JP6943683B2 - 調節計および劣化位置検出方法 - Google Patents
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Description
また、メンテナンス担当者は、操作端の劣化を確認してユーザに交換を促すためには、ロガーなどの外部機器を接続して、その劣化を示すデータを取得する必要がある。
また、交換しないまま操作端を継続して使用した場合、ブレイクメンテナンス(完全に壊れてからの修理作業)となる可能性が高く、緊急な修理による装置の停止や、不良品の発生による損失が考えられる。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる調節計10について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる調節計の構成を示すブロック図である。
操作端30は、可動体Mの動作位置を検出するエンコーダENCを備え、検出した動作位置を示す検出信号Pを調節計10に出力する機能を有している。
図1に示すように、調節計10は、主な機能部として、設定値取得部11、制御量取得部12、操作量算出部13、操作入力部14、駆動制御部15、駆動部16、動作位置取得部17、実測フィードバック値算出部18、推定フィードバック値算出部19、表示制御部20、セグメント表示部21、記憶部22、および通信I/F部23を備えている。これら機能部のうち、操作量算出部13、駆動制御部15、実測フィードバック値算出部18、推定フィードバック値算出部19、および表示制御部20は、中央処理装置(CPU)とプログラムとが協働することにより実現される。
制御量取得部12は、制御対象から検出されたプロセス値を示す制御量検出信号から、制御量PVを取得して、操作量算出部13へ出力する機能を有している。
操作入力部14は、後述の図3に示すように、調節計10の正面パネル10Pに設けられた操作ボタンや操作スイッチからなり、劣化位置の検出を指示する操作など、現場の監視員の操作入力を検出する機能を有している。
動作位置取得部17は、操作端30のエンコーダENCからの検出信号Pを取得して、操作端30の動作位置MPを出力する機能を有している。
推定フィードバック値算出部19は、実測フィードバック値Fdより前に算出した劣化の影響を含まない実測フィードバック値Fd’と後述する単位変化量ΔFと駆動制御部15からの駆動信号のDSの変化方向に基づいて、実測フィードバック値Fdと対応する推定フィードバック値Feを算出する機能を有している。
図3は、調節計の正面外観図である。図3に示すように、調節計10の正面に設けられた正面パネル10Pには、メイン表示部21A、サブ表示部21B、およびバー表示部21Cと、操作入力部14とが配置されている。
一般には、予め設定された設定値SPに対して操作端の動作位置を自動制御する場合、これらメイン表示部21Aおよびサブ表示部21Bに、設定値SP、操作量MV、制御量PVなど、制御状況を示すデータがシンボルで表示される。
一般には、予め設定された設定値SPに対して操作端の動作位置を自動制御する場合、バー表示部21Cに、操作量MV、制御量PVなど、制御状況を示すデータがバー表示される。
通信I/F部23は、記憶部22で記憶している実測フィードバック値Fdおよび推定フィードバック値Feを読み出して、外部装置やUSBメモリなどの記憶媒体(ともに図示せず)へ転送する機能を有している。
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる調節計10の動作について説明する。図4は、劣化位置検出処理を示すフローチャートである。
調節計10は、操作入力部14で検出された、劣化位置検出開始を指示する監視員の操作に応じて、図4の劣化位置検出処理を実行する。なお、劣化位置検出処理の実行に先立って、操作量MVに基づく操作端30の駆動制御は、予め中断しているものとする。
次に、駆動制御部15は、操作端30の駆動位置を、指定された停止位置PE、例えば全開位置まで一定速度で徐々に変位させる、駆動制御を開始する(ステップ101)。
また、推定フィードバック値算出部19は、実測フィードバック値Fdより前に算出した劣化の影響を含まない実測フィードバック値Fd’と単位変化量ΔFと駆動制御部15からの駆動信号DSの変化方向に基づいて、実測フィードバック値Fdと対応する推定フィードバック値Feを算出する(ステップ105)。
そして、記憶部22に保存された最新の実測フィードバック値Fdと推定フィードバック値Feを取得して、これらFdとFeを比較して実測フィードバック値Fdが異常である異常区間を検出する(ステップ107)。
一方、停止位置PEまで駆動した場合(ステップ109:YES)、一連の劣化位置検出処理を終了する。
これにより、検出した異常区間が、任意の数字、文字、または記号などのシンボルで点滅により識別表示されることになり、現場の監視員が検出動作の進捗および検出結果を極めて容易に確認することができる。
このように、本実施の形態は、個別に点灯制御可能な複数の表示セグメントで構成されるセグメント表示部21を設け、表示制御部20が、開始位置PSから停止位置PEまでの駆動の間に得られた実測フィードバック値Fdと推定フィードバック値Feのうち、Fdが異常である異常区間を検出し、表示セグメントのうち異常区間と対応する表示セグメントを、異常区間以外の区間に対応する表示セグメントとは異なる表示態様で、識別して表示するようにしたものである。
このため、メンテナンスに適切な頻度や確認したいタイミングでデータを取得でき、極めてスムーズに操作端30の劣化を確認してユーザに交換を促すことが可能となる。したがって、ブレイクメンテナンスを抑制でき、緊急な修理による装置の停止や、不良品の発生による損失を回避することが可能となる。
次に、図8を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる調節計10について説明する。図8は、第2の実施の形態にかかる調節計の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、本実施の形態において、調節計10には、フィードバック値選択部24が設けられている。
本実施の形態にかかる上記以外の構成および動作については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、図9を参照して、本実施の形態にかかる調節計10の動作について説明する。図9は、フィードバック値選択動作を示すフローチャートである。
フィードバック値選択部24は、新たな実測フィードバック値Fdおよび推定フィードバック値Feが算出されるごとに、図9のフィードバック値選択動作を実行する。
次に、フィードバック値選択部24は、両者の偏差D=Fd−Feを算出し(ステップ201)、予め設定されている許容範囲εaと比較する(ステップ202)。
一方、偏差Dが許容範囲εa内に含まれない場合(ステップ202:NO)、推定フィードバック値Feを調整フィードバック値Faとして選択し、駆動制御部15へ出力する(ステップ204)。
このように、本実施の形態は、フィードバック値選択部24が、実測フィードバック値Fdと推定フィードバック値Feとの偏差Dが、予め設定されている許容範囲εaの範囲内である場合には実測フィードバック値Fdを調整フィードバック値Faとして選択して駆動制御部15に出力し、偏差Dが許容範囲εaの範囲外である場合には推定フィードバック値Feを調整フィードバック値Faとして選択して駆動制御部15に出力するようにしたものである。
次に、図10を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる調節計10について説明する。図10は、第3の実施の形態にかかる調節計の構成を示すブロック図である。
本実施の形態では、劣化位置の検出時に、自動制御の際に用いる操作量MVを変更することにより、操作端30の動作位置を開始位置PSから停止位置PEまで変位させる場合について説明する。
操作量切替部25は、自動制御の際には操作量算出部13で算出した操作量MVを出力する機能と、操作入力部14で検出された劣化位置の検出を指示する指示操作に応じて、開始位置PSに対応する開始位置操作量から停止位置PEに対応する停止位置操作量まで一定速度で変化する操作量MVSに切り替えて出力する機能とを有している。
本実施の形態にかかる上記以外の構成および動作については、第1または第2の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
このように、本実施の形態は、操作量切替部25が、自動制御の際には操作量算出部13で算出した操作量MVを出力するとともに、操作入力部14で検出された劣化位置の検出を指示する指示操作に応じて、開始位置PSに対応する開始位置操作量から停止位置PEに対応する停止位置操作量まで一定速度で変化する操作量MVSに切り替えて出力し、駆動制御部15が、操作量切替部25から出力された操作量MV/MVSに応じた駆動信号DSを生成して出力することにより操作端30を駆動するようにしたものである。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
Claims (5)
- 予め設定された設定値と制御対象から検出した制御量とから算出し、得られた操作量に基づいて操作端を駆動することにより、前記操作端の動作位置を自動制御する調節計であって、
前記操作端のエンコーダから出力された検出信号に基づいて、一定時間ごとに前記操作量に応じた前記操作端の動作位置を示す実測フィードバック値を算出する実測フィードバック値算出部と、
前記実測フィードバック値より前に算出した劣化の影響を含まない実測フィードバック値に基づいて、前記実測フィードバック値と対応する推定フィードバック値を算出する推定フィードバック値算出部と、
劣化位置の検出を指示する指示操作に応じて、前記動作位置が予め指定された開始位置から停止位置まで一定速度で変位するよう、前記操作端を駆動制御する駆動制御部と、
個別に点灯制御可能な複数の表示セグメントで構成されるセグメント表示部と、
前記開始位置から前記停止位置までの駆動の間に得られた前記実測フィードバック値と前記推定フィードバック値のうち、前記実測フィードバック値が異常である異常区間を検出し、前記セグメント表示部のうち前記異常区間と対応する表示セグメントを、前記異常区間以外の区間に対応する表示セグメントとは異なる表示態様で、識別して表示する表示制御部と
を備え、
前記表示制御部は、前記異常区間を判定する際、前記実測フィードバック値と前記推定フィードバック値との偏差を、予め設定されている許容範囲の範囲外に段階的に設定されている複数の異常範囲と比較し、前記偏差が前記異常範囲のいずれかに含まれる場合には、前記異常区間と対応する表示セグメントを当該異常範囲に個別の表示態様で識別して表示することを特徴とする調節計。 - 請求項1に記載の調節計において、
前記セグメント表示部は、線状に並べて配置された複数の表示セグメントで構成され、これら表示セグメントは、当該表示セグメントの配置位置に応じて、前記操作端の全動作区間を分割して設けられた複数の部分動作区間のいずれかに対応付けられていることを特徴とする調節計。 - 請求項1に記載の調節計において、
前記セグメント表示部は、複数の表示セグメントを任意に点消灯することにより任意の数字、文字、または記号などのシンボルを表示する複数のセグメント表示器で構成され、各セグメント表示器により、前記表示制御部から出力された前記異常区間を示すシンボルを前記表示態様で表示することを特徴とする調節計。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の調節計において、
前記実測フィードバック値と前記推定フィードバック値との偏差が、予め設定されている許容範囲の範囲内である場合には、前記実測フィードバック値を前記操作量の調整に用いる調整フィードバック値として選択し、前記偏差が前記許容範囲の範囲外である場合には前記推定フィードバック値を前記調整フィードバック値として選択するフィードバック値選択部をさらに備えることを特徴とする調節計。 - 予め設定された設定値と制御対象から検出した制御量とから算出し、得られた操作量に基づいて操作端を駆動することにより、前記操作端の動作位置を自動制御する調節計であって、
実測フィードバック値算出部が、前記操作端のエンコーダから出力された検出信号に基づいて、一定時間ごとに前記操作量に応じた前記操作端の動作位置を示す実測フィードバック値を算出するフィードバック値算出ステップと、
推定フィードバック値算出部が、前記実測フィードバック値より前に算出した劣化の影響を含まない実測フィードバック値に基づいて、前記実測フィードバック値と対応する推定フィードバック値を算出する推定フィードバック値算出ステップと、
駆動制御部が、劣化位置の検出を指示する指示操作に応じて、前記動作位置が予め指定された開始位置から停止位置まで一定速度で変位するよう、前記操作端を駆動制御する駆動制御ステップと、
表示制御部が、前記開始位置から前記停止位置までの駆動の間に得られた前記実測フィードバック値と前記推定フィードバック値のうち、前記実測フィードバック値が異常である異常区間を検出し、個別に点灯制御可能な複数の表示セグメントで構成されるセグメント表示部のうち、前記異常区間と対応する表示セグメントを、前記異常区間以外の区間に対応する表示セグメントとは異なる表示態様で、識別して表示し、前記異常区間を判定する際、前記実測フィードバック値と前記推定フィードバック値との偏差を、予め設定されている許容範囲の範囲外に段階的に設定されている複数の異常範囲と比較し、前記偏差が前記異常範囲のいずれかに含まれる場合には、前記異常区間と対応する表示セグメントを当該異常範囲に個別の表示態様で識別して表示する表示制御ステップと
を備えることを特徴とする劣化位置検出方法。
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