JP6941459B2 - グラファイトフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、外観に優れた柔軟性を有するグラファイトフィルムの製造方法に関する。
グラファイトフィルムはコンピューターなどの各種電子・電気機器に搭載されている半導体素子や他の発熱部品などに放熱部品として用いられている。グラファイトフィルムはそれら部品に貼り付けて用いられるため、ハンドリング性を高めるために柔軟性を有していることが求められている。グラファイトフィルムに柔軟性を付与する方法として、圧延装置を用い、適切な張力をかけながら第一圧延体と第二圧延体の間を通過させて圧縮する方法が開示されている(特許文献1)。しかし、この方法では、ウェブ状のグラファイトフィルムを圧延する場合、圧延前に存在していたシワがそのまま圧延され、圧延後に強固なシワが発生する問題がある。
一般的なウェブのシワ抑制の方法として、エキスパンダーロールを設置してシワを除去する方法(特許文献2)や、クロスガイダを用いてシワを除去する方法(特許文献3)が知られている。
特開2012−72036号公報 特開2008−184248号公報 特開平10−219559号公報
しかし、上述のような方法を単純にグラファイトフィルムの圧延装置に適用しても、グラファイトフィルム特有の滑性の高さにより、その効果が発揮されず、圧延前に生じているシワが除去できない。このようなシワはグラファイトフィルムを製品とする際に美観を損ねる外観欠点として扱われる。さらに、放熱シートとして使用する際にシワが存在すると段差が生じ、発熱源との間に隙間が空いて温度ムラが発生する原因となるため、このようなシワが発生したグラファイトフィルムは使用できない。そこで、本発明はシワの少ない柔軟性に優れたグラファイトフィルムを提供することを目的とする。
本発明のグラファイトフィルムの製造方法は、ウェブ状のポリイミドフィルムを焼成してウェブ状のグラファイトフィルムを得るグラファイトフィルムの製造方法であって、ポリイミドフィルムを500℃以上に加熱することで炭化して、炭化フィルムを得る炭化工程と、炭化フィルムを2400℃以上に加熱することで黒鉛化して黒鉛化フィルムを得る黒鉛化工程と、一対の圧延ロールで黒鉛化フィルムを膜厚方向に圧延してグラファイトフィルムを得る圧延工程とを備え、圧延工程には黒鉛化フィルムを幅方向に拡幅する拡幅装置を備え、更に
該拡幅装置は、
該黒鉛化フィルムにおける膜厚方向の一方の表面に接触し、かつ、
該一方の表面に係る該膜厚方向のもう一方の表面が、前記圧延ロールに接触する
ように、尚且つ、
前記圧延ロールの直前に
配置されていることを特徴とする。
た、拡幅装置と黒鉛化フィルムとが接触する点と圧延ロールで圧延する点の距離が200mm以下であってもよい。
た、拡幅装置はゴムロールを有し、ゴムロールの表面には溝が形成されていてもよい。
た、ゴムロールの溝は螺旋形状の溝であってもよい。
た、拡幅装置が黒鉛化フィルムを圧延ロールに押し付ける機構を備えていてもよい。
また、拡幅装置の押し付け線圧は2N/cm以上10N/cm以下であってもよい。

本発明のグラファイトフィルムの製造方法によれば、シワの少ない柔軟性に優れたグラファイトフィルムを得ることができる。
圧延装置概略図 圧延装置概略拡大図 拡幅ロール正面図 拡幅ロール断面拡大図
本発明の一実施形態であるグラファイトフィルムの製造方法は、ウェブ状のポリイミドフィルムを焼成してウェブ状のグラファイトフィルムを得るグラファイトフィルムの製造方法であって、ポリイミドフィルムを炉内温度が500℃以上である炉を通過させて炭化フィルムを得る炭化工程と、炭化フィルムを2400℃以上に加熱して黒鉛化フィルムを得る黒鉛化工程と、一対の圧延ロールで黒鉛化フィルムを膜厚方向に圧延してグラファイトフィルムを得る圧延工程を備え、圧延工程には黒鉛化フィルムを幅方向に拡幅する拡幅装置を備えるものである。本発明によれば、シワの少ない柔軟性に優れたグラファイトフィルムを得ることができる。
ここで、「膜厚方向に圧延して」とは対象とする膜状の基材に対して膜厚方向に圧力を負荷し、膜厚方向と垂直な方向にその基材を延ばすことを言う。
<ポリイミドフィルム>
本発明におけるウェブとは、膜状の基材を長尺帯状に形成したものである。すなわち、ウェブ状のポリイミドフィルムとは、ポリイミドが長尺帯状となったものを指している。
また、本発明におけるポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸も含むものとする。ポリアミック酸は、芳香族ジアミン(以下、ジアミンともいう)と芳香族酸二無水物(以下、酸二無水物ともいう)とを反応させて得られる。より具体的には、通常、芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物とを、実質的に等モル量となるように有機溶媒中に溶解させて、得られた溶液を、制御された温度条件下で、上記酸二無水物とジアミンとの重合が完了するまで撹拌することによって製造される。このようにして得られたポリアミック酸を含む溶液は、通常5重量%〜35重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%の濃度で得られる。この範囲の濃度である場合に適当な分子量と溶液粘度となり、フィルム等へ成形することが容易なポリマーを得ることが可能となる。
芳香族ジアミンは、特に限定されるものではないが、例えば、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン(m−フェニレンジアミン)、4、4’−ジアミノジフェニルスルホン、3、3’−ジアミノジフェニルスルホン、9、9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4、4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4、4’−(1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4、4’−ジアミノベンズアニリド等、またはこれらの2種類以上の組み合わせを挙げることができる。
芳香族酸二無水物も、特に限定されるものではないが、例えば、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,4’−オキシフタル酸二無水物、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、p−フェニレンジフタル酸無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等、またはこれらの2種類以上の組み合わせを挙げることができる。
なお、上記芳香族ジアミンと上記芳香族酸二無水物とは、実質的に等モル量となるように反応させればよく、添加の順序、モノマーの組み合わせおよび組成は特に限定されるものではない。
ポリアミック酸を製造するための重合用溶媒として用いられる有機溶媒は、芳香族ジアミン成分、芳香族酸二無水物成分、および得られるポリアミック酸を溶解するものであれば、特に限定されるものではない。上記重合用溶媒として、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等を用いれば、得られるポリアミック酸の溶液をそのまま、フィルム化に用いるポリアミック酸溶液(ワニス)とすることができる。
ポリアミック酸を製造するための反応温度は特に制限されないが、−10℃〜50℃であることが好ましい。かかる範囲内であることにより、良好な反応速度で反応が進み、生産性に優れるため好ましい。また、反応時間も特に限定されるものではないが、通常数分〜数時間である。
ポリイミドは、上記ポリアミック酸を熱処理(熱キュア法ともいう)または硬化剤と混合して熱処理(化学キュア法ともいう)して、イミド化したポリマーである。硬化剤とは、脱水剤および触媒を含む趣旨である。ここで脱水剤とは、ポリアミド酸に対する脱水閉環剤であれば特に限定されるものではないが、例えば、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N’−ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族酸無水物、アリールスルホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、脂肪族酸無水物および/または芳香族酸無水物を特に好適に用いることができる。
触媒としては、ポリアミド酸に対する上記脱水剤の脱水閉環作用を促進する効果を有する成分であれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、脂肪族3級アミン、芳香族3級アミン、複素環式3級アミン等を挙げることができる。これらの中でも、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、イソキノリン、キノリン、ジエチルピリジンまたはβ−ピコリン等の含窒素複素環化合物が特に好ましく用いられる。グラファイトフィルムは、ポリイミドフィルムを熱処理することにより製造できる。ポリイミドフィルムは、他の有機材料を原料とする高分子フィルムよりも、炭化および黒鉛化によりグラファイトの層構造が発達し易いためである。
ポリイミドフィルムの物理的性能として、厚みが均一であることが好ましく、可撓性を有していることが好ましい。
<グラファイトフィルムの製造方法>
ポリイミドフィルムからグラファイトフィルムを得る製造方法の一例として、炭化工程、黒鉛化工程、圧延工程を実施する方法があげられる。炭化工程では、出発物質であるポリイミドフィルムを減圧下もしくは不活性ガス中で加熱処理して炭化する。この炭化工程は、通常500℃以上1100℃以下の温度にて加熱処理を行う。
炭化工程に続く黒鉛化工程は、炭化フィルムを黒鉛化炉内にセットして行われる。黒鉛化工程は、減圧下もしくは不活性ガス中で行われるが、アルゴンを不活性ガスとして用いることが最も適当であり、アルゴンに少量のヘリウムを加えるとさらに好ましい。黒鉛化工程の熱処理温度は、2400℃以上、より好ましくは2600℃以上、さらに好ましくは2800℃以上、特に好ましくは2900℃以上である。なお、黒鉛化工程は炭化工程に続けて連続で行なっても良いが、炭化工程後に温度を冷却した後に黒鉛化工程を単独で行ってもかまわない。
黒鉛化工程に続く圧延工程は、圧延装置を用いて黒鉛化フィルムを膜厚方向に圧延する。本発明で使用する圧延装置は特に制限されないが、例えば、クリアランス式の圧延装置や圧力式の圧延装置をあげることができる。クリアランス式の圧延装置は、一対の圧延ロール、繰出機および巻取機を備えており、さらに黒鉛化フィルムを幅方向に拡幅する拡幅装置を備えていることが好ましい。
<拡幅装置>
本発明における拡幅装置は、ウェブ状の黒鉛化フィルムを拡幅できるものであればよく、一対のロールをグラファイトフィルムに挟み込んで押し付ける方式に限定されるものではなく、エキスパンダーロールのようなロール単体で拡幅する形式でも良い。すなわち、拡幅装置は黒鉛化フィルムにおける膜厚方向の一方の表面に配置され、もう一方の表面は前記圧延ロールに接触していればよい。
特に、これらの中でも、溝を形成したロールをグラファイトフィルムに押し付ける拡幅ロール押付方式が特に好ましく用いられる。ただし、いずれの構成においても、拡幅装置は圧延ロールの直前に配置されていることが好ましい。ここで、「圧延ロールの直前に配置されている」とは圧延ロールとの間に他のロール等の構成要素がないことを言う。
また、その拡幅装置の拡幅部と圧延装置の圧延部の距離が200mm以下となるように設定されることが好ましい。なお、拡幅装置の拡幅部と圧延部の距離とは、拡幅装置とグラファイトフィルムとが接触する点と圧延ロールで圧延する点の距離のことを示している。
また、拡幅ロールの押し付ける圧力は線圧で2N/cm以上10N/cm以下が好ましい。2N/cm以上であれば十分な拡幅効果が得られ、10N/cm以下であれば転写キズの懸念無くグラファイトフィルムを得ることができる。
拡幅装置における拡幅ロールを構成する材料は、金属、樹脂、弾性体などのいずれか1種類もしくは複数の組み合わせでも構わないが、特にロール表面に弾性体を有する弾性体ロール、中でも特にゴムロールであることが好ましい。適宜なゴム材料として、その種類に限定はないが、天然ゴム、スチレンブダジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムやウレタンゴムなどが挙げられる。なお、弾性体の硬度は硬度40〜90程度であることが好ましい。硬度は、例えば、JIS K6253(1997)に開示される方法にて、市販のデュロメーター(タイプA)、例えば(株)テクロック製のGS−719Gを用いて測定できる。また、拡幅ロールには、その外周面における周方向上であって少なくともウェブを支持して搬送する領域に、拡幅ロールの幅方向中央から両端のそれぞれの方向に向かって相反する方向で、拡幅ロールの回転方向に傾斜する螺旋形状の溝を設けている。ここで、「拡幅ロールの回転方向に傾斜する」とは、拡幅ロールの回転する方向に向かうほど、ロールの幅方向端部に近づくように傾斜している状態をいう。
拡幅ロール3に設けた溝3aの溝幅は、1mm以上10mm以下であることが好ましく、2mm以上8mm以下がより好ましい。溝幅3aが1mm以上あれば、溝の変形が十分に行われるためシワ除去効果が十分に得ることができ、10mm以上となるとゴムとフィルムの接触面積が小さくなるためシワ除去効果を十分に得ることが難しい。また、溝3aの溝深さ4aは1mm〜20mm、ピッチ3eは1mm〜10mmとされて構成されることが好ましい。さらに、図3に示す溝形成角度θは、拡幅ロール3の外周面において、周方向を角度0度とし、溝となす角度のことを指し、本発明においては、溝形成角度θは5度〜45度とされて構成されることが好ましい。また、図4に示す溝傾斜角度αは周方向を角度90度とし、溝となす角度のことを指し、本発明においては、溝傾斜角度αは10度〜90度とされて構成されることが好ましく、30度〜70度とされることがより好ましい。
以下において、本発明の種々の実施例をいくつかの比較例と共に説明する。
<グラファイトフィルムの外観評価>
圧延後のグラファイトフィルムの外観品質評価として、存在するシワの数を評価した。グラファイトフィルムの全長にわたり、長さ50mm以上のシワの数を数え、単位長さ(1m)あたりのシワの個数として換算した。また、キズの評価は○が良好、△が不良、×が極めて不良とした。総合の外観評価として、○が良好、△が不良、×が極めて不良とした。
<黒鉛化フィルムの製造>
厚さ62μm、幅230mm、長さ350mの株式会社カネカ製ポリイミドフィルム:アピカルNPI(登録商標)の巻き物を巻き替え装置にセットし、加熱空間が7つに分割された加熱炉に連続的に供給しながら炭化を実施した。各加熱空間のMD方向の長さは50cm、TD方向の長さは300mmとし、加熱空間の温度が均一となるように、それぞれ500℃、600℃、650℃、700℃、750℃、800℃、850℃に調整した。ポリイミドフィルムに対して引張り強さ30kgf/cmで張力を加えながら、50cm/minのライン速度でポリイミドフィルムを搬送し、炭化処理を行い、炭化フィルムを得た。
次に、得られたロール状の炭化フィルムを黒鉛化炉内にセットし、2900℃まで2℃/minの昇温条件で加熱して黒鉛化処理を実施した。さらに得られたグラファイトフィルムを円筒状の芯に巻き直して、再び2900℃まで同じ昇温条件で加熱して、2回目の黒鉛化処理を実施し、黒鉛化フィルムを得た。
(実施例1)
フィルムの巻出および巻取機構を備えたクリアランス式の2ton精密ロール圧延機(株式会社サンクメタル製)にらせん溝(溝はロールの幅方向中央から両端のそれぞれに向かって相反する方向で溝幅3mm、溝深さ7mm、ピッチ10mm、溝形成角度30度、溝傾斜角度45度で形成されている)を形成したニトリルゴム製のゴムロール(径65mm、幅250mm、ゴム硬度40)とそれをエアシリンダーにより押し付ける機構を具備する拡幅装置を拡幅部と圧延装置の圧延部の距離が200mmとなるように設置した。圧延機を用いて、幅200mm、長さ310mの黒鉛化フィルムを拡幅ロールの線圧が10N/cm、処理速度が10m/minの条件で圧延した。得られたグラファイトフィルムのシワの数を測定した。
(実施例2)
拡幅ロールの押し付け圧力が線圧で2N/cmであること以外は、実施例1と同様にして圧延を実施した。得られたグラファイトフィルムのシワの数を測定した。
(比較例1)
拡幅装置を用いないこと以外は、実施例1と同様にして圧延を実施した。得られたグラファイトフィルムのシワの数を測定した。
(比較例2)
拡幅装置を拡幅部と圧延装置の圧延部の距離が250mmとなるように設置した以外は、実施例1と同様にして圧延を実施した。得られたグラファイトフィルムのシワの数を測定した。
(比較例3)
拡幅ロールの押し付け圧力が線圧で1N/cmであること以外は、実施例1と同様にして圧延を実施した。得られたグラファイトフィルムのシワの数を測定した。
(比較例4)
拡幅ロールの押し付け圧力が線圧で11N/cmであること以外は、実施例1と同様にして圧延を実施した。得られたグラファイトフィルムのシワの数を測定した。
Figure 0006941459
(評価結果)
圧延直前に拡幅ロールを具備した拡幅装置を設置して、2N/cm、10N/cmの線圧で押し付けて圧延することでシワが少なく、キズもないグラファイトフィルムを得ることができた。また、1N/cmで押し付けると十分な拡幅効果が得られず、11N/cmで押し付けるとロールの溝形状が転写され、シワの数は少ないもののキズが発生した。拡幅装置を圧延部より遠ざけると拡幅されたシワが圧延前に復元し、圧延後のグラファイトフィルムにシワが入った。
1 圧延装置
1a 圧延ロール
1b 繰出機
1c 巻取機
1d 拡幅装置
1e 黒鉛化フィルム
1f グラファイトフィルム
2a 拡幅部
2b 圧延部
2c 拡幅装置の拡幅部と圧延装置の圧延部の距離
3 拡幅ロール
3a 溝
3b 溝幅
3c ゴム幅
3d 溝形成角度
3e ピッチ
4a 溝深さ
4b 溝傾斜角度

Claims (6)

  1. ウェブ状のポリイミドフィルムを焼成してウェブ状のグラファイトフィルムを得るグラファイトフィルムの製造方法であって、
    ポリイミドフィルムを500℃以上に加熱することで炭化して、炭化フィルムを得る炭化工程と、
    該炭化フィルムを2400℃以上に加熱することで黒鉛化して、黒鉛化フィルムを得る黒鉛化工程と、
    一対の圧延ロールで該黒鉛化フィルムを膜厚方向に圧延してグラファイトフィルムを得る圧延工程と、を備え、
    前記圧延工程は、前記黒鉛化フィルムを幅方向に拡幅した後に、前記圧延する工程であり、更に
    拡幅は、
    拡幅装置を、該黒鉛化フィルムにおける膜厚方向の一方の表面に接触させて、かつ、
    該一方の表面に係る該膜厚方向のもう一方の表面、前記一対の圧延ロールの一方に接触させて前記黒鉛化フィルムを拡幅するものであり
    前記拡幅装置は、前記一対の圧延ロールの直前に配置されている、グラファイトフィルムの製造方法。
  2. 前記拡幅装置と前記黒鉛化フィルムとが接触する点と前記圧延ロールで圧延する点の距離が200mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  3. 前記拡幅装置はゴムロールを有し、該ゴムロールの表面には溝が形成されていることを特徴とする請求項1、又は2に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  4. 前記溝が螺旋形状の溝であることを特徴とする請求項3に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  5. 前記拡幅装置が前記黒鉛化フィルムを前記圧延ロールに押し付ける機構を備えている請求項1〜4に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  6. 前記拡幅装置の前記押し付けに係る押し付け線圧が2N/cm以上10N/cm以下である請求項5に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
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