JP2020111913A - 補強されたコンクリート構造物 - Google Patents

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Hisao Kitagawa
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Abstract

【課題】水中部位の補強を行って耐衝撃性および耐摩耗性を向上させた、補強されたコンクリート構造物を提供する。【解決手段】水面よりも下に存在する水中部位の少なくとも一部が補強されたコンクリート構造物であって、前記水中部位に存在するコンクリート部材12A、14と、コンクリート部材12A、14の外面のうちの少なくとも一部に取り付けられた金属板22と、を有し、金属板22は、孔食指数が17であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有するものであり、前記水中部位の少なくとも一部の補強は、金属板22によってなされる。【選択図】図1

Description

本発明は、補強されたコンクリート構造物、特に補強された既設水域コンクリート構造物に関し、詳細には、水中部位が補強された既設水域コンクリート構造物に関する。ここで、本願において、「水域コンクリート構造物」とは、水面よりも下に存在する水中部位を有するコンクリート構造物のことである。なお、本願においては、水に一時的に浸かるだけの部位も水中部位に含める。
我が国は四方を海洋に囲まれており、また、内陸部にも大きな湖沼や川が存在しており、水域コンクリート構造物が多く設けられている。
水域コンクリート構造物の劣化を防止する技術としては、例えば、特許文献1には、干満飛沫帯コンクリート表面にチタン薄板を張り巡らす技術が記載されており、特許文献2には、コンクリート表面に固定用の耐食性金属を埋め込み、これと同材質の耐食性薄金属シートを、前記固定用の耐食性金属にインダイレクト抵抗シーム溶接法により接合して密封シールする技術が記載されている。
一方、水域コンクリート構造物が用いられる施設としては、具体的には例えば、台風による大波や大地震による津波等から港湾を保護する防波堤があり、防波堤の沖合側の前面には消波ブロックを設置することが多い。しかしながら、この消波ブロックは波力によって揺動して、防波堤に衝突したり摺動したりして、防波堤に穴等の損傷を与えることがある。
この現象に対して特許文献1に記載の技術を用いて対応を行おうとしても、チタンは耐摩耗性が低いため、有効な効果は期待することができない。また、特許文献2に記載の技術を用いて対応を行おうとしても、特許文献2に記載の技術においては、コンクリートと耐食性薄金属シートとは付着しておらず、かつ、インダイレクト抵抗シーム溶接法が適用可能な板厚は1mm以下であるため、消波ブロックの衝突や摺動により、耐食性薄金属シートは容易にコンクリート表面から剥離してしまうとともに変形してしまうと考えられ、有効な効果は期待することができない。
耐摩耗性に優れた耐摩耗鋼を水域コンクリート構造物の水中部位の表面に設けて対応を行うことも考えられるが、耐摩耗鋼は通常の炭素鋼と同様に腐食速度が大きい。耐摩耗鋼に電気防食法を適用することも考えられるが、耐摩耗鋼は水素脆化を起こしやすいため、電気防食法を適用すると、水の電気分解で生成した水素を吸蔵して水素脆化を起こす。
したがって、耐摩耗鋼を用いても、前記現象に対する有効な効果は期待しにくい。
特開平5−132964号公報 特開2000−273973号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、水中部位の補強を行って耐衝撃性および耐摩耗性を向上させた、補強されたコンクリート構造物を提供することを課題とする。
本発明は、以下の補強されたコンクリート構造物により、前記課題を解決したものである。
即ち、本発明に係る補強されたコンクリート構造物は、水面よりも下に存在する水中部位の少なくとも一部が補強されたコンクリート構造物であって、前記水中部位に存在するコンクリート部材と、前記コンクリート部材の外面のうちの少なくとも一部に取り付けられた金属板と、を有し、前記金属板は、孔食指数が17であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有するものであり、前記水中部位の少なくとも一部の補強は、前記金属板によってなされることを特徴とするコンクリート構造物である。
ここで、コンクリート部材の外面とは、当該コンクリート部材の外部から視認可能な面のことであり、当該コンクリート部材が箱状の部材のとき、その内側に面する面は含まない。
また、本願において、孔食指数とは、ステンレス鋼中に含有されるCr、Mo、Nの含有量(質量%)を用いて計算される指数であり、孔食指数=Cr+3.3Mo+16Nの式(式中の各元素記号はその元素の含有量を表している)により計算される値(質量%表示の値)のことである。
前記金属板は、前記コンクリート部材の外面のうちの少なくとも一部に固定された棒状部材によって取り付けられているように構成してもよい。
前記棒状部材は、前記金属板を貫通して該金属板よりも外側に一端が突出しており、該一端にはナットが取り付けられていて、該ナットを締め込んで、前記金属板は前記外面のうちの前記少なくとも一部に取り付けられているように構成してもよい。
ここで、「該金属板よりも外側」における「外側」とは、金属板が取り付けられる前記コンクリート部材の側とは反対側のことである。
前記棒状部材および前記ナットは、ステンレス鋼にしてもよい。
前記一端および前記ナットが防食用の材料で覆われていてもよい。
前記棒状部材のうちの少なくとも一部の棒状部材は、あと施工アンカーであってもよい。
前記コンクリート部材は、前記外面の少なくとも一部の面を含む壁体を備え、前記棒状部材のうちの少なくとも一部の棒状部材は、前記壁体を貫通しているように構成してもよい。
前記金属板は、ステンレス鋼であってもよい。
前記金属板は、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有するようにしてもよい。
前記金属板は、二相ステンレス鋼であることが好ましい。
前記金属板は、電気防食がなされていてもよく、前記金属板が二相ステンレス鋼の場合、該二相ステンレス鋼の飽和カロメル電極に対する電位が−0.85Vよりも貴であるようにすることが好ましい。
前記金属板は、ビッカース硬さが170以上であることが好ましい。
前記金属板は、せん断強度が288N/mm2以上であることが好ましい。
前記金属板の厚さは、例えば、3.2mm以上60mm以下である。
前記金属板と前記コンクリート部材の前記外面との間には、接着剤、粘着剤およびグラウト材のうちの少なくとも1つが充填されているように構成してもよい。
本発明によれば、水中部位の補強を行って耐衝撃性および耐摩耗性を向上させた、補強されたコンクリート構造物を提供することができる。
本発明の実施形態に係る補強された既設ケーソン10を模式的に示す斜視図 補強された既設ケーソン10の沖合側壁体14を拡大して示す拡大鉛直断面図 本実施形態の第1変形例における沖合側壁体14を拡大して示す拡大鉛直断面図 本実施形態の第2変形例における沖合側壁体14を拡大して示す拡大鉛直断面図
以下、図面を参照して、本発明に係る補強された既設水域コンクリート構造物の実施形態を詳細に説明するが、ここでは、既設水域コンクリート構造物として、防波堤として用いられるケーソンを取り上げて説明する。ただし、本発明の適用対象がケーソンに限定されるわけではなく、既設水域コンクリート構造物であれば、本発明を適用することができ、例えば、河川に設けられた既設橋脚等にも適用することができる。
(1)全体構成
図1は、本発明の実施形態に係る補強された既設ケーソン10を模式的に示す斜視図であり、図2は、補強された既設ケーソン10の沖合側壁体14を拡大して示す拡大鉛直断面図である。
本実施形態に係る補強された既設ケーソン10は、図1に示すように、フーチング12と、沖合側壁体14と、岸側壁体16と、内部隔壁18と、上部コンクリート部材20と、金属板22と、を備えてなり、金属板22を除いて考えれば、主たる部位は鉄筋コンクリート製である。沖合側壁体14および岸側壁体16の壁厚は300〜600mm程度であり、標準的には400mm程度である。なお、図1において、符号100は淡水を示し、符号102は捨石マウンドを示している。
沖合側壁体14の前面の消波ブロック設置領域60内には、消波ブロックが設置されている。消波ブロックは、波力によって揺動して、補強される前の既設ケーソンの沖合側壁体14およびフーチング12の沖合側突出部12Aに衝突したり摺動して、損傷を与えるおそれがあるため、本実施形態に係る補強された既設ケーソン10においては、沖合側壁体14の沖合側の外面およびフーチング12の沖合側突出部12Aの外面に、図1に示すように、金属板22を設置して補強しており、これにより、沖合側壁体14およびフーチング12が損傷を受けることを防止している。
金属板22は、沖合側壁体14の沖合側の外面およびフーチング12の沖合側突出部12Aの外面に、打ち込み型アンカー24およびナット26によって取り付けられている。打ち込み型アンカー24は、穿孔したコンクリートの孔に差し込んで、ハンマー等で打ち込むことによって、先端が拡張してコンクリートに固定されるタイプのアンカーであり、あと施工アンカーの1種である。
なお、図1においては、沖合側壁体14の沖合側の外面およびフーチング12の沖合側突出部12Aの外面に取り付けた金属板22は、その全体が淡水100に浸かっており、水中に存在するが、金属板22は、淡水100に一時的に浸かるだけの領域に設置してもよい。
(2)金属板22および打ち込み型アンカー24
図2を参照しつつ、金属板22および打ち込み型アンカー24について、さらに詳細に説明する。
沖合側壁体14は、補強された既設ケーソン10の壁体のうち、沖合に面する側の壁体であり、図2に示すように、コンクリート14Aの内部に水平鉄筋14Bおよび鉛直鉄筋14Cを2段に備えている。沖合側壁体14の沖合に面する外面には、前述したように、金属板22が設けられている。金属板22の貫通孔(図示せず)を挿通するように打ち込み型アンカー24がコンクリート14Aに打ち込まれており、金属板22を略直交する方向に貫通して金属板22よりも外側に突出した一端24Aにはナット26が取り付けられて締め込まれており、これによって金属板22は沖合側壁体14と強固に連結している。
金属板22の厚さは、想定される外力等に応じて適宜に定めればよいが、標準的には、3.2mm以上60mm以下である。外力への抵抗性の観点からは、金属板22の厚さは厚い方が好ましいが、一方、厚くなりすぎると、金属板22を取り付けるための打ち込み型アンカー24の軸径および長さを大きくすることや配置間隔を密にすることが必要となり、また、コストも嵩む。これらの観点から、金属板22の厚さは、6mm以上40mm以下とすることが好ましい。
打ち込み型アンカー24の軸径、長さ、配置間隔は、想定される外力や金属板22の厚さ等に応じて適宜に定めればよいが、標準的には、軸径は6〜25mm程度、長さは40〜100mm程度、配置間隔は200〜800mm程度である。
金属板22は、淡水100と接触するため、金属板22には、耐食性に優れた金属板を用いる。具体的には、孔食指数が17であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する金属板を用いることができ、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する金属板を用いることが好ましい。孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する金属板を金属板22として用いる場合には、補強された既設ケーソン10が海水中や汽水中で用いられる場合でも、金属板22に対する電気防食は不要である。
金属板22には、波力によって揺動した消波ブロックの衝突や摺動に対する抵抗性が要求されるので、金属板22のビッカース硬さは170以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましい。同様の観点から、金属板22のせん断強度は288N/mm2以上であることが好ましく、317N/mm2以上であることがより好ましい。
孔食指数が17であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を備えた上で、さらに前記したようなビッカース硬さおよびせん断強度を満たし得る金属板22の具体的な材質としては、例えば、ステンレス鋼およびニッケル基合金等を挙げることができる。
金属板22にステンレス鋼を用いる場合、二相ステンレス鋼を用いることが好ましい。二相ステンレス鋼は、高耐食性を維持したまま、高強度および高じん性を発現させることも可能だからである。
金属板22に二相ステンレス鋼以外のステンレス鋼を用いる場合の具体的な鋼種としては、例えば、SUS304、SUS304L、SUS304N、SUS304N1、SUS304N2、SUS304LN、SUS315J1、SUS316、SUS316L、SUS316N、SUS316J1、SUS316J1L、SUS317、SUS317L、SUS317J1、SUS317J2、SUS317LN、SUS890L、SUS312L、SUS836L、UNS S08354、JSL310Mo、UNS S08925、UNS N08367、UNS N8926、UNS S32050、UNS N08031等を挙げることができる。
金属板22に二相ステンレス鋼を用いる場合の具体的な鋼種としては、例えば、SUS329J1、SUS329J3L、UNS S32301、UNS S31803、UNS S32304、SUS329J4L、UNS S32750、UNS S32760、UNS S39274、UNS S31260等を挙げることができる。
金属板22と沖合側壁体14の沖合に面する外面との間には、接着剤、粘着剤、およびグラウト材のうちの少なくとも1つを充填することが、金属板22と沖合側壁体14との一体性を高める上で好ましい。粘着剤や接着剤としては、ゴム系、石油樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、およびシリコーン樹脂系の粘着剤、接着剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の粘着剤・接着剤を用いることができる。グラウトとしてはポルトランドセメントと骨材を含有してなるグラウト、これにポリマーを含むポリマーセメントグラウトを用いることができる。更に、これらに様々な目的に応じて膨脹材および収縮低減剤、増粘剤、流動化剤、減水剤のうち少なくとも1つを含ませることができる。
打ち込み型アンカー24およびナット26の材質は、所定の性能の得られる材質であれば特には限定されないが、具体的には例えば、炭素鋼やステンレス鋼等を用いることができる。打ち込み型アンカー24およびナット26の材質は、金属板22の材質と同一であることが好ましく、金属板22の材質がステンレス鋼の場合には、打ち込み型アンカー24およびナット26の材質もステンレス鋼にすることが好ましい。
なお、打ち込み型アンカー24およびナット26の材質が炭素鋼の場合は、金属板22よりも外側に突出した一端24Aおよびナット26を防食用の材料で覆う。また、打ち込み型アンカー24およびナット26の材質がステンレス鋼であっても、補強された既設ケーソン10が海水中や汽水中で用いられる場合には、金属板22よりも外側に突出した一端24Aおよびナット26を防食用の材料で覆う。一端24Aおよびナット26を防食用の材料で覆う際には、具体的には、エポキシ樹脂で覆うことや、プラスチック製のキャップの内部にワックスを充填した防食用のキャップ部材で覆うことが考えられる。
(3)効果
本実施形態に係る補強された既設ケーソン10においては、金属板22が、沖合側壁体14の沖合側の外面およびフーチング12の沖合側突出部12Aの外面に強固に取り付けられており、外力に対する抵抗性が大きくなっており、かつ、消波ブロックが衝突したり摺動したりする可能性のある部位である沖合側壁体14の沖合側の外面およびフーチング12の沖合側突出部12Aの外面は、金属板22によって保護されており、消波ブロックが、本実施形態に係る補強された既設ケーソン10のコンクリートの部分に直接的に接触することはない。
また、金属板22には、孔食指数が17であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する金属板を用いているので、淡水中で十分な耐食性を有している。
したがって、本実施形態に係る補強された既設ケーソン10は、沖合側壁体14の前面に消波ブロックが配置された状態の淡水中の防波堤として使用される場合、消波ブロックの衝突や摺動に対する耐衝撃性および耐摩耗性が高められており、長期にわたる供用が可能である。
また、金属板22に、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する金属板を用いた場合には、本実施形態に係る補強された既設ケーソン10が海水中や汽水中の防波堤として使用されて、沖合側壁体14の前面に消波ブロックが配置された状態で供用されても、消波ブロックの衝突や摺動に対する耐衝撃性および耐摩耗性が高められており、長期にわたる供用が可能である。
(4)補足
金属板22には、孔食指数が17であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する金属板を用いているので、補強された既設ケーソン10が淡水中で用いられる場合には、電気防食を行うことは不要であるが、補強された既設ケーソン10の鉄筋コンクリート部分の鉄筋等に対して電気防食を行ってもよい。
また、金属板22が、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する金属板である場合は、補強された既設ケーソン10が海水中や汽水中で用いられる場合でも、電気防食を行うことは不要であるが、補強された既設ケーソン10の鉄筋コンクリート部分の鉄筋等に対して電気防食を行ってもよい。
また、金属板22が、孔食指数が17であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有するが、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等の耐食性に達しない金属板である場合は、補強された既設ケーソン10が海水中や汽水中で用いられる場合には、金属板22に対して電気防食を行うのがよく、金属板22が二相ステンレス鋼である場合には、水素脆化防止の観点から、金属板22の飽和カロメル電極に対する電位が−0.85Vよりも貴であるようにするのがよい。
(5)変形例
本実施形態に係る補強された既設ケーソン10の沖合側壁体14においては、沖合側壁体14の沖合に面する外面に金属板22が打ち込み型アンカー24およびナット26によって取り付けられているが、例えば図3に示すように、ケミカルアンカー28およびナット30によって取り付けてもよい(第1変形例)。ケミカルアンカー28は、あと施工アンカーの1種である。図3においては、図2に示す部材と対応する部材には同一の符号を付しており、説明は省略する。
また、本実施形態に係る補強された既設ケーソン10の沖合側壁体14においては、沖合側壁体14の沖合に面する外面に金属板22を取り付ける態様は、アンカーによる取り付け態様でなくてもよく、例えば図4に示すように、沖合側壁体14を貫通する貫通ボルト32およびナット34によって取り付けてもよい(第2変形例)。図4においては、図2に示す部材と対応する部材には同一の符号を付しており、説明は省略する。
ただし、図4の場合、貫通ボルト32の少なくとも一部およびナット34は、水と直接接触するので、貫通ボルト32およびナット34は、金属板22と同様に、耐食性に優れた材質のものを用いる。具体的には、孔食指数が17であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する材質のものを用いることができ、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有する材質のものを用いることが好ましい。
また、金属板22を外側から押え込むナット34の周囲には水中硬化型充填接着剤(図示せず)を盛って、ナット34と金属板22との間の隙間を塞いで、止水を行う。
なお、図4では、貫通ボルト32の頭部32Aが沖合側壁体14の内面側に配置され、ナット34が沖合側壁体14の外面側に配置されているが、その配置を逆にして、貫通ボルト32の頭部32Aを沖合側壁体14の外面側に配置して、ナット34を沖合側壁体14の内面側に配置してもよい。この場合には、金属板22を外側から押え込む貫通ボルト32の頭部32Aの周囲には水中硬化型充填接着剤(図示せず)を盛って、貫通ボルト32の頭部32Aと金属板22との間の隙間を塞いで、止水を行う。
また、沖合側壁体14の沖合に面する外面への金属板22の取り付けは、あと施工アンカー(打ち込み型アンカー24やケミカルアンカー28等)と貫通ボルト32とを併用して行ってもよい。
また、本実施形態に係る補強された既設ケーソン10は、通常の鉄筋コンクリート製のケーソンであったが、本発明は、各部位の内面側に鋼板が設けられたハイブリッドケーソンに対しても適用可能である。
10…補強された既設ケーソン
12…フーチング
12A…沖合側突出部
14…沖合側壁体
14A…コンクリート
14B…水平鉄筋
14C…鉛直鉄筋
16…岸側壁体
18…内部隔壁
20…上部コンクリート部材
22…金属板
24…打ち込み型アンカー
24A…一端
26、30、34…ナット
28…ケミカルアンカー
32…貫通ボルト
32A…頭部
60…消波ブロック設置領域
100…淡水
102…捨石マウンド

Claims (16)

  1. 水面よりも下に存在する水中部位の少なくとも一部が補強されたコンクリート構造物であって、
    前記水中部位に存在するコンクリート部材と、
    前記コンクリート部材の外面のうちの少なくとも一部に取り付けられた金属板と、
    を有し、
    前記金属板は、孔食指数が17であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有するものであり、
    前記水中部位の少なくとも一部の補強は、前記金属板によってなされることを特徴とするコンクリート構造物。
  2. 前記金属板は、前記コンクリート部材の外面のうちの少なくとも一部に固定された棒状部材によって取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造物。
  3. 前記棒状部材は、前記金属板を貫通して該金属板よりも外側に一端が突出しており、該一端にはナットが取り付けられていて、該ナットを締め込んで、前記金属板は前記外面のうちの前記少なくとも一部に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のコンクリート構造物。
  4. 前記棒状部材および前記ナットは、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項3に記載のコンクリート構造物。
  5. 前記一端および前記ナットが防食用の材料で覆われていることを特徴とする請求項3または4に記載のコンクリート構造物。
  6. 前記棒状部材のうちの少なくとも一部の棒状部材は、あと施工アンカーであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のコンクリート構造物。
  7. 前記コンクリート部材は前記外面の少なくとも一部を含む壁体を備え、
    前記棒状部材のうちの少なくとも一部の棒状部材は、前記壁体を貫通していることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のコンクリート構造物。
  8. 前記金属板は、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のコンクリート構造物。
  9. 前記金属板は、孔食指数が38であるステンレス鋼と比べて同等以上の耐食性を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のコンクリート構造物。
  10. 前記金属板は、二相ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のコンクリート構造物。
  11. 前記金属板は、電気防食がなされていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のコンクリート構造物。
  12. 前記金属板は、電気防食がなされていて、前記二相ステンレス鋼の飽和カロメル電極に対する電位が−0.85Vよりも貴であることを特徴とする請求項10に記載のコンクリート構造物。
  13. 前記金属板は、ビッカース硬さが170以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のコンクリート構造物。
  14. 前記金属板は、せん断強度が288N/mm2以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のコンクリート構造物。
  15. 前記金属板の厚さは、3.2mm以上60mm以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のコンクリート構造物。
  16. 前記金属板と前記コンクリート部材の前記外面との間には、接着剤、粘着剤およびグラウト材のうちの少なくとも1つが充填されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のコンクリート構造物。
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