JP6942294B1 - 送風機およびこれを備えた空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

送風機の羽根車は、回転主板と、第1の羽根と、第2の羽根と、を備える。第1の羽根は、第1の羽根の回転軸の径方向内側に、回転主板とは反対側の端部から回転主板側に向かうに連れて翼弦長が長くなる第1傾斜面を有する。第2の羽根は、第2の羽根の回転軸の径方向内側に、回転主板とは反対側の端部から回転主板側に向かうに連れて翼弦長が長くなる第2傾斜面を有する。第2の羽根の吸込下流側の翼弦長は、第1の羽根の吸込下流側の翼弦長よりも長く、かつ、吸込上流側において第1の羽根の第1傾斜面と第2の羽根の第2傾斜面とが、第1の羽根および第2の羽根を羽根車の子午面断面で見て互いに沿っている。

Description

本開示は、空気調和装置等の筐体内に配置される送風機およびこれを備えた空気調和装置に関する。
空気調和装置等の筐体内に配置される送風機として、羽根車と、羽根車を収納するスクロールケーシングと、を備えた遠心送風機がある。羽根車は、円板状の回転主板と、複数の羽根と、リング状の保持リングと、を備えている。羽根車は、回転主板の外周部に複数の羽根の一端が固定され、複数の羽根の他端が保持リングで連結されている。この種の送風機において、複数の羽根を、回転主板と繋がっている一端側を除いて翼弦長を異ならせた第1の羽根と第2の羽根との2種類の羽根から構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−155895号公報
送風機に流入する気流は、空気調和装置の筐体内における送風機の配置位置の影響を受ける。例えば、筐体内に空気を吸入する吸入口が筐体の上面に形成され、送風機の吸込口が筐体の右側面または左側面に対向する向きで送風機が筐体内に配置されている場合がある。この場合、筐体の吸入口から流入した気流は、送風機内に流入する際、送風機の吸込口の面全体から一様に気流が流入するのではなく、筐体の吸入口が位置する上側に偏って気流が流入する。
特許文献1では、送風機を空気調和装置の筐体内に配置した場合の送風機に流入する気流の偏りについて検討されておらず、騒音および風量低下を招く可能性があった。
本開示は、上記課題を解決するためのものであり、低騒音化および高風量化を図ることが可能な送風機およびこれを備えた空気調和装置を提供することを目的とする。
本開示に係る送風機は、羽根車を備えた送風機であって、羽根車は、回転軸を中心として回転する回転主板と、回転主板の一方の面に、回転軸の径方向に延びるように一端が固定された第1の羽根と、回転主板の一方の面に、回転軸の径方向に延びるように一端が固定された第2の羽根と、を備え、第1の羽根は、第1の羽根の回転軸の径方向内側に、回転主板とは反対側の端部から回転主板側に向かうに連れて翼弦長が長くなる第1傾斜面を有し、第2の羽根は、第2の羽根の回転軸の径方向内側に、回転主板とは反対側の端部から回転主板側に向かうに連れて翼弦長が長くなる第2傾斜面を有し、第1の羽根の第1傾斜面の回転主板側の端部を境に、回転軸の軸方向の回転主板側を吸込下流側、回転主板と反対側を吸込上流側と定義するとき、第2の羽根の吸込下流側の翼弦長は、第1の羽根の吸込下流側の翼弦長よりも長く、かつ、吸込上流側において第1の羽根の第1傾斜面と第2の羽根の第2傾斜面とが、第1の羽根および第2の羽根を羽根車の子午面断面で見て互いに沿っており、第2傾斜面の回転主板側の端部が第1傾斜面の回転主板側の端部よりも回転主板側に位置しているものである。
本開示に係る空気調和装置は、上記の送風機と、送風機を収容する筐体と、を備えたものである。
本開示によれば、吸込下流側の翼弦長が第1の羽根よりも長い第2の羽根を備えたので、渦流の発生を抑制でき、低騒音化を実現できる。また、吸込上流側において、第2の羽根の第2傾斜面と第1の羽根の第1傾斜面とが互いに沿っているので、羽根車に流入した気流の阻害を抑制して吹き出すことが可能であり、高風量化を実現できる。
実施の形態1に係る空気調和装置の冷媒回路構成を示す図である。 実施の形態1に係る空気調和装置の室内機の構成を示す概略斜視図である。 実施の形態1に係る送風機の斜視図である。 実施の形態1に係る送風機の羽根車9の斜視図である。 実施の形態1に係る送風機の羽根車9を回転軸20に垂直な方向で切断した断面図である。 実施の形態1に係る送風機の羽根車9を回転軸20に垂直な方向で切断した断面図である。 図6のA−A概略断面図である。 図6のB−B概略断面図である。 図7と図8とを重ねた概念図である。 実施の形態1に係る空気調和装置の室内機における気流の説明図である。 実施の形態1に係る送風機内の気流の説明図である。 比較例を示す図であって、送風機による気流を示す、図11のC−C位置での送風機の概略断面図である。 実施の形態1に係る送風機による気流を示す、図11のC−C位置での送風機の概略断面図である。 実施の形態1に係る送風機による低騒音化効果を確認した試験結果を示す図である。 実施の形態1に係る送風機による高風量化効果を確認した試験結果を示す図である。 実施の形態1に係る送風機による流量改善効果を確認した試験結果を示す図である。 実施の形態1に係る送風機による気流を示す、図11のC−C位置での送風機および送風機に隣接する筐体の内壁の概略断面図である。 図17の配置構成の場合における流量改善効果を確認した試験結果を示す図である。 実施の形態2に係る羽根車を回転軸に垂直な方向で切断した断面図である。 実施の形態2に係る羽根車の第1の羽根および重ね合わせた子午面断面を示す図である。 実施の形態2に係る羽根車を備えた送風機の性能改善効果を確認した試験結果を示す図である。 実施の形態3に係る羽根車を回転軸に垂直な方向で切断した断面図である。 実施の形態3に係る羽根車の第1の羽根と第2の羽根との間の気流を示す概念図である。 実施の形態3に係る羽根車の第1の羽根および第2の羽根の形状を比較して示す図である。
以下に、本開示に係る空気調和装置の実施の形態について説明する。なお、図面の形態は一例であり、本開示を限定するものではない。また、各図において同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。さらに、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和装置200の冷媒回路構成を示す図である。図1において、白抜き矢印は空気の流れ、実線矢印は冷媒の流れを示している。
空気調和装置200は、室内空間300に配置される室内機201と、屋外空間301に配置される室外機202とを備えている。室内機201と室外機202とは、冷媒配管400によって繋がれて、冷媒が循環する冷媒回路を構成している。
室外機202は、筐体202a内に、圧縮機100と、四方弁101と、室外熱交換器102と、減圧装置103と、送風機104と、を備えた構成を有する。
室内機201は、筐体201a内に、室内熱交換器17と、送風機10と、を備えた構成を有する。室内熱交換器17は、複数の伝熱管と複数のフィンとを備えたフィンチューブ熱交換器で構成されている。伝熱管は、断面形状が円形状のものでもよいし、扁平形状のものでもよい。室内熱交換器17は、フィンチューブ熱交換器に限られたものではなく、他の形式の熱交換器でもよい。室内熱交換器17における冷媒の流れ方向は、送風機10の回転軸20に沿う方向でもよいし、回転軸20に直交する方向でもよい。また、図1中の室内機201は、壁掛け型を示しているが、形態を限定するものではなく、床置き型、天井吊り下げ型または天井埋め込み型でもよい。
次に、空気調和装置200の動作を冷房運転を例に説明する。圧縮機100にて高温高圧ガスとなった冷媒は、四方弁101を介して室外熱交換器102に流れ、送風機104からの室外の空気へ放熱して液相冷媒または液主体冷媒となる。液相冷媒または液主体冷媒となって室外熱交換器102から流出した冷媒は、減圧装置103にて減圧されて低温低圧の二相冷媒となり、室内機201の室内熱交換器17に流入する。室内熱交換器17へ流入した低温低圧の二相冷媒は、送風機10からの室内の空気と熱交換を行った後、再度四方弁101を介して圧縮機100へ戻る。以上のように冷媒が冷媒回路を循環することにより冷房運転を行う。
図2は、実施の形態1に係る空気調和装置200の室内機201の構成を示す概略斜視図である。
[室内機の全体構成]
室内機201の筐体201a内には、送風機10が2台配置されている。送風機10の台数は、ここでは高性能化のため2台としたが、2台に限定されるものではなく1台でもよいし、3台以上でもよい。また、筐体201a内には、送風機10を駆動するモータ(後述の図11)が配置されている。
筐体201aの上面には吸入口201aaが形成され、筐体201aの前面には吹出口201abが形成されている。筐体201a内には、吸入口201aaから筐体201a内に流入した気流AFが、吹出口201abから筐体201a外に吹き出される風路が形成されている。室内熱交換器17は、吸入口201aaから吹出口201abに至る風路内の空気上流に配置されている。風路内の空気下流には送風機10が配置されている。各送風機10は、筐体201a内における気流に直交する方向に並んで配置されている。図2では、送風機10が室内熱交換器17の空気下流に配置されているが、室内熱交換器17の空気上流に配置されてもよい。各送風機10は、モータ13の回転軸20に接続され、モータ13により駆動される。
[送風機]
図3は、実施の形態1に係る送風機10の斜視図である。図4は、実施の形態1に係る送風機10の羽根車9の斜視図である。図5は、実施の形態1に係る送風機10の羽根車9を回転軸20に垂直な方向で切断した断面図である。なお、以下の説明において、回転軸20が延びる方向を軸方向、軸方向に垂直な方向を径方向、回転軸20周りの方向を周方向という。
送風機10は、気流を発生させる羽根車9と、羽根車9を収容するケーシング8と、を有する遠心送風機である。羽根車9は、図4に示すように円板状の回転主板1と、複数の第1の羽根31および第2の羽根32と、リング状の保持リング71と、を備えている。複数の第1の羽根31および第2の羽根32は、回転主板1の一方の面の外周部に一端が固定され、他端が保持リング71に固定されている。複数の第1の羽根31および第2の羽根32は、例えば湾曲した長方形の板状に構成されており、回転主板1の一方の面に、回転軸20の径方向に延びるようにして固定されている。ここで、径方向に延びるとは、回転主板1に固定された羽根の固定部分の長手方向の一端が、長手方向の他端よりも径方向内側に位置することを指す。また、複数の第1の羽根31および第2の羽根32は、回転軸20を中心として環状に配置されている。
図4および図5に示すように、第2の羽根32は、羽根車9の回転軸20を中心とする周方向に等間隔に配置されている。第1の羽根31は、第2の羽根32同士の間に1枚配置されている。第2の羽根32同士の間に配置される第1の羽根31の枚数は1枚に限られず2枚以上でも良い。第1の羽根31は、隣接する第1の羽根31または第2の羽根32との間隔が等しくなるように配置されている。
羽根車9は、回転主板1の一方の面側だけでなく、他方の面側にも複数の第1の羽根31および第2の羽根32が配置されて固定されている(後述の図12参照)。そして、上記と同様に、第1の羽根31および第2の羽根32の回転主板1と反対側の他端が保持リング71に固定されている。なお、羽根車9は、回転主板1の両面に複数の第1の羽根31および第2の羽根32が配置された構成に限らず、図4に示したように回転主板1の一方の面側のみに複数の第1の羽根31および第2の羽根32が配置された構成でもよい。
ケーシング8は、羽根車9から吹き出された気流を整流するものである。ケーシング8は、図3に示すように羽根車9が発生させた気流を渦巻状に導くスクロール部8aと、気流を吐出する吐出口8b1を有する吐出部8bと、を備える。スクロール部8aは、回転軸20方向の両側から羽根車9を覆う2つの側壁8aaと、回転軸20の径方向から羽根車9を囲む周壁8abと、を有する。2つの側壁8aaのそれぞれには、空気を吸い込むための吸込口8a1が形成されている。周壁8abは、羽根車9の周方向に沿って滑らかに湾曲する曲面を構成している。
次に、羽根車9の詳細について説明する。
図6は、実施の形態1に係る送風機10の羽根車9を回転軸20に垂直な方向で切断した断面図である。図6には、断面位置A−Aおよび断面位置B−Bを示している。なお、図6は図5とは異なる軸方向位置で羽根車9を回転軸20に垂直な方向で切断した断面図である。図7は、図6のA−A概略断面図である。図8は、図6のB−B概略断面図である。図9は、図7と図8とを重ねた概念図である。図9は、第1の羽根31および第2の羽根32のそれぞれの羽根形状を回転軸20に沿って回転投影した形状を重ね合わせた子午面断面に相当する。
第1の羽根31は、図7に示すように、回転軸20の径方向内側に、回転主板1とは反対側の端部から回転主板1側に向かうに連れて翼弦長が長くなる第1傾斜面31aを有する。第1の羽根31の径方向内側面のうち第1傾斜面31aよりも回転主板1側の径方向内側面31bは、翼弦長が一定になるように構成された、回転軸20に平行な平面となっている。なお、径方向内側面31bは、平面に限られたものではなく、翼弦長が変化するように構成された傾斜面でもよい。以下、第1の羽根31の第1傾斜面31aの回転主板1側の端部31aaを境に、軸方向の回転主板1側を吸込下流側、回転主板1と反対側を吸込上流側と定義する。
第2の羽根32は、図8および図9に示すように吸込下流側の翼弦長が、第1の羽根31の吸込下流側の翼弦長よりも長い構成を有する。また、第2の羽根32は、第2の羽根32の回転軸20の径方向内側に、回転主板1とは反対側の端部から回転主板1側に向かうに連れて翼弦長が長くなる第2傾斜面32aを有する。第2の羽根32の径方向内側面のうち第2傾斜面32aよりも回転主板1側の径方向内側面32bは、翼弦長が一定になるように構成された、回転軸20に平行な平面となっている。なお、径方向内側面32bは、平面に限られたものではなく、翼弦長が変化するように構成された傾斜面でもよい。
そして、図9に示すように第2の羽根32の第2傾斜面32aと第1の羽根31の第1傾斜面31aとは、子午面断面で見て互いに沿っている。
ここで、「沿っている」についてさらに詳しく説明すると、以下の(1)および(2)の両方を満足する状態を指す。
(1)羽根高さ方向(軸方向)をz方向とし、回転主板1のz方向の位置を高さ0とするとき、ある羽根高さzにおける、後述の内径D1と後述の内径D2との差であるD2−D1が、内径D1に対し5%以内である。なお、内径D1とは、図6に示すように、各第1の羽根31の径方向内側の端部を同じ羽根高さ位置で繋いだ第1仮想円Caの内径である。第1仮想円Caは、第1の羽根31の径方向内側の端部を通る回転軸20を中心とした円である。内径D2とは、図6に示すように、各第2の羽根32の径方向内側の端部を同じ羽根高さ位置で繋いだ第2仮想円Cbの内径である。第2仮想円Cbは、第2の羽根32の径方向内側の端部を通る回転軸20を中心とした円である。
(2)第1傾斜面31aにおける第1仮想円Caの内径変化率と第2傾斜面32aにおける第2仮想円Cbの内径変化率とが等しい。なお、内径変化率とは、図9に示すようにある羽根高さをdz、その羽根高さdzにおける内径の変化分をdDとしたとき、dD/dzである。
羽根の諸元である羽根枚数、羽根高さ、羽根の入口角および羽根の出口角は、限定するものではなく、送風機の動作点に合わせて自由に設計すればよい。羽根の面形状は、羽根を羽根車9の回転方向後方に凹む凹面を形成することが望ましい。これは、低静圧の動作域における高風量化効果および低騒音化効果が得られるためである。また、回転主板1の回転軸20近傍、つまり回転主板1の径方向内側には、モータ13等を室内機201の筐体201a内に高気密に実装するために、羽根高さ方向に凸の凸面を形成してもよいし、しなくてもよい。保持リング71は、第1の羽根31および第2の羽根32の他端側であれば、第1の羽根31および第2の羽根32の外周側に設けてもよいし、第1の羽根31および第2の羽根32の羽根高さ方向の回転主板1と反対側の端面に設けてもよい。
図10は、実施の形態1に係る空気調和装置200の室内機201における気流の説明図である。図11は、実施の形態1に係る送風機10内の気流の説明図である。図11の断面位置C−Cは、後述の図12および図13にて参照される。
筐体201a内に流入して室内熱交換器17を通過した気流AF1は、2台の送風機10の間の空間に流入した後、軸方向に互いに逆方向に分離し、各送風機10の吸込口8a1から各送風機10内に流入する。また、筐体201a内に流入して室内熱交換器17を通過後、筐体201a内の軸方向両端部を通過した気流AF2は、筐体201aの軸方向両端の内壁に沿って流れた後、各送風機10の吸込口8a1から送風機10内に流入する。
送風機10内に流入した気流は、羽根車9にて加速されて、図11に示すように羽根車9の径方向外側に向かって吹き出される。羽根車9から吹き出された気流は、スクロール部8a内を周壁8abに沿って流れ、吐出部8bの吐出口8b1から吐出される。ここで、羽根車9から径方向外側に向かって吹き出された気流は、増速気流111および増圧気流112となって吐出口8b1から吐出される。増速気流111とは、羽根車9で加速されて直接吐出口8b1に向かう気流である。増圧気流112とは、スクロール部8aにて速度成分が動圧から静圧に変換されて吐出口8b1に向かう気流である。
図10に戻り、送風機10の吐出口8b1から吐出された気流は、筐体201aの吹出口201abから室内空間300へ吐出される。各送風機10から吐出された気流は、筐体201a内にて合流後に室内空間300から吐出されるようにしてもよい。
ここで、送風機10内に流入する気流は、図1に示すように筐体201aの上面に形成された吸入口201aaからの気流である。このため、送風機10内に流入する気流は、ケーシング8に形成された吸込口8a1の面全体から均一な状態で流入するのではなく、吸込口8a1内の上側領域から偏った状態で流入する。つまり、気流は、吸込口8a1の周方向に一様ではなく、周方向の一部に偏った状態で吸込口8a1からケーシング8内に流入する。このような気流の偏りは、筐体201aの吸入口201aaと送風機10の吸込口8a1との位置関係に起因して生じる他、以下の場合に生じる。すなわち、筐体201a内に複数の送風機10が隣接して配置されていて、吸込口8a1周囲に十分な空間が無い場合に送風機10内に流入する気流に偏りが生じる。また、送風機10の吸込口8a1と筐体201aの内壁との距離が近く、送風機10の吸込口8a1周囲に十分な空間が無い場合なども同様に、送風機10内に流入する気流に偏りが生じる。
実施の形態1の送風機10は、このような気流の偏りが生じるような配置条件下に配置されても、低騒音化および高風量化を図るために、上記した構成を採用している。
次に、上記した構成の送風機10における性能改善効果について説明する。
まず、比較例の送風機を、図1の室内機201の筐体201a内に配置した例について説明する。
図12は、比較例を示す図であって、送風機1010による気流を示す、図11のC−C位置での送風機1010の概略断面図である。図12は特に、筐体201a内に複数台の送風機1010が隣接して配置されていて、送風機1010の吸込口80a1周囲に十分な空間が無い配置構成の場合の気流の説明図である。複数台の送風機1010は、吸込口80a1同士が対向するようにして軸方向に並んで配置されている。具体的には、隣接する送風機1010の吸込口80a1が形成された側壁80aa同士の軸方向の距離Lが、吸込口80a1の開口径をDinとしたとき、2Din以内となるように配置されている。
このような配置構成では、上述したように、筐体201aの吸入口201aa(図2参照)からの気流110は、吸込口80a1の全体から均一に流入せずに、図12に示すように周方向の一部(ここでは上側)に偏って流入する。また、比較例の送風機1010では、羽根310の形状および大きさが全ての羽根310で同じ構成を有する。このため、図12示すように子午面方向に気流を見たとき、羽根車90内に偏って流入して羽根車90から偏り方向(上方向)に吹き出す増圧気流112は、回転主板1001からの剥離が大きくなる。したがって、回転主板1とスクロール部8aの側壁80aaとの間に発生する渦流113が大きくなり、騒音値が大きくなる。ここで、全ての羽根310の羽根全体の翼弦長を一様に延伸すると、翼間の気流の発達により渦流113の縮小を図ることはできるが、一方で増速気流111の通風を阻害し、風量が低下する。
図13は、実施の形態1に係る送風機10による気流を示す、図11のC−C位置での送風機10の概略断面図である。図13は、図12と同様に、筐体201a内に複数の送風機10が隣接して配置されていて、送風機10の吸込口8a1周囲に十分な空間が無い配置構成の場合の気流の説明図である。複数台の送風機10は、吸込口8a1同士が対向するようにして軸方向に並んで配置されている。具体的には、隣接する送風機10の吸込口8a1が形成された側壁8aa同士の軸方向の距離Lが、吸込口8a1の開口径をDinとしたとき、2Din以内となるように配置されている。ここで、隣接する送風機10の各側壁8aaは、互いに平行で、かつ回転軸20に直交する方向に延びているものとする。しかし、隣接する送風機10の各側壁8aaが互いに平行でない場合等の構造の場合、距離Lは、各側壁8aaにおける吸込口8a1形成部分同士の距離を指すものとする。
上述したように、全ての羽根310の羽根全体の翼弦長を一様に延伸すると、渦流113の縮小を図ることができる一方で風量が低下する。そこで、実施の形態1では、一部の羽根について翼弦長を延伸し、渦流の縮小と風量の向上を図っている。具体的には、第2の羽根32の翼弦長を、第1の羽根31の翼弦長よりも長くしている。特に、第2の羽根32の吸込下流側の翼弦長を、第1の羽根31の吸込下流側の翼弦長よりも長くしている。これにより、全ての羽根310の羽根全体の翼弦長を一様に延伸した場合に比べて、吸込下流側の増速気流111の通風を大きく阻害することなく、渦流113の発生を抑制できる。
図13に示すように気流を子午面方向に見たとき、羽根車9内に偏って流入した気流であって、羽根車9から偏り方向(上方向)に吹き出す増圧気流112は、第2の羽根32の吸込下流側の翼弦長が第1の羽根31の吸込下流側の翼弦長より長いことで発達し、回転主板1からの剥離が小さくなる。増圧気流112の回転主板1からの剥離が小さくなることで、渦流113が小さくなり、騒音値が低減される。つまり、気流の偏りが生じるような配置条件下に送風機10が配置されても、第2の羽根32の作用により、騒音値を低減できる。
また、実施の形態1の構成においては、吸込上流側に関し、第1の羽根31の第1傾斜面31aと第2の羽根32の第2傾斜面32aとが互いに沿っていることで、気流の偏りが生じるような配置条件下に送風機10が配置されても、高風量化が可能となる。この点について以下に説明する。
ここで、増速気流111は、気流の速度成分と圧力成分のうち、速度成分が大きい流れであり、流路が狭くなる時の縮流によるエネルギー損失が大きい。具体的には、エネルギー損失は、流速の2乗に比例する。第1の羽根31の第1傾斜面31aと第2の羽根32の第2傾斜面32aとが互いに沿っていない場合、以下に説明するようにエネルギーの散逸が大きくなる。
2つの羽根の傾斜面同士が沿っていないということは、ある羽根高さ位置における一方の羽根の翼弦長と他方の羽根の翼弦長とに、長短があるということである。よって、羽根車9に流入した気流は、翼弦長が長い方の羽根の傾斜面で第1回の縮流を発生させ、続いて翼弦長が短い方の羽根の傾斜面で第2回の縮流を発生させ、エネルギーの散逸が大きくなる。一方、2つの羽根の傾斜面同士が沿っている場合には、羽根車9に流入した気流により縮流が発生するのは1回のみとなり、エネルギーの散逸を小さくできる。このように第2の羽根32の第2傾斜面32aと第1の羽根31の第1傾斜面31aとが沿っていることで、気流のエネルギー損失を抑えることができる。つまり、羽根車9に流入した気流の阻害を抑制して吹き出すことが可能であり、低騒音化と高風量化の両立が可能である。
図14は、実施の形態1に係る送風機10による低騒音化効果を確認した試験結果を示す図である。図14の横軸は流量係数φ、縦軸は比騒音[dBA]である。図15は、実施の形態1に係る送風機10による高風量化効果を確認した試験結果を示す図である。図15の横軸は流量係数φ、縦軸は圧力係数ψである。
図14より、実施の形態1は、比較例の構成に比べて低騒音化が実現されていることが分かる。また、図15より、実施の形態1は、比較例の構成に比べて高風量化が実現されていることが分かる。
次に、比距離と流量改善効果との関係について検討する。比距離は、(L/Din)×100により算出される。LおよびDinについては図13を参照されたい。
図16は、実施の形態1に係る送風機10による流量改善効果を確認した試験結果を示す図である。図16の横軸は比距離である。図16の縦軸は流量改善効果[%]であって、ある圧力における比較例の構成の最大流量改善効果に対する、実施の形態1の構成の流量改善効果の比率である。流量改善効果[%]は、具体的には送風機10からの吹出流量を用いて算出している。流量改善効果が0%のとき、実施の形態1の構成の流量改善効果が、比較例の構成における最大性能改善効果と同じであることを示す。
図16に示すように、比距離を75%から200%とすることで、言い換えれば、0.75Din<L<2Dinとすることで、比較例よりも30%以上増の十分な流量改善効果を得ることができる。
なお、比距離が比較的大きい場合には、比較例の構成においても、気流の偏流に起因する渦流が小さくなる。このため、比較例に対する実施の形態の構成の渦流低減効果は低下する。よって、比距離が200%を超えると、流量改善効果が30%を切った結果となっている。また、比距離が比較的小さい場合には、送風機10からの吹出流量が低下する。このため、比距離が小さくなるに連れて流量改善効果は低下し、0%に漸近する。比距離が75%未満となると、流量改善効果が30%を切った結果となっている。
なお、図13〜図16では、筐体201a内に複数(ここでは2台)の送風機10が隣接して配置されていて、送風機10の吸込口8a1周囲に十分な空間が無い場合の流量改善効果について説明した。次の図17および図18では、送風機10の吸込口8a1と筐体201aの内壁との距離が近く、送風機10の吸込口8a1周囲に十分な空間が無い場合に、十分な流量改善効果が得られる比距離について検討する。
図17は、実施の形態1に係る送風機10による気流を示す、図11のC−C位置での送風機10および送風機10に隣接する筐体201aの内壁24の概略断面図である。図17は特に、送風機10の吸込口と筐体201aの内壁との距離が近く、送風機10の吸込口8a1周囲に十分な空間が無い場合の気流の説明図である。図18は、図17の配置構成の場合における流量改善効果を確認した試験結果を示す図である。図18の横軸は比距離L0/Din×100を示している。L0は、送風機10の吸込口8a1が形成された側壁8aaと筐体201aの内壁24との軸方向の距離である。Dinは、吸込口8a1の開口径である。図18の縦軸は流量改善効果[%]であって、ある圧力における比較例の構成の最大流量改善効果に対する、実施の形態1の構成の流量改善効果の比率である。流量改善効果が0%のとき、実施の形態1の構成の流量改善効果が、比較例の構成における最大性能改善効果と同じであることを示す。
この構成では、比距離を37%から100%とすることで、言い換えれば、0.37Din<L<Dinとすることで、比較例よりも30%以上増の十分な流量改善効果を得ることができる。
以上説明したように実施の形態1の送風機10は、羽根車9を備えている。羽根車9は、回転軸20を中心として回転する回転主板1と、回転主板1の一方の面に、回転軸20の径方向に延びるように一端が固定された第1の羽根31と、回転主板1の一方の面に、回転軸20の径方向に延びるように一端が固定された第2の羽根32と、を備える。第1の羽根31は、第1の羽根31の回転軸20の径方向内側に、回転主板1とは反対側の端部ら回転主板1側に向かうに連れて翼弦長が長くなる第1傾斜面31aを有する。第2の羽根32は、第2の羽根32の回転軸20の径方向内側に、回転主板1とは反対側の端部ら回転主板1側に向かうに連れて翼弦長が長くなる第2傾斜面32aを有する。ここで、第1の羽根31の第1傾斜面31aの回転主板1側の端部31aaを境に、回転軸20の軸方向の回転主板1側を吸込下流側、回転主板1と反対側を吸込上流側と定義する。この定義を用いると、第2の羽根32の吸込下流側の翼弦長は、第1の羽根31の吸込下流側の翼弦長よりも長い。かつ、吸込上流側において第1の羽根31の第1傾斜面31aと第2の羽根32の第2傾斜面32aとが、第1の羽根31および第2の羽根32を子午面断面で見て互いに沿っている。
このように、吸込下流側の翼弦長が第1の羽根31よりも長い第2の羽根32を備えたので、吸込下流側の気流を大きく阻害することなく気流を発達させて渦流の発生を抑制でき、低騒音化を実現できる。また、吸込上流側において、第2の羽根32の第2傾斜面32aと第1の羽根31の第1傾斜面31aとが互いに沿っているので、羽根車9に流入した気流の阻害を抑制して吹き出すことが可能であり、高風量化を実現できる。
実施の形態1の空気調和装置200は、送風機10を複数台備える。複数台の送風機10は、送風機10の吸込口8a1同士が対向するようにして軸方向に離間して並んで配置されている。送風機10の吸込口8a1の開口径をDin、隣接する送風機10の吸込口8a1が形成された側壁8aa同士の軸方向の距離をLとしたとき、0.75Din<L<2Dinが成り立つ。
また、実施の形態1の空気調和装置200は、送風機10の吸込口8a1が形成された側壁8aaと吸込口8a1に対向する筐体201aの内壁24との軸方向の距離をL0としたとき、0.37Din<L0<Dinが成り立つ。
これにより、十分な流量改善効果を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1の第1の羽根31および第2の羽根32に関して言及したものである。その他の構成は実施の形態1と同様である。以下、実施の形態2が実施の形態1と異なる構成を中心に説明するものとし、実施の形態2で説明されていない構成は実施の形態1と同様である。
図19は、実施の形態2に係る羽根車9Aを回転軸20に垂直な方向で切断した断面図である。図20は、実施の形態2に係る羽根車9Aの第1の羽根31および第2の羽根32のそれぞれの羽根形状を回転軸20に沿って回転投影した形状を重ね合わせた子午面断面を示す図である。
実施の形態2に係る羽根車9Aは、以下の(1)および(2)の構成を有する。
(1)羽根車9Aの外径D0に対する第1仮想円Caの内径D1の比率である内外径比率(D1/D0)×100と、羽根車9の外径D0に対する第2仮想円Cbの内径D2の比率である内外径比率(D2/D0)×100とが、共に65%より大きい。(1)の構成は、図19を用いて説明すると、第1仮想円Caおよび第2仮想円Cbが、「0.65D0」の点線円よりも径方向外側に位置する構成であることを意味する。また、(1)の構成は、図20を用いて説明すると、「0.65D0」の点線よりも回転軸20から離れる側に、第1の羽根31および第2の羽根32のそれぞれの径方向内側面が位置することを意味する。
(2)第2仮想円Cbの内外径比率(D2/D0)×100が、吸込下流側において80%より小さい。(2)の構成は、図20を用いて説明すると、第2の羽根32の吸込下流側の径方向内側面32bが、「0.8D0」の点線よりも回転軸20側に位置することを意味する。
図21は、実施の形態2に係る羽根車9Aを備えた送風機10の性能改善効果を確認した試験結果を示す図である。図21には、D2<D1かつ第1仮想円Caの内外径比率(D1/D0)×100>65%の条件で整理した性能改善効果を示している。性能改善効果は、ファン効率比のグラフで示している。図21の横軸は第2仮想円Cbの内外径比率(D2/D0)×100、縦軸は比較例の構成の最大ファン効率に対する実施の形態2の構成のファン効率の比である。縦軸が0%のとき、実施の形態2の構成のファン効率が、比較例の構成における最大ファン効率と同じであることを示す。
図21に示すように、性能改善効果を示すグラフは上に凸のグラフとなり、第2仮想円Cbの内外径比率が65%より大きく、80%より小さい範囲で、高い性能改善効果が得られている。なお、図21のグラフにおいてピークとなる第2仮想円Cbの内外径比率は、送風機10の風量−静圧の動作点変更により変化するものの、65%より大きく、80%より小さい範囲に収まる。
なお、図21において、第2仮想円Cbの内外径比率が65%から50%に近づくに連れ、ファン効率比が低下している。これは、第2の羽根32の翼弦長が適正な翼弦長よりも長すぎることで、増速気流111の風量低下による性能ロスが生じることに因る。また、第2仮想円Cbの内外径比率が80%から90%に近づくに連れ、ファン効率比が低下している。これは、第2の羽根32の翼弦長が適正な翼弦長よりも短かすぎることで、増圧気流112の渦流113による性能ロスが生じることに因る。
以上、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、以下の効果が得られる。すなわち、上記(1)および(2)の構成を有することで、送風機10の性能が向上し、同等入力当たりの風量が向上する。
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1および実施の形態2の第2の羽根32について言及したものである。その他の構成は実施の形態1および実施の形態2と同様である。以下、実施の形態3が実施の形態1および実施の形態2と異なる構成を中心に説明するものとし、実施の形態3で説明されていない構成は実施の形態1および実施の形態2と同様である。
図22は、実施の形態3に係る羽根車9Bを回転軸20に垂直な方向で切断した断面図であって、断面位置D−Dおよび断面位置E−Eを表す図である。図23は、実施の形態3に係る羽根車9Bの第1の羽根31と第2の羽根32との間の気流を示す概念図である。図24は、実施の形態3に係る羽根車9Bの第1の羽根31および第2の羽根32の形状を比較して示す図で、図22のD−D断面図とE−E断面図とを重ねて気流を示した概念図である。
実施の形態3に係る羽根車9Bは、以下の関係を有する。図23に示すように第1仮想円Caの内径D1と第2仮想円Cbの内径D2との差の半分である(D1−D2)/2が、隣接する第2の羽根32間の第2仮想円Cb上の距離π(D2)/(n2)よりも短い。n2は、第2の羽根32の枚数である。なお、π(D2)/(n2)は、ここでは羽根の厚みは無視して算出されたものである。第1仮想円Caの内径D1および第2仮想円Cbの内径D2は羽根高さ位置によって異なるが、上記の関係は、吸込上流側はもとより、第2の羽根32の翼弦長を第1の羽根31の翼弦長よりも長くした、吸込下流側の羽根高さ位置において成り立つ。
ここで、配管内に流体が流れる状態を想定すると、配管の長さが長くなるに連れて、配管の内周面に流れる乱流の境界層の発達が促進され、騒音を招く。この関係を、π(D2)/(n2)と(D1−D2)/2とを用いた関係に置き換えて想定する。この場合、直径がπ(D2)/(n2)、配管の長さが(D1−D2)/2の配管が想定され、(D1−D2)/2の長さが長くなるに連れ、第2の羽根32の翼面42における乱流の境界層の発達が促進されることになる。
そこで、実施の形態3では、(D1−D2)/2をπ(D2)/(n2)よりも短くすることで、第2の羽根32の翼面42における乱流の境界層50の発達を抑制する。図23には、第2の羽根32の翼面42における乱流の境界層50の発達が、第1の羽根31の翼面41によって抑制されていることが示されている。図23の符号51は、乱流の境界層50の発達が抑制された部分を示している。乱流の境界層50の発達が抑制されることで、低騒音化が可能となる。なお、上記では、(D1−D2)/2がπ(D2)/(n2)よりも短いとしたが、この関係は0<(D1−D2)<2π(D2)/(n2)と表現できる。つまり、0<(D1−D2)<2π(D2)/(n2)が成り立つことで、低騒音化が可能となる。
図24において第2の羽根の吸込上流側を通過する気流62は、吸込下流側を通過する気流61に比べて、回転軸20を通る断面である子午面断面でみて軸方向の速度成分が大きい。このため、気流62は、気流61に比べて、隣接する各第2の羽根32の翼面間に流入してから第1の羽根31の翼面41に到達するまでの到達距離が長い。図24において太線で示した部分の長さが、各気流の到達距離を示している。この到達距離が羽根間距離に対して長くなるほど、乱流の境界層50の発達が促進されて騒音を招く。
しかし、第2の羽根32は、吸込上流側に第2傾斜面32aを有しているので、傾斜面を備えずに吸込上流側の翼弦長を吸込下流側の翼弦長と同じ長さとした場合と比較して、気流が第2の羽根32の翼面間に流入してから第1の羽根31の翼面41に到達するまでの到達距離の短尺化が図られている。さらに、本実施の形態3の羽根車9Bは、以下に説明する関係を有する。
Δ=(D1−D2)/(2π(D2)/(n2))と定義すると、吸込下流側の羽根高さ位置のΔであるΔ1と、吸込上流側の羽根高さ位置のΔであるΔ2とが、Δ1>Δ2の関係を有する。この関係を有することで、吸込上流側の境界層の発達がより抑制され、高い低騒音化効果を得ることができる。
なお、第1の羽根31の枚数をn1として、特にπ(D2)/(n2)>π(D1+D2)/{2(n1+n2)}とすることで、第2の羽根32による特に増速気流111の送風量の低減を抑制でき、高風量化が可能となる。この不等式の左辺は、隣接する第2の羽根32間の第2仮想円Cb上の距離に相当する。この不等式の右辺は、第1の羽根31と第2の羽根32を区別せずに、隣接する羽根同士の周方向の各距離の平均を取った値に相当する。
つまり、π(D2)/(n2)>π(D1+D2)/{2(n1+n2)}とすることで、気流が第2の羽根32の翼面42間に流入して径方向外側に向かって吹き出される流れにおいて、いわば気流の流入口となる上流側の流路断面積を、下流側の流路断面積よりも広く確保できる。これにより、上流側の流路断面積を下流側の流路断面積よりも狭くした逆の構成の場合に生じる気流流入時の圧力損失を避けることができ、増速気流111の送風量の低減を抑制できて高風量化が可能となる。
なお、上記実施の形態1〜3では、羽根車が第1の羽根31と第2の羽根32とを有する構成を説明したが、第2の羽根32よりも全体的に翼弦長が小さければ、第1の羽根31と翼弦長が異なる第3の羽根33を設けてもよい。
また、上記実施の形態1〜3では、送風機10が室内機201に搭載されるものとして説明したが、室外機202に搭載されてもよい。この場合も同様の効果が得られる。
1 回転主板、8 ケーシング、8a スクロール部、8a1 吸込口、8aa 側壁、8ab 周壁、8b 吐出部、8b1 吐出口、9 羽根車、9A 羽根車、9B 羽根車、10 送風機、13 モータ、17 室内熱交換器、20 回転軸、24 内壁、31 第1の羽根、31a 第1傾斜面、31aa 端部、31b 径方向内側面、32 第2の羽根、32a 第2傾斜面、32b 径方向内側面、33 第3の羽根、41 翼面、42 翼面、50 境界層、61 気流、62 気流、71 保持リング、80a1 吸込口、80aa 側壁、90 羽根車、100 圧縮機、101 四方弁、102 室外熱交換器、103 減圧装置、104 送風機、110 気流、111 増速気流、112 増圧気流、113 渦流、200 空気調和装置、201 室内機、201a 筐体、201aa 吸入口、201ab 吹出口、202 室外機、202a 筐体、300 室内空間、301 屋外空間、310 羽根、400 冷媒配管、1001 回転主板、1010 送風機。

Claims (8)

  1. 羽根車を備えた送風機であって、
    前記羽根車は、
    回転軸を中心として回転する回転主板と、
    前記回転主板の一方の面に、前記回転軸の径方向に延びるように一端が固定された第1の羽根と、
    前記回転主板の一方の面に、前記回転軸の径方向に延びるように一端が固定された第2の羽根と、を備え、
    前記第1の羽根は、前記第1の羽根の前記回転軸の径方向内側に、前記回転主板とは反対側の端部から前記回転主板側に向かうに連れて翼弦長が長くなる第1傾斜面を有し、
    前記第2の羽根は、前記第2の羽根の前記回転軸の径方向内側に、前記回転主板とは反対側の端部から前記回転主板側に向かうに連れて翼弦長が長くなる第2傾斜面を有し、
    前記第1の羽根の前記第1傾斜面の前記回転主板側の端部を境に、前記回転軸の軸方向の前記回転主板側を吸込下流側、前記回転主板と反対側を吸込上流側と定義するとき、
    前記第2の羽根の前記吸込下流側の翼弦長は、前記第1の羽根の前記吸込下流側の翼弦長よりも長く、かつ、前記吸込上流側において前記第1の羽根の前記第1傾斜面と前記第2の羽根の前記第2傾斜面とが、前記第1の羽根および前記第2の羽根を前記羽根車の子午面断面で見て互いに沿っており、前記第2傾斜面の前記回転主板側の端部が前記第1傾斜面の前記回転主板側の端部よりも前記回転主板側に位置している送風機。
  2. 前記羽根車は、前記羽根車の外径をD0、前記第1の羽根の前記径方向内側の端部を通る前記回転軸を中心とした仮想円の内径をD1、前記第2の羽根の前記径方向内側の端部を通る前記回転軸を中心とした仮想円の内径をD2としたとき、
    (D1/D0)×100および(D2/D0)×100が共に65%より大きく、かつ、前記吸込下流側において(D2/D0)×100が80%より小さい請求項1記載の送風機。
  3. 前記第1の羽根の前記径方向内側の端部を通る前記回転軸を中心とした仮想円の内径をD1、前記第2の羽根の前記径方向内側の端部を通る前記回転軸を中心とした仮想円の内径をD2、前記第2の羽根の枚数をn2としたとき、前記吸込下流側において、
    0<(D1−D2)<2π(D2)/(n2)が成り立つ請求項1または請求項2記載の送風機。
  4. (D1−D2)/(2π(D2)/(n2))とΔと定義したとき、前記吸込下流側の羽根高さ位置のΔであるΔ1と、前記吸込上流側の羽根高さ位置のΔであるΔ2とが、Δ1>Δ2の関係を有する請求項3記載の送風機。
  5. 前記第1の羽根の枚数をn1としたとき、
    (D2)/(n2)>(D1+D2)/{2(n1+n2)}が成り立つ請求項3または請求項4記載の送風機。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の送風機と、
    前記送風機を収容する筐体と、を備えた空気調和装置。
  7. 前記送風機を複数台備え、
    複数台の前記送風機は、前記送風機の吸込口同士が対向するようにして前記軸方向に離間して並んで配置されており、
    前記送風機の前記吸込口の開口径をDinとし、隣接する前記送風機の前記吸込口が形成された側壁同士の前記軸方向の距離をLとしたとき、
    0.75Din<L<2Dinが成り立つ請求項6記載の空気調和装置。
  8. 前記送風機の吸込口が形成された側壁と前記吸込口に対向する前記筐体の内壁との前記軸方向の距離をL0としたとき、
    0.37Din<L0<Dinが成り立つ請求項6記載の空気調和装置。
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