JPWO2018096658A1 - 送風機、室外機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

送風機、室外機及び冷凍サイクル装置 Download PDF

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Abstract

送風機は、回転軸上に設けられた筒状の軸部と、回転軸を中心として軸部よりも外周側に設けられたリング部と、リング部の径方向においてリング部よりも外側に設けられた複数の第1羽根と、リング部の径方向において軸部とリング部との間に設けられた複数の第2羽根と、軸部に隣接して設けられ、複数の第2羽根のうち周方向に隣り合う2つの第2羽根同士を連結する板状の連結部と、複数の第2羽根の下流側の翼面上又は連結部の下流側の表面上に設けられるとともに軸部に接続された複数の第3羽根と、を有する。

Description

本発明は、軸流型の送風機、室外機及び冷凍サイクル装置に関するものである。
特許文献1には、回転軸部と、回転軸部の外側に回転軸部と同軸に設けられた内側羽根群と、中間リングを介して内側羽根群の外側に内側羽根群と同軸に設けられた外側羽根群と、を備えた軸流ファンが記載されている。
国際公開第2011/001890号
特許文献1の軸流ファンには、中間リング及び多数の羽根が設けられている。このため、特許文献1の軸流ファンの羽根車の重量は、通常の軸流ファンと比較して大幅に増加する。また、重量の増加に応じて羽根車の強度を高める必要があるため、特許文献1の軸流ファンの回転軸部には、径が大きく肉厚の厚い円筒ボスが設けられている。この円筒ボスは、多数の補強リブによって補強されている。このような円筒ボスが設けられることにより、特許文献1の軸流ファンには、羽根車の重量がさらに増加してしまうという課題があった。
また、特許文献1の軸流ファンでは、大径の円筒ボスが設けられるため、円筒ボスの下流側に大きい剥離域が発生してしまう。このため、軸流ファンの損失が大きくなってしまうという課題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、羽根車を軽量化できるとともに損失を低減できる送風機、室外機及び冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明に係る送風機は、回転軸上に設けられた筒状の軸部と、前記回転軸を中心として前記軸部よりも外周側に設けられたリング部と、前記リング部の径方向において前記リング部よりも外側に設けられた複数の第1羽根と、前記リング部の径方向において前記軸部と前記リング部との間に設けられた複数の第2羽根と、前記軸部に隣接して設けられ、前記複数の第2羽根のうち周方向に隣り合う2つの第2羽根同士を連結する板状の連結部と、前記複数の第2羽根の下流側の翼面上又は前記連結部の下流側の表面上に設けられるとともに前記軸部に接続された複数の第3羽根と、を有するものである。
本発明に係る室外機は、上記本発明に係る送風機と、前記送風機により空気が供給される熱交換器と、を備えたものである。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、上記本発明に係る室外機を備えたものである。
本発明によれば、軸部及び第2羽根を第3羽根によって補強することができる。したがって、軸部及び第2羽根の強度を維持しつつ、羽根車を軽量化することができる。また、第3羽根は、軸部及び第2羽根を補強するだけでなく空気力学的な仕事を行う。したがって、軸部の下流側で発生する剥離域を小さくすることができるため、送風機の損失を低減することができる。
本発明の実施の形態1に係る室外機100の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る室外機100の内部構成を説明するための上面図である。 本発明の実施の形態1に係る室外機100からファングリル2を取り外した状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る室外機100から筐体1の一部を取り外した状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る送風機20を正面側(下流側)から見た構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る送風機20の構成を示す正面図である。 図6のVII−VII断面を示す断面図である。 図6のVIII−VIII断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る送風機20の構成の変形例を示す正面図である。 本発明の実施の形態1に係る送風機20の構成の変形例を示す正面図である。 本発明の実施の形態1に係る送風機20の構成の変形例を示す正面図である。 比較例の送風機を備えた室外機を下流側から見た構成を示す斜視図である。 比較例の送風機を備えた室外機に生じる気流Aを説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る送風機20を備えた室外機100に生じる気流Aを説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る送風機20の構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態2に係る送風機20の構成の変形例を示す正面図である。 本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の構成を示す回路図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る送風機及び室外機について説明する。図1は、本実施の形態に係る室外機100の構成を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る室外機100の内部構成を説明するための上面図である。図3は、本実施の形態に係る室外機100からファングリル2を取り外した状態を示す斜視図である。図4は、本実施の形態に係る室外機100から筐体1の一部を取り外した状態を示す斜視図である。なお、図1〜図4を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係や形状等が実際のものとは異なる場合がある。
本実施の形態では、室外機100として空気調和装置の室外機を例示している。本実施の形態の室外機100は、他の冷凍サイクル装置の室外機にも適用できる。例えば給湯器用の室外機は、本実施の形態で例示された空気調和装置の室外機と同様の構成を有している。
図1〜図4に示すように、室外機100は、直方体形状の筐体1を有している。筐体1は、第1側面1a、前面1b、第2側面1c、背面1d、上面1e及び底面1fを備えている。第1側面1a及び背面1dには、外部から筐体1内に空気を吸い込むための開口部が形成されている。前面1bには、筐体1内から外部に空気を吹き出す吹出口1gとなる開口部が形成されている。吹出口1gは、ファングリル2によって覆われている。ファングリル2は、外部の物体と送風機20との接触を防止して安全を図るためのものである。
筐体1の内部は、仕切板5によって送風機室6と機械室7とに仕切られている。送風機室6には、送風機20、ベルマウス9及び熱交換器8が設置されている。
送風機20は、羽根車3と、羽根車3を回転駆動するファンモータ4と、を有している。羽根車3は、ファンモータ4の駆動軸4aに接続されている。ファンモータ4の回転駆動力は、駆動軸4aを介して羽根車3に伝達される。ファンモータ4は、筐体1の前後方向において、羽根車3と熱交換器8との間に配置されている。羽根車3の詳細な構成については後述する。
ベルマウス9は、筐体1の前面1bに取り付けられている。ベルマウス9は、前面1bと一体的に設けられていてもよいし、前面1bとは別体として設けられていてもよい。ベルマウス9は、吸込側と吹出側とを区切って吹出口1g近傍の風路を形成するものである。ベルマウス9は、吹出口1gの外周を囲むように構成されている。ベルマウス9は、後述する第1羽根31の外周端よりも外側に、第1羽根31の回転軌跡に沿うように配置されている。ファングリル2は、筐体1の外側からベルマウス9を覆うように前面1bに取り付けられている。
熱交換器8は、上面視で略L字状の全体形状を有している。熱交換器8は、筐体1の第1側面1a及び背面1dに沿って設置されている。熱交換器8は、送風機20の吸込側に配置されている。熱交換器8は、第1側面1a及び背面1dの各々と送風機20との間に配置されている。熱交換器8は、互いに並列に設けられた複数の板状フィンと、複数の板状フィンを貫通した複数の伝熱管と、を有している。各伝熱管は、第1側面1a及び背面1dに沿ってL字状に延伸している。伝熱管内には、冷媒回路を循環する冷媒が流通する。熱交換器8では、伝熱管内を流通する冷媒と、送風機20によって供給される室外空気との熱交換が行われる。
機械室7には、熱交換器8と共に冷媒回路を構成する圧縮機10と、冷媒回路の構成要素同士を接続する冷媒配管と、が設置されている。また、機械室7には基板箱12が設置されている。基板箱12内には、室外機100内に搭載された機器を制御する制御基板が収容されている。
次に、送風機20の構成について説明する。図5は、本実施の形態に係る送風機20を正面側(下流側)から見た構成を示す斜視図である。図6は、本実施の形態に係る送風機20の構成を示す正面図である。図5及び図6では、送風機20のうち羽根車3のみを示している。図6では、送風機20の回転方向を矢印で表している。図5及び図6に示すように、送風機20は、全体として、回転軸Rに沿う方向に空気の流れを生じさせる軸流型の送風機である。送風機20は、回転軸R上に設けられた筒状の軸部30と、回転軸Rを中心として軸部30よりも外周側に設けられたシュラウドリング34(リング部の一例)と、を有している。軸部30は、回転軸Rを中心として回転する軸部材である。シュラウドリング34は、環状又は筒状の形状を有している。シュラウドリング34は、回転軸Rを中心として軸部30と共に回転する。また、送風機20は、翼として、第1羽根31、第2羽根32及び第3羽根33を有している。
第1羽根31は、シュラウドリング34の径方向においてシュラウドリング34よりも外側に設けられている。第1羽根31は、シュラウドリング34の外周面に例えば一体的に接続されている。第1羽根31は、本例の送風機20において最も外周側に位置する翼である。第1羽根31の枚数は、本例では9枚である。複数の第1羽根31は同一の形状を有しており、回転軸Rを中心として周方向に等間隔で配置されている。複数の第1羽根31は互いに異なる形状を有していてもよいし、周方向の配置間隔が異なっていてもよい。第1羽根31は、回転軸Rを中心として回転することにより回転軸R方向に空気を送風するプロペラファン型の翼である。
第2羽根32は、シュラウドリング34の径方向において軸部30とシュラウドリング34との間に設けられている。第2羽根32の内周側は、軸部30の外周面に例えば一体的に接続されている。第2羽根32の外周側は、シュラウドリング34の内周面に例えば一体的に接続されている。すなわち、軸部30とシュラウドリング34とは、第2羽根32を介して接続されている。第2羽根32の枚数は、第1羽根31の枚数と同じであってもよいし異なっていてもよい。本例の第2羽根32の枚数は、第1羽根31の枚数よりも少ない3枚である。複数の第2羽根32は同一の形状を有しており、回転軸Rを中心として周方向に等間隔で配置されている。複数の第2羽根32は互いに異なる形状を有していてもよいし、周方向の配置間隔が異なっていてもよい。第2羽根32は、回転軸Rを中心として回転することにより回転軸R方向に空気を送風するプロペラファン型の翼である。
第2羽根32のうち周方向に隣り合う2枚の第2羽根32同士は、軸部30に隣接して設けられた板状の連結部36によって一体的に連結されている。連結部36は、周方向に隣り合う2枚の第2羽根32のそれぞれの内周側同士を連結している。連結部36の下流側の表面は、2枚の第2羽根32の下流側の翼面(圧力面)同士を滑らかに接続している。連結部36の上流側の表面は、2枚の第2羽根32の上流側の翼面(負圧面)同士を滑らかに接続している。連結部36の個数は、第2羽根32の枚数と同数の4つである。
複数の第2羽根32が連結部36を介して一体的につながることにより、一体翼が形成されている。すなわち、複数の第2羽根32及び複数の連結部36は、いわゆるボスレス形のプロペラファンを構成している。軸部30は、一体翼の下流側の翼面上に突出して形成されている。
図7は、図6のVII−VII断面を示す断面図である。図8は、図6のVIII−VIII断面を示す断面図である。図7では、第2羽根32のうちシュラウドリング34との接続部に近い第1部分の概略周方向断面を示している。図8では、第2羽根32のうち第1部分よりも内周側に位置する第2部分の概略周方向断面を示している。図7に示す第2羽根32の第1部分における肉厚(最大翼厚)をt1とし、図8に示す第2羽根32の第2部分における肉厚(最大翼厚)をt2とすると、肉厚t1は肉厚t2よりも大きくなっている(t1>t2)。第2羽根32の肉厚は、例えば、外周側(シュラウドリング34側)ほど厚くなっており、内周側(軸部30側)ほど薄くなっている。
第3羽根33は、一体翼の下流側の翼面上(すなわち、第2羽根32の下流側の翼面上、又は連結部36の下流側の表面上)にリブ状に突出した構成を有している。第3羽根33は、第2羽根32及び連結部36と一体的に形成されている。また、第3羽根33は、軸部30の外周面に一体的に接続されている。第3羽根33の枚数は、第1羽根31の枚数及び第2羽根32の枚数と同じであってもよいし異なっていてもよい。本例の第3羽根33の枚数は、第1羽根31の枚数よりも少なく第2羽根32の枚数よりも多い6枚である。複数の第3羽根33は同一の形状を有しており、回転軸Rを中心として周方向に等間隔で配置されている。複数の第3羽根33は互いに異なる形状を有していてもよいし、周方向の配置間隔が異なっていてもよい。第3羽根33は、例えば遠心翼形状を有している。すなわち、第3羽根33の翼面(圧力面及び負圧面)は、回転軸Rと平行になっている。本例の第3羽根33は、送風機20の反回転方向側に凸となるように湾曲したシロッコ翼形状を有している。第3羽根33は、軸部30から、第2羽根32の下流側の翼面に沿って、連結部36よりも外周側まで延伸している。第3羽根33の高さ(すなわち、第3羽根33の回転軸R方向の寸法)は、軸部30から離れるほど低くなっている。
軸部30、第3羽根33及び連結部36は、送風機20のハブを構成している。第3羽根33は、遠心翼として空気力学的な仕事を行うだけでなく、軸部30及び第2羽根32を連結部36と共に補強する機能を有している。
図9〜図11は、本実施の形態に係る送風機20の構成の変形例を示す正面図である。本実施の形態に係る送風機20は、図9〜図11のそれぞれに示すような構成を有していてもよい。
図9に示す例では、第3羽根33は、送風機20の回転方向側に凸となるように湾曲したターボ翼形状を有している。第3羽根33が遠心翼形状を有している点は、図5及び図6等に示した構成と同様である。
図10に示す例では、図9に示した構成に加えて、第1羽根31のさらに外周側にシュラウドリング37が設けられている。シュラウドリング37は、回転軸Rを中心としてシュラウドリング34よりも外周側に設けられている。第1羽根31はシュラウドリング37の内周面に接続されている。既に述べた第2羽根32の肉厚t1、t2の関係と同様に、第1羽根31のうち第1部分における肉厚(最大翼厚)t1は、第1羽根31のうち第1部分よりも内周側に位置する第2部分における肉厚(最大翼厚)t2よりも大きくなっている。
図11に示す例では、図10に示した構成に加えて、径方向においてシュラウドリング37よりも外側に複数の第4羽根38が設けられている。第4羽根38は、シュラウドリング37の外周面に接続されている。第4羽根38は、プロペラファン型の翼である。第4羽根38の枚数は、第1羽根31の枚数と同じであってもよいし異なっていてもよい。
次に、本実施の形態に係る室外機100の動作について図2を参照して説明する。室外機100において送風機20が動作すると、筐体1の外部の室外空気が筐体1内に吸い込まれる。筐体1内に吸い込まれた空気は、熱交換器8を通過する。これにより、熱交換器8では、熱交換器8を通過する空気と、熱交換器8の伝熱管内を流通する冷媒と、の熱交換が行われる。冷媒との熱交換が行われた空気は、送風機20及びベルマウス9を通過して、吹出口1gから室外に吹き出される。以上のように、送風機20が動作することによって、室外機100には、図2中に矢印で示すような気流Aが生じる。
次に、本実施の形態の送風機20によって生じる気流Aについて、比較例と対比して説明する。図12は、比較例の送風機を備えた室外機を下流側から見た構成を示す斜視図である。図12に示す比較例の送風機は、本実施の形態に係る送風機20と以下の点で異なっている。すなわち、比較例の送風機では、本実施の形態の軸部30、連結部36及び第3羽根33に代えて、少なくとも軸部30よりも大径のボス39が回転軸上に設けられている。また、比較例の送風機では、第2羽根32の肉厚が径方向で均一であり、本実施の形態の第2羽根32のような肉厚分布が形成されていない。
図12に示すように、比較例の送風機は、ボス39、第2羽根32、シュラウドリング34、第1羽根31を有している。第2羽根32の内周側は、ボス39の外周面に直角に接続されている。第2羽根32の外周側はシュラウドリング34に接続されている。第1羽根31はシュラウドリング34に接続されている。
図13は、比較例の送風機を備えた室外機に生じる気流Aを説明するための図である。図13に示すように、比較例の送風機では、ボス39が大径の円筒形状を有している。このため、第2羽根32の回転により発生した気流Aは、ボス39の外周面に沿って流れた後、ボス39の下流側の先端部で剥離する。これにより、ボス39の下流側には、比較的大きい剥離域40が発生する。
図14は、本実施の形態に係る送風機20を備えた室外機100に生じる気流Aを説明するための図である。図14に示すように、本実施の形態に係る送風機20では、複数の第2羽根32が一体翼を形成しており、その一体翼の下流側の翼面上には、軸部30に接続された第3羽根33が形成されている。このため、第2羽根32よりも内周側の軸部30近傍でも、第3羽根33によって気流を発生させることができる。また、軸部30が第3羽根33により補強されることから、軸部30を小径にすることができる。したがって、軸部30の下流側で発生する剥離域40を小さくすることができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る送風機20は、回転軸R上に設けられた筒状の軸部30と、回転軸Rを中心として軸部30よりも外周側に設けられたシュラウドリング34(リング部の一例)と、シュラウドリング34の径方向においてシュラウドリング34よりも外側に設けられた複数の第1羽根31と、シュラウドリング34の径方向において軸部30とシュラウドリング34との間に設けられた複数の第2羽根32と、軸部30に隣接して設けられ、複数の第2羽根32のうち周方向に隣り合う2つの第2羽根32同士を連結する板状の連結部36と、複数の第2羽根32の下流側の翼面上又は連結部36の下流側の表面上に設けられるとともに軸部30に接続された複数の第3羽根33と、を有するものである。
この構成によれば、軸部30及び第2羽根32を第3羽根33によって補強することができる。このため、軸部30及び第2羽根32の強度を維持しつつ、軸部30を小径化及び薄肉化でき、第2羽根32を薄型化できる。したがって、送風機20の羽根車3を軽量化することができる。これにより、ファンモータ4の小型化、ファンモータ4の長寿命化、及び送風機20の製造コスト低減などを併せて実現できる。
また、第3羽根33は、軸部30及び第2羽根32を補強するだけでなく、空気力学的な仕事を行う。このため、第3羽根33によっても軸部30の周囲に気流を発生させることができる。したがって、軸部30の下流側で発生する剥離域40を小さくすることができ、軸部30の下流側において渦が発生するのを抑制することができる。これにより、渦の発生による圧力流量特性の損失を低減させることができるとともに、渦の発生による騒音を低減させることができる。
また、本実施の形態に係る送風機20において、複数の第2羽根32のそれぞれは、第1部分(例えば、図7に示すシュラウドリング34との接続部に近い部分)と、第1部分よりも内周側に位置する第2部分(例えば、図8に示す部分)とを有している。第1部分での肉厚(例えば、第1部分の周方向断面における最大翼厚)をt1とし、第2部分での肉厚(例えば、第2部分の周方向断面における最大翼厚)をt2としたとき、肉厚t1及び肉厚t2は、t1>t2の関係を満たしている。
この構成によれば、第2羽根32全体としての重量を増加させずに、第2羽根32の外周側部分の肉厚を厚くすることができる。したがって、第2羽根32とシュラウドリング34との接続部の強度を高めることができる。一方で、第3羽根33によって補強される第2羽根32の内周側部分では、肉厚を薄くしても十分な強度が得られる。したがって、上記の構成によれば、高回転速度でも十分に強度を維持できる送風機20を実現することができる。
また、本実施の形態に係る送風機20において、複数の第3羽根33のそれぞれは、遠心翼形状を有している。この構成によれば、軸部30近傍で気流を発生させることができる。また、この構成によれば、第3羽根33の翼面が回転軸Rと平行になっていることから、アンダーカット部が生じるのを防ぐことができる。したがって、金型を用いた羽根車3の成形を容易に行うことができる。
また、本実施の形態に係る室外機100は、本実施の形態に係る送風機20と、送風機20により空気が供給される熱交換器8と、を備えている。この構成によれば、室外機100において上記と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る送風機について説明する。図15は、本実施の形態に係る送風機20の構成を示す正面図である。本実施の形態に係る送風機20は、第3羽根33の構成において上記実施の形態1の送風機20と異なっている。
図15に示すように、第3羽根33は、第2羽根32の下流側の翼面上、又は連結部36の下流側の表面上に設けられている。第3羽根33は、断面円弧状の翼面を備えた遠心翼形状を有している。本例では、3枚の第3羽根33のそれぞれの端部同士が接続され、全体として軸部30を囲む略三角形状に配置されている。第3羽根33のそれぞれの翼面は、回転軸R側に凸となっている。また、第3羽根33のそれぞれは、軸部30の外周面に一体的に接続されている。
図16は、本実施の形態に係る送風機20の構成の変形例を示す正面図である。図16に示す変形例では、3枚の第3羽根33のそれぞれの翼面が外周側に凸となっている。第3羽根33のそれぞれは、不図示のリブを介して軸部30の外周面に一体的に接続されている。
本実施の形態に係る送風機20によれば、上記実施の形態1に係る送風機20と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態では、第3羽根33のそれぞれが軸部30に接続されているだけでなく、第3羽根33の端部同士が相互に接続されている。したがって、第3羽根33による軸部30及び第2羽根32の補強効果をより高めることができる。
本実施の形態では、3枚の第3羽根33が軸部30を囲んで略三角形状に配置されているが、4枚以上の第3羽根が軸部30を囲んで多角形状に配置されていてもよい。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置について説明する。本実施の形態では、冷凍サイクル装置として空気調和装置を例示している。本実施の形態に係る空気調和装置は、例えば、実施の形態1に係る室外機100を有している。図17は、本実施の形態に係る空気調和装置の構成を示す回路図である。
図17に示すように、空気調和装置は、冷媒を循環させる冷媒回路を有している。冷媒回路は、圧縮機101、四方弁102、室外熱交換器103、絞り装置105(例えば、膨張弁)、室内熱交換器201が冷媒配管によって接続された構成を有している。また、空気調和装置は、室外機100と室内機200とを備えている。室外機100と室内機200との間は、ガス配管300及び液配管400を介して接続されている。ガス配管300は、冷媒配管の一部を構成し、ガス冷媒を流通させるものである。液配管400は、冷媒配管の一部を構成し、液冷媒又は気液二相冷媒を流通させるものである。
本実施の形態における室外機100には、圧縮機101、四方弁102、室外熱交換器103、絞り装置105と、室外熱交換器103に空気を供給する室外送風機104と、が収容されている。室外熱交換器103としては、実施の形態1における熱交換器8が用いられている。室外送風機104としては、実施の形態1又は2における送風機20が用いられている。
圧縮機101は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。ここで、圧縮機101は、インバータ装置等を備え、運転周波数を任意に変化させることにより、圧縮機101の容量(単位時間あたりに冷媒を送り出す量)を細かく変化させることができるものとする。四方弁102は、制御装置(図示せず)からの指示に基づいて、冷房運転時と暖房運転時とで冷媒の流れを切り換える。
室外熱交換器103は、冷媒と空気(例えば、室外空気)との熱交換を行う。暖房運転時には、室外熱交換器103は蒸発器として機能する。すなわち、室外熱交換器103は、液配管400から流入した低圧の二相冷媒と、室外送風機104により供給される空気との熱交換を行い、冷媒を蒸発させる。一方、冷房運転時には、室外熱交換器103は凝縮器として機能する。すなわち、室外熱交換器103は、圧縮機101で圧縮された高圧のガス冷媒と、室外送風機104により供給される空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮させる。室外送風機104は、インバータ装置を備え、運転周波数を任意に変化させることにより回転速度を細かく変化させるようにしてもよい。絞り装置105は、開度を変化させることで、冷媒の圧力等を調整する。
室内機200には、室内熱交換器201と、室内熱交換器201に空気を供給する室内送風機202と、が収容されている。
室内熱交換器201は、冷媒と空気(例えば、室内空気)との熱交換を行う。暖房運転時には、室内熱交換器201は凝縮器として機能する。すなわち、室内熱交換器201は、ガス配管300から流入した高圧のガス冷媒と、室内送風機202により供給される空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮させて液冷媒又は気液二相冷媒として液配管400側に流出させる。室内熱交換器201を通過した空気は、冷媒との熱交換により加熱される。一方、冷房運転時には、室内熱交換器201は蒸発器として機能する。すなわち、室内熱交換器201は、絞り装置105で減圧されて液配管400から流入した低圧の二相冷媒と、室内送風機202により供給される空気との熱交換を行い、冷媒を蒸発させてガス冷媒としてガス配管300側に流出させる。室内熱交換器201を通過した空気は、冷媒との熱交換により冷却される。
室内送風機202の回転速度は、例えば利用者の設定により決定される。特に限定するものではないが、室内送風機202にも、実施の形態1又は2における送風機20を用いることができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る空気調和装置(冷凍サイクル装置の一例)は、上記実施の形態1に係る室外機100を備えたものである。この構成によれば、空気調和装置において、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
上記実施の形態1〜3は、互いに組み合わせて実施することが可能である。
本発明の活用例として、冷凍サイクル装置を構成する室外機、例えば空気調和装置や給湯器などの室外機、その他、送風機が設置される各種装置や設備などが挙げられる。本発明は、これらの送風機が設置される各種装置や設備などに広く利用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 筐体、1a 第1側面、1b 前面、1c 第2側面、1d 背面、1e 上面、1f 底面、1g 吹出口、2 ファングリル、3 羽根車、4 ファンモータ、4a 駆動軸、5 仕切板、6 送風機室、7 機械室、8 熱交換器、9 ベルマウス、10 圧縮機、12 基板箱、20 送風機、30 軸部、31 第1羽根、32 第2羽根、33 第3羽根、34 シュラウドリング、36 連結部、37 シュラウドリング、38 第4羽根、39 ボス、40 剥離域、100 室外機、101 圧縮機、102 四方弁、103 室外熱交換器、104 室外送風機、105 絞り装置、200 室内機、201 室内熱交換器、202 室内送風機、300 ガス配管、400 液配管、A 気流、R 回転軸。
本発明に係る送風機は、回転軸上に設けられた筒状の軸部と、前記回転軸を中心として前記軸部よりも外周側に設けられたリング部と、前記リング部の径方向において前記リング部よりも外側に設けられた複数の第1羽根と、前記リング部の径方向において前記軸部と前記リング部との間に設けられた複数の第2羽根と、前記軸部に隣接して設けられ、前記複数の第2羽根のうち周方向に隣り合う2つの第2羽根同士を連結する板状の連結部と、前記複数の第2羽根の下流側の翼面上又は前記連結部の下流側の表面上に設けられるとともに前記軸部に接続された複数の第3羽根と、を備え、前記複数の第2羽根のそれぞれは、第1部分と、前記第1部分よりも内周側に位置する第2部分とを有しており、前記第1部分での肉厚をt1とし、前記第2部分での肉厚をt2としたとき、肉厚t1及び肉厚t2は、t1>t2の関係を満たすものである。
本発明に係る室外機は、上記本発明に係る送風機と、前記送風機により空気が供給される熱交換器と、を備えたものである。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、上記本発明に係る室外機を備えたものである。

Claims (5)

  1. 回転軸上に設けられた筒状の軸部と、
    前記回転軸を中心として前記軸部よりも外周側に設けられたリング部と、
    前記リング部の径方向において前記リング部よりも外側に設けられた複数の第1羽根と、
    前記リング部の径方向において前記軸部と前記リング部との間に設けられた複数の第2羽根と、
    前記軸部に隣接して設けられ、前記複数の第2羽根のうち周方向に隣り合う2つの第2羽根同士を連結する板状の連結部と、
    前記複数の第2羽根の下流側の翼面上又は前記連結部の下流側の表面上に設けられるとともに前記軸部に接続された複数の第3羽根と、
    を有する送風機。
  2. 前記複数の第2羽根のそれぞれは、第1部分と、前記第1部分よりも内周側に位置する第2部分とを有しており、
    前記第1部分での肉厚をt1とし、前記第2部分での肉厚をt2としたとき、
    肉厚t1及び肉厚t2は、t1>t2の関係を満たす請求項1に記載の送風機。
  3. 前記複数の第3羽根のそれぞれは、遠心翼形状を有する請求項1又は請求項2に記載の送風機。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の送風機と、前記送風機により空気が供給される熱交換器と、を備えた室外機。
  5. 請求項4に記載の室外機を備えた冷凍サイクル装置。
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