JP6943599B2 - 防食構造及び防食方法 - Google Patents
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Description
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図2及び図4に示すように、締結部材(3)を被覆する被覆部材(5)をこの締結部材によって締結される被締結部材(2)に装着し、この締結部材を密封することによってこの締結部材の腐食を防止する防食構造であって、前記被覆部材が装着される箇所の前記被締結部材の表層から腐食生成物(R)を除去するために、この被締結部材の表層を切削処理した切削処理部(7)を備え、前記切削処理部は、前記締結部材の中心線を中心としてこの締結部材を囲むように前記被締結部材の表層に一定半径で円周状に形成されており、この被締結部材の表層に存在する腐食生成物よりも深い下層まで切削されており、前記被覆部材は、前記切削処理部の底面に装着される装着部(5b)を備え、前記被覆部材と前記締結部材との間を密閉するように、これらの間に充填剤(6)が充填されており、この被覆部材の装着部の全面と前記切削処理部の底面とがこの充填剤によって接着されるとともに、前記被覆部材及び前記被締結部材の表面に塗膜(8)が形成されることを特徴とする防食構造(4)である。
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1に示す鋼構造物1は、鋼材によって構成された固定構造物である。鋼構造物1は、例えば、鉄道車両が走行する線路の下部に空間を確保し列車の荷重を支持する橋梁である。鋼構造物1は、図1に示すように、鋼板と山形鋼とを溶接などによって接合してI形の桁に組み立てた主桁1aを備えており、この主桁1aは主桁1aの下部板を形成する下フランジ1bと、主桁1aの上部板を構成する上フランジ1cと、下フランジ1bと上フランジ1cとを結合する腹板1dなどを備えている。
図4に示すように、被覆部材5の装着部5bと切削処理部7とを充填剤6によって接着すると、被覆部材5の内面と締結部材3の表面との間の隙間が密封される。このため、被覆部材5の外部から内部に水分又は酸素が浸入するのをこの被覆部材5が遮断し、締結部材3及びこの締結部材3の近傍の添接板2にさびRが発生するのをこの被覆部材5が防止する。また、図5に示すように、素地調整作業が不十分であり添接板2の表層や締結部材3の表層にさびRが残存していても、被覆部材5が装着される箇所の添接板2の表層のさびRが除去されて切削処理部7が形成される。このため、被覆部材5の装着部5bと切削処理部7とが充填剤6を介して密着し、被覆部材5の外部から内部に水分又は酸素が供給されるのをこの被覆部材5が遮断する。その結果、締結部材3及びこの締結部材3の近傍の添接板2に残存するさびRの進行を被覆部材5が抑制する。
図8に示す防食方法#100は、締結部材3を被覆する被覆部材5をこの締結部材3によって締結される添接板2に装着し、この締結部材3を密封することによってこの締結部材3の腐食を防止する方法である。防食方法#100は、例えば、鋼構造物1の塗替え塗装時に実施される。防食方法#100は、素地調整工程#110と、切削処理工程#120と、装着工程#130と、塗装工程#140などを含む。
(1) この第1実施形態では、被覆部材5が装着される箇所の添接板2の表層からさびRを除去するために、この添接板2の表層を切削処理して切削処理部7が形成されている。このため、被覆部材5を装着する箇所の添接板2の表層に存在するさびRを切削処理によって完全に除去することができる。その結果、締結部材3及びこの締結部材3の近傍の添接板2にさびRが発生するのを防止することができるとともに、締結部材3及びこの締結部材3の近傍の添接板2に残存するさびRが進行するのを抑制することができる。
以下では、図1〜図9に示す部分と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図10に示す防食構造4は、部材表面9の防食対象部10を被覆する被覆部材5をこの部材表面9に装着し、この防食対象部10を密封することによってこの防食対象部10の腐食を防止する構造である。防食構造4は、被覆部材5と切削処理部7とを充填剤6を介して密着させて、防食対象部10の表面をこの被覆部材5によって密封し、この被覆部材5の外部から内部に水分及び酸素が浸入するのを阻止してこの防食対象部10の腐食を防止する。
図8に示す防食方法#100は、部材表面9上の防食対象部10を被覆する被覆部材5をこの防食対象部10によって締結される部材表面9に装着し、この防食対象部10を密封することによってこの防食対象部10の腐食を防止する方法である。
(1) この第2実施形態では、被覆部材5が装着される箇所の部材表面9の表層からさびRを除去するために、この部材表面9の表層を切削処理して切削処理部7が形成されている。このため、被覆部材5を装着する箇所の部材表面9の表層に存在するさびRを切削処理によって完全に除去することができる。その結果、防食対象部10にさびRが発生するのを防止することができるとともに、防食対象部10に残存するさびRが進行するのを抑制することができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、被覆部材5と締結部材3との間の隙間、被覆部材5と防食対象部10との間の隙間に充填剤6を充填する場合を例に挙げて説明したが、これらの隙間に充填剤6を充填せずに被覆部材5の装着部5bと切削処理部7の底部との間にのみ充填剤6を塗布してこれらを接着する場合についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、被覆部材5の表面の全部に塗料を塗布して塗膜8を形成する場合を例に挙げて説明したが、被覆部材5の表面の一部に塗料を塗布して塗膜8を形成する場合についても、この発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、締結部材3及びこの締結部材3の近傍の添接板2にさびRが発生する場合や、防食対象部10及びこの防食対象部10の近傍の部材表面9に錆Rが発生する場合を例に挙げて説明したが、これらのいずれか一方のみにさびRが発生する場合についても、この発明を適用することができる。
2 添接板(被締結部材)
3 締結部材
3a ボルト
3b ナット
3c 座金
4 防食構造
5 被覆部材
5a 本体部
5b 装着部
6 充填剤
7 切削処理部
8 塗膜
9 部材表面
10 防食対象部
R さび(腐食生成物)
Claims (4)
- 締結部材を被覆する被覆部材をこの締結部材によって締結される被締結部材に装着し、この締結部材を密封することによってこの締結部材の腐食を防止する防食構造であって、
前記被覆部材が装着される箇所の前記被締結部材の表層から腐食生成物を除去するために、この被締結部材の表層を切削処理した切削処理部を備え、
前記切削処理部は、前記締結部材の中心線を中心としてこの締結部材を囲むように前記被締結部材の表層に一定半径で円周状に形成されており、この被締結部材の表層に存在する腐食生成物よりも深い下層まで切削されており、
前記被覆部材は、前記切削処理部の底面に装着される装着部を備え、
前記被覆部材と前記締結部材との間を密閉するように、これらの間に充填剤が充填されており、この被覆部材の装着部の全面と前記切削処理部の底面とがこの充填剤によって接着されるとともに、前記被覆部材及び前記被締結部材の表面に塗膜が形成されること、
を特徴とする防食構造。 - 部材表面上の防食対象部を被覆する被覆部材をこの部材表面に装着し、この防食対象部を密封することによってこの防食対象部の腐食を防止する防食構造であって、
前記被覆部材が装着される箇所の前記部材表面の表層から腐食生成物を除去するために、この部材表面の表層を切削処理した切削処理部を備え、
前記切削処理部は、前記防食対象部の中心線を中心としてこの防食対象部を囲むように前記部材表面の表層に一定半径で円周状に形成されており、この部材表面の表層に存在する腐食生成物よりも深い下層まで切削されており、
前記被覆部材は、前記切削処理部の底面に装着される装着部を備え、
前記被覆部材と前記防食対象部との間を密閉するように、これらの間に充填剤が充填されており、この被覆部材の装着部の全面と前記切削処理部の底面とがこの充填剤によって接着されるとともに、前記被覆部材及び前記部材表面に塗膜が形成されること、
を特徴とする防食構造。 - 締結部材を被覆する被覆部材をこの締結部材によって締結される被締結部材に装着し、この締結部材を密封することによってこの締結部材の腐食を防止する防食方法であって、
前記被覆部材が装着される箇所の前記被締結部材の表層から腐食生成物を除去するために、この被締結部材の表層を切削処理する切削処理工程と、
前記被覆部材の装着部を前記切削処理部の底面に装着する装着工程とを含み、
前記切削処理工程は、前記締結部材の中心線を中心としてこの締結部材を囲むように前記被締結部材の表層に一定半径で円周状に形成し、この被締結部材の表層に存在する腐食生成物よりも深い下層まで切削する工程を含み、
前記装着工程は、前記被覆部材と前記締結部材との間を密閉するように、これらの間に充填剤を充填するとともに、この被覆部材の装着部の全面と前記切削処理部の底面とをこの充填剤によって接着する工程を含み、この接着工程の後に、この被覆部材及び前記被締結部材の表面に塗膜が形成されること、
を特徴とする防食方法。 - 部材表面上の防食対象部を被覆する被覆部材をこの部材表面に装着し、この防食対象部を密封することによってこの防食対象部の腐食を防止する防食方法であって、
前記被覆部材が装着される箇所の前記部材表面の表層から腐食生成物を除去するために、この部材表面の表層を切削処理する切削処理工程と、
前記被覆部材の装着部を前記切削処理部の底面に装着する装着工程とを含み、
前記切削処理工程は、前記防食対象部の中心線を中心としてこの防食対象部を囲むように前記部材表面の表層に一定半径で円周状に形成し、この部材表面の表層に存在する腐食生成物よりも深い下層まで切削する工程を含み、
前記装着工程は、前記被覆部材と前記防食対象部との間を密閉するように、これらの間に充填剤を充填するとともに、この被覆部材の装着部の全面と前記切削処理部の底面とをこの充填剤によって接着する工程を含み、この接着工程の後にこの被覆部材及び前記部材表面に塗膜が形成されること、
を特徴とする防食方法。
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