JP2002227338A - 建築物における床支持構造 - Google Patents

建築物における床支持構造

Info

Publication number
JP2002227338A
JP2002227338A JP2001021008A JP2001021008A JP2002227338A JP 2002227338 A JP2002227338 A JP 2002227338A JP 2001021008 A JP2001021008 A JP 2001021008A JP 2001021008 A JP2001021008 A JP 2001021008A JP 2002227338 A JP2002227338 A JP 2002227338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor
floor slab
beams
building
slab
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001021008A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikuo Iida
郁夫 飯田
Koji Okita
廣司 沖田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iida Kenchiku Sekkei Jimusho KK
Original Assignee
Iida Kenchiku Sekkei Jimusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iida Kenchiku Sekkei Jimusho KK filed Critical Iida Kenchiku Sekkei Jimusho KK
Priority to JP2001021008A priority Critical patent/JP2002227338A/ja
Publication of JP2002227338A publication Critical patent/JP2002227338A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 床スラブに下向きに延びる正梁を一体に設け
てなる、コンクリート躯体構造をもつ建築物において、
床スラブ上に設けられる床構造体の、床スラブとの接触
を回避して、階上の床上に加わる衝撃振動が、階下の居
住空間に伝わるのを可及的に低減して、遮音性能を向上
させるようにした。 【解決手段】 床スラブSfを連結して相互に離れて設
けられる正梁Bnの真上に、防振緩衝材8を介して複数
の大引ビーム5を橋架支持し、これらの大引ビーム5上
には、床板7を敷設し、床スラブSfと大引ビーム5と
の間には、正梁Bnの真上に位置する領域を除いて、何
も存在しない間隙sを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床スラブに下向き
に延びる正梁を一体に設けてなる、コンクリート躯体構
造をもつ建築物における床支持構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、マンションなどの集合住宅で
は、梁間の床スラブ上に、束、際根太などの床支持部材
をもって床構造体を支持するようにしているので、階上
の床上に加わる衝撃振動音が、前記床構造体、その支持
部材から床スラブを伝わって階下の居住空間へと振動騒
音となって伝わり、居住空間の環境悪化、品質低下など
を招く原因になるという問題があり、特に最近では、生
活様式の変化により、和室が少なくなり、洋室もカーペ
ット床から木質系のフローリング床へと居住者のニーズ
に変化が見られ、床部分での音の吸収性が低下している
ことから、階下の居住空間へ伝わる振動騒音が一層大き
くなる傾向があり、その遮音対策が大きな問題となって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来よりその
遮音対策として、 束などの床支持部材にゴムなどの緩衝部材を設ける。
【0004】床スラブのコンクリート厚さを厚くて、
それ自体を遮音構造(厚さ20mm、住宅金融公庫最低
基準)とする。
【0005】などの技術手段が採用されている。
【0006】しかしながら、前記では、床構造体は、
束などの床支持部材を介して床スラブに接触した状態で
支持されていることから、床上にかかる衝撃振動は、床
支持部材により緩衝吸収されるにせよ、床スラブへの伝
達は避けられず、遮音対策として十分な効果を期待する
ことができず、またでは、床スラブを遮音対策のため
にだけ、必要以上に厚くすることからコンクリート躯体
の大幅な重量増となり、長期の耐震性によい影響を及ぼ
さないばかりでなくコスト高を招き、さらに遮音対策と
して十分な効果が得られず、何れの場合にも所期の遮音
対策とはならないという問題がある。
【0007】本発明はかかる実情に鑑みてなされたもの
であり、床構造体と、居住空間上の床スラブとの直接接
触を回避するようにして、階上の床に加わる振動騒音の
階下の居住空間への伝播を可及的に低減して、遮音性能
を大幅に向上させるようにした、新規な建築物における
床支持構造を提供することを主な目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本請求項1記載の発明は、床スラブに下向きに延び
る正梁を一体に設けてなる、コンクリート躯体をもつ建
築物において、床スラブを連結して相互に離隔して対設
される正梁の真上に、複数の大引ビームを並列して橋架
支持し、それらの大引ビーム上に床板を敷設し、床スラ
ブと大引ビームとの間には、正梁の真上に位置する領域
を除く床スラブ上の全域にわたり、床スラブと大引ビー
ムとが接触することのない間隙を形成したことを特徴と
しており、かかる特徴によれば、床板を支持する大引
は、正梁の真上で支持されて床スラブとの接触を回避す
ることができ、階上の床上に加わる衝撃振動の階下の居
住空間への伝播を可及的に低減することができ、遮音性
能を大幅に向上させることができ、また床スラブは、そ
こに床板からの荷重がかからないこと、および遮音機能
を考慮しないで済むことから、従来のものより薄くする
ことができ、その分、階高を変えずに天井高さを高くす
ることができ、さらに躯体重量が低減化するので耐震性
能を向上させることができ、さらにまたコンクリート使
用量の低減により、コンクリート躯体の構築コストダウ
ンを達成することができる。
【0009】また、前記目的を達成するために、本請求
項2記載の発明は、前記請求項1記載のものにおいて、
前記大引ビームの両端部は、正梁の真上に、防振緩衝材
を介してそれぞれ支持されていることを特徴としてお
り、かかる特徴によれば、前記請求項1記載の発明の効
果に加えて、床上にかかる衝撃振動は、防振緩衝材によ
り緩衝吸収されて正梁へと伝わるため、遮音性能が一層
顕著に向上し、また防振緩衝材の厚さ調整で、天井高さ
調整(床下空間の高さ調整)を自由に行うことができ
る。
【0010】さらに、前記目的を達成するために、本請
求項3記載の発明は、前記請求項1、または2記載のも
のにおいて、前記床スラブには、単層のメッシュ板より
なる鉄筋が埋設されていることを特徴としており、かか
る特徴によれば、前記請求項1、または2記載の発明の
効果に加えて、鉄筋の使用量を低減すると共にその配筋
工事を簡素化し、コンクリートの使用量の低減と相俟っ
て建築コストの大幅なダウンが可能になる。
【0011】さらにまた、前記目的を達成するために、
本請求項4記載の発明は、前記請求項1、2または3記
載のものにおいて、相隣り合う大引ビーム間には、物入
れが移動可能に支持され、その物入れと床スラブ間に
は、それらの相互接触を回避するための間隙が形成さ
れ、また前記床板には、前記物入れに荷物の出入れをす
るためのハッチが開口されていることを特徴としてお
り、かかる特徴によれば、前記請求項1,2または3記
載の発明の効果に加えて床下を物入れ空間として利用し
ても床スラブには、物入れの荷重が作用することがな
く、遮音効果が何ら損なわれることがなく、さらに大引
ビームが物入れの支持部材として利用されることから、
部品点数の削減と、構造の簡素化が可能になり、物入れ
を設けたことによるコスト増を最少限に抑えることがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】まず、図1〜7を参照して、本発明の第1
実施例について説明するに、この第1実施例は、本発明
床支持構造を、集合住宅に実施した場合であり、図1
は、図2の1−1線に沿う集合住宅の一部の平面図、図
2は、図1の2−2線に沿う断面図、図3は、図2の3
矢視の仮想線囲い部分の拡大図、図4は、図2の4−4
線に沿う断面図、図5は、図1の5−5線に沿う拡大断
面図、図6は、図5の6−6線に沿断面図、図7は、図
6の7−7線に沿う断面図である。
【0014】集合住宅の骨格を構成する、正梁構造のコ
ンクリート躯体Fは、水平方向に延びて、建築物を複数
の階層に区画する水平躯体部分Fhと、鉛直方向に延び
て上下の水平躯体部分Fhを相互に連結する鉛直躯体部
分Fvとを備えている。
【0015】前記水平躯体部分Fhは、居住空間Dwを
上下に仕切る床スラブSfを備え、この床スラブSfの
下面に複数の正梁Bnを下向きに一体に突設した、所謂
「正梁構造」に構成されている。また、前記鉛直躯体部
分Fvは、居住空間Dwの隅部に立設される躯体柱1
と、並列する躯体柱1間を連結する躯体外壁2と躯体隔
壁3を備えている。
【0016】水平躯体部分Fhにより仕切られる各階層
には、複数の一戸分の居住空間Dwが並設され、各居住
空間Dwは、躯体外壁2、躯体隔壁3により仕切られ
る。
【0017】以下に、一つの居住空間Dwについて、そ
の床支持構造について説明するに、躯体柱1を連結する
左右の正梁Bn間は、水平に延びる床スラブSfによっ
て連結される。そして、正梁Bnの上面と床スラブSf
の上面は、一平面を形成するように一体に接続されてい
る。床スラブSfは、コンクリート躯体Fの成形時に、
仮設型枠へのコンクリートの打設により他の躯体部分と
同時に成形されるが、その厚さtは、後に述べるよう
に、荷重負荷が一切かからない構造とすることから従来
のものの1/2以下の厚さ(約9cm)に形成されてい
る。
【0018】前記床スラブSfの上方には、間隙sを存
して複数の大引ビーム5が間隔をあけて互いに平行に配
設され、これらの大引ビーム5の両端部が、左右の正梁
Bnの真上に緩衝的に支持されており、それらの大引ビ
ーム5は、床スラブSfの、正梁Bnの真上の領域を除
く全領域の上面との接触が回避される。そして、それら
の大引ビーム5の両端部下面と、正梁Bnの上面との間
には、防振緩衝材である防振ゴム8が介在される。ま
た、それらの大引ビーム5の両端面と、躯体隔壁3側面
との間にも防振緩衝材である防振ゴム9が介在されてお
り、これらの防振ゴム8,9は、大引ビーム5の、コン
クリート躯体Fに対する横揺れを抑制する機能を有す
る。
【0019】前記複数の大引ビーム5上には、これらと
略直交して複数の根太6が相互に平行に敷設され、さら
にそれらの根太6上に、床板7が敷設される。そして、
前記根太6、および床板7により、床構造体が構成され
ている。
【0020】図2,3に示すように、床スラブSfの、
正梁Bnの真上の領域を除く全領域の上面と、大引ビー
ム5との間には、それらの相互接触を回避するための間
隙sが形成されている。なお、床スラブSf上には、必
要に応じて遮音シート10が敷設される。
【0021】床スラブSfは、そこに荷重負荷をかけな
いことから、前述のように、薄く形成されており、そこ
に埋設される鉄筋12は、図2〜4に示すように、単層
の偏平な、目の粗いメッシュ板よりなり、具体的には、
縦鉄筋条12aと横鉄筋条12bとを金網状に編成して
なる。したがって床スラブSfは、それが薄く形成され
ること、およびそこに埋設される鉄筋12が単層で、し
かも目の粗い、偏平なメッシュ板であることにより、使
用するコンクリート材および鉄筋材が少なくて済み、軽
量かつ廉価に提供することが可能になる。
【0022】図5に示すように、前記大引ビーム5は、
鋼板を横断面Σ状に屈曲形成して構成され、上面の平坦
な断面チャンネル状の上部5uと、下面の平坦なチャン
ネル状の下部5dと、それら上部5aと下部5bとを一
体に連結する鉛直状の中間部5mとより構成されてい
る。
【0023】図1および5〜7に示すように、複数の大
引ビーム5のうち、居住空間Dwの中間部に位置する、
相隣り合う2本の大引ビーム5′,5′間には、複数の
物入れ14が往復移動可能に設けられる。各物入れ14
は、上面開放の四角な箱状をしており、前記2本の大引
ビーム5′,5′間に収容され、それらの大引ビーム
5′,5′と対面する両側壁の下部には、それぞれ数個
のキャスタ15が回転自在に支持されている。図5に示
すように、2本の大引ビーム5′,5′は、その下部の
自由端に、断面コ字状のガイドレール16が一体に延設
され(他の大引ビーム5と相違している)、これらのガ
イドレール16上を、前記キャスタ15が転動自在に係
合されている。したがって物入れ14は、2本の大引ビ
ーム5′,5′間を、ガイドレール16に沿って往復移
動が可能である。また2本の大引ビーム5′,5′間に
収容される複数の物入れ14は、連結金具17により着
脱自在に連結可能であり、この連結金具17は、その両
端部に断面コ字状の鉤部17aを有しており、これらの
鉤部17aは、物入れ14の上縁に係脱可能である。し
たがって図6,7に示すように、前後の物入れ14の上
縁部に、連結金具17両端の鉤部17aを連結すれば、
それらの物入れ14を連結することができ、この実施例
では、3つの物入れ14が連結できるようになってい
る。
【0024】前記物入れ14の開口部14aに対向し
て、居住空間Dwの床板7の中間部には、ハッチ18が
開口されている。このハッチ18は、大引ビーム5′,
5′上に設けた縁枠20およびそれと直交する根太6と
で縁取りされており、その開口面積は、物入れ14の平
面の面積よりも大きく、このハッチ18を通して物入れ
14を床板7上に取り出すことが可能である。またハッ
チ18は、そこに蝶着される蓋体19により開閉可能で
あり、この蓋体19が閉じられるとき、その下面は、大
引ビーム5′,5′の上面に載せられて、蓋体19と、
床板7の上面は面一になる。
【0025】なお、蓋体19はハッチ18に着脱可能に
嵌着できるようにしてもよい。
【0026】図5に鎖線で示すように、蓋体19を開放
し、その直下の物入れ14と床上間で物の出入れ作業を
行うことができ、また物入れ自体14を床上に取り出す
ことができる。さらに複数の物入れ14は、手動により
軽快にスライド移動させることができる。
【0027】ところで、図5,6に示すように、物入れ
14の下面と、床スラブSfの上面間には、間隙s′が
形成されていて、この物入れ14の底面が床スラブSf
上に接触するのを回避して、物入れ14の荷重は大引ビ
ーム5′,5′を介して正梁Bnで受け、床スラブSf
にはかからないようになっている。
【0028】つぎに、本発明に従う第1実施例の作用に
ついて説明するに、一つの居住空間Dwにおいて、床板
7を支持する複数の大引ビーム5の両端部は、正梁Bn
の真上に、防振ゴム8を介して支持されており、それら
の大引ビーム5と、床スラブSfとの間には、間隙sが
形成されて、それらの間には何も存在しないので、床板
7に加わる振動衝撃は、防振ゴム8により緩衝吸収され
て正梁Bnへと伝達されて、そこからコンクリート躯体
F全体に伝播されていき、居住空間Dwの下の床スラブ
Sfには殆ど伝達されないので、階上から階下への振動
騒音の伝播を可及的に低減することができて、階下の居
住空間Dwの遮音効果が高められる。
【0029】また、床スラブSfには、床板7に加わる
荷重が直接かからないこと、およびその床スラブSfを
遮音構造(床スラブSfの厚さを厚くする)としないで
済むことから、この床スラブSfを、従来の床スラブ
(厚さ20cm、住宅金融公庫最低基準)よりも薄く
(9cm)することができ、これにより床スラブSfの
重量軽減、延いてはコンクリート躯体F全体の重量軽減
が可能になり、その上、居住空間Dwの階高を一定とし
たとき、その天井高さ、すなわちその有効高さを高くす
ることができ、さらに、防振ゴム8の厚み調整で、天井
高さの調節を自由に行うことができ、また前記防振ゴム
8,9は、大引ビーム5の横揺れを抑制して、大引ビー
ム5の横振動による、そのコンクリート躯体Fへの接触
を回避することができる。
【0030】また、床スラブSfは、実質的に従来のよ
うな、遮音構造(厚さ20cm以上)とする必要がない
上に、床上の荷重を受けるための剛性を持たせる必要が
ないことから、それ自体薄く(厚さ9cm)形成するこ
とができ、その上、そこに埋設される、強度部材として
の鉄筋12は単層の目の粗い、偏平なメシュ板とするこ
とができ、その結果コンクリート床スラブSfの重量低
減化が可能になると共に耐震性を向上させることができ
る。
【0031】さらに、床下空間を、物入れ14の収容空
間として利用することができ、しかもその物入れ14
は、床スラブSfと接触することがないため、その物入
れ14の存在でも遮音効果が何ら損なわれることがな
い。さらにまた物入れ14は、大引ビームを利用して支
持されるため、その荷重は、正梁Bnで受けることにな
り、床スラブSfにその荷重がかかることがない。さら
に、全体の床構造の簡素化と、部品点数の低減を図るこ
とができ、コストの低減化を図ることができる。
【0032】つぎに、本発明の第2実施例について説明
する。
【0033】図8は、本発明にかかる第2実施例を示
し、建築物の床支持部の断面図であり、図中、前記第1
実施例と同じ部材には、同じ符号が付される。
【0034】この第2実施例は、正梁Bnの真上におい
て、躯体隔壁3の下部に、大引ビーム5を支持するため
の階段状の段差部200を一体に形成し、この段差部2
00の上面は、床スラブSfの上面よりも高くなってお
り、この上面に大引ビーム5,5′の両端部が防振ゴム
8を介して支持される。
【0035】しかして、前記段差部200は、仮設型枠
により躯体柱1、躯体壁2、床スラブSfなどのコンク
リート躯体を成形する際に、それらと一体に成形するこ
とができる。
【0036】この第2実施例によれば、床下空間の高さ
を高くすることができる。
【0037】この第2実施例において、前記段差部20
0の代わりに、正梁Bnの真上に束を立てるようにして
もよい。
【0038】つぎに、本発明の第3実施例について説明
する。
【0039】図9は、本発明にかかる第3実施例を示
し、建築物の床支持部の断面図であり、図中前記第1実
施例と同じ部材には、同じ符号が付される。
【0040】この第3実施例は、正梁Bnの真上におい
て、躯体隔壁3の下部に、大引ビーム5を支持するため
の断面コ字状の支持部300が床スラブSfの上方を横
方向に一体に形成され、この支持部300の上面は、床
スラブSfの上面よりも高くなっており、この上面に大
引ビーム5の両端部が防振ゴム8を介して支持される。
【0041】しかして、前記支持部300は、仮設型枠
により躯体柱1、躯体壁2、床スラブSfなどのコンク
リート躯体を成形する際に、それらと一体に成形するこ
とができる。
【0042】この第3実施例によれば、床下空間の高さ
を高くすることができる。
【0043】以上、本発明の第1〜3実施例について説
明したが、本発明はそれらの実施例に限定されることな
く、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0044】たとえば、前記実施例では、本発明を集合
住宅に実施した場合を説明したが、これをコンクリート
躯体をもつ他の建築物にも実施できることは勿論であ
り、また床板としては、フローリング床、畳、その他の
同効物が用いられる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本請求項1記載の発明に
よれば、建築物における床支持構造において、床板を支
持する大引は、正梁の真上で支持されて床スラブとの接
触を回避することができ、階上の床上に加わる衝撃振動
の階下の居住空間への伝播を可及的に低減することがで
きて遮音性能を大幅に向上させることができ、また床ス
ラブは、そこに床板からの荷重がかからないこと、およ
び遮音機能を考慮しないで済むことから、従来のものよ
り著しく薄くすることができ、その分、階高を変えずに
天井高さを高くすることができ、さらにコンクリート躯
体の重量が低減化するので耐震性能を向上させることが
でき、さらにまたコンクリート使用量の低減により、コ
ンクリート躯体の構築コストの大幅なダウンが可能にな
る。
【0046】また、本請求項2記載の発明によれば、前
記請求項1記載の発明の効果に加えて、床上にかかる衝
撃振動は、防振緩衝材により緩衝吸収されて正梁へと伝
播されるため、遮音性能が一層顕著に向上し、また防振
緩衝材の厚さ調整で、天井高さ調整(床下空間の高さ調
整)を自由に行うことができる。
【0047】さらに、本請求項3記載の発明によれば、
前記請求項1、または2記載の発明の効果に加えて、鉄
筋の使用量を低減すると共にその配筋工事を簡素化し、
コンクリートの使用量の低減と相俟って建築コストの大
幅なダウンが可能になる。
【0048】さらにまた、本請求項4記載の発明によれ
ば、前記請求項1,2または3記載の発明の効果に加え
て床下を物入れ空間として利用しても床スラブには、物
入れの荷重が作用することがなく、遮音効果が何ら損な
われることがなく、さらに大引ビームが物入れの支持部
材として利用されることから、部品点数の削減と、構造
の簡素化が可能になり、物入れを設けたことによるコス
ト増を最少限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の1−1線に沿う集合住宅の一部の平面図
【図2】図1の2−2線に沿う断面図
【図3】図1の3矢視の仮想線囲い部分の拡大図
【図4】図2の4−4線に沿う断面図
【図5】図1の5−5線に沿う拡大断面図
【図6】図5の6−6線に沿断面図
【図7】図6の7−7線に沿う断面図
【図8】建築物の床支持部の一部の断面図(第2実施
例)
【図9】建築物の床支持部の一部の断面図(第3実施
例)
【符号の説明】
5 大引ビーム 5′ 大引ビーム 8 防振緩衝材(防振ゴム) 12 鉄筋 14 物入れ 18 ハッチ Bn 正梁 Sf 床スラブ s 間隙 s′ 間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 15/18 601 E04F 15/18 601Z 19/08 103 19/08 103C Fターム(参考) 2E001 DF02 DG01 EA01 FA01 FA02 FA11 FA13 GA24 GA32 GA55 GA77 HA04 HB02 HE01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床スラブ(Sf)に下向きに延びる正梁
    (Bn)を一体に設けてなる、コンクリート躯体をもつ
    建築物において、 床スラブ(Sf)を連結して、相互に離隔して対設され
    る正梁(Bn)の真上に、複数の大引ビーム(5)を並
    列して橋架支持し、それらの大引ビーム(5)上に床板
    (7)を敷設し、床スラブ(Sf)と大引ビーム(5)
    との間には、正梁(Bn)の真上に位置する領域を除く
    床スラブ(Sf)上の全域にわたり、床スラブ(Sf)
    と大引ビーム(5)とが接触することのない間隙(s)
    を形成したことを特徴とする、建築物における床支持構
    造。
  2. 【請求項2】 前記大引ビーム(5)の両端部は、正梁
    (Bn)の真上に、防振緩衝材(8)を介してそれぞれ
    支持されていることを特徴とする、前記請求項1記載の
    建築物における床支持構造。
  3. 【請求項3】 前記床スラブ(Sf)には、単層のメッ
    シュ板よりなる鉄筋(12)が埋設されていることを特
    徴とする、前記請求項1、または2記載の建築物におけ
    る床支持構造。
  4. 【請求項4】 相隣り合う大引ビーム(5′)間には、
    物入れ(14)が移動可能に支持され、その物入れ(1
    4)と床スラブ(Sf)間には、それらの相互接触を回
    避するための間隙(s′)が形成され、また前記床板
    (7)には、前記物入れ(14)に荷物の出入れをする
    ためのハッチ(18)が開口されていることを特徴とす
    る、前記請求項1,2または3記載の建築物における床
    支持構造。
JP2001021008A 2001-01-30 2001-01-30 建築物における床支持構造 Pending JP2002227338A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001021008A JP2002227338A (ja) 2001-01-30 2001-01-30 建築物における床支持構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001021008A JP2002227338A (ja) 2001-01-30 2001-01-30 建築物における床支持構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002227338A true JP2002227338A (ja) 2002-08-14

Family

ID=18886628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001021008A Pending JP2002227338A (ja) 2001-01-30 2001-01-30 建築物における床支持構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002227338A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004074592A1 (ja) * 2003-02-19 2004-09-02 Kabushiki Kaisha Iida Kenchiku Sekkei Jimusho 建築物における床支持構造
JP2018109306A (ja) * 2017-01-04 2018-07-12 独立行政法人都市再生機構 二重床構造
CN109469203A (zh) * 2018-12-25 2019-03-15 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 高烈度地区框架结构柱梁节点整体结构
JP7221508B1 (ja) * 2022-10-14 2023-02-14 株式会社エス・アイ・ルネス 集合住宅における床支持構造及びその施工方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004074592A1 (ja) * 2003-02-19 2004-09-02 Kabushiki Kaisha Iida Kenchiku Sekkei Jimusho 建築物における床支持構造
JP2018109306A (ja) * 2017-01-04 2018-07-12 独立行政法人都市再生機構 二重床構造
CN109469203A (zh) * 2018-12-25 2019-03-15 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 高烈度地区框架结构柱梁节点整体结构
CN109469203B (zh) * 2018-12-25 2023-09-19 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 高烈度地区框架结构柱梁节点整体结构
JP7221508B1 (ja) * 2022-10-14 2023-02-14 株式会社エス・アイ・ルネス 集合住宅における床支持構造及びその施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2246596C2 (ru) Звукоизоляционная строительная конструкция
KR20170024427A (ko) 소음 차단 이중 슬라브 구조가 적용된 건축물
KR101982295B1 (ko) 층간 소음 저감을 위한 건축물 바닥구조물
JP2002227338A (ja) 建築物における床支持構造
JPH09268677A (ja) 鋼製間柱及び間仕切壁の構造
JP5013826B2 (ja) 建築物における床支持構造
JP4234293B2 (ja) ユニット式建物
KR101936881B1 (ko) 바닥슬래브의 충격음 저감을 위한 바닥슬래브 절연장치
JPH084185A (ja) 建築物の床構造
JP5277335B2 (ja) 建築物における床支持構造
CN218149154U (zh) 一种抗震降噪的楼板
JP2020165211A (ja) 天井構造
JP3803600B2 (ja) 住宅における玄関の床廻り構造
JP2003155797A (ja) 建築物における床支持構造
KR102635932B1 (ko) 흡음재 거치형 우물천장 구조시스템 및 이의 시공방법
JP4152993B2 (ja) 遮音床
JP3923304B2 (ja) 建築物における床支持構造
JP6730103B2 (ja) 建物
JP6730102B2 (ja) 建物
JP2002180585A (ja) 建築物における床支持構造
KR20230064974A (ko) 천장 설치형 층간소음 저감장치와 이의 시공방법
JPS6137714Y2 (ja)
JP2004218413A (ja) 床構造
JPH11131596A (ja) 建物ユニット
JP2023104623A (ja) ユニットパネル及び防振床構造