JP3923304B2 - 建築物における床支持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物における床支持構造、特に大梁および小梁の上面に床スラブが接続される正梁構造のコンクリート躯体をもつ建築物の床支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、マンションなどの集合住宅では、床構造体が、コンクリート躯体の床スラブや躯体壁と接触状態で固定結合されているため、床上などに加わる振動衝撃音が固体伝播音となって床構造体から上下階、左右隣室へと振動騒音となって伝わり、住空間の環境悪化、品質低下などの原因になるという問題があり、特に最近では、生活様式の変化により、和室が少なくなり、洋室も、緩衝材として機能するカーペット床から、緩衝材とはなりにくいフローリング床へと居住者のニーズに変化が見られ、床構造体から上下階、左右隣室へと伝わる振動騒音が一層大きくなる傾向があり、その遮音対策が大きな課題となっている。
【0003】
そこで、従来では、遮音対策として、床スラブの厚みを増したり、床構造体自体を遮音構造にしたりするなどの対策がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかる遮音対策を講じても床構造体とコンクリート躯体、特にその床スラブとの接触状態を回避することができず、振動騒音の伝播を軽減することができても抜本的な遮音対策とはならないという問題があり、また建築コストの大幅なアップを招くという別の問題もある。
【0005】
そこで本出願人は、かかる問題を解決すべく、床構造体を、コンクリート躯体に吊杆を以て浮動状に吊下支持して、その躯体と床構造体とを絶縁し、生活騒音を固体伝播音から空気伝播音に変え、遮音性能を大幅に向上させた、建築物における床支持構造を既に提案している(特願2001−120735)。
【0006】
本発明は、先願の建築物における床支持構造と同じく、床構造体を床スラブとの接触から回避すると共にコンクリート躯体自体に改良を加えて、床構造体の床面積が広い場合にも、該床構造体に加わる振動騒音を、コンクリート躯体に能率よく拡散できるようにして、一層の遮音効果を高めるとともに、コンクリート躯体に対する床構造体の支持強度を高め、床構造体をコンクリート躯体により安定よく支持することができるようにした、新規な建築物における床支持構造を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的達成のため、本請求項1記載の発明は、大梁および小梁の上面に床スラブが接続される正梁構造のコンクリート躯体をもつ建築物において、
コンクリート躯体の対面する鉛直躯体壁間には、床スラブ上においてコンクリート受梁を一体に横架し、該コンクリート受梁は、前記小梁と上下方向に縦列されていて床スラブとの間に防振ゴムが介在され、該コンクリート受梁間、もしくは該コンクリート受梁と鉛直躯体壁間に、前記床スラブ上に空隙を存して配設される大引ビームを支持したことを特徴とする。
【0008】
また、前記目的達成のため、本請求項2記載の発明は、大梁および小梁の上面に床スラブが接続される正梁構造のコンクリート躯体をもつ建築物において、
コンクリート躯体の対面する鉛直躯体壁間には、床スラブ上においてコンクリート受梁を一体に横架し、該コンクリート受梁は、前記小梁と上下方向に縦列されていて床スラブとの間に隙間が設けられ、該コンクリート受梁間、もしくは該コンクリート受梁と鉛直躯体壁間に、前記床スラブ上に空隙を存して配設される大引ビームを支持したことを特徴とする。
【0009】
前記請求項1および2記載の発明は、床構造体と床スラブとが絶縁、すなわち、それらの接触が回避され、上下階、左右隣室への振動騒音の伝播を可及的に低減して遮音効果を向上させることができ、特に、床構造体を構成する複数の大引ビームをコンクリート受梁間もしくは該コンクリート受梁と鉛直躯体壁間に支持することにより、床面積の広い床構造体でもそこに加わる振動騒音を、床スラブ上のコンクリート受梁、あるいは鉛直躯体壁を介してコンクリート躯体に分散伝播させて、遮音効果を一層高めることができ、その上、床構造体を安定支持することができる。また、前記床支持構造の採用により、床上の有効室内空間を減ずることもない。さらに、床スラブには、床構造体の荷重が作用しないこと、および遮音機能をもたせないですむことから、この床スラブを、従来の床スラブのスラブ厚さよりも可及的に薄くすることが可能になり、これにより居住空間の有効高さを高くとることができ、さらに、コンクリート躯体の重量を低減して、耐震、制震性能を向上させることができ、さらにまた、コンクリートや鋼材の使用量の低減により、建物自体の大幅なコストダウンが達成される。
【0010】
また、前記目的達成のため、本請求項3記載の発明は、前記請求項1または2記載のものにおいて、前記複数の大引ビームの端面に、それらと直交するビーム受を固定し、該ビーム受を、前記コンクリート受梁もしくは鉛直躯体壁に上下方向に位置調節可能に支持したことを特徴としており、かかる特徴によれば、前記請求項1または2記載の発明の効果に加えて、ビーム受をコンクリート受梁または鉛直躯体壁に支持できることから、大引ビームの位置に関係なく該大引ビームをコンクリート受梁または鉛直躯体壁に支持することができ、さらに大引ビームのコンクリート受梁または鉛直躯体壁に対する上下方向の位置調節を精度よく、容易に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】
まず、図1〜6を参照して、本発明の第1実施例について説明する。
【0013】
図1は、本発明床支持構造を備えた集合住宅の一部の縦断面図、図2は、図1の2−2線に沿う一部破断平面図、図3は、図2の3−3線に沿う拡大断面図、図4は、図2の4−4線に沿う拡大断面図、図5は、図4の5線矢視仮想線囲い部分の拡大図(図6の5−5線に沿う断面図)、図6は、図5の6−6線に沿う断面図である。
【0014】
図1,2において、集合住宅の骨格を構成する、正梁構造のコンクリート躯体Fは、水平方向に延びて、建築物を複数の階層に区画する水平躯体部分Fhと、鉛直方向に延びて上下の水平躯体部分Fhを相互に連結する鉛直躯体部分Fvとを備えている。
【0015】
前記水平躯体部分Fhは、居住空間Dwを上下に仕切る床スラブSf(本発明の特徴により従来のものよりも可及的に薄くすることが可能)を備え、この床スラブSfの左右両側には大梁Bbが下向きに一体に突設され、さらに、床スラブSfの中間部には、2本の小梁Bsが下向きに一体に突設されて、所謂「正梁構造」に構成されている。また、前記鉛直躯体部分Fvは、居住空間Dwの四隅に立設される躯体柱1と、並列する躯体柱1間を連結する、大梁Bb上の鉛直躯体壁2,3とを備えている。
【0016】
コンクリート躯体Fの、対面する一対の鉛直躯体壁3,3間には、床スラブSfの上方において、間隔をあけて並列されるコンクリート受梁4,4が一体に横架されており、各コンクリート受梁4は、前記小梁Bsと上下方向に縦列されて延びており、コンクリート受梁4の下面と、床スラブSfの上面間には、一定の間隙sが形成されていて、その間隙sには、板状の防振ゴム9が介装されている。
【0017】
前記コンクリート受梁4は、コンクリート躯体Fの打設成形時に、それと一体に成形されるものであって、具体的には、下階層のコンクリート躯体(たとえば一階層のコンクリート躯体F1)の打設成形終了後に、上階層のコンクリート躯体(たとえば二階層のコンクリート躯体F2 )を打設する際に、下階層の床スラブSf上に、コンクリート受梁4を後打ちする。なお、コンクリート受梁4内には、上階層のコンクリート躯体内とに跨がって、鉄筋もしくはPC鋼などよりなる補強線条11が埋設されて補強される。
【0018】
各階層の居住空間Dwの床スラブSf上には、床構造体Frが配設される。
【0019】
前記床構造体Frは各階層とも同じ構造を備えているので、以下に、その床構造体Frの支持構造について、図1,2に図3〜6を併せ参照して詳細に説明するに、この床構造体Frはコンクリート躯体Fの床スラブSfとの直接接触を回避されて、鉛直躯体壁2と前記コンクリート受梁4間、あるいは間隔をあけて並列されるコンクリート受梁4間に支持される。
【0020】
コンクリート躯体Fの床スラブSf上には、その全域にわたり上下方向に若干の隙間D1を存して複数本の大引ビーム5…が、一平面上で互いに平行に並列され、それらの大引ビーム5…の両端部は、図4に明瞭に示すように、コンクリート受梁4間、あるいはコンクリート受梁4と鉛直躯体壁2間に固定支持される。大引ビームの、コンクリート受梁4への支持構造と、鉛直躯体壁2への支持構造は同じであるので、以下に、大引ビーム5のコンクリート受梁4に対する支持構造について詳細に説明する。
【0021】
複数の大引ビーム5…の両端面は、それらと直交して延びる、左右ビーム受8,8により一体に結合されていて、複数の大引ビーム5…と、左右ビーム受8,8により閉鎖枠状に形成されて高い剛性を保つように形成されている。
【0022】
各大引ビーム5は、鋼板を横断面Σ状に屈曲形成して構成され、十分な剛性を確保しながら軽量に形成されている。ビーム受8は、図5に明瞭に示すように、横断面アングル状の等辺山形鋼により形成されていて、水平半部8hと、その一端部より下方に垂下する鉛直半部8vとを有し、その水平半部8hは、大引ビーム5の端部上面にボルト・ナット13により防振ゴム14を介して固定され、またその鉛直半部8vは、コンクリート受梁4の側面と対面するように上向きに延びていて、それらの間に他の防振ゴム15が介在されている。
【0023】
一方、図5,6に示すように、コンクリート受梁4の側面には、複数の支持部材17が上下方向に位置調節可能に固定される。各支持部材17は、横断面アングル状の等辺山形鋼により構成され、その鉛直半部17vの中央部には、上下方向に長い長孔18が穿設される。コンクリート受梁4の側面には、前記支持部材に対向して複数のインサート19が一体に埋設されており、ワッシャー20を介して長孔18を貫通した取付ボルト21を前記インサート19に螺締することにより、複数の支持部材17は、コンクリート受梁4の側面に上下方向に位置調節可能に固定される。複数の支持部材17の水平半部17h上には、前記ビーム受8が防振ゴム22を介して載設されている
図6に示すように、ビーム受8には、相隣り合う支持部材17間において、複数の大引ビーム5…が、前述のボルト・ナット13により懸吊支持される。そして複数の大引ビーム5…の端部と、コンクリート受梁4の側面との間には空隙D2が形成され、またそれらの大引ビーム5…の下面と床スラブSfとの間には前記空隙D1が形成され、これにより複数の大引ビーム5…は、コンクリート受梁4および床スラブSfに直接接触することがない。
【0024】
図1,2に示すように、複数の大引ビーム5…には、それらと直交して木製の角柱材などにより形成される、複数の根太6…が相互に平行に敷設され、それらの根太6…上に、フローリング板などよりなる床板7が敷設され、この床板7は前記コンクリート受梁4との接触が回避されている。そして、複数の大引ビーム5…、左右のビーム受8,8、複数の根太6…および床板7により床構造体Frが構成される。
【0025】
なお、図4に示すように、複数の大引ビーム5…の他端部の、鉛直躯体壁2に対する支持構造は、前記大引ビーム5…の一端部のコンクリート受梁4に対する支持構造と同じであるので、その説明を省略する。
【0026】
床スラブSf上に空隙D1を存して配設される複数の大引ビーム5…は、それらの両端部が空隙D2を存して防振ゴム14およびビーム受8を介してコンクリート受梁4間、あるいはコンクリート受梁4と鉛直躯体壁2間にそれぞれ懸吊支持されることにより、複数の大引ビーム5…は、床スラブSfに接触することがない。
【0027】
以上のように、本発明に従う第1実施例では、居住空間Dwにおいて、床構造体Frを構成する複数の大引ビーム5…の両端部が、支持部材17…およびビーム受8,8を介して小梁Bs上のコンクリート受梁4間、あるいはコンクリート受梁4と大梁Bb上の鉛直躯体壁2にそれぞれ支持され、複数の大引ビーム5…は、床スラブSfとの接触が回避され、床構造体Frに作用する振動衝撃が床スラブSfに伝播することがない。
【0028】
複数の大引ビーム5…は、その両端部が、互いに並列するコンクリート受梁4間、あるいはコンクリート受梁4と鉛直躯体壁2間に支持されることにより、床構造体Frにかかる荷重に起因する振動騒音は、複数の大引ビーム5…を介して小梁Bs上のコンクリート受梁4あるいは大梁Bb上の鉛直躯体壁Fhに分散させることができ、特に、床面積が小梁Bsを跨いで広く形成される場合にも、コンクリート受梁4により大引ビーム5…を支持することにより、床に加わる振動騒音をコンクリート受梁4を介してコンクリート躯体Fへと分散させることができて、遮音効果を一層高めることができる。また、床スラブSfには、床構造体Frの荷重が作用しないこと(コンクリート受梁4から防振ゴム9を介して床スラブSfに作用する荷重は、その直下の小梁Bsにより受けて床スラブSfには伝播しない)、および遮音機能をもたせないですむことから、この床スラブSfを、従来の床スラブのスラブ厚さ(20〜27cm)よりも可及的に薄く(約10〜15cm)することが可能になり、これにより居住空間Dwの室内高さを高くとることができ、さらに、コンクリート躯体Fの重量を低減して、耐震、制震性能を向上させることができ、さらにまた、コンクリートや鋼材の使用量の低減により、建物自体の大幅なコストダウンが達成される。
【0029】
さらに、床構造体Frは、その床板7よりも下方で、コンクリート受梁4あるいは鉛直躯体壁2に支持することができることから、その床構造体Frよりも上に、該床構造体Frを支持するための部材が存在せず、しかも鉛直躯体壁2には、仕上げ壁材を、じか貼りすることができ、室内空間を広く確保することができる。また、ビーム受8,8は複数の大引ビーム5…の端部上面に固定されていて、該大引ビーム5…の下面よりも下方に突出することがなく、大引ビーム5…と、床スラブSf間の空隙D1は、必要最少限度に設定することができ、その結果、床下空間の占有高さが高くなることもない。
【0030】
つぎに、本発明の第2実施例を、図7,8を参照して説明する。
【0031】
図7は、大引ビームのコンクリート受梁4への支持部の、図8の7−7線に沿う断面図、図8は、図7の8−8線に沿う断面図であり、前記第1実施例と同じものには、同じ符号が付される。
【0032】
この第2実施例は、大引ビーム5…のコンクリート受梁4(鉛直躯体壁2)への支持構造が前記第1実施例と若干相違している。一平面上に互いに平行に並列される複数の大引ビーム5…の端部は、それらと直交して延びるビーム受8により一体に結合される。ビーム受8は、横断面アングル状の等辺山形鋼により形成され、その水平半部8hは、大引ビーム5の端部上面にボルト・ナット30により防振ゴム31を介して固定され、またその鉛直半部8vは、複数の大引ビーム5…の端面を横切るように下向きに延びていて、相隣り合う大引ビーム5,5間で、複数のアンカーボルト32を以てコンクリート受梁4の側面上部にそれぞれ固定される。したがって床スラブSf上に空隙D1を存して配設される複数の大引ビーム5…は、それらの端部が空隙D2を存して防振ゴム31およびビーム受8を介してコンクリート受梁4に支持され、これにより、複数に大引ビームビーム5…は、床スラブSfおよびコンクリート受梁4に直接接触することがない。
【0033】
しかして、この第2実施例と同じ作用効果を奏する。
【0034】
つぎに、本発明の第3実施例を、図9を参照して説明する。
【0035】
図9は、大引ビームのコンクリート受梁4への支持部の断面図であり、図中前記第1実施例と同じものには同じ符号付される。
【0036】
この第3実施例は、コンクリート受梁4の下面と床スラブSfの上面との間に、所定幅に隙間sを形成して、床構造体Frにかかる荷重を、コンクリート受梁4(鉛直躯体壁2)で受けるようにした場合であり、この隙間sの形成にあたっては、型枠(図示せず)の枠組みにより、このコンクリート受梁4を、コンクリート躯体Fと共に打設成形する際に、コンクリート受梁4と床スラブSfとの間に、予め発泡スチロール材40を介装させ、その後に、この発泡スチロール40を焼却などにより取り除くようにする。
【0037】
この第3実施例によれば、コンクリート受梁4と床スラブSfとが、空隙sを介して無接触状態となり、コンクリート受梁4にかかる振動衝撃は、小梁Bsには伝播されずに、該コンクリート受梁4(鉛直躯体壁2)からコンクリート躯体Fへと分散伝播される。
【0038】
しかして、この第3実施例も前記第1,2実施例と同じ作用効果を奏する。
【0039】
以上、本発明の第1〜3実施例について説明したが、本発明はそれらの実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0040】
たとえば、前記実施例では、本発明にかかる建築物における床支持構造を、集合住宅に実施した場合を説明したが、これを他のコンクリート建築物にも実施できる。また、床構造体の床板として、フローリング板の外、畳床、その他の公知のものの使用が可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本請求項1,2記載の発明によれば、大梁および小梁の上面に床スラブが接続される正梁構造のコンクリート躯体をもつ建築物において、床構造体と床スラブとが絶縁、すなわち、それらの接触が回避され、上下階、左右隣室への振動騒音の伝播を可及的に低減して遮音効果を向上させることができ、特に、床構造体を構成する複数の大引ビームをコンクリート受梁間もしくは該コンクリート受梁と鉛直躯体壁間に支持することにより、床面積の広い床構造体でもそこに加わる振動騒音を、床スラブ上のコンクリート受梁、あるいは鉛直躯体壁を介してコンクリート躯体に分散伝播させて、遮音効果を一層高めることができ、その上、床構造体を安定支持することができる。また、前記床支持構造の採用により、床上の有効室内空間を減ずることもない。さらに、床スラブには、床構造体の荷重が作用しないこと、および遮音機能をもたせないですむことから、この床スラブを、従来の床スラブのスラブ厚さよりも可及的に薄くすることが可能になり、これにより居住空間の有効高さを高くとることができ、さらに、コンクリート躯体の重量を低減して、耐震、制震性能を向上させることができ、さらにまた、コンクリートや鋼材の使用量の低減により、建物自体の大幅なコストダウンが達成される。
【0042】
また、請求項3記載の発明によれば、前記請求項1,2記載の発明の効果に加えて、ビーム受をコンクリート受梁または鉛直躯体壁に支持できることから、大引ビームの位置に関係なく該大引ビームをコンクリート受梁または鉛直躯体壁に支持することができ、さらに大引ビームのコンクリート受梁または鉛直躯体壁に対する上下方向の位置調節を精度よく、容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明床支持構造を備えた集合住宅の一部の縦断面図(第1実施例)
【図2】図1の2−2線に沿う一部破断平面図
【図3】図2の3−3線に沿う拡大断面図
【図4】図2の4−4線に沿う拡大断面図
【図5】図4の5線矢視仮想線囲い部分の拡大図(図6の5−5線に沿う断面図)
【図6】図5の6−6線に沿う断面図
【図7】大引ビームのコンクリート受梁4への支持部の、図8の7−7線に沿う断面図(第2実施例)
【図8】図7の8−8線に沿う断面図
【図9】大引ビームのコンクリート受梁4への支持部の断面図(第3実施例)
【符号の説明】
2 鉛直躯体壁
3 鉛直躯体壁
4 コンクリート受梁
8 ビーム受
9 防振ゴム
Bb 大梁
Bs 小梁
D1 空隙
F コンクリート躯体
Sf 床スラブ
s 隙間
Claims (3)
- 大梁(Bb)および小梁(Bs)の上面に床スラブ(Sf)が接続される正梁構造のコンクリート躯体(F)をもつ建築物において、
コンクリート躯体(F)の対面する鉛直躯体壁(3)間には、床スラブ(Sf)上においてコンクリート受梁(4)を一体に横架し、該コンクリート受梁(4)は、前記小梁(Bs)と上下方向に縦列されていて床スラブ(Sf)との間に防振ゴム(9)が介在され、該コンクリート受梁(4)間、もしくは該コンクリート受梁(4)と鉛直躯体壁(2)間に、前記床スラブ(Sf)上に空隙(D1)を存して配設される大引ビーム(5)を支持したことを特徴とする、建築物における床支持構造。 - 大梁(Bb)および小梁(Bs)の上面に床スラブ(Sf)が接続される正梁構造のコンクリート躯体(F)をもつ建築物において、
コンクリート躯体(F)の対面する鉛直躯体壁(3)間には、床スラブ(Sf)上においてコンクリート受梁(4)を一体に横架し、該コンクリート受梁(4)は、前記小梁(Bs)と上下方向に縦列されていて床スラブ(Sf)との間に隙間(s)が設けられ、該コンクリート受梁(4)間、もしくは該コンクリート受梁(4)と鉛直躯体壁(2)間に、前記床スラブ(Sf)上に空隙(D1)を存して配設される大引ビーム(5)を支持したことを特徴とする、建築物における床支持構造。 - 前記複数の大引ビーム(5)の端面に、それらと直交するビーム受(8)を固定し、該ビーム受(8)を、前記コンクリート受梁(4)もしくは鉛直躯体壁(2)に上下方向に位置調節可能に支持したことを特徴とする、前記請求項1、または2記載の建築物における床支持構造。
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