JP2002295435A - ナット取付構造 - Google Patents

ナット取付構造

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JP2002295435A
JP2002295435A JP2001105486A JP2001105486A JP2002295435A JP 2002295435 A JP2002295435 A JP 2002295435A JP 2001105486 A JP2001105486 A JP 2001105486A JP 2001105486 A JP2001105486 A JP 2001105486A JP 2002295435 A JP2002295435 A JP 2002295435A
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nut
panel member
base plate
aluminum
mounting
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Application number
JP2001105486A
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English (en)
Inventor
Tsuguo Nakazawa
嗣夫 中澤
Masatoshi Koike
正俊 小池
Satoshi Ueda
聡 上田
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 締結強度が確保できかつ製造コストの低減が
得られるアルミニウム製のパネル部材にナットを取り付
けるナット取付構造を提供する。 【解決手段】 アルミニウム製のベースプレート12を
精密プレス、冷間鍛造或いは熱間鍛造によって鍛造する
際に、鉄製のナット11を一体的にベースプレートに結
合し、ナット11が結合されたベースプレート12をア
ルミニウム製のパネル部材1にスポット溶接する。予め
鉄製のナット11がアルミニウム製のベースプレート1
2に一体的に結合され、ベースプレート12をパネル部
材1にスポット溶接することによってナット11がパネ
ル部材1できて、構成部品を増加させることなく軽量化
が得られ、かつ作業の簡素化が得られて製造コストの低
減ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナット取付構造に
関し、特にアルミニウム製のパネル部材にナットを取り
付けるナット取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両の車体を構成する車体フレ
ーム等のパネル部材にあっては、車体の組立の際、パネ
ル部材に対する各種の部品の組付けを効率良く行うため
に、予めパネル部材にナットを取り付けておくことが要
求されることがある。このナットの取り付けは、一般に
ナットをパネル部材にプロジェクション溶接することに
よって行われる。
【0003】一方、最近、車体フレームや他のパネル部
材等に軽量なアルミニウム製のパネル部材が多く使用さ
れている。このパネル部材に取り付けられるナットは、
ボルトの螺合による締結強度が要求されることから、ア
ルミニウム製のパネル部材であっても鉄製のナットが一
般的に用いられている。しかし、鉄製の部材とアルミニ
ウム製の部材とを溶接により接合することは困難であ
り、アルミニウム製のパネル材に鉄製のナットを直接溶
接することはできない。
【0004】このため例えば、図6に断面図を示すよう
に、鉄製のベースプレート111に鉄製のナット112
を予め溶接し、このナット112が結合されたベースプ
レート111をボルト挿通孔101が穿孔されたアルミ
ニウム製のパネル部材100にリベット113によって
取り付けている。
【0005】また、図7に断面図を示すように、アルミ
ニウム製の板材を、溶接用フランジ116を有する箱状
に加工したブラケット115の内部に鉄製のナット11
2を回り止めされるように収容し、ブラケット115の
溶接用フランジ116をボルト挿通孔101が穿孔され
たアルミニウム製のパネル部材100に溶接結合するも
のがある。
【0006】更に、特開平5−381号公報に開示さ
れ、かつ図8(a)に示すように予め鉄製のナット11
2の接合面に拡張部120aを有する複数の有底孔12
0を形成し、各有底孔120に開口部から先端121a
が突出するようにアルミニウム製のチップ部材121を
挿入する。そして、このチップ部材121の突出する先
端121aをアルミニウム製のパネル部材100に当接
させた状態で、一対の電極131、132間でナット1
12及びパネル部材100を加圧して通電溶接すること
により、図8(b)に示すようにパネル部材100に溶
接結合されたチップ部材121によって、拡張部120
aを有する有底孔120が埋められてナット112がパ
ネル部材100に取り付けられるナット取付方法が提案
されている。なお、133はパネル部材100のボルト
挿通孔101及びナット112のねじ孔112aに嵌挿
してパネル部材100とナット112の位置決めを果た
す位置決めピンである。
【0007】更に、特開平7−77213号公報に開示
され、かつ図9に示すようにアルミニウムと鉄を圧延に
よって重合したアルミニウム・鉄クラッド材からなり、
ボルト挿通孔が穿設されたベースプレート125の鉄側
表面に鉄製のナット112を溶接し、このベースプレー
ト125のアルミニウム側表面をボルト挿通孔が穿設さ
れたアルミニウム製のパネル部材100に重ね合せ、ベ
ースプレート125をパネル部材100に溶接するもの
が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記図6に示すナット
取付構造によると、鉄製のベースプレート111に鉄製
のナット112を溶接結合し、そのベースプレート11
1をパネル部材100にリベット113によって結合す
ることによって鉄製のナット112をアルミニウム製の
パネル部材100に取り付けることができる。
【0009】しかし、パネル部材100及びベースプレ
ート111に形成するリベット113用のリベット挿入
孔100a、111aを穿設する穿孔作業やリベット1
13のカシメ作業が必要になり、結合作業が厄介でかつ
部品点数が多く製造コストが増大すると共に、リベット
挿入孔100a、111aが穿設されることから使用さ
れる部位によっては耐食性の低下が懸念されれる。
【0010】また、上記図7に示すナット取付構造によ
ると、鉄製のナット112を収容したアルミニウム製の
ブラケット115を、パネル部材100に溶接すること
によって鉄製のナット112をアルミニウム製のパネル
部材100に取り付けることができる。
【0011】しかし、アルミニウム製の板材を箱状のブ
ラケット115に加工する作業は煩雑で、かつナット1
12を内部に収容してガタのないように保持した状態で
パネル部材100に溶接する作業は厄介で生産性の低下
が懸念される。
【0012】図8に示すナット取付方法によると、鉄製
のナット112に拡張部120aを有する有底孔120
を形成し、アルミニウム製のチップ部材121を挿入し
てアルミニウム製のパネル部材100に加圧して通電溶
接することによって、鉄製のナット112をアルミニウ
ム製のパネル部材100に取り付けることができる。
【0013】しかし、ナット112に拡張部120aを
有する有底孔120を形成する作業及び各有底孔120
にチップ部材121を挿入して配設する作業は煩雑でか
つ、部品点数の増加と相俟って製造コストが増大する。
また、結合に十分な大きさの拡張部120aを有する有
底孔120を形成するのに十分なナット112の大きさ
が必要になり、使用されるナット112が制限される。
【0014】図9に示すナットの取付構造によると、ア
ルミニウム・鉄クラッド材からなるベースプレート12
5に鉄製のナット112を溶接し、このベースプレート
125をアルミニウム製のパネル部材100に溶接する
ことから鉄製のナット112をアルミニウム製のパネル
部材100に取り付けることができる。
【0015】しかし、アルミニウムと鉄を圧延によって
重合したアルミニウム・鉄クラッド材によってベースプ
レート125が形成されることから、製造コストが増大
すると共に、アルミニウムが鉄に対して大きな熱膨張係
数を有することから、焼き付け塗装時等の熱的影響によ
ってベースプレート125が湾曲する等の変形が発生し
てボルトの螺合による取付部品等の締結強度等に影響を
及ぼすことが懸念される。
【0016】従って、かかる点に鑑みなされた本発明の
目的は、締結強度が確保できかつ製造コストの低減が得
られるアルミニウム製のパネル部材にナットを取り付け
るナット取付構造を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1に記載のナット取付構造の発明は、アルミニウム製
のパネル部材にナットを取り付けるナット取付構造にお
いて、鉄製のナットと、該ナットを内部にくるみ一体的
に結合されて鍛造され、上記パネル部材にスポット溶接
されるアルミニウム製のベースプレートとを備えたこと
を特徴とする。
【0018】請求項1の発明によると、予め、アルミニ
ウム製のベースプレートを鍛造する際に、鉄製のナット
をベースプレートに一体的に結合し、かつベースプレー
トをアルミニウム製のパネル部材にスポット溶接するこ
とによってパネル部材に十分なボルトの螺合による締結
強度が確保できる鉄製のナットが取り付けられる。ま
た、予め鉄製のナットがベースプレートに一体的に結合
され、スポット溶接によってナットをパネル部材に結合
するこができ、構成部品を増加させることなく軽量化が
得られると共に作業の簡素化が得られて製造コストの低
減が期待できる。
【0019】請求項2に記載の発明は、請求項1のナッ
ト取付構造において、上記ベースプレートは、上記ナッ
トを一体的に結合保持する筒状のナット収容部と、該ナ
ット収容部に延設されて上記パネル部材にスポット溶接
される取付フランジとを有し、上記ナット収容部及び取
付フランジが精密プレス、冷間鍛造或いは熱間鍛造によ
って一体に鍛造されたことを特徴とする。
【0020】請求項2の発明によると、ナットを結合支
持するナット収容部に取付フランジが一体に形成される
ことから、ベースプレートをパネル部材に取付けるスポ
ット溶接作業が容易に行え、また、ナットを保持するベ
ースプレートが精密プレス、冷間鍛造或いは熱間鍛造に
よって容易に鍛造することができる。
【0021】請求項3に記載のナット取付構造の発明
は、アルミニウム製のパネル部材にナットを取り付ける
ナット取付構造において、鉄製のナットと、該ナットに
形成された嵌合部を圧入する嵌合孔が穿設されると共に
上記パネル部材にスポット溶接されるベースプレートと
を備えたことを特徴とする。
【0022】請求項3の発明によると、ベースプレート
に穿設された嵌合孔にナットの嵌合部を圧入することに
よって、ナットとベースプレートが結合され、ベースプ
レートをパネル部材にスポット溶接することによってパ
ネル部材に鉄製のナットが容易に取り付けられる。ま
た、ナットをベースプレートの嵌合孔に圧入して一体的
に結合することから、構成部品を増加させることなく軽
量化を確保してナットがベースプレートに取り付けら
れ、かつスポット溶接によってベースプレートをパネル
部材に結合することが可能になり作業の簡素化が得られ
て、製造コストの低減が期待できる。
【0023】請求項4に記載の発明は、請求項3のナッ
ト取付構造において、上記ナットの嵌合部が断面多角形
状であり、上記嵌合孔は該嵌合部が圧入される多角形状
の孔であることを特徴とする。
【0024】請求項4の発明によると、ナットの嵌合部
の断面形状を多角形状にし、ベースプレートの嵌合孔を
嵌合部が圧入される多角形状にすることから、ナットの
回り止め機能が確実になる。
【0025】請求項5に記載ののナット取付構造の発明
は、アルミニウム製のパネル部材にナットを取り付ける
ナット取付構造において、鉄製のナットと、該ナットが
摩擦圧接によって結合されると共に上記パネル部材にス
ポット溶接されるベースプレートとを備えたことを特徴
とする。
【0026】請求項5の発明によると、異種材質での接
合を可能にすると共に生産性に優れた摩擦圧接によって
鉄製のナットとアルミニウム製のベースプレートが一体
的に結合され、かつベースプレートをパネル部材にスポ
ット溶接することから、構成部品を増加させることなく
軽量化を確保しつつ鉄製のナットがアルミニウム製のパ
ネル部材に取り付けられ、作業の簡素化が得られて、製
造コストの低減が期待できる。
【0027】請求項6に記載のナット取付構造の発明
は、アルミニウム製のパネル部材にナットを取り付ける
ナット取付構造において、鉄製のナットと、該ナットが
ろう付けによって結合されると共に上記パネル部材にス
ポット溶接されるベースプレートとを備えたことを特徴
とする。
【0028】請求項6の発明によると、鉄製のナットと
アルミニウム製のベースプレートがろう付けによって結
合され、ナットが一体的に結合されたアルミニウム製の
ベースプレートをアルミニウム製のパネル部材にスポッ
ト溶接することによってパネル部材にナットが取り付け
られ、かつアルミニウムろう材は、一般に比較的融点が
低くろう付け作業性に優れることと相俟って、作業の簡
素化が得られて、製造コストの低減が期待できる。
【0029】請求項7に記載のナット取付構造の発明
は、アルミニウム製のパネル部材にナットを取り付ける
ナット取付構造において、ねじ孔が形成された基部及び
該基部に延設された取付フランジが一体形成され、かつ
上記ねじ孔が強度向上のための熱処理が施されたアルミ
ニウム製のナットを備え、該ナットの上記取付取付フラ
ンジを上記パネル部材にスポット溶接したことを特徴と
する。
【0030】請求項7の発明によると、熱処理によって
十分な強度が確保できるねじ孔を備えたナットの取付フ
ランジを、アルミニウム製のパネル部材にスポット溶接
することによってパネル部材に容易に取り付けられる。
【0031】また、ねじ孔の熱処理は比較的容易で効率
的に行え、構成部品を増加させることなく軽量化を確保
しつつ十分な結合強度でナットがパネル部材に結合でき
て作業の簡素化及び製造コストの低減が期待できる。更
に、アルミニウム製のナットをアルミニウム製のパネル
部材に接合することから、電気化学的腐食の発生を有効
的に回避することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるナット取付構
造の実施の形態について図を参照して説明する。
【0033】(第1実施の形態)図1に示す要部断面図
よって本発明によるナット取付構造の第1実施の形態を
説明する。
【0034】図中符号11は、ねじ孔11aが形成され
てボルトの螺合によって取付部品等の十分な締結強度が
確保できる鉄製のナットであり、12はナット11を収
容すると共にナット11と一体的に結合されたアルミニ
ウム製のベースプレートである。
【0035】ベースプレート12は、ナット11の外周
面11bからねじ孔11aの部分を除く頂面11cに亘
ってナット11を収容して保持し、かつ接合面11dを
露出させてナット11と結合する略筒状のナット収容部
12aと、ナット収容部12aの基端からナット11の
接合面11dと略面一で外方に板状で延設された取付フ
ランジ12bとが一体形成された断面略ハット状で精密
プレス、冷間鍛造、或いは熱間鍛造等による鍛造品によ
って形成されている。
【0036】このナット11とベースプレート12は、
ベースプレート12を精密プレス、冷間鍛造、或いは熱
間鍛造等によって製造する際に、ベースプレート12に
よってナット11を内部にくるみ圧着することによって
容易に一体的に強固に結合される。
【0037】ナット11が一体的に結合されたベースプ
レート12は、例えば車体フレーム等のボルト挿通孔1
aが穿設されたアルミニウム製のパネル部材1に、ナッ
ト11のねじ孔11aとボルト挿通孔1aが対応するよ
うに位置決めした状態で、取付フランジ12b及びナッ
ト11の接合面11dをパネル部材1に重ね、互いに重
なり合うベースプレート12の取付フランジ12bとパ
ネル部材1を互いにスポット溶接する簡単な作業によっ
てパネル部材1に取り付けられる。
【0038】本実施の形態のナット取付構造によると、
予め鉄製のナット11が、精密プレス、冷間鍛造或いは
熱間鍛造等によってベースプレート12を鍛造する際
に、ベースプレート12に一体的に結合される。このナ
ット11が一体的に結合されたアルミニウム製のベース
プレート12の取付フランジ12bをアルミニウム製の
パネル部材1にスポット溶接することによって、パネル
部材1にボルトの螺合によって十分な締結強度が確保で
きる鉄製のナット11が取り付けられる。
【0039】また、予め鉄製のナット11が 、精密プ
レス、冷間鍛造或いは熱間鍛造等によってベースプレー
ト12を鍛造する際に、ベースプレート12に一体的に
結合されることから、工数及び構成部品を増加させるこ
となく軽量化を確保しつつ十分な結合強度でナット11
とベースプレート12の一体化が得られ、かつベースプ
レート12とパネル部材1がスポット溶接による簡単な
作業で行え、作業の簡素化が得られて製造コストの低減
が期待できる。
【0040】(第2実施の形態)図2の(a)及び
(b)によって本発明によるナット取付構造の第2実施
の形態を説明する。図2の(a)は、要部断面図であり
(b)はナット15をアルミニウム製のパネル部材1に
取り付けるベースプレート16の斜視図である。
【0041】ナット15は、ボルトの螺合による十分な
締結強度が確保できるねじ孔15aが穿設された鉄製で
あって、接合面15bを有して比較的大きな略矩形断面
形状の基部15Aと、基部15Aの頂面15c側に段部
15dを介して連続形成された比較的小さな略矩形断面
形状の嵌合部15Bとによって形成されたいわゆる四角
ナットである。
【0042】一方、ベースプレート16は、例えば厚さ
tが1.4mm程度のアルミニウム製の板状材によって
形成され、図2(a)及び(b)に示すように、ナット
15の嵌合部15Bが圧入される矩形形状の嵌合孔16
aが形成されて段部15dに接面する略矩形の頂面部1
6bと、頂面部16bの対向する両縁から基部15Aの
対向する側面15eに沿って折曲形成された一対の側面
部16cとによって形成された基部15Aを収容するナ
ット収容部16Aを有し、各側面部16cの基端からナ
ット15の接合面15bと略面一で外方に取付フランジ
16eが延設された断面略ハット状に形成されている。
【0043】このように形成されたナット15とベース
プレート16は、ナット15の嵌合部15Bをベースプ
レート16の嵌合孔16aに圧入させて段部15dが頂
面部16bに当接するように基部15Aをナット収容部
16Aに嵌合させることによって一体的に結合する。こ
の圧入作業を容易にするためにナット15の先端隅部1
5fに45°程度の面取りを施すことが好ましい。
【0044】このナット15が一体結合されたベースプ
レート16は、ボルト挿通孔1aが穿設されたアルミニ
ウム製のパネル部材1に、ナット15のねじ孔15aと
ボルト挿通孔1aが対応するように位置決めした状態
で、取付フランジ16e及びナット15の接合面15b
をパネル部材1に重ね、互いに重なり合うベースプレー
ト16の取付フランジ16eとパネル部材1を互いにス
ポット溶接することによってパネル部材1に取り付けら
れる。
【0045】本実施の形態によると、ベースプレート1
6の矩形に穿設された嵌合孔16aにナット15の矩形
断面形状に形成された嵌合部15Bが圧入して回り止め
が防止された状態でナット15とベースプレート16が
容易に結合され、鉄製のナット15が一体的に結合され
たアルミニウム製のベースプレート16の取付フランジ
16eをアルミニウム製のパネル部材1にスポット溶接
することによって、パネル部材1に鉄製のナット15が
取り付けられる。
【0046】また、予め鉄製のナット15をベースプレ
ート16の嵌合孔16aに圧入して一体的に結合するこ
とから、構成部品を増加させることなく軽量化を確保し
つつ十分な結合強度でナット15がパネル部材1に取り
付けられる。また、スポット溶接によるベースプレート
16とパネル部材1との結合が可能になり作業の簡素化
が得られると共に、ベースプレート16を生産性に優れ
安価なプレス加工によって製造することが可能なことと
相俟って製造コストの低減が期待できる。なお、ベース
プレート16の嵌合孔16a及びナット15の嵌合部1
5Bの断面形状は、上記矩形に限定されることなく互い
に嵌合する他の多角形状にすることができる。
【0047】(第3実施の形態)図3に示す斜視図によ
って本発明によるナット取付構造の第3実施の形態を説
明する。
【0048】符号18は鉄製のナットであり、19はボ
ルト挿通孔(図示せず)が穿設されたアルミ製で平板状
のベースプレートである。
【0049】ナット18とベースプレート19は、各々
のねじ孔18aとボルト挿通孔を対応させてナット18
とベースプレート19を摩擦圧接によって結合する。こ
の摩擦圧接は、ナット18のねじ孔18aとベースプレ
ート19のボルト挿通孔を対応させてナット18とベー
スプレート19を接触させ、接触面を加圧しながら一方
を固定し他方に回転運動を与え、ナット18とベースプ
レート19の間に発生する摩擦熱によって接合面を加熱
し、鍛造温度以上に達したところでアプセット圧力を加
え、同時に回転を停止して圧接を完了することによって
行われる。
【0050】このナット18が一体結合されたベースプ
レート19は、ボルト挿通孔(図示せず)が穿設された
アルミニウム製のパネル部材1に、ナット18のねじ孔
18aとボルト挿通孔が対応するように位置決めした状
態で重ね、ベースプレート19とパネル部材1を互いに
スポット溶接することによってパネル部材1に取り付け
られる。
【0051】本実施の形態によると、ナット18とベー
スプレート19が摩擦圧接によって結合され、ナット1
8が一体的に結合されたアルミニウム製のベースプレー
ト19をアルミニウム製のパネル部材1にスポット溶接
する簡単な作業によってパネル部材1に鉄製のナット1
8が取り付けられる。
【0052】また、異種材質間での接合を可能にすると
共に生産性に優れた摩擦圧接によって鉄製のナット18
とアルミニウム製のベースプレート19が一体的に結合
することから、構成部品を増加させることなく軽量化を
確保しつつナット18がパネル部材1に取り付けられ、
かつベースプレート19とパネル部材1がスポット溶接
によって結合されることと相俟って作業の簡素化が得ら
れて、製造コストの低減が期待できる。
【0053】(第4実施の形態)図4に示す断面図によ
って本発明によるナット取付構造の第4実施の形態を説
明する。
【0054】符号21は鉄製のナットであり、22はボ
ルト挿通孔22aが穿設されたアルミ製で平板状のベー
スプレートである。
【0055】ナット21とベースプレート22は、各々
のナット21のねじ孔(図示せず)とボルト挿入孔22
aを対応させて、ナット21の接合面21bをベースプ
レート22に重ね、ナット21とベースプレート22を
アルミニウムろう材23によるろう付けによって結合さ
れる。
【0056】このナット21がろう付けされたベースプ
レート22は、ボルト挿通孔1aが穿設されたアルミニ
ウム製のパネル部材1に、ベースプレート22のボルト
挿通孔22aがボルト挿通孔1aと対応するように位置
決めした状態で重ね、ベースプレート22とパネル部材
1を互いにスポット溶接することによってパネル部材1
に取り付けられる。
【0057】本実施の形態によると、鉄製のナット21
とアルミニウム製のベースプレート22がろう付けによ
って結合され、ナット22が一体的に結合されたベース
プレート22をアルミニウム製のパネル部材1にスポッ
ト溶接することによってパネル部材1にボルトの螺合に
よる十分な締結強度が確保できる鉄製のナット21が取
り付けられる。
【0058】また、鉄製のナット21とアルミニウム製
のベースプレート22がろう付けによって一体的に結合
されることから、構成部品を増加させることなく軽量化
を確保しつつナット21がパネル部材1に取り付けら
れ、また、ベースプレート22とパネル部材1がスポッ
ト溶接によって結合され、かつアルミニウムろう材23
は、一般に比較的融点が低くナット21とベースプレー
ト22のろう付け作業性に優れることと相俟って、作業
の簡素化が得られて、製造コストの低減が期待できる。
【0059】(第5実施の形態)図5に示によって斜視
図によって本発明によるナット取付構造の第5実施の形
態を説明する。
【0060】符号25はアルミニウム製のナットであ
り、ナット25は、転造或いは切削によってねじ孔25
aが形成された略筒状の基部25bと、この基部25b
の一端から略面一な板状で外方に延設された取付フラン
ジ25cが一体形成された精密プレス、冷間鍛造、或い
は熱間鍛造等による鍛造品によって形成されている。こ
のナット25のねじ孔25aにはボルトの螺合による十
分な締結強度が確保できるように強度向上のための熱処
理が施される。
【0061】このねじ孔25aに施す熱処理は、ナット
の必要強度は、4.8(引張強さ400Pa≦降伏強さ
320MPa≦)のため一般にナットとして鉄を用いる
が、例えば6000系等のアルミニウム合金では引張強
さ及び降伏点強さが共に不足することから、ねじ孔25
aを高周波加熱及び急冷し、更に高周波戻し、即ち熱処
理を施してAlMgを大量に折出させて、ねじ孔25
aの表面を折出硬化させる。
【0062】熱処理によってねじ孔25aの強度が向上
したナット25は、ボルト挿通孔1aが穿設されたアル
ミニウム製のパネル部材1に、ねじ孔25aとボルト挿
通孔1aが対応するように位置決めした状態で取付フラ
ンジ25cが重ねられ、互いに重なり合う取付フランジ
25cとパネル部材1を互いにスポット溶接することに
よってパネル部材1に取り付けられる。
【0063】本実施の形態によると、熱処理によってボ
ルトの螺合による十分な締結強度が確保されたねじ孔2
5aを備えたアルミニウム製のナット25の取付フラン
ジ25cを、アルミニウム製のパネル部材1にスポット
溶接することによってパネル部材1にナット25が容易
に強度が確保された状態で取り付けられる。
【0064】また、ねじ孔25aに施す高周波加熱及び
急冷、高周波戻し等の熱処理は比較的容易で効率的に行
え、構成部品を増加させることなく軽量化を確保しつつ
十分な結合強度でナット25がパネル部材1にスポット
溶接によって結合されることと相俟って作業の簡素化が
得られて、製造コストの低減が期待できる。更に、アル
ミニウム製のナット25をアルにニウム製のパネル部材
に接合することから、異種金属が互いに接触し合ってい
る場合に起こる局部的な腐食、即ち電気化学的腐食の発
生を有効的に回避することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明した請求項1乃至請求項6に記
載のナット取付構造の発明によると、ボルトの螺合によ
る十分な締結強度が確保できる鉄製のナットが、アルミ
ニウム製のベースプレートを鍛造によって製造する際
に、或いは圧入、摩擦圧接、ろう付け等によってベース
プレートに一体的に結合され、ナットが結合されたベー
スプレートをアルミニウム製のパネル部材にスポット溶
接することによって、構成部品を増加させることなく鉄
製のナットをアルミニウム製のパネルに取り付けること
ができると共に、軽量化が得られ、作業の簡素化が得ら
れて製造コストの低減が期待できる。
【0066】また、請求項7に記載のナット取付構造の
発明によると、熱処理によってボルトの螺合による十分
な締結強度が確保されたねじ孔を備えたアルミニウム製
のナットを、アルミニウム製のパネル部材にスポット溶
接することによって、構成部品を増加させることなく軽
量化を確保しつつボルトの螺合による締結強度が確保で
きる十分な強度のねじ孔を有するナットがパネル部材に
結合できて作業の簡素化及び製造コストの低減が期待で
きる。更に、アルミニウム製のナットをアルミニウム製
のパネル部材に接合することから、電気化学的腐食の発
生を有効的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるナット取付構造の第1実施の形態
を示す要部断面図である。
【図2】本発明によるナット取付構造の第2実施の形態
の説明図であり、(a)は要部断面図、(b)は取付ブ
ラケットの斜視図である。
【図3】本発明によるナット取付構造の第3実施の形態
を示す斜視図である。
【図4】本発明によるナット取付構造の第4実施の形態
を示す断面図である。
【図5】本発明によるナット取付構造の第5実施の形態
を示す断面図である。
【図6】従来のナット取付構造の概要を示す断面図であ
る。
【図7】従来のナット取付構造の概要を示す断面図であ
る。
【図8】従来のナット取付構造の概要説明図であり、
(a)はナットとパネル部材との結合方法の説明図であ
り、(b)は概要を示す断面図である。
【図9】従来のナット取付構造の概要を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 パネル部材 1a ボルト挿通孔 11 ナット 12 ベースプレート 12a ナット収容部 12b 取付フランジ 15 ナット 15B 嵌合部 16 ベースプレート 16A ナット収容部 16e 取付フランジ 18 ナット 19 ベースプレート 21 ナット 22 ベースプレート 23 アルミニウムろう材 25 ナット 25b 基部 25c 取付フランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 聡 東京都新宿区西新宿1丁目7番2号 富士 重工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム製のパネル部材にナットを
    取り付けるナット取付構造において、 鉄製のナットと、 該ナットを内部にくるみ一体的に結合されて鍛造され、
    上記パネル部材にスポット溶接されるアルミニウム製の
    ベースプレートと、 を備えたことを特徴とするナット取付構造。
  2. 【請求項2】 上記ベースプレートは、 上記ナットを一体的に結合保持する筒状のナット収容部
    と、 該ナット収容部に延設されて上記パネル部材にスポット
    溶接される取付フランジとを有し、 上記ナット収容部及び取付フランジが精密プレス、冷間
    鍛造或いは熱間鍛造によって一体に鍛造されたことを特
    徴とする請求項1に記載のナット取付構造。
  3. 【請求項3】 アルミニウム製のパネル部材にナットを
    取り付けるナット取付構造において、 鉄製のナットと、 該ナットに形成された嵌合部を圧入する嵌合孔が穿設さ
    れると共に上記パネル部材にスポット溶接されるベース
    プレートと、 を備えたことを特徴とするナット取付構造。
  4. 【請求項4】 上記ナットの嵌合部が断面多角形状であ
    り、上記嵌合孔は該嵌合部が圧入される多角形状の孔で
    あることを特徴とする請求項3に記載のナット取付構
    造。
  5. 【請求項5】 アルミニウム製のパネル部材にナットを
    取り付けるナット取付構造において、 鉄製のナットと、 該ナットが摩擦圧接によって結合されると共に上記パネ
    ル部材にスポット溶接されるベースプレートと、 を備えたことを特徴とするナット取付構造。
  6. 【請求項6】 アルミニウム製のパネル部材にナットを
    取り付けるナット取付構造において、 鉄製のナットと、 該ナットがろう付けによって結合されると共に上記パネ
    ル部材にスポット溶接されるベースプレートと、 を備えたことを特徴とするナット取付構造。
  7. 【請求項7】 アルミニウム製のパネル部材にナットを
    取り付けるナット取付構造において、 ねじ孔が形成された基部及び該基部に延設された取付フ
    ランジが一体形成され、かつ上記ねじ孔が強度向上のた
    めの熱処理が施されたアルミニウム製のナットを備え、 該ナットの上記取付取付フランジを上記パネル部材にス
    ポット溶接したことを特徴とするナット取付構造。
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