JP6849335B2 - 障子及びその組付構造並びにその組付方法 - Google Patents
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Description
これらの障子を組み立てる場合には、上下框のそれぞれの端部と、左右縦框のそれぞれの端部とを当接させて四周を連続させるために、上下框及び/又は左右縦框のそれぞれの端部に切欠を加工したり、孔明加工を行っていた。
また、同文献には、「第2図に示すように召合せ框5の内向凹部15内に横框7の端部を嵌合してビス等で連結され・・・」の記載が見られ(同文献第2頁第3欄下から第2行〜第1行)、第1図及び第4図等には、前記召合せ框5の室内側板10と室外側板11に、前記横框7を呑み込むための切欠き(符号なし)が図示されている。
(1) 形材の切欠加工及び孔明加工は、手間のかかるもので、しかも精度よく加工するには熟練を要していた。
(2) (1)の課題は、形材の工場生産時に、加工装置を用いて形材等の加工材の両端部分の切欠や孔明け等の切削加工を行うことで解消できるが、その切削加工等に使用される加工装置は一般的に高額な工作機械であり、その設備投資を検討する必要があった。
(3) 工場生産時に加工された形材が、建物の施工現場における開口部の寸法変更等により形材の寸法を短くする必要が生じた場合、その寸法を切断加工した後に、再び切欠き等を形成する必要があった。
なお、前記形材の長手方向に交差する面は、交差面と記述する場合がある。
前記内障子10は、図1乃至図3に図示されているように、形材としてのアルミ押出形材の長手方向に交差する面(以下、交差面)22において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホール23が形成されている左縦框(召合框とも称する)20及び右縦框(戸先框とも称する)21と、前記形材の交差面32において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホール33が形成されている上横框(以下、上框とも称する)30及び下横框(以下、下框とも称する)31と、左右縦框20,21の各上端と上框30の各端部をそれぞれ接続する第1及び第2のコーナーブロック40,41と、左右縦框20,21の各下端と下框31の各端部をそれぞれ接続する第3及び第4のコーナーブロック42,43と、左右縦框20,21の前記各交差面22と第1及び第2のコーナーブロック40,41間に配置されている第1及び第2のフサギ材50,51と、左右縦框20,21の前記各交差面22と第3及び第4のコーナーブロック42,43間に配置されている第3及び第4のフサギ材52,53を備えている。
なお、本書において詳述する本願発明の各障子に共通する構成は、共通する用語を用いると共に、各図において略同一に図示して詳細な説明は省略し、必要に応じて同一の符号で示すこととする。
これらのガラス板挿入部24、中空部25、取付片260及び係合片261は、形材の長手方向に対し略直角に交差する面によって形成される交差面22において、それらの断面が臨まれる。
前記左縦框20の交差面22と前記第1のコーナーブロック(以下、第1コーナーブロック又は単にコーナーブロックとも称する。第2のコーナーブロック乃至第4のコーナーブロックにおいても同様とする)40の間には、前記第1のコーナーブロック40に前記左縦框20を固定する場合の「座」となる第1のフサギ材(以下、第1フサギ材又は単にフサギとも称する。第2のフサギ材乃至第4のフサギ材においても同様とする)50が配置されている。同様に前記左縦框20の交差面22と前記第3コーナーブロック42の間には第3フサギ材52が配置されるが、これらのフサギ材50,52に設けられる固定用のネジ孔と、前記左縦框20の固定用のネジ孔とを適正に配置するために、略等距離「a」及び「b」に配置することが望ましい。
これらの構成は、前記右縦框21の交差面22と前記第2コーナーブロック41間の第2フサギ材51及び前記交差面22と前記第4コーナーブロック43間の第4フサギ材53との関係においても同様である。
この取付ヒレ370は、戸車80に設けられているスライド片81を挟み込んで案内するもので、前記交差面32に臨んでいる。
よって、戸車80を取付けるには、前記交差面32から戸車80のスライド片81を取付ヒレ370に沿って移動させて、スライド片81に形成されているストッパー82を前記交差面32に係止させ、この交差面32と第3のコーナーブロック42又は第4のコーナーブロック43でストッパー82を挟み込むようにすればよい。
なお、第3及び第4のコーナーブロック42,43には、ストッパー82を収容する凹部(図示なし)が形成されている。
前記第1のコーナーブロック40は、図3等に図示したように、前記左縦框20を固定する縦框固定部44と、前記上框30を固定する上框固定部45からなる。
その中空部441には、ネジ固定部442が形成されており、このネジ固定部442により、前記第1のフサギ材50が止着される。
前記溝451に固定される樹脂製の振れ止めに設けられたスリット(図示なし)により、前記スライド部35の幅内で前記ガイド7に沿って移動する内障子10の揺れ防止が図られる。
また前記上框固定部45は、前記第1のコーナーブロック40の上框固定部45と同様に、呑込部450、溝451及びネジ孔452が形成されている。
その中空部471には、ネジ固定部472が形成されており、このネジ固定部472により、前記第3のフサギ材52がネジ固定される。
前記縦框固定部47は、前記第3のコーナーブロック42の縦框固定部47と同様に、下框固定部48は、前記第3のコーナーブロック42の下框固定部48と同様に構成されている。
なお、前記下棚板93には、前記ネジ穴482に対応するネジ固定部95が形成されている。
前記排水ブロック9が前記各コーナーブロック42,43に固定された場合に、前記下框31の交差面32のガラス板挿入部34の底面38から、前記上棚板92に対して段差が形成されるようになっている。
前記左右縦框20,21の各ガラス板挿入部24及び前記上下框30,31の各ガラス板挿入部34のグレチャンGの回りから侵入する雨水は、前記下框31のガラス板挿入部34の底面38を流下して、その端部の交差面32から前記排水ブロック9の上棚板92及び下棚部93の水抜き孔94に落下し、開口部1あるサッシ枠の下枠から室外側に排水される。
上述のように雨水等に対する防水対策が必要な場合には、排水ブロック9を各呑込部480に配置して、前記下框31の交差面32に当接させればよく、前記左右縦框20,21及び前記下框31には、排水構造のための特別な切欠き等の加工は不要となっている。
前記各フサギ材50〜53は、ダイカスト成型や溶接等によって前記各コーナーブロック40〜43に一体化して、前記輪郭部440,470を塞ぐフサギ部に形成してもよい。
なお、その場合は、各コーナーブロック40〜43にネジ固定部442,472を形成する必要はない。よって、固定ネジのネジ固定部442,472に対する掛かり寸法が不要となるため、交差面22に各フサギ材50〜53を固定する高さ位置を、上下框30,31のガラス板挿入部34側端部と同一の高さ位置まで、自由に設定することができる。
水密材は弾性を備えた素材(例えばブチルゴム)により構成され、各コーナーブロック40〜43に各フサギ材50〜53と各縦框20,21を固定するネジで締め付けることによって、防水機能が発揮されるもので、それぞれ前記各フサギ材50〜53の表面及び裏面の形状と略同一に成形されている。なお、各フザギ材50〜53を各コーナーブロック40〜43と一体化した場合は、各フサギ材50〜53の裏面の水密材は不要である。
これらの前記外障子11において、召合框を構成する右縦框21に、内障子10の左縦框20の係合片261と係合する係合片(煙返し)262が形成されていること等が主な相違点となっており、その他は内障子10の左右縦框20,21、上下框30,31、各コーナーブロック40〜43、各フサギ材50〜53と略同様に構成されている。
(1) 前記交差面22において、その寸法のみが加工される左右縦框20,21と前記交差面32において、その寸法のみが加工される上下框30,31に対して、第1、第2、第3及び第4のコーナーブロック40,41、42,43を用いて、それぞれのタッピングホール23,33にネジ止めすればよいので、障子の組付けが容易であり、特別な熟練は不要となっている。
(2) 障子は、前記左右縦框20,21、前記上下框30,31及び第1、第2、第3及び第4のコーナーブロック40,41、42,43を備えているので、高額な加工装置を用いて形材等の加工材の両端部分の切欠や孔明け等の切削加工を行う必要はなく、そのための設備投資は不要となる。
(3) 建物の施工現場の開口部の寸法変更等のために形材の寸法を短くする必要がある場合であっても、左右縦框20,21又は上下框30,31の寸法を切断加工すれば足り、切欠き等の再形成は不要である。
(4) 前記下框31に戸車80を取付けるには、戸車80のスライド片81を取付ヒレ370に沿って移動させて、スライド片81に形成されているストッパー82を前記交差面32に係止させ、この前記交差面32と第3のコーナーブロック42又は第4のコーナーブロック43でストッパー82を挟み込むようにすればよいので、前記下框31に戸車80を取付けるための切欠の形成は不要となっている。
(5) 雨水等に対する防水対策が必要な障子に関しては、排水ブロック9を各呑込部480に配置して、前記下框31の交差面32に当接させればよく、前記左右縦框20,21及び前記下框31には、排水構造のための特別な切欠き等の加工は不要となっている。
前記左縦框20と上框30とが第1のコーナーブロック40により接続され、前記右縦框21と上框30とが第2のコーナーブロック41により接続され、前記左縦框20と下框31とが第3のコーナーブロック42により接続され、前記右縦框21と下框31とが第4のコーナーブロック43により接続されている構造となっている。
A 形材を加工する。
左右の縦框20,21として、形材の寸法のみを加工し、また上下の横框30,31として、形材の寸法のみを加工する。
B 第1乃至第4のコーナーブロック40〜43を用いて左右縦框20,21及び上下框30,31を固定する。
即ち、各コーナーブロック40〜43の前記縦框固定部44,47に固定された前記フサギ材50〜53を介して、左右縦框20,21を前記縦框固定部44,47に固定する。
次に、各コーナーブロック40〜43の上框固定部45に上框30を固定し、下框固定部48に下框31を固定する。
上記「B」のように、前記縦框固定部44,47に固定された前記フサギ材50〜53を介して、左右縦框20,21を各コーナーブロック40〜43の前記縦框固定部44,47に固定する。
次に、前記コーナーブロック42,43の呑込部480に前記排水ブロック9を挿入して、ネジ固定する。
最後に各コーナーブロック40〜43の上框固定部45及び下框固定部48に対して、上下框30,31を固定する。
(6) 障子を構成する上下框30,31、左右縦框20,21等の工場生産時には、それぞれの端部の切欠加工や孔明加工の工程を省略できる。
(7) また、施工現場において開口部1の寸法変更等が発生しても、上下框30,31及び/又は左右縦框20,21のそれぞれの端部の切欠加工や孔明加工の工程を省略できる。
(8) 障子に雨水等に対する防水対策が必要な場合には、排水ブロック9を各呑込部480に配置して固定すればよく、上下框30,31及び/又は左右縦框20,21のそれぞれの端部においては、排水構造のための特別な切欠き等の加工は不要となっている。
例えば、内外障子10,11以外の障子、また障子以外の建具において、上述の発明が解決しようとする課題を抱えている場合に、本発明に係る障子と同様な構成を採用することにより、同課題を解決することができる。
10 内障子
11 外障子
20 左縦框 21 右縦框
22 交差面 23 タッピングホール
24 ガラス板挿入部 25 27 28 中空部
26 クレセント
260 取付片 261 262 係合片
30 上框 31 下框
32 交差面 33 タッピングホール
34 ガラス板挿入部 35 スライド部
36 中空部 37 戸車取付部
370 取付ヒレ 38 底面
40 第1のコーナーブロック 41 第2のコーナーブロック
42 第3のコーナーブロック 43 第4のコーナーブロック
44 縦框固定部
440 輪郭部 441 中空部
442 ネジ固定部
45 上框固定部
450 呑込部 451 溝
452 ネジ孔
47 縦框固定部
470 輪郭部 471 中空部
472 ネジ固定部
48 下框固定部
480 呑込部 481 482 ネジ孔
483 調整用孔 484 溝
50 第1のフサギ材 51 第2のフサギ材
52 第3のフサギ材 53 第4のフサギ材
54 55 ネジ孔
6 ガラス板 60 端部
7 ガイド 8 レール
80 戸車 81 スライド片
82 ストッパー
9 排水ブロック
90 91 側板 92 上棚板
93 下棚板 94 水抜き孔
95 ネジ固定部
Claims (5)
- 形材の長手方向に交差する面において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホールが形成されている左右縦框と、
形材の長手方向に交差する面において、その寸法のみが加工されると共に、前記形材の長手方向に沿って、タッピングホールが形成されている上下框と、
前記左右縦框と前記上框をそれぞれ接続する各コーナーブロックと、前記左右縦框と前記下框をそれぞれ接続する各コーナーブロックとを備え、
前記左右縦框と下框を接続するコーナーブロックに、前記下框の端部を呑み込む呑込部を形成し、
前記呑込部に排水構造を設けている障子。 - 前記各コーナーブロックと前記左右縦框の交差面の間には、フサギ材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の障子。
- 前記フサギ材の少なくとも一面に水密材を備えることを特徴とする請求項2に記載の障子。
- 形材の長手方向に交差する面において形材の寸法のみが加工された左右縦框と、形材の長手方向に交差する面においてその寸法のみが加工された上横框の両端が各コーナーブロックにより接続され、前記左右縦框と形材の長手方向に交差する面においてその寸法のみが加工された下横框の両端が各コーナーブロックにより接続されており、
前記左右縦框と下框を接続するコーナーブロックに、前記下框の端部を呑み込む呑込部を形成し、
前記呑込部に排水構造を設けることを特徴とする障子の組付構造。 - 左右の縦框として、形材の長手方向に交差する面において形材の寸法のみを加工し、
上下の横框として、形材の長手方向に交差する面において形材の寸法のみを加工し、
前記左右の縦框に各コーナーブロックを固定すると共に前記各コーナーブロックに前記上横框を固定し、又は、前記左右の縦框に各コーナーブロックを固定すると共に前記各コーナーブロックに前記下横框を固定し、
前記左右縦框と下框を接続するコーナーブロックに、前記下框の端部を呑み込む呑込部を形成し、
前記呑込部に排水構造が設けられていることを特徴とする障子の組付方法。
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