JP6939705B2 - 水素燃焼ボイラ - Google Patents
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Description
前記プレパージ制御部は、前記遮断弁が閉止された状態においてのみ前記第1供給弁の開放を許容することが好ましい。
まず、本発明の第1実施形態に係る水素燃焼ボイラ1について、図1を参照して説明する。
第1実施形態の水素燃焼ボイラ1は、水素ガスG1を燃料として用いるボイラである。水素燃焼ボイラ1は、例えば貫流ボイラであり、この水素燃焼ボイラ1では、水素ガスG1を供給するラインから缶体10に配置されたバーナ20に水素ガスG1が供給される。バーナ20の燃焼停止時及びバーナ20の燃焼開始時のそれぞれにおいて、水素ガスG1を供給するラインに残留する水素ガスG1は、不活性ガスG2によりパージされる。以下、バーナ20の燃焼停止時のパージをポストパージといい、バーナ20の燃焼開始時のパージをプレパージという。また、後述する燃料元弁V13から第1遮断弁V11の間に滞留する水素ガスG1のパージを遮断弁上流パージという。
送風機30は、バーナ20に燃焼用の空気(燃焼用空気A1)を供給する。
制御部40は、水素燃焼ボイラ1の燃焼を制御する。制御部40の詳細については後述する。
フレームアレスタ50は、水素供給ラインL100に配置され、後述するパージラインL200との接続位置よりも下流側に配置される。フレームアレスタ50は、バーナ20から水素供給ラインL100に発生した逆火の上流側への進行を防止する。
不活性ガスG2としては、窒素、ヘリウム、ネオン等の酸素よりも比重の軽いガスが用いられ、本実施形態では、不活性ガスG2として窒素が用いられる。
第1供給弁V31,V32は、電磁弁により構成され、パージラインL200の流路を開閉して、不活性ガスG2の供給量を調整する。
第2供給弁V33は、電磁弁により構成され、分岐パージラインL250の流路を開閉して、分岐パージラインL250から水素供給ラインL100に供給される不活性ガスG2の供給量を調整する。即ち、第2供給弁V33は、電磁弁で構成され、分岐パージラインL250の流路を開閉して、分岐パージラインL250から流量調整弁V21、第2遮断弁V12、及び第1遮断弁V11に供給される不活性ガスG2の供給量を調整する。
プレパージ制御部42は、バーナ20による水素ガスG1の燃焼を開始する前に、水素供給ラインL100をパージする。
遮断弁上流パージ制御部44の動作については後述する。
バーナ20における水素ガスG1の燃焼を停止する場合、ポストパージ制御部41によるポストパージが実施される。まず、ポストパージ制御部41は、第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を閉止する。第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12が閉止されることで、水素供給ラインL100が閉止され、バーナ20への水素ガスG1の供給が停止される。
具体的には、まず、遮断弁上流パージ制御部44は、燃料元弁V13の閉止を確認する。燃料元弁V13の閉止が確認されることで、水素供給ラインL100のうち、燃料元弁V13よりも下流側への水素ガスG1の供給の停止が確認される。
(1)水素燃焼ボイラ1を、バーナ20と、バーナ20に水素ガスG1を供給する水素供給ラインL100と、水素供給ラインL100に配置される第1遮断弁V11と、第1遮断弁V11の下流側における第1遮断弁V11の近傍に接続され水素供給ラインL100に不活性ガスG2を供給するパージラインL200と、パージラインL200に配置され不活性ガスG2の供給量を調整する第1供給弁V31,V32と、を含んで構成した。これにより、バーナ20から第1遮断弁V11までの水素供給ラインL100の水素ガスG1を不活性ガスG2によりパージすることで、水素ガスG1が空気と混合して可燃範囲に入ることを防止できるので、バーナ20の点火時に逆火現象が発生することを防止できる。また、水素供給ラインL100における第1遮断弁V11の下流側の近傍にパージラインL200を接続した。これにより、第1遮断弁V11の直近から不活性ガスG2を供給することができる。従って、バーナ20から第1遮断弁V11までの水素供給ラインL100に残存する水素ガスG1を効率よくパージできる。
また、水素燃焼ボイラ1を、ポストパージ制御部41を含んで構成し、ポストパージ制御部41に、バーナ20による水素ガスG1の燃焼を開始する前に、所定時間第1供給弁V31,V32を開いてパージラインL200から不活性ガスG2を供給させ、その後第1供給弁V31,V32を閉止させ、第1供給弁V31,V32が閉止された状態においてのみ第1遮断弁V11の開放を許容させた。これにより、ポストパージを行う場合に水素ガスG1が誤って供給されることを防げる。よって、水素燃焼ボイラ1の安全性をより向上させられる。
次に、本発明の第2実施形態に係る水素燃焼ボイラ1Aについて、図2を参照して説明する。第2実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
第2実施形態の水素燃焼ボイラ1Aは、異常停止した後に燃焼を開始する場合に限り、プレパージを実施する。本実施形態では、バーナ20の異常燃焼又は不活性ガスG2の圧力低下で、バーナ20による水素ガスG1の燃焼の開始にインターロックをかけた場合を例として説明する。
また、異常検知部43は、不活性ガスG2の圧力低下を検知した場合に第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を閉止する。より具体的には、異常検知部43は、圧力検知部80から異常信号を取得した場合に、第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を閉止する。
そして、異常検知部43は、異常信号に基づいてバーナ20における水素ガスG1の燃焼を停止した状態でインターロックをかける。即ち、異常検知部43は、バーナ20による水素ガスG1の燃焼の自動開始にインターロックをかける。
水素燃焼ボイラ1Aの運転中に、水素ガスG1の異常燃焼をバーナ監視部90が検知した場合、バーナ監視部90は、異常信号を異常検知部43に送る。異常検知部43は、第1遮断弁V11及び第2遮断弁V12を閉止してバーナ20への水素ガスG1の供給を停止する。また、異常検知部43は、水素ガスG1の供給を停止した状態で、バーナ20による水素ガスG1の燃焼の自動開始にインターロックをかける。
(10)制御部40Aを、異常検知部43を含んで構成し、制御部40Aに、異常検知部43により第1遮断弁V11が閉止された後に水素ガスG1の燃焼が開始される場合にプレパージ制御部42による制御を行わせた。これにより、バーナ20による水素ガスG1の燃焼が正常に停止された場合には、燃焼停止時のポストパージのみを行い、異常検知により燃焼が停止された場合には、ポストパージだけでなく燃焼開始前にプレパージも行わせられる。よって、より安全にバーナ20を点火することができる。
第2大気開放部120は、送風機30を起動して缶体10内の換気を行うことなく、不活性ガスG2と、不活性ガスG2によりパージされた気体(水素ガスG1、空気又はこれらの混合気体)を大気中に放出可能とする。
大気開放ラインL400は、水素供給ラインL100からガスを大気中に放出可能なラインである。大気開放ラインL400は、例えば、不活性ガスG2と、不活性ガスG2によりパージされた水素ガスG1を大気中に放出可能なラインである。
第2大気開放弁V15は、電磁弁により構成され、大気開放ラインL400を開閉する。
この場合、遮断弁上流パージ制御部44は、流路切替弁V14を閉止(ボイラ運転中は開放)すると共に、第2大気開放弁V15を開放する。これにより、缶体10を経由することなく、水素供給ラインL100に滞留する気体(水素ガス、空気又はこれらの混合気体)、及びパージ用の不活性ガスG2を大気開放ラインL400から大気に放出できる。したがって、水素供給ラインL100のパージ(例えば、第1供給弁V31,V32及び第2供給弁V33を開放すると共に、第1遮断弁V11、及び第2遮断弁V12を開放し、燃料元弁V13よりも下流側の水素供給ラインL100のパージ)を実施できるので、送風機30を駆動させることなく水素供給ラインL100をパージできる。
10 缶体
20 バーナ
40,40A 制御部
41 ポストパージ制御部
42 プレパージ制御部
43 異常検知部
44 遮断弁上流パージ制御部
50 フレームアレスタ
60 供給源
70 オリフィス
80 圧力検知部
L100 水素供給ライン
L200 パージライン
L250 分岐パージライン
L400 大気開放ライン
G1 水素ガス
G2 不活性ガス
V11 第1遮断弁(遮断弁)
V12 第2遮断弁
V13 燃料元弁
V14 流路切替弁
V15 第2大気開放弁(大気開放弁)
V31,V32 第1供給弁
Claims (12)
- 水素を燃焼させるバーナを有し、負荷側の必要蒸気量の変動に応じた蒸気を生成するため、ボイラ燃焼の発停を含む燃焼制御を行う小型貫流ボイラ又は小規模貫流ボイラであって、
缶体と、
送風機と、
前記バーナに接続され、前記バーナに水素ガスを供給する水素供給ラインと、
前記水素供給ラインに配置され、該水素供給ラインの流路を開閉する遮断弁と、
前記遮断弁の下流側における該遮断弁の近傍に接続され、前記水素供給ラインに不活性ガスを供給するパージラインと、
前記パージラインに配置され、不活性ガスの供給量を調整する第1供給弁と、
前記遮断弁及び前記第1供給弁の開閉を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記バーナにおける水素ガスの燃焼を停止する場合に先ず前記遮断弁を閉止し、
前記送風機により前記缶体内の換気が行われている状態で、前記遮断弁が閉止された状態においてのみ前記第1供給弁を開くことで前記バーナの吹き出し口から前記遮断弁までの間の水素供給ラインに残留する水素ガスを希釈させるポストパージ制御部を備える水素燃焼ボイラ。 - 前記バーナは、前記缶体の上端面に配置され、
前記パージラインから供給された不活性ガスは、前記バーナの上流側から前記バーナを経由して前記缶体内に排出され、前記送風機からの燃焼用空気とともに前記缶体から排出される請求項1に記載の水素燃焼ボイラ。 - 前記ポストパージ制御部は、前記バーナから前記遮断弁までの間の前記水素供給ラインの容積の4倍以上の不活性ガスを供給するように前記第1供給弁の開閉を制御する請求項1又は2に記載の水素燃焼ボイラ。
- 前記制御部は、
前記バーナによる水素ガスの燃焼を開始する前に、所定時間前記第1供給弁を開いて前記パージラインから不活性ガスを供給した後該第1供給弁を閉止し、前記第1供給弁が閉止された後に前記遮断弁を開くプレパージ制御部を更に備え、
前記プレパージ制御部は、前記遮断弁が閉止された状態においてのみ前記第1供給弁の開放を許容する請求項1〜3のいずれかに記載の水素燃焼ボイラ。 - 前記プレパージ制御部は、前記バーナから前記遮断弁までの間の前記水素供給ラインの容積の4倍以上の不活性ガスを供給するように前記第1供給弁の開閉を制御する請求項4に記載の水素燃焼ボイラ。
- 前記制御部は、
前記バーナにおける水素ガスの燃焼の異常を検知した場合に前記遮断弁を閉止する異常検知部を更に備え、
前記異常検知部により前記遮断弁が閉止された後に水素ガスの燃焼が開始される場合に前記プレパージ制御部による制御を行う請求項4又は5に記載の水素燃焼ボイラ。 - 前記パージラインに配置されるオリフィスを更に備え、
前記パージラインにおける前記オリフィスの下流側の不活性ガスの圧力は、前記バーナの最小燃焼状態において前記水素供給ラインにおける前記遮断弁の下流側に供給される水素ガスの圧力よりも低く設定される請求項1〜6のいずれかに記載の水素燃焼ボイラ。 - 前記パージラインにおける前記オリフィスの上流側の不活性ガスの圧力は、前記バーナの最大燃焼状態において前記水素供給ラインにおける前記遮断弁の下流側に供給される水素ガスの圧力よりも高く設定される請求項7に記載の水素燃焼ボイラ。
- 前記パージラインに配置され、不活性ガスの圧力を検知する圧力検知部を更に備え、
前記制御部は、前記圧力検知部により検知された不活性ガスの圧力が所定値よりも低下した場合に前記バーナによる水素ガスの燃焼を停止する請求項1〜8のいずれかに記載の水素燃焼ボイラ。 - 水素燃焼ボイラに接続する水素供給ラインには水素燃焼ボイラの上流側に燃料元弁が設けられ、
前記パージラインから分岐して、前記燃料元弁の下流側近傍で前記水素供給ラインに接続される分岐パージラインと、
前記分岐パージラインに配置され、該分岐パージラインを開閉する第2供給弁と、
を更に備え、
前記制御部は、前記燃料元弁から前記遮断弁の間を不活性ガスでパージする場合に、前記燃料元弁が閉止された状態においてのみ前記水素供給ラインをパージ可能にする遮断弁上流パージ制御部を更に備える請求項1〜9のいずれかに記載の水素燃焼ボイラ。 - 前記水素供給ラインにおける前記パージラインとの接続位置よりも下流側に配置される流路切替弁と、前記水素供給ラインと前記パージラインとの接続位置よりも下流側、且つ前記流路切替弁よりも上流側の水素供給ラインに接続される大気開放ラインと、前記大気開放ラインに配置され、該大気開放ラインを開閉する大気開放弁と、を更に備え、
前記遮断弁上流パージ制御部は、前記流路切替弁を閉止すると共に前記大気開放弁を開放して前記水素供給ラインをパージする請求項10に記載の水素燃焼ボイラ。 - 前記水素供給ラインにおける前記パージラインとの接続位置よりも下流側に配置されるフレームアレスタを更に備える請求項1〜11のいずれかに記載の水素燃焼ボイラ。
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