JP2000273973A - コンクリート構造物の劣化を防止する耐食金属シートの被覆方法 - Google Patents

コンクリート構造物の劣化を防止する耐食金属シートの被覆方法

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JP2000273973A
JP2000273973A JP11079193A JP7919399A JP2000273973A JP 2000273973 A JP2000273973 A JP 2000273973A JP 11079193 A JP11079193 A JP 11079193A JP 7919399 A JP7919399 A JP 7919399A JP 2000273973 A JP2000273973 A JP 2000273973A
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metal sheet
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corrosion
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Hisashi Kanai
久 金井
Masami Ishida
雅己 石田
Shigeru Gunji
盛 郡司
Motohiro Kamei
素浩 亀井
Akira Okamura
章 岡村
Yuichi Saito
裕一 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐食性を有する薄金属シートを簡便な施工によ
りコンクリートの表面に被覆する。 【解決手段】コンクリート1の表面に耐食性を有する固
定用金属3を埋め込み、固定用金属3と同材質の薄金属
シート2の外周端部を固定用金属3上に置き、重なり部
分を溶接接合し、密封シールすることにより、コンクリ
ートの表面に薄金属シートを密着被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋環境や浄水場
のオゾン処理槽の天井、内壁面及び底面の如き腐食環境
にさらされるコンクリート構造物のコンクリート劣化並
びに、内部鉄筋の腐食を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、海洋環境に設置されるコンクリー
ト構造物は海水や潮風の影響を受け、コンクリートの劣
化並びに内部鉄筋の腐食が発生する。例えば、コンクリ
ート中の水酸化カルシウムが海水中の塩化物と反応して
コンクリートが脆弱化する。また、コンクリート中に塩
化物イオンが浸透し、内部鉄筋周辺に蓄積して、内部鉄
筋を腐食させたり、内部鉄筋が腐食により体積膨張し、
コンクリートにひび割れを発生させ、さらにひび割れ部
分から塩化物、水分、酸素等の腐食因子が容易に供給さ
れることにより、内部鉄筋の腐食速度が著しく増加し、
コンクリートの剥離・脱落を引き起こす塩害等が発生す
る。
【0003】このような問題への対処法として、従来、
鉄筋表面にエポキシ樹脂を塗装して防錆処理した鉄筋
(以下、エポキシ樹脂塗装鉄筋という)を使用する方法
や、塩化物、水分、酸素等の浸透性に対して優れた抵
抗性を有するポリマー含浸コンクリート(PIC)等の
材料を永久型枠として用いる防食型枠を使用する方法、
或いは塗料や樹脂ライニング材料によりコンクリート
表面を被覆する方法、さらに流電陽極方式や外部電源
方式により鉄筋を電気防食する方法などがある。また、
浄水場のオゾン処理槽の天井、壁面及び底面のコンクリ
ート構造体ではオゾンが強力な酸化力を有しているた
め、コンクリート表面やひび割れ等から浸入したオゾン
によって鉄筋が激しく腐食され、構造体の安定に悪影響
を及ぼす恐れがある。
【0004】このような問題への対処法として、従来、
合成樹脂製の防食シートを処理槽の内面に貼付ける方法
等があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のコンクリート構
造物の劣化防止法には以上の如く各種の方法があった
が、それぞれ以下の課題があった。 (1)エポキシ樹脂塗装鉄筋を使用する方法において
は、エポキシ樹脂塗装鉄筋の価格が無塗装鉄筋の約2倍
と高価であり、また、エポキシ樹脂の塗膜が損傷を受け
ると、防食効果が期待できなくなるため、施工中の取り
扱いに手間がかかるという問題があった。 (2)また、防食型枠を使用する方法においては、防食
型枠は使用場所において接合されるので、接合部のコー
キング施工が煩雑であり、さらに、コーキング材の経年
劣化がさけられないため、接合部が防食上の欠陥となり
やすいという問題があった。 (3)また、塗料や樹脂ライニング材料によりコンクリ
ート表面を被覆する方法においては、被覆材料の経年劣
化が避けられず、コンクリート構造物の供用期間中に何
度かの塗り替えが必要になるという問題があった。さら
に塗り替えは現場作業となるため、施工が煩雑であり、
施工費が非常に高くなるという問題があった。 (4)また、流電陽極方式や外部電源方式により鉄筋を
電気防食する方法においては、流電陽極方式は大気中に
暴露されるコンクリート構造物に対してはコンクリート
の電気抵抗が高いため、適用できないという問題があっ
た。また、外部電源方式では運転コスト(電気代)が必
要であり、さらに直流電源装置の保守点検と施設の維持
管理が必須になるという問題があった。さらに鉄筋に過
度の防食電流を流すと鉄筋表面にアルカリが生成して、
コンクリートと鉄筋との付着性を低下させたり、また、
プレストレストコンクリート構造物に使用される高張力
鋼は過防食により水素脆化を起こす可能性があるので、
過防食にならないよう定期的にモニタリングして適切な
防食電流を維持しなければならないという問題があっ
た。 (5)最近、耐食性金属の薄板化技術の進展に伴い、特
開平5―132964号公報に開示されているような海
中に建設されるコンクリート構造物の干満飛沫帯コンク
リート表面にチタン薄板を張り巡らす防食方法が提案さ
れている。これは図10、図11に示すように、内側に
スタッドジベル14や型鋼15を溶接した成型されたチ
タン板13をコンクリート表面に離間してセットし、隙
間にコンクリート1を打ち込み、チタン板13をコンク
リート表面に張り巡らす方法である。隣接するチタン板
どうしの継目部16は図12に示すようなU字型の固定
具(チタン製またはプラスチック製)17で固定し、隙
間にエポキシ樹脂等を充填するか、U字型固定具(チタ
ン製)17をシーム溶接し、水密度を増すようにしてい
る。この方法は経年劣化がなく、恒久的な耐食性、環境
遮断性が期待できるチタンをコンクリート表面に張り巡
らしているため、コンクリート構造物の供用期間中の補
修・更新が不要になるという利点があるが、コンクリー
ト硬化前に薄いチタン板を加工し成形しているため、コ
ンクリート打設作業中にチタン板を変形させたり、損傷
させたりしないようにしなければならないため、コンク
リート打設作業が非常に煩雑になるという問題があっ
た。また、隣接するチタン板どうしの接続部やU字型固
定具の加工には寸法精度が要求され、加工が煩雑であ
り、コストアップの要因になる等の問題があった。 (6)また、浄水場のオゾン処理槽の内面に合成樹脂製
の防食シートを貼付ける方法においては、被処理水の水
位より上方の大気部では防食シートがオゾンの酸化作用
によって短期間の内に劣化し、亀裂や剥離を生ずるた
め、長期間にわたって、コンクリートや鉄筋を保護でき
ないという問題があった。また、被処理水中では防食シ
ートの長期間浸漬による耐水性の低下が避けられず、長
期間にわたって、コンクリートや鉄筋を保護できないと
いう問題があった。 (7)最近、浄水場のオゾン処理槽の被処理水の水位よ
り上方の大気部のコンクリートの劣化を防止する方法と
して、特開平8―155471号公報に開示されている
ような防食シートの表面に水膜を形成する装置を設ける
方法が提案されている。これは、図13に示すように被
処理水Wを噴射装置18によりシャワー状またはミスト
状に噴射し、防食シート19の表面に水膜を形成するこ
とにより、防食シート19とオゾンを2000〜300
0ppm程度含む槽内の空気との接触を断つことによ
り、防食シート19の劣化を防止するものである。噴射
する被処理水中のオゾン濃度は5ppm以下なので、水
膜中に溶解しているオゾンによる防食シート19の劣化
はほとんど無いとしている。この方法は大気中の防食シ
ート19が高濃度のオゾンに直接接触するのを防ぐた
め、防食シート19の延命に効果は期待できるものの、
噴射装置18が必要となるため、新たな設備が必要とな
ること、また、常時運転していなければならないため、
維持管理費がかかること等から、コストアップの要因と
なるという問題があった。 本発明は以上のような従来技術の課題を解決し、経年劣
化の恐れがないチタンやステンレス等の耐食性金属を海
洋環境に設置されるコンクリート構造物や浄水場のオゾ
ン処理槽ならびに流動層式の活性炭吸着槽等の腐食環境
にさらされるコンクリート構造体表面に簡便に、かつ経
済的に被覆する方法を提供することを目的としたもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の要旨は以下の通りである。即ち、本発明のコ
ンクリート劣化防止用耐食金属表面被覆方法は、コンク
リート構造体の腐食環境にさらされる表面に、コンクリ
ート打設時に耐食性を有する固定用金属を埋め込み固定
し、コンクリートが硬化した後、前記固定用金属と同材
質の耐食性薄金属シートの外周端部を直接固定用金属上
に置き、重なり部分をインダイレクト抵抗シーム溶接法
により接合し、密封シールすることを特徴とする。ま
た、耐食性薄金属シートの外周端部を同材質の金属シー
ト枠上に置き、重なり部分をインダイレクト抵抗シーム
溶接法により接合し、前記金属シート枠の外周端部をコ
ンクリート構造体表面に固定した耐食性を有する固定用
金属上に置き、重なり部分をTIG溶接法或いはプラズ
マ溶接法により接合し、密封シールすることもできる。
また、耐食性薄金属シートの外周端部をコンクリート構
造体表面に固定した同材質の固定用金属上に置き、重な
り部分をTIG溶接法或いはプラズマ溶接法により接合
し、密封シールすることもできる。さらに、既設コンク
リート構造物に適用する場合、固定用金属はコンクリー
トアンカーにより、固定することもできる。
【0007】
【作用】本発明に用いる耐食性金属の材質は、例えば海
洋環境に適用する場合はチタン、耐海水性ステンレス鋼
等を用い、オゾン処理槽に適用する場合はSUS31
6、SUS316Lステンレス鋼等から選択する。これ
らの耐食性金属はそれぞれの適用環境において恒久的な
耐久性と環境遮断性を有しているため、供用期間中の被
覆材料の補修・更新や、防食効果、劣化防止効果を維持
するための特別な装置或いは施設の製作・維持管理が不
要となる。本発明では、腐食環境にさらされるコンクリ
ート表面の被覆対象全面を上記耐食性金属で被覆するこ
とができるので部分的な防食上の欠陥を無くすことがで
きる。また、被覆対象部の大部分を薄くてハンドリング
性の良い耐食性金属薄板で、コンクリート打設作業後に
被覆するので施工を簡便にすることができる。さらに、
隣接する耐食性金属板は、予めコンクリート打設時に埋
め込まれた、あるいは既設コンクリートにコンクリート
アンカーにより固定された、被覆用金属板と同種の固定
用金属に溶接接合されるため、特別な成型加工が不要に
なるとともに、完全なシール性を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図を参
照にして説明する。図1は、本発明によりコンクリート
1の表面に薄金属シート2をインダイレクト抵抗シーム
溶接法により被覆した例、図2は、溝形鋼の固定用金属
例を示す断面図、図3は、コンクリート表面にコンクリ
ートアンカーにより固定用金属を固定した例を示す断面
図、図4は、本発明によりコンクリート1の表面に薄金
属シート2をインダイレクト抵抗シーム溶接法により被
覆する手段を示す断面図、図5は、本発明により薄金属
シート2をインダイレクト抵抗シーム溶接法により接合
した金属シート枠7をTIG溶接法により被覆した例、
図6は、金属シート枠7に薄金属シート2をインダイレ
クト抵抗シーム溶接法により接合した例、図7は、図6
のA―A断面図、図8は本発明により、コンクリート1
の表面に薄金属シート10をTIG溶接法により被覆し
た例、図9は、本発明によりオゾン処理槽のコンクリー
トの表面に薄金属シートを被覆した例を示す概略断面図
をそれぞれ示す。
【0009】図1は、コンクリート表面に薄金属シート
をインダイレクト抵抗シーム溶接法により被覆した実施
例である。図1に示すように、コンクリート1の表面に
おいて、当該コンクリート1が硬化する前にコンクリー
ト1にあらかじめ固定用金属3を埋め込み、コンクリー
ト1の表面に固定用金属3の金属面が出るようにしてお
く。固定用金属3を埋め込む間隔は薄金属シート2の外
周端部が50〜70mm重なる程度とする。コンクリー
ト1が硬化した後、薄金属シート2の外周端部が固定用
金属3に重なるように置き、重なり部分をインダイレク
ト抵抗シーム溶接法により密封シールする。図1では固
定用金属をH形鋼としているが、図2のように溝形鋼と
してもよい。また、図3に示すように、コンクリート硬
化後、コンクリートアンカー5によって、固定用金属3
をコンクリート1の表面に固定することもできる。
【0010】固定用金属3上に薄金属シート2の外周端
部をインダイレクト抵抗シーム溶接するには図4に示す
ように、一対のローラー電極6を有する抵抗溶接機の一
方のローラー電極6を固定用金属3と薄金属シート2の
重なり部上に配置し、他方のローラー電極6を固定用金
属3上に接触させて通電しながら溶接方向に移動させ
る。また、固定用金属3と薄金属シート2の重なり部上
に両方のローラー電極6を接触させて通電しながら抵抗
シーム溶接を実施することにより、固定用金属3と薄金
属シート2を2箇所同時に連続的に溶接することも可能
である。使用する薄金属シート2、固定用金属3の材質
は暴露される環境を考慮して決定するが、海洋環境では
純チタン、YUS270(商品名)耐海水性ステンレス
鋼が、オゾン接触槽ではSUS316ステンレス鋼等が
適用可能である。また、薄金属シート2の板厚は0.1〜
1mm未満とし、好ましくは0.3〜0.5 mm の範囲とす
る。
【0011】溶接条件は使用する金属の材質、板厚に応
じて、適当な値を選ぶ必要がある。図1に示す被覆方法
の実施に当り、インダイレクト抵抗シーム溶接作業のた
めのワークスペ−ス確保が困難であったり、ローラー電
極6の加圧力確保が困難であったりする場合は図5に示
すような被覆方法、即ち薄金属シート2をインダイレク
ト抵抗シーム溶接法により接合した金属シート枠7をT
IG溶接法或いはプラズマ溶接法により被覆する方法を
実施することができる。図5はコンクリート表面に薄金
属シートをインダイレクト抵抗シーム溶接法により接合
した金属シート枠をTIG溶接法により被覆した実施形
態である。図5に示すように、コンクリート1の表面に
そのコンクリート1が硬化する前に当該コンクリート1
にあらかじめ固定用金具3を埋め込み、コンクリート1
の表面に固定用金具3の金属面が出るようにしておく。
固定用金具3を埋め込む間隔は金属シート枠7の外周端
部が50mm程度重なるものとする。また、金属シート
枠7の大きさは薄金属シート2の外周端部が50〜70
mm重なる程度とする。コンクリート1が硬化した後、
金属シート枠7の外周端部が固定用金具3に重なるよう
に置き、重なり部分をTIG溶接法により密封シールす
る。
【0012】図6には金属シート枠7上に薄金属シート
2をインダイレクト抵抗シームにより接合した状況例を
示す。また、図7には図6のA−A断面を示す。薄金属
シート2の外周端部を金属シート枠7にインダイレクト
抵抗シーム溶接するには図4に示した方法と同様に、一
対のローラー電極6を有する抵抗溶接機の一方のローラ
ー電極6を金属シート枠7と薄金属シート2の重なり部
上に配置し、他方のローラー電極6を金属シート枠7上
に接触させて通電しながら溶接方向に移動させる。ま
た、金属シート枠7と薄金属シート2の重なり部上に両
方のローラー電極6を接触させて通電しながら抵抗シー
ム溶接を実施することにより、金属シート枠7と薄金属
シート2を2箇所同時に連続的に溶接することも可能で
ある。
【0013】金属シート枠7内のコンクリート1の表面
と薄金属シート2との隙間はそのままにしておいてもよ
いが、隙間にアスファルトゴム系、ポリウレタン系、ア
クリル系、エポキシ系、ブチル系等の合成樹脂よりなる
充填材9を充填した方が耐衝撃性の上から良い結果が得
られる。
【0014】使用する薄金属シート2、固定用金具3、
金属シート枠7の材質は暴露される環境を考慮して決定
するが、海洋環境では純チタン、YUS270(商品
名)耐海水性ステンレス鋼が、オゾン接触槽ではSUS
316ステンレス鋼等が適用可能である。また、金属シ
ート枠7の板厚はTIG溶接できる最低板厚以上とする
が、使用する金属は特殊金属のため材料価格が高く、厚
くなるほど材料コストの面で不利になるので、1〜3m
mの範囲とする。また、薄金属シート2の板厚は0.1〜
1mm未満とし、好ましくは0.3〜0.5 mm の範囲とす
る。溶接条件は使用する金属の材質、板厚に応じて、適
当な値を選ぶ必要がある。TIG溶接の他にプラズマ溶
接により実施することも可能である。
【0015】図8は、コンクリート表面に薄金属シート
をTIG溶接法により被覆した実施例である。図8に示
すように、コンクリート1の表面にコンクリート1が硬
化する前にコンクリート1にあらかじめ固定用金具3を
埋め込み、コンクリート1の表面に固定用金具3の金属
面が出るようにしておく。固定用金具3を埋め込む間隔
は薄金属シート10の外周端部が50mm重なる程度と
する。コンクリート1が硬化した後、薄金属シート10
の外周端部が固定用金具3に重なるように置き、重なり
部分をTIG溶接法により密封シールする。
【0016】使用する固定用金具3、薄金属シート10
の材質は暴露される環境を考慮して決定するが、海洋環
境では純チタン、YUS270(商品名)耐海水性ステ
ンレス鋼が、オゾン接触槽ではSUS316ステンレス
鋼等が適用可能である。また、薄金属シート10の板厚
はTIG溶接できる最低板厚以上とするが、使用する金
属は特殊金属のため材料価格が高く、厚くなるほど材料
コストの面で不利になるので、1〜3mmの範囲とす
る。溶接条件は使用する金属の材質、板厚に応じて、適
当な値を選ぶ必要がある。TIG溶接の他にプラズマ溶
接により実施することも可能である。
【0017】図9はオゾン処理槽のコンクリート1の表
面に薄金属シート2を被覆した例を示す概略断面図であ
る。図9ではコンクリート1の気相部、液相部ともに耐
食性を有する薄金属シート2により完全に被覆されてい
る。
【0018】図1、図8に示す被覆方法では、外周端部
の密封シール用に溶接された以外の部分はそのままにし
ておいてもよいが、それらの部分のコンクリート1の表
面にコンクリート1が硬化する前に当該コンクリート1
にあらかじめ形鋼等の固定用金属を埋め込み、コンクリ
ート1の表面に固定用金属の金属面が出るようにしてお
き、その上部に被覆される薄金属シート上からインダイ
レクト抵抗スポット溶接することにより、薄金属シート
の密着性を向上させることができる。また、固定用金属
として金属ネットを使用し、金属ネット上部に被覆され
る薄金属シート上からインダイレクト抵抗スポット溶接
することにより、薄金属シートの密着性を向上させるこ
ともできる。以上のような手順でコンクリート表面に薄
金属シートを被覆することができる。
【0019】
【発明の効果】本発明は、コンクリート表面にそれぞれ
の適用環境において恒久的な耐久性と環境遮断性を有し
ている耐食性金属を簡便に被覆することができる金属シ
ート被覆方法である。従って、従来の塗料や樹脂ライニ
ング材料により被覆したり、合成樹脂製の防食シートを
貼付けたりしてコンクリート表面を被覆し、コンクリー
ト構造物の劣化を防止する方法や、鉄筋を電気防食した
り、防食シートの表面に水膜を形成する装置を設け、コ
ンクリート構造物の劣化を防止する方法のように供用期
間中の被覆材料の補修・更新や防食効果、劣化防止効果
を維持するための特別な装置或いは施設の製作・維持管
理が不要となる。
【0020】また、被覆対象全面を上記耐食性金属で被
覆することができるので防食型枠を使用する方法のよう
な、部分的な防食上の欠陥を無くすことができる。ま
た、被覆対象部の大部分を薄くてハンドリング性の良い
耐食性金属薄板で、コンクリート打設作業後に被覆する
ので、エポキシ樹脂塗装鉄筋を使用する方法やコンクリ
ート硬化前にチタン板を張り巡らせる方法に比べ、施工
を簡便にすることができる。さらに、隣接する耐食性金
属板は、あらかじめコンクリート打設時に埋め込まれ
た、あるいはコンクリート硬化後にコンクリートアンカ
ーにより固定された、被覆用金属板と同種の固定用金属
に溶接接合されるため、特別な成型加工が不要になると
ともに、完全なシール性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によりコンクリートの表面に薄金属シー
トをインダイレクト抵抗シーム溶接法により被覆した例
を示す図である。
【図2】本発明により溝形鋼の固定用金属例を示す断面
図である。
【図3】本発明によりコンクリート表面にコンクリート
アンカーにより固定用金属を固定した例を示す断面図で
ある。
【図4】本発明によりコンクリートの表面に薄金属シー
トをインダイレクト抵抗シーム溶接法により被覆する手
段を示す断面図である。
【図5】本発明により薄金属シートをインダイレクト抵
抗シーム溶接法により接合した金属シート枠をTIG溶
接法により被覆した例を示す図である。
【図6】金属シート枠に薄金属シートをインダイレクト
抵抗シーム溶接法により接合した例を示す図である。
【図7】図6のA―A断面図である。
【図8】本発明によりコンクリートの表面に薄金属シー
トをTIG溶接法により被覆した例を示す図である。
【図9】本発明によりオゾン処理槽のコンクリートの表
面に薄金属シートを被覆した例を示す概略断面図であ
る。
【図10】海中に建設されるコンクリート構造物の干満
飛沫帯コンクリート表面にチタン薄板を張り巡らす防食
方法を示す側面図である。
【図11】(a),(b)は、チタン板にスタッドジベ
ル又は型鋼を取り付けた状態の説明断面図である。
【図12】チタン板のU字型固定具の説明断面図であ
る。
【図13】オゾン処理槽の一実施例を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1 コンクリート 2 薄金属シート(t=0.1〜0.5 mm ) 1 固定用金属 2 インダイレクトシーム溶接ビード 3 コンクリートアンカー 4 ローラー電極 5 金属シート枠 6 TIG溶接ビード 7 充填材 8 薄金属シート(t=1〜2mm) 9 オゾン発生装置 10 RC橋脚 11 チタン板 12 スタッドジベル 13 形鋼 14 チタン板継目部 15 U字型固定具 16 噴射装置 18a ポンプ 18b 送水管 18c 噴射ノズル 19 防食シート 20 送気管 1 排気管 2 排オゾン処理装置 W 被処理水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 郡司 盛 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 亀井 素浩 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 岡村 章 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 齋藤 裕一 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DH25 EA02 FA03 FA11 FA14 GA24 HB03 HB08 KA01 LA05 4K062 AA05 DA10 EA11 EA14 FA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリート構造体の腐食環境にさらされ
    る表面に、コンクリート打設時に耐食性を有する固定用
    金属を埋め込み固定し、コンクリートが硬化した後、前
    記固定用金属と同材質の耐食性薄金属シートを被覆する
    方法であって、前記薄金属シートの外周端部を直接固定
    用金属上に置き、重なり部分をインダイレクト抵抗シー
    ム溶接法により接合し、密封シールすることを特徴とす
    るコンクリート構造物の劣化を防止する耐食金属シート
    の被覆方法。
  2. 【請求項2】既設コンクリート構造体の表面に、耐食性
    を有する固定用金属をコンクリートアンカーにより固定
    し、請求項1と同様の手段で耐食性薄金属シートを被覆
    することを特徴とするコンクリート構造物の劣化を防止
    する耐食金属シートの被覆方法。
  3. 【請求項3】前記薄金属シートの外周端部を同材質の金
    属シート枠上に置き、重なり部分をインダイレクト抵抗
    シーム溶接法により接合し、前記金属シート枠の外周端
    部をコンクリート構造体表面に固定した固定用金属上に
    置き、重なり部分をTIG溶接法またはプラズマ溶接に
    より接合し、密封シールすることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載のコンクリート構造物の劣化を防止
    する耐食金属シートの被覆方法。
  4. 【請求項4】前記薄金属シートの外周端部をコンクリー
    ト構造体表面に固定した同材質の固定用金属上に置き、
    重なり部分をTIG溶接法またはプラズマ溶接法により
    接合し、密封シールすることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載のコンクリート構造物の劣化を防止する
    耐食金属シートの被覆方法。
JP11079193A 1999-03-24 1999-03-24 コンクリート構造物の劣化を防止する耐食金属シートの被覆方法 Pending JP2000273973A (ja)

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