JP6849335B2 - 障子及びその組付構造並びにその組付方法 - Google Patents

障子及びその組付構造並びにその組付方法 Download PDF

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本願発明は、建物の開口部に配置される障子及びその組付構造並びにその組付方法に関する。
建物の開口部の内外に配置される内外障子は、それぞれ上下框、左右縦框及びこれらの框に固定されるガラス板等から構成される。
これらの障子を組み立てる場合には、上下框のそれぞれの端部と、左右縦框のそれぞれの端部とを当接させて四周を連続させるために、上下框及び/又は左右縦框のそれぞれの端部に切欠を加工したり、孔明加工を行っていた。
例えば、特許文献1では「前記召合せ框5は第2図に示すように・・・室内側板10と室外側板11と内側板12と外側板13で中空部14と内向凹部15を有し・・・内側板12と外側板13の上下端側に切欠き17,18がそれぞれ形成され・・・」の記載が見られ(同文献第2頁第3欄第10行〜第13行)、第1図には前記召合せ框5の切欠き17が図示されている。
また、同文献には、「第2図に示すように召合せ框5の内向凹部15内に横框7の端部を嵌合してビス等で連結され・・・」の記載が見られ(同文献第2頁第3欄下から第2行〜第1行)、第1図及び第4図等には、前記召合せ框5の室内側板10と室外側板11に、前記横框7を呑み込むための切欠き(符号なし)が図示されている。
実公平7−38626号公報
このような従来例の障子の構成及びこれに対応する組付構造及び組付方法の課題を列挙すれば次の通りである。
(1) 形材の切欠加工及び孔明加工は、手間のかかるもので、しかも精度よく加工するには熟練を要していた。
(2) (1)の課題は、形材の工場生産時に、加工装置を用いて形材等の加工材の両端部分の切欠や孔明け等の切削加工を行うことで解消できるが、その切削加工等に使用される加工装置は一般的に高額な工作機械であり、その設備投資を検討する必要があった。
(3) 工場生産時に加工された形材が、建物の施工現場における開口部の寸法変更等により形材の寸法を短くする必要が生じた場合、その寸法を切断加工した後に、再び切欠き等を形成する必要があった。
そこで、本願発明は、形材の切欠加工及び孔明加工が不要であり、障子の組付けに、熟練を要することなく、また、形材の加工装置は、形材の切断の仕様のみとし、切削加工や孔明加工のための高価な加工装置のための設備投資を不必要として、さらに建物の施工現場において、開口部の寸法変更等により形材の寸法を短くする必要が生じた場合、その寸法を切断加工するのみで足り、再び切欠き等を形成する必要がない障子、その組付構造及び組付方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、形材の長手方向に交差する面において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホールが形成されている左右縦框と、形材の長手方向に交差する面において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホールが形成されている上下框と、前記左右縦框と前記上框をそれぞれ接続する各コーナーブロックと、前記左右縦框と前記下框をそれぞれ接続する各コーナーブロックとを備え、前記左右縦框と下框を接続するコーナーブロックに、前記下框の端部を呑み込む呑込部を形成し、前記呑込部に排水構造を設けている障子とした(請求項1に記載の発明)。
なお、前記形材の長手方向に交差する面は、交差面と記述する場合がある。
前記各コーナーブロックと前記左右縦框の交差面の間には、フサギ材が設けられていることを特徴とする障子とした(請求項2に記載の発明)。
前記フサギ材の少なくとも一面に水密材を備えることを特徴とする障子とした(請求項3に記載の発明)。
上記課題を解決するため、形材の長手方向に交差する面において形材の寸法のみが加工された左右縦框と、形材の長手方向に交差する面においてその寸法のみが加工された上横框の両端が各コーナーブロックにより接続され、前記左右縦框と形材の長手方向に交差する面においてその寸法のみが加工された下横框の両端が各コーナーブロックにより接続されており、前記左右縦框と下框を接続するコーナーブロックに、前記下框の端部を呑み込む呑込部を形成し、前記呑込部に排水構造を設けることを特徴とする障子の組付構造とした(請求項に記載の発明)。
上記課題を解決するため、左右の縦框として、形材の長手方向に交差する面において形材の寸法のみを加工し、上下の横框として、形材の長手方向に交差する面において形材の寸法のみを加工し、前記左右の縦框に各コーナーブロックを固定すると共に前記各コーナーブロックに前記上横框を固定し、又は、前記左右の縦框に各コーナーブロックを固定すると共に前記各コーナーブロックに前記下横框を固定し、前記左右縦框と下框を接続するコーナーブロックに、前記下框の端部を呑み込む呑込部を形成し、前記呑込部に排水構造が設けられていることを特徴とする障子の組付方法とした(請求項に記載の発明)。
本願発明によれば、形材の切欠加工及び孔明加工が不要であり、障子の組付けに、熟練を要することなく、また、形材の加工装置は、形材の切断の仕様のみとし、切削加工や孔明加工のための高価な加工装置のための設備投資を不必要として、さらに建物の施工現場において、開口部の寸法変更等により形材の寸法を短くする必要が生じた場合、その寸法を切断加工するのみで足り、再び切欠き等を形成する必要がない障子、その組付構造及び組付方法を提供することができる。
内外障子の中央横断面図、 同中央縦断面図、 内障子を左右縦框、上下框、フサギ材及び各コーナーブロックに分解した場合の斜視図、 内外障子の各コーナーブロックに対する上下框の組付図、 内障子の要部の組付図、 内障子の図4に示したA−A線矢視組付図、 コーナーブロックに設けられた排水ブロックの正面図、平面図及び側面図並びに排水ブロックの作用を説明する説明図、 コーナーブロックに排水ブロックを設けた場合の障子の組付方法を示す手順図である。
本願発明に係る障子は、例えば、建物の開口部(サッシ枠)1の室内側に配置される内障子10と、室外側に配置される外障子11からなる。
前記内障子10は、図1乃至図3に図示されているように、形材としてのアルミ押出形材の長手方向に交差する面(以下、交差面)22において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホール23が形成されている左縦框(召合框とも称する)20及び右縦框(戸先框とも称する)21と、前記形材の交差面32において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホール33が形成されている上横框(以下、上框とも称する)30及び下横框(以下、下框とも称する)31と、左右縦框20,21の各上端と上框30の各端部をそれぞれ接続する第1及び第2のコーナーブロック40,41と、左右縦框20,21の各下端と下框31の各端部をそれぞれ接続する第3及び第4のコーナーブロック42,43と、左右縦框20,21の前記各交差面22と第1及び第2のコーナーブロック40,41間に配置されている第1及び第2のフサギ材50,51と、左右縦框20,21の前記各交差面22と第3及び第4のコーナーブロック42,43間に配置されている第3及び第4のフサギ材52,53を備えている。
前記開口部1に取付けられる寸法に切断された前記左右縦框20,21及び上下框30,31は、その後、切欠やネジ孔が形成されることはなく、これらの切欠やネジ孔は、図1乃至図8には図示されていない。
なお、本書において詳述する本願発明の各障子に共通する構成は、共通する用語を用いると共に、各図において略同一に図示して詳細な説明は省略し、必要に応じて同一の符号で示すこととする。
前記左縦框20は、図1のように、ガラス板6の端部60を取付けるガラス板挿入部24と、その外側に前記タッピングホール23を設けた中空部25が形材の長手方向に沿って形成されている。
前記中空部25の外側には、クレセント26を取付るための取付片260と、前記外障子11と係合させる係合片261(煙返し)が形成されている。
これらのガラス板挿入部24、中空部25、取付片260及び係合片261は、形材の長手方向に対し略直角に交差する面によって形成される交差面22において、それらの断面が臨まれる。
前記ガラス板挿入部24は、後述の右縦框21、上下框30,31の各ガラス板挿入部と共に、ガラス周りに取付けられたグレチャンGを介してガラス端部60が固定されている。
前記中空部25に形成されている前記タッピングホール23は、この左縦框20を第1及び第3のコーナーブロック40,42に固定するためのネジを止着させるもので、2条に形成されている。この2条のタッピングホール23は、ガラス板6の端部60の中心線Lに対して、それぞれ略等距離「a」及び「b」に位置されている。
前記左縦框20の交差面22と前記第1のコーナーブロック(以下、第1コーナーブロック又は単にコーナーブロックとも称する。第2のコーナーブロック乃至第4のコーナーブロックにおいても同様とする)40の間には、前記第1のコーナーブロック40に前記左縦框20を固定する場合の「座」となる第1のフサギ材(以下、第1フサギ材又は単にフサギとも称する。第2のフサギ材乃至第4のフサギ材においても同様とする)50が配置されている。同様に前記左縦框20の交差面22と前記第3コーナーブロック42の間には第3フサギ材52が配置されるが、これらのフサギ材50,52に設けられる固定用のネジ孔と、前記左縦框20の固定用のネジ孔とを適正に配置するために、略等距離「a」及び「b」に配置することが望ましい。
これらの構成は、前記右縦框21の交差面22と前記第2コーナーブロック41間の第2フサギ材51及び前記交差面22と前記第4コーナーブロック43間の第4フサギ材53との関係においても同様である。
前記左縦框20は上記のように形成され、その交差面22が含まれる左縦框20の上下の端部において、切欠やネジ孔が形成されることはない。
前記右縦框21には、前記ガラス6の端部60を取付けるガラス板挿入部24と、その外側に前記タッピングホール23が形成されている2つの中空部27及び中空部28が形材の長手方向に形成されていて、前記交差面22にこれらのガラス板挿入部24、中空部27及び中空部28の断面が臨まれる。
前記右縦框21の前記タッピングホール23は、この右縦框21を第2及び第4のコーナーブロック41,43に固定するためのネジを止着させるものである。
前記右縦框21は上記のように形成され、その交差面22が含まれる右縦框21の端部において、切欠やネジ孔が形成されることはない。
前記上框30は、前記タッピングホール33が形成されていると共に前記ガラス板6の端部60を取付けるガラス板挿入部34と、開口部1であるサッシ枠の上枠に形成された障子スライド用のガイド7にスライドさせるスライド部35が、形材の長手方向に形成されており、前記上框30の両端の前記交差面32において、それぞれガラス板挿入部34とスライド部35の各断面が臨まれる。
前記タッピングホール33は、前記第1のコーナーブロック40及び前記第2のコーナーブロック41をネジ止めするために用いられる。
前記上框30のガラス板挿入部34及びスライド部35には、その交差面32が含まる端部において、切欠やネジ孔が加工されることはない。
前記下框31には、前記第3のコーナーブロック42及び前記第4のコーナーブロック43のネジ止用の前記タッピングホール33が形成され、且つ、前記ガラス板6の端部60を取付けるガラス板挿入部34と、前記タッピングホール33の裏面側に形成されている中空部36と、開口部1であるサッシ枠の下枠に形成されている障子スライド用のレール8に走行させる戸車80を取付ける戸車取付部37とが形材の長手方向に形成されている。
前記戸車取付部37には、図3及び図5に図示するように、その長手方向に戸車取付用の取付ヒレ370が形成されている。
この取付ヒレ370は、戸車80に設けられているスライド片81を挟み込んで案内するもので、前記交差面32に臨んでいる。
よって、戸車80を取付けるには、前記交差面32から戸車80のスライド片81を取付ヒレ370に沿って移動させて、スライド片81に形成されているストッパー82を前記交差面32に係止させ、この交差面32と第3のコーナーブロック42又は第4のコーナーブロック43でストッパー82を挟み込むようにすればよい。
なお、第3及び第4のコーナーブロック42,43には、ストッパー82を収容する凹部(図示なし)が形成されている。
前記下框31の交差面32が含まれる端部において、切欠やネジ孔が加工されることはない。
前記各コーナーブロック40〜43は、前記左右縦框20,21及び上下框30,31を固定して四周を連続させるもので、例えばダイカスト等で成形されたアルミ合金製であり、前記左右縦框20,21及び上下框30,31と同一の色調となっている。
前記第1のコーナーブロック40は、図3等に図示したように、前記左縦框20を固定する縦框固定部44と、前記上框30を固定する上框固定部45からなる。
前記縦框固定部44は、その断面の形状が前記左縦框20の交差面22の形状に略一致する輪郭部440と、前記左縦框20の中空部25の長手方向に連続するように形成される中空部441を備えている(図4参照)。
その中空部441には、ネジ固定部442が形成されており、このネジ固定部442により、前記第1のフサギ材50が止着される。
前記上框固定部45は、前記中空部441等の一部(図4の破線部)を省くことで、上框30の端部を呑み込む呑込部450と、前記輪郭部440に形成される溝451と、前記呑込部450に呑み込まれる上框30を固定するためのネジ孔452が形成されている。
前記溝451に固定される樹脂製の振れ止めに設けられたスリット(図示なし)により、前記スライド部35の幅内で前記ガイド7に沿って移動する内障子10の揺れ防止が図られる。
第2のコーナーブロック41は、前記右縦框21を固定する縦框固定部44と、前記上框30を固定する上框固定部45からなり、前記縦框固定部44は、前記第1のコーナーブロック40の縦框固定部44と同様に、輪郭部440と中空部441を備えている。
また前記上框固定部45は、前記第1のコーナーブロック40の上框固定部45と同様に、呑込部450、溝451及びネジ孔452が形成されている。
第3のコーナーブロック42は、図3のように、前記左縦框20を固定する縦框固定部47と、前記下框31を固定する下框固定部48からなる。
前記縦框固定部47は、その断面の形状が、前記左縦框20の交差面22の形状に略一致する輪郭部470と、前記左縦框20の中空部25の長手方向に連続するように形成される中空部471を備えている。
その中空部471には、ネジ固定部472が形成されており、このネジ固定部472により、前記第3のフサギ材52がネジ固定される。
下框固定部48は、前記中空部471等の一部(図4の破線部)を省いて下框31の端部を呑み込む呑込部480と、この呑込部480に呑み込まれる下框31を固定するためのネジ孔481と、後述の排水ブロック9を固定するためのネジ孔482と、戸車80の調整用の孔483と、溝484が形成されている。
第4のコーナーブロック43は、図3のように前記右縦框21を固定する縦框固定部47と、前記下框31を固定する下框固定部48からなる。
前記縦框固定部47は、前記第3のコーナーブロック42の縦框固定部47と同様に、下框固定部48は、前記第3のコーナーブロック42の下框固定部48と同様に構成されている。
前記第3及び第4のコーナーブロック42,43の各呑込部480には、下框31の端部のみを呑み込ませてもよいが、雨水等に対する防水対策が必要な場所に配置される障子には、前記下框31の交差面32と前記呑込部480の壁面(前記輪郭部470の開口部1側の内壁面)との間に前記排水ブロック9を配置する。
前記排水ブロック9は、図7に図示されているように前記ネジ孔482を介して、各コーナーブロック42,43に固定されるもので、前記呑込部480に挿入するように形成された側板90,91と、側板90,91間に形成される上棚板92と下棚板93からなり、前記上棚板92及び下棚板93にはそれぞれ水抜き孔94が形成されている。
なお、前記下棚板93には、前記ネジ穴482に対応するネジ固定部95が形成されている。
前記排水ブロック9が前記各コーナーブロック42,43に固定された場合に、前記下框31の交差面32のガラス板挿入部34の底面38から、前記上棚板92に対して段差が形成されるようになっている。
前記排水ブロック9の作用効果を図7に基づいて説明する。
前記左右縦框20,21の各ガラス板挿入部24及び前記上下框30,31の各ガラス板挿入部34のグレチャンGの回りから侵入する雨水は、前記下框31のガラス板挿入部34の底面38を流下して、その端部の交差面32から前記排水ブロック9の上棚板92及び下棚部93の水抜き孔94に落下し、開口部1あるサッシ枠の下枠から室外側に排水される。
上述のように雨水等に対する防水対策が必要な場合には、排水ブロック9を各呑込部480に配置して、前記下框31の交差面32に当接させればよく、前記左右縦框20,21及び前記下框31には、排水構造のための特別な切欠き等の加工は不要となっている。
前記排水ブロック9は前記コーナーブロック42等とは別体に構成されて、排水構造が形成されているが、排水ブロック9と第3のコーナーブロック42等を一体化したダイカスト成型等によって排水構造を形成してもよい。なお、その場合は、ネジ固定部95を形成する必要はない。
前記各フサギ材50〜53は、前記左右縦框20,21を前記各コーナーブロック40〜43に固定する場合の「座」となるもので、それぞれ前記交差面22の断面形状と略同一の平板状に形成されると共に、前記各コーナーブロック40〜43にネジ固定するためのネジ孔54と、前記左右縦框20,21を固定するために、前記タッピングホール23に対応するネジ孔55が形成されている。
前記交差面22に当接する前記各フサギ材50〜53の表面側に前記左右縦框20,21の内周面に沿って立ち上がるヒレを設けてもよく、これにより前記左右縦框20,21と前記各コーナーブロック40〜43の接続の強度を高めることができる。
前記各フサギ材50〜53は、ダイカスト成型や溶接等によって前記各コーナーブロック40〜43に一体化して、前記輪郭部440,470を塞ぐフサギ部に形成してもよい。
なお、その場合は、各コーナーブロック40〜43にネジ固定部442,472を形成する必要はない。よって、固定ネジのネジ固定部442,472に対する掛かり寸法が不要となるため、交差面22に各フサギ材50〜53を固定する高さ位置を、上下框30,31のガラス板挿入部34側端部と同一の高さ位置まで、自由に設定することができる。
これらの前記フサギ材50〜53の表面(左右縦框20,21側)及び裏面(各コーナーブロック40〜43側)の両面に水密材(図示せず)を配置することが望ましい。
水密材は弾性を備えた素材(例えばブチルゴム)により構成され、各コーナーブロック40〜43に各フサギ材50〜53と各縦框20,21を固定するネジで締め付けることによって、防水機能が発揮されるもので、それぞれ前記各フサギ材50〜53の表面及び裏面の形状と略同一に成形されている。なお、各フザギ材50〜53を各コーナーブロック40〜43と一体化した場合は、各フサギ材50〜53の裏面の水密材は不要である。
前記外障子11は、図1及び図2に図示されているように、形材の交差面22において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホール23が形成されている左右縦框20,21と、形材の交差面32において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホール33が形成されている上下框30,31と、左右縦框20,21の各上端と上框30の各端部をそれぞれ接続する第1及び第2のコーナーブロック40,41と、左右縦框20,21の各下端と下框31の各端部をそれぞれ接続する第3及び第4のコーナーブロック42,43とを備えている。
これらの前記外障子11において、召合框を構成する右縦框21に、内障子10の左縦框20の係合片261と係合する係合片(煙返し)262が形成されていること等が主な相違点となっており、その他は内障子10の左右縦框20,21、上下框30,31、各コーナーブロック40〜43、各フサギ材50〜53と略同様に構成されている。
以上のような構成を備えた障子の作用効果は、次の通りである。
(1) 前記交差面22において、その寸法のみが加工される左右縦框20,21と前記交差面32において、その寸法のみが加工される上下框30,31に対して、第1、第2、第3及び第4のコーナーブロック40,41、42,43を用いて、それぞれのタッピングホール23,33にネジ止めすればよいので、障子の組付けが容易であり、特別な熟練は不要となっている。
(2) 障子は、前記左右縦框20,21、前記上下框30,31及び第1、第2、第3及び第4のコーナーブロック40,41、42,43を備えているので、高額な加工装置を用いて形材等の加工材の両端部分の切欠や孔明け等の切削加工を行う必要はなく、そのための設備投資は不要となる。
(3) 建物の施工現場の開口部の寸法変更等のために形材の寸法を短くする必要がある場合であっても、左右縦框20,21又は上下框30,31の寸法を切断加工すれば足り、切欠き等の再形成は不要である。
(4) 前記下框31に戸車80を取付けるには、戸車80のスライド片81を取付ヒレ370に沿って移動させて、スライド片81に形成されているストッパー82を前記交差面32に係止させ、この前記交差面32と第3のコーナーブロック42又は第4のコーナーブロック43でストッパー82を挟み込むようにすればよいので、前記下框31に戸車80を取付けるための切欠の形成は不要となっている。
(5) 雨水等に対する防水対策が必要な障子に関しては、排水ブロック9を各呑込部480に配置して、前記下框31の交差面32に当接させればよく、前記左右縦框20,21及び前記下框31には、排水構造のための特別な切欠き等の加工は不要となっている。
以上のような構成を備えた障子による組付構造は、次の通りである。
前記左縦框20と上框30とが第1のコーナーブロック40により接続され、前記右縦框21と上框30とが第2のコーナーブロック41により接続され、前記左縦框20と下框31とが第3のコーナーブロック42により接続され、前記右縦框21と下框31とが第4のコーナーブロック43により接続されている構造となっている。
以上のように構成された障子の組付方法は、次のようである。
A 形材を加工する。
左右の縦框20,21として、形材の寸法のみを加工し、また上下の横框30,31として、形材の寸法のみを加工する。
B 第1乃至第4のコーナーブロック40〜43を用いて左右縦框20,21及び上下框30,31を固定する。
即ち、各コーナーブロック40〜43の前記縦框固定部44,47に固定された前記フサギ材50〜53を介して、左右縦框20,21を前記縦框固定部44,47に固定する。
次に、各コーナーブロック40〜43の上框固定部45に上框30を固定し、下框固定部48に下框31を固定する。
前記排水ブロック9を取付る場合は、図8に図示した手順による。
上記「B」のように、前記縦框固定部44,47に固定された前記フサギ材50〜53を介して、左右縦框20,21を各コーナーブロック40〜43の前記縦框固定部44,47に固定する。
次に、前記コーナーブロック42,43の呑込部480に前記排水ブロック9を挿入して、ネジ固定する。
最後に各コーナーブロック40〜43の上框固定部45及び下框固定部48に対して、上下框30,31を固定する。
以上のような組付方法の効果は、次の通りである。
(6) 障子を構成する上下框30,31、左右縦框20,21等の工場生産時には、それぞれの端部の切欠加工や孔明加工の工程を省略できる。
(7) また、施工現場において開口部1の寸法変更等が発生しても、上下框30,31及び/又は左右縦框20,21のそれぞれの端部の切欠加工や孔明加工の工程を省略できる。
(8) 障子に雨水等に対する防水対策が必要な場合には、排水ブロック9を各呑込部480に配置して固定すればよく、上下框30,31及び/又は左右縦框20,21のそれぞれの端部においては、排水構造のための特別な切欠き等の加工は不要となっている。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において、通常の知識を有する者により可能である。
例えば、内外障子10,11以外の障子、また障子以外の建具において、上述の発明が解決しようとする課題を抱えている場合に、本発明に係る障子と同様な構成を採用することにより、同課題を解決することができる。
1 建物の開口部
10 内障子
11 外障子
20 左縦框 21 右縦框
22 交差面 23 タッピングホール
24 ガラス板挿入部 25 27 28 中空部
26 クレセント
260 取付片 261 262 係合片

30 上框 31 下框
32 交差面 33 タッピングホール
34 ガラス板挿入部 35 スライド部
36 中空部 37 戸車取付部
370 取付ヒレ 38 底面

40 第1のコーナーブロック 41 第2のコーナーブロック
42 第3のコーナーブロック 43 第4のコーナーブロック
44 縦框固定部
440 輪郭部 441 中空部
442 ネジ固定部

45 上框固定部
450 呑込部 451 溝
452 ネジ孔

47 縦框固定部
470 輪郭部 471 中空部
472 ネジ固定部
48 下框固定部
480 呑込部 481 482 ネジ孔
483 調整用孔 484 溝

50 第1のフサギ材 51 第2のフサギ材
52 第3のフサギ材 53 第4のフサギ材
54 55 ネジ孔
6 ガラス板 60 端部

7 ガイド 8 レール
80 戸車 81 スライド片
82 ストッパー

9 排水ブロック
90 91 側板 92 上棚板
93 下棚板 94 水抜き孔
95 ネジ固定部

Claims (5)

  1. 形材の長手方向に交差する面において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホールが形成されている左右縦框と、
    形材の長手方向に交差する面において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホールが形成されている上下框と、
    前記左右縦框と前記上框をそれぞれ接続する各コーナーブロックと、前記左右縦框と前記下框をそれぞれ接続する各コーナーブロックとを備え
    前記左右縦框と下框を接続するコーナーブロックに、前記下框の端部を呑み込む呑込部を形成し、
    前記呑込部に排水構造を設けている障子。
  2. 前記各コーナーブロックと前記左右縦框の交差面の間には、フサギ材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の障子。
  3. 前記フサギ材の少なくとも一面に水密材を備えることを特徴とする請求項2に記載の障子。
  4. 形材の長手方向に交差する面において形材の寸法のみが加工された左右縦框と、形材の長手方向に交差する面においてその寸法のみが加工された上横框の両端が各コーナーブロックにより接続され、前記左右縦框と形材の長手方向に交差する面においてその寸法のみが加工された下横框の両端が各コーナーブロックにより接続されており、
    前記左右縦框と下框を接続するコーナーブロックに、前記下框の端部を呑み込む呑込部を形成し、
    前記呑込部に排水構造を設けることを特徴とする障子の組付構造。
  5. 左右の縦框として、形材の長手方向に交差する面において形材の寸法のみを加工し、
    上下の横框として、形材の長手方向に交差する面において形材の寸法のみを加工し、
    前記左右の縦框に各コーナーブロックを固定すると共に前記各コーナーブロックに前記上横框を固定し、又は、前記左右の縦框に各コーナーブロックを固定すると共に前記各コーナーブロックに前記下横框を固定し、
    前記左右縦框と下框を接続するコーナーブロックに、前記下框の端部を呑み込む呑込部を形成し、
    前記呑込部に排水構造が設けられていることを特徴とする障子の組付方法。
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