JP2004270436A - 建築物における床支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンクリート躯体構造をもつ建築物において、床スラブ上の床構造体を、床スラブから絶縁した状態で、コンクリート躯体の鉛直躯体壁に支持して、床構造体に発生する振動騒音を鉛直躯体壁に分散伝播させることで遮音性能を向上させ且つ床構造体をより安定よく支持できるようにし、併せて、床構造体の上下振動を効果的に抑制、減衰できるようにして居住性の向上を図る。
【解決手段】 床構造体Frの床板7の支持部材である大引ビーム5を、床スラブSfとの間に隙間D1をあけて配置し、そのビーム5の両端部を、鉛直躯体壁2との間に隙間D2を存して配置し且つ該躯体壁2に弾性体14を介して支持し、床スラブSfと各大引ビーム5の中間部との間に、該ビームが下向きの衝撃荷重を受けたときにその衝撃荷重の床スラブへの伝達を阻止しつつ該ビームの上下振動を抑制する制振装置Tを介装する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築物における床支持構造、特に梁の上面に床スラブが接続される正梁構造のコンクリート躯体をもつ建築物の床支持構造に関する。
一般に、マンションなどの集合住宅では、床構造体が、コンクリート躯体の床スラブや躯体壁と接触状態で固定結合されているため、床上などに加わる振動衝撃音が固体伝播音となって床構造体から上下階、左右隣室へと振動騒音となって伝わり、住空間の環境悪化、品質低下などの原因になるという問題がある。特に最近では、生活様式の変化により、和室が少なくなり、洋室も、緩衝材として機能するカーペット床から、緩衝材とはなりにくいフローリング床へと居住者のニーズに変化が見られ、床構造体から上下階、左右隣室へと伝わる振動騒音が一層大きくなる傾向があり、その遮音対策として、床スラブの厚みを増したり、床構造体自体を遮音構造にしたりするなどの対策がとられている。
ところが、かかる遮音対策を講じても床構造体とコンクリート躯体、特にその床スラブとの接触状態を回避することができず、振動騒音の伝播を軽減することができても抜本的な遮音対策とはならないという問題があり、また建築コストの大幅なアップを招くという別の問題もある。
そこで、このような問題を解決すべく、床構造体を、コンクリート躯体に吊杆を以て浮動状に吊下支持して、その躯体と床構造体とを絶縁し、生活騒音を固体伝播音から空気伝播音に変え、遮音性能を大幅に向上させた床支持構造を本発明者は既に提案している(下記の特許文献1を参照)。
ところが下記特許文献1の床支持構造では、床構造体をコンクリート躯体に吊杆を以て浮動状に吊下支持する関係で、その吊下支持構造により居住空間の有効室内空間が減ぜられる等の問題があり、斯かる問題を解決するために、本発明者は、床構造体を構成する複数の大引ビームの両端部を鉛直躯体壁に隙間を存して支持することにより、床構造体に加わる振動騒音を複数の大引ビームを介して鉛直躯体壁の上下および横方向に分散伝播させて、床構造体の安定支持を図りつつ遮音効果を高めることができるようにした改良技術を既に提案している(下記の特許文献2を参照)。
特開2002−317521 特開2003−155798
しかしながらこの特許文献2に示される改良技術では、鉛直躯体壁に両端支持される大引ビームのスパンが長い場合に、そのビーム中間部が、これに下向きの衝撃荷重が作用したときに上下に振動変形し易く、特にその衝撃荷重が断続的に繰り返された場合にはビームの上下振動が増幅して床板上の居住者を大きく揺すぶり、船酔いに似た不快感を起こさせる虞れがある。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、前記改良技術の利点を生かしながらその問題を解決できるようにした、新規な建築物における床支持構造を提供することを目的とする。
前記目的達成のため、請求項1の発明は、梁の上面に床スラブが接続される正梁構造のコンクリート躯体をもつ建築物において、居住空間の床構造体は、一平面上に間隔をあけて並列される複数本の大引ビームと、そのビーム上に敷設される床板とを備え、前記複数の大引ビームは、床スラブとの間に隙間を存して配置され、それら大引ビームの両端部は、鉛直躯体壁との間に隙間を存して配置されると共に該鉛直躯体壁に弾性体を介して支持され、床スラブと各大引ビームの長手方向中間部との間には、該ビームが下向きの衝撃荷重を受けたときにその衝撃荷重の床スラブへの伝達を阻止しつつ該ビームの上下振動を抑制する少なくとも1つの制振装置が介装されることを特徴とする。
また請求項2の発明は、請求項1の上記特徴に加えて、前記制振装置が、前記衝撃荷重により各大引ビームが上下振動しようとするときに、そのビーム中間部の静止位置からの上方変位を抑制し得るように、該ビーム中間部に対し下向きの引張荷重を付与する引張荷重付与機構より構成されることを特徴とする。
また請求項3の発明は、請求項2の上記特徴に加えて、前記制振装置が、床スラブ側の係合部材と大引ビーム側の係合部材との係合部に設けられるダンパゴムを備え、前記衝撃荷重により各大引ビームが上下振動しようとするときに、そのビーム中間部の静止位置からの上方変位が該ダンパゴムの変形抵抗により抑制されるようにしたことを特徴としている。
また請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかの上記特徴に加えて、前記制振装置が、床スラブと大引ビームとにそれぞれ固定されて、大引ビームの静止状態では相互に係合するが同ビームが静止位置から下方に変位したときは前記係合が解除されて前記衝撃荷重の床スラブへの伝達を阻止する一対の係合部材を備えることを特徴とし、また請求項5の発明は、請求項1〜3の何れかの上記特徴に加えて、前記制振装置が、床スラブと大引ビームとの間に介装されて、大引ビームの静止状態では緊張しているが同ビームが静止位置から下方に変位したときは前記緊張が弛んで前記衝撃荷重の床スラブへの伝達を阻止する可撓性の索条を備えることを特徴としている。
また請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの特徴に加えて、複数の大引ビームの長手方向中間部には、その相互間に跨がって延び且つその相互間を連結する中継枠が結合され、この中継枠を介して前記制振装置と大引ビームとの間が連結されることを特徴としている。
以上のように本発明によれば、床構造体と床スラブとが絶縁、即ちそれらの接触が回避され、床構造体に生じる振動騒音の、上下階、左右隣室への伝播を可及的に低減して遮音効果を向上させることができる。特に、床構造体を構成する複数の大引ビームの両端部を鉛直躯体壁に支持させることにより、床構造体に加わる振動騒音は、複数の大引ビームを介して鉛直躯体壁の上下及び横方向に分散伝播されて、遮音効果を高めることができ、しかも床構造体を安定支持することができる。また前記床支持構造の採用により、居住空間の有効室内空間を減ずることもなく、さらに床スラブには、床構造体の荷重が作用しないこと、および遮音機能をもたせないですむことから、この床スラブを、従来の床スラブのスラブ厚さよりも可及的に薄くすることが可能になり、これにより居住空間の有効高さを高くとることができるばかりか、コンクリート躯体の重量を低減して耐震、制震性能を向上させることができ、しかもコンクリートや鋼材の使用量の低減により建物自体の大幅なコストダウンが達成される。
その上、スパンの長い大引ビームがその長手方向中間部に下向きの衝撃荷重を受けた場合に、床スラブとビーム中間部との間に特設した制振装置により、衝撃荷重の床スラブへの伝達を阻止しつつ該ビームの上下振動を抑制し得るので、その衝撃荷重が断続的に繰り返されたような場合でも、該ビームの上下振動が増幅されるのを効果的に防止でき、その振動増幅により床板上の居住者が大きく揺すぶられるような心配はなくなり、居住性が一層向上する。
また特に請求項2の発明によれば、前記制振装置としての引張荷重付与機構が、前記衝撃荷重により各大引ビームが上下振動しようとするときにビーム中間部の静止位置からの上方変位を抑制し得るように、ビーム中間部に対し下向きの引張荷重を付与するので、所定の引張荷重をビーム中間部に付与するだけの比較的簡単な構造で、上記衝撃荷重に因るビームの上下振動を効果的に抑制、減衰できて、その振動増幅を未然に効果的に防止することができる。
また特に請求項3の発明によれば、衝撃荷重により各大引ビームが上下振動しようとするときに、そのビーム中間部の静止位置からの上方変位がダンパゴムの変形抵抗により抑制されるようにしたので、上記衝撃荷重に因るビームの上下振動を簡単な構造で一層効果的に減衰できる。
また特に請求項4,5の各発明によれば、比較的簡単な構造で、前記衝撃荷重の大引ビームから床スラブ側への伝達を阻止することができる。
また特に請求項6の発明によれば、複数の大引ビームの長手方向中間部には、その相互間に跨がって延び且つその相互間を連結する中継枠が結合され、この中継枠を介して前記制振装置と大引ビームとの間が連結されるので、大引ビームの下端と床スラブとの間に鉛直方向の充分な隙間を確保し得ない場合(例えば床構造体と床スラブとの間が接近している場合)でも、制振装置を大引ビーム直下より外れた位置で無理なく設置可能となる。
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
添付図面において、
まず、図1〜9は本発明の第1実施例を示すものであって、図1は、本発明床支持構造を備えた集合住宅の一部の縦断面図、図2は、図1の2−2線に沿う一部破断平面図、図3は、図2の3−3線に沿う拡大断面図、図4は、図3の4矢視仮想線囲い部分の拡大図、図5は、図4の5−5線に沿う断面図、図6は、制振装置(引張荷重付与機構)の要部正面図、図7は、図6の7−7線に沿う拡大断面図、図8は、大引ビームに衝撃荷重が作用したときの該ビームの振動状態を示す概念図、図9は、大引ビームに衝撃荷重が断続的に作用したときのビーム振動の経時変化を示すタイミングチャートである。
また図10は、第2実施例に係る制振装置(引張荷重付与機構)を示す、図8対応断面図、図11は、第3実施例に係る制振装置(引張荷重付与機構)を示す、図8対応断面図、図12は、第4実施例に係る制振装置(引張荷重付与機構)を示す、図8対応断面図とその一部拡大図である。さらに図13〜図15は、本発明の第5実施例を示すものであって、図13は、図1対応図、図14は、制振装置(引張荷重付与機構)を示す、図6対応断面図(図13の14矢視部拡大図)、図15は、制振装置(引張荷重付与機構)を示す、図7対応断面図(図14の15−15線断面図)である。さらに図16,図17は、本発明の第6実施例を示すものであって、図16は図4対応拡大断面図、図17は、図16の17−17線に沿う断面図(図5対応断面図)である。さらに図18,図19は、本発明の第7実施例を示すものであって、図18は、図4対応拡大断面図、図19は、図18の19−19線に沿う断面図(図5対応断面図)である。
まず、図1〜図9を参照して、本発明の第1実施例について説明する。
集合住宅の骨格を構成する、正梁構造のコンクリート躯体Fは、水平方向に延びて、建築物を複数の階層に区画する水平躯体部分Fhと、鉛直方向に延びて上下の水平躯体部分Fhを相互に連結する鉛直躯体部分Fvとを備えている。
前記水平躯体部分Fhは、居住空間Dwを上下に仕切る床スラブSf(本発明の特徴により従来のものよりも可及的に薄くすることが可能)を備え、この床スラブSfの左右両側には正大梁Bbが下向きに一体に突設されて、所謂「正梁構造」に構成されている。また、前記鉛直躯体部分Fvは、居住空間Dwの四隅に立設される躯体柱1と、並列する躯体柱1間を連結する鉛直躯体壁2,3とを備えている。
各階層の居住空間Dwの床スラブSf上には、床構造体Frが配設される。
前記床構造体Frは各階層とも同じ構造を備えているので、以下に、その床構造体Frの一つについて説明するに、この床構造体Frは、床スラブSfとの直接接触を回避されて、鉛直躯体壁2,2に支持される。
コンクリート躯体Fの床スラブSf上には、その全域にわたり鉛直方向に隙間D1を存して複数本の大引ビーム5…が、一平面上で互いに平行に並列される。それら大引ビーム5…の両端部は、大引ビーム5…と直交して延びる左右ビーム受8,8により結合され、複数の大引ビーム5…と、左右ビーム受8,8とにより閉鎖枠状に形成されていて、床構造体Frが補強されている。
各大引ビーム5は、鋼板を横断面Σ状に屈曲形成して構成され、十分な剛性を確保しながら軽量に形成されている。またビーム受8は、図4に明瞭に示すように、横断面アングル状の等辺山形鋼により形成されていて、水平半部8hと、その一端部より下方に垂下する鉛直半部8vとより構成され、その水平半部8hは、大引ビーム5の上部壁5uの端部をボルト・ナット10により防振ゴム14を介して固定、支持しており、またその鉛直半部8vは、複数の大引ビーム5…の端面を横切るように下向きに延びていて、相隣り合う大引5,5の間で、複数のアンカーボルト12をもって鉛直躯体壁2,2にそれぞれ固定されている。
かくして、床スラブSf上に鉛直方向の比較的大きな隙間D1を存して配設される複数の大引ビーム5…は、それらビーム5…の両端部が水平方向の比較的小さな隙間D2を存して鉛直躯体壁2の側面に対向配置されると共に、弾性体としての防振ゴム14、およびビーム受8を介して鉛直躯体壁2にそれぞれ支持され、これにより、複数の大引ビーム5…は、床スラブSfおよび鉛直躯体壁2,2に直接接触することがない。
複数の大引ビーム5…上には、これらと略直交して木製などの角柱材により形成される、複数本の根太6…が相互に平行に敷設され、さらにそれらの根太6…上に、フローリング材などよりなる床板7が敷設される。
さらに床スラブSfと各大引ビーム5の長手方向中間部(図示例では中央部)との間には、該ビーム5が床板7を介して下向きの衝撃荷重を受けたときにその衝撃荷重の床スラブSfへの伝達を阻止しつつ該ビーム5の上下振動を抑制する制振装置が介装される。
この制振装置として、図示例では、前記衝撃荷重により各大引ビーム5が上下振動しようとするときに、そのビーム5中央部の静止位置からの上方変位を抑制し得るように、該ビーム5中央部に対し下向きの引張荷重を付与する引張荷重付与機構Tが用いられ、次のその機構Tの構成を図6,7を参照して具体的に説明する。尚、図7の(a)は、大引ビーム5の静止状態を示し、また(b)は、大引ビーム5が下向きの衝撃荷重を受けて下方に若干弾性変形した瞬間を示しており、この点は、後述する図10〜図12においても同様である。
即ち、その引張荷重付与機構Tは、床スラブSfにアンカ20とこれに螺合、締結したナット21とを以て固着される断面コ字状の下部チャンネル部材22と、この下部チャンネル部材22の上部枠22uに下部枠23dが防振ゴム24を介して下側から係合する断面コ字状の上部チャンネル部材23と、この上部チャンネル部材23の上部枠23uおよび大引ビーム5の下部壁間をその間の間隔を調節可能に連結する連結手段Jとより構成され、前記防振ゴム24は、前記上部枠22u及び下部枠23dの何れか一方に接着され、その他方とは接離自在に当接される。
前記連結手段Jは、アンカ20と同軸状に配置されて大引ビーム5の下部壁5dに上部を螺挿させ且つ上部チャンネル部材23の上部枠23uに下部を遊挿させる連結ボルト25と、該ボルト25の前記下部壁5dとの螺合位置を固定するロックナット26と、前記上部枠23uの該ボルト25との相対高さ(従って上部チャンネル部材23のレベル、延いては後述する引張荷重)を調節し得るよう該ボルト25に螺合されて上部枠23uに係合する調節ナット27と、該ナット27の該ボルト25との螺合位置を固定するロックナット28とより構成されている。
而して引張荷重付与機構Tの組付けに際しては、予め下部チャンネル部材22を床スラブSfに、また連結ボルト25を大引ビーム5の下部壁5dにそれぞれ固着しておき、次いで、上部チャンネル部材23の下部枠23dを下部チャンネル部材22の上部枠22uに防振ゴム24を介して係合させながら、その上部チャンネル部材23の上部枠23uを連結ボルト25に調節ナット27で締め込み、更にその締め込み位置をロックナット28で固定することにより、防振ゴム24を上,下部チャンネル部材22,23間で挟圧しつつ、大引ビーム5の長手方向中央部に所定の引張荷重を付与する。
次に前記実施例の作用を説明する。この実施例では、居住空間Dwにおいて、床構造体Frを構成する複数の大引ビーム5…の両端部がビーム受8,8および防振ゴム14を介してコンクリート躯体Fの鉛直躯体壁2,2にそれぞれ支持され、複数の大引ビーム5…は、床スラブSfとの接触が回避され、上下階、左右隣室への振動騒音の伝播を可及的に低減することができる。
特に、複数の大引ビーム5…は、その両端部が鉛直躯体壁2,2に支持されることにより、床構造体Frにかかる荷重に起因する振動騒音は、複数の大引ビーム5…を介してコンクリート躯体Fの鉛直躯体壁2,2の上下および横方向に分散させることができる。また、床スラブSfには、床構造体Frの荷重が作用しないこと、および遮音機能をもたせないですむことから、この床スラブSfを、従来の床スラブのスラブ厚さ(20〜27cm)よりも可及的に薄く(約10〜15cm)することが可能になり、これにより居住空間Dwの室内高さを高くとることができ、さらに、コンクリート躯体Fの重量を低減して、耐震、制震性能を向上させることができ、さらにまた、コンクリートや鋼材の使用量の低減により、建物自体の大幅なコストダウンが達成される。
さらに、床構造体Frは、その床板7よりも下方で鉛直躯体壁2に支持することができることから、その床構造体Frよりも上に、該床構造体Frを支持するための部材が存在せず、しかも鉛直躯体壁2には、仕上げ壁材をじか貼りすることができ、室内空間を広く確保することができる。また、ビーム受8,8は複数の大引ビーム5…の上部壁5uの端部上面に固定されていて、該大引ビーム5…の下面よりも下方に突出することがなく、大引ビーム5…と、床スラブSf間の隙間D1は、必要最少限度に設定することができ、その結果、床下空間の占有高さが高くなることもない。
ところで大引ビーム5を含む床構造体Frには、その上の居住空間で子供が暴れたり体重の大きな居住者が忙しく歩き回ったりすることで少なからず衝撃荷重を受けることがあり、このとき、スパンの長い大引ビーム5は、その長手方向中間部に下向きの衝撃荷重を受け、その衝撃の強さに応じて上下振動しようとする。特にその衝撃荷重が断続的に繰り返されたような場合には、前記制振装置(引張荷重付与機構T)の設けられていない床支持構造では、前記衝撃荷重が繰り返される度毎に、図9に点線で示すように大引ビーム5の上下振動の振幅が漸次増大して、図8に点線で示すように床板7上の居住者を大きく揺すぶり、船酔いに似た不快感を起こさせる虞れがある。
しかるに本実施例では、床スラブSfとビーム5中間部との間に特設した上記引張荷重付与機構Tが、衝撃荷重の床スラブSfへの伝達を阻止しつつ該ビームの上下振動を抑制可能となっている。即ち、引張荷重付与機構Tは、前記衝撃荷重により大引ビーム5が上下振動しようとするときにビーム中間部の静止位置からの上方変位を抑制し得るように、該ビーム中間部に対し下向きの引張荷重を付与するので、比較的簡単な構造で、上記衝撃荷重に因る大引ビーム5の上下振動を効果的に抑制できて、その振幅増加を未然に効果的に防止できる。この場合、前記衝撃荷重がビーム中間部に作用した瞬間には、そのビーム中間部が下方に若干弾性変形して上,下部チャンネル部材22,23相互間の、防振ゴム24を介しての係合が一時的に解除(即ち図7の(b)に示すように該ゴム24が下部チャンネル部材22の上部枠22uから一旦離間)して、衝撃荷重が床スラブSf側に伝達されるのを阻止でき、次にその反動でビーム中間部が静止位置よりも更に上方へ勢いよく振動変位しようとするが、その振動変位は、ダンパゴムとして機能する防振ゴム24が圧縮されることで効果的に抑制、減衰でき、これにより、ビーム中間部の上下振動が効果的且つ迅速に収束に向かい、このときのビーム中間部の振幅の経時変化は図9の実線で示すようになり、従って、ビーム中間部の撓み変形は、図8の実線に例示したように静止位置又はその静止位置から僅かに上方の位置が上限となる程度に抑制される。
かくして、前記衝撃荷重が断続的に繰り返されたような場合でも、大引ビーム5の上下振動が増幅されるのを効果的に防止でき、その振動増幅により床板7上の居住者が大きく揺すぶられるような心配はなくなり、居住性が一層向上する。また制振装置としての引張荷重付与機構Tは、上記のようにビーム中間部に所定の引張荷重を付与するだけの比較的簡単な構造で、衝撃荷重に因る大引ビーム5の上下振動を効果的に抑制、減衰でき、その振幅増加が未然に効果的に抑えられる。
図10には、本発明の第2実施例が示される。この実施例では、引張荷重付与機構Tの構造だけが先の実施例と異なる。
即ち、この実施例の引張荷重付与機構Tは、床スラブSfに固着したアンカ30と一体のリング状の係止片30aと、大引ビーム5の下部壁5dに上部が衝合し且つ連結手段J′を介して固定された函状の連結枠31と、この連結枠31の下部に基部が挿通されるフック32と、このフック32の基部を連結枠31の下部に取付高さ(従ってフック32のレベル、延いては後述する引張荷重)を調節し得るよう該フック32の基部に螺合されて連結枠31の下部に係合する調節ナット33と、係止片30aに下端が係止され上端がフック32に係合するロープ34とより構成される。
前記連結手段J′は、この連結枠31の上部と大引ビーム5の下部壁5dとの間を結合するボルト36及び上下一対のナット37,38と、下側のナット37と連結枠31の上部との間に介装される防振ゴム35とより構成される。この防振ゴム35は、衝撃荷重を受けた大引ビーム5の中間部が一旦下方へ弾性変形した後、その反動で静止位置より更に上方へ振動変位しようとするときに圧縮されてそのビーム中間部の上下振動を抑制、減衰するダンパゴムとして機能する。
引張荷重付与機構Tの組付けに際しては、予めアンカ30を床スラブSfに、また連結枠31を大引ビーム5の下部壁5dにそれぞれ固定しておき、次いで、係止片30aに下端が係止されたロープ34の上端にフック32を係合させ、同フック32の基部を連結枠31の下部に挿通させて調節ナット33を締め込むことにより、防振ゴム24をナット37及び連結枠31上部間で挟圧しつつ、大引ビーム5の長手方向中央部に所定の引張荷重を付与する。
而してこの第2実施例においても、床スラブSfとビーム5中間部との間に特設した引張荷重付与機構Tが、衝撃荷重の床スラブSfへの伝達を阻止しつつ該ビームの上下振動を抑制可能となっている。即ち、引張荷重付与機構Tは、前記衝撃荷重により大引ビーム5が上下振動しようとするときにビーム中間部の静止位置からの上方変位を抑制し得るように、該ビーム中間部に対し下向きの引張荷重を付与するので、比較的簡単な構造で、上記衝撃荷重に因る大引ビーム5の上下振動を効果的に抑制できて、その振幅増加を未然に効果的に防止できる。この場合、前記衝撃荷重がビーム中間部に作用した瞬間には、そのビーム中間部が下方に若干弾性変形してロープ34を一時的に弛ませて、衝撃荷重が床スラブSf側に伝達されるのを阻止でき、次にその反動でビーム中間部が静止位置よりも更に上方へ勢いよく振動変位しようとするが、その振動変位は、ロープ34が再び緊張し且つダンパゴムとして機能する防振ゴム35が圧縮されることで効果的に減衰でき、これにより、ビーム中間部の上下振動が効果的且つ迅速に収束に向かい、このときのビーム中間部の振幅の経時変化およびビーム中間部の撓み変形の程度は、第1実施例と同様となる。
図11には、本発明の第3実施例が示される。この実施例では、引張荷重付与機構Tの構造だけが先の実施例と異なる。
即ち、この実施例の引張荷重付与機構Tは、前記第2実施例の連結手段J′(従って防振ゴム35)及び連結枠31を省略して、大引ビーム5の下部壁5dにフック32が第2実施例と同様の手法で直接取付けられる。即ち、引張荷重付与機構Tは、床スラブSfに固定した係止片30a付きのアンカ30と、大引ビーム5の下部壁5dに基部が挿通されるフック32と、このフック32の基部を該下部壁5dに取付高さ(従ってフック32のレベル、延いては後述する引張荷重)を調節し得るよう該フック32の基部に螺合されて下部壁5dに係合する調節ナット33と、係止片30aに下端が係止され上端がフック32に係合するロープ34とより構成される。
引張荷重付与機構Tの組付けに際しては、予めアンカ30を床スラブSfに固定しておき、次いで、係止片30aに下端が係止されたロープ34の上端にフック32を係合させ、同フック32の基部を連結枠31の下部に挿通させて調節ナット33を締め込むことにより、大引ビーム5の長手方向中央部に所定の引張荷重を付与するようにする。
而してこの第3実施例においては、床スラブSfとビーム5中間部との間に特設した引張荷重付与機構Tが、衝撃荷重の床スラブSfへの伝達を阻止しつつ該ビームの上下振動を抑制可能となっている。即ち、引張荷重付与機構Tは、前記衝撃荷重により大引ビーム5が上下振動しようとするときにビーム中間部の静止位置からの上方変位を規制し得るように、該ビーム中間部に対し下向きの引張荷重を付与するので、比較的簡単な構造で、上記衝撃荷重に因る大引ビーム5の上下振動を効果的に抑制できて、その振幅増加を未然に効果的に防止できる。この場合、前記衝撃荷重がビーム中間部に作用した瞬間には、そのビーム中間部が下方に若干弾性変形してロープ34を一時的に弛ませて、衝撃荷重が床スラブSf側に伝達されるのを阻止でき、次にその反動でビーム中間部が静止位置よりも更に上方へ勢いよく振動変位しようとするが、その振動変位は、ロープ34が再び緊張することで効果的に減衰でき、これにより、ビーム中間部の上下振動が効果的且つ迅速に収束に向かう。
図12には、本発明の第4実施例が示される。この実施例では、引張荷重付与機構Tの構造だけが先の実施例と異なる。
即ち、この実施例の引張荷重付与機構Tは、大引ビーム5と床スラブSfとの間に介装した油圧ダンパで構成されるものであって、それは、大引ビーム5の下部壁5dに固着され内部に作動油を充満させたシリンダ40と、このシリンダ40内に摺動可能に嵌合されたピストン41と、このピストン41に連結されてシリンダ40の下部壁を油密に且つ摺動可能に貫通し且つ下端が床スラブSfに固着されたピストンロッド42と、シリンダ40内に収納されてシリンダ40の上部壁とピストン41との間に張設されて大引ビーム5に下向きの引張荷重を付与する引張ばね43とを備える。
前記ピストン41は、シリンダ40内を上部油室uと下部油室dとに区画しており、またその上,下部油室u,d間を連通させる少なくとも1つの油孔41aを有している。更にピストン41の下面における前記油孔41aの開口部には、油圧ダンパTの収縮(従って大引ビーム5の下方変位)はスムーズに許容するが伸長(従って大引ビーム5の上方変位)に対しては所定の減衰力を付与するためのオリフィス44a付き一方向弁44が設けられる。
而してこの第4実施例においては、床スラブSfとビーム5中間部との間に特設した引張荷重付与機構としての油圧ダンパTが、衝撃荷重の床スラブSfへの伝達を阻止しつつ該ビームの上下振動を抑制可能となっている。即ち、油圧ダンパTは、前記衝撃荷重により大引ビーム5が上下振動しようとするときにビーム中間部の下方変位はスムーズに許容するが、上方変位に対しては一方向弁44のオリフィス41aによる絞り抵抗に基づき十分な減衰力が付与され、更に引張ばね43の引張抵抗も働いて、上記衝撃荷重に因る大引ビーム5の上下振動を効果的に抑制、減衰でき、これにより、ビーム中間部の上下振動が効果的且つ迅速に収束に向かう。
また図13〜図15には、本発明の第5実施例が示される。この実施例では、複数の大引ビーム5…の長手方向中間部に、その相互間に跨がって延び且つその相互間を連結する断面L字状の中継枠50が結合され、この中継枠50を介して前記制振装置Tと各大引ビーム5との間が連結される。
その各大引ビーム5の上部壁5uの上面と中継枠50の下部壁50dの下面とは重合配置され、その間の結合構造は、大引ビーム5の端部とビーム受8(水平半部8h)との間の結合構造と同様であり、即ちボルト・ナット10及び防振ゴム14を介して連結、固定される。
また制振装置Tは、第1実施例の制振装置Tと同様であって、これと中継枠50との間の結合構造も、第1実施例における上部チャンネル部材23と大引ビーム5の下部壁5dとの間の、連結手段Jを介しての結合構造と同様であるので、具体的な説明は省略し、第1実施例と同一機能を有する構成要素の参照符号を付すに留めるものとする。
而してこの第5実施例でも、第1実施例と同様の作用効果が期待できるが、本実施例では、更に大引ビーム5の下端と床スラブSfとの間に鉛直方向の充分な隙間D1を確保し得ない場合(即ち床構造体Frと床スラブSFとの間が接近している場合)でも、制振装置Tを大引ビーム5直下より外れた位置で無理なく設置可能となり、換言すれば、制振装置Tに影響されずに床構造体Fr(大引ビーム5)を床スラブSfに近接配置することができる。
尚、大引ビーム5と制振装置Tとの間を前記のような中継枠50を介して結合する手法は、図示はしないが、第2〜第4実施例(図10〜12)の床支持構造にも適用可能である。
また図16,図17には、本発明の第6実施例が示される。この実施例では、鉛直躯体壁2による大引ビーム5…に対する両端部支持構造だけが、前実施例と相違している。
即ち、この実施例では、各鉛直躯体壁2には、複数本の大引ビーム5…の長手方向と直交する方向に間隔をおいて且つ隣り合う大引ビーム5,5の中間において複数の支持部材100が、大引ビーム5の略上半部に対応する高さ位置に固定される。その各支持部材100は、横断面アングル状の等辺山形鋼により構成され、その垂直半部100vの中央部には、上下に長い長孔101が穿設される。一方、各鉛直躯体壁2には、前記支持部材100に対向して複数のインサートナット102が一体に埋設されており、ワッシャ103を介して長孔101を貫通した取付ボルト104をインサートナット102に螺締することにより、複数の支持部材100…は、鉛直躯体壁2に上下に位置調節可能に各々固定される。
その複数の支持部材100…の水平半部100h…上には、複数の大引ビーム5…と直交する方向に延びるビーム受8′が防振ゴム105を介して載置されており、このビーム受8′の鉛直半部8v′と鉛直躯体壁2との対向面間にも、他の防振ゴム106が介装される。
前記ビーム受8′には、隣り合う支持部材100,100間において、複数の大引ビーム5…が間隔をあけて懸吊支持される。即ち、図17に示すように、ビーム受8′の水平半部8hには、大引ビーム5の端部が防振ゴム114を介してボルト・ナット110により懸吊支持される。そして、複数の大引ビーム5…の両端部と鉛直躯体壁2との間には隙間D2が形成され、また複数の大引ビーム5…の下面と床スラブSfとの間には隙間D1が形成され、これにより、複数の大引ビーム5…は、床スラブSfおよび鉛直躯体壁2,2に直接接触することがない。
前実施例と同様、複数の大引ビーム5…上には、これらと略直交して木製などの角柱材により形成される、複数本の根太6…が相互に平行に敷設され、さらにそれらの根太6…上に、フローリング材などよりなる床板7が敷設される。
而してこの第6実施例では、居住空間Dwにおいて、床構造体Frを構成する複数の大引ビーム5…の両端部が、鉛直躯体壁2,2に固定の複数の支持部材100…により防振ゴム105を介して載置支持されるビーム受8′,8′に懸吊支持されることにより、複数の大引ビーム5…は、床スラブSf及び鉛直躯体壁2との接触が回避され、上下階、左右隣室への振動騒音の伝播を可及的に低減することができる。
さらにこの第6実施例では、複数の支持部材100…により、大引ビーム5の上下位置調節、即ち床構造体Frの鉛直躯体壁2に対する上下位置調整を精度よく簡単容易に行うことができる。尚、この支持部材100の上下位置調節構造は、前実施例のビーム受8のボルト12による支持部に適用してビーム受8を上下位置調節できるようにしてもよい。尚、またこの第6実施例では、支持部材100の固定支持に当たり鉛直躯体壁2にインサートナット102を埋設して、これに取付ボルト104を螺締するようにしたが、この構造に代えて、次に説明する第7実施例のように鉛直躯体壁2にアンカーボルトの基部を埋設して、そのボルトの、鉛直躯体壁2より突出したネジ軸部にナットを螺締するようにしてもよい。
また図18,図19には、本発明の第7実施例が示される。この実施例では、鉛直躯体壁2による大引ビーム5…に対する両端部支持構造だけが、前実施例と相違している。
即ち、この実施例では、各鉛直躯体壁2には、複数本の大引ビーム5…の長手方向と直交する方向に間隔をおいて且つ隣り合う大引ビーム5,5の中間において複数の支持部材100が、大引ビーム5よりも下方位置において固定される。その各支持部材100は、第6実施例と同じ構造の等辺山形鋼により構成され、その垂直半部100vの中央部には、上下に長い長孔101が穿設される。一方、各鉛直躯体壁2には、前記支持部材100に対向して複数のアンカーボルト202の基部が一体に埋設されており、そのアンカーボルト202の、長孔101及びワッシャ103を介して前記隙間D1側に張り出したネジ軸部にナット204を螺締することにより、複数の支持部材100…は、鉛直躯体壁2に上下に位置調節可能に各々固定される。
その複数の支持部材100…の水平半部100h…上には、複数の大引ビーム5…と直交する方向に延びるビーム受8′が防振ゴム105を介して載置されており、このビーム受8′の鉛直半部8v′と鉛直躯体壁2との対向面間にも、他の防振ゴム106が介装される。
前記ビーム受8′には、隣り合う支持部材100,100間において、複数の大引ビーム5…の端部下面が防振ゴム214を介して相互に間隔をあけて載置、支持される。そして、複数の大引ビーム5…の両端部と鉛直躯体壁2との間には隙間D2が形成され、また複数の大引ビーム5…の下面と床スラブSfとの間には隙間D1が形成され、これにより、複数の大引ビーム5…は、床スラブSfおよび鉛直躯体壁2,2に直接接触することがない。
前実施例と同様、複数の大引ビーム5…上には、これらと略直交して木製などの角柱材により形成される、複数本の根太6…が相互に平行に敷設され、さらにそれらの根太6…上に、フローリング材などよりなる床板7が敷設される。
而してこの第7実施例では、居住空間Dwにおいて、床構造体Frを構成する複数の大引ビーム5…の両端部が、鉛直躯体壁2,2に固定の複数の支持部材100…により防振ゴム105を介して載置支持されるビーム受8′,8′に更に防振ゴム214を介して載置支持されることにより、複数の大引ビーム5…は、床スラブSf及び鉛直躯体壁2との接触が回避され、上下階、左右隣室への振動騒音の伝播を可及的に低減できる。
さらにこの第7実施例でも、複数の支持部材100…により、大引ビーム5の上下位置調節、即ち床構造体Frの鉛直躯体壁2に対する上下位置調整を精度よく簡単容易に行うことができる。尚、またこの実施例では、支持部材100の固定支持に当たり鉛直躯体壁2にアンカーボルト202の基部を埋設して、これにナット202を螺締するようにしたが、この構造に代えて、前記第6実施例のように鉛直躯体壁2にインサートナットを埋設して、これに取付ボルトを螺締するようにしてもよい。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はそれらの実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
たとえば、前記実施例では、本発明にかかる建築物における床支持構造を、集合住宅に実施した場合を説明したが、これを他のコンクリート建築物にも実施できる。また、床構造体の床板としては、フローリング板の外、畳床、その他の公知のものの使用が可能である。
また前記実施例では、制振装置としての只1つの引張荷重付与機構Tを、床スラブSfと各大引ビーム5の長手方向中央部との間に設けたものを示したが、本発明では、引張荷重付与機構Tを、床スラブSfと各大引ビーム5の長手方向中央部の近辺(即ち中央部より若干外れた領域)との間に設けてもよく、或いは、複数の引張荷重付与機構Tを、各大引ビーム5の長手方向中央部及びその近辺のビーム中間部において、各大引ビーム5と床スラブSfとの間にその長手方向に間隔をおいて設けるようにしてもよい。
本発明床支持構造を備えた集合住宅の一部の縦断面図(第1実施例) 図1の2−2線に沿う一部破断平面図 図2の3−3線に沿う拡大断面図 図3の4矢視仮想線囲い部分の拡大図 図4の5−5線に沿う断面図 制振装置(引張荷重付与機構)の要部正面図 図6の7−7線に沿う拡大断面図 大引ビームに衝撃荷重が作用したときの該ビームの振動状態を示す概念図 大引ビームに衝撃荷重が断続的に作用したときのビーム振動の経時変化を示すタイミングチャート 第2実施例に係る制振装置(引張荷重付与機構)を示す、図8対応断面図 第3実施例に係る制振装置(引張荷重付与機構)を示す、図8対応断面図 第4実施例に係る制振装置(引張荷重付与機構)を示す、図8対応断面図とその一部拡大図 第5実施例を示す、図1対応図 第5実施例に係る制振装置(引張荷重付与機構)を示す、図6対応断面図(図13の14矢視部拡大図) 第5実施例に係る制振装置(引張荷重付与機構)を示す、図7対応断面図(図14の15−15線断面図) 第6実施例を示す、図4対応拡大断面図 図16の17−17線に沿う断面図(図5対応断面図) 第7実施例を示す、図4対応拡大断面図 図18の19−19線に沿う断面図(図5対応断面図)
符号の説明
2 鉛直躯体壁
5 大引ビーム
5d 下部壁(係合部材)
7 床板
8 ビーム受
14 防振ゴム(弾性体)
22 下部チャンネル部材(係合部材)
23 上部チャンネル部材(係合部材)
24 防振ゴム(ダンパゴム)
31 連結枠(係合部材)
34 ロープ(索条)
35 防振ゴム(ダンパゴム)
50 中継枠
D1 隙間
D2 隙間
Fh 水平躯体部分
Sf 床スラブ
T 引張荷重付与機構(制振装置)

Claims (6)

  1. 梁の上面に床スラブ(Sf)が接続される正梁構造のコンクリート躯体をもつ建築物において、
    居住空間(Dw)の床構造体(Fr)は、一平面上に間隔をあけて並列される複数本の大引ビーム(5)と、そのビーム(5)上に敷設される床板(7)とを備え、前記複数の大引ビーム(5)は、床スラブ(Sf)との間に隙間(D1)を存して配置され、それら大引ビーム(5)の両端部は、鉛直躯体壁(2,2)との間に隙間(D2)を存して配置されると共に該鉛直躯体壁(2,2)に弾性体(14)を介して支持され、床スラブ(Sf)と各大引ビーム(5)の長手方向中間部との間には、該ビーム(5)が下向きの衝撃荷重を受けたときにその衝撃荷重の床スラブ(Sf)への伝達を阻止しつつ該ビーム(5)の上下振動を抑制する少なくとも1つの制振装置(T)が介装されることを特徴とする、建築物における床支持構造。
  2. 前記制振装置(T)は、前記衝撃荷重により各大引ビーム(5)が上下振動しようとするときに、そのビーム(5)中間部の静止位置からの上方変位を抑制し得るように、該ビーム(5)中間部に対し下向きの引張荷重を付与する引張荷重付与機構より構成されることを特徴とする、請求項1に記載の建築物における床支持構造。
  3. 前記制振装置(T)は、床スラブ(Sf)側の係合部材(22;31)と大引ビーム(5)側の係合部材(23;5d)との係合部に設けられるダンパゴム(24;35)を備え、前記衝撃荷重により各大引ビーム(5)が上下振動しようとするときに、そのビーム(5)中間部の静止位置からの上方変位が該ダンパゴム(24;35)の変形抵抗により抑制されるようにしたことを特徴とする、請求項2に記載の建築物における床支持構造。
  4. 前記制振装置(T)は、床スラブ(Sf)と大引ビーム(5)とにそれぞれ固定されて、大引ビーム(5)の静止状態では相互に係合するが同ビーム(5)が静止位置から下方に変位したときは前記係合が解除されて前記衝撃荷重の床スラブ(Sf)への伝達を阻止する一対の係合部材(22,23)を備えることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の建築物における床支持構造。
  5. 前記制振装置(T)は、床スラブ(Sf)と大引ビーム(5)との間に介装されて、大引ビーム(5)の静止状態では緊張しているが同ビーム(5)が静止位置から下方に変位したときは前記緊張が弛んで前記衝撃荷重の床スラブ(Sf)への伝達を阻止する可撓性の索条(34)を備えることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の建築物における床支持構造。
  6. 複数の大引ビーム(5)の長手方向中間部には、その相互間に跨がって延び且つその相互間を連結する中継枠(50)が結合され、この中継枠(50)を介して前記制振装置(T)と大引ビーム(5)との間が連結されることを特徴とする、請求項 1〜5の何れかに記載の建築物における床支持構造。
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