JP6938192B2 - 記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は記録媒体に関する。
近年、インクジェット方式の画像記録方法を用いて、記録媒体に画像を記録した記録物を、屋外に掲示する場合がある。屋外掲示用途の画像形成用の記録媒体は、従来の記録媒体と同等のインク吸収性を維持しつつも、従来の記録媒体以上に、インク受容層の水に対する耐久性が高いことが求められる。
従来、インク受容層の水に対する耐久性及びインク吸収性を改善するために、様々な検討が行われている。特許文献1及び4には、多孔質無機顔料と水不溶性樹脂を含むバインダーとをインク受容層に含有させることにより、水に対する耐久性が改善されることが記載されている。また、特許文献2には、撥水効果の高い有機粒子をインク受容層に含有させることにより、水に対する耐久性が改善されることが記載されている。さらに、特許文献3には、インク受容層上に、HLB値が9以下の界面活性剤を含有させたインク透過層を設けることにより、インク受容層のインク吸収性が改善されることが記載されている。
特開2002−137537号公報 国際公開第2003/008198号 特開2002−2090号公報 特開2002−052812号公報
本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の記録媒体は、最表層のインク受容層に水不溶性樹脂を含有させることにより、最表面に水を滴下した際、滴下直後の接触角を上げることができる。しかしながら、前記インク受容層は、水溶性樹脂も多く含有するため、撥水効果が不十分となり、水がインク受容層に吸収される。そのため、このような記録媒体は、雨にさらされる屋外記録媒体としては不向きである。特許文献2に記載の記録媒体は、インク受容層に疎水性の高い有機粒子を用いることで、耐久性が改善される。しかし、一次細孔を有する無機粒子を含有するインク受容層と比べ、インク吸収性が劣る。また、特許文献3に記載の記録媒体は、インク受容層のインク吸収性が改善されるものの、インク受容層のバインダーにポリエステル樹脂を用いた場合には、ポリエステル樹脂が加水分解するなどして、インク受容層の十分な耐久性が得られない。さらに、特許文献4に記載の記録媒体についても、インク受容層の耐久性及びインク吸収性が改善されているものの、未だ十分とは言い難い。
したがって、本発明の目的は、インク受容層のインク吸収性及び耐久性に十分に優れた記録媒体を提供することにある。
本発明に係る記録媒体は、基材とインク受容層とを有する、水性インクのインクジェット用の記録媒体であって、前記インク受容層が、無機粒子とバインダーと少なくとも1種の界面活性剤とを含有し、かつ、前記バインダーが、カチオン性またはノニオン性のアクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種含有し、前記界面活性剤の少なくとも1種が、アセチレン系界面活性剤であり、前記インク受容層の表面に水を接触させてから60秒後における前記インク受容層の表面に対する水の接触角が、40度以上80度以下であることを特徴とする。
本発明によれば、インク受容層のインク吸収性及び耐久性に十分に優れた記録媒体を提供することができる。
本発明の記録媒体及び従来の記録媒体について、インク受容層表面に対する水の接触角の経時変化の一例を示す図である。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。その結果、基材とインク受容層とを有する、水性インクのインクジェット用の記録媒体であって、前記インク受容層が、無機粒子とバインダーと少なくとも1種の界面活性剤とを含有し、かつ、前記バインダーが、カチオン性またはノニオン性のアクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、前記界面活性剤の少なくとも1種が、アセチレン系界面活性剤であり、前記インク受容層の表面に水を接触させてから60秒後における前記インク受容層の表面に対する水の接触角が40度以上80度以下であることを特徴とする記録媒体が、優れたインク受容層のインク吸収性及び耐久性を有することを見出した。
本発明者らは、上記構成により本発明の効果が得られる理由を、以下のように推測している。インク受容層の表面に水を接触させてから60秒後における、インク受容層の表面に対する水の接触角を40度以上とすることにより、撥水効果が著しく向上し、優れたインク受容層の耐久性が得られる。さらに、インク受容層が少なくとも1種の界面活性剤を含有し、該界面活性剤の少なくとも1種が、アセチレン系界面活性剤であり、かつ、前記インク受容層の表面に水を接触させてから60秒後における前記インク受容層の表面に対する水の接触角が80度以下であることにより、優れたインク吸収性が得られる。
一般的に、インクジェット記録に用いられる水性インクの表面張力は40mN/m以下であり、表面張力が70mN/mである水よりも低い。そのため、インク受容層の表面に水を接触させてから60秒後におけるインク受容層表面に対する水の接触角を40度以上80度以下とすることにより、インク受容層表面は、水に対しては、はじく効果を発揮し、インク受容層の耐久性が向上する。一方で、水よりも表面張力の低い水性インクは、インク受容層表面ではじかれることなくインク受容層内部に浸透するため、インク吸収性が向上する。さらに、インク受容層に含有されるバインダーが、カチオン性またはノニオン性のアクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有することにより、優れた耐久性を有するインク受容層が得られる。よって、本発明の構成を有することにより、本発明の効果、すなわち、十分に優れたインク受容層のインク吸収性及び耐久性の両方を高いレベルで達成することが可能となる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
<記録媒体>
本発明の記録媒体は、基材と、少なくとも1層のインク受容層とを有する。本発明において、記録媒体は、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましく、水性インクのインクジェット用記録媒体であることがより好ましい。
(記録媒体の表面粗さ)
記録媒体の表面粗さは、記録媒体に求める光沢の度合いによって、適宜調整すればよい。なお、記録媒体の表面粗さを調整する方法としては、例えば、記録媒体の基材等の表面を特定の凹凸を有するロールで押し付けて凹凸を設け、該凹凸面上にインク受容層用塗工液を塗工する方法や、インク受容層用塗工液を塗工してインク受容層を形成した後、該インク受容層表面を特定の凹凸を有するロールで押し付け、凹凸を設ける方法などが挙げられる。また、インク受容層に含有させる無機粒子の粒径によって表面粗さを制御したり、インク受容層の表面にさらに無機粒子を含む層を設け、その層中の無機粒子の粒径や層の被覆率によって表面粗さを制御したりしてもよい。以下、代表的な記録媒体について、好ましい表面粗さを記載する。
(1)光沢紙
記録媒体を光沢紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、0.13μm以下であることが好ましい。Raは、0.05μm以上0.13μm以下であることがより好ましく、0.10μm以上0.13μm以下であることが特に好ましい。
(2)半光沢紙
記録媒体を半光沢紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、5.0μm以下であることが好ましい。Raは、0.10μm以上5.0μm以下であることがより好ましく、0.50μm以上5.0μm以下であることが特に好ましい。
(3)マット紙
記録媒体をマット紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、1.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以上5.0μm以下であることがより好ましい。また、記録媒体をマット紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の二乗平均平方根傾斜RΔqが、0.3μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
以下、本発明に係る記録媒体の各構成について説明する。
[基材]
基材としては、記録媒体用として既に利用されているもの、あるいは記録媒体用として利用可能であり、インク受容層の支持体として機能できるものであれば制限なく利用することができる。基材としては、基紙のみから構成されるもの、プラスチックフィルムのみから構成されるもの、クロスのみから構成されるものが挙げられる。また、基材として、複数の層を設けたものを用いてもよい。具体的には、基紙と樹脂層を有するもの、すなわち、樹脂被覆基材が挙げられる。本発明においては、記録媒体を屋外掲示用として使用する観点から、樹脂被覆基材、プラスチックフィルム、クロスを基材として用いることが好ましい。
本発明において、基材の厚さは、50μm以上400μm以下であることが好ましく、70μm以上200μm以下であることがより好ましい。なお、本発明において、基材の厚さは、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基材の任意の100点以上の厚さを測定し、その平均値を基材の厚さとする。なお、本発明におけるその他の層の厚さも、同様の方法で算出するものとする。
(1)樹脂被覆基材
(基紙)
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロン及びポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記木材パルプの中でも、短繊維成分の多いLBKP、LBSP、NBSP、LDP、NDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行うことにより白色度を向上させたパルプも好ましい。なお、基紙中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
本発明において、基紙の厚さは、50μm以上130μm以下であることが好ましく、90μm以上120μm以下であることがより好ましい。なお、本発明において、基紙の厚さは、前記基材の厚さと同様の方法で算出するものとする。
本発明において、基紙のJIS P 8118で規定される紙密度は、0.6g/cm以上1.2g/cm以下であることが好ましく、0.7g/cm以上1.2g/cm以下であることがより好ましい。
(樹脂層)
樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよく、両面に設けられていてもよい。本発明においては、樹脂層は、基紙の両面に設けられていることが好ましい。また、基紙が樹脂で被覆されている場合は、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよい。樹脂層の被覆率(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積/基紙の表面の全面積)は、70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%であること、すなわち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。
また、本発明において、樹脂層の厚さは、20μm以上60μm以下であることが好ましく、35μm以上50μm以下であることがより好ましい。樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の厚さが、それぞれ上記範囲を満足することが好ましい。
樹脂層に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。なお、本発明において、ポリオレフィン樹脂とは、モノマーとしてオレフィンを用いた重合体を意味する。ポリオレフィン樹脂としては、具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
本発明において、樹脂層は、不透明度や白色度、色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤、群青等のブルーイング剤などを含有してもよい。これらの中でも、不透明度を向上することができるため、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。白色顔料を用いる場合、樹脂層中の白色顔料の含有量は、3g/m以上30g/m以下であることが好ましい。なお、樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層中の白色顔料の合計の含有量が、上記範囲を満足することが好ましい。また、樹脂層中の白色顔料の含有量は、樹脂の含有量に対して、25質量%以下であることが好ましい。白色顔料の含有量が25質量%よりも多いと、白色顔料の分散安定性が十分に得られない場合がある。
本発明において、樹脂層のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、0.12μm以上0.18μm以下であることが好ましく、0.13μm以上0.15μm以下であることがより好ましい。また、本発明において、樹脂層のJIS B0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmは、0.01mm以上0.20mm以下であることが好ましく、0.04mm以上0.15mm以下であることがより好ましい。
(2)プラスチックフィルム
本発明において、プラスチックは、重量平均分子量10,000以上の高分子を50質量%以上成分として含むものを意味し、プラスチックフィルムとは、プラスチックをフィルム状に加工したものを意味する。プラスチックフィルムに用いられるプラスチックは、熱可塑性プラスチックである。熱可塑性プラスチックとしては、具体的には、ビニル系プラスチック、ポリエステル系プラスチック、セルロースエステル系プラスチック、ポリアミド系プラスチック、耐熱エンジニアリングプラスチックが挙げられる。
ビニル系プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニデリン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂が挙げられる。ポリエステル系プラスチックとしては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。セルロースエステル系プラスチックとしては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレートが挙げられる。ポリアミド系プラスチックとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12が挙げられる。耐熱エンジニアリングプラスチックとしては、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミドが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、本発明においては、耐久性及びコストの観点から、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
また、本発明においては、前記プラスチックに薬品処理や表面コート、内添などの処理を施すことによって不透明度を高めた合成紙も、プラスチックフィルムとして使用することができる。薬品処理としては、プラスチックフィルムの表面を、アセトン、メチルイソブチルケトンなどの有機溶剤に浸漬させることにより膨潤層を発生させて、メタノールなどの別の有機溶剤によって膨潤層を乾燥凝固させる方法が挙げられる。表面コートとしては、炭酸カルシウムや酸化チタンなどの白色顔料及び結合剤からなる層をプラスチックの表面に形成させる方法が挙げられる。また、内添としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料を、充てん剤としてプラスチック内に混入する方法がある。さらに、ポリブチレンテレフタレート微粒子やポリカーボネート微粒子、ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂などを添加することにより、プラスチック内に空隙を形成することによって、不透明度を高めた発泡プラスチックフィルムも使用することができる。
本発明において、プラスチックフィルムの厚さは、50μm以上300μm以下であることが好ましく、75μm以上135μm以下であることがより好ましい。
本発明において、プラスチックフィルムに用いるプラスチックのガラス転移点(Tg)は、−20℃以上150℃以下であることが好ましく、−20℃以上80℃以下であることがより好ましい。なお、本発明において、ガラス転移点は、例えば、示差走査熱量測定法(DSC法)により測定することができる。
本発明において、プラスチックフィルムのJIS K 7112:1999で規定されるプラスチック密度は、0.6g/cm以上1.5g/cm以下であることが好ましく、0.7g/cm以上1.4g/cm以下であることがより好ましい。
本発明において、プラスチックフィルムのJIS K 7209:2000で規定される吸水率は5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
また、プラスチックフィルムを用いる場合、表面酸化処理による表面処理を行うことにより、インク受容層とプラスチックフィルムとの密着性を向上することができる。表面酸化処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて行うことができる。これらの中でも、オゾン処理が好ましい。オゾン処理による処理量は、10〜200W・分/mが好ましく、50〜150W・分/mがより好ましい。
(3)クロス
本発明において、クロスは、多数の繊維を薄く広い板状に加工したものを意味する。繊維の種類としては、天然繊維、天然繊維の性質を持つ材質又はプラスチックから再生される再生繊維、及び石油などの高分子を原料とする合成繊維が挙げられる。天然繊維としては、木綿、絹、麻、モヘヤ、ウール、カシミヤが挙げられる。また、再生繊維としては、アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステルが挙げられる。さらに、合成繊維としては、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタンが挙げられる。
[インク受容層]
本発明において、インク受容層は単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。また、インク受容層は、前記基材の片面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。基材の片面におけるインク受容層の厚さは、15μm以上60μm以下であることが好ましく、25μm以上50μm以下であることがより好ましく、30μm以上45μm以下であることが特に好ましい。
本発明において、インク受容層は、無機粒子とバインダーと少なくとも1種の界面活性剤とを含有する。また、前記バインダーは、カチオン性またはノニオン性のアクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、前記界面活性剤の少なくとも1種は、アセチレン系界面活性剤である。以下、インク受容層に含有することができる各材料について説明する。
(無機粒子)
本発明において、インク受容層が含有する無機粒子は、1次粒子同士が集合することで、多数の1次粒子からなる2次粒子となる。さらに、2次粒子同士をバインダーによって結着させることにより、インク受容層が形成される。しかし、バインダーの一部が、無機粒子の1次粒子間の細孔に吸収されてしまう現象がある。無機粒子の1次粒子間の細孔に吸収されるバインダーの量が多い場合には、バインダーとしての結着力が低下するだけでなく、無機粒子の1次粒子間の細孔がバインダーによって埋まってしまうため、インク受容層のインク吸収性が低下する。特に、本発明では、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーを用いることから、1次粒子間の細孔に吸収されるバインダーの量が多い場合には、インク吸収性の低下が顕著である。また、前記バインダーのもたらすべき撥水効果も低下してしまう。そこで、バインダーの、無機粒子の1次粒子間への吸収を抑えるために、インク受容層に用いる無機粒子は、以下の構成を有することが好ましい。
すなわち、本発明において、インク受容層のインク吸収性及び耐久性の観点から、無機粒子の細孔半径20nm以下の細孔について、細孔半径7nm以上の細孔の細孔容積の合計が、細孔半径20nm以下の全細孔の細孔容積の合計に対して、25体積%以下であることが好ましい。そして、かかる構成は、記録媒体のインク受容層の細孔半径20nm以下の細孔について、細孔半径7nm以上の細孔の細孔容積の合計が、細孔半径20nm以下の全細孔の細孔容積の合計に対して、25体積%以下であることに相当する。
一般的に、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーの吸収に関わる無機粒子の1次粒子間の細孔の大きさ(細孔分布測定をした際の細孔半径)は、7nm以上である。すなわち、無機粒子の1次粒子間の細孔の大きさが、7nmより小さい場合には、細孔が小さいために前記バインダーが吸収されにくい。したがって、前記バインダーの吸収に関わる無機粒子の1次粒子間の細孔、すなわち、細孔半径が7nm以上の細孔の割合が少ない程、前記バインダーが吸収される現象が抑制される。ただし、細孔分布測定をした際の細孔半径を7nm以上と規定してしまうと、前記2次粒子間の細孔(1次粒子間の細孔よりも大きい)も含まれてしまう。そのため、前記バインダーの吸収に影響のない2次粒子間の細孔を除き、無機粒子の1次粒子間の細孔のみをカウントできるように、便宜上、細孔分布測定をした際の細孔半径の上限を「20nm」と設定している。この上限「20nm」は、本発明者らが種々の無機粒子について検討を行った結果、実験的に得られた数値であり、上限をこの値に設定することにより、一般的な無機粒子について、無機粒子の1次粒子間の細孔のみをカウントできることを確認している。
細孔半径が7nm以上20nm以下の細孔の割合(体積%)は、{(細孔半径7nm以上20nm以下の細孔の細孔容積の合計)/(細孔半径20nm以下の全細孔の細孔容積の合計)}×100で表される。そして、種々の記録媒体について検討を行った結果、無機粒子の細孔半径7nm以上20nm以下の細孔の割合が25体積%以下であることによって、インク受容層のインク吸収性及び耐久性をさらに向上させることができることが明らかとなった。
なお、無機粒子における、細孔半径が7nm以上20nm以下の細孔の割合が25体積%以下である場合に、記録媒体のインク受容層における、細孔半径が7nm以上20nm以下の細孔の割合が25体積%以下となることは、別途、実験を行うことにより検証している。
また、本発明において、インク受容層のインク吸収性及び耐久性の観点から、無機粒子の吸油量は、150ml/100g以上240ml/100g以下であることが好ましい。本発明者らが検討したところ、無機粒子が、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーを吸収する量は、無機粒子の吸油量に大きく依存し、該無機粒子の吸油量は、インク受容層の耐久性と相関することが分かった。すなわち、無機粒子の吸油量が240ml/100g以下であることによって、前記バインダーが無機粒子に吸収されにくくなり、バインダーとしての機能を十分に担保することができる。なお、本発明において、吸油量は、JIS K 5101−13−1に規定される「精製あまに油法」に準じて測定される。
また、無機粒子のBET比表面積は、380m/g以上であることが好ましい。無機粒子のBET比表面積が380m/g以上である場合には、バインダーと無機粒子との接触面積が広くなるため、両者の相互作用がさらに高まり、インク受容層の耐久性をより向上させることができる。なお、本発明において、BET比表面積は、BET法で求められる比表面積である。BET法は、試料表面に大きさの分かっている分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。本発明においては、試料に吸着させる気体として、窒素ガスを用いる。
本発明において、インク受容層に含有される無機粒子の吸油量及びBET比表面積は、以下のように測定することができる。まず、インク受容層の一部を掻き取り、600℃の温度で2時間加熱する。このとき、加熱により得られた残存物を、インク受容層に含有される無機粒子とみなすことができる。したがって、該残存物について吸油量及びBET比表面積の測定を行うことで、無機粒子の吸油量及びBET比表面積が得られる。
また、本発明において、記録媒体のインク受容層においては、細孔半径2nm以上10nm以下の細孔の細孔容積の合計が、0.2ml/g以上であることが好ましい。かかる構成を満足するためには、無機粒子の、細孔半径2nm以上10nm以下の細孔の細孔容積の合計が、0.4ml/g以上であることが好ましい。
本発明において、無機粒子は、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられてもよい。この場合、分散状態における無機粒子の平均二次粒子径は、1μm以上20μm以下であることが好ましく、3μm以上9μm以下であることがより好ましい。なお、分散状態における無機粒子の平均二次粒子径は、レーザー回折法によって測定される体積平均二次粒子径である。
本発明において、インク受容層中に占める無機粒子の含有量は、40質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いる無機粒子としては、例えば、アルミナ水和物、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記無機粒子の中でも、インクの吸収性が高い多孔質構造を形成することができる観点から、シリカを用いることが好ましい。
インク受容層に用いるシリカは、その製法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化ケイ素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。本発明においては、インク受容層のインク吸収性及び耐久性を両立する観点から、湿式法により得られるシリカ(以下、「湿式法シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。湿式法シリカとしては、沈降法シリカやゲル法シリカが挙げられる。
ゲル法シリカの製造方法としては、以下の方法を挙げることができる。まず、SiO濃度が10〜20質量%となるようにケイ酸塩と無機酸とを反応させて得られたシリカヒドロゾルをゲル化する。なお、ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸アンモニウム等が挙げられるが、工業的にはケイ酸ナトリウムが多く使われている。また、無機酸としては、硫酸、硝酸、塩酸等が挙げられるが、一般的には硫酸が用いられる。
次いで、上記工程により得られたシリカヒドロゲルを水洗して、シリカヒドロゲルに含まれる無機酸塩を除去する。その後、得られたシリカヒドロゲルに対して水熱処理を行う。このとき、水熱処理に用いる水のpH、温度及び時間の設定に応じて、シリカゲルの平均細孔径及び吸油量を調整することができる。例えば、上記シリカヒドロゲルに対し、pH2〜10、温度20〜100℃の水を用いて水熱処理を行うと、平均細孔径及び吸油量が増大する。なお、シリカゲルの物性のバランスを考慮すれば、pH2〜8、温度40〜90℃で水熱処理することが好ましい。
次に、このシリカヒドロゲルを、数μmの平均二次粒子径を持つシリカ粒子となるようにボールミルなどで粉砕して粒状とし、温度100〜1000℃で、1〜100秒間乾燥することにより、ゲル法シリカが得られる。
(バインダー)
本発明において、バインダーとは、無機粒子を結着し、被膜を形成することができる材料を意味する。そして、本発明において、バインダーは、カチオン性またはノニオン性のアクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。本発明において、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂は、インク受容層用の塗工液において樹脂粒子の状態(エマルションの状態)で用いられることが好ましい。
本発明においては、インク吸収性の観点から、インク受容層中のバインダーの含有量が、無機粒子100質量部に対して、100質量部以下であることが好ましく、70質量部以下であることがより好ましい。また、インク受容層の結着性の観点から、前記バインダーの含有量は、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましい。すなわち、前記バインダーの含有量は、無機粒子100質量部に対して30質量部以上100質量部以下であることが好ましく、50質量部以上70質量部以下であることがより好ましい。
本発明において、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂のガラス転移点は、20℃以下であることが好ましい。樹脂のガラス転移点が20℃以下であることにより、樹脂と無機粒子との結着力が強くなり、耐久性をさらに向上させることができる。
また、本発明において、得られる画像の発色性の観点から、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される樹脂は、カチオン性樹脂であることが好ましい。また、インク受容層用の塗工液の塗工安定性の観点からは、前記樹脂はノニオン性樹脂であることが好ましい。
さらに、本発明において、インク受容層の耐久性の観点から、インク受容層が、(1)水溶性樹脂を含有しないこと、又は、(2)水溶性樹脂を含有する場合、インク受容層中の前記バインダー中、水溶性樹脂の含有量が20質量%以下であることが好ましい。すなわち、インク受容層中の前記バインダー中の水溶性樹脂の含有量が、0質量%以上20質量%以下であることが好ましい。前記水溶性樹脂の含有量は、0質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上10質量%以下であることが特に好ましい。水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体などが挙げられる。
以下、インク受容層に含有される各樹脂について、説明する。
(1)アクリル樹脂
本発明において、アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステルの重合体を意味する。(メタ)アクリル酸エステルをモノマーとして用いるのであれば、単重合体でも、その他のモノマーとの共重合体であってもよい。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。また、メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、などが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルと共重合することができるその他のモノマーとしては、ビニル系モノマーが挙げられる。具体的に、ビニル系モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、スチレンスルホン酸などのスチレン類及びその誘導体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾン、ビニルスルホン酸などのビニルエーテル類及びその誘導体が挙げられる。
本発明においては、アクリル樹脂が、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、又は、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共重合体であることが好ましい。中でも、ガラス転移点が比較的高いメタクリル酸エステルと、ガラス転移点が比較的低いアクリル酸エステルとの共重合体は、最終的に得られるアクリル樹脂のガラス転移点を、その共重合比率によって制御できるためより好ましい。
(2)ウレタン樹脂(ポリカーボネート変性ウレタン樹脂、ポリエーテル変性ウレタン樹脂)
本発明において、ウレタン樹脂とは、ウレタン結合を有する樹脂を意味する。本発明において、バインダーがウレタン樹脂を少なくとも1種含む場合、該ウレタン樹脂は、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である。以下、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂をまとめて、単に「ウレタン樹脂」ともいう。
ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールと鎖延長剤とを反応させることによって得られる化合物であることが好ましい。
具体的に、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートなどの脂環式イソシアネートなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオールとして、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオールを使用することで、ポリエーテル変性ウレタン樹脂が得られる。また、ポリオールとして、ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネート系ポリオールを使用することで、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂が得られる。これらのポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
鎖延長剤としては、エチレングリコールなどの低分子グリコール、低分子ジアミン、低分子アミノアルコールなどの活性水素原子を含有する化合物を使用することができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(界面活性剤)
本発明において、インク受容層は、少なくとも1種の界面活性剤を含有する。また、該界面活性剤の少なくとも1種は、アセチレン系界面活性剤である。なお、本発明において、アセチレン系界面活性剤とは、分子中にアセチレン構造を有する界面活性剤をいう。アセチレン系界面活性剤としては、アセチレングリコール、アセチレンモノオール類、アセチレンジオール類、エトキシレートアセチレンジオール等のアセチレンアルコール類が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
インク受容層は、前記アセチレン系界面活性剤に加え、必要に応じてその他の界面活性剤を1種以上含有してもよい。その他の界面活性剤としては、フッ素系、シリコーン系、ポリエーテル変性シリコーン系、ポリシロキサン系、エーテル変性ポリシロキサン系等の界面活性剤が使用できる。
また、インク受容層の耐久性の観点から、前記アセチレン系界面活性剤のHLB値は10以下であることが好ましい。なお、本発明において、HLB値は、下式で表されるグリフィンの式により求められる値である。
HLB値=(親水基の分子量/界面活性剤全体の分子量)×20
(防かび剤)
記録媒体を屋外に展示した場合の雨水等の影響によるかびの発生を抑制するために、本発明の記録媒体のインク受容層は、防かび剤を含むことが好ましい。また、防かび剤の水への溶解度は、1質量%以下であることが好ましい。防かび剤の水への溶解度が1質量%以下であることにより、インク受容層に浸透した水に防かび剤が溶解することによる、防かび剤のインク受容層からの流出を抑制し、防かび性の低下を抑制することができる。なお、防かび剤の水への溶解度は、25℃で測定された値である。
また、インク受容層中における防かび剤の含有量は、インク受容層の全質量に対して0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
また、防かび剤の平均粒子径は、0.1μm以上20μm以下であることが好ましい。防かび剤の平均粒子径が上記範囲内であることにより、インク受容層に浸透した水による防かび剤の流出の抑制と、防かび剤によるインク受容層のヘイズの低減とを、より高いレベルで両立させることができる。なお、防かび剤の平均粒子径は、ベックマン・コールター社製のレーザー回折散乱法粒度分布測定装置(型式:LS 13 320)によって測定して得られる、体積基準粒度分布における平均粒子径の値である。
本発明に用いられる防かび剤は、トリアゾール系化合物、ピリチオン系化合物、ピリジン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、シアノ臭素系化合物、カルバミン酸系化合物、イミダゾール系化合物、及びチアベンダゾール系化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらは、少量の添加によって防かび性の効果を得ることができる。これら防かび剤としては、市販品を用いることができる。
トリアゾール系化合物としては、具体的には、α−ブチル−α−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:ヘキサコナゾール)、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)、及びα−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:シプロコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)等が挙げられる。
ピリジン系化合物として、例えば、ナトリウムオマジン化合物、2,2’−ジチオビス(ピリジン−1−オキサイド)等が挙げられる。
ベンゾイミダゾール系化合物としては、具体的には、メチル−2−ベンゾイミダゾールカルバメート(慣用名:カルベンダジム)、エチル−2−ベンゾイミダゾールカルバメート、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール等が挙げられる。
(その他の添加剤)
本発明において、インク受容層は、上記以外のその他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、具体的には、架橋剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、耐水化剤、インク定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
架橋剤としては、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、チタン系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、ホウ酸塩、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物などが挙げられる。
また、インク定着剤として、上記アクリル樹脂やウレタン樹脂以外のカチオン性樹脂や、多価金属塩を含有することが好ましい。カチオン性樹脂としては、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物などが挙げられる。多価金属塩としては、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物などが挙げられる。これらの中でも、カルシウム化合物が好ましく、硝酸カルシウム四水和物がより好ましい。
(インク受容層表面に対する水の接触角)
本発明において、インク受容層は、該インク受容層の表面に水を接触させてから60秒後におけるインク受容層の表面に対する水の接触角が40度以上80度以下であることを特徴とする。接触角の測定は、DAT(自動吸収特性試験機、製品名:1100DAT機、FIBRO社製)などを用いて行うことができる。具体的には、インク受容層の表面に4μlの純水を滴下し、滴下後の状態をビデオ撮影する。そして、必要な時間が経過した後に、ビデオ画像から、インク受容層の表面に対する液滴(水)の接触角を測定する。
図1は、本発明の記録媒体(B)と従来の記録媒体(A、C)について、インク受容層の表面に水を接触させてから120秒後までにおける、インク受容層表面に対する水の接触角の経時変化の一例を示す図である。図中、Bに示すように、本発明の記録媒体は、60秒後におけるインク受容層の表面に対する水の接触角が40度以上80度以下である。そのため、優れたインク受容層のインク吸収性と耐久性とを両立することができる。一方で、例えば、後述する比較例1のように、インク受容層に界面活性剤を含有しない従来の記録媒体は、Aに示すように、60秒後におけるインク受容層の表面に対する水の接触角が80度を超えており、インク吸収性が不十分である。また、Cに示すように、60秒後におけるインク受容層の表面に対する水の接触角が40度よりも小さい従来の記録媒体は、インク受容層の耐久性が不十分である。
なお、本発明においては、検証性の観点から、インク受容層の表面に水を接触させてから60秒後におけるインク受容層の表面に対する水の接触角が40度以上80度以下であると規定している。これは、水を接触させてから60秒後においては、前記接触角は、ほぼ定常化しているという趣旨である。そして、前記接触角は、40秒後において定常化していることが好ましく、20秒後において定常化していることがより好ましく、10秒後において定常化していることが特に好ましい。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体の製造方法は、特に限定されないが、インク受容層用の塗工液を調製する工程、及び、該塗工液を基材に塗工する工程を有する方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
本発明において、基材にインク受容層を形成する方法としては、例えば、以下の方法を挙げることができる。まず、インク受容層用の塗工液を調製する。そして、基材に該塗工液を塗工して、乾燥することにより、本発明の記録媒体を得ることができる。該塗工液の塗工量は、5g/m以上40g/m以下であることが好ましい。該塗工液の塗工量が上記範囲内であることにより、インク吸収性の向上と、塗工液の塗工安定性の向上とを両立することができる。
前記塗工液の塗工方法としては、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバースコーター、トランスファーコーター、ダイコーター、キスコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーターや、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。なお、塗工時に、前記塗工液を加温してもよい。
また、インク受容層用の塗工液の塗工に先立ち、基材の該塗工液を塗工する面に、表面処理剤を含有する表面処理液を付与してもよい。そうすることにより、該塗工液の基材への濡れ性が高まり、インク受容層と基材との密着性を向上させることができる。この場合、表面処理剤としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などの熱可塑性樹脂や、シランカップリング剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、表面処理液中には、本発明の効果を損なわない範囲で、無機粒子を含有させてもよい。無機粒子としては、上記で列挙したものを用いることができる。
また、塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。塗工液を乾燥する際の加熱温度は、例えば80〜130℃とすることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
<基材の用意>
基材として、ポリプロピレン合成紙であるニューユポ(登録商標)FGS110(製品名、ユポコーポレション製、厚さ:110μm)を用意した。
<無機粒子分散液I〜IIIの調製>
純水中に、それぞれ、表1に記載の無機粒子(いずれも湿式法シリカ)を添加した後、ミキサーで30分間撹拌し、固形分の含有量が15.0質量%である無機粒子分散液I〜IIIを調製した。
また、各無機粒子分散液に使用した無機粒子の吸油量(ml/100g)を、精製あまに油法によって測定した。さらに、自動比表面積/細孔分布測定装置トライスター3000(島津製作所製)を用いた窒素吸着法によって、無機粒子のBET比表面積(m/g)、及び細孔分布を測定した。得られた細孔分布から、無機粒子の細孔半径20nm以下の細孔について、細孔半径が7nm以上の20nm以下の細孔の割合(体積%)(表1中、「細孔容積の割合」と表記した)を、{(細孔半径7nm以上20nm以下の細孔の細孔容積の合計)/(細孔半径20nm以下の全細孔の細孔容積の合計)}×100より算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006938192
<インク受容層用の塗工液A〜Sの調製>
表2のとおり、無機粒子分散液I〜IIIと、バインダーと、界面活性剤とを、それぞれの乾燥固形分の質量比が、無機粒子/バインダー/界面活性剤=60/35/1.2となるように配合し、固形分20質量%の塗工液A〜Sを調製した。
なお、塗工液Iに使用したバインダーは、ポリビニルアルコールとアクリルの乾燥固形分の質量比が、PVA235/モビニール7720=18/82となるように調整した。また、塗工液Jに使用したバインダーは、ポリビニルアルコールとアクリルの乾燥固形分の質量比が、PVA235/モビニール7720=24/76となるように調整した。また、塗工液Kは、界面活性剤として、アセチレン系界面活性剤1.2(乾燥固形分の質量比)に、さらにポリエーテル変性シリコーン界面活性剤0.4(乾燥固形分の質量比)を添加して調製した。
また、塗工液Qに使用したバインダーは、ポリビニルアルコールとアクリルの乾燥固形分質量比が、PVA235/モビニール7720=34/66となるように調整した。
なお、表2中のバインダーB1〜B7、及び界面活性剤C1〜C6として用いた製品の製品名及び製造元は以下のとおりである。
(バインダー)
B1;ポリカーボネート変性ウレタン(製品名:ハイドランWLS210、DIC株式会社、Tg:−15℃)
B2;ポリエーテル変性ウレタン(製品名:ハイドランWLS201、DIC株式会社、Tg:−50℃)
B3;カチオン性アクリル(製品名:モビニール7820、日本合成化学株式会社、Tg:4℃)
B4;ノニオン性アクリル(製品名:モビニール7720、日本合成化学株式会社、Tg:4℃)
B5;アニオン性アクリル(製品名:ボンロンT−733、三井化学株式会社、Tg:23℃)
B6;ポリビニルアルコール(製品名:PVA235、株式会社クラレ)
B7;ポリエステル(製品名:エリーテルKT−9204、ユニチカ株式会社、Tg:19℃)
(界面活性剤)
C1;アセチレングリコール(製品名:オルフィンE1004、HLB:9、日信化学工業株式会社)
C2;アセチレングリコール(製品名:サーフィノール420、HLB:4、日信化学工業株式会社)
C3;アセチレングリコール(製品名:サーフィノール440、HLB:8、日信化学工業株式会社)
C4;アセチレングリコール(製品名:サーフィノール465、HLB:13、日信化学工業株式会社)
C5;ポリエーテル変性シリコーン(製品名:FZ2104、HLB:9、東レ・ダウコーニング株式会社)
C6;アセチレンアルコール(製品名:サーフィノール61、HLB:6、日信化学工業株式会社)
なお、これらの界面活性剤は、いずれも乾燥固形分が100質量%、すなわち、有効成分含有量が100質量%の界面活性剤であるため、「界面活性剤の質量=乾燥固形分の質量」として計算した。
<記録媒体の作製>
[実施例1]
上記塗工液Aを、上記基材上に、乾燥塗工量が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥して、インク受容層を形成した。これにより、実施例1に係る記録媒体を得た。得られた記録媒体について、FIBRO社製の1100DAT機を用いて、インク受容層の表面に水を接触させてから60秒後におけるインク受容層表面に対する水の接触角を測定した。結果を表2に示す。
[実施例2〜14、及び比較例1〜5]
塗工液を、表2に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様に、実施例2〜14及び比較例1〜5に係る記録媒体を作製し、実施例1と同様にインク受容層の表面に水を接触させてから60秒後におけるインク受容層表面に対する水の接触角の測定を行った。結果を表2に示す。なお、実施例8は参考例を示す。
<記録媒体の評価>
実施例1〜14及び比較例1〜5で得られた記録媒体について、インク吸収性及びインク受容層の耐久性を、以下の方法により評価した。評価結果を表2に示す。なお、本発明においては、下記の各評価の評価基準のうち、A〜Bを好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。
(インク吸収性)
各記録媒体に、インクジェット記録装置を用いて、120%デューティのシアンインクのベタ画像を記録し、記録直後のインクの吸収具合を目視で観察した。インクジェット記録装置としては、imagePROGRAF iPF6400(製品名、キヤノン製)を使用し、インクタンクPFI−106(製品名、キヤノン製)を装着して記録した。記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%とした。なお、上記インクジェット記録装置は、解像度1200dpi×1200dpiで1/1200インチ×1/1200インチの単位領域に、約4.5ngのインクを1滴付与する条件で記録された画像を、記録デューティが100%であると定義するものである。評価基準は以下のとおりである。
A:印字後2秒以内にインクが吸収された。
B:印字後2秒超え、5秒以内にインクが吸収された。
:印字後5秒超え、8秒以内にインクが吸収された。
C:印字後8秒を超えてもインクが吸収されなかった。
(インク受容層の耐久性)
各記録媒体を、ISO18930に準じた屋外耐候加速試験方法を用いて200時間暴露し、耐久試験を行った。そして、この耐久試験後のインク受容層の膜強度を測定することにより、インク受容層の耐久性を評価した。インク受容層の膜強度の測定は、次のように行った。耐久試験後の記録媒体のインク受容層の表面に、黒紙(製品名:ニューカラーR、リンテック製)を75g/cmの荷重をかけて押し付け、学振型摩擦堅牢度試験機(製品名:AB−301 COLOR FASTNESS RUBBING TESTER、テスター産業製)にて20回往復させた。そして、インク受容層表面と接触しない黒紙の部分とインク受容層表面と接触した黒紙の部分の光学濃度(OD)を、光学反射濃度計500分光濃度計(X−Rite製)を用いて測定した。インク受容層の膜強度は、下式により算出される。
膜強度(%)=(インク受容層表面と接触した黒紙のOD/インク受容層表面と接触しない黒紙のOD)×100
評価基準は以下のとおりである。なお、試験前の各記録媒体のインク受容層の膜強度は、いずれもランクAであった。
A:膜強度が80%以上であった。
B:膜強度が65%以上80%未満であった。
:膜強度が55%以上65%未満であった。
C:膜強度が55%未満であった。
Figure 0006938192
[実施例15〜24]
実施例3で調製した塗工液Cに、さらに、表3に記載の各防かび剤を添加して調製した塗工液a〜jを用いたこと以外は実施例1と同様に、実施例15〜24に係る記録媒体を作製した。得られた記録媒体について、実施例1と同様にインク受容層の表面に水を接触させてから60秒後におけるインク受容層表面に対する水の接触角の測定を行ったところ、いずれの記録媒体も、防かび剤を添加せずに作製した記録媒体と同様の結果であった。なお、防かび剤の平均粒子径は、ベックマン・コールター社製のレーザー回折散乱法粒度分布測定装置(型式:LS 13 320)によって測定した。
<記録媒体の評価>
実施例15〜24で得られた記録媒体について、屋外掲示前のかび抵抗性、及び、屋外掲示後のかび抵抗性を、以下の方法により評価した。評価結果を表3に示す。なお、本発明においては、下記の各評価の評価基準のうち、0〜3を好ましいレベルとし、4〜5を許容できないレベルとした。
(屋外掲示前のかび抵抗性)
上記実施例15〜24に係る記録媒体の屋外掲示前のかび抵抗性は、それぞれ、JIS 2911(2010)付属書Aプラスチック製品の試験方法Aに準拠したかび抵抗性試験方法(Methods of test for fungus resistance)によって評価した。なお、該かび抵抗性試験方法は、国際規格ISO 846:1997に準拠した日本工業規格である。評価基準は以下のとおりである。
0:肉眼及び顕微鏡下でかびの発育は認められない。
1:肉眼ではかびの発育が認められないが、顕微鏡下では明らかに確認できる。
2:肉眼でかびの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%未満である。
3:肉眼でかびの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%以上50%未満である。
4:菌糸はよく発育し、発育部分の面積は試料の全面積の50%以上である。
5:菌糸の発育は激しく、試料全面を覆っている。
(屋外掲示後のかび抵抗性)
上記実施例15〜24に係る記録媒体を、ISO 18930に準じた屋外耐候加速試験方法を用いて200時間暴露し、耐久試験を行った。そして、この耐久試験後の記録媒体を測定試料として用いたこと以外は、前記の屋外掲示前のかび抵抗性と同様の評価を行った。また、評価基準も屋外掲示前のかび抵抗性と同様である。
Figure 0006938192

Claims (20)

  1. 基材とインク受容層とを有する、水性インクのインクジェット用の記録媒体であって、
    前記インク受容層が、無機粒子とバインダーと少なくとも1種の界面活性剤とを含有し、かつ、
    前記バインダーが、カチオン性またはノニオン性のアクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、
    前記界面活性剤の少なくとも1種が、アセチレン系界面活性剤であり、
    前記インク受容層の表面に水を接触させてから60秒後における前記インク受容層の表面に対する水の接触角が、40度以上80度以下であることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記アセチレン系界面活性剤のHLB値が10以下である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記アセチレン系界面活性剤のHLB値が9以下である請求項1に記載の記録媒体。
  4. 前記アセチレン系界面活性剤のHLB値が8以下である請求項1に記載の記録媒体。
  5. 前記アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂のガラス転移点が20℃以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録媒体。
  6. 前記無機粒子が湿式法シリカである請求項1〜のいずれか一項に記載の記録媒体。
  7. 前記無機粒子における細孔半径20nm以下の全細孔の細孔容積の合計に対して、細孔半径7nm以上20nm以下の細孔の細孔容積の合計が、25体積%以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の記録媒体。
  8. 前記無機粒子の吸油量が、150ml/100g以上240ml/100g以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の記録媒体。
  9. 前記無機粒子のBET比表面積が、380m/g以上である請求項1〜のいずれか一項に記載の記録媒体。
  10. 前記インク受容層は、さらに防かび剤を含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の記録媒体。
  11. 前記防かび剤の水への溶解度が1質量%以下である請求項10に記載の記録媒体。
  12. 前記防かび剤の平均粒子径が0.1μm以上20μm以下である請求項10または11に記載の記録媒体。
  13. 前記防かび剤が、トリアゾール系化合物、ピリチオン系化合物、ピリジン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、シアノ臭素系化合物、カルバミン酸系化合物、イミダゾール系化合物、及びチアベンダゾール系化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1012のいずれか一項に記載の記録媒体。
  14. 前記インク受容層中における防かび剤の含有量が、インク受容層の全質量に対して0.05質量%以上3質量%以下である請求項1013のいずれか一項に記載の記録媒体。
  15. 前記インク受容層中の前記バインダーの含有量が、前記無機粒子100質量部に対して、30質量部以上100質量部以下である請求項1〜14のいずれか一項に記載の記録媒体。
  16. 前記インク受容層中の前記バインダーの含有量が、前記無機粒子100質量部に対して、50質量部以上70質量部以下である請求項1〜14のいずれか一項に記載の記録媒体。
  17. 前記インク受容層中の水溶性樹脂の含有量が、前記バインダーの含有量を基準として0質量%以上24質量%以下である請求項1〜16のいずれか一項に記載の記録媒体。
  18. 前記インク受容層中の水溶性樹脂の含有量が、前記バインダーの含有量を基準として0質量%以上20質量%以下である請求項1〜16のいずれか一項に記載の記録媒体。
  19. 前記インク受容層中の水溶性樹脂の含有量が、前記バインダーの含有量を基準として0質量%以上15質量%以下である請求項1〜16のいずれか一項に記載の記録媒体。
  20. 前記基材が、樹脂被覆基材、プラスチックフィルム、またはクロスである請求項1〜19のいずれか一項に記載の記録媒体。
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