130を介していずれのプレイヤにも閲覧可能に構成されるものであってよい。
ところで、音楽ゲームでは、プレイヤが叩き操作を失敗したタイミングによっては、該プレイヤにとって不本意な評価結果となる可能性がある。また上述したように3種類のプレイ楽曲に係る音楽ゲームが連続して実行される態様では、プレイヤが全ての楽曲について所望のゲームプレイを実現できるとは限らず、好適な評価を得ることが困難となり得る。このため本実施形態のゲーム装置100は、更なる代価の支払いを条件として、最終的な評価結果の確定前に任意のステージからゲームを再実行するコンティニュー機能を備える。以下、本実施形態のゲーム装置100が備えるコンティニュー機能について説明する。
評価シーケンスでは、好適なプレイ内容であったかをプレイヤに知らしめるべく、最終的な評価結果の確定前に、図7(a)に示されるような暫定的な評価結果が提示される。図示される例では、暫定的な評価結果(暫定評価結果)700には、更なる対価の支払いを条件としてコンティニュー機能が利用可能であることの通知701とともに、ゲームシーケンスにて音楽ゲームがプレイされた3種類のプレイ楽曲の各々について、成績ランク、最大連続成功回数、各段階の叩き操作の評価の分布を示す評価情報702が含まれている。また暫定評価結果700には、例えば各曲または総合の成績ランクを1段階上昇させるための条件や、予め設けられた達成条件を満たすための必要評価等、コンティニューにより達成が見込まれる目標を示す目標情報703が含まれる。目標情報703の提示によりプレイヤはコンティニュー機能を利用すべきかどうかをより判断しやすくなる。また目標情報703で提示される目標は、より達成しやすいものを優先的に選択することで、更なる代価の支払い可能性を増大させることができる。
コンティニュー機能は、後述するように同一プレイ楽曲に係る音楽ゲームの再実行を可能ならしめるものであるため、これを無制限に認めるとしては、1人のプレイヤによるゲーム装置100が占有時間の長期化によって、当該ゲームに対する他のプレイヤの関心を削ぎ得る。従って、コンティニュー機能の利用には上限数が設定され、暫定評価結果700には、今回のサービス提供についてあと何回のコンティニューが可能であるかを示す通知704が含まれる。ここで、1回(今回)のサービス提供とは、スタンバイ状態であるゲーム装置100に対して代価を支払うことで開始され、例えば最終的な評価結果の提示をもって終了するものであり、コンティニュー機能の利用によって終了されないものとする。また同様に、コンティニュー機能の利用の受付は、所定の期間に限って行われるものであってよく、暫定評価結果700には利用受付に係る残り時間705が含まれる。
該暫定評価結果700の提示に対して、コンティニュー機能の実行に係る操作入力及び更なる代価の支払いがなされると、表示部130の表示は、図7(b)に示されるような、再度ゲームプレイを開始するステージの選択を受け付ける画面710に遷移する。本実施形態のゲーム装置100では、コンティニュー機能を利用する際には、プレイヤは、先にプレイした3段階あるステージのうちから所望のステージ(コンティニューステージ)を選択し、該ステージ以降のステージについて音楽ゲームをプレイし直すことができる。即ち、例えばコンティニューステージとして第2ステージが選択された場合には、再実行されるゲームシーケンスにより、第2ステージ及び第3ステージに係る音楽ゲームのプレイ体験が提供される。
またコンティニュー機能に係るゲームシーケンスの再実行が完了して再度評価シーケンスに至ると、先に導出された評価結果のうち、コンティニューステージ以降のステージに係る評価が、再実行されたゲームシーケンスのプレイ内容に応じた内容に変更される。換言すれば、コンティニューステージより前のステージについては、先に行われたゲームシーケンスのプレイ内容に基づく評価結果が維持され、コンティニューステージ以降のステージについてのみ、コンティニュー後のプレイ内容に基づく評価結果に置き換えられる。即ち、コンティニュー機能を利用することで、プレイヤは、一部のステージについては評価結果を保全しつつ、不本意な評価結果となったステージについてゲームプレイをし直すことができる。
なお、コンティニューステージとして先頭である第1ステージが選択された場合には、全てのステージのゲームプレイがやり直しとなり評価結果の維持が行われないため、再度設定シーケンスを実行し、各ステージのプレイ楽曲の設定を新たに設定すべく、楽曲カードからの情報取得を再度行うよう制御してもよい。
また、本実施形態ではプレイ体験が提供されるゲームが3段階のステージで構成されるため、コンティニュー機能を利用した際にはステージの選択を受け付けるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。本発明の実施は、更なる代価の支払いが検出されたことを条件として、終了したゲームに係る進行位置のいずれかを選択可能に構成されるものであればよい。
また図7に示したゲーム画面では、暫定評価結果700において評価情報702と目標情報703とが提示されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、これらのうち少なくともいずれかが提示されることで、コンティニュー機能の利用をプレイヤに促すことができる。
またコンティニュー機能の利用のために支払われた更なる代価に対して、本実施形態のゲーム装置100では新たな楽曲カードの提供が行われるものとする。本実施形態のゲーム装置100では、1回のサービス提供に係る最初の代価の支払いに対して、楽曲カードの提供とプレイ体験の提供を行うよう構成されるため、更なる代価の支払いを伴うコンティニュー機能の利用時にも楽曲カードの提供が行われるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。
なお、本コンティニュー機能は、対人対戦のゲームにおいては両プレイヤが更なる代価の支払いを行う、同一のステージをコンティニューステージとして選択する必要があり現実的ではないため、対NPCの対戦ゲームに限って提供されるものとする。このため、本実施形態のゲーム装置100で提供されるサービスでは、対NPC対戦のゲームプレイを行うか、対人対戦のゲームプレイを行うかのモード選択が冒頭に行われる。
《提供処理》
以下、本実施形態のゲーム装置100でサービス提供に係り実行される提供処理について、図8のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本提供処理は、例えばゲーム装置100のスタンバイ状態において代価の支払いが検出された際に開始されるものとして説明する。
S801で、提供制御部110は制御部101の制御の下、検出された代価に係る楽曲カードを提供部140に提供させる。
S802で、制御部101は、サービス提供を行うモードの選択を受け付ける。モードの選択は、プレイヤによりなされる操作入力を受け付けることによって行われるものであってよく、上述したように対NPC対戦ゲームのプレイ体験を提供する第1モードと対人対戦ゲームのプレイ体験を提供する第2モードのうちから選択される。制御部101は、選択されたモードが第1モードであると判断した場合は処理をS804に移し、第2モードであると判断した場合は処理をS803に移す。
S803で、制御部101は、通信部112を介して外部のマッチングサーバにマッチング要求を行い、対戦相手のプレイヤが利用するゲーム装置100を決定する。本ステップの処理により、マッチングサーバでは両ゲーム装置100との間で対戦ゲームを実現するための各種処理が実行される。これにより、以降の処理において、該マッチングサーバを介して各ゲーム装置100の情報送受信が所定の間隔で行われ、同期したゲームプレイの提供を実現することができる。
S804で、制御部101は、各ステージのプレイ楽曲及びキャラクタの設定を行う設定シーケンス処理を実行する。
〈設定シーケンス処理〉
ここで、設定シーケンス処理の詳細について図9のフローチャートをさらに参照して説明する。
S901で、提示制御部109は制御部101の制御の下、今回のゲームプレイの各ステージについてプレイ楽曲と登場させるプレイヤキャラクタを設定すべく、楽曲カードのリーダ120への載置を促す通知を行う。また取得部105は、リーダ120を載置された楽曲カードからの情報取得が可能な状態に制御する。
S902で、制御部101は、カード情報の取得がなされたか否かを判断する。制御部101は、カード情報の取得がなされたと判断した場合は処理をS903に移し、なされていないと判断した場合は処理をS905に移す。
S903で、制御部101は、リーダ120により取得されたカード情報が登録可能条件を満たすか否かを判断する。即ち、制御部101は、今回取得されたカード情報が、本設定シーケンス処理で既に取得されたカード情報と同一の楽曲IDを有しないことの判定を行う。制御部101は、取得されたカード情報が登録可能条件を満たすと判断した場合は処理をS904に移し、満たさないと判断した場合は処理をS902に戻す。
S904で、制御部101は、リーダ120により取得されたカード情報に基づく楽曲詳細情報とキャラクタ情報とを楽曲DB106及びキャラクタDB107のそれぞれから取得し、1つのステージに係る情報として、メモリ103に格納されているプレイヤ側進行テーブルに追加する。本情報追加は、第1ステージ→第2ステージ→第3ステージの順に行われるものであり、カード情報が取得された順、即ち、リーダ120に楽曲カードが載置された順にプレイヤ側進行テーブルへの情報追加は行われる。
S905で、制御部101は、プレイヤ側進行テーブルへの情報登録が終了したか否かを判断する。本ステップの判断は、3ステージの全てについての情報登録が終了したことや、プレイヤによる設定終了に係る操作入力がなされたか否かに基づいて判断されるものであってよい。制御部101は、プレイヤ側進行テーブルへの情報登録が終了したと判断する場合は処理をS906に移し、終了していないと判断した場合は処理をS902に戻す。ここで、登録を終了する際に、情報登録がなされたステージの数が規定数に満たない(未設定のステージが存在する)場合は、抽選処理等によりプレイ楽曲及びキャラクタを決定し、該当の情報をプレイヤ側進行テーブルに追加することで、プレイヤ側進行テーブルを全ステージに係る情報登録がなされた状態にすればよい。
S906で、制御部101は、相手側進行テーブルをメモリ103に格納して、本設定シーケンス処理を完了する。相手側進行テーブルは、第1モードでは制御部101が例えば抽選処理等によって各ステージに登場するキャラクタのみを決定して構成されればよい。また第2モードでは、対戦相手のプレイヤが利用するゲーム装置100において構成されたプレイヤ側進行テーブルを受信して、相手側進行テーブルとして格納されればよい。
設定シーケンス処理が完了すると、制御部101は提供処理のS805で、プレイヤ側進行テーブル及び相手側進行テーブルに基づいてプレイ体験の提供を行うゲームシーケンス処理を実行する。
〈ゲームシーケンス処理〉
ここで、ゲームシーケンス処理の詳細について図10のフローチャートをさらに参照して説明する。
S1001で、制御部101は、現在の進行状況に応じたステージを対象ステージとして設定し、該ステージについて再生されるプレイ楽曲を決定する。本ステップの処理は、第1モードでは単にプレイヤ側進行テーブルの該当ステージについて登録されたプレイ楽曲を設定し、第2モードではプレイヤ側進行テーブルと相手側進行テーブルの同ステージについて登録されたプレイ楽曲のうちから、いずれかの楽曲を例えば抽選処理にて選出して設定すればよい。
S1002で、制御部101は、対象ステージについて、S1001において決定されたプレイ楽曲の再生を伴う音楽ゲームのプレイ体験を提供する処理を開始する。該処理では、制御部101は、楽曲の進行状況に応じてフェーズの切り替え、対戦ゲームに係る行動制御や体力管理を行い、提示制御部109は、ノーツの移動、各キャラクタの動作制御及び対戦演出を含むゲーム画面及び音声の提示制御、及び打楽器コントローラ150における演出提示制御を行い、評価部108は打楽器コントローラ150においてなされた操作入力の評価処理を行う。
S1003で、制御部101は、対象ステージの音楽ゲームについて終了条件が満たされたか否かを判断する。該終了条件は、プレイ楽曲の再生終了に起因するものに限らず、途中終了条件を含むものであってよい。制御部101は、終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS1004に移し、満たされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。なお、途中終了条件が満たされた場合には、制御部101は、現在のフェーズに係る演出提示が完了するまで待機した後に、プレイ楽曲の再生を終了させて処理をS1004に移すものとする。
S1004で、提示制御部109は制御部101の制御の下、対象ステージに係るゲーム画面の提示を終了(各表示物の表示を終了)させ、処理をS1005に移す。
S1005で、制御部101は、ゲームプレイが終了していないステージが存在するか否かを判断する。制御部101は、ゲームプレイが終了していないステージが存在すると判断した場合は処理をS1001に戻し、存在しないと判断した場合は本ゲームシーケンス処理を完了する。
ゲームシーケンスが完了すると、制御部101は設定処理のS806で、ゲームシーケンスのプレイ内容に基づいて評価シーケンス処理を実行する。
〈評価シーケンス処理〉
ここで、評価シーケンス処理の詳細について図11のフローチャートをさらに参照して説明する。
S1101で、制御部101は、サービス提供を行うモードが第1モードと第2モードのいずれであるかを判断する。制御部101は、サービス提供を行うモードが第1モードであると判断した場合は処理をS1102に移し、第2モードであると判断した場合は処理をS1109に移す。
S1102で、制御部101は、今回のサービス提供に係るコンティニュー機能の利用回数が、既に上限回数に達しているか否かを判断する。制御部101は、コンティニュー機能の利用回数が既に上限回数に達していると判断した場合は処理をS1109に移し、まだ上限回数に達していないと判断した場合は処理をS1103に移す。
S1103で、評価部108は制御部101の制御の下、ゲームシーケンスのプレイ内容に基づいて、暫定的な評価結果を導出する。ここで、評価部108は、既に暫定的な評価結果が導出されている、即ち、コンティニュー機能が利用されたことにより一部のステージについて導出された評価結果が保全されている場合には、該評価結果と直近に行われたゲームシーケンスのプレイ内容に基づく評価結果とを組み合わせて、暫定的な評価結果を新たに構成する。
S1104で、提示制御部109は制御部101の制御の下、暫定的な評価結果を含むコンティニュー機能の利用を受け付ける画面の提示を行う。
S1105で、制御部101は、コンティニュー機能の利用に係る操作入力及び更なる代価の支払いがなされたか否かを判断する。即ち、本ステップにおいて、コンティニュー機能の利用に係る再度のゲーム実行が確定したか否かの判断が行われる。制御部101は、コンティニュー機能の利用に係る操作入力及び更なる代価の支払いがなされたと判断した場合には処理をS1106に移し、少なくともいずれかがなされていないと判断した場合は処理をS1108に移す。
S1106で、提示制御部109は制御部101の制御の下、コンティニュー機能の利用時にゲームプレイを開始するコンティニューステージの選択を受け付ける画面の提示を行う。そして制御部101は、コンティニューステージの選択がなされると処理をS1107に移す。
S1107で、制御部101は、コンティニューステージの情報をメモリ103に格納して、提供処理にコンティニュー機能が利用されることを示す情報を返す(本評価シーケンス処理を完了する)。
一方、S1105においてコンティニュー機能の利用に係る操作入力及び更なる代価の支払いの少なくともいずれかがなされていないと判断した場合、制御部101はS1108で、暫定的な評価結果の提示時間が制限時間に至ったか否かを判断する。制御部101は、暫定的な評価結果の提示時間が制限時間に至ったと判断した場合は、コンティニュー機能の利用に係る操作入力を受け付けない状態に制御して処理をS1109に移し、制限時間に至っていないと判断した場合は処理をS1105に戻す。
またS1109では、制御部101は、現在の暫定的な評価結果を最終的な評価結果として確定し、提示制御部109に該表示結果の提示を行わせて本評価シーケンス処理を完了する。この場合、提供処理には、コンティニュー機能が利用されないことを示す情報が返される。またこのとき、最終的な評価結果についてプレイヤ名の入力を受け付けて、制御部101はこれらを関連付けてメモリ103に格納し、ランキング表示等に参照可能にする。
評価シーケンス処理が完了すると、制御部101は提供処理のS807で、コンティニュー機能が利用されるか否かを判断する。本ステップの判断は、評価シーケンス処理の戻り値によって判断されるものであってよい。制御部101は、コンティニュー機能が利用されると判断した場合は処理をS805に戻して再度ゲームシーケンス処理の実行に移る。このとき、メモリ103にはコンティニューステージの情報が格納されているため、ゲームシーケンス処理では、該コンティニューステージより前のステージについては既にゲームプレイが終了しているものとして取り扱われる。即ち、再実行されるゲームシーケンス処理では、コンティニューステージ以降のステージについてのみ音楽ゲームのプレイ体験の提供が行われる。なお、上述したように、コンティニューステージが第1ステージであり、プレイヤにより再度のプレイ楽曲の設定が所望される場合には、処理はS804に戻されるものであってよい。
また、制御部101は、コンティニュー機能が利用されないと判断した場合は処理をS808に移してサービス提供終了に係る種々の処理を行って本提供処理を完了する。
このようにすることで、本実施形態のゲーム装置によれば、快適なゲームプレイを提供することができる。
なお、本実施形態ではコンティニュー機能は、回数及び時間の制約が満たされる限り利用できるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、本実施形態のようにコンティニュー機能の利用時に楽曲カードの提供を伴う態様では、該機能の利用に際して、提供部140の収容部に楽曲カードが存在していることを条件とするものであってもよい。
また本実施形態では音楽ゲームにおいて、ノーツ301は等速で移動するものとして説明したが、音楽ゲームの興趣性を向上させるべく、例えば相手キャラクタのスキル発動や曲調の変化等に伴い、ゲームプレイ中に進行難度の変更が可能に構成され、これに応じてノーツ301の移動速度が変化するよう構成されてもよい。また、図6に示されるように、レーン303中を移動するノーツ301群の少なくとも一部を視認不可能にせしめる妨害画像601を一時的に表示させることで、ゲームプレイの進行難度を変更する構成としてもよい。
また本実施形態ではコンティニュー機能の利用の利点として、評価結果の一部更新を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、コンティニュー機能を利用して行われるゲームについては、キャラクタの攻撃力や防御力等のパラメータを上昇させる特典を付す態様としてもよい。また当該特典を、コンティニュー機能の回数に応じて、例えばプレイ難度を下げる方向に異ならせる態様とすることで、プレイヤ1人あたりのサービス利用単価をより増大させることができる。
[変形例1]
上述した実施形態では、最終的な評価結果の情報は、例えば入力されたプレイヤ名を関連付けてメモリ103に格納され、いずれのプレイヤであっても該評価結果を閲覧可能に構成されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、プレイヤ名の入力をプレイの都度行わせることは、プレイヤに煩雑な操作を要求することになり得る。また評価結果をランキング等に載せて閲覧可能にさせる機能は、ゲーム装置100を繰り返して利用するプレイヤに望まれるものであって、単発で利用するようなプレイヤにとっては好適でない可能性がある。
このため、例えばプレイヤを識別する識別情報を付したプレイヤカードを設け、ゲーム装置100の利用時にプレイヤカードから該識別情報の取得を可能な態様とし、評価結果の記録については、該識別情報の取得を条件として行われる構成としてもよい。この場合、評価結果に関連付けられるプレイヤ名は、都度入力を受け付けずに、該識別情報、あるいは該識別情報に対応付けられてプレイヤサーバ等において管理されている情報を流用できる構成とすればよい。
[変形例2]
上述した実施形態及び変形例では、閲覧可能となる評価結果の情報はゲーム装置100に格納されるものとして説明したが、興趣性をより向上させるために、評価結果の情報を遠離したゲーム装置100においても閲覧可能な態様としてもよい。この場合、例えばランキングサーバ等の外部装置を設け、プレイヤ名が関連付けられた評価結果の情報が送信されて該ランキングサーバに記録され、該サーバに接続可能な各ゲーム装置100に対して共有されればよい。故に、評価結果の記録については、利用中のゲーム装置100とランキングサーバとの通信接続が確立していること、あるいは通信接続が可能な状態にあることを条件として行われるものとしてもよい。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。