JP6944837B2 - 耐震防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建造物の天井部に設ける耐震防振装置に関する。
近年、地震などの揺れの影響で天井が落下する事故を防ぐため、建造物の天井部、特に吊り天井の構造をとるものについては耐震補強が行われたり、耐震構造とされたりしている。
吊り天井は、上部躯体に取り付けた支持部材により、吊られる側の横梁(以下「簀の子」と称す)を固定し、固定した簀の子に表面材(化粧板や照明装置など)を取り付けてなるものであり、耐震補強あるいは耐震構造とするには、下方へ斜めに交差して設けられたブレースを追加したり簀の子の固定部を補強することで行われるのが一般的である。
一方、ホールや劇場などの音響を重視する建造物は、上記耐震補強構造による固体伝搬の影響で外部からの騒音・振動が流入し、屋内の音環境が悪化するため、吊られる側の簀の子そのものには耐震補強を施したくはない。
そこで、従来は、天井部自体を受け持ち構造とし、受け持ち部分に縦方向および横方向の振動を抑制するための防振ゴムを取り付け、この防振ゴムを介して防振浮梁を設け、この防振浮梁から下垂した連結部材を介して簀の子を固定して防振し、簀の子と側壁との間に横揺れ規制部材を介在させて耐震する防振支持構造が考えられている。
特開平9‐88230号公報
このように従来は天井部で防振し、簀の子の側で横揺れの規制(耐震)を行っており、天井部の構造そのものが複雑化するとともに、天井部と簀の子の左右2箇所ずつ合計4箇所で防振と耐震の対策を行うことから、建造物の天井設計の自由度がなくなり、また天井自体の施工も難しくなるという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、一つの装置で、水平・垂直方向の振動を防振する防振機能と地震の揺れによる水平・垂直方向の衝撃力を緩和する耐震機能をコンパクトに実現することができる耐震防振装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る耐震防振装置は、第1の平板部材と、前記第1の平板部材に対向する第2の平板部材と、前記第1、第2の平板部材間に挟まれ、各平板部材に伝わる振動を抑制する振動抑制部材と、前記第1、第2の平板部材の面に沿う第1方向(水平方向)の相対変位を規制する第1の規制機構と、前記第1、第2の平板部材が対向する第2方向(垂直方向)の相対変位を規制する第2の規制機構とを有し、前記第1の規制機構が、前記第1の平板部材に、前記第2方向に突設された第1の壁部と、前記第2の平板部材に、前記第1の壁部に壁面が対向するように突設された第2の壁部と、前記第1の壁部および前記第2の壁部の少なくとも一方の壁部に設けられた緩衝部材と、前記緩衝部材の面または前記緩衝部材と対向する他方の壁部の面に前記第1方向に突設された凸部とを具備し、前記凸部は、前記緩衝部材の面または前記緩衝部材と対向する他方の壁部の面に対して平行になるよう形成され常時すきまなく接触していることを特徴とする。
本発明によれば、一つの装置で、水平・垂直方向の振動を防振する防振機能と地震の揺れによる水平・垂直方向の衝撃力を緩和する耐震機能をコンパクトに実現することができる耐震防振装置および耐震防振方法を提供することができる。
本発明の一つの実施の形態の天井構造体(耐震防振天井)を示す断面図。 耐震防振装置の構成を示す分解斜視図。 耐震防振装置の平面図。 耐震防振装置の正面分解断面図。 水平ストッパ(間隔調整機能付き)を示す図。 水平ストッパ(間隔調整機能なし)を示す図。 複数の試料による圧縮試験の結果を示すグラフ。
(構成)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1に示すように、実施形態の建造物の天井構造体(耐震防振天井)は、上部躯体1に固定された支持部2と、吊られる側の浮梁部3と、支持部2と浮梁部3とを間に介在するように配置された耐震防振装置4とを備える。建造物は、例えばホールや劇場などの音響を重視する建屋であり、天井構造体の下には舞台や客席などの空間が設けられている。
支持部2は、上部躯体1に平行に配置された一対のH鋼2aとこのH鋼2aに設けた補強部材2bとを有する。浮梁部3は一対のH鋼2aに設けた補強部材2bに架け渡すように配置(懸架)された横断面がT字状の梁材3aと、この梁材3aに水平に固定された浮梁3bとを有する。
図2〜図4に示すように、耐震防振装置4は、第1の平板部材としての金属製の蓋状部材41と、蓋状部材41に対向する第2の平板部材としての鋼板51と、これら蓋状部材41および鋼板51間に配置された振動抑制部材としての防振ゴム60と、第1の規制機構(第1の壁部としての側壁44〜47と第2の壁部としてのガイド部54〜57の水平ストッパ77)、第2の規制機構としての垂直ストッパ80を備える。
側壁44を第1の側壁とし、側壁45を第2の側壁とし、側壁46を第3の側壁とし、側壁47を第4の側壁とする。ガイド部54を第1のガイド部とし、ガイド部55を第2のガイド部とし、ガイド部56を第3のガイド部とし、ガイド部57を第4のガイド部とする。
蓋状部材41は、蓋面上面に突設された支持軸43を有する。支持軸43は浮梁部3の梁材3aにボルト締結して固定される。蓋状部材41は蓋面裏面に縁部に沿って下向きに設けられた側壁44〜47を有する。
側壁46、47は、H鋼2aの長手方向と平行な方向P(図3参照)に沿うように壁面を向けて突設されている。側壁44、45は、方向Pと直交する方向Qに沿うように壁面を向けて突設されている。
第1の規制機構は、水平方向(蓋状部材41や鋼板51などの平板部材の面に沿う方向:第1方向)の相対変位を一定の範囲に規制する。水平方向の相対変位の一定の範囲とは、例えば数mm以内(例えば0mm〜9mm程度)である。
第2の規制機構としての垂直ストッパ80は、垂直方向(上記2つの平板部材が対向する方向)の相対変位を一定の範囲に規制する垂直方向の外れ防止機構である。垂直方向の相対変位の一定の範囲とは、この例の場合、例えば0〜20mm程度である。
防振ゴム60は、円柱状のゴム製部材62と取付板61の中心を貫通して設けられた軸63とを有する。ゴム製部材62と取付板61は一体成型されている。軸63は、他の部材(蓋状部材41と鋼板51)とのおおよその位置出し用の支持軸であり、蓋状部材41に設けられた孔41a(図4参照)と鋼板51に設けられた孔51a(図4参照)に係合される。
防振ゴム60は、蓋状部材41の裏面と鋼板51の上面に当接して蓋状部材41と鋼板51との間に挟まれて蓋状部材41の内側に配置されている。防振ゴム60は、蓋状部材41および鋼板51などの各平板部材に伝わる振動(反響による振動など)を抑制する。蓋状部材41の上に載置される浮梁部3を支持するため、防振ゴム60は、浮梁部3の重量を両側の装置で支持する程度の硬質ゴムを使用している。
すなわち、防振ゴム60は、蓋状部材41および鋼板51のうちいずれか一方または両方に生じる水平方向および垂直方向の音響振動、地震振動などの振動をゴム素材の弾性により抑制する振動抑制部材(弾性体)である。
この例の防振ゴム60は、荷重が加わった際に垂直方向に8.5mm程度つぶれる可能性があるため、蓋状部材41を被せた状態で側壁44〜47の下端から鋼板51の表面まではそのつぶれ分を考慮した隙間を設けている。
この実施形態では、蓋状部材41に架かる重量を均等に受けるように蓋状部材41の面の中心位置を挟んで対向するように防振ゴム60が2つ配置されている。防振ゴム60は、懸架されるものの重量や振動特性に応じて硬度や弾性力を変えてもよく、配置する数を1つにしてもよく、3つ、4つそれ以上にしてもよい。
鋼板51は、縁部に設けた孔52と上部躯体1側の補強部材2bの孔21とを対応させてボルト6とナット7で締結して固定されている。鋼板51の上面には、鋼板51と蓋状部材41との水平方向の相対的な変位(相対変位)を一定範囲内に規制する第1の規制機構の一部の部材としてのガイド部54〜57が突設されている。
各ガイド部54〜57は、側壁44〜47それぞれに壁面が対向するように突設されており、対向するもの同士で第1の規制機構を構成している。つまり第1の規制機構は、鋼板51に固定されたガイド部54〜57と蓋状部材41に固定された側壁44〜47とで構成される。
これらガイド部54〜57と側壁44〜47とは当接または数mm程度離間して配置される。
図4および図5に示すように、ガイド部54は、鋼板51に固定された第2の壁部の一部としての固定壁70と、この固定壁70に着脱可能であり、緩衝および規制する水平ストッパ77(支持板71、支持ボルト72、緩衝部材としての緩衝ゴム73、凸部73a、補強板74などを含む)と、水平ストッパ77を固定壁70に締結するナット58で構成される。
緩衝ゴム73は、厚みT(図5参照)が例えば6mmまたは7mmの平板状のゴム板に高さ3mm、幅3mm、長さ25mmの角棒状の凸部73aを縦方向(垂直方向:第2方向)に所定の間隔(約9mm程度の間隔など)で列設したものである。支持ボルト72が中央部に設けられている都合上その部分の緩衝効果が他と異なり不均一になるため、中央部には凸部73aを設けていない。
緩衝ゴム73は、水平ストッパ77の内側に固定した支持板71の壁面に、側壁44〜47と対向するように設けられている。なお、この例では、緩衝ゴム73を水平ストッパ77の側に設けたが、側壁44〜47に設けてもよい。つまり緩衝ゴム73は、水平ストッパ77および側壁44〜47の少なくとも一方の壁部に設ければよい。
緩衝ゴム73の、側壁44〜47と対向する面には、凹凸形状緩衝部としての凸部73aが所定の間隔で複数設けられている。この凸部73aは、緩衝ゴム73と側壁44〜47との接触面を小さくするためのものである。この実施形態では、緩衝ゴム73の平板状のゴム板と凸部73aに同じゴム材を用い、互いの面の面積比を、例えば5:1としている。なお、面積比の対象となる面は、側壁44〜47からの投影面であり、凸部73aの側面は含まない。
この水平ストッパ77を蓋状部材41の側壁44〜47に常に接触(当接)しておくことで、水平方向に発生する振動を抑制できる。この接触が垂直方向の防振性能に悪影響を与えないようにするため、接触面積を減らすように緩衝ゴム73の接触面の部分を凹凸形状にしている。
この実施形態では、緩衝ゴム73の接触面の部分を垂直方向(縦方向)に長い矩形の凸部73aとしたが、この形状に限定されるものではなく、例えば三角形(山形)や半球形の形状であってもよい。ここではガイド部54について説明したが、ガイド部56の構成も同じである。
ガイド部54〜57と側壁44〜47との間隔は、直交して隣り合う2つのガイド部(この例ではガイド部54、56)の水平ストッパ77の位置を可変することで、4方向の壁間の間隔調整(互いの面どうしが当接した状態または数mm程度離間した状態など)を行うことができる。
この例では、各ガイド部54、56の間隔を調整して、すべてのガイド部54〜57と側壁44〜47との間に隙間を空けず接触させた状態としているが、ガイド部54、56の間隔を調整することで、ガイド部54と側壁44の間やガイド部56と側壁46の間に隙間を設けることも可能である。
水平ストッパ77の壁面の位置を可変してガイド部54〜57と側壁44〜47との間隔を調整する間隔調整手段は、図4および図5に示すように、スクリューボルト75と固定壁70の貫通孔76とを有する。この間隔調整手段の場合、ねじ込み用のネジ山が切られたスクリューボルト75が固定壁70に設けられた貫通孔76にねじ込まれており、スクリューボルト75をドライバーなどの工具で回すことで、スクリューボルト75が内側(側壁44、46の側)に突出した分だけ水平ストッパ77を押し出すので、対向する側壁44、46の壁面までの距離(間隔)を狭めて当接したり、その逆に広げたりするといった間隔調整ができる。
例えば浮梁部3から伝達されてきた振動で蓋状部材41の側が変位する場合、各ガイド部54〜57は、蓋状部材41の側壁44〜47の水平方向の変位を規制するよう機能する。
逆に、建造物の上部躯体1からH鋼2aおよび補強部材2bを通じて伝達されていた地震の揺れで、鋼板51の側が変位する場合、鋼板51に固定されている各ガイド部54〜57が水平方向に変位するが、この場合、水平ストッパ77、78と蓋状部材41の側壁44〜47との隙間や水平ストッパ77、78の緩衝ゴム73の厚みや形状によって蓋状部材41の側壁44〜47が鋼板51の水平方向の変位を規制するよう機能する。
なお、この実施形態では、鋼板51の側に間隔調整手段を設けたが、蓋状部材41の側に間隔調整手段を設けてもよい。つまり蓋状部材41および鋼板51のうち一方が、互いの壁面の間隔を調整するための間隔調整手段を備えていればよい。
ガイド部54、56以外のガイド部55、57の水平ストッパ78は、図6に示すように、支持板71、支持ボルト72、緩衝ゴム73などを備えており、ガイド部54、56の水平ストッパ77にあった補強板74や固定壁70の貫通孔76およびスクリューボルト75などがない構成、つまり間隔調整機能がない構成とされている。
垂直ストッパ80は、蓋状部材41と鋼板51とが対向する方向(垂直方向、上下方向、高さ方向などともいう)の相対的な変位(相対変位)を一定範囲内に規制するものである。
垂直ストッパ80は、蓋状部材41の複数の側壁44〜47のうち対向する一対の側壁、例えば側壁46、47に突設された板状部材としてのフランジ部81と、このフランジ部81に設けられた貫通孔82と、鋼板51に設けられた棒状部材としてのガイド軸83と、このガイド軸83の上端部に設けられた係止部としてのナット84とを有し、蓋状部材41を鋼板51に載置する際に貫通孔82にガイド軸83を挿通して鋼板51に固定し、ガイド軸83の上端にナット84を取り付けることで垂直方向の外れ防止機構を構成する。
ガイド軸83の上部には、ねじ山(おねじ)が切られており、このねじ山(おねじ)にナット84を螺合させることでナット84が所定の高さの位置に固定され、垂直方向の可動範囲(遊び)が形成される。
なお、この実施形態では、鋼板51の側にガイド軸83を設けたが、この逆であってもよい。すなわち、垂直ストッパ80は、蓋状部材41と鋼板51の一方に固定される棒状部材と、蓋状部材41と鋼板51の他方に固定され、ガイド軸83が相対移動可能に貫通する貫通孔82を有するフランジ部81と、ガイド軸83に設けられ、相対移動の範囲を制限するナット84とを備えていればよい。
ここで、図7を参照して耐震防振装置4の水平ストッパ77、78の圧縮試験を行った結果について説明する。
試験試料の緩衝ゴム73としては、3mmの高さと幅の凸部73aを8.75mm間隔で列設した6mm厚と7mm厚の平板状のゴム板を用いる。ゴム板は、縦25mm、幅88mmの面積2200mmのものを2種類(CR54°、CR64°)を使用し、それぞれ6mm厚と7mm厚のものを用意した。ゴム板表面と凸部73aの突端面との面積比は5:1である。
試験条件として、4種類の試料に、一軸圧縮試験機(最大50kN)にて圧縮力を加え、その反発力(荷重)を計測するものとする。
上記条件にて複数(4種類)の試料の圧縮試験を行った結果、図7に示すような荷重−変位の関係が得られた。
すなわち、変位が緩衝ゴム73の凸部73aの高さである3mm以下ではすべての試料の荷重が1kN以下であり、変位が3mmを超えた付近から各曲線91〜94の荷重が個々の特性で上昇してゆくことがわかる。
一般的な耐震性能の判定条件としては、最大16.9kNの水平方向の荷重に耐え得ることとされているが、すべての試料は16.9kNの荷重のラインで変位が厚みに達していない、つまりつぶれきってはいないため、この条件をクリアしている。
また、緩衝ゴム73の厚みによって緩衝ゴム73自体の硬さが変わるため、緩衝ゴム73の厚みが厚くなると、同じ荷重条件での緩衝ゴム73の変位(緩衝ゴム73のつぶれ量)が変化する。つまり6mm厚よりも7mm厚の試料の方が、厚みT(図5参照)が1mm厚い分だけ柔らかく、このため、ゴム種の異なる6mm厚の2つの試料の曲線91、92よりも7mm厚の試料の曲線93、94の方が荷重の上昇傾向(曲線の傾斜)が緩やかになっており、緩衝効果(衝撃を緩和する効果)が高いことがわかる。
(作用)
ここで、この天井構造体の作用について説明する。
この天井構造体では、例えばホールにおける演奏などの音響伝搬によって浮梁部3が反響してその振動が蓋状部材41に伝達された場合、蓋状部材41と鋼板51との間に挟んだ防振ゴム60が鋼板51の水平方向および垂直方向の振動を抑制するので、鋼板51に振動が伝わらず、音響効果のある天井構造とすることができる。
また、地震などの発生により、上部躯体1に固定された支持部2が揺れた場合、その揺れが鋼板51に伝達されるが、揺れにより鋼板51が面に沿う方向(水平方向)に変位した場合、第1の規制機構(ガイド部54〜57と側壁44〜47)によりその方向の変位が一定範囲内で規制されているので、鋼板51の変位量が一定範囲内であれば、蓋状部材41は変位せず、蓋状部材41が固定されている浮梁部3には地震の揺れが伝わらない。
また、揺れにより鋼板51が対向方向(垂直方向)に変位した場合、垂直ストッパ80(第2の規制機構)によりその方向の変位が一定範囲内で規制されるので、蓋状部材41はそれ以上変位せず、蓋状部材41が鋼板51から外れることがなくなる。
(効果)
このように本実施形態の天井構造体によれば、蓋状部材41と鋼板51の間に各部材に伝わる振動を抑制する防振ゴム60と、各部材の水平方向の相対変位を規制する第1の規制機構(ガイド部54〜57、側壁44〜47)と、各部材の垂直方向の相対変位を規制する第2の規制機構(垂直ストッパ80)とを一つの筐体の耐震防振装置4に備えることで、一つの装置で、水平・垂直方向の振動を防振する防振機能と地震の揺れによる水平・垂直方向の衝撃力を緩和する耐震機能をコンパクトに実現することができる。
また、本実施形態では、以下のような効果が得られる。
1)一つの筐体構造の耐震防振装置4に、上下方向の振動を防振する防振機能と水平方向の地震力の衝撃を緩和する耐震機能を備えることで、施工が容易になり、施工作業の工数低減を図ることができる。
2)耐震防振装置4として異なる防振耐震性能(許容荷重など)が要求される場合にも、収容する防振ゴム60やガイド部54〜57の水平ストッパ77、78などのパーツ変更(交換)により対応でき、外形(取付寸法)が変わらない構造であるため、構造設計上の標準化を図ることができる。
3)上記のパーツ交換可能な構造によって垂直方向の規制機構と水平方向の規制機構とを個別に設計できるので、天井設計の自由度を大きくすることができる。
4)水平方向の規制機構の位置を調節する機能を有することで、建造物にこの天井構造体を施工する際に水平方向の規制機構として蓋状部材41側と鋼板51側との間の隙間をゼロ、つまり変位する部分にゴム素材(弾性体)の水平ストッパ77、78を当てておくことで、地震の揺れによる衝撃力などを緩和できる。必要であれば、鋼板51側の水平ストッパ77、78がゴム素材(弾性体)であるため、予め位置調節機能により蓋状部材41の側壁44〜47に圧力をかけておくようにもできる。
さらに、水平方向の変位が規制されるので、浮梁3bの振り子現象による水平振動の増幅も抑制する効果がある。
5)水平ストッパ77、78(第2の壁部)と側壁44〜47(第1の壁部)との接触面を小さくするための凸部73aを一定間隔で緩衝ゴム73に設け、緩衝ゴム73の表面を凹凸形状として、蓋状部材41側の側壁44〜47との接触面を小さくしたので、摩擦力を小さくすることができる。よって、この接触が垂直方向の防振性能に悪影響を与えることなく良好な防振効果が得られる。なお上記実施形態では、緩衝ゴム73に凸部73aを設けたが、側壁44〜47(第1の壁部)に凸部73aを設けてもよい。つまり、緩衝ゴム73の面または緩衝ゴム73と対向する他方の壁部の面に第1方向(水平方向)に凸部73aを突設すればよい。
すなわち、建造物の上部躯体1と横梁の間の橋渡しを行う2つの部位に耐震防振装置4を設置するだけで、水平・垂直方向の振動を抑制しつつ水平・垂直方向相互の変位を規制でき、この結果、建造物の天井設計の自由度を高められると共に天井の施工を容易にすることができる。
なお、上記実施形態では、蓋状部材41を上に配置し、鋼板51を下に配置したが、この配置形態に限定されることはなく、逆であってもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記した実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…上部躯体、2…支持部、2a…H鋼、2b…補強部材、3…浮梁部、3a…梁材、3b…浮梁、4…耐震防振装置、21…孔、41…蓋状部材、41a…孔、43…支持軸、44〜47…側壁、51…鋼板、51a、52…孔、54〜57…ガイド部、58…ナット、60…防振ゴム、61…取付板、62…ゴム製部材、63…軸、70…固定壁、71…支持板、72…支持軸、73…緩衝ゴム、73a…凸部、74…補強板、75…スクリューボルト、76…貫通孔、77、78…水平ストッパ、80…垂直ストッパ、81…フランジ部、82…貫通孔、83…ガイド軸、84…ナット。

Claims (6)

  1. 第1の平板部材と、
    前記第1の平板部材に対向する第2の平板部材と、
    前記第1、第2の平板部材間に挟まれ、各平板部材に伝わる振動を抑制する振動抑制部材と、
    前記第1、第2の平板部材の面に沿う第1方向(水平方向)の相対変位を規制する第1の規制機構と、
    前記第1、第2の平板部材が対向する第2方向(垂直方向)の相対変位を規制する第2の規制機構とを有し、
    前記第1の規制機構が、
    前記第1の平板部材に、前記第2方向に突設された第1の壁部と、
    前記第2の平板部材に、前記第1の壁部に壁面が対向するように突設された第2の壁部と、
    前記第1の壁部および前記第2の壁部の少なくとも一方の壁部に設けられた緩衝部材と、
    前記緩衝部材の面または前記緩衝部材と対向する他方の壁部の面に前記第1方向に突設された凸部と
    を具備し、
    前記凸部は、前記緩衝部材の面または前記緩衝部材と対向する他方の壁部の面に対して平行になるよう形成され常時すきまなく接触している
    ことを特徴とする耐震防振装置。
  2. 前記振動抑制部材が、
    前記第1、第2方向の振動を、弾性により抑制する弾性体であることを特徴とする請求項1に記載の耐震防振装置。
  3. 前記緩衝部材は、
    平板状のゴム板を有し、前記ゴム板の表面と前記凸部との面積比が5:1であることを特徴とする請求項1に記載の耐震防振装置。
  4. 前記第1、第2の壁部のうち一方が、
    互いの壁面の間隔を調整するための間隔調整手段を具備することを特徴とする請求項1項に記載の耐震防振装置。
  5. 前記第2の規制機構が、
    前記第1、第2の平板部材の一方に固定される棒状部材と、
    前記第1、第2の平板部材の他方に固定され、前記棒状部材が相対移動可能に貫通する貫通孔を有する板状部材と、
    前記棒状部材に設けられ、前記相対移動の範囲を制限する係止部と
    を具備することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の耐震防振装置。
  6. 建物の上部躯体から吊られる吊り天井の耐震防振方法であって、
    前記建物の上部躯体と、前記吊り天井との間に、請求項1乃至5の何れか1項記載の耐震防振装置を介在させる
    ことを特徴とする耐震防振方法。
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