JP2003155797A - 建築物における床支持構造 - Google Patents
建築物における床支持構造Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コンクリート躯体構造をもつ建築物におい
て、床スラブ上に設けられる床構造体を、コンクリート
躯体から絶縁して、生活騒音を固体伝播音から空気伝播
音に変え、遮音性能を向上させ、さらに床構造体をコン
クリート躯体に、より安定よく支持すると共にその支持
自由度を高めるようにした。 【解決手段】 居住空間を、床上空間Suと床下空間S
dとにより仕切る床構造体Frの、大引ビーム5の両端
部に、これと直交する方向に延長するビーム受8をそれ
ぞれ固定し、それらのビーム受8の長手方向の任意の複
数箇所に、コンクリート躯体Fに吊下した複数本の吊り
棒14の下端をそれぞれ結合して、床構造体Frをコン
クリート躯体Fに対して浮動状に支持した。
て、床スラブ上に設けられる床構造体を、コンクリート
躯体から絶縁して、生活騒音を固体伝播音から空気伝播
音に変え、遮音性能を向上させ、さらに床構造体をコン
クリート躯体に、より安定よく支持すると共にその支持
自由度を高めるようにした。 【解決手段】 居住空間を、床上空間Suと床下空間S
dとにより仕切る床構造体Frの、大引ビーム5の両端
部に、これと直交する方向に延長するビーム受8をそれ
ぞれ固定し、それらのビーム受8の長手方向の任意の複
数箇所に、コンクリート躯体Fに吊下した複数本の吊り
棒14の下端をそれぞれ結合して、床構造体Frをコン
クリート躯体Fに対して浮動状に支持した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物における床
支持構造に関するものである。
支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、マンションなどの集合住宅で
は、躯体と床構造体とが一体に固定結合されているた
め、床上などに加わる振動衝撃音が固体伝播音となって
床構造体から上下階、左右隣室へと振動騒音となって伝
わり、住空間の環境悪化、品質低下などの原因になると
いう問題があり、特に最近では、生活様式の変化によ
り、和室が少なくなり、洋室も、緩衝材として機能する
カーペット床から、緩衝材とはなりにくいフローリング
床へと居住者のニーズに変化が見られ、上下階、左右隣
室へと伝わる振動騒音が一層大きくなる傾向があり、そ
の遮音対策が大きな課題となっている。
は、躯体と床構造体とが一体に固定結合されているた
め、床上などに加わる振動衝撃音が固体伝播音となって
床構造体から上下階、左右隣室へと振動騒音となって伝
わり、住空間の環境悪化、品質低下などの原因になると
いう問題があり、特に最近では、生活様式の変化によ
り、和室が少なくなり、洋室も、緩衝材として機能する
カーペット床から、緩衝材とはなりにくいフローリング
床へと居住者のニーズに変化が見られ、上下階、左右隣
室へと伝わる振動騒音が一層大きくなる傾向があり、そ
の遮音対策が大きな課題となっている。
【0003】そこで、従来では、遮音対策として、床ス
ラブの厚みを増したり、床構造体自体を遮音構造にした
りするなどの対策がとられている。
ラブの厚みを増したり、床構造体自体を遮音構造にした
りするなどの対策がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる遮音
対策を講じても床構造体は、コンクリート躯体、特にそ
の床スラブとの接触状態を回避することができず、振動
騒音の伝播を軽減するこたができても抜本的な遮音対策
とはならないという問題があり、また建築コストの大幅
なアップを招くという別の問題もある。
対策を講じても床構造体は、コンクリート躯体、特にそ
の床スラブとの接触状態を回避することができず、振動
騒音の伝播を軽減するこたができても抜本的な遮音対策
とはならないという問題があり、また建築コストの大幅
なアップを招くという別の問題もある。
【0005】そこで、本出願人は、床構造体を、コンク
リート躯体に吊杆を以て浮動状に吊下支持して、その躯
体と床構造体とを絶縁し、生活騒音を固体伝播音から空
気伝播音に変え、遮音性能を大幅に向上させた、建築物
における床支持構造を既に提案している(特願2001
−120735)。
リート躯体に吊杆を以て浮動状に吊下支持して、その躯
体と床構造体とを絶縁し、生活騒音を固体伝播音から空
気伝播音に変え、遮音性能を大幅に向上させた、建築物
における床支持構造を既に提案している(特願2001
−120735)。
【0006】本発明は、先願の建築物における床支持構
造に、さらに改良を加え、躯体と床構造体との絶縁を確
保しつつ、床構造体を躯体に、より安定よく支持すると
ともにその支持自由度を高めることができ、さらに床構
造体の強度増を図り、その変形を防止するようにした、
新規な建築物における床支持構造を提供することを主な
目的とするものである。
造に、さらに改良を加え、躯体と床構造体との絶縁を確
保しつつ、床構造体を躯体に、より安定よく支持すると
ともにその支持自由度を高めることができ、さらに床構
造体の強度増を図り、その変形を防止するようにした、
新規な建築物における床支持構造を提供することを主な
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本請求項1記載の発明は、コンクリート躯体構造を
もつ複数階層の建築物において、居住空間内を、床上空
間と、床下空間とに仕切る床構造体は、一平面上に間隔
をあけて並列される複数本の大引ビームと、その上に敷
設される床板を備え、前記複数の大引ビームの両端部に
は、それらと直交する方向に延長されるビーム受がそれ
ぞれ一体に結合され、それらのビーム受の長手方向の任
意の複数箇所に、コンクリート躯体に吊下した複数本の
吊り棒の下端をそれぞれ結合して、前記床構造体を、コ
ンクリート躯体に対して浮動状に支持したことを特徴と
しており、かかる特徴によれば、床構造体とコンクリー
ト躯体とが絶縁、すなわちそれらの接触が回避され、上
下階、左右隣室への振動騒音の伝播を可及的に低減する
ことができる。特に、ビーム受の任意の位置に吊り棒を
連結できることにより、複数の大引ビームに拘束されず
に、吊り棒の吊下位置の選択自由度を増すことができ、
その結果、吊り棒による床構造体の吊下支持を安定させ
ることができ、その上、床構造体の強度を高めることが
できる。また、床スラブには、床構造体の荷重が作用し
ないこと、および遮音機能をもたせないですむことか
ら、この床スラブを、従来の床スラブのスラブ厚さより
も可及的に薄くすることが可能になり、これにより居住
空間の有効高さを高くとることができ、さらに、コンク
リート躯体の重量を低減して、耐震、制震性能を向上さ
せることができ、さらにまた、コンクリートや鋼材の使
用量の低減により、建物自体の大幅なコストダウンが達
成される。
に、本請求項1記載の発明は、コンクリート躯体構造を
もつ複数階層の建築物において、居住空間内を、床上空
間と、床下空間とに仕切る床構造体は、一平面上に間隔
をあけて並列される複数本の大引ビームと、その上に敷
設される床板を備え、前記複数の大引ビームの両端部に
は、それらと直交する方向に延長されるビーム受がそれ
ぞれ一体に結合され、それらのビーム受の長手方向の任
意の複数箇所に、コンクリート躯体に吊下した複数本の
吊り棒の下端をそれぞれ結合して、前記床構造体を、コ
ンクリート躯体に対して浮動状に支持したことを特徴と
しており、かかる特徴によれば、床構造体とコンクリー
ト躯体とが絶縁、すなわちそれらの接触が回避され、上
下階、左右隣室への振動騒音の伝播を可及的に低減する
ことができる。特に、ビーム受の任意の位置に吊り棒を
連結できることにより、複数の大引ビームに拘束されず
に、吊り棒の吊下位置の選択自由度を増すことができ、
その結果、吊り棒による床構造体の吊下支持を安定させ
ることができ、その上、床構造体の強度を高めることが
できる。また、床スラブには、床構造体の荷重が作用し
ないこと、および遮音機能をもたせないですむことか
ら、この床スラブを、従来の床スラブのスラブ厚さより
も可及的に薄くすることが可能になり、これにより居住
空間の有効高さを高くとることができ、さらに、コンク
リート躯体の重量を低減して、耐震、制震性能を向上さ
せることができ、さらにまた、コンクリートや鋼材の使
用量の低減により、建物自体の大幅なコストダウンが達
成される。
【0008】前記目的を達成するために、本請求項2記
載の発明は、前記請求項1記載のものにおいて、前記吊
り棒の下端の、ビーム受への連結点は、隣り合う大引ビ
ームの中間位置にあることを特徴としており、かかる特
徴によれば、前記請求項1記載の発明の効果に加えて、
吊り棒の、ビーム受への結合操作が一層容易になる上
に、床構造体の一層の強度増を図ることができる。
載の発明は、前記請求項1記載のものにおいて、前記吊
り棒の下端の、ビーム受への連結点は、隣り合う大引ビ
ームの中間位置にあることを特徴としており、かかる特
徴によれば、前記請求項1記載の発明の効果に加えて、
吊り棒の、ビーム受への結合操作が一層容易になる上
に、床構造体の一層の強度増を図ることができる。
【0009】前記目的を達成するために、本請求項3記
載の発明は、前記請求項1、または2記載のものにおい
て、前記ビーム受は、その横断面がアングル状の鋼材に
より構成されており、前記大引ビームの端面コーナーを
覆うように、そこに固定されることを特徴としており、
かかる特徴によれば、簡単な構造で、床構造体、特に、
複数の大引ビームの両端の強度増を図ることができる。
載の発明は、前記請求項1、または2記載のものにおい
て、前記ビーム受は、その横断面がアングル状の鋼材に
より構成されており、前記大引ビームの端面コーナーを
覆うように、そこに固定されることを特徴としており、
かかる特徴によれば、簡単な構造で、床構造体、特に、
複数の大引ビームの両端の強度増を図ることができる。
【0010】前記目的を達成するために、本請求項4記
載の発明は、前記請求項1,2または3記載のものにお
いて、前記吊り棒は、鉄筋棒により構成されることを特
徴としており、かかる特徴によれば、前記請求項1,2
または3記載の発明と同じ効果を奏する上に、吊り棒
は、そこに引張荷重が作用しても、また、経年によって
伸びることが無いので、床構造体は、長年にわたり、高
い精度を確保することができる。
載の発明は、前記請求項1,2または3記載のものにお
いて、前記吊り棒は、鉄筋棒により構成されることを特
徴としており、かかる特徴によれば、前記請求項1,2
または3記載の発明と同じ効果を奏する上に、吊り棒
は、そこに引張荷重が作用しても、また、経年によって
伸びることが無いので、床構造体は、長年にわたり、高
い精度を確保することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】まず、図1〜5を参照して、本発明の第1
実施例について説明するに、この第1実施例は、本発明
床支持構造を、正梁構造のコンクリート躯体を備えた集
合住宅に実施した場合であり、図1は、図2の1−1線
に沿う集合住宅の一部の縦断面図、図2は、図1の2−
2線に沿う横断面図、図3は、図2の3矢視の仮想線囲
い部分の、拡大部分図、図4は、図1の4矢視の仮想線
囲い部分の、拡大部分図、図5は、図3の5−5線に沿
う床構造体支持部の拡大縦断面図である。
実施例について説明するに、この第1実施例は、本発明
床支持構造を、正梁構造のコンクリート躯体を備えた集
合住宅に実施した場合であり、図1は、図2の1−1線
に沿う集合住宅の一部の縦断面図、図2は、図1の2−
2線に沿う横断面図、図3は、図2の3矢視の仮想線囲
い部分の、拡大部分図、図4は、図1の4矢視の仮想線
囲い部分の、拡大部分図、図5は、図3の5−5線に沿
う床構造体支持部の拡大縦断面図である。
【0013】集合住宅の骨格を構成する、正梁構造のコ
ンクリート躯体Fは、水平方向に延びて、建築物を複数
の階層に区画する水平躯体部分Fhと、鉛直方向に延び
て上下の水平躯体部分Fhを相互に連結する鉛直躯体部
分Fvとを備えている。
ンクリート躯体Fは、水平方向に延びて、建築物を複数
の階層に区画する水平躯体部分Fhと、鉛直方向に延び
て上下の水平躯体部分Fhを相互に連結する鉛直躯体部
分Fvとを備えている。
【0014】前記水平躯体部分Fhは、居住空間Dwを
上下に仕切る床スラブSf(本発明の特徴により従来の
ものよりも可及的に薄くすることが可能)を備え、この
床スラブSfの左右両側には正大梁Bbが下向きに一体
に突設されて、所謂「正梁構造」に構成されている。ま
た、前記鉛直躯体部分Fvは、居住空間Dwの四隅に立
設される躯体柱1と、並列する躯体柱1間を連結する躯
体壁2,3とを備えている。
上下に仕切る床スラブSf(本発明の特徴により従来の
ものよりも可及的に薄くすることが可能)を備え、この
床スラブSfの左右両側には正大梁Bbが下向きに一体
に突設されて、所謂「正梁構造」に構成されている。ま
た、前記鉛直躯体部分Fvは、居住空間Dwの四隅に立
設される躯体柱1と、並列する躯体柱1間を連結する躯
体壁2,3とを備えている。
【0015】各階層の居住空間Dwは、後に詳述する床
構造体Frにより、床上空間(居室)Suと、床下空間
Sdとに仕切られている。
構造体Frにより、床上空間(居室)Suと、床下空間
Sdとに仕切られている。
【0016】前記床構造体Frは各階層とも同じ構造を
備えているので、以下に、その床構造体Frの一つにつ
いて説明するに、この床構造体Frはコンクリート躯体
Fと絶縁されて浮動状、すなわちフローティング支持さ
れている。
備えているので、以下に、その床構造体Frの一つにつ
いて説明するに、この床構造体Frはコンクリート躯体
Fと絶縁されて浮動状、すなわちフローティング支持さ
れている。
【0017】コンクリート躯体Fの床スラブSf上に
は、前記床下空間Sdをあけて複数本の大引ビーム5…
が、一平面上で互いに平行に並列され、それらの大引ビ
ーム5…の両端部は、大引ビーム5…と直交して延び
る、左右ビーム受8,8により一体に結合され、複数の
大引ビーム5…と、左右ビーム受8,8により閉鎖枠状
に形成されていて、床構造体Frが補強されている。
は、前記床下空間Sdをあけて複数本の大引ビーム5…
が、一平面上で互いに平行に並列され、それらの大引ビ
ーム5…の両端部は、大引ビーム5…と直交して延び
る、左右ビーム受8,8により一体に結合され、複数の
大引ビーム5…と、左右ビーム受8,8により閉鎖枠状
に形成されていて、床構造体Frが補強されている。
【0018】前記大引ビーム5…は、鋼板を横断面Σ状
に屈曲形成して構成され、十分な剛性を確保しながら軽
量に形成されている。前記各ビーム受8は、図4に示す
ように、横断面アングル状の等辺山形鋼により形成され
ており、複数本の大引ビーム5…の端面下側のコーナー
部に沿って設けられ、ボルト・ナットなどの固定具10
により、それらの大引ビーム5…の端部下面に固定され
ている。ビーム受8,8の下面の、大引ビーム5…の端
面よりも外側の部分には、隣り合う大引5,5間で、複
数の取付孔8a…が穿設されており、これらの取付孔8
a…に、後に詳述する複数本の丸鋼などの鉄筋棒よりな
る吊り棒14…の下端のネジ部14a…が貫通され、各
ネジ部14aの下端に、防振ゴム13を介してナット1
5を螺締することにより、複数本の吊り棒14…の下端
に、ビーム受8が弾性支持されている。
に屈曲形成して構成され、十分な剛性を確保しながら軽
量に形成されている。前記各ビーム受8は、図4に示す
ように、横断面アングル状の等辺山形鋼により形成され
ており、複数本の大引ビーム5…の端面下側のコーナー
部に沿って設けられ、ボルト・ナットなどの固定具10
により、それらの大引ビーム5…の端部下面に固定され
ている。ビーム受8,8の下面の、大引ビーム5…の端
面よりも外側の部分には、隣り合う大引5,5間で、複
数の取付孔8a…が穿設されており、これらの取付孔8
a…に、後に詳述する複数本の丸鋼などの鉄筋棒よりな
る吊り棒14…の下端のネジ部14a…が貫通され、各
ネジ部14aの下端に、防振ゴム13を介してナット1
5を螺締することにより、複数本の吊り棒14…の下端
に、ビーム受8が弾性支持されている。
【0019】複数本の大引ビーム5…上には、これらと
略直交して木製などの角柱材により形成される、複数本
の根太6…が相互に平行に敷設され、さらにそれらの根
太6…上に、フローティング材などよりなる床板7が敷
設される。
略直交して木製などの角柱材により形成される、複数本
の根太6…が相互に平行に敷設され、さらにそれらの根
太6…上に、フローティング材などよりなる床板7が敷
設される。
【0020】前記複数本の大引ビーム5…は、コンクリ
ート躯体Fとの接触を回避、すなわち絶縁すべく、コン
クリート躯体Fに、浮動状、すなわちフローティング支
持される。各ビーム受8の両端面は、鉛直躯体部分Fv
との間に、間隙16が形成され、各ビーム受8の端面
と、鉛直躯体部分Fvの側面との間には、防振緩衝材で
ある防振ゴム11がそれぞれ介在される。これらの防振
ゴム11は、ビーム受8の、コンクリート躯体Fに対す
る直接接触を回避する。
ート躯体Fとの接触を回避、すなわち絶縁すべく、コン
クリート躯体Fに、浮動状、すなわちフローティング支
持される。各ビーム受8の両端面は、鉛直躯体部分Fv
との間に、間隙16が形成され、各ビーム受8の端面
と、鉛直躯体部分Fvの側面との間には、防振緩衝材で
ある防振ゴム11がそれぞれ介在される。これらの防振
ゴム11は、ビーム受8の、コンクリート躯体Fに対す
る直接接触を回避する。
【0021】複数本の大引ビーム5…、ビーム受8,
8、根太6…および床板7よりなる床構造体Frの両側
部は、コンクリート躯体Fに懸吊される複数本の吊り棒
14…により懸吊支持される。
8、根太6…および床板7よりなる床構造体Frの両側
部は、コンクリート躯体Fに懸吊される複数本の吊り棒
14…により懸吊支持される。
【0022】以下に、複数本の吊り棒14…による、床
構造体Frの吊下構造を、図1〜5を参照してさらに詳
しく説明すると、天井部の正大梁Bbに、その長手方向
に間隔をあけて複数本の丸鋼よりなる、複数の吊り棒1
4…の上端がアンカー18をもって連結されており、こ
れらの吊り棒14…は、コンクリート躯体壁2の側面に
沿って垂下され、それらの下端は、前述したように、前
記ビーム受8の長手方向の任意の位置に穿設した複数の
取付孔8a…に、防振ゴム13を介してナット15によ
り弾性支持される。しかして、この場合、大引ビーム5
…の両端のビーム受8,8は、複数の大引ビーム5…の
端縁に直交して延長されていることにより、吊り棒14
…は、大引ビーム5…の配列位置に規制されることな
く、任意の位置に配置することができ、この第1実施例
では、図3に示すように、吊り棒14…の、ビーム受8
への連結位置は、相隣り合う大引ビーム5,5の中間位
置にある。
構造体Frの吊下構造を、図1〜5を参照してさらに詳
しく説明すると、天井部の正大梁Bbに、その長手方向
に間隔をあけて複数本の丸鋼よりなる、複数の吊り棒1
4…の上端がアンカー18をもって連結されており、こ
れらの吊り棒14…は、コンクリート躯体壁2の側面に
沿って垂下され、それらの下端は、前述したように、前
記ビーム受8の長手方向の任意の位置に穿設した複数の
取付孔8a…に、防振ゴム13を介してナット15によ
り弾性支持される。しかして、この場合、大引ビーム5
…の両端のビーム受8,8は、複数の大引ビーム5…の
端縁に直交して延長されていることにより、吊り棒14
…は、大引ビーム5…の配列位置に規制されることな
く、任意の位置に配置することができ、この第1実施例
では、図3に示すように、吊り棒14…の、ビーム受8
への連結位置は、相隣り合う大引ビーム5,5の中間位
置にある。
【0023】図4に明瞭に示すように、各吊り棒14
は、上部吊り棒14uと、下部吊り棒14dとより構成
されていてそれらの間には、張力調整金物(ターンバッ
クル)24が介在される。この張力調整金物24の、中
空のブロックよりなる金物本体24aの上部は、上部吊
り棒14uの下端のネジ部と、そこに螺合されるナット
25とにより防振ボム26を介して上部吊り棒14uに
対して上下位置を調節可能に連結され、また、前記金物
本体24aの下部は、下部吊り棒14dの上部のネジ部
とそこに螺合されるナット27とにより下部吊り棒14
dに対して上下位置を調節可能に連結されており、前記
張力調整金物24の長さ調節により、吊り棒14の長
さ、すなわち張力を調整することができる。しかして、
この第1実施例では、床構造体Frは、複数本の大引ビ
ーム5…の両端にビーム受8,8がそれぞれ結合され
て、その剛性が高められるため、複数の大引ビーム5…
の中間部分は、吊り棒14により吊下、支持しないで済
む。
は、上部吊り棒14uと、下部吊り棒14dとより構成
されていてそれらの間には、張力調整金物(ターンバッ
クル)24が介在される。この張力調整金物24の、中
空のブロックよりなる金物本体24aの上部は、上部吊
り棒14uの下端のネジ部と、そこに螺合されるナット
25とにより防振ボム26を介して上部吊り棒14uに
対して上下位置を調節可能に連結され、また、前記金物
本体24aの下部は、下部吊り棒14dの上部のネジ部
とそこに螺合されるナット27とにより下部吊り棒14
dに対して上下位置を調節可能に連結されており、前記
張力調整金物24の長さ調節により、吊り棒14の長
さ、すなわち張力を調整することができる。しかして、
この第1実施例では、床構造体Frは、複数本の大引ビ
ーム5…の両端にビーム受8,8がそれぞれ結合され
て、その剛性が高められるため、複数の大引ビーム5…
の中間部分は、吊り棒14により吊下、支持しないで済
む。
【0024】図1、2に示すように、複数の大引ビーム
5…の中間部と、床スラブSfとの間には、必要に応じ
てそれぞれ防振ゴム28が介在されるが、これらの防振
ゴム28は、大引ビーム5…にかかる荷重を受けること
はないものであり、大引ビームの揺れを抑制するように
作用する。
5…の中間部と、床スラブSfとの間には、必要に応じ
てそれぞれ防振ゴム28が介在されるが、これらの防振
ゴム28は、大引ビーム5…にかかる荷重を受けること
はないものであり、大引ビームの揺れを抑制するように
作用する。
【0025】図1〜3に示すように、前記コンクリート
躯体壁2の側面には、前記吊り棒14との干渉を避ける
ようにして、床構造体Frに支持される複数本の間柱2
2が沿設され、これらの間柱22の外側面に、同じく床
構造体Frに支持される壁板23が接合され、この壁板
23とコンクリート躯体壁2間に前記吊り棒14…が収
容され、これが居住空間Dw側から見えることがない。
なお、前記間柱22は、コンクリート躯体Fには接触し
ない。
躯体壁2の側面には、前記吊り棒14との干渉を避ける
ようにして、床構造体Frに支持される複数本の間柱2
2が沿設され、これらの間柱22の外側面に、同じく床
構造体Frに支持される壁板23が接合され、この壁板
23とコンクリート躯体壁2間に前記吊り棒14…が収
容され、これが居住空間Dw側から見えることがない。
なお、前記間柱22は、コンクリート躯体Fには接触し
ない。
【0026】各階層の居住空間Dwにおいて、吊り棒1
4の長さを調節することにより、床構造体Frにより仕
切られる、床上空間(居室)Suと、床下空間Sdとの
容積割合を、適宜変更することが可能である。
4の長さを調節することにより、床構造体Frにより仕
切られる、床上空間(居室)Suと、床下空間Sdとの
容積割合を、適宜変更することが可能である。
【0027】以上のように、本発明に従う第1実施例で
は、居住空間Dwにおいて、床構造体Frは、複数の大
引ビーム5…の両端をそれぞれ結合する、対をなすビー
ム受8,8が、複数の吊り棒14…により階上の床スラ
ブSfの正大梁Bbに吊下されるので、床構造体Frと
コンクリート躯体Fとの接触が回避、すなわち絶縁さ
れ、上下階、左右隣室への振動騒音の伝播を可及的に低
減することができる。
は、居住空間Dwにおいて、床構造体Frは、複数の大
引ビーム5…の両端をそれぞれ結合する、対をなすビー
ム受8,8が、複数の吊り棒14…により階上の床スラ
ブSfの正大梁Bbに吊下されるので、床構造体Frと
コンクリート躯体Fとの接触が回避、すなわち絶縁さ
れ、上下階、左右隣室への振動騒音の伝播を可及的に低
減することができる。
【0028】特に、ビーム受8の任意の位置に吊り棒1
4…の下端を連結できることにより、複数の大引ビーム
5…に拘束されずに、吊り棒14…の吊下位置を設定す
ることができるばかりでなく、その吊り棒14…を大引
ビーム5…に連結しないで済み、その結果、吊り棒14
…による床構造体Frの吊下支持を安定させることがで
き、その上、床構造体Frの強度を高めることができ
る。また、床スラブSfには、床構造体Frの荷重が作
用しないこと、および遮音機能をもたせないですむこと
から、この床スラブSfを、従来の床スラブのスラブ厚
さ(20〜27cm)よりも可及的に薄く(約10〜1
5cm)することが可能になり、これにより居住空間D
wの有効高さを高くとることができ、さらに、コンクリ
ート躯体Fの重量を低減して、耐震、制震性能を向上さ
せることができ、さらにまた、コンクリートや鋼材の使
用量の低減により、建物自体の大幅なコストダウンが達
成される。
4…の下端を連結できることにより、複数の大引ビーム
5…に拘束されずに、吊り棒14…の吊下位置を設定す
ることができるばかりでなく、その吊り棒14…を大引
ビーム5…に連結しないで済み、その結果、吊り棒14
…による床構造体Frの吊下支持を安定させることがで
き、その上、床構造体Frの強度を高めることができ
る。また、床スラブSfには、床構造体Frの荷重が作
用しないこと、および遮音機能をもたせないですむこと
から、この床スラブSfを、従来の床スラブのスラブ厚
さ(20〜27cm)よりも可及的に薄く(約10〜1
5cm)することが可能になり、これにより居住空間D
wの有効高さを高くとることができ、さらに、コンクリ
ート躯体Fの重量を低減して、耐震、制震性能を向上さ
せることができ、さらにまた、コンクリートや鋼材の使
用量の低減により、建物自体の大幅なコストダウンが達
成される。
【0029】ビーム受8,8と、コンクリート躯体Fと
の間に介在される防振ゴム11、および大引ビーム5…
と床スラブSfとの間に介在される防振ゴム28は床構
造体Frの揺れを抑制して、床構造体Frの振動によ
る、そのコンクリート躯体Fへの接触を回避することが
できる。
の間に介在される防振ゴム11、および大引ビーム5…
と床スラブSfとの間に介在される防振ゴム28は床構
造体Frの揺れを抑制して、床構造体Frの振動によ
る、そのコンクリート躯体Fへの接触を回避することが
できる。
【0030】なお、防振ゴム11,28は床構造体Fr
の荷重を支持する機能は有しておらず、これらを省略し
てもよいつぎに、本発明の第2実施例を、図6を参照し
て説明する。
の荷重を支持する機能は有しておらず、これらを省略し
てもよいつぎに、本発明の第2実施例を、図6を参照し
て説明する。
【0031】図6は、前記第1実施例の図4と同じ床構
造体支持部の拡大縦断面図であり、前記第1実施例と同
じものには、同じ符号が付される。
造体支持部の拡大縦断面図であり、前記第1実施例と同
じものには、同じ符号が付される。
【0032】この第2実施例では、複数の大引ビーム5
…の両端の下半部に、これと直交して延びる横断面アン
グル状のビーム受8,8がボルト・ナットなどの固定具
10で一体に結合されると共に左右ビーム受8,8の略
鉛直な外面には、隣り合う大引の間において、複数の支
持ブロック30が略等間隔を存して溶接されており、こ
れらの支持ブロック30に、丸鋼などの鉄筋棒よりなる
吊り棒14が挿通され、該吊り棒14にナット31を螺
合することにより、複数本の吊り棒14…により、ビー
ム受8,8が連結、支持される。
…の両端の下半部に、これと直交して延びる横断面アン
グル状のビーム受8,8がボルト・ナットなどの固定具
10で一体に結合されると共に左右ビーム受8,8の略
鉛直な外面には、隣り合う大引の間において、複数の支
持ブロック30が略等間隔を存して溶接されており、こ
れらの支持ブロック30に、丸鋼などの鉄筋棒よりなる
吊り棒14が挿通され、該吊り棒14にナット31を螺
合することにより、複数本の吊り棒14…により、ビー
ム受8,8が連結、支持される。
【0033】前記ビーム受8,8は、コンクリート躯体
Fとの間を絶縁すべく、コンクリート躯体Fに、浮動
状、すなわちフローティング支持される。図6に示すよ
うに、左右ビーム受8,8の外面と、鉛直躯体部分Fv
との間に、間隙16が形成され、また、ビーム受8,8
の両端部の下面と、鉛直躯体部分Fvに形成した打増部
9との間にも他の間隙17が形成される。ビーム受8,
8の両端面と、鉛直躯体部分Fvの側面との間には、防
振緩衝材である防振ゴム11がそれぞれ介在され、ま
た、ビーム受8,8の下面と、前記打増部9の上面との
間にも、防振ゴム12がそれぞれ介在されており、これ
らの防振ゴム11,12は、床構造体Frの、コンクリ
ート躯体Fに対する接触を回避する。
Fとの間を絶縁すべく、コンクリート躯体Fに、浮動
状、すなわちフローティング支持される。図6に示すよ
うに、左右ビーム受8,8の外面と、鉛直躯体部分Fv
との間に、間隙16が形成され、また、ビーム受8,8
の両端部の下面と、鉛直躯体部分Fvに形成した打増部
9との間にも他の間隙17が形成される。ビーム受8,
8の両端面と、鉛直躯体部分Fvの側面との間には、防
振緩衝材である防振ゴム11がそれぞれ介在され、ま
た、ビーム受8,8の下面と、前記打増部9の上面との
間にも、防振ゴム12がそれぞれ介在されており、これ
らの防振ゴム11,12は、床構造体Frの、コンクリ
ート躯体Fに対する接触を回避する。
【0034】しかして、本発明に従う第2実施例も、前
記第1実施例と同じ作用効果を奏するものであり、さら
に、ビーム受8,8の外側面および下面と、躯体壁2お
よび打増部9との間に介在される防振ゴム11,12
は、床構造体Frの揺れを抑制して、コンクリート躯体
Fとの接触を回避することができる。なお、防振ゴム1
1,12は、床構造体Frの荷重を支持する機能は有し
ておらず、これらを省略してもよい。
記第1実施例と同じ作用効果を奏するものであり、さら
に、ビーム受8,8の外側面および下面と、躯体壁2お
よび打増部9との間に介在される防振ゴム11,12
は、床構造体Frの揺れを抑制して、コンクリート躯体
Fとの接触を回避することができる。なお、防振ゴム1
1,12は、床構造体Frの荷重を支持する機能は有し
ておらず、これらを省略してもよい。
【0035】つぎに、本発明の第3実施例を、図7,8
を参照して説明する。
を参照して説明する。
【0036】図7は、前記第1実施例の図4と同じ床構
造体支持部の拡大縦断面図、図8は図7の8−8線に沿
う断面図であり、前記第1実施例と同じものには、同じ
符号が付される。
造体支持部の拡大縦断面図、図8は図7の8−8線に沿
う断面図であり、前記第1実施例と同じものには、同じ
符号が付される。
【0037】この第3実施例は、吊り棒14の大引ビー
ム5に対する取付構造が、前記第1および第2実施例の
ものと若干相違しており、等辺山形鋼よりなるビーム受
8の水平半部は大引ビーム5の端部上面にボルト・ナッ
ト40により固定され、またその垂直半部は、複数の大
引ビーム5…の端面を横切るように下向きに延びてい
て、相隣り合う大引ビーム5,5間でビーム受8の鉛直
半部の外面には、複数の取付プレート41が間隔をあけ
てボルト止め42されており、この取付プレート41
に、前記吊り棒14の下端が溶接などのより固定されて
いる。しかして、この第3実施例も、複数の大引ビーム
5…の両端部がビーム受8,8を介して複数の吊り棒1
4により懸吊支持されており、前記第1,2実施例と同
じ作用を奏する。また、この第3実施例では、ビーム受
8の鉛直半部が、大引ビーム5の端面に沿って延びてい
て、そこに吊り棒14の下端が固定されるので、前記第
1,2実施例のものに比べて、大引ビーム5の端面と、
鉛直躯体壁2との間隔Dを狭めることができる。
ム5に対する取付構造が、前記第1および第2実施例の
ものと若干相違しており、等辺山形鋼よりなるビーム受
8の水平半部は大引ビーム5の端部上面にボルト・ナッ
ト40により固定され、またその垂直半部は、複数の大
引ビーム5…の端面を横切るように下向きに延びてい
て、相隣り合う大引ビーム5,5間でビーム受8の鉛直
半部の外面には、複数の取付プレート41が間隔をあけ
てボルト止め42されており、この取付プレート41
に、前記吊り棒14の下端が溶接などのより固定されて
いる。しかして、この第3実施例も、複数の大引ビーム
5…の両端部がビーム受8,8を介して複数の吊り棒1
4により懸吊支持されており、前記第1,2実施例と同
じ作用を奏する。また、この第3実施例では、ビーム受
8の鉛直半部が、大引ビーム5の端面に沿って延びてい
て、そこに吊り棒14の下端が固定されるので、前記第
1,2実施例のものに比べて、大引ビーム5の端面と、
鉛直躯体壁2との間隔Dを狭めることができる。
【0038】なお、この第3実施例も必要に応じて大引
ビーム5の中間部と、床スラブSfとの間にそれぞれ防
振ゴムが介在されるが、これらの防振ゴムは大引ビーム
ビーム5にかかる荷重を受けることはなく、大引ビーム
5の揺れを抑制するのに有効である。
ビーム5の中間部と、床スラブSfとの間にそれぞれ防
振ゴムが介在されるが、これらの防振ゴムは大引ビーム
ビーム5にかかる荷重を受けることはなく、大引ビーム
5の揺れを抑制するのに有効である。
【0039】つぎに、本発明の第4実施例を、図9〜1
1を参照して説明する。
1を参照して説明する。
【0040】図9は、本発明床支持構造を備えた集合住
宅の一部の縦断面図、図10は、図9の10−10線の
沿う一部の破断平面図、図11は、図10の11−11
線に沿う拡大断面図で、前記第1〜3実施例と同じもの
には同じ符号が付される。
宅の一部の縦断面図、図10は、図9の10−10線の
沿う一部の破断平面図、図11は、図10の11−11
線に沿う拡大断面図で、前記第1〜3実施例と同じもの
には同じ符号が付される。
【0041】この第4実施例では、居住空間Dwの幅が
広く、その中間部に間仕切り壁50を設けた場合であ
り、スパンが長く形成される大引ビーム5…の中間部
は、間仕切り壁50に設けられる吊り構造Haにより吊
り下げられ、そのたわみが防止される。
広く、その中間部に間仕切り壁50を設けた場合であ
り、スパンが長く形成される大引ビーム5…の中間部
は、間仕切り壁50に設けられる吊り構造Haにより吊
り下げられ、そのたわみが防止される。
【0042】図11に明瞭に示すように、左右の間仕切
り壁50間の空間部51には、棒鋼よりなる吊り棒52
が上下方向に延長して設けられ、この吊り棒52の上部
吊り棒52uの上端は、水平躯体部分Fh、すなわち床
スラブSfにアンカーボルト53を以て揺動可能に吊り
下げられ、またその吊り棒52の下部吊り棒52dの下
端は大引ビーム5に固定されて根太6と床板7間を通っ
て間仕切り壁50内の空間部を上方に延びる吊りボルト
54に揺動可能に連結されている。上部吊り棒52uと
下部吊り棒52d間には、防振ゴム56付の張力調整金
物55、すなわちターンバックルが介在されている。張
力調整金物55の中空の金物本体55aの上端には、上
部吊り棒52uの下端に揺動可能に吊り下げられる螺杆
57が調節可能に螺合され、また金物本体55aの下端
には、下部吊り棒52dの上端を揺動可能に吊下する他
の螺杆58が調節可能に螺合され、この張力調整金物5
5の調整により吊り棒52の長さ、すなわちその張力が
調整される。
り壁50間の空間部51には、棒鋼よりなる吊り棒52
が上下方向に延長して設けられ、この吊り棒52の上部
吊り棒52uの上端は、水平躯体部分Fh、すなわち床
スラブSfにアンカーボルト53を以て揺動可能に吊り
下げられ、またその吊り棒52の下部吊り棒52dの下
端は大引ビーム5に固定されて根太6と床板7間を通っ
て間仕切り壁50内の空間部を上方に延びる吊りボルト
54に揺動可能に連結されている。上部吊り棒52uと
下部吊り棒52d間には、防振ゴム56付の張力調整金
物55、すなわちターンバックルが介在されている。張
力調整金物55の中空の金物本体55aの上端には、上
部吊り棒52uの下端に揺動可能に吊り下げられる螺杆
57が調節可能に螺合され、また金物本体55aの下端
には、下部吊り棒52dの上端を揺動可能に吊下する他
の螺杆58が調節可能に螺合され、この張力調整金物5
5の調整により吊り棒52の長さ、すなわちその張力が
調整される。
【0043】この第4実施例では、大引ビーム5の中間
部は、前記吊り構造Haにより吊下支持されるので、特
に、大引ビーム5のスパンが長い場合に、そのたわみを
防止することができるが、大引ビーム5にかかる主たる
荷重は、前記第1〜3実施例と同じく大引ビーム5の両
端部をビーム受8を介して吊下支持する吊り棒14によ
り受け、前記第1〜3実施例と同じ効果を奏する。
部は、前記吊り構造Haにより吊下支持されるので、特
に、大引ビーム5のスパンが長い場合に、そのたわみを
防止することができるが、大引ビーム5にかかる主たる
荷重は、前記第1〜3実施例と同じく大引ビーム5の両
端部をビーム受8を介して吊下支持する吊り棒14によ
り受け、前記第1〜3実施例と同じ効果を奏する。
【0044】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明
の範囲内で種々の実施例が可能である。たとえば、前記
実施例では、本発明にかかる建築物における床支持構造
を、集合住宅に実施した場合を説明したが、これを戸建
住宅、その他の建築物にも実施できる。
が、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明
の範囲内で種々の実施例が可能である。たとえば、前記
実施例では、本発明にかかる建築物における床支持構造
を、集合住宅に実施した場合を説明したが、これを戸建
住宅、その他の建築物にも実施できる。
【0045】また、前記実施例では、吊り棒として、丸
鋼などの鉄筋棒を用いているが、これに代えてアルミ合
金などの他の金属棒を用いてもよく、さらに、前記実施
例の防振ゴムなどの防振緩衝材を省略してもよい。さら
にまた、床構造体の床板として、フローリング床、畳
床、その他の公知のものの使用が可能である。
鋼などの鉄筋棒を用いているが、これに代えてアルミ合
金などの他の金属棒を用いてもよく、さらに、前記実施
例の防振ゴムなどの防振緩衝材を省略してもよい。さら
にまた、床構造体の床板として、フローリング床、畳
床、その他の公知のものの使用が可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本請求項1記載の発明に
よれば、コンクリート躯体構造をもつ複数階層の建築物
において、床構造体とコンクリート躯体とが絶縁、すな
わちそれらの接触が回避され、上下階、左右隣室への振
動騒音の伝播を可及的に低減することができる。特に、
ビーム受の任意の位置に吊り棒を連結できることによ
り、複数の大引ビームに拘束されずに、吊り棒の吊下位
置の選択自由度を増すことができ、その結果、吊り棒に
よる床構造体の吊下支持を安定させることができ、その
上、床構造体の強度を高めることができる。また、床ス
ラブには、床構造体の荷重が作用しないこと、および遮
音機能をもたせないですむことから、この床スラブを、
従来の床スラブのスラブ厚さよりも可及的に薄くするこ
とが可能になり、これにより居住空間の有効高さを高く
とることができ、さらに、コンクリート躯体Fの重量を
低減して、耐震、制震性能を向上させることができ、さ
らにまた、コンクリートや鋼材の使用量の低減により、
建物自体の大幅なコストダウンが達成される。
よれば、コンクリート躯体構造をもつ複数階層の建築物
において、床構造体とコンクリート躯体とが絶縁、すな
わちそれらの接触が回避され、上下階、左右隣室への振
動騒音の伝播を可及的に低減することができる。特に、
ビーム受の任意の位置に吊り棒を連結できることによ
り、複数の大引ビームに拘束されずに、吊り棒の吊下位
置の選択自由度を増すことができ、その結果、吊り棒に
よる床構造体の吊下支持を安定させることができ、その
上、床構造体の強度を高めることができる。また、床ス
ラブには、床構造体の荷重が作用しないこと、および遮
音機能をもたせないですむことから、この床スラブを、
従来の床スラブのスラブ厚さよりも可及的に薄くするこ
とが可能になり、これにより居住空間の有効高さを高く
とることができ、さらに、コンクリート躯体Fの重量を
低減して、耐震、制震性能を向上させることができ、さ
らにまた、コンクリートや鋼材の使用量の低減により、
建物自体の大幅なコストダウンが達成される。
【0047】また、本請求項2記載の発明によれば、前
記請求項1記載の発明の効果に加えて、吊り棒の、ビー
ム受への結合操作が一層容易になる上に、床構造体の一
層の強度増を図ることができる。
記請求項1記載の発明の効果に加えて、吊り棒の、ビー
ム受への結合操作が一層容易になる上に、床構造体の一
層の強度増を図ることができる。
【0048】さらに、本請求項3記載の発明によれば、
前記請求項1または2記載の発明の効果に加えて、簡単
な構造で、床構造体、特に、複数の大引ビームの両端の
強度増を図ることができる。
前記請求項1または2記載の発明の効果に加えて、簡単
な構造で、床構造体、特に、複数の大引ビームの両端の
強度増を図ることができる。
【0049】さらにまた、本請求項4記載の発明によれ
ば、前記請求項1,2または3記載の発明の効果に加え
て吊り棒は、そこに引張荷重が作用しても、また、経年
によって伸びることが無いので、床構造体は、長年にわ
たり、高い精度を確保することができる。
ば、前記請求項1,2または3記載の発明の効果に加え
て吊り棒は、そこに引張荷重が作用しても、また、経年
によって伸びることが無いので、床構造体は、長年にわ
たり、高い精度を確保することができる。
【図1】図2の1−1線に沿う集合住宅の一部の縦断面
図(第1実施例)
図(第1実施例)
【図2】図1の2−2線に沿う横断面図
【図3】図2の3矢視の仮想線囲い部分の、拡大部分図
【図4】図1の4矢視の仮想線囲い部分の、拡大部分図
【図5】図3の5−5線に沿う床構造体支持部の拡大縦
断面図
断面図
【図6】図4と同じ床構造体支持部の拡大縦断面図(第
2実施例)
2実施例)
【図7】図4と同じ床構造体支持部の拡大縦断面図(第
3実施例)
3実施例)
【図8】図7の8−8線に沿う断面図
【図9】本発明床支持構造を備えた集合住宅の一部の縦
断面図(第4実施例)
断面図(第4実施例)
【図10】図9の10−10線の沿う一部の破断平面図
【図11】図10の11−11線に沿う拡大断面図
5 大引ビーム
7 床板
8 ビーム受
14 吊り棒
Dw 居住空間
F コンクリート躯体
Fr 床構造体
Su 床上空間
Sd 床下空間
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 2E001 DF02 EA01 FA01 FA04 FA07
FA11 FA71 GA12 GA53 GA60
GA62 GA63 KA08 LA01 LA11
Claims (4)
- 【請求項1】 コンクリート躯体構造をもつ複数階層の
建築物において、 居住空間(Dw)内を、床上空間(Su)と、床下空間
(Sd)とに仕切る床構造体(Fr)は、一平面上に間
隔をあけて並列され複数本の大引ビーム(5)と、その
上に敷設される床板(7)を備え、前記複数の大引ビー
ム(5)の両端部には、それらと直交する方向に延長さ
れるビーム受(8)がそれぞれ一体に結合され、それら
のビーム受(8)の長手方向の任意の複数箇所に、コン
クリート躯体(F)に吊下した複数本の吊り棒(14)
の下端をそれぞれ結合して、前記床構造体(Fr)を、
コンクリート躯体(F)に対して浮動状に支持したこと
を特徴とする、建築物における床支持構造。 - 【請求項2】 前記吊り棒(14)の下端の、ビーム受
(8)への連結点は、隣り合う大引ビーム(5)の中間
位置にあることを特徴とする、前記請求項1記載の、建
築物における床支持構造。 - 【請求項3】 前記ビーム受(8)は、その横断面がア
ングル状の鋼材により構成されており、前記大引ビーム
(5)の端縁コーナーを覆うように、そこに固定される
ことを特徴とする、前記請求項1、または2記載の建築
物における床支持構造。 - 【請求項4】 前記吊り棒(14)は、鉄筋棒により構
成されることを特徴とする、前記請求項1,2または3
記載の建築物における床支持構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001352988A JP2003155797A (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | 建築物における床支持構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001352988A JP2003155797A (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | 建築物における床支持構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003155797A true JP2003155797A (ja) | 2003-05-30 |
Family
ID=19165089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001352988A Pending JP2003155797A (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | 建築物における床支持構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003155797A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100722521B1 (ko) * | 2005-05-19 | 2007-05-28 | 한양대학교 산학협력단 | 슬래브 바닥구조물 |
JP2009197556A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 防振・防音床下地構造 |
JP2019112798A (ja) * | 2017-12-21 | 2019-07-11 | 株式会社竹中工務店 | 建物構造 |
JP2020007873A (ja) * | 2018-07-12 | 2020-01-16 | 株式会社ナイスカンパニー | 音響建造物 |
-
2001
- 2001-11-19 JP JP2001352988A patent/JP2003155797A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100722521B1 (ko) * | 2005-05-19 | 2007-05-28 | 한양대학교 산학협력단 | 슬래브 바닥구조물 |
JP2009197556A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 防振・防音床下地構造 |
JP2019112798A (ja) * | 2017-12-21 | 2019-07-11 | 株式会社竹中工務店 | 建物構造 |
JP2020007873A (ja) * | 2018-07-12 | 2020-01-16 | 株式会社ナイスカンパニー | 音響建造物 |
JP7178690B2 (ja) | 2018-07-12 | 2022-11-28 | 株式会社ナイスカンパニー | 音響建造物 |
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