JP6945280B2 - 障子及びその組付構造並びにその組付方法 - Google Patents
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Description
これらの障子を組み立てる場合には、上下框のそれぞれの端部と、左右縦框のそれぞれの端部とを当接させて四周を連続させるために、上下框及び/又は左右縦框のそれぞれの端部に切欠を加工したり、孔明加工を行っていた。
(1) 形材の切欠加工及び孔明加工は、手間のかかるもので、しかも精度よく加工するには熟練を要していた。
(2) (1)の課題は、形材の工場出荷時に、加工装置を用いて形材等の加工材の両端部分や中間部分の切欠や孔明け等の切削加工を行うことで解消できるが、その切削加工等に使用される加工装置は一般的に高額な工作機械であり、その設備投資を検討する必要があった。
(3) 工場出荷時に加工された形材が、建物の施工現場の開口部の寸法変更等により形材の寸法を短くする必要が生じた場合、その寸法を切断加工した後に、再び切欠き等を形成する必要があった。
前記内障子10は、図1乃至図7に図示されているように、形材の長手方向に交差する面(以下、交差面)22において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホール23が形成されている左縦框(召合框とも称する)20及び右縦框(戸先框とも称する)21と、形材の交差面32において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホール33が形成されている上横框(以下、上框とも称する)30及び下横框(以下、下框とも称する)31と、左右縦框20,21の各上端と上框30の各端部をそれぞれ接続する第1及び第2のコーナーブロック40,41と、左右縦框20,21の各下端と下框31の各端部をそれぞれ接続する第3及び第4のコーナーブロック42,43とを備えている。
なお、本書において詳述する本願発明の各障子に共通する構成は、共通する用語を用いると共に、各図において略同一に図示して詳細な説明は省略し、必要に応じて同一の符号で示すこととする。
前記差込片挿入部25の背面には、その長手方向に沿って前記第1のコーナーブロック40をネジ止めする前記タッピングホール23が形成されると共に、前記差込片挿入部25の自由端250の間にはガラス板5の端部50が挿入されるガラス板挿入スペース27が形成されている。
前記固定部34は、左右縦框20,21のガラス板挿入スペース部27に呑み込まれるように、前記戸車取付部37の基部から幅狭の段部となっている。
この取付ヒレ370は、戸車8に設けられているスライド片80を挟み込んで案内するもので、前記交差面32に臨んでいる。
よって、戸車8を取り付けるには、前記交差面32から戸車8のスライド片80を取付ヒレ370に沿って移動させて、スライド片80に形成されているストッパー81を前記交差面32に係止させ、この前記交差面32と第3のコーナーブロック42又は第4のコーナーブロック43でストッパー81を挟み込むようにすればよい。
なお、第3及び第4のコーナーブロック42,43には、ストッパー81を収容する凹部(図示なし)が形成されている。
なお、前記縦框固定部44には、固定板部441から延在されて、前記召合部24Aの上端をカバーするカバー板447が設けられている。
前記縦框固定部44は、前記第1のコーナーブロック40の縦框固定部44と同様に、ネジ孔440、固定板部441、側面442,443及び背面444、当接面445及びスリット446が形成されている。
前記上框固定部45は、前記第1のコーナーブロック40の上框固定部45と同様に、
差込片46、ネジ孔450及び突起451が形成されている。
なお、前記縦框固定部47には、固定板部471から延在されて、前記召合部24Aの下端をカバーするカバー板477が設けられており、さらに戸車8の調整用の孔478が形成されている。
前記縦框固定部47は、前記第3のコーナーブロック42の縦框固定部47と同様に、ネジ孔470、固定板部471、側面472,473及び背面474、当接面475及び溝476が形成されている。
前記下框固定部48は、前記第3のコーナーブロック42の下框固定部48と同様に、差込片46、ネジ孔480及び突起481が形成されている。
また、前記内障子10の左右縦框20,21、下框31及び第3及び第4のコーナーブロック42,43において、第3及び第4のコーナーブロック42,43の縦框固定部47と前記下框31の戸車取付部37の短手方向の幅は、上記各図に図示されているように略一致している。また前記固定部34は、左右縦框20,21のガラス板挿入スペース36に呑み込まれるように、前記戸車取付部37の基部から幅狭の段部となっている。
よって、第1乃至第4のコーナーブロック40〜43を用いて、左右縦框20,21及び上下框30,31を組付けた場合、例えば前記内障子10の右縦框21、上框30及び第2のコーナーブロック41の組付状態を図示した図10のように、各組付個所は、略面一となり、凹凸が形成されずに、従来の上下框と縦框との接合構造とは異なったシンプルな形態となっている。
これらの前記外障子11において、召合框を構成する右縦框21に、内障子10の左縦框20の係合片260と係合する係合片(煙返し)263が形成されていること、これに対応して第2のコーナーブロック41及び第4のコーナーブロック43の各側面442,473が形成されていること、前記左縦框20には、前記係合部26が形成されていないこと等が主な相違点となっており、その他は内障子の左右縦框20,21、上下框30,31、第1、第2、第3及び第4のコーナーブロック40〜43と略同様に構成されている。
かかる構成において、図15のようにガラス板挿入スペース27にはグレチャンを介してガラス板5の端部50が固定されているが、強風時の風圧等によりガラス板5が変位して、左右縦框20,21からガラス板5が外れてしまうケースの対処も必要である。
そこで、図15のようにガラス板5の端部50の変位を防ぐことができる保持部材9を差込片挿入部25に配置してもよい。
この保持部材9は、差込片挿入部25に沿うように長尺状のものでもよいし、ピース材としてもよい。
そこで、図16(1)のように、ガラス板挿入スペース27を拡大させるような外力に対して、これを規制できる金具90を差込片挿入部25に配置(自由端250の折返片251に係止)してもよい。
この規制金具90も差込片挿入部25に沿うように長尺状のものでもよいし、ピース材としてもよい。
また図16(2)のように、保持部材9と規制金具90を長手方向の交互に配置する等して併用してもよい。
(1) 前記交差面22において、その寸法のみが加工される左右縦框20,21と前記交差面32において、その寸法のみが加工される上下框30,31に対して、第1、第2、第3及び第4のコーナーブロック40,41,42,43を用いて、それぞれのタッピングホール23,33にネジ止めすればよいので、障子の組付けが容易であり、特別な熟練は不要となっている。
(2) 障子は、前記左右縦框20,21、前記上下框30,31及び第1、第2、第3及び第4のコーナーブロック40,41,42,43を備えているので、高額な加工装置を用いて形材等の加工材の両端部分や中間部分の切欠や孔明け等の切削加工を行う必要はなく、そのための設備投資は不要となる。
(3) 建物の施工現場の開口部の寸法変更等のために形材の寸法を短くする必要がある場合であっても、左右縦框20,21又は上下框30,31の寸法を切断加工すれば足り、切欠き等の再形成は不要である。
(4) 前記下框31に戸車8を取り付けるには、戸車8のスライド片80を取付ヒレ370に沿って移動させて、スライド片80に形成されているストッパー81を前記交差面32に係止させ、この前記交差面32と第3のコーナーブロック42又は第4のコーナーブロック43でストッパー81を挟み込むようにすればよいので、前記下框31に戸車8を取付けるための切欠の形成は不要となっている。
(5) 前記左縦框20、上框30及び第1のコーナーブロック40の組付個所、前記右縦框21、上框30及び第2のコーナーブロック40の組付個所、前記左縦框20と下框31及び第3のコーナーブロック42の組付個所及び前記右縦框21、下框31、第4のコーナーブロック43の組付個所は、それぞれ略面一となり、従来の上框と縦框との接合構造とは異なる形態となっている。
前記左縦框20と上框30とが第1のコーナーブロック40により接続され、前記右縦框21と上框30とが第2のコーナーブロック41により接続され、前記左縦框20と下框31とが第3のコーナーブロック42により接続され、前記右縦框21と下框31とが第4のコーナーブロック43により接続されている構造となっている。
A 形材を加工する。
左右の縦框20,21として、形材の寸法のみを加工し、また上下の横框30,31として、形材の寸法のみを加工する。
B 第1乃至第4のコーナーブロック40〜43を用いて左右縦框20,21及び上下框30,31を固定する。
即ち、前記交差面32に、第2のコーナーブロック41の当接面445及び差込片46を当接させつつ、ネジ孔450を介してタッピングホール33にネジ固定する(図17(1))。
また、縦框21のガラス板挿入スペース27に、上框30の固定部34を呑み込ませつつ、縦框固定部44のネジ孔440を介して、タッピングホール23にネジ固定する(図17(2)及び(3))。
(6) 障子を構成する上下框30,31、左右縦框20,21等の工場出荷時には、それぞれの端部の切欠加工や孔明加工の工程を省略できる。
(7) また、施工現場において開口部1の寸法変更等が発生しても、上下框30,31及び/又は左右縦框20,21のそれぞれの端部の切欠加工や孔明加工の工程を省略できる。
例えば、内外障子10,11以外の障子、また障子以外の建具において、上述の発明が解決しようとする課題を抱えている場合に、本発明に係る障子と同様な構成を採用することにより、同課題を解決することができる。
10 内障子
11 外障子
20 左縦框 21 右縦框
22 交差面 23 タッピングホール
24 框本体 24A 召合部
25 差込片挿入部
250 自由端 251 折返片
26 係合部
260 係合片 261 取付片
262 取付片 263 係合片
27 ガラス板挿入スペース 28 中空部
29 クレセント
30 上框 31 下框
32 交差面 33 タッピングホール
34 固定部 35 スライド部
36 ガラス板挿入スペース
37 戸車取付部
370 取付ヒレ
40 第1のコーナーブロック 41 第2のコーナーブロック
42 第3のコーナーブロック 43 第4のコーナーブロック
44 縦框固定部
440 ネジ孔 441 固定板部
442 443 側面 444 背面
445 当接面 446 スリット
447 カバー板
45 上框固定部
450 ネジ孔 451 突起
46 差込片
47 縦框固定部
470 ネジ孔 471 固定板部
472 473 側面 474 背面
475 当接面 476 溝
477 カバー板 478 調整用孔
48 下框固定部 480 ネジ孔
481 突起
5 ガラス板
50 端部
6 ガイド
7 レール
8 戸車
80 スライド片 81 ストッパー
9 保持部材
90 規制金具
Claims (7)
- 左右の縦框と、上下の横框と、上横框と左右縦框を接続する各コーナーブロックと、下横框と左右縦框を接続する各コーナーブロックとを備え、
前記左右縦框は、当該左右縦框を構成する形材を長手方向に交差する面で切断加工した面を、長手方向両端に有し、
前記上下横框は、当該上下横框を構成する形材を長手方向に交差する面で切断加工した面を、長手方向両端に有し、
組付け状態において、前記左右縦框の長手方向端部が横框に接触し、
組付け状態において、前記左右縦框の長手方向両端がいずれかのコーナーブロックに当接し、
組付け状態において、前記上下横框の長手方向両端がいずれかのコーナーブロックに当接している障子。 - 前記上下横框には、それぞれ左右縦框に呑み込まれる段部が、その長手方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の障子。
- 前記下横框には、戸車に設けられているスライド片をスライドさせる取付ヒレが、その長手方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の障子。
- 前記左右縦框には、障子に固定されるガラスの端部を保持する保持部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の障子。
- 前記左右縦框には、その自由端が広がることを防止する規制金具が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の障子。
- 左右縦框と、上横框とが各コーナーブロックにより接続され、前記左右縦框と下横框とが各コーナーブロックにより接続され、
前記左右縦框は、当該左右縦框を構成する形材を長手方向に交差する面で切断加工した面を、長手方向両端に有し、
前記上下横框は、当該上下横框を構成する形材を長手方向に交差する面で切断加工した面を、長手方向両端に有し、
組付け状態において、前記左右縦框の長手方向端部が横框に接触し、
組付け状態において、前記左右縦框の長手方向両端がいずれかのコーナーブロックに当接し、
組付け状態において、前記上下横框の長手方向両端がいずれかのコーナーブロックに当接していることを特徴とする障子の組付構造。 - 左右縦框として、当該左右縦框を構成する形材を長手方向に交差する面で切断加工し、
上下横框として、当該上下横框を構成する形材を長手方向に交差する面で切断加工し、
上横框にコーナーブロックを固定すると共にそのコーナーブロックに左右の縦框を固定し、又は、下横框にコーナーブロックを固定すると共にそのコーナーブロックに左右の縦框を固定し、
組付け状態において、前記左右縦框の長手方向端部が横框に接触し、
組付け状態において、前記左右縦框の長手方向両端がいずれかのコーナーブロックに当接し、
組付け状態において、前記上下横框の長手方向両端がいずれかのコーナーブロックに当接していることを特徴とする障子の組付方法。
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