JP6893497B2 - ボルトキャップおよびボルトの防食方法 - Google Patents

ボルトキャップおよびボルトの防食方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6893497B2
JP6893497B2 JP2018241768A JP2018241768A JP6893497B2 JP 6893497 B2 JP6893497 B2 JP 6893497B2 JP 2018241768 A JP2018241768 A JP 2018241768A JP 2018241768 A JP2018241768 A JP 2018241768A JP 6893497 B2 JP6893497 B2 JP 6893497B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cap
bolt
nut
rust preventive
male screw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018241768A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019194491A (ja
Inventor
大志 朝
大志 朝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Densetsu Service Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Densetsu Service Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Densetsu Service Co Ltd filed Critical Tokyo Densetsu Service Co Ltd
Publication of JP2019194491A publication Critical patent/JP2019194491A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6893497B2 publication Critical patent/JP6893497B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)

Description

本発明は、ボルトキャップおよびボルトの防食方法に関する。
道路上にある支柱、橋梁等の構造物、付帯設備を固定するために、ボルトやナットが用いられている。これらのボルトやナットは、大気中に暴露され続けると錆等の腐食が進行し、構造物の強度を低下させる虞がある。また、ボルト類やナットは、構造物に発生する振動の影響で経時的に見て緩む虞がある。既設の構造物を長寿命化させるためには、構造物に用いられているボルト及びナットに防食対策を行いつつ、定期的な点検を行い、適宜増締めや補修をしていくことが重要である。
従来、ボルト及びナットの防食対策として、ボルト及びナットの表面を塗装することが行われている。この他、ボルト及びナットの防食対策として、例えば特許文献1に示されるようなボルトキャップが知られている。このボルトキャップは、ボルト及びナットを被覆する形状に樹脂で形成されたキャップに接着剤を塗布してボルトに被覆し、ボルトに錆が生じて劣化するのを防いでいる。また、従来、ボルト及びナットの落下を防止するために、緩み止めナットを用いたり、ダブルナットによる施工を行ったりしていた。
特許第5085800号公報
ボルト及びナットが塗装されていると、ボルトやナットを交換しようとした場合、塗装を剥離する手間がかかる上にボルトのネジ山に詰まった塗膜によりナットを外すことが困難になり、ナットを切断しなければならない場合がある。また、特許文献1に記載されたボルトキャップによれば、接着剤でボルトキャップがボルト及びナットに固定されているため、定期的な点検の際にボルトキャップを破壊して取り除く必要がある。そのため、このボルトキャップが施工されたボルトの点検や補修においては、手間がかかると共に点検後に新たなボルトキャップを施工する必要が生じ、更なる手間を要し施工コストが増大する。
また、特許文献1に記載されたボルトキャップによれば、ボルト及びナットの緩みに対する対策はなされていなかった。更に、従来のボルトキャップでは、例えば超音波測定等による検査のためにアンカーボルトの上端部を切断、研磨等、加工すると、加工面は金属素地が露出するが、この加工面を被覆するような場合において、防錆効果に改善の余地があった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、ボルト類やナットに対する防食対策の施工性及びメンテナンス性を容易にすると共に、密着性を高めることでボルト及びナットの落下を防止しつつボルト及びナットに対して極めて高い防錆効果を得ることができるボルトキャップおよびボルトの防食方法を提供することを特徴とする。
(1)本発明の一態様は、ボルトに装着される筒状のボルトキャップであって、前記ボルトを覆うように筒状に形成されると共に、防錆油が内部に含浸された樹脂材料により形成された筒状体と、前記筒状体の内周面に、前記ボルトの雄ねじ部に螺合する雌ねじが形成された雌ねじ部と、を有する第1キャップにより形成された、ボルトキャップである。
(2)また、本発明の一態様は、上述のボルトキャップにおいて、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とが係合している部分における、前記ボルトの中心軸線と直交する径方向の大きさL(mm)は、前記雄ねじ部のとがり山の高さH(mm)に対して下記式(1A)を満たしているボルトキャップである。
L>H×5/8×0.5…(1A)
(3)また、本発明の一態様は、上述のボルトキャップにおいて、前記雌ねじ部における雌ねじ内径の基準寸法は、前記雄ねじ部における雄ねじ有効径の基準寸法よりも小さいボルトキャップである。
(4)また、本発明の一態様は、上述の第1キャップにおいて、前記ボルトは、ナットが装着されたアンカーボルトであり、前記ボルトキャップは、少なくとも前記ボルトのうち、前記ナットから突出する部分に装着されるとともに、前記ボルトの中心軸線に沿う軸方向の端面、および前記ナットの前記軸方向の端面、それぞれに当接しているボルトキャップである。
(5)また、本発明の一態様は、上述の第1キャップにおいて、前記第1キャップは、一端に閉塞された頂部が形成され、防錆油が含浸され、弾性を有する弾性体を備え、前記弾性体は、前記ボルトキャップの前記頂部のうち、前記ボルトの中心軸線に沿う軸方向の端面と、前記軸方向に重なる位置に配置されているボルトキャップである。
(6)また、本発明の一態様は、前記第1キャップの開口が形成された端部に設けられ、前記ボルトに装着された前記ナットを覆うように前記第1キャップに対して一体又は分離して形成された第2キャップを更に備えるボルトキャップである。
(7)また、本発明の一態様は、前記第1キャップの前記端部の周囲に密着するように形成された係合部を備えるボルトキャップである。
(8)また、本発明の一態様は、前記第1キャップは、前記端部の周囲から前記第2キャップを覆うように突出して形成されたフランジ部を備えるボルトキャップである。
(9)また、本発明の一態様は、前記第2キャップは、2段に重ねられた前記ナットを覆うように形成されているボルトキャップである。
(10)また、本発明の一態様は、前記第1キャップは、前記ボルトに施工される際に用いられる工具に係合する工具係合部が形成されている前記第1キャップを覆う被覆部材を更に備えるボルトキャップである。
(11)また、本発明の一態様は、前記第1キャップを覆う被覆部材を更に備える前記第1キャップを覆う被覆部材を更に備えるボルトキャップである。
(12)また、本発明の一態様は、施工対象物から露出したボルトの防食方法であって、前記ボルトを覆うように筒状に形成されると共に、防錆油が内部に含浸された樹脂材料により形成された筒状体と、前記筒状体の内周面に、前記ボルトの雄ねじ部に螺合する雌ねじが形成された雌ねじ部と、を有する第1キャップにより形成されたボルトキャップにより前記ボルトの表面を覆う取付工程を備えるボルトの防食方法である。
(13)また、本発明の一態様は、前記取付工程は、前記第1キャップを前記ボルトに対して螺入する螺入工程を更に備えるボルトの防食方法である。
(14)また、本発明の一態様は、前記取付工程は、前記第1キャップの少なくとも一部に切り込みを入れる切断工程と、切り込みを入れられた前記第1キャップを前記ボルトに被せる被覆工程を更に備えるボルトの防食方法である。
(15)また、本発明の一態様は、前記第1キャップの前記筒状体を拘束する拘束部と前記拘束部に接続されたハンドル部とを備える工具を用いて、前記拘束部を前記筒状体に取り付けて前記筒状体を拘束する把持工程と、前記ハンドル部を回転させる回転工程と、を備える、ボルトの防食方法である。
本発明によれば、ボルト類やナットに対する防食対策の施工性及びメンテナンス性を容易にすると共に、密着性を高めることでボルト及びナットの落下を防止しつつボルト及びナットに対して極めて高い防錆効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係るボルトキャップを、ボルトに装着した状態を示す一部縦断面図である。 図1に示すA部の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係るボルトキャップを、ボルトに装着した状態を示す一部縦断面図である。 図3に示すボルトキャップの変形例を示す一部縦断面図である。 第2キャップが設けられたボルトキャップの変形例を示す断面図である。 第1キャップと第2キャップとが分離された変形例を示す断面図である。 第1キャップと第2キャップとの間に係合部が設けられた変形例を示す断面図である。 第1キャップと第2キャップとの間に突出した係合部が設けられた変形例を示す断面図である。 第1キャップと第2キャップとの間に突出した他の係合部が設けられた変形例を示す断面図である。 第1キャップが第2キャップを貫通する貫通孔が設けられた変形例を示す断面図である。 第1キャップの下端にフランジ部が設けられた変形例を示す断面図である。 第1キャップの下端にフランジ部が設けられた他の変形例を示す断面図である。 ダブルナットに対応した第2キャップを備える変形例を示す断面図である。 ダブルナットに対応した第2キャップがボルトごとに分離するように形成された変形例を示す断面図である。 ダブルナットに対応した第2キャップがボルトごとに分離するように形成された他の変形例を示す断面図である。 ダブルナットに対応した第2キャップをフランジ部付きの第1キャップが設けられた他の変形例を示す断面図である。 ボルトキャップの頂部に工具が係合する工具係合部が形成された変形例を示す斜視図である。 ボルトキャップの頂部に工具が係合する工具係合部が形成された他の変形例を示す斜視図である。 第1キャップが多角形で形成された変形例を示す断面図である。 第2キャップの下端にフランジ部が形成された変形例を示す斜視図である。 第1キャップに切り込み部を入れてボルトに装着する方法を示す図である。 ボルトキャップをボルトに脱着するための工具の構成を示す平面図である。 ボルトキャップをボルトに脱着するための工具の構成を示す側面図である。 ボルトの露出部分が長い場合のボルトキャップの取り付け方法を示す断面図である。 減肉部が生じたボルトとボルトキャップとの間に生じた隙間を示す断面図である。
(第1実施形態)
以下、図1および図2を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るボルトキャップ10を、ボルト20に装着した状態を示す一部縦断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るボルトキャップ10は、ボルト20に装着されるように有頂筒状に形成されている。ボルト20は、例えば、アンカーボルトである。ボルト20は、使用状態において設置対象の内部に螺入された根入れ部分と、設置対象面から外部に向かって露出する端部を含む部分とを有する。ボルト20が露出する部分の基端には、ナット30が締結されボルト20を設置対象に対して確実に固定している。ボルトキャップ10は、少なくともボルト20のうち、ナット30から突出して外部に露出した端部に装着されている。
以下の説明において、ボルトキャップ10の中心軸線Oに沿う方向を軸方向といい、軸方向のうち、ボルト20のナット30側を下側といい、ボルトキャップ10側を上側という。すなわち、ボルトキャップ10はボルト20の上端部に装着されている。また、中心軸線Oと直交する方向を径方向という。
ボルトキャップ10は、熱可塑性樹脂により形成されている。この熱可塑性樹脂には、防錆油(例えば、インヒビターオイル)が含浸されている。防錆油の代わりに不揮発性で防錆効果があれば他のものを用いてもよい。熱可塑性樹脂の材料としては、例えばエンバイロピールを採用することができる。ボルトキャップ10は、円板状に形成された頂部10Aと、頂部10Aの周端部に延在すると共に周端部から一方向(下方)に向かって突出するように形成された筒状部10Bとを備える有頂の筒状体(第1キャップ)である。
ボルトキャップ10の頂部10Aの一側面10A1は外部に露出し、他側面10A2は、ボルト20の軸方向から見た端面20Aに当接している。筒状部10Bの下端部は、ナット30の軸方向から見た端面30Aに当接している。筒状部10Bの内周面には、ボルト20の雄ねじ部21に装着される雌ねじ部11が形成されている。雌ねじ部11の構造について以下に詳述する。
図2は、図1に示すA部の拡大図である。図2に示すように、雌ねじ部11における雌ねじ内径の基準寸法K(mm)は、ボルト20の雄ねじ部21における雄ねじ有効径の基準寸法M(mm)よりも小さくなっている。ここで、雌ねじ内径の基準寸法Kとは、雌ねじ部11のうち、径方向の最も内側の端部(ねじ山の頂部)の内径寸法を指している。
また、雄ねじ部21における雄ねじ有効径の基準寸法Mとは、雄ねじ部21のとがり山の高さH(mm)の半分の位置における内径を指している。ここで、とがり山の高さHとは、雄ねじ部21のねじ山の先端と、雌ねじ11のねじ山の先端と、雄ねじ部21のねじ谷の付根と、の径方向の大きさを指す。また、雄ねじ部21と雌ねじ部11とが径方向に係合している部分の大きさL(mm)は、雄ねじ部21のとがり山の高さH(mm)に対して下記式(1A)を満たしている。
L>H×5/8×0.5…(1A)
次に、ボルトキャップ10の施工方法について説明する。作業者は、ボルト20の露出部分の長さを計測する。作業者は、例えばカッターナイフ等を用いてボルト20の露出部分の長さに合わせてボルトキャップ10の下端部を切断し、ボルトキャップ10の内部空間の高さがボルト20の露出部分の長さより若干長くなるようにボルトキャップ10の長さを調整する。
作業者は、ボルト20の表面及びボルトキャップ10の内部に、スプレー等を用いてボルトキャップ10に含侵されている防錆油と同成分の防錆油を塗布する。そして、作業者は、ボルトキャップ10の下端部をボルト20の頂部に被せる。作業者は、ボルトキャップ10の雌ねじ部11とボルト20の雄ねじ部21とを螺合させ、ボルトキャップ10を回転させてボルト20に螺入させる。この時、ボルト20とボルトキャップ10の内部空間に閉じ込められた空気及び過剰な防錆油は、雌ねじ部11と雄ねじ部21との間を通ってボルトキャップ10の下部から排出される。
ボルト20を更に締め込んでいくと、ボルトキャップ10の内部空間の空気が全て排出され、最終的にボルト20の端面20Aとボルトキャップ10の頂部10Aの他側面10A1とが当接する。この状態では、ボルト20の端面20Aとボルトキャップ10の頂部10Aの他側面10A1との間に防錆油が浸透し、ボルト20の端面20Aとボルトキャップ10の頂部10Aの他側面10A1とが密着する。雌ねじ部11と雄ねじ部21との間にも防錆油が浸透するため、ボルトキャップ10の内部は略真空状態となる。そして、ボルトキャップ10の下端部は、弾性変形してナット30の軸方向から見た端面30Aに密着する。この状態でボルト20は、ボルトキャップ10が被せられていることにより、表面が被覆された状態が保たれる。ボルトキャップ10の内部に防錆油を塗布してからボルト20に被せることにより、ボルト20とボルトキャップ10との密着度が更に高まり、ボルト20の表面が防錆油にコーティングされた状態が長期的に持続する。
以上説明したように、本実施形態に係るボルトキャップ10によれば、防錆油が内部に含浸されている。このため、例えばボルト20の上端部に装着された状態で、防錆油が内部から滲みだすことで、ボルト20の表面を防錆油により被覆することができる。これにより、防錆効果を発揮することができる。
また、雄ねじ部21と雌ねじ部11とが螺合している部分における、径方向の大きさLが、雄ねじ部21のとがり山の高さHに対して式(1A)を満たしている。このため、ボルトキャップ10の雌ねじ部11と、ボルト20の雄ねじ部21と、の密着性を確保することが可能になり、ボルトキャップ10の雌ねじ部11と、ボルト20の雄ねじ部21と、の間に形成される隙間を小さくすることができる。これにより、前記隙間を防錆油により充満させて、ボルト20が空気と接触するのを抑制することで、極めて高い防錆効果を発揮することができる。
また、雌ねじ部11における雌ねじ内径の基準寸法Kは、雄ねじ部21における雄ねじ有効径の基準寸法Mよりも小さい。このため、ボルト20の雄ねじ部21の谷部に形成される隙間を小さくすることができる。これにより、前記隙間を防錆油により充満させて、ボルト20が空気と接触するのを抑制することで、極めて高い防錆効果を発揮することができる。
また、ボルトキャップがボルトの軸方向の端面、およびナットの軸方向の端面それぞれに当接しているので、例えばボルトの軸方向の端面が、切断面とされた場合に、この切断面に向けて空気が侵入するのを確実に遮断することができる。これにより、より一層効果的に高い防錆効果を発揮することができる。
(第2実施形態)
次に、図3および図4を用いて、本発明の第2実施形態に係るボルトキャップ10について説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3は、本発明の第2実施形態に係るボルトキャップ10を、ボルト20に装着した状態を示す一部縦断面図である。図3に示すように、本実施形態に係るボルトキャップ10は、防錆油が含浸され、弾性を有する弾性体40を備えている。弾性体40は、例えばテフロン(登録商標)スポンジ等のボルトキャップ10を形成する樹脂材料よりも弾性率が小さい材料、すなわち変形しやすい材料で形成することが好ましい。弾性体40に含浸されている防錆油は、ボルトキャップ10に含浸されている防錆油と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
弾性体40は、ボルトキャップ10の頂部のうち、ボルト20の軸方向の端面20Aと軸方向に重なる位置に配置されている。図示の例では、弾性体40はボルト20の軸方向の端面20Aと軸方向に当接している。弾性体40は上面視で円形状をなしている。弾性体40の上面視での大きさは、ボルト20上面の上面視での大きさと同等となっている。なお、弾性体40の上面視での大きさは、ボルト20上面の上面視での大きさよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
弾性体40は、ボルトキャップ10がボルト20に装着された状態で、軸方向に圧縮された状態となっている。すなわち、ボルトキャップ10の頂部と、ボルト20の軸方向の端面20Aと、の間に挟まれることで、軸方向に押圧されて弾性変形している。これにより、弾性体40の内部に含浸された防錆油がボルト20の上端部に滲みだしている。
弾性体40の軸方向の大きさは、ボルトキャップ10の雌ねじ部11におけるねじピッチと同等となっている。なお、弾性体40の軸方向の大きさは、ボルトキャップ10の雌ねじ部11におけるねじピッチよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るボルトキャップ10によれば、防錆油が含浸された弾性体40を備えている。そして、弾性体40は、ボルトキャップ10の頂部のうち、ボルト20の先端と軸方向に重なる位置に配置されている。このため、ボルト20にボルトキャップ10を装着する際に、弾性体40を弾性変形させることで、弾性体40に含浸された防錆油を滲みださせることができる。これにより、ボルトキャップ10の内側を防錆油で充満させて、ボルト20が空気と触れるのを抑制することで、より一層効果的な防錆効果を発揮することができる。
次に、図4を参照し、本実施形態に係るボルトキャップ10の変形例について説明する。図4は、図3に示すボルトキャップ10の変形例を示す一部縦断面図である。図4に示すように、変形例に係るボルトキャップ10では、弾性体40とボルト20の上端部との間に、内蓋50が装着されている。内蓋50は上面視で円形状をなしている。内蓋50は、ボルト20の上端部と当接している。
弾性体40は、頂部に設けられ、下方に向けて開口する凹部に収容されている。弾性体40の上面視形状の大きさは、内蓋50の上面視形状の大きさよりも小さくなっている。なお、弾性体40および内蓋50それぞれの上面視形状の大きさは、任意に変更可能である。内蓋50は、図示の例ではボルトキャップ10と同じ材料である熱可塑性樹脂により形成されている。なお、内蓋50の材料をボルトキャップ10の材料と異ならせてもよい。
本変形例に係るボルトキャップ10では、ボルトキャップ10をボルト20に当接すると、内蓋50にボルト20の上端部が当接する。そして、ボルト20の上端部が、ボルト20により上方に向けて押圧されることで、内蓋50が弾性変形し、弾性体40を上方に向けて押圧する。これにより、弾性体40に含浸された防錆油を滲みだすことができる。
(第3実施形態)
上記実施形態では、ボルトキャップ10は、外部に露出したボルト20の雄ねじ部21を覆うように形成されていたが、これに限らず、ボルトキャップは、ボルト20及びナット30を覆うように形成されていてもよい。
図5に示されるように、ボルトキャップ10Mは、外部に露出したボルト20の雄ねじ部21を覆うように形成された有頂の筒状に形成された第1キャップ15と、ナット30を覆うように形成された第2キャップ18とを備える。第1キャップ15は、例えば、上記実施形態のボルトキャップ10と同様の構成により形成されている。第1キャップ15の高さは、ボルト20の雄ねじ部21の露出部分の高さに合わせて形成されている。
第2キャップ18は、例えば、第1キャップ15の下端から連続して第1キャップ15と一体に形成されている。第2キャップ18は、ボルト20の基端に締結されたナット30の表面を覆うようにキャップ状に形成されている。第2キャップ18は、例えば、ドーナッツ板状に形成された頂部18Aと、頂部18Aの周端部に延在すると共に、周端部から下方に垂下して形成された筒状部18Bとを備える。頂部18Aは、ナット30の端面30Aを覆うように形成されている。筒状部18Bは、ナット30の側面30Bを覆うように形成されている。筒状部18Bの高さは、ナット30の高さに合わせて形成されている。
第2キャップ18の内部には、例えば、内部空間18Sが形成されている。内部空間18Sは、例えば、ナット30の外径よりもやや大きい径の円柱状の空間となるように形成されている。即ち、内部空間18Sは、回転するナット30を包含する大きさの円柱状の空間なるように形成されている。
このような構成により、ボルトキャップ10Mをナット30が締結されたボルト20に被せ、第1キャップ15をボルト20の雄ねじ部21に螺入する。螺入の過程で第2キャップ18がナット30に回転しながら被せられる。この時、ナット30は、第2キャップ18の内部空間18Sの中を相対的に回転する。更に第1キャップ15を螺入させると、第2キャップ18の下端部18Cが設置対象面Eに当接する。更に第1キャップ15を螺入させると、下端部18Cは、弾性変形して設置対象面Eに密着する。これにより、ボルトキャップ10M内への水の侵入が防止されボルト20及びナット30を防食することができる。
第2キャップ18の下端部18Cには、施工後に固形化する液体パッキン等のシーリング剤や接着剤が塗布されて設置対象面Eと下端部18Cとの間の密閉性を向上させてもよい。また、第2キャップ18は、ナット30だけでなく、ナット30と設置対象面Eとの間に挟持されたワッシャ(不図示)を覆うように下端部18Cに段差部が形成されていてもよいし、座金付きのナット30を覆うように段差部が形成されていてもよい。上記構成により、一体型のボルトキャップ10Mによれば、基端にナット30が締結されたボルト20を簡易な施工手順で覆って防食対策を施すことができる。
第1キャップ15と第2キャップ18とは、分離されていてもよい。例えば、一体成型されたボルトキャップ10Mの第1キャップ15と第2キャップ18とをカッターナイフ等を用いて切断し、第2キャップ18をナット30に被せた後、第1キャップ15をボルト20に螺入し、第1キャップ15の下端部17と第2キャップ18とを密着させてもよい。この場合、第1キャップ15の下端部17と第2キャップ18との接触部分には、シーリング剤や接着剤を塗布することにより密着性を向上させてもよい。また、第1キャップ15の下端部17と第2キャップ18との接触部分は、半田ごてやヒータ等を用いて溶着することにより密着性を向上させてもよい。
第1キャップ15と第2キャップ18とを切断することにより、ボルトキャップ10Mのボルト20への取り付け時の施工性が向上する。また、第1キャップ15の高さがボルト20の露出した雄ねじ部21の高さよりも長く、第1キャップ15の頂部16と、ボルト20の端面20Aとの間に空間が生じる場合、第1キャップ15と第2キャップ18とを切断した後、上記空間を無くすように第1キャップ15を更に切断して高さを調整してもよい。
図6に示されるように、ボルトキャップ10Mは、第1キャップ15と第2キャップ18とが初めから別個に形成されている分離型としてもよい。この場合、第2キャップ18内の内部空間18Sは、ナット30の形状に合わせて六角柱状の空間となるように形成されていてもよい。これにより、ナット30に第2キャップ18を被せた後に第1キャップ15をボルト20に被せることができるため、ナット30と第2キャップ18との密着性が向上する。そして、第2キャップ18の頂部18Aの貫通孔18Dは、雌ねじが形成されずにボルト20の外径よりも若干大きい径で形成される。これにより、第2キャップ18をボルト20に取り付ける際にボルト20を貫通孔18Dに挿通するだけでよく、施工性が向上する。また、ナット30に密着するように第2キャップ18を形成するため、一体型に比して第2キャップ18の材料を低減することができる。
また、第2キャップ18は、第1キャップ15の材質と異なる材質を用いて形成されていてもよい。第2キャップ18は、例えば、上記熱可塑性樹脂の他、硬質系樹脂、ゴム、金属、木材等により形成される。これにより、上記熱可塑性樹脂よりも低廉な材質を用いて第2キャップ18を形成することができる。第2キャップ18を第1キャップ15と異なる材質を用いて形成する場合、第2キャップ18の内部空間18Sには、防錆油やグリスが塗布されてナット30に被せられてもよい。防錆油やグリスは、ボルト20及びナット30側に塗布した後、第2キャップ18をボルト20及びナット30に被せてもよい。
先ず第2キャップ18がナット30の上に被せられる。この時、第2キャップ18の下端部18Cには、シーリング剤や接着剤が塗布されてもよい。次に、第1キャップ15がボルト20に被せられて螺入され、第1キャップ15の下端部17を第2キャップ18の頂部18Aに当接させる。更に第1キャップ15が締め込まれて、第1キャップ15の下端部17と第2キャップ18の頂部18Aとを弾性変形させて密着させる。第1キャップ15の下端部17と第2キャップ18の頂部18Aとの間には、シーリング剤や接着剤が塗布されてもよい。
分離型のボルトキャップ10Mには、上述した実施形態の他、様々な変形例が考えられる。例えば、第1キャップ15と第2キャップ18との密着性を高めるために、第1キャップ15の下端部17の周囲を覆うように延在して下端部17に係合する係合部が第2キャップ18の頂部18Aに設けられていてもよい。
図7に示されるように、係合部19は、第2キャップ18の頂部18Aに設けられた貫通孔18Dの周囲に延在するように形成されている。係合部19は、例えば、頂部18Aの頂面18A1から下方に窪んだ段差となるように形成されている。従って、係合部19は、ドーナッツ板状の底部19Aと、底部19Aの外周に沿って延在すると共に、外周から上方に立設された円環状の壁面19Bとを有する。底部19Aは、第1キャップ15の下端部17の幅よりも若干狭い幅で形成されている。
このような構成により、第2キャップ18をナット30に嵌め込んだ後、第1キャップ15をボルト20に螺入すると、第1キャップ15の下端部17が係合部19に係合する。上述のように底部19Aの幅は第1キャップ15の下端部17の幅よりも若干狭いので、壁面19Bが弾性変形して下端部17の外周面を押圧して密着する。第1キャップ15が締め込まれることにより、下端部17と底部19Aとも密着する。
図8に示されるように、係合部19は、第2キャップ18の頂部18Aの頂面18A1から上方に突出するように形成されていてもよい。係合部19は、ドーナッツ板状の底部19Cと、底部19Cの外周に沿って延在すると共に、外周から上方に立設された円環状の壁面19Dとを有する。底部19Cは、第1キャップ15の下端部17の幅よりも若干狭い幅で形成されている。上記と同様に、第2キャップ18をナット30に嵌め込んだ後、第1キャップ15をボルト20に螺入すると、第1キャップ15の下端部17が係合部19に係合し、底部19Cと壁面19Dとが下端部17に密着する。
図9に示されるように、係合部19は、上記例を組み合わせて上方に突出するように形成されていてもよい。係合部19は、底部19Eが頂面18A1から下方に窪み壁面19Fが底部19Eから頂面18A1を超えて上方に立設されるように形成されている。これにより、第1キャップ15の下端部17の係合部19への貫入量を増加させて、壁面19Fと下端部17との接触面積を増加させることができる。また、第1キャップ15の下端部17と係合部19とは、接着剤等で接着してもよい。また、壁面19Dと第1キャップ15とを粘着テープ等で巻回して気密性を保つようにしてもよい。粘着テープを用いることにより、接着剤を用いる場合に比して作業効率が向上する。
図10に示されるように、係合部19は、第2キャップ18の頂部18Aに形成された貫通孔18Dを拡径することによって形成されていてもよい。この場合、貫通孔18Dは、例えば、第1キャップ15の下端部17の外径よりも若干小さい径となるように形成されている。第1キャップ15をボルト20に締め込むことにより、第1キャップ15の下端部17が貫通孔18Dに嵌る。第1キャップ15の下端部17の外周面は、貫通孔18Dの周端部に押圧されて密着する。
このような構成により、第2キャップ18は、第1キャップ15がボルト20に取り付けられる前にナット30に取り付けられてもよいし、第1キャップ15がボルト20に取り付けられた後にナット30に取り付けられてもよい。従って、この変形例によれば、既にボルト20に第1キャップ15が施工された現場において、ナット30に第2キャップ18を後付けで施工することができる。
上記各変形例において、第1キャップ15の下端部17の角部や、係合部19の角部は、嵌め込みを容易にするように面取りされていてもよい。ボルトキャップ10Mの密閉性を更に高めるために、係合部19の境界には、シーリング剤が充填されてもよい。
上述したように、係合部19が形成されていることにより、第1キャップ15と第2キャップ18との間の密着性を簡便な施工手順により高めると共に、水が侵入することが防止される。
図11に示されるように、分離型のボルトキャップ10Mの他の変形例として、第1キャップ15の下端部17にドーナッツ板状のフランジ部17Aが設けられていてもよい。フランジ部17Aは、第1キャップ15の径方向の外方に向かって突出し、下端部17の外周に沿って延在するように形成されている。フランジ部17Aは、第2キャップ18の頂部18Aを覆うように形成されている。フランジ部17Aの外周端には、下方に向かって突出するように突出部17Bが形成されている。フランジ部17Aの厚さは、例えば、第1キャップ15の筒状部の厚さよりも大きくなるように形成されている。
フランジ部17Aが形成されていることにより、水が上方から降った際に水がフランジ部17Aにより受け流され、突出部17Bから滴下されて第1キャップ15と第2キャップ18との間に水が侵入することが防止される。フランジ部17Aは、外方に向かうほど下方に下がる勾配が形成されていてもよい。
図11Aに示されるように、第2キャップ18は、例えば、パイプ状に形成されていてもよい。フランジ部17Aは、パイプ状の第2キャップ18に係合するように形成されていてもよい。そして、フランジ部17Aの下面には、第2キャップ18の頂部18Aが係合するように突出部17Bの内側に延在して円形の溝状の係合部17Bが形成されていてもよい。このよう第1キャップ15によれば、第2キャップ18を例えば安価で大量生産可能な塩化ビニル管等から切り出して形成することができると共に、密着性を高めて水の侵入を防止することができる。
ボルト20に締結されるナット30は、緩みを防止するために、ナット30の上部に更にナット30が締結され、ダブルナット構造とされる場合がある。
図12に示されるように、一体型のボルトキャップ10Mの第2キャップ18は、ナット30が2段重ねとなっているダブルナットを覆うように形成されていてもよい。これにより、ダブルナットが装着されたボルト20に簡便にボルトキャップ10Mを設置することができる。
図13に示されるように、ダブルナットに対応するボルトキャップ10Mは、第1キャップ15と第2キャップ18とが分離して形成されていてもよい。第2キャップ18において、内部空間18Sは、上段のナット30に密着するように形成されている。下段のナット30は、上段のナット30に対して側面30Bが揃っているとは限らないので、内部空間18Sにおいて、下段のナット30に対しては、ナット30を回転した際の空間を包含する大きさの円柱状の内部空間18S1が形成されている。上述した分離型のダブルナットに対応するボルトキャップ10Mによれば、第1キャップ15と第2キャップ18とが分離しているため、施工の自由度が向上する。
図14に示されるように、ダブルナットに対応した分離型のボルトキャップ10Mにおいて、第2キャップ18は、上段のナット30と下段のナット30とに対応して分離するように形成されていてもよい。第2キャップ18は、下段のナット30に対応して分離する分離部18Nが形成されている。分離部18Nは、例えば、円筒状に形成されている。分離部18Nの内部空間18N1は、下段のナット30の側面に密着するように六角柱状に形成されている。上段のナット30に対応する第2キャップ18の下端部には、分離部18Nの上端部と係合する係合部18Fが形成されている。係合部18Fは、分離部18Nの上端部の周囲を覆うように円環状に形成されている。
上述した分離型の第2キャップ18を備えるボルトキャップ10Mによれば、上段のナット30および下段のナット30に第2キャップ18を隙間無く密着させることができ、ダブルナットが装着されたボルト20の防食性能を向上させることができる。
図15に示されるように、ダブルナットに対応したボルトキャップ10Mは、第1キャップ15の下端に図11に示される構造と同様なフランジ部17Aや突出部17Bが設けられていてもよい。突出部17Bに係合する第2キャップ18は、例えば、円筒状に形成されている。これにより、第2キャップ18は、例えば、塩化ビニル管等の安価な材料を用いて形成することができ、材料コストを低減すると共に、接着剤の塗布を容易とすることができる。フランジ部17Aには、第2キャップ18の頂部に係合するように円形の溝状の係合部が形成されて密着性を高めてもよい(図11A参照)。第2キャップ18には、塩化ビニルの他に、他の樹脂、金属、木材等が用いられてもよい。
次に、ボルトキャップ10,10Mの施工方法について説明する。以下、代表してボルトキャップ10の施工方法について説明するが、ボルトキャップ10Mの施工方法は、ボルトキャップ10の施工方法と同様である。
上述のようにボルトキャップ10は、防錆油が含侵された樹脂材料により形成されている。防錆油は、ボルトキャップ10の内部だけでなく、外部にも染み出す。そうすると、作業者の手によりボルトキャップ10を把持してボルト20に螺入しようとすると、手がボルトキャップ10に対して滑り、施工がしにくくなる場合がある。また、ボルト20の雄ねじ部21の露出長が長くなると、ボルトキャップ10を螺入して固定するまでの時間がかかる可能性がある。
そこで、図16に示されるように、ボルトキャップ10には、工具が係合する工具係合部Tが設けられる。工具係合部Tは、例えば、ボルトキャップ10の頂部10Aの上方に形成されている。工具係合部Tは、例えば、側面の軸線方向に直交する断面形状を円でなく、四角形、六角形、八角形、十角形、12角形等の多角形形状に形成されている。
工具係合部Tは、例えば、ボルトキャップ10の頂部10Aから上方に突出した多角形形状に形成されている。工具係合部Tが形成されていることにより、ボルトキャップ10をボルト20へ着脱する際に、スパナW1、電動工具のソケットW2等の工具類が係合する。
図17に示されるように、工具係合部Tは、六角レンチのソケットW2等が係合するようにボルトキャップ10の頂部10Aにおいて多角形状に窪んで形成されていてもよい。また、図18に示されるように、ボルトキャップ10の筒状部10Bを多角柱状に形成し、筒状部10Bを工具係合部Tとして用いてもよい。また、この場合、手でボルトキャップ10をボルト20に螺入する施工を行ってもよい。上述のように、工具係合部Tをボルトキャップ10に形成することにより、工具を用いてボルトキャップ10を確実に把持して施工すると共に、施工時間を短縮することができる。
また、上述した、ボルトキャップ10Mの第2キャップ18が第1キャップ15と同じ熱可塑性樹脂で形成されている場合、第2キャップ18の下端部18Cを設置対象面Eに接着しようとする際に接着剤が塗布されたヘラなどを下端部18Cに当てた際に下端部18Cが変形して接着剤を塗布しにくくなる可能性がある。
そこで、図19に示されるように、第2キャップ18の下端部18Cの周囲に延在し、外方に向かって突出するフランジ部18Gを形成してもよい。上述したように第2キャップ18の下端部18Cにフランジ部18Gが形成されていることにより、第2キャップ18の剛性が向上し、下端部18Cに接着剤を塗布する際にヘラを当てても下端部18Cが変形することが防止される。
上述したボルトキャップ10,10Mは、周囲を他の材質で形成された被覆材で覆われてもよい。被覆材の材質は、例えば、金属(鉄、非鉄)、樹脂(プラスチック、ゴム、塗料、フィルム、シリコン、油面プライマー等)、木材、テープ材等が用いられる。被覆材がボルトキャップ10,10Mに被覆されることにより、ボルトキャップ10,10Mの表面から染み出す防錆油に汚れが付着することが防止される。
また、被覆材を用いることにより、分離型のボルトキャップ10Mの隙間から水が侵入することを防止することができる。また、後述するように、ボルトキャップ10,10Mに切り込みを入れてボルト20に着脱する施工方法を行った場合、被覆材を用いてボルトキャップ10,10Mを覆うことにより、切り込み部からの水の侵入を遮断し、ボルト20を防食することができる。
図20(1)に示されるように、ボルトキャップ10は、必ずしもボルト20の上部から螺入してボルト20に取り付けられるわけではない。例えば、ボルト20に取り付けられた2つのナット30の間の雄ねじ部21をボルトキャップ10で覆う場合、ボルトキャップ10は、切断されることによりボルト20に取り付けられてもよい。ボルトキャップ10は、例えば、カッターナイフ等を用いて頂部が切り落とされた後、筒状部10Bに軸線方向に沿った切り込み部CTが1か所設けられ、切断される。
その後、筒状部10Bが広げられてボルト20の表面に嵌め込まれる。筒状部10Bは、2箇所が軸線方向に沿って切り込み部CTが設けられて切断され、その後、ボルト20の表面を両側から挟持するように嵌め込まれてもよい。ボルトキャップ10がボルト20に取り付けられた後、ボルトキャップ10は、紐、結束バンド、接着剤、収縮チューブ、シーラント剤等が用いられることにより、切り込み部CTが広がらないように養生される。切断箇所は、加熱処理により溶着されてもよい。
図20(2)に示されるように、切り込み部CTが形成されたボルトキャップ10がボルト20に取り付けられた後、ボルトキャップ10は、テープPで巻回されることにより養生されてもよい。テープPは、紐や結束バンド等が巻回された後のボルトキャップ10に巻回されてもよい。切断されたボルトキャップ10の切り込み部CTを養生することにより、ボルトキャップ10内への水の侵入を遮断し、ボルト20を防食することができる。
ボルトキャップ10は、ボルト20に既に取り付けられた状態で定期点検される際に、軸線方向に沿って1か所または2箇所切断されてボルト20から取り外されてもよい。点検後、切断されたボルトキャップ10は、再利用されてボルト20に取り付けられてもよい。その後、ボルトキャップ10は、上記と同様に養生される。
上記のボルトキャップ10を切断する施工方法は、ボルト20の雄ねじ部21が長く露出してボルトキャップ10のねじ込みに時間を要する場合に応用してもよい。上記のボルトキャップ10を切断する施工方法は、ボルトキャップ10Mに適用してもよい。
ボルトキャップ10,10Mをボルト20に螺入する場合、上述のようにボルトキャップ10,10Mの表面が滑りやすいので、施工用の工具が用いられてもよい。
図23に示されるように、工具Xは、ボルトキャップ10の筒状部10Bの周囲を拘束する拘束部X1と、拘束部X1に連結されたハンドル部X2とを備える。拘束部X1は、例えば、環状に形成されている。拘束部X1の径は、調整自在となるように形成されている。拘束部X1は、例えば、弾性部材で形成されると共に、ボルトキャップ10の外径よりも小さい径で形成されている。拘束部X1は、径が調整自在なバンドであってもよい。拘束部X1の内側でボルトキャップ10に接触する部分には、凹凸を形成したり摩擦係数の高い部材を取り付けたりしてボルトキャップ10が滑るのを防止してもよい。
作業者は、ボルトキャップ10を所定距離以上ボルト20に螺入した後、ボルトキャップ10のボルト20が螺入された部分の表面から拘束部X1を掛ける。ボルトキャップ10は、ボルト20と拘束部X1により把持される。作業者は、ハンドル部X2を回転させてボルトキャップ10をボルト20に螺入させる。この時、ボルト20とボルトキャップ10との境界には、防錆油が染み出しているので、これが潤滑油となり、工具Xは、ボルトキャップ10に対して滑らず、ボルトキャップ10はボルト20に螺入される。その後、工具Xはボルトキャップ10から外される。上記工具Xは、ボルトキャップ10Mにも適用してもよい。これにより、ボルト20は、ボルトキャップ10により被覆されると共に、防食される。
図23に示されるように、ネジ山が長く露出しているボルト20に対しては、チューブ状に形成されたボルトキャップ10と、有頂のボルトキャップ10とを組み合わせてボルト20に取り付けてもよい。チューブ状のボルトキャップ10は、予めチューブ状に形成されていてもよいし、有頂のボルトキャップ10の頂部10Aを切り落として形成されてもよい。チューブ状のボルトキャップ10は、そのままボルト20に螺入されてもよいし螺入する際に摩擦抵抗が増大し、ボルト20に取り付けにくい場合には、切り込みを入れてボルト20に取り付けられてもよい。
各ボルトキャップ10が取り付けられた後は、上述のように被覆材で養生されてもよい。また、有頂のボルトキャップ10の下端部には、係合部18F(図14参照)のようにチューブ状のボルトキャップ10の頂部に係合する部分が設けられてもよい。上記の施工方法は、ボルトキャップ10Mに適用してもよい。ナット30には、図10に示される第2キャップ18を後から取り付けてもよい。上記構成により、ボルトキャップ10,10Mにより、ボルト20への水の侵入を遮断し、ボルト20を防食することができる。
図24に示されるように、ボルト20が既に腐食して減肉部Gが生じている場合、減肉部Gに、グリス、パテ、シーリング剤等の充填材を塗布し、ボルトキャップ10,10Mをボルト20に被せることでボルト20とボルトキャップ10,10Mとの密着性を高めてもよい。充填剤は、減肉部Gに塗布して硬化後に切削してボルトキャップ10,10Mを被せてもよいし、充填剤を塗布した後、充填剤が硬化する前にボルトキャップ10,10Mを被せてボルト20とボルトキャップ10,10Mとの密閉性を高めてもよい。
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記各実施形態では、ボルト20の軸方向が上下方向と一致する構成について示したが、このような態様に限られない。中心軸線Oが、横方向や、上下方向および横方向と交差する方向に延びるボルト20に、ボルトキャップ10が装着されてもよい。
また、上記各実施形態では、ボルト20がアンカーボルトである構成を示したが、このような態様に限られない。ボルト20はアンカーボルト以外のボルトであってもよく、ナット30が装着されなくてもよい。
また、上記実施形態では、ボルトキャップ10を形成する樹脂材料として、熱可塑性樹脂であるエンパイロピールが採用されている構成を示したが、このような態様に限られない。ボルトキャップ10を形成する樹脂材料としては、防錆油を内部に含浸することができる樹脂材料であれば、任意に選択することができる。
また、上記実施形態では、ボルトキャップ10が、ボルト20のうち、ナット30から突出する部分にのみ装着されている構成を示したが、このような態様に限られない。例えば、ボルトキャップ10は、ボルト20およびナット30を径方向の外側から一体に覆うように装着されてもよい。
また、上記実施形態では、ボルトキャップ10が円筒状である構成を示したが、このような態様に限られない。例えば、頂部に向けて縮径する台形筒状であってもよい。また、ボルトキャップは、ボルト20の端部が平面に限らず、丸先状、尖端状、棒状等各種形状のものに対応して形成されていてもよい。また、上記実施形態に係る複数の種類のボルトキャップは、適宜組み合わされて用いられてもよい。
10…ボルトキャップ、10B…筒状部、10M…ボルトキャップ、11…雌ねじ部、15…第1キャップ、16…頂部、17…下端部、17A…フランジ部、17B…突出部、18…第2キャップ、18A…頂部、18A1…頂面、18B…筒状部、18C…下端部、18D…貫通孔、18F…係合部、18G…フランジ部、18N…分離部、18N1…内部空間、18S…内部空間、18S1…内部空間、19…係合部、19A…底部、19B…壁面、19C…底部、19D…壁面、19E…底部、19F…壁面、20…ボルト、20A…端面、21…雄ねじ部、30…ナット、40…弾性体、50…内蓋、CT…切り込み部、O…中心軸線、P…テープ、T…工具係合部、W1…スパナ、W2…ソケット、X…工具、X1…拘束部、X2…ハンドル部

Claims (12)

  1. ボルトに装着される筒状のボルトキャップであって、
    前記ボルトを覆うように筒状に形成されると共に、防錆油が内部に含浸された樹脂材料により形成された筒状体と、前記筒状体の内周面に、前記ボルトの雄ねじ部に螺合すると共に前記雄ねじ部との間に前記防錆油が前記樹脂材料の内部から滲みだして浸透して前記雄ねじ部と密着し前記雄ねじ部が前記防錆油にコーティングされた状態を持続させるように雌ねじが形成された雌ねじ部と、を有する第1キャップにより形成され、
    前記第1キャップの開口が形成された端部に取り付けられ、前記ボルトに装着されたナットを覆うように前記第1キャップに対して分離して形成された第2キャップを更に備え、
    前記第2キャップは、前記第1キャップの前記端部を外側から覆うように前記端部側に突出して前記端部の周囲に延在し前記端部の径よりも小さい径に形成されて前記端部に密着するように形成された係合部を備える、
    ボルトキャップ。
  2. 前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とが係合している部分における、前記ボルトの中心軸線と直交する径方向の大きさL(mm)は、前記雄ねじ部のとがり山の高さH(mm)に対して下記式(1A)を満たしている
    請求項1に記載のボルトキャップ。
    L>H×5/8×0.5…(1A)
  3. 前記雌ねじ部における雌ねじ内径の基準寸法は、前記雄ねじ部における雄ねじ有効径の基準寸法よりも小さい
    請求項1又は2に記載のボルトキャップ。
  4. 前記ボルトは、前記ナットが装着されたアンカーボルトであり、
    前記第1キャップは、少なくとも前記ボルトのうち、前記ナットから突出する部分に装着されるとともに、前記ボルトの中心軸線に沿う軸方向の端面、および前記ナットの前記軸方向の端面、それぞれに当接している
    請求項1から3のいずれか一項に記載のボルトキャップ。
  5. 前記第1キャップは、一端に閉塞された頂部が形成され、
    防錆油が含浸され、弾性を有する弾性体を備え、
    前記弾性体は、前記第1キャップの前記頂部のうち、前記ボルトの中心軸線に沿う軸方向の端面と、前記軸方向に重なる位置に配置されている
    請求項1から4のいずれか一項に記載のボルトキャップ。
  6. 前記第1キャップは、前記端部の周囲から前記第2キャップを覆うように突出して形成されたフランジ部を備える、
    請求項に記載のボルトキャップ。
  7. 前記第2キャップは、2段に重ねられた前記ナットを覆うように形成されている、
    請求項又はに記載のボルトキャップ。
  8. 前記第1キャップは、前記ボルトに施工される際に用いられる工具に係合する工具係合部が形成されている、
    請求項1からのいずれか一項に記載のボルトキャップ。
  9. 前記第1キャップを覆う被覆部材を更に備える、
    請求項1からのいずれか一項に記載のボルトキャップ。
  10. 施工対象物から露出したボルト及びナットの防食方法であって、
    前記ボルトを覆うように筒状に形成されると共に、防錆油が内部に含浸された樹脂材料により形成された筒状体と、前記筒状体の内周面に、前記ボルトの雄ねじ部に螺合する雌ねじが形成された雌ねじ部と、を有する第1キャップと、前記第1キャップの開口が形成された端部に設けられ、前記ボルトに装着された前記ナットを覆うように前記第1キャップに対して分離して形成された第2キャップにより形成されたボルトキャップの内部に前記防錆油を塗布する塗布工程と、
    前記第2キャップを前記ナットに被せ、前記第1キャップを前記ボルトに螺合させ、前記第2キャップにおいて前記第1キャップの前記端部を外側から覆うように前記端部側に突出して前記端部の径よりも小さい径に形成された係合部に前記第1キャップの下端を係合させて前記係合部を前記端部の周囲に密着させると共に、前記ボルトキャップ内の過剰な前記防錆油及び空気を排出して前記ボルト及びナットの表面に前記ボルトキャップを密着させて前記雄ねじ部と前記雌ねじ部との間及び前記ナットと前記第2キャップとの間に前記防錆油を前記樹脂材料の内部から滲みださせて浸透させて前記雄ねじ部及び前記ナットが前記防錆油にコーティングされた状態を持続させるように覆う取付工程を備える、
    ボルトの防食方法。
  11. 前記取付工程は、前記第1キャップの少なくとも一部に切り込みを入れる切断工程と、
    切り込みを入れられた前記第1キャップを前記ボルトに被せる被覆工程を更に備える、
    請求項10に記載のボルトの防食方法。
  12. 前記第1キャップの前記筒状体を拘束する拘束部と前記拘束部に接続されたハンドル部とを備える工具を用いて、前記拘束部を前記筒状体に取り付けて前記筒状体を拘束する把持工程と、
    前記ハンドル部を回転させる回転工程と、を備える、
    請求項11に記載のボルトの防食方法。
JP2018241768A 2018-05-01 2018-12-25 ボルトキャップおよびボルトの防食方法 Active JP6893497B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018088429 2018-05-01
JP2018088429 2018-05-01

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019194491A JP2019194491A (ja) 2019-11-07
JP6893497B2 true JP6893497B2 (ja) 2021-06-23

Family

ID=68469359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018241768A Active JP6893497B2 (ja) 2018-05-01 2018-12-25 ボルトキャップおよびボルトの防食方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6893497B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7456403B2 (ja) 2021-03-10 2024-03-27 トヨタ車体株式会社 成形シーラー
JP7393023B2 (ja) 2021-10-19 2023-12-06 東京ファブリック工業株式会社 ボルト締結体用防錆部材の加工方法
CN114439840A (zh) * 2022-02-28 2022-05-06 中国铁路设计集团有限公司 一种组合式防脱落螺栓保护罩及其安装方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5042948Y2 (ja) * 1971-09-07 1975-12-08
JPS5224163U (ja) * 1975-08-12 1977-02-19
JPS55112111U (ja) * 1979-02-01 1980-08-07
JPS5747014A (en) * 1980-09-02 1982-03-17 Fuji Seimitsu Mfg Co Ltd Loosen-proof cap
JPS58170911A (ja) * 1982-03-31 1983-10-07 株式会社冨士精密製作所 螺合部材ゆるみ止め用キヤツプ
JPS60185714U (ja) * 1984-05-21 1985-12-09 株式会社 栄螺子製作所 袋ナツト
JPH0724655Y2 (ja) * 1989-06-28 1995-06-05 株式会社エポゾール ボルト・ナット用及びボルトヘッド用キャップ
JPH0444513U (ja) * 1990-08-15 1992-04-15
JPH05332335A (ja) * 1992-05-27 1993-12-14 Nitto Denko Corp 防錆キャップ
JP3021104U (ja) * 1995-07-28 1996-02-16 大東電材株式会社 ボルト及びナットの防錆キャップ
JP3022361U (ja) * 1995-09-04 1996-03-22 日本鉄塔工業株式会社 塩害防止用ナット
JP2001254718A (ja) * 2000-03-10 2001-09-21 Nippon Petrochem Co Ltd ボルト締結部用の防錆容器取付具および防錆構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019194491A (ja) 2019-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6893497B2 (ja) ボルトキャップおよびボルトの防食方法
US9382937B2 (en) Lock nut assembly
US5752795A (en) Apparatus and method for protecting exposed sections of a nut and bolt
US7216842B2 (en) Pocket former
WO2019094350A1 (en) Universal thread protector
JP2010513815A (ja) 開放および閉鎖位置を有するねじ山付き管状接続部コンポーネントの雄型端部を保護するための装置および関連方法および取り付け機械
NL7908150A (nl) In beton ingebedde ankerkast.
US4813833A (en) Threaded fastener having jacketed head
WO2014080645A1 (ja) アースナット
JP2018008353A (ja) 締付トルク管理具、締付トルク管理具付ナット及びボルト、並びに取付物の取付方法
KR20120107680A (ko) 체결부재 및 차단부를 구비한 락볼트 및 너트 보호캡
US20080304933A1 (en) Bolt holding member
US20210048057A1 (en) Coating film peeling nut
WO2020079856A1 (ja) ボルトナット保護キャップ
JP3629486B2 (ja) 締結体の弛み止め機構
JP6541483B2 (ja) 塗料浸入防止手段を備えるナット及び締結方法
JP4955635B2 (ja) 防錆キャップ一体式ボルト仮固定ナット
JPH11100842A (ja) アンカーボルト用防錆剤保持器およびそれを用いる防錆方法
JP4079666B2 (ja) シーリング材の施工工法及びその施工工法に用いる注入カートリッジノズルの構造
AU2013203796B2 (en) Lock Nut Assembly
JP3053177U (ja) ボルト・ナットの緩み止め具
JPH031611Y2 (ja)
JP2516983Y2 (ja) キャップ付き溶接スタッド
US11787024B2 (en) Screw/nut/bolt driver for pneumatic, impact, hand crank or other use having an insertable magnet in the head to hold/keep screw/nut/bolt or specialized tips attached to driver but inserted by screwing it in, as it is threaded and inside of driver head (below screw/nut/bolt receiving area), is identically threaded to receive it
JP7393023B2 (ja) ボルト締結体用防錆部材の加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181225

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190108

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190315

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190521

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190705

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20190705

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190717

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20190723

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20190830

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20190903

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20191119

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20200407

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20200512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200701

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20200707

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20201020

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20201110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210106

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210406

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210511

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6893497

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150