JP6775619B2 - サッシ - Google Patents

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本発明は、サッシに関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されるような引き違い窓等のサッシの内障子では、戸先框と下框とを突き合わせて接続する樹脂とアルミの接続部において、止水性を確保するために、下框の戸先側の端面が当接する被当接面に吸水性を有するシーラーを貼着したものが知られている。
特開2013−067979号公報
しかしながら、例えば台風のような高風圧が障子に作用すると、その風圧により下框が戸先框との接続部で脈動し、下框の戸先側の端部がシーラーに対して接した状態で屋内外方向に往復移動することになる。そのため、シーラーの屋外側で吸水した雨水が屋外側から屋内側に移動し、屋内に雨水が浸入するおそれがあった。そのため、このシーラー部分における水密性を高めることが求められており、その点で改善の余地があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水密性の向上を図ることができ、とくに高風圧時においても屋内への雨水の浸入を防止できるサッシを提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るサッシは、少なくとも屋内側を可動する1枚の障子を備えたサッシであって、前記障子の戸先框には、下框が突合せて接続される接続部において、前記下框の戸先側の端部が当接する前記戸先框の被当接面に吸水性を有するシーラーが貼着され、前記シーラーは、屋内外方向に分離されていることを特徴としている。
本発明に係るサッシによれば、戸先框に設けられるシーラーが屋内外方向に分離されているので、戸先框の屋外側に雨水が浸入し、シーラーの屋外側部分に吸水された雨水は、シーラーのうち屋外側部分から屋内側部分への移動が遮断され、水密性の向上を図ることができる。そのため、高風圧時においてもシーラーの屋内側部分が吸水されにくくなり、その屋内側部分から障子の屋内側に雨水が流入することを防止できる。
また、本発明に係るサッシでは、前記シーラーが分離によって形成されるスリット部は、屋内外方向の位置で前記下框に形成される水抜き孔と重なっていることが好ましい。
この場合には、シーラーの屋外側部分に吸水された水がシーラーを有しないスリット部を流下して下框の水抜き孔に流れ込みやすくなり、その水抜き孔より枠体の下枠に排水することができ、戸先框内に浸入した雨水を効率よく下框を通じて排水することができる。
本発明に係るサッシによれば、水密性の向上を図ることができ、とくに高風圧時においても屋内への雨水の浸入を防止できる。
本発明の一実施形態による引き違い窓を屋内側から見た正面図である。 図1に示す引き違い窓における外障子と内障子の横断面図である。 戸先框の横断面図である。 図3に示すA−A線矢視図であって、戸先框を左右方向の内側から見た要部拡大図である。 戸先框にシーラーを設けた状態の側面図と、戸先框に接続される下框を上方から見た平面図とを同一面上で記載した図である。 戸先框にシーラーを設けた部分の要部拡大斜視図である。
以下、本発明の一実施形態によるサッシについて、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による引き違い窓100(サッシ)は、建築物の開口部に設けられ、四角形枠状に形成された枠体1と、枠体1に対して左右方向にスライド可能に設けられた一対の障子2(2A、2B)と、を備えた2枚建ての引き違い窓を構成している。ここで、屋外側に位置する障子を外障子2Aといい、屋内側に位置する障子を内障子2Bという。
以下の説明において、屋外側と屋内側とを結ぶ方向(壁部に直交する方向、図1では紙面に直交する方向)を屋内外方向とし、建築物の開口部が壁部を貫通する方向(壁部に対向する方向)から見た際の左側と右側を結ぶ水平方向を左右方向とする。また、引き違い窓100を構成する各部材や部品などは、前記開口部に設けられている姿勢であるものとして、その姿勢における屋内外方向および左右方向を用いて説明する。
枠体1は、左右方向に延在する上枠11及び下枠12と、上枠11の両端部と下枠12の両端部とをそれぞれ連結し上下方向に延在する一対の縦枠13と、を有している。以下の説明では、上枠11、下枠12及び一対の縦枠13等の長尺の部材に対してそれぞれが延びる方向を長さ方向ということがある。
本実施形態では、引き違い窓100はアルミ樹脂複合サッシを対象としている。枠体1は、金属製の縦枠13に対して金属製の上枠11及び下枠12の端部を突き当ててビス等の固定具で固定されている。枠体1は、アルミニウム製の押出成形部材で構成されている。
一対の障子2A、2Bは、枠体1の屋外側及び屋内側にそれぞれ設けられている。外障子2A及び内障子2Bは、それぞれ障子2A、2Bを閉じた状態で、枠体1内を閉塞するように配置されている。各障子2は、四方枠状に形成された框体内に納められた複層ガラス20と、を有している。
框体は、左右方向に延在する上框21及び下框22と、上框21の両端部と下框22の両端部とをそれぞれ連結し上下方向に延在する召合せ框23及び戸先框24(なお、上框21、下框22、召合せ框23及び戸先框24のそれぞれを単に「框」と称することがある。)と、を有している。
本実施形態では、框体は、アルミニウム製の押出成形部材で構成されており、屋内側面が樹脂で覆われている。上框21、下框22は、召合せ框23及び戸先框24に両端部が突き当てられて枠組みされており、ビス等の固定具で固定されている。下框22には、下枠12に沿って左右方向に走行可能な戸車(図示省略)が設けられている。
上枠11は、左右方向に沿って延在し屋内外方向に間隔をあけて設けられる一対のレール案内壁を有している。屋外側の外レール案内壁と屋外側の内レール案内壁の下部分には、それぞれ外障子2Aと内障子2Bの上端が左右方向にスライド自在に案内されるようになっている。
下枠12は、左右方向に延びる下枠壁部と、下枠壁部から上方に延びるととともに左右方向に沿って延在し屋内外方向に間隔をあけて設けられる一対のレール案内壁と、を有している。屋外側の外レール案内壁と屋外側の内レール案内壁の上部分には、それぞれ外障子2Aと内障子2Bの下端に設けられる戸車(図示省略)が左右方向に走行自在に案内されるようになっている。
図2に示すように、外障子2A及び内障子2Bに設けられる複層ガラス20は、屋外側に配置される外ガラスと屋内側に配置される内ガラスとがスペーサを介して一体に設けられている。
各框21〜24には、それぞれ複層ガラス20の端部を保持するガラス保持部が形成されている。複層ガラス20の四辺の端部は、ガラス保持部内に嵌め込まれている。複層ガラス20の周縁部において、屋内側の面は、框に係止された押縁によって押さえられている。
次に、各框21〜24について説明するが、外障子2Aと内障子2Bは基本的に同様な構造であるので、本発明の対象となる内障子2Bの下框22と戸先框24について詳細に説明する。
内障子2Bの召合せ框23は、図2に示すように、外障子2A及び内障子2Bが閉じている状態で一対の縦枠13、13の間の略中央部に配置されている。戸先框24は、外障子2A及び内障子2Bを閉じている状態で一対の縦枠13、13に近接して配置されている。召合せ框23及び戸先框24は、図1に示すように、それぞれ上框21及び下框22の端面が突き合てられてビス止めされている。
召合せ框23は、上下方向に沿って延びる外框壁231と内框壁232とが各面方向を鉛直方向に向けた状態で互いに屋内外方向に間隔をあけて対向して配置されている。
外框壁231と内框壁232との間には、中空状に形成され、上下方向に延びる框ホロー部S23が形成されている。框ホロー部S23は、屋外側の外框壁231と屋内側の内框壁232とを連結する第1連結壁233と第2連結壁234とにより囲まれた空間を形成している。また、外框壁231、内框壁232、第1連結壁233及び第2連結壁234は、召合せ框23の上下方向の略全長に沿って形成されている。
内障子2Bの戸先框24は、図2乃至図4に示すように、上下方向に沿って延びる外框壁241と内框壁242とが各面方向を鉛直方向に向けた状態で互いに屋内外方向に間隔をあけて対向して配置されている。外框壁241と内框壁242との間には、左右方向に仕切る一対の区画壁243、244が設けられている。区画壁243、244は、戸先框24の上下方向の略全長に沿って形成されている。ここで、区画壁は、左右方向の内側を第1区画壁243とし、外側を第2区画壁244とする。
戸先框24には、図5及び図6に示すように、下框22が突き合わされた状態で接続される接続部において、下框22の戸先側の端部22aが当接する第1区画壁243の複層ガラス20側を向く被当接面243aに吸水性を有するシーラー25が両面テープ、あるいは接着剤により貼着されている。
なお、図5及び図6に示す符号27は、戸先框24と下框22との接合部分の屋内側の角部を保護するための安全キャップである。
内障子2Bの下框22は、図5に示すように、左右方向に沿って延びる外框壁221と内框壁222とが各面方向を鉛直方向に向けた状態で互いに間隔をあけて対向して配置されている。
外框壁221と内框壁222との間には、左右方向に延びる中空状の框ホロー部が形成されている。框ホロー部における外框壁221と内框壁222とを連結する上連結壁223の屋外側には、上連結壁223上に溜まった雨水を下枠12側に排水するための水抜き孔26が形成されている。
シーラー25は、屋内外方向に分離されている。具体的にシーラー25は、屋外側で上下方向に延びる屋外側シーラー251(屋外側部分)と、屋内側で上下方向に延びる屋内側シーラー252(屋内側部分)と、の間に上下方向に延在するスリット部25Aが形成されている。シーラー25としては、例えば厚さ1.2mmのソフトロン(積水化学工業社製)を用いることができる。
シーラー25には、下框22の框ホロー部(外框壁221、内框壁222、上連結壁223)の框長さ方向(左右方向)の端部が密接した状態で接続される。
シーラー25が分離によって形成されるスリット部25Aは、図5に示すように、屋内外方向の位置で下框22に形成される水抜き孔26と重なっている。
次に、本実施形態による引き違い窓100の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
図5に示すように、本実施形態による引き違い窓100では、戸先框24に設けられるシーラー25が屋内外方向に分離されているので、戸先框24の屋外側に雨水が浸入し、屋外側シーラー251に吸水された雨水は、屋外側シーラー251から屋内側シーラー252への移動が遮断され、水密性の向上を図ることができる。そのため、高風圧時においても屋内側シーラー252が吸水されにくくなり、その屋内側シーラー252から内障子2Bの屋内側に雨水が流入することを防止できる。
また、本実施形態では、シーラー25の屋外側シーラー251に吸水された水がシーラー25を有しないスリット部25Aを流下して下框22の水抜き孔26に流れ込みやすくなり、その水抜き孔26より下枠12に排水することができ、戸先框24内に浸入した雨水を効率よく下框22を通じて排水することができる。
このように本実施の形態では、水密性の向上を図ることができ、とくに高風圧時においても屋内への雨水の浸入を防止できる。
以上、本発明によるサッシの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、枠体1の内部の屋外側に設けられた外障子2Aと、屋内側に設けられた内障子2Bと、を有する引き違い窓をサッシの対象としているが、引き違い窓や内障子であることに限定されることはなく、例えば引き戸のようなサッシであってもよい。要は、少なくとも屋内側を可動する1枚の障子を備えたサッシであればよいのである。また、サッシとしては、ガラスを備えた窓であることに制限されることはなく、全面が覆われた障子であってもよい。
また、シーラー25の取付け位置、形状、長さ寸法、厚さ、数量等の構成は、上述した実施形態に限定されることはなく、任意に設定することができる。例えば、シーラー25のスリット部25Aの幅寸法も適宜設定することが可能である。
また、本実施形態では、シーラー25が分離によって形成されるスリット部25Aが屋内外方向の位置で下框22に形成される水抜き孔26と一致していない形態であってもかまわない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
100 引き違い窓(サッシ)
1 枠体
2 障子
2A 外障子
2B 内障子
11 上枠
12 下枠
13 縦枠
21 上框
22 下框
23 召合せ框
24 戸先框
25 シーラー
25A スリット部
26 水抜き孔
243 第1区画壁

Claims (2)

  1. 少なくとも屋内側を可動する1枚の障子を備えたサッシであって、
    前記障子の戸先框には、下框が突合せて接続される接続部において、前記下框の戸先側の端部が当接する前記戸先框の被当接面に吸水性を有するシーラーが貼着され、
    前記シーラーは、屋内外方向に分離されていることを特徴とするサッシ。
  2. 前記シーラーが分離によって形成されるスリット部は、屋内外方向の位置で前記下框に形成される水抜き孔と重なっている請求項1に記載のサッシ。
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