JP2005187829A - 鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体およびそれを用いた電気防食方法 - Google Patents

鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体およびそれを用いた電気防食方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄筋コンクリートの内部にある鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体およびそれによる防食方法を提供する。
【解決手段】フレーム10と、このフレーム10の片面開口部を塞ぐように取付けられた金属プレート11とからなり、この金属プレート11の内側に電気防食用陽極14が取付けられている底浅容器状電気防食構造体13において、電気防食用陽極14が金属プレート11に対して電気絶縁体2を介して絶縁状態に保たれるように固定することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は鉄筋コンクリートの内部にある鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体、および該底浅容器状電気防食構造体を用いて鉄筋コンクリートの鉄筋を防食する方法に関するものである。
鉄筋コンクリート中の鉄筋は、コンクリートの材料であるセメントの強アルカリ(pH12.5〜13.5)によって、その表面が不働態皮膜で覆われるために腐食しない。しかし、海岸近くの橋梁のように海水や飛来塩分が鉄筋コンクリート表面に付着するような環境下では塩分(NaCl)が表面から鉄筋コンクリート中に浸透し、鉄筋位置まで到達すると、この不働態皮膜が破壊され、鉄筋が腐食する。塩分を十分に洗っていない海砂で鉄筋コンクリートを作った場合にも同様に鉄筋が腐食する。これら塩分によって鉄筋コンクリート中の鉄筋が腐食し、橋梁などの構造物が早期に劣化することを塩害と呼んでいる。また、コンクリートの強アルカリが空気中の二酸化炭素や酸性雨によって中性化すると、鉄筋の不働態皮膜が壊れて鉄筋が腐食する。これを中性化と呼んでいる。
塩害にしても中性化にしても鉄筋が腐食すると鉄さびの膨張圧によって周囲のコンクリートに亀裂が生じるため、塩分や二酸化炭素あるいは酸性雨等がますます容易に浸透し、鉄筋の腐食を加速させ、鉄筋の破断やコンクリートの剥離落下にまで進展し、構造物そのものの強度が著しく低下する結果となる。
したがって、塩害または中性化によるコンクリート中の鉄筋の腐食を防止する技術が求められている。このコンクリート中の鉄筋の腐食を防止する方法として電気防食が知られている。これはコンクリートを介して陽極から鉄筋コンクリート中の鉄筋に直流電流を通電し、その鉄筋表面を腐食に対して不活性にすることにより達成されるものである。
この鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための装置の一例が底浅容器状電気防食構造体として特許文献1に記載されている。この特許文献1記載の底浅容器状電気防食構造体は、図9に示されるように、穴16を有するフレーム10と電解質注入孔19を予め形成してある金属プレート11とからなり、金属プレート11にチタンまたはチタン合金板などの耐食性に優れた電気防食用陽極14が貼りつけられた構造を有している。この底浅容器状電気防食構造体13の金属プレート11に設けられている電解質注入孔19は、図10に示されるように、電解質注入ホース20を接続することのできる接続具24を螺入して取付けることができるようになっており、接続具24に設けられているスリット25にはスライド板7が挿入可能となっている。
この底浅容器状電気防食構造体13を鉄筋コンクリートに取り付けるには、底浅容器状電気防食構造体13を取付ける個所の鉄筋コンクリートに穴12を予め形成し、穴12にプラグ6をセットしたのち底浅容器状電気防食構造体13のフレーム10に設けられた穴16および鉄筋コンクリートの穴12に木螺子17を挿入するとこにより取り付ける。チタンまたはチタン合金製の木螺子の場合、鉄筋コンクリート1の中の鉄筋8と金属プレート11とが絶縁状態に保たれるように、木螺子17に絶縁ワッシャー18を挿入したのち、木螺子17を締める必要がある。
このようにして、底浅容器状電気防食構造体13を鉄筋コンクリート1に取付けたのち、金属プレート11に設けられている電解質注入孔19に接続具24を螺入し、この接続具24に電解質注入ホース20をはめ込み、注入ポンプ等を用いて、電解質21を鉄筋コンクリート表面と金属プレート11およびフレーム10とで形成された空間22に電解質21を注入し充填する。電解質21の注入充填が終了したのち、電解質21の供給を中止し、接続具24に設けられたスリット25にスライド板7を挿入して、電解質21の流出を防止し、電解質注入ホース20を接続具24から外し、電解質が充填された底浅容器状電気防食構造体の取付け作業を終了する。前記電解質としてはモルタル、ベントナイトなどのゲル状の電解質を使用する。
金属プレート11に設けられた電解質注入孔19と反対側の位置に充填監視孔23を設けることが好ましく、この充填監視孔23は空間22に電解質21を充填すると空間22の空気が電解質を充填する際に空気が混入するが、その空気を底浅容器状電気防食構造体の外に逃す作用もする。さらに電解質21が十分に充填されたことを、充填監視孔23を覗きながら確認し、電解質21の供給を中止する役目もする。次に、金属プレート11を直流電源Eのプラス極に接続して電気防食用陽極14をプラス極になるようにし、一方、鉄筋コンクリートの鉄筋9に直流電源Eのマイナス極を接続し、電気防食を開始する。さらに前記底浅容器状電気防食構造体の金属プレート11に設けられている充填監視孔23は、電気防食を開始すると電気分解作用により塩素等のガスが発生し、そのガスにより電解質が劣化するが、そのとき発生したガスを排出させる作用もする。
特開2003−268577号公報
しかし、前記従来の底浅容器状電気防食構造体は、チタンまたはチタン合金板などの耐食性に優れた導電板を電気防食用陽極14として使用すると共に、金属プレート11を直流電源Eのプラス極に接続し、金属プレート11を介して電気防食用陽極14をプラス極に接続することにより直流電流を流して電気防食を行っているので、金属プレート11自体も陽極となり、そのため金属プレート11自体が陽極溶解し、金属プレート11が溶解するとフレーム10と金属プレート11で構成された空間22に充填した電解質21が落下することがある。これを防止する為に金属プレート11を耐食性に優れたチタンまたはチタン合金板で作製する必要があり、高価なものとならざるを得なかった。
そこで、本発明者らは、これらの課題を解決すべく研究を行った結果、電気防食用陽極を金属プレートに対して電気的絶縁状態に取り付け、この金属プレートに対して電気的絶縁状態に取り付けた電気防食用陽極に直流電源のプラス極を接続し、この金属プレートをコンクリート中の鉄筋と共に直流電源のマイナス極に接続させると、金属プレートは電気防食されるので陽極溶解されることがなく、金属プレートを軟鋼板またはステンレス鋼板などの比較的耐食性の低い材料の金属板を使用して作製することができるのでコストの大幅な節減が可能となる、という研究結果が得られたのである。
この発明は、かかる研究結果に基づいてなされたものであって、
(1)フレームと、このフレームの片面開口部を塞ぐように取付けられた金属プレートとから構成された空間の内部に、電気防食用陽極が該金属プレートに対して電気的絶縁状態で取付けられている鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体、に特徴を有するものである。
この発明の底浅容器状電気防食構造体を図面に基づいて一層具体的に説明する。図1はこの発明の底浅容器状電気防食構造体の斜視図であり、図2は図1におけるX−X断面図である。図1に示されるように、金属プレート11に電気防食用陽極14が電気絶縁体2を挟んで電気的絶縁状態を保つように取付けられている。フレーム10には予め穴16を明けておく。この穴16は取付ける直前に明けてもよいが、予め明けておく方が好ましい。更にフレーム10に電解質注入孔19を予め形成し、スポンジ、軟質ゴムなどの弾性体26で塞いでおく。
図1および図2に示される底浅容器状電気防食構造体13は、電気防食用陽極14を金属プレート11に対して電気的絶縁状態に保つことができるように電気防食用陽極14と金属プレート11の間に電気絶縁体2を挟んで電気防食用陽極14を金属プレート11に取り付けており、かかる電気防食用陽極14と金属プレート11の間に電気絶縁体2を挟んで電気防食用陽極14を取り付け底浅容器状電気防食構造体はこの発明に含まれる。したがって、この発明は、
(2)フレーム10と、このフレーム10の片面開口部を塞ぐように取付けられた金属プレート11とから構成された空間22の内部に、電気防食用陽極14が電気絶縁体2を介して該金属プレート11に電気的絶縁状態で取付けられている鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体、に特徴を有するものである。
さらに、底浅容器状電気防食構造体に取り付ける電気防食用陽極を金属プレートに対して、図3の断面図に示されるように、電気防食用陽極14を金属プレート11と電気絶縁材料からなる台座27などで離隔を保持して電気的絶縁状態になるように取付けることができる。このようにして電気防食用陽極を取り付けた底浅容器状電気防食構造体もこの発明に含まれる。したがって、この発明は、
(3)フレーム10と、このフレーム10の片面開口部を塞ぐように取付けられた金属プレート11から構成された空間22の内部に、電気防食用陽極14が該金属プレートと離隔を保持して該金属プレートと電気的絶縁状態になるように取付けられている鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体、に特徴を有するものである。
さらに、この発明の底浅容器状電気防食構造体にける電気防食用陽極14からの防食電流はコンクリート中の鉄筋と共に金属プレート11にも流入するが、この金属プレート11に大量の防食電流が流入すると、コンクリート中の鉄筋に流入されるべき防食電流が減少するので好ましくない。これを防ぐには、図4の断面図に示されるように、金属プレート11の内面に絶縁層5を形成することが好ましい。かかる底浅容器状電気防食構造体もこの発明に含まれる。
したがって、この発明は、
(4)前記金属プレート11の内面に絶縁層5が形成されている前記(1)、(2)または(3)記載の鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体、に特徴を有するものである。
前記金属プレート11の内面に形成する絶縁層5は、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ネオプレンゴム、シリコンゴムを含む塗料でも良いが、これら塗料に珪砂を混ぜ合わせた樹脂塗料を使用することにより表面が粗面な絶縁層5が形成され、この表面が粗面な絶縁層5は電解質を空間に充填する際に電解質が金属プレートの表面に密着しながら充填されるので一層好ましい。したがって、この発明は、
(5)前記底浅容器状電気防食構造体の金属プレート表面に形成される絶縁層5は、珪砂を混ぜ合わせた樹脂塗料からなり、粗面を有する絶縁層からなる前記(4)記載の鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体、に特徴を有するものである。
この発明の底浅容器状電気防食構造体13を構成するフレーム10は、電気絶縁材料である塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ネオプレンゴム、シリコンゴムなどで作製することが好ましい。
しかし、この発明の場合、電気防食用陽極14が該金属プレート11に電気的絶縁状態に取付けられているところから、底浅容器状電気防食構造体を構成するフレーム10は金属製フレームであってもよい。金属フレームを有する底浅容器状電気防食構造体を作製するには、十字形に切り取られた金属板3(たとえば、軟鋼板、ステンレス鋼板、チタンまたはチタン合金板)を、図5に示されるように、破線4に沿って同じ向きに90度づつ折り曲げることにより金属性フレームおよび金属プレートからなる底浅容器を作製することができる。図6は図5に示される金属板3を破線4に沿って同じ向きに90度づつ折り曲げることにより作製した金属フレーム15および金属プレート11からなる空間の中に、電気防食用陽極14を金属性フレーム15および金属プレート11に対して電気的絶縁状態になるように取り付けることにより作製したこの発明の底浅容器状電気防食構造体である。
したがって、この発明は、
(6)一枚の金属板を折り曲げて作製したフレーム15と、このフレームの片面開口部を塞ぐように取付けられた金属プレート11から構成された空間の内部に、電気防食用陽極14が電気絶縁体2を介して金属フレーム15および金属プレート11に対して電気的絶縁状態で取付けられている鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体、に特徴を有するものである。
前記(1)〜(6)記載の底浅容器状電気防食構造体を使用して鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するには、図8に示されるように、前記(1)〜(6)記載の底浅容器状電気防食構造体を鉄筋コンクリートに固定し、空間の内部に電気的絶縁状態で取り付けられている電気防食用陽極を直流電源Eのプラス極に接続し鉄筋コンクリートの鉄筋および金属プレートを直流電源のマイナス極に接続する工程および底浅容器の金属プレートおよびフレームと鉄筋コンクリートの表面とで形成された空間に電解質を注入し充填する工程を経て底浅容器状電気防食構造体を鉄筋コンクリートに取付け、鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食する。したがって、この発明は、
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の底浅容器状電気防食構造体を鉄筋コンクリートに固定した後、電気防食用陽極を直流電源のプラス極に接続し鉄筋コンクリートの鉄筋および金属プレートを直流電源のマイナス極に接続する工程、および底浅容器の金属プレートおよびフレームと鉄筋コンクリートの表面とで形成された空間に電解質を注入し充填する工程を経て鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食する方法、に特徴を有するものである。
前記電気防食用陽極の形状は特に限定されるものではなく、図7に示される曲げ棒であっても良い。また電気防食用陽極の材質は、チタンまたはチタン合金に白金メッキ、貴金属酸化物(MMO)被膜などを形成した帯、直線棒、曲げ棒、網、リングなどでもよく、幅:2〜50mm×厚さ:0.3〜3mmからなる寸法の帯、直径:3〜20mmの棒、または直径:0.5〜5mmの線からなる網でつくることが好ましい。
前記電解質は、ベントナイトなどの電気防食用陽極から発せられる防食電流を被防蝕体に支障なく伝導できる物質であればいずれも使用できるが、この発明の底浅容器状電気防食構造体が鉄筋コンクリート構造物に設置される物であるため、モルタルが最も好ましい。なお、モルタルは自然乾燥して徐々に抵抗率が高くなる傾向がある。そこでモルタル中の水分を保持するために硝酸カルシウム四水和物(Ca(NO・4HO)等の潮解性塩を添加することが一層好ましい。潮解性塩としてはこの他に塩化カルシウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム等も使用することができる。
この発明は、電気防食用陽極14を金属プレート11に対して電気的絶縁状態になるように取り付け、電気防食用陽極を直流電源のプラス極に接続し、鉄筋と金属プレートとを直流電源のマイナス極に接続することにより、金属プレート11が鉄筋コンクリート1の鉄筋8と同じ防食作用を受けるようになり、金属プレートを軟鋼板またはステンレス鋼板などのチタンまたはチタン合金板に比べて安価な金属板を使用することができるなど優れた効果を奏するものである。なお、この発明の底浅容器状電気防食構造体は、高強度を有するように作製すると、この高強度を有する底浅容器状電気防食構造体を鉄筋コンクリートに固定した場合、鉄筋コンクリートの補強材としても作用する。
鉄筋コンクリートの表面は滑らかではなく、一般に凹凸の激しい表面を有している。一方、前記底浅容器状電気防食構造体のフレームは、剛性のある合成樹脂で作られているので鉄筋コンクリート面とフレームの間に隙間ができることは避けられない。かかる隙間があると、充填された電解質が隙間から漏れ出るので底浅容器状電気防食構造体におけるフレームの片面にポリウレタン、ポリエチレン、クロロプレン、シリコンなどからなるスポンジ、発泡スチロール等の弾性体からなる絶縁性シール層15を形成することが一層好ましい。
次に、図4に示されるこの発明の底浅容器状電気防食構造体を鉄筋コンクリートに取付ける方法を図8により説明する。
図8は図4に示される底浅容器状電気防食構造体が鉄筋コンクリートに取り付けられる途中の状態を示す断面図である。
図4に示されるこの発明の底浅容器状電気防食構造体も図1の斜視図に示されるように、フレーム10には電解質注入孔19が1個所設けられ、電解質注入孔19は一辺が底浅容器状電気防食構造体に密着しているスポンジ26で塞がれている。底浅容器状電気防食構造体13の金属プレート11の内面には珪砂を混ぜ合わせたエポキシ樹脂塗料が塗布されて絶縁層5を形成している。また、底浅容器状電気防食構造体13の金属プレート11とフレーム10とで形成された空間22に電気防食用陽極14が適宜間隔で金属プレート11の内面に取り付けられた電気絶縁材料からなる台座27により金属プレート11と絶縁され配置されている。
一方、この発明の底浅容器状電気防食構造体を取り付ける個所の鉄筋コンクリートの劣化コンクリートをウォータージェットにて除去し、次に鉄筋コンクリート面の風化層および鉄筋のさび層を除去するためにサンドブラスト法により下地処理を行う。前記下地処理において、防食対象となる鉄筋が露出しない場合はコンクリートをはつり、鉄筋を露出させ、そこに電線接続用のターミナル(図示せず)を取り付ける。その後、補修モルタル吹き付けまたは型枠を設置してモルタルを注入することにより修復を行い、底浅容器状電気防食構造体の穴16に合わせてを底浅容器状電気防食構造体を取付ける個所の鉄筋コンクリートにも穴12を予め形成し、底浅容器状電気防食構造体13のフレームに設けられた穴16および鉄筋コンクリートの穴12にプラグ6セットする。合成樹脂、チタン、チタン合金またはステンレス製の木螺子17をフレーム10に明けた穴16に挿入し、木螺子17によりフレーム10を鉄筋コンクリート1に固定して底浅容器状電気防食構造体13を取付ける。この発明の底浅容器状電気防食構造体は、電気防食用陽極が金属プレートに対して電気的絶縁状態で取付けられているので、従来のような絶縁ワッシャーを挿入して取り付ける必要は無い。
このようにして、底浅容器状電気防食構造体13を鉄筋コンクリートに取付けたのち、金属プレート11に設けられている電解質注入孔19のスポンジ26を押し分けて金属プレート11とフレーム10とで形成された空間22に電解質注入ホース20を押し込み、電解質21を注入し充填する。電解質21が充填されたか否かは金属プレート11の電解質注入孔19から離れた位置に設けられた充填監視孔23で監視する。電解質21の注入充填が終了したのち、電解質注入ホース20を電解質注入孔19から引抜くと、スポンジ26が電解質注入孔19を塞いで電解質21の漏れが防止される。このようにして電解質21が充填された底浅容器状電気防食構造体13の取付け作業を終了する。
金属プレート11に設けられた電解質注入孔19と反対側の位置に充填監視孔23は空間22に電解質21を充填すると空間22の空気が電解質を充填する際に空気が混入するが、その空気を底浅容器状電気防食構造体の外に逃す作用をする。さらに電解質21が十分に充填されたことを、覗きながら確認し、電解質21の供給を中止する役目もする。さらに前記底浅容器状電気防食構造体の金属プレート11に設けられている充填監視孔23は、電気防食を開始すると電気分解作用により塩素等のガスが発生し、そのガスにより電解質が劣化するが、そのとき発生したガスを排出させる作用もする。前記電解質としてはモルタル、ベントナイトなどのゲル状の電解質を使用することができるが、
プレミックスモルタル:25kgに対して、
水:3.9kg〜5.0kg、
硝酸カルシウム四水和物:0.6〜1.0kg、
減水剤超遅延型混和剤:0.035kg〜0.1kg添加し練り上げたモルタルを使用することが好ましい。
かかるモルタルを電解質注入穴19から充填し、充填監視孔23からモルタルが染み出したことを確認した後、充填監視孔23をプラグ(図示せず)で塞ぎ、養生を行う。
このようにして鉄筋コンクリート1に電解質21を充填した状態で底浅容器状電気防食構造体を取付けたのち、図8に示されるように、電気防食用陽極14に直流電源Eのプラス極を接続し、鉄筋コンクリートの鉄筋8および金属プレート11を直流電源Eのマイナス極に接続し、電気防食用陽極14から鉄筋コンクリートの鉄筋8に直流電流を流し、鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食行う。
なお、鉄筋8の近傍に電位計測用照合電極(図示せず)を取り付けて適正な電気防食を維持させるために、照合電極のリード線を直流電源Eの電位測定極に接続しても良い。
この発明の底浅容器状電気防食構造体の斜視図である。 図1のこの発明の底浅容器状電気防食構造体のX−X一部断面図である。 この発明の底浅容器状電気防食構造体の断面図である。 この発明の底浅容器状電気防食構造体の断面図である。 この発明の底浅容器状電気防食構造体を作製するための金属板の平面図である。 この発明の底浅容器状電気防食構造体の断面図である。 この発明の底浅容器状電気防食構造体に取り付ける電気防食用陽極の一例を示す平面図である。 この発明の底浅容器状電気防食構造体を鉄筋コンクリートに取付け、電解質を注入している状態を示す一部断面説明図である。 従来の底浅容器状電気防食構造体を示す一部斜視図である。 従来の底浅容器状電気防食構造体を鉄筋コンクリートに取付け、電解質を注入している状態を示す一部断面説明図である。
符号の説明
1:鉄筋コンクリート、2:電気絶縁体、3:金属板、4:破線、5:絶縁層、6:プラグ、7:スライド板、8:鉄筋、9:細い鉄筋、10:フレーム、11:金属プレート、12:穴、13:底浅容器状電気防食構造体、14:電気防食用陽極、15:金属フレーム、16:穴、17:木螺子、18:絶縁ワッシャー、19:電解質注入孔、20:電解質注入ホース、21:電解質、22:空間、23:充填監視孔、24:接続具、25:スリット、26:スポンジ、27:台座、E:直流電源

Claims (7)

  1. フレームと、このフレームの片面開口部を塞ぐように取付けられた金属プレートとから構成された空間の内部に、電気防食用陽極が該金属プレートに対して電気的絶縁状態に取付けられていることを特徴とする鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体。
  2. フレームと、このフレームの片面開口部を塞ぐように取付けられた金属プレートとから構成された空間の内部に、電気防食用陽極が電気絶縁体を介して該金属プレートに電気的絶縁状態で取付けられていることを特徴とする鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体。
  3. フレームと、このフレームの片面開口部を塞ぐように取付けられた金属プレートから構成された空間の内部に、電気防食用陽極が該金属プレートと離隔を保持して該金属プレートと電気的絶縁状態になるように取付けられていることを特徴とする鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体。
  4. 前記金属プレート内面に絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体。
  5. 前記底浅容器状電気防食構造体の金属プレート表面に形成される絶縁層は、珪砂を混ぜ合わせた樹脂塗料を金属プレート表面に塗布することにより形成された粗面を有する絶縁塗装層からなることを特徴とする請求項4記載の鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の底浅容器状電気防食構造体における空間は、一枚の金属板を折り曲げることにより形成された金属フレームとこの金属フレームの片面開口部を塞ぐ金属プレートから構成された空間であり、前記電気防食用陽極は、金属フレームおよび金属プレートに対して電気的絶縁状態になるように取付けられていることを特徴とする鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食するための底浅容器状電気防食構造体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の底浅容器状電気防食構造体を鉄筋コンクリートに取付けて鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食する方法であって、
    底浅容器状電気防食構造体を鉄筋コンクリートに固定した後、フレームと金属プレートと鉄筋コンクリートの表面とで形成された空間に電解質を注入し充填する工程、および電気防食用陽極を直流電源のプラス極に接続すると共に鉄筋コンクリートの鉄筋と金属プレートとを直流電源のマイナス極に接続する工程を経ることを特徴とする底浅容器状電気防食構造体を用いて鉄筋コンクリートにおける鉄筋を電気防食する方法。
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JP2013087291A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd 橋桁端部の電気防食方法

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