JP7088034B2 - 海水域コンクリート構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、海水域コンクリート構造物に関する。ここで、本願において、「海水域コンクリート構造物」とは、海水面よりも下に存在する海中部位を有するコンクリート構造物である。なお、本願においては、海水に一時的に浸かるだけの部位も海中部位に含める。
我が国は四方を海洋に囲まれており、海水域コンクリート構造物が多く設けられている。
海水域コンクリート構造物の劣化を防止する技術としては、例えば、特許文献1には、干満飛沫帯コンクリート表面にチタン薄板を張り巡らす技術が記載されており、特許文献2には、コンクリート表面に固定用の耐食性金属を埋め込み、これと同材質の耐食性薄金属シートを、前記固定用の耐食性金属にインダイレクト抵抗シーム溶接法により接合して密封シールする技術が記載されている。
一方、海水域コンクリート構造物が用いられる施設としては、具体的には例えば、台風による大波や大地震による津波等から港湾を保護する防波堤があり、防波堤の沖合側の前面には消波ブロックを設置することが多い。しかしながら、この消波ブロックは波力によって揺動して、防波堤に衝突したり摺動したりして、防波堤に穴等の損傷を与えることがある。
この現象に対して特許文献1に記載の技術を用いて対応を行おうとしても、チタンは耐摩耗性が低いため、有効な効果は期待することができない。また、特許文献2に記載の技術を用いて対応を行おうとしても、特許文献2に記載の技術においては、コンクリートと耐食性薄金属シートとは付着しておらず、かつ、インダイレクト抵抗シーム溶接法が適用可能な板厚は1mm以下であるため、消波ブロックの衝突や摺動により、耐食性薄金属シートは容易にコンクリート表面から剥離してしまうとともに変形してしまうと考えられ、有効な効果は期待することができない。
耐摩耗性に優れた耐摩耗鋼を海水域コンクリート構造物の海中部位の表面に設けて対応を行うことも考えられるが、耐摩耗鋼は通常の炭素鋼と同様に腐食速度が大きい。耐摩耗鋼に電気防食法を適用することも考えられるが、耐摩耗鋼は水素脆化を起こしやすいため、電気防食法を適用すると、水の電気分解で生成した水素を吸蔵して水素脆化を起こす。
したがって、耐摩耗鋼を用いても、前記現象に対する有効な効果は期待しにくい。
特開平5-132964号公報 特開2000-273973号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、耐衝撃性および耐摩耗性を向上させた海水域コンクリート構造物を提供することを課題とする。
本発明は、以下のコンクリート構造物により、前記課題を解決したものである。
即ち、本発明に係るコンクリート構造物は、海水面よりも下に存在する海中部位を有するコンクリート構造物であって、前記海中部位に存在するコンクリート部材と、前記コンクリート部材の外面のうちの少なくとも一部に設けられた金属板と、を有し、前記コンクリート部材と前記金属板は合成構造を形成しており、また、前記金属板は、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有することを特徴とするコンクリート構造物である。
ここで、コンクリート部材の外面とは、当該コンクリート部材の外部から視認可能な面のことであり、当該コンクリート部材が箱状の部材のとき、その内側に面する面は含まない。
また、本願において、孔食指数とは、ステンレス鋼中に含有されるCr、Mo、Nの含有量(質量%)を用いて計算される指数であり、孔食指数=Cr+3.3Mo+16Nの式(式中の各元素記号はその元素の含有量を表している)により計算される値(質量%表示の値)のことである。
また、本願において「合成構造」とは、鋼板とコンクリートが一体となって挙動し、両材料からなる部材の強度を高めた構造だけでなく、鋼以外の材質の金属板とコンクリートが一体となって挙動し、両材料からなる部材の強度を高めた構造も含む概念である。
前記金属板と前記コンクリート部材とで形成される前記合成構造には、前記コンクリート部材の内部に少なくとも一部が埋め込まれているずれ止めが含まれているように構成してもよい。
前記金属板は、ビッカース硬さが170以上であることが好ましい。
前記金属板は、せん断強度が288N/mm2以上であることが好ましい。
前記金属板は、ステンレス鋼であってもよい。
前記金属板は、二相ステンレス鋼であることが好ましい。
前記金属板の厚さは、例えば、3.2mm以上60mm以下である。
本発明によれば、耐衝撃性および耐摩耗性を向上させた海水域コンクリート構造物を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るケーソン10を模式的に示す斜視図 ケーソン10の沖合側壁体14を拡大して示す拡大鉛直断面図 第1実施形態の変形例における沖合側壁体14を拡大して示す拡大鉛直断面図 本発明の第2実施形態に係るケーソン30を模式的に示す斜視図 ケーソン30の沖合側壁体34を拡大して示す拡大鉛直断面図 第2実施形態の変形例における沖合側壁体34を拡大して示す拡大鉛直断面図
以下、図面を参照して、本発明に係る海水域コンクリート構造物の実施形態を詳細に説明するが、ここでは、海水域コンクリート構造物として、防波堤として用いられるケーソンを取り上げて説明する。ただし、本発明の適用対象がケーソンに限定されるわけではなく、海水域コンクリート構造物であれば、本発明を適用することができ、例えば、海域に設けられた橋脚等にも適用することができる。また、本発明は、海水中だけでなく、汽水中でも使用可能である。
(1)第1実施形態
(1-1)全体構成
図1は、本発明の第1実施形態に係るケーソン10を模式的に示す斜視図であり、図2は、ケーソン10の沖合側壁体14を拡大して示す拡大鉛直断面図である。
本第1実施形態に係るケーソン10は、図1に示すように、フーチング12と、沖合側壁体14と、岸側壁体16と、内部隔壁18と、上部コンクリート部材20と、金属板22と、を備えてなり、金属板22を除いて考えれば、主たる部位は鉄筋コンクリート製である。なお、図1において、符号100は海水を示し、符号102は捨石マウンドを示している。
沖合側壁体14の前面の消波ブロック設置領域60内には、消波ブロックが設置されている。消波ブロックは、波力によって揺動して、ケーソン10の沖合側壁体14およびフーチング12の沖合側突出部12Aに衝突したり摺動して、損傷を与えるおそれがあるため、本第1実施形態に係るケーソン10においては、沖合側壁体14の沖合側の外面およびフーチング12の沖合側突出部12Aの外面に、図1に示すように、金属板22を設置しており、これにより、沖合側壁体14およびフーチング12が損傷を受けることを防止している。
金属板22の内面(ケーソン10のコンクリート14Aと接触する面)には、図2に示すように、スタッド24が溶接で取り付けられており、スタッド24は沖合側壁体14の沖合側の外面およびフーチング12の沖合側突出部12Aの外面に埋め込まれていて、これにより、金属板22は、沖合側壁体14の沖合側の外面およびフーチング12の沖合側突出部12Aの外面に強固に取り付けられており、合成構造が形成されている。
沖合側壁体14および岸側壁体16の壁厚は300~600mm程度であり、標準的には400mm程度である。
なお、図1においては、沖合側壁体14の沖合側の外面およびフーチング12の沖合側突出部12Aの外面に取り付けた金属板22は、その全体が海水100に浸かっており、海中に存在するが、金属板22は、海水100に一時的に浸かるだけの領域に設置してもよい。
(1-2)金属板22およびスタッド24
図2を参照しつつ、金属板22およびスタッド24について、さらに詳細に説明する。
沖合側壁体14は、ケーソン10の壁体のうち、沖合に面する側の壁体であり、図2に示すように、コンクリート14Aの内部に水平鉄筋14Bおよび鉛直鉄筋14Cを2段に備えている。沖合側壁体14の沖合に面する外面には、前述したように、金属板22が設けられている。金属板22の内面(コンクリート14Aと接触する側の面)には、ずれ止めであるスタッド24が溶接で取り付けられている。スタッド24はコンクリート14Aに埋め込まれており、これによって金属板22は沖合側壁体14と強固に連結し、合成構造が形成されている。
金属板22の厚さは、想定される外力等に応じて適宜に定めればよいが、標準的には、3.2mm以上60mm以下である。外力への抵抗性の観点からは、金属板22の厚さは厚い方が好ましいが、一方、厚くなりすぎると、金属板22を取り付けるためのスタッド24の軸径および長さを大きくすることや配置間隔を密にすることが必要となり、また、コストも嵩む。これらの観点から、金属板22の厚さは、6mm以上40mm以下とすることが好ましい。
スタッド24の軸径、長さ、配置間隔は、想定される外力や金属板22の厚さ等に応じて適宜に定めればよいが、標準的には、軸径は6~30mm程度、長さは40~100mm程度、配置間隔は100~500mm程度である。
金属板22は、海水100と接触するため、金属板22には、海水に対する耐食性に優れた金属板を用いる。具体的には、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する金属板を用いることができ、孔食指数が40であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する金属板を用いることが好ましい。
金属板22には、波力によって揺動した消波ブロックの衝突や摺動に対する抵抗性が要求されるので、金属板22のビッカース硬さは170以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましい。同様の観点から、金属板22のせん断強度は288N/mm2以上であることが好ましく、317N/mm2以上であることがより好ましい。
孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を備えた上で、さらに前記したようなビッカース硬さおよびせん断強度を満たし得る金属板22の具体的な材質としては、例えば、ステンレス鋼およびニッケル基合金等を挙げることができる。
金属板22にステンレス鋼を用いる場合、二相ステンレス鋼を用いることが好ましい。二相ステンレス鋼は、高耐食性を維持したまま、高強度および高じん性を発現させることも可能だからである。
金属板22に二相ステンレス鋼以外のステンレス鋼を用いる場合の具体的な鋼種としては、例えば、SUS312L、SUS836L、UNS S08354、JSL310Mo、UNS S08925、UNS N08367、UNS N8926、UNS S32050、UNS N08031等を挙げることができる。
金属板22に二相ステンレス鋼を用いる場合の具体的な鋼種としては、例えば、SUS329J4L、UNS S32750、UNS S32760、UNS S39274、UNS S31260等を挙げることができる。
スタッド24の材質は、所定の性能の得られる材質であれば特には限定されないが、具体的には例えば、炭素鋼やステンレス鋼等を用いることができる。スタッド24の材質は、溶接する金属板22の材質と同一であることが好ましく、金属板22の材質がステンレス鋼の場合には、スタッド24の材質もステンレス鋼にすることが好ましい。
(1-3)効果
本第1実施形態に係るケーソン10においては、金属板22が、沖合側壁体14の沖合側の外面およびフーチング12の沖合側突出部12Aの外面に強固に取り付けられた合成構造が形成されており、外力に対する抵抗性が大きくなっている。加えて、消波ブロックが衝突したり摺動したりする可能性のある部位である沖合側壁体14の沖合側の外面およびフーチング12の沖合側突出部12Aの外面は、金属板22によって保護されており、消波ブロックが、本第1実施形態に係るケーソン10のコンクリートの部分に直接的に接触することはない。
また、金属板22には、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する金属板を用いているので、海水中や干満帯、飛沫帯でも十分な耐食性を有している。
したがって、本第1実施形態に係るケーソン10は、沖合側壁体14の前面に消波ブロックが配置された状態の防波堤として使用される場合でも、消波ブロックの衝突や摺動に対する耐衝撃性および耐摩耗性が高められており、長期にわたる供用が可能である。
(1-4)補足
金属板22には、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する金属板を用いているので、電気防食を行うことは不要であるが、ケーソン10の鉄筋コンクリート部分の鉄筋等に対して電気防食を行ってもよい。なお、この補足事項は、後述する第2実施形態に係るケーソン30においても同様である。
(1-5)変形例
本第1実施形態に係るケーソン10の沖合側壁体14においては、沖合側壁体14の沖合に面する外面に金属板22がスタッド24によって取り付けられた合成構造が形成されているが、沖合側壁体14の沖合に面する外面に金属板22を取り付ける態様は、スタッド24による取り付け態様でなくてもよく、例えば図3に示すように、沖合側壁体14を貫通する貫通ボルト26およびナット26Bによって取り付けてもよい。
ただし、図3の場合、貫通ボルト26の少なくとも一部およびナット26Bは、海水と直接接触するので、貫通ボルト26およびナット26Bは、金属板22と同様に、海水に対する耐食性に優れた材質のものを用いる。具体的には、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する材質のものを用いることができ、孔食指数が40であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する材質のものを用いることが好ましい。
また、金属板22を外側から押え込むナット26Bの周囲には水中硬化型充填接着剤(図示せず)を盛って、ナット26Bと金属板22との間の隙間を塞いで、止水を行う。
なお、図3では、貫通ボルト26の頭部26Aが沖合側壁体14の内面側に配置され、ナット26Bが沖合側壁体14の外面側に配置されているが、その配置を逆にして、貫通ボルト26の頭部26Aを沖合側壁体14の外面側に配置して、ナット26Bを沖合側壁体14の内面側に配置してもよい。この場合には、金属板22を外側から押え込む貫通ボルト26の頭部26Aの周囲には水中硬化型充填接着剤(図示せず)を盛って、貫通ボルト26の頭部26Aと金属板22との間の隙間を塞いで、止水を行う。
また、沖合側壁体14の沖合に面する外面への金属板22の取り付けは、スタッド24と貫通ボルト26とを併用して行ってもよい。
(2)第2実施形態
(2-1)全体構成
図4は、本発明の第2実施形態に係るケーソン30を模式的に示す斜視図であり、図5は、ケーソン30の沖合側壁体34を拡大して示す拡大鉛直断面図である。
本第2実施形態に係るケーソン30は、図4に示すように、フーチング32と、沖合側壁体34と、岸側壁体36と、上部コンクリート部材38と、金属板22と、を備えてなる。
図5に示すように、ケーソン30の沖合側壁体34の内面側には内面鋼板40が設けられており、また、ケーソン30の他の部位についても、内面側には鋼板が設けられており、金属板22を除いて考えた場合でも、ケーソン30は、各部位が鋼コンクリート合成構造になっており、いわゆるハイブリッドケーソンになっている。
このため、本第2実施形態に係るケーソン30は、第1実施形態に係るケーソン10と比べて壁厚が薄くなっており、沖合側壁体34および岸側壁体36の壁厚は250~500mm程度であり、標準的には300mm程度であり、コンクリート34Aの内部の水平鉄筋34Bおよび鉛直鉄筋34Cは1段に配筋されている。また、法線直角方向(岸から沖合に向かう方向)のケーソン30の幅も、第1実施形態に係るケーソン10と比べて小さくなっていて、ケーソン30は内部隔壁もなく、第1実施形態に係るケーソン10と比べてコンパクト化されている。
ただし、沖合側からの波浪等の外力に対する安定性を確保するべく、フーチング32の大きさは、第1実施形態のケーソン10のフーチング12と比べて同等以上の大きさになっている。
上記の点以外は、本第2実施形態に係るケーソン30は、第1実施形態に係るケーソン10と同様であるので、同一の部材には同一の符号を用いて、説明は原則として省略する。
沖合側壁体34は、ケーソン30の壁体のうち、沖合に面する側の壁体であり、図5に示すように、コンクリート34Aの内部に水平鉄筋34Bおよび鉛直鉄筋34Cを1段に備えている。沖合側壁体34の沖合に面する外面には、金属板22が設けられている。金属板22の内面(コンクリート34Aと接触する側の面)には、ずれ止めであるスタッド24が溶接で取り付けられている。スタッド24はコンクリート34Aに埋め込まれており、これによって金属板22は沖合側壁体34と強固に連結した、合成構造を形成している。
内面鋼板40は、ケーソン30の沖合側壁体34の内面(沖合とは反対側の面)に設けられて鋼コンクリート合成構造を形成している。内面鋼板40のコンクリート34Aと接触する側の面には、ずれ止めであるスタッド42が溶接で取り付けられている。スタッド42はコンクリート34Aに埋め込まれており、これによって内面鋼板40は、沖合側壁体34の内面と強固に連結した鋼コンクリート合成構造を形成している。
内面鋼板40は、ケーソン30の沖合側壁体34の内面(沖合とは反対側の面)に設けられており、海水とは接触しないので、通常の鋼板(例えば、溶接鋼構造用圧延鋼板)を用いることができる。内面鋼板40の厚さは、想定される外力等に応じて適宜に定めればよいが、標準的には、3.2mm以上100mm以下である。
スタッド42の軸径、長さ、配置間隔は、想定される外力や内面鋼板40の厚さ等に応じて適宜に定めればよいが、標準的には、軸径は6~30mm程度、長さは40~100mm程度、配置間隔は200~800mm程度である。
スタッド42の材質は、所定の性能の得られる材質であれば特には限定されないが、具体的には例えば、炭素鋼を用いることができる。スタッド42の材質は、溶接する内面鋼板40の材質と同一であることが好ましく、炭素鋼にすることが好ましい。
内面鋼板40の一方の面(沖合とは反対側の面でケーソン30の内部側の面)には、ブラケット40Aが設けられているが、このブラケット40Aは、内面鋼板40を補剛するためのものであり、詳細には、ケーソン30の作製時に内面鋼板40の外側にコンクリートを打設することによって加わる圧力によって内面鋼板40が変形することを防止するためのものである。
(2-2)効果
本第2実施形態に係るケーソン30における金属板22の効果は、第1実施形態に係るケーソン10における金属板22の効果と同様であり、本第2実施形態に係るケーソン30は、沖合側壁体34の前面に消波ブロックが配置された状態の防波堤として使用される場合でも、消波ブロックの衝突や摺動に対する耐衝撃性および耐摩耗性が高められており、長期にわたる供用が可能である。
(2-3)変形例
本第2実施形態に係るケーソン30の沖合側壁体34においては、沖合側壁体34の沖合に面する外面に金属板22がスタッド24によって取り付けられて合成構造が形成されているが、沖合側壁体34の沖合に面する外面に金属板22を取り付ける態様は、スタッド24のみによる取り付け態様でなくてもよく、例えば図6に示すように、さらに、沖合側壁体34を貫通する貫通ボルト44およびナット44Aによる補強的な取り付けを行ってもよい。貫通ボルト44の一端は内面鋼板40に溶接されており、貫通ボルト44は、金属板22と内面鋼板40とを連結する。
ただし、貫通ボルト44の少なくとも一部およびナット44Aは、海水と直接接触するので、貫通ボルト44およびナット44Aは、金属板22と同様に、海水に対する耐食性に優れた材質のものを用いる。具体的には、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する材質のものを用いることができ、孔食指数が40であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する材質のものを用いることが好ましい。
また、金属板22を外側から押え込むナット44Aの周囲には水中硬化型充填接着剤(図示せず)を盛って、ナット44Aと金属板22との間の隙間を塞いで、止水を行う。
10、30…ケーソン
12、32…フーチング
12A、32A…沖合側突出部
14、34…沖合側壁体
14A、34A…コンクリート
14B、34B…水平鉄筋
14C、34C…鉛直鉄筋
16、36…岸側壁体
18…内部隔壁
20、38…上部コンクリート部材
22…金属板
24、42…スタッド
26、44…貫通ボルト
26A…頭部
26B、44A…ナット
40…内面鋼板
40A…ブラケット
60…消波ブロック設置領域
100…海水
102…捨石マウンド

Claims (12)

  1. 海水面よりも下に存在する海中部位を有し、沖合に配置された消波ブロックの岸側に配置されたケーソンであって、
    沖合側および岸側に外面を有する箱状の壁体を有し、前記箱状の壁体のうち沖合側の壁体の内面に内面鋼板が設けられたコンクリート部材と、
    前記コンクリート部材の外面のうち、前記消波ブロック側である沖合側の外面にのみ設けられた金属板と、
    備え
    前記コンクリート部材の前記沖合側の壁体と前記金属板は合成構造を形成しており、
    且つ、前記金属板は、せん断強度が288N/mm 2 以上であり、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有し、厚さが3.2mm以上60mm以下であることを特徴とするケーソン
  2. 前記金属板と前記コンクリート部材の前記沖合側の壁体とで形成される前記合成構造には、前記コンクリート部材の前記沖合側の壁体の内部に少なくとも一部が埋め込まれているずれ止めが含まれていることを特徴とする請求項1に記載のケーソン
  3. 前記金属板は、前記コンクリート部材の外面のうち、前記消波ブロック側である沖合側の外面に固定された棒状部材によって取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のケーソン。
  4. 前記棒状部材のうちの少なくとも一部の棒状部材は、前記沖合側の壁体を貫通していることを特徴とする請求項3に記載のケーソン。
  5. 前記棒状部材は、前記金属板を貫通して該金属板よりも外側に一端が突出し、該一端にはナットが取り付けられていて該金属板を外側から押え込んでいて、前記金属板は、前記コンクリート部材の外面のうちの前記消波ブロック側である沖合側の外面に取り付けられていることを特徴とする請求項3または4に記載のケーソン。
  6. 前記金属板を外側から押え込む前記ナットの周囲には水中硬化型充填接着剤が盛られて、前記ナットと前記金属板との間の隙間が塞がれて、止水が行われていることを特徴とする請求項5に記載のケーソン。
  7. 前記棒状部材および前記ナットは、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する材質のものであることを特徴とする請求項5または6に記載のケーソン。
  8. 前記金属板は、ビッカース硬さが170以上であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のケーソン
  9. 前記金属板の厚さは、6mm以上40mm以下であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のケーソン。
  10. 前記金属板は、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のケーソン
  11. 前記金属板は、二相ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載のケーソン
  12. 前記コンクリート部材には沖合側に突出して設けられた沖合側突出部を有するフーチングを含み、
    前記金属板は、前記沖合側突出部の外面に設けられていることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載のケーソン。
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