JP5620362B2 - 定トルクボルト固定用金具 - Google Patents

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Description

本発明は、橋梁や建築物等において、構造材の接続に使用される定トルクボルトの共回り及び脱落を防止した定トルクボルト固定用金具に関するものである。
一般に、橋梁や建築物等において、構造材の接続に高力ボルト及び多角形ナットが使用されている。高力ボルトは摩擦接合であるため、型鋼や鋼板などの各種のワークを高力ボルト・ナット・ワッシャーのセットによって締結しなければならないが、締付場所によっては締め付け工具を使用する作業スペースが得られない場合がある。この場合には、ナット又はボルトが共回りするという問題があった。
そこで、高力ボルト頭部と多角形ナットとの間のワークを締め付けるために、前記高力ボルトの頭部を回転させて、前記ナットをワークに対して回転不能にナット及びワッシャーを収容し保持させるナット・ワッシャー固定キャップが知られている（特許文献１を参照）。
この公知技術は、ナット及びワッシャーを通す貫通孔が複数形成され、ワークのナットの配設面に固定されるプレートと、ナットの外形と略相似形状に形成され、前記プレートの貫通孔から挿入されるナットを収容するナット収容部と、該ナット収容部に続いて開口部側の部位に形成されたワッシャーを収容するワッシャー収容部と、開口部周縁より外側へ張出したフランジとから構成されたキャップからなり、前記プレートの各貫通孔に前記キャップの開口部を対向させて前記キャップを固定させてなるナット・ワッシャー固定キャップである。
また、ボルトの脱落及びボルトの共回りを有効に防止することができるボルト保持装置が知られている（特許文献２を参照）。
この公知技術は、一つの帯状体からなるボルト保持部材が各ボルトの頭部を覆うキャップ状のボルト係合部分とこれら係合部分を連結する連結体から成り且つ固定部材である添え板に取り付けられる固定部材係合部分とを有し、少なくとも前記固定部材係合部分が固定部材に磁気的に取り付けられるボルト保持装置である。
特許第３２０９７０９号公報 特開平９−１１９４２１号公報（図８、図９を参照） 特開平９−１１９４２１号公報（[０００７]を参照）
本発明は、橋梁や建築物等において、構造材の接続に使用される定トルクボルトの共回り及び脱落を防止した定トルクボルト固定用金具を提供することを目的とする。
本発明の定トルクボルト固定用金具は、中央に定トルクボルトの頭部を収納する湾曲凹部を備えた固定金具本体と、倒立状に前記湾曲凹部に頭部を収納し、固定部材により固定された定トルクボルトとから構成される。
前記固定部材は、前記湾曲凹部の内側面に定トルクボルトの頭部を固定する接着剤を塗布する。
前記固定部材は、前記湾曲凹部に定トルクボルトの頭部を固定するコ字状の切溝爪片を形成する。
本発明の定トルクボルト固定用金具は、中央に定トルクボルトの頭部を収納する湾曲凹部を備えた固定金具本体と、倒立状に前記湾曲凹部に頭部を収納し、固定部材により固定された定トルクボルトとから構成されるため、ボルトの脱落及びボルトの共回りを有効に防止することができると共に、締め付け忘れを防止することができる。
本発明の定トルクボルト固定用金具の正面図である。 固定金具本体の正面図である。 固定金具本体の平面図である。 本発明の定トルクボルト固定用金具を構造材に締め付け固定状態の一部断面正面図である。 本発明の定トルクボルト固定用金具を構築物の柱補強に使用する断面説明図である。 他の固定金具本体の中央断面図である。 他の固定金具本体の平面図である。
本発明の定トルクボルト固定用金具の一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図１の正面図に示すように、本発明の定トルクボルト固定用金具は、中央に定トルクボルト１の頭部２を収納する湾曲凹部３を備えた固定金具本体４と、倒立状に前記湾曲凹部３に頭部２を収納し、固定部材により固定された定トルクボルト１とから構成される。
前記定トルクボルト１は、頭部２と、胴部としてのボルトねじ部５と、該ボルトねじ部５の先端に形成した破断溝６と、該破断溝６を介して連続して設けたピンテール７から構成される。
図２の正面図及び図３の平面図に示すように、前記固定金具本体４は、金属製帯板材のプレス成型により形成され、中央に定トルクボルト１の頭部２を収納する湾曲凹部３を備え、該湾曲凹部３の周縁の前記帯板材の長手方向を立ち上げて座金収容部８を形成し、さらに両端を水平に折り曲げて連結片９，９形成する。
さらに、前記湾曲凹部３の内側面には、定トルクボルト１の頭部２を固定する固定部材として接着剤１０，１０を塗布する。本実施例では２個所としたがこれに限らず、定トルクボルト１の共回りを防止する効果を発揮するものであれば１個所でもよい。
なお、本実施例では、定トルクボルト固定用金具を単体で示したが、金属製帯板材に連続的に複数の湾曲凹部３を形成した複数個の定トルクボルト固定用金具を構成することができる。
次に、本発明の定トルクボルト固定用金具の操作動作を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図４の一部断面正面図に示すように、定トルクボルト１のボルトねじ部５にワッシャー１１を挿入し、前記ボルトねじ部５を構造材Ａ、Ｂの貫通孔に挿通し、固定金具本体４の連結片９，９を構造材Ａに溶接し、本発明の定トルクボルト固定用金具を構造材Ａ、Ｂに挿通固定する。
次に、前記構造材Ａ、Ｂに挿通固定されたボルトねじ部５にワッシャー１１を挿入し、続いて破断溝６を越える位置まで六角ナット１２を螺合させる。
この状態で、定トルクボルト１先端のピンテール７を締付機のインナースリーブ１３に嵌め込み、アウタースリーブ１４を六角ナット１２に嵌め込む。
前記締付機のスイッチを入れて、アウタースリーブ１４を回し、締め付けを行い、その後、所定のトルクに達すると破断溝６が切れてピンテール７が分離する。
破断溝６が切れたら、スイッチを切ってアウタースリーブ１４を外し、定トルクボルト１の締め付けが完了する。
図５の断面説明図に示すように、例えば構築物の柱Ｃの補強のために前記柱Ｃの周りに断面コ字状鋼板Ｄ，Ｅを巻き付けて補強をするメクラ作業の場合に、定トルクボルト１のボルトねじ部５を前記コ字状鋼板Ｄ，Ｅの貫通孔に挿通し、固定金具本体４の連結片９，９を前記コ字状鋼板Ｄ，Ｅに溶接し、本発明の定トルクボルト固定用金具を前記コ字状鋼板Ｄ，Ｅに挿通固定する。
次に、補強鋼板Ｆを前記定トルクボルト１のボルトねじ部５に挿入し、続いて破断溝６を越える位置まで六角ナット１２を螺合させる。
この状態で、図４に示す定トルクボルト１先端のピンテール７を締付機のインナースリーブ１３に嵌め込み、アウタースリーブ１４を六角ナット１２に嵌め込む。
前記締付機のスイッチを入れて、アウタースリーブ１４を回し、締め付けを行い、その後、所定のトルクに達すると破断溝６が切れてピンテール７が分離する。
破断溝６が切れたら、スイッチを切ってアウタースリーブ１４を外し、定トルクボルト１の締め付けが完了する。
そして、空隙部にセメントモルタル等を充填補充して補強する。
次に、本発明の定トルクボルト固定用金具の他の実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図６の中央断面図及び図７の平面図に示すように、前記固定金具本体４は、金属製帯板材のプレス成型により形成され、中央に定トルクボルト１の頭部２を収納する湾曲凹部３を備え、該湾曲凹部３の周縁の前記帯板材の長手方向を立ち上げて座金収容部８を形成し、さらに両端を水平に折り曲げて連結片９，９形成する。
さらに、前記湾曲凹部３には、定トルクボルト１の頭部２を固定する固定部材としてコ字状の切溝爪片１５，１５を形成する。本実施例では２個所としたがこれに限らず、定トルクボルト１の共回りを防止する効果を発揮するものであれば１個所でもよい。
なお、前記定トルクボルト１の頭部２には製品番号やロゴマーク等の凹凸が形成されており、この凹凸に前記切溝爪片１５，１５が係合することにより共回りを防止することができる。
１ 定トルクボルト
２ 頭部
３ 湾曲凹部
４ 固定金具本体
５ ボルトねじ部
６ 破断溝
７ ピンテール
８ 座金収容部
９ 連結片
１０ 接着剤
１１ ワッシャー
１２ 六角ナット
１３ インナースリーブ
１４ アウタースリーブ
１５ 切溝爪片

Claims (1)

  1. 金属製帯板材の中央に定トルクボルトの頭部を収納する湾曲凹部を備え、該湾曲凹部の周縁の前記帯板材の長手方向を立ち上げて座金収容部を形成し、さらに両端を水平に折り曲げて連結片を形成した固定金具本体と、頭部と胴部としてのボルトねじ部と該ボルトねじ部の先端に形成した破断溝と該破断溝を介して連続して設けたピンテールから構成される定トルクボルトとからなり、前記固定金具本体の前記湾曲凹部に定トルクボルトの頭部を固定するコ字状の切溝爪片を形成し、前記湾曲凹部に前記定トルクボルトの頭部を倒立状に収納することを特徴とする定トルクボルト固定用金具。
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