JP2018043410A - 記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク受容層のインク吸収性、耐傷性及び耐水性に十分に優れた記録媒体を提供すること。【解決手段】基材とインク受容層とを有する記録媒体であって、前記インク受容層は、無機粒子とバインダーとを含み、前記無機粒子は、2次粒子の平均粒径が1μm以上10μm以下であり、下記式(1)で表される2次粒子の真円度が10%以下であり、かつ、2次粒子の吸油量が250ml/100g以上300ml/100g以下であり、前記バインダーは、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする記録媒体。真円度(%)={((2次粒子を外接する円の半径)−(2次粒子を外接する円と同心の2次粒子を内接する円の半径))/(2次粒子を外接する円の半径)}×100 (1)【選択図】なし
Description
本発明は記録媒体に関する。
近年、インクジェット方式の画像記録方法を用いて記録媒体に画像を記録した記録物を、屋外に掲示する場合がある。屋外掲示用途の画像形成に用いられる記録媒体には、従来の記録媒体と同等のインク吸収性を維持しつつも、従来の記録媒体以上に、インク受容層の耐傷性及び耐水性が高いことが求められる。
従来、インク受容層の耐傷性及び耐水性を改善する技術として、アクリル樹脂やウレタン樹脂などの水不溶性の樹脂をインク受容層に含有させた記録媒体が知られている(特許文献1〜5)。特許文献1には、アクリル系樹脂エマルジョンとポリビニルアルコールとシリカとメラミン系架橋剤とを特定の比率で含有するインク受容層を有する記録媒体によって、耐水性が改善されることが記載されている。特許文献2には、シリカとアクリル樹脂及び/又はウレタン樹脂と、水溶性アルミニウム塩とを含有するインク受容層を有する記録媒体によって、耐水性及び耐傷性が改善されることが記載されている。特許文献3には、シリカと水不溶性分散型カチオン性アクリル樹脂とを含有するインク受容層を有する記録媒体によって、耐水性が改善されることが記載されている。特許文献4には、水不溶性樹脂と顔料と水溶性カチオン樹脂と界面活性剤とを含有するインク受容層を有する記録媒体によって、インク吸収性、耐水性及び表面強度が改善されることが記載されている。特許文献5には、樹脂フィルム上に、非晶質シリカと水不溶性樹脂と水溶性樹脂とを含有するインク受容層を有する記録媒体によって、耐水性及び強度が改善されることが記載されている。
また、耐傷性及び耐水性を改善した記録媒体として、バックプリントフィルムが知られている(特許文献6)。バックプリントフィルムは、基材として透明プラスチックを用いることで透過光によって鑑賞するため、インクを速やかに基材側へ浸透させる性能が求められる。特許文献6には、インク透過層に2種以上の異なる球形顔料を用いることによって、インク吸収性が改善されることが記載されている。
本発明者らの検討によると、特許文献1〜6に記載の記録媒体では、インク受容層の耐傷性、耐水性及びインク吸収性が改善されているものの、屋外掲示用途として用いるためには、未だ十分なレベルとは言い難い。
したがって、本発明の目的は、インク受容層のインク吸収性、耐傷性及び耐水性に十分に優れた記録媒体を提供することにある。
本発明に係る記録媒体は、基材とインク受容層とを有する記録媒体であって、前記インク受容層は、無機粒子とバインダーとを含み、前記無機粒子は、2次粒子の平均粒径が1μm以上10μm以下であり、下記式(1)で表される2次粒子の真円度が10%以下であり、かつ、2次粒子の吸油量が250ml/100g以上300ml/100g以下であり、前記バインダーは、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする。
真円度(%)={((2次粒子を外接する円の半径)−(2次粒子を外接する円と同心の2次粒子を内接する円の半径))/(2次粒子を外接する円の半径)}×100 (1)
真円度(%)={((2次粒子を外接する円の半径)−(2次粒子を外接する円と同心の2次粒子を内接する円の半径))/(2次粒子を外接する円の半径)}×100 (1)
本発明によれば、インク受容層のインク吸収性、耐傷性及び耐水性に十分に優れた記録媒体を提供することができる。
本発明者らが検討したところ、屋外掲示用途としても用いることができるような耐水性を得るためには、インク受容層のバインダーとして、疎水性が高く、加水分解しにくいバインダー、具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有するバインダーを用いる必要があることを見出した。上記特許文献1に記載の記録媒体は、インク受容層に、水溶性樹脂であるポリビニルアルコール(PVA)を多く含むため、耐水性が十分なレベルに達していなかった。また、ポリエステル樹脂やポリエステル変性ウレタン樹脂をバインダーとして用いた場合には、疎水性は高くなるものの、加水分解しやすいために耐水性が低下してしまう。
一方で、アクリル樹脂やポリカーボネート変性ウレタン樹脂、ポリエーテル変性ウレタン樹脂は、水酸基を多く有するPVAとは異なり、無機粒子を結着する能力が低い。そのため、それらの樹脂をバインダーとして用いた場合、記録媒体のインク受容層は、傷に弱くなる、すなわち、耐傷性が低下したり、インク吸収性が低下したりすることがあった。
無機粒子は、1次粒子同士が集合することで、多数の1次粒子からなる2次粒子となる。さらに、2次粒子同士をバインダーによって結着させることにより、インク受容層が形成される。したがって、2次粒子を効率良くバインダーによって結着させるためには、2次粒子の形状が重要となる。すなわち、2次粒子の形状が真球に近い程、2次粒子の表面積が小さくなり、2次粒子一粒を包むために必要なバインダー量が少なくなる。そのため、真球に近い2次粒子を用いた場合には、2次粒子一粒を保持するために必要なバインダー量が少なくなり、インク受容層の耐傷性向上が可能となる。
さらに、疎水性バインダーは、水溶性バインダーとは異なり、インク成分を保持することができないため、疎水性バインダーを用いる場合には、無機粒子がインク吸収性を有することが重要である。無機粒子のインク吸収性は、吸油量と相関が高く、十分なインク吸収性を得るためには、吸油量が高い無機粒子を選択する必要がある。一方で、非常に高い吸油量を有する無機粒子においては、無機粒子の内部に多くの空隙が存在することになる。そのため、外部からの衝撃によって無機粒子自身が潰れやすくなり、インク受容層の耐傷性が悪くなる。
また、本発明の効果を得るためには、無機粒子は、2次粒子の平均粒径(以下、「平均2次粒径」あるいは「無機粒子の平均2次粒径」ともいう)が所定の範囲内であることが必要である。すなわち、平均2次粒径が1μmより小さい場合は、2次粒子間の凝集力が強くなるため、インク受容層を形成する際の乾燥によって、ヒビ割れやクラックなどが発生しやすくなる。ヒビ割れやクラックが存在する場合、記録媒体としての品位が悪くなることはもとより、ヒビ割れやクラックが存在する領域が劣化の開始点となり、インク受容層の強度の低下や耐水性の悪化を引き起こす場合がある。一方で、平均2次粒径が10μmより大きい場合は、インク受容層の表面の粗さが大きくなり、インク受容層の強度が低下してしまう。
以上の知見に基づき、種々の無機粒子を含有するインク受容層について検討を行った結果、記録媒体のインク受容層に含まれる無機粒子について、2次粒子の平均粒径が1μm以上10μm以下であり、該2次粒子の、下記式(1)で表される真円度(以下、「無機粒子の真円度」ともいう)が10%以下であり、かつ、該2次粒子の吸油量(以下、「無機粒子の吸油量」ともいう)が250ml/100g以上300ml/100g以下である場合に、インク受容層のインク吸収性、耐傷性及び耐水性に十分に優れた記録媒体が得られることを見出した。
真円度(%)={((2次粒子を外接する円の半径)−(2次粒子を外接する円と同心の2次粒子を内接する円の半径))/(2次粒子を外接する円の半径)}×100 (1)
真円度(%)={((2次粒子を外接する円の半径)−(2次粒子を外接する円と同心の2次粒子を内接する円の半径))/(2次粒子を外接する円の半径)}×100 (1)
すなわち、無機粒子は、2次粒子の平均粒径が1μm以上10μm以下であり、2次粒子の真円度が10%以下であり、かつ、2次粒子の吸油量が300ml/100g以下であることにより、十分な耐傷性を得ることができる。さらに、2次粒子の吸油量が、250ml/100g以上であることにより、高いインク吸収性を得ることができる。このように、各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、本発明の効果、すなわち、インク吸収性、耐傷性及び耐水性の全てを高いレベルで達成することが可能となる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
<記録媒体>
本発明の記録媒体は、基材と、少なくとも1層のインク受容層とを有する。本発明において、記録媒体は、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。
本発明の記録媒体は、基材と、少なくとも1層のインク受容層とを有する。本発明において、記録媒体は、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。
(記録媒体の表面粗さ)
記録媒体の表面粗さは、記録媒体に求める光沢の度合いによって、適宜調整すればよい。なお、記録媒体の表面粗さを調整する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。記録媒体の基材等の表面を特定の凹凸を有するロールで押し付けて凹凸を設け、該凹凸面上にインク受容層用塗工液を塗工する方法や、インク受容層用塗工液を塗工してインク受容層を形成した後、該インク受容層表面を特定の凹凸を有するロールで押し付け、凹凸を設ける方法。また、インク受容層に含有させる無機粒子の粒径によって表面粗さを制御したり、インク受容層表面に、さらに無機粒子を含む層を設け、その層中の無機粒子の粒径や層の被覆率によって表面粗さを制御したりしてもよい。以下、代表的な記録媒体について、好ましい表面粗さを記載する。
記録媒体の表面粗さは、記録媒体に求める光沢の度合いによって、適宜調整すればよい。なお、記録媒体の表面粗さを調整する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。記録媒体の基材等の表面を特定の凹凸を有するロールで押し付けて凹凸を設け、該凹凸面上にインク受容層用塗工液を塗工する方法や、インク受容層用塗工液を塗工してインク受容層を形成した後、該インク受容層表面を特定の凹凸を有するロールで押し付け、凹凸を設ける方法。また、インク受容層に含有させる無機粒子の粒径によって表面粗さを制御したり、インク受容層表面に、さらに無機粒子を含む層を設け、その層中の無機粒子の粒径や層の被覆率によって表面粗さを制御したりしてもよい。以下、代表的な記録媒体について、好ましい表面粗さを記載する。
(1)光沢紙
記録媒体を光沢紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、0.13μm以下であることが好ましい。Raは、0.05μm以上0.13μm以下であることがより好ましく、0.10μm以上0.13μm以下であることが特に好ましい。
記録媒体を光沢紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、0.13μm以下であることが好ましい。Raは、0.05μm以上0.13μm以下であることがより好ましく、0.10μm以上0.13μm以下であることが特に好ましい。
(2)半光沢紙
記録媒体を半光沢紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、5.0μm以下であることが好ましい。Raは、0.10μm以上5.0μm以下であることがより好ましく、0.50μm以上5.0μm以下であることが特に好ましい。
記録媒体を半光沢紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、5.0μm以下であることが好ましい。Raは、0.10μm以上5.0μm以下であることがより好ましく、0.50μm以上5.0μm以下であることが特に好ましい。
(3)マット紙
記録媒体をマット紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、1.0μm以上10.0μm以下であることが好ましい。Raは、1.0μm以上5.0μm以下であることがより好ましい。また、記録媒体をマット紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の二乗平均平方根傾斜RΔqが、0.3μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
記録媒体をマット紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、1.0μm以上10.0μm以下であることが好ましい。Raは、1.0μm以上5.0μm以下であることがより好ましい。また、記録媒体をマット紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の二乗平均平方根傾斜RΔqが、0.3μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
以下、本発明に係る記録媒体の各構成について説明する。
[基材]
基材としては、記録媒体用として既に利用されているもの、あるいは記録媒体用として利用可能であり、インク受容層の支持体として機能できるものであれば制限なく利用することができる。基材としては、基紙のみから構成されるもの、プラスチックフィルムのみから構成されるもの、クロスのみから構成されるものが挙げられる。また、基材として複数の層を設けたものを用いてもよい。具体的には、基紙と樹脂層を有するもの、すなわち、樹脂被覆基材が挙げられる。本発明においては、記録媒体を屋外掲示用として使用する観点から、樹脂被覆基材、プラスチックフィルム、クロスを基材として用いることが好ましい。
[基材]
基材としては、記録媒体用として既に利用されているもの、あるいは記録媒体用として利用可能であり、インク受容層の支持体として機能できるものであれば制限なく利用することができる。基材としては、基紙のみから構成されるもの、プラスチックフィルムのみから構成されるもの、クロスのみから構成されるものが挙げられる。また、基材として複数の層を設けたものを用いてもよい。具体的には、基紙と樹脂層を有するもの、すなわち、樹脂被覆基材が挙げられる。本発明においては、記録媒体を屋外掲示用として使用する観点から、樹脂被覆基材、プラスチックフィルム、クロスを基材として用いることが好ましい。
本発明において、基材の厚さは、支持体としての機能を損なわない限り特に限定されないが、50μm以上400μm以下であることが好ましく、70μm以上200μm以下であることがより好ましい。なお、本発明において、基材の厚さは、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基材の任意の100点以上の厚さを測定し、その平均値を基材の厚さとする。なお、本発明におけるその他の層の厚さも同様の方法で算出するものとする。
(1)樹脂被覆基材
(基紙)
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロン及びポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記木材パルプの中でも、短繊維成分の多いLBKP、LBSP、NBSP、LDP、NDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行うことにより白色度を向上させたパルプも好ましい。なお、基紙中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
(基紙)
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロン及びポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記木材パルプの中でも、短繊維成分の多いLBKP、LBSP、NBSP、LDP、NDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行うことにより白色度を向上させたパルプも好ましい。なお、基紙中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
本発明において、基紙の厚さは、樹脂層の厚さとの合計が前記基材の厚さ範囲を満たしていれば特に制限されないが、50μm以上130μm以下であることが好ましく、90μm以上120μm以下であることがより好ましい。なお、本発明において、基紙の厚さは、前記基材の厚さと同様の方法で算出するものとする。
本発明において、基紙のJIS P 8118で規定される紙密度は、0.6g/cm3以上1.2g/cm3以下であることが好ましく、0.7g/cm3以上1.2g/cm3以下であることがより好ましい。
(樹脂層)
樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよく、両面に設けられていてもよい。本発明においては、樹脂層は、基紙の両面に設けられていることが好ましい。また、基紙が樹脂で被覆されている場合は、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよい。樹脂層の被覆率({(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積)/(基紙の表面の全面積)}×100)は、70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%であること、すなわち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。
樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよく、両面に設けられていてもよい。本発明においては、樹脂層は、基紙の両面に設けられていることが好ましい。また、基紙が樹脂で被覆されている場合は、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよい。樹脂層の被覆率({(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積)/(基紙の表面の全面積)}×100)は、70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%であること、すなわち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。
また、本発明において、樹脂層の厚さは、20μm以上60μm以下であることが好ましく、35μm以上50μm以下であることがより好ましい。樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の厚さが、それぞれ上記範囲を満足することが好ましい。
樹脂層に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。なお、本発明において、ポリオレフィン樹脂とは、モノマーとしてオレフィンを用いた重合体を意味する。ポリオレフィン樹脂としては、具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
本発明において、樹脂層は、不透明度や白色度、色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤、群青等のブルーイング剤などを含有してもよい。これらの中でも、不透明度を向上することができる点から、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。白色顔料を用いる場合、樹脂層中の白色顔料の含有量は、3g/m2以上30g/m2以下であることが好ましい。なお、樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層中の白色顔料の合計の含有量が、上記範囲を満足することが好ましい。また、樹脂層中の白色顔料の含有量は、樹脂層中の樹脂の含有量に対して、25質量%以下であることが好ましい。白色顔料の含有量が25質量%より多い場合には、白色顔料の分散安定性が十分に得られないことがある。
本発明において、樹脂層のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、0.12μm以上0.18μm以下であることが好ましく、0.13μm以上0.15μm以下であることがより好ましい。
また、本発明において、樹脂層のJIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmは、0.01mm以上0.20mm以下であることが好ましく、0.04mm以上0.15mm以下であることがより好ましい。
また、本発明において、樹脂層のJIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmは、0.01mm以上0.20mm以下であることが好ましく、0.04mm以上0.15mm以下であることがより好ましい。
(2)プラスチックフィルム
本発明において、プラスチックは、重量平均分子量10,000以上の高分子を50質量%以上成分として含むものを意味し、プラスチックフィルムとは、プラスチックをフィルム状に加工したものを意味する。プラスチックフィルムに用いられるプラスチックは、熱可塑性プラスチックである。熱可塑性プラスチックとしては、具体的には、ビニル系プラスチック、ポリエステル系プラスチック、セルロースエステル系プラスチック、ポリアミド系プラスチック、耐熱エンジニアリングプラスチックが挙げられる。
本発明において、プラスチックは、重量平均分子量10,000以上の高分子を50質量%以上成分として含むものを意味し、プラスチックフィルムとは、プラスチックをフィルム状に加工したものを意味する。プラスチックフィルムに用いられるプラスチックは、熱可塑性プラスチックである。熱可塑性プラスチックとしては、具体的には、ビニル系プラスチック、ポリエステル系プラスチック、セルロースエステル系プラスチック、ポリアミド系プラスチック、耐熱エンジニアリングプラスチックが挙げられる。
ビニル系プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニデリン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂が挙げられる。ポリエステル系プラスチックとしては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。セルロースエステル系プラスチックとしては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレートが挙げられる。ポリアミド系プラスチックとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12が挙げられる。耐熱エンジニアリングプラスチックとしては、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミドが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、本発明においては、耐久性及びコストの観点から、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
また、本発明においては、前記プラスチックに薬品処理や表面コート、内添などの処理を施すことによって不透明度を高めた合成紙も、プラスチックフィルムとして使用することができる。薬品処理としては、プラスチックフィルムの表面を、アセトン、メチルイソブチルケトンなどの有機溶剤に浸漬させることにより膨潤層を発生させて、メタノールなどの別の有機溶剤によって膨潤層を乾燥凝固させる方法が挙げられる。表面コートとしては、炭酸カルシウムや酸化チタンなどの白色顔料及び結合剤からなる層をプラスチックの表面に形成させる方法が挙げられる。また、内添としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料を充てん剤としてプラスチック内に混入する方法がある。さらに、ポリブチレンテレフタレート微粒子やポリカーボネート微粒子、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などを添加して、プラスチック内に空隙を形成することによって、不透明度を高めた発泡プラスチックフィルムも使用することができる。
本発明において、プラスチックフィルムの厚さは、50μm以上300μm以下であることが好ましく、75μm以上135μm以下であることがより好ましい。
本発明において、プラスチックフィルムに用いるプラスチックのガラス転移点(Tg)は、−20℃以上150℃以下であることが好ましく、−20℃以上80℃以下であることがより好ましい。なお、本発明において、ガラス転移点は、例えば、示差走査熱量測定法(DSC法)により測定することができる。
本発明において、プラスチックフィルムのJIS K 7112:1999で規定されるプラスチック密度は、0.6g/cm3以上1.5g/cm3以下であることが好ましく、0.7g/cm3以上1.4g/cm3以下であることがより好ましい。
本発明において、プラスチックフィルムのJIS K 7209:2000で規定される吸水率は、5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。
また、プラスチックフィルムを用いる場合、表面酸化処理などの表面処理を行うことにより、インク受容層とプラスチックフィルムとの密着性を向上することができる。表面酸化処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて行うことができる。これらの中でも、オゾン処理が好ましい。オゾン処理による処理量は、10〜200W・分/m2が好ましく、50〜150W・分/m2がより好ましい。
(3)クロス
本発明において、クロスは、多数の繊維を薄く広い板状に加工したものを意味する。繊維の種類としては、天然繊維、天然繊維の性質を持つ材質又はプラスチックから再生される再生繊維、及び石油などの高分子を原料とする合成繊維が挙げられる。天然繊維としては、木綿、絹、麻、モヘヤ、ウール、カシミヤが挙げられる。また、再生繊維としては、アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステルが挙げられる。さらに、合成繊維としては、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタンが挙げられる。
本発明において、クロスは、多数の繊維を薄く広い板状に加工したものを意味する。繊維の種類としては、天然繊維、天然繊維の性質を持つ材質又はプラスチックから再生される再生繊維、及び石油などの高分子を原料とする合成繊維が挙げられる。天然繊維としては、木綿、絹、麻、モヘヤ、ウール、カシミヤが挙げられる。また、再生繊維としては、アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステルが挙げられる。さらに、合成繊維としては、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタンが挙げられる。
[インク受容層]
本発明において、インク受容層は単層でもよく、2層以上の多層でもよい。また、インク受容層は、前記基材の片面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。基材の片面におけるインク受容層の厚さは、15μm以上60μm以下であることが好ましく、25μm以上50μm以下であることがより好ましく、30μm以上45μm以下であることが特に好ましい。
本発明において、インク受容層は単層でもよく、2層以上の多層でもよい。また、インク受容層は、前記基材の片面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。基材の片面におけるインク受容層の厚さは、15μm以上60μm以下であることが好ましく、25μm以上50μm以下であることがより好ましく、30μm以上45μm以下であることが特に好ましい。
インク受容層は、無機粒子とバインダーとを含有する。該無機粒子は、平均2次粒径が1μm以上10μm以下であり、前記式(1)で表される真円度が10%以下であり、かつ、吸油量が250ml/100g以上300ml/100g以下である。また、前記バインダーは、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。
なお、本発明において、インク受容層中の上記無機粒子の平均2次粒径、真円度及び吸油量とは、それぞれ、インク受容層を700℃以上1000℃以下の温度で24時間加熱した後の残存物に含まれる粒子について、平均2次粒径が1μm以上10μm以下であり、真円度が10%以下であり、吸油量が250ml/100g以上300ml/100g以下であることを意味する。
以下、インク受容層に含有することができる各材料について説明する。
以下、インク受容層に含有することができる各材料について説明する。
(無機粒子)
本発明において、インク受容層に含まれる無機粒子は、2次粒子の吸油量が、250ml/100g以上300ml/100g以下である。本発明において、2次粒子の吸油量とは、インク受容層を700℃以上1000℃以下の温度で24時間加熱した後の残存物に含まれる粒子の吸油量を意味する。吸油量は、JIS K 5101−13−1に規定される「精製あまに油法」に準じて測定される。
本発明において、インク受容層に含まれる無機粒子は、2次粒子の吸油量が、250ml/100g以上300ml/100g以下である。本発明において、2次粒子の吸油量とは、インク受容層を700℃以上1000℃以下の温度で24時間加熱した後の残存物に含まれる粒子の吸油量を意味する。吸油量は、JIS K 5101−13−1に規定される「精製あまに油法」に準じて測定される。
また、無機粒子は、前記式(1)で表される2次粒子の真円度が10%以下である。本発明において、2次粒子の真円度とは、インク受容層を700℃以上1000℃以下の温度で24時間加熱した後の残存物に含まれる粒子の真円度を意味する。真円度は、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。
さらに、本発明において、無機粒子の平均2次粒径は、1μm以上10μm以下である。本発明において、無機粒子の平均2次粒径とは、インク受容層を700℃以上1000℃以下の温度で24時間加熱した後の残存物に含まれる粒子の平均2次粒径を意味する。
無機粒子は、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用塗工液に用いられてもよい。分散剤としては、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)等を用いることができる。分散状態における無機粒子の平均2次粒径は、1μm以上10μm以下であることが好ましく、3μm以上9μm以下であることがより好ましい。なお、分散状態における無機粒子の平均2次粒径は、レーザー回折法によって測定される体積平均2次粒径である。
本発明において、インク受容層(固形分)に占める無機粒子の含有量は、インク吸収性及びインク受容層の耐傷性の観点から、40質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いる無機粒子としては、2次粒子を形成し、上記平均2次粒径、真円度、吸油量を満たすものであれば特に制限されないが、例えば、以下のものが挙げられる。アルミナ水和物、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなど。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記無機粒子の中でも、インク吸収性が高い多孔質構造を形成することができる点、さらに、本発明で規定する平均2次粒子径、真円度及び吸油量を満たしやすい点から、シリカを用いることが好ましい。
インク受容層に用いるシリカは、その製法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化ケイ素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。本発明においては、インク吸収性及びインク受容層の耐傷性の観点から、湿式法により得られるシリカ(以下、「湿式法シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。湿式法シリカとしては、沈降法シリカやゲル法シリカが挙げられる。
(バインダー)
本発明において、バインダーとは、無機粒子を結着し、被膜を形成することができる材料を意味する。本発明において、バインダーは、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。該アクリル樹脂及びウレタン樹脂は、インク受容層用塗工液において、樹脂粒子の状態(エマルションの状態)で用いられることが好ましい。
本発明において、バインダーとは、無機粒子を結着し、被膜を形成することができる材料を意味する。本発明において、バインダーは、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。該アクリル樹脂及びウレタン樹脂は、インク受容層用塗工液において、樹脂粒子の状態(エマルションの状態)で用いられることが好ましい。
本発明においては、インク吸収性の観点から、インク受容層中のバインダーの含有量が、無機粒子の含有量に対して、100質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。また、インク受容層の結着性の観点から、前記バインダーの含有量は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。すなわち、前記バインダーの含有量は、無機粒子の含有量に対して、20質量%以上100質量%以下であることが好ましく、30質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
以下、インク受容層に含有される各樹脂について、説明する。
(1)アクリル樹脂
本発明において、アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステルの重合体を意味する。(メタ)アクリル酸エステルをモノマーとして用いるのであれば、単重合体でも、その他のモノマーとの共重合体であってもよい。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
(1)アクリル樹脂
本発明において、アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステルの重合体を意味する。(メタ)アクリル酸エステルをモノマーとして用いるのであれば、単重合体でも、その他のモノマーとの共重合体であってもよい。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。また、メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルと共重合することができるその他のモノマーとしては、ビニル系モノマーが挙げられる。具体的に、ビニル系モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、スチレンスルホン酸などのスチレン類及びその誘導体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾン、ビニルスルホン酸などのビニルエーテル類及びその誘導体が挙げられる。
本発明においては、アクリル樹脂が、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、又は、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共重合体であることが好ましい。中でも、ガラス転移点が比較的高いメタクリル酸エステルと、ガラス転移点が比較的低いアクリル酸エステルとの共重合体は、最終的に得られるアクリル樹脂のガラス転移点を、その共重合比率によって制御できるためより好ましい。
本発明において、アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)は、20℃以下であることが好ましく、−10℃以上20℃以下であることがより好ましい。アクリル樹脂のガラス転移点が20℃以下であることにより、樹脂と無機粒子との結着力が強くなり、インク受容層の耐傷性を向上させることができる。
本発明において、バインダーがアクリル樹脂を含む場合、該アクリル樹脂は、カチオン性アクリル樹脂及びノニオン性アクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。特に、得られる画像の発色性の観点からはカチオン性アクリル樹脂が好ましく、インク受容層用塗工液の塗工安定性の観点からはノニオン性アクリル樹脂が好ましい。
(2)ウレタン樹脂(ポリカーボネート変性ウレタン樹脂、ポリエーテル変性ウレタン樹脂)
本発明において、ウレタン樹脂とは、ウレタン結合を有する樹脂を意味する。本発明において、バインダーがウレタン樹脂を少なくとも1種含む場合、該ウレタン樹脂は、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である。以下、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂をまとめて、単に「ウレタン樹脂」ともいう。
本発明において、ウレタン樹脂とは、ウレタン結合を有する樹脂を意味する。本発明において、バインダーがウレタン樹脂を少なくとも1種含む場合、該ウレタン樹脂は、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である。以下、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂をまとめて、単に「ウレタン樹脂」ともいう。
ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールと鎖延長剤とを反応させることによって得られる化合物であることが好ましい。
具体的に、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートなどの脂環式イソシアネートなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的に、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートなどの脂環式イソシアネートなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオールとして、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオールを用いることで、ポリエーテル変性ウレタン樹脂が得られる。また、ポリオールとして、ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネート系ポリオールを用いることで、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂が得られる。これらのポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
鎖延長剤としては、エチレングリコールなどの低分子グリコール、低分子ジアミン、低分子アミノアルコールなどの活性水素原子を含有する化合物を使用することができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、ウレタン樹脂は、カチオン性ウレタン樹脂及びノニオン性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、ウレタン樹脂のガラス転移点(Tg)は、0℃以下であることが好ましく、−60℃以上0℃以下であることがより好ましい。ウレタン樹脂のガラス転移点が0℃以下であることにより、樹脂と無機粒子との結着力が強くなり、インク受容層の耐傷性を向上させることができる。
(その他の添加剤)
本発明において、インク受容層は、上記以外の添加剤等の他の成分を含有してもよい。添加剤としては、具体的には、架橋剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、インク定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
本発明において、インク受容層は、上記以外の添加剤等の他の成分を含有してもよい。添加剤としては、具体的には、架橋剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、インク定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
架橋剤としては、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、チタン系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、ホウ酸塩、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物などが挙げられる。
また、インク定着剤として、上記アクリル樹脂やウレタン樹脂以外のカチオン性樹脂や、多価金属塩を含有することが好ましい。カチオン性樹脂としては、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物などが挙げられる。多価金属塩としては、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物などが挙げられる。これらの中でも、カルシウム化合物が好ましく、硝酸カルシウム四水和物がより好ましい。
なお、インク定着剤を用いる場合、インク定着剤の含有量は、インク受容層のバインダーの含有量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。インク定着剤の含有量が上記範囲内であれば、インクの耐水性を向上させることができる。
なお、インク定着剤を用いる場合、インク定着剤の含有量は、インク受容層のバインダーの含有量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。インク定着剤の含有量が上記範囲内であれば、インクの耐水性を向上させることができる。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体の製造方法は特に限定されないが、インク受容層用塗工液を調製する工程、及び、該塗工液を基材に塗工する工程を有する方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
本発明において、記録媒体の製造方法は特に限定されないが、インク受容層用塗工液を調製する工程、及び、該塗工液を基材に塗工する工程を有する方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
本発明において、基材にインク受容層を形成する方法としては、例えば、以下の方法を挙げることができる。まず、インク受容層用塗工液を調製する。そして、基材に該塗工液を塗工し、乾燥することにより、インク受容層を形成する。このようにして、基材とインク受容層とを有する本発明の記録媒体を得ることができる。該塗工液の塗工量は、5g/m2以上40g/m2以下であることが好ましい。塗工量が上記範囲内であることにより、インク吸収性の向上と、塗工液の塗工安定性の向上とを両立することができる。なお、上記塗工量は、塗工液を乾燥した後の塗工量(乾燥塗工量)を意味する。
前記塗工液は、例えば、無機粒子を含む分散液とバインダーと、必要に応じて、前記添加剤とを、溶剤に加えて調製することができる。溶剤としては、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)等を用いることができる。
前記塗工液の塗工方法としては、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバースコーター、トランスファーコーター、ダイコーター、キスコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。なお、塗工時に、塗工液を加温してもよい。
また、インク受容層用塗工液の塗工に先立ち、基材の該塗工液を塗工する面に、表面処理剤を含有する表面処理液を付与してもよい。そうすることにより、該塗工液の基材への濡れ性が高まり、インク受容層と基材との密着性を向上させることができる。この場合、表面処理剤としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などの熱可塑性樹脂や、シランカップリング剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、表面処理液中には、本発明の効果を損なわない範囲で、無機粒子を含有させてもよい。無機粒子としては、上記で列挙したものを用いることができる。
また、前記塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。塗工液を乾燥する際の加熱温度は、例えば80〜130℃とすることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例の記載において、「部」または「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<基材の用意>
基材として、ポリプロピレン合成紙であるニューユポ(登録商標)FGS110(製品名、ユポコーポレション製、厚さ:110μm)を用意した。
基材として、ポリプロピレン合成紙であるニューユポ(登録商標)FGS110(製品名、ユポコーポレション製、厚さ:110μm)を用意した。
<無機粒子分散液1〜8の調製>
純水中に、それぞれ、表1に記載の無機粒子(いずれも湿式法シリカ)を添加した後、ミキサーで30分間撹拌して、固形分の含有量が15.0%である無機粒子分散液1〜8を調製した。なお、表1に示す無機粒子の製品名(登録商標を含む)及び製造元は、以下のとおりである。
サイロスフェアC1504:富士シリシア化学製
サイロスフェアC1510:富士シリシア化学製
NIPGEL AY−603:東ソーシリカ製
ミズカシルP−707:水澤化学工業製
サイロイドC503:グレース製
サンスフェアH−51:AGCエスアイテック社製
サンスフェアH−53:AGCエスアイテック社製
サンスフェアH−122:AGCエスアイテック社製
純水中に、それぞれ、表1に記載の無機粒子(いずれも湿式法シリカ)を添加した後、ミキサーで30分間撹拌して、固形分の含有量が15.0%である無機粒子分散液1〜8を調製した。なお、表1に示す無機粒子の製品名(登録商標を含む)及び製造元は、以下のとおりである。
サイロスフェアC1504:富士シリシア化学製
サイロスフェアC1510:富士シリシア化学製
NIPGEL AY−603:東ソーシリカ製
ミズカシルP−707:水澤化学工業製
サイロイドC503:グレース製
サンスフェアH−51:AGCエスアイテック社製
サンスフェアH−53:AGCエスアイテック社製
サンスフェアH−122:AGCエスアイテック社製
各無機粒子分散液に用いた無機粒子の真円度(%)、吸油量(ml/100g)及び平均2次粒径(μm)を測定した。結果をまとめて表1に示す。
なお、吸油量は、精製あまに油法によって測定した。
真円度は、走査型電子顕微鏡による観察結果より算出した。なお、真円度は、SEM画像における、2次粒子を外接する円(外接円)の中心と、該外接円の中心と同心の、2次粒子を内接する円(内接円)の中心とを合わせた時の、該外接円と該内接円の半径の差の、該外接円の半径に対する割合(%)であり、下記式(1)で表される。
真円度(%)={((2次粒子を外接する円の半径)−(2次粒子を外接する円と同心の2次粒子を内接する円の半径))/(2次粒子を外接する円の半径)}×100 (1)
平均2次粒径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置SALD−2300(製品名、島津製作所製)を用いて測定した。
なお、吸油量は、精製あまに油法によって測定した。
真円度は、走査型電子顕微鏡による観察結果より算出した。なお、真円度は、SEM画像における、2次粒子を外接する円(外接円)の中心と、該外接円の中心と同心の、2次粒子を内接する円(内接円)の中心とを合わせた時の、該外接円と該内接円の半径の差の、該外接円の半径に対する割合(%)であり、下記式(1)で表される。
真円度(%)={((2次粒子を外接する円の半径)−(2次粒子を外接する円と同心の2次粒子を内接する円の半径))/(2次粒子を外接する円の半径)}×100 (1)
平均2次粒径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置SALD−2300(製品名、島津製作所製)を用いて測定した。
<インク受容層用塗工液の調製>
[製造例1:インク受容層用塗工液1の調製]
バインダーとしてカチオン性アクリル樹脂:モビニール7820(製品名、日本合成化学製、固形分濃度45%)16.93部に、硝酸カルシウム四水和物0.95部、無機粒子分散液1:76.19部、水5.93部を加えて、固形分20%のインク受容層用塗工液1を調製した。
[製造例1:インク受容層用塗工液1の調製]
バインダーとしてカチオン性アクリル樹脂:モビニール7820(製品名、日本合成化学製、固形分濃度45%)16.93部に、硝酸カルシウム四水和物0.95部、無機粒子分散液1:76.19部、水5.93部を加えて、固形分20%のインク受容層用塗工液1を調製した。
[製造例2〜8:インク受容層用塗工液2〜8の調製]
無機粒子分散液1を、それぞれ無機粒子分散液2〜8に変更した以外は製造例1と同様にして、固形分20%のインク受容層用塗工液2〜8を得た。
無機粒子分散液1を、それぞれ無機粒子分散液2〜8に変更した以外は製造例1と同様にして、固形分20%のインク受容層用塗工液2〜8を得た。
[製造例9:インク受容層用塗工液9の調製]
バインダーを、ノニオン性アクリル樹脂:モビニール7720(製品名、日本合成化学製、固形分濃度45%)16.93部に変更した以外は製造例1と同様にして、固形分20%のインク受容層用塗工液9を得た。
バインダーを、ノニオン性アクリル樹脂:モビニール7720(製品名、日本合成化学製、固形分濃度45%)16.93部に変更した以外は製造例1と同様にして、固形分20%のインク受容層用塗工液9を得た。
[製造例10:インク受容層用塗工液10の調製]
バインダー及び水を、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂:ハイドランWLS210(製品名、DIC製、固形分濃度35%)21.77部、水1.09部に変更した以外は製造例1と同様にして、固形分20%のインク受容層用塗工液10を得た。
バインダー及び水を、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂:ハイドランWLS210(製品名、DIC製、固形分濃度35%)21.77部、水1.09部に変更した以外は製造例1と同様にして、固形分20%のインク受容層用塗工液10を得た。
[製造例11:インク受容層用塗工液11の調製]
バインダー及び水を、ノニオン性アクリル樹脂:モビニール742A(製品名、日本合成化学製、固形分濃度49%)15.55部、水7.31部に変更した以外は製造例1と同様にして、固形分20%のインク受容層用塗工液11を得た。
バインダー及び水を、ノニオン性アクリル樹脂:モビニール742A(製品名、日本合成化学製、固形分濃度49%)15.55部、水7.31部に変更した以外は製造例1と同様にして、固形分20%のインク受容層用塗工液11を得た。
[製造例12:インク受容層用塗工液12の調製]
バインダー及び水を、ポリエーテル変性ウレタン樹脂:ハイドランWLS201(製品名、DIC製、固形分濃度35%)21.77部、水1.09部に変更した以外は製造例1と同様にして、固形分20%のインク受容層用塗工液12を得た。
バインダー及び水を、ポリエーテル変性ウレタン樹脂:ハイドランWLS201(製品名、DIC製、固形分濃度35%)21.77部、水1.09部に変更した以外は製造例1と同様にして、固形分20%のインク受容層用塗工液12を得た。
[製造例13:インク受容層用塗工液13の調製]
バインダーとしてポリビニルアルコール:PVA124(製品名、クラレ製、固形分濃度14%)40.82部に、硝酸カルシウム四水和物0.71部、無機粒子分散液1:57.14部、水1.33部を加えて、固形分15%のインク受容層用塗工液13を調製した。
バインダーとしてポリビニルアルコール:PVA124(製品名、クラレ製、固形分濃度14%)40.82部に、硝酸カルシウム四水和物0.71部、無機粒子分散液1:57.14部、水1.33部を加えて、固形分15%のインク受容層用塗工液13を調製した。
インク受容層用塗工液1〜13に用いた各成分及びその含有量を表2にまとめて示す。
<記録媒体の作製>
[実施例1:記録媒体1の作製]
製造例1で調製したインク受容層用塗工液1を、上記基材上に、乾燥塗工量が25g/m2となるように塗工し、115℃の熱風で乾燥して、インク受容層を形成した。このようにして、記録媒体1を得た。
[実施例1:記録媒体1の作製]
製造例1で調製したインク受容層用塗工液1を、上記基材上に、乾燥塗工量が25g/m2となるように塗工し、115℃の熱風で乾燥して、インク受容層を形成した。このようにして、記録媒体1を得た。
[実施例2〜6、及び比較例1〜7:記録媒体2〜13の作製]
インク受容層用塗工液を、それぞれ、表3に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様に、記録媒体2〜13を作製した。なお、記録媒体13のインク受容層中の水溶性樹脂(ポリビニルアルコール)の含有量は、25質量%であった。
インク受容層用塗工液を、それぞれ、表3に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様に、記録媒体2〜13を作製した。なお、記録媒体13のインク受容層中の水溶性樹脂(ポリビニルアルコール)の含有量は、25質量%であった。
得られた各記録媒体について、インク受容層を掻き取り、700℃で24時間加熱した後の残存物の吸油量(ml/100g)を精製あまに油法によって測定した。また、該残存物をカーボンシート上に点在させ、SEMで観察を行い、以下のとおり真円度を求めた。各記録媒体について20個の残存物粒子を観察し、粒子毎に前記式(1)より真円度を算出し、その平均値を真円度とした。さらに、該残存物の平均2次粒径を、レーザー回折式粒子径分布測定装置SALD−2300(製品名、島津製作所製)を用いて測定した。結果を表3にまとめて示す。
<記録媒体の評価>
得られた記録媒体1〜13について、下記の方法により、インク受容層の耐傷性、耐水性及びインク吸収性を評価した。なお、本発明においては、下記の各評価の評価基準のうち、A〜Bを好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。評価結果を表3にまとめて示す。
得られた記録媒体1〜13について、下記の方法により、インク受容層の耐傷性、耐水性及びインク吸収性を評価した。なお、本発明においては、下記の各評価の評価基準のうち、A〜Bを好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。評価結果を表3にまとめて示す。
(耐傷性)
各記録媒体のインク受容層が形成されている側の面に、黒紙 ニューカラーR(製品名、リンテック製)を、75g/cm2の荷重をかけて押し付け、学振型摩擦堅牢度試験機AB−301 COLOR FASTNESS RUBBING TESTER(製品名、テスター産業製)にて20回往復させた。そして、試験前後の黒紙の表面(記録媒体に押し付けた側の面)の光学濃度の変化率を、光学反射濃度計500分光濃度計(X−Rite製)を用いて測定した。なお、光学濃度の変化率が大きい程、黒紙に、削れたインク受容層が付着していることになるため、記録媒体の耐傷性が低いことを意味する。評価基準は以下のとおりである。
A:光学濃度の変化率が20%未満であった
B:光学濃度の変化率が20%以上40%未満であった
C:光学濃度の変化率が40%以上であった
各記録媒体のインク受容層が形成されている側の面に、黒紙 ニューカラーR(製品名、リンテック製)を、75g/cm2の荷重をかけて押し付け、学振型摩擦堅牢度試験機AB−301 COLOR FASTNESS RUBBING TESTER(製品名、テスター産業製)にて20回往復させた。そして、試験前後の黒紙の表面(記録媒体に押し付けた側の面)の光学濃度の変化率を、光学反射濃度計500分光濃度計(X−Rite製)を用いて測定した。なお、光学濃度の変化率が大きい程、黒紙に、削れたインク受容層が付着していることになるため、記録媒体の耐傷性が低いことを意味する。評価基準は以下のとおりである。
A:光学濃度の変化率が20%未満であった
B:光学濃度の変化率が20%以上40%未満であった
C:光学濃度の変化率が40%以上であった
(耐水性)
各記録媒体を、80℃の温水中に5時間浸漬後乾燥させた。乾燥後の記録媒体の耐傷性を、上記と同様の方法で測定した。なお、光学濃度の変化率が大きい程、水に濡れた後の耐傷性が低くなるため、記録媒体の耐水性が低いことを意味する。評価基準は以下のとおりである。
A:光学濃度の変化率が20%未満であった
B:光学濃度の変化率が20%以上40%未満であった
C:光学濃度の変化率が40%以上であった
各記録媒体を、80℃の温水中に5時間浸漬後乾燥させた。乾燥後の記録媒体の耐傷性を、上記と同様の方法で測定した。なお、光学濃度の変化率が大きい程、水に濡れた後の耐傷性が低くなるため、記録媒体の耐水性が低いことを意味する。評価基準は以下のとおりである。
A:光学濃度の変化率が20%未満であった
B:光学濃度の変化率が20%以上40%未満であった
C:光学濃度の変化率が40%以上であった
(インク吸収性)
各記録媒体に、インクジェット記録装置を用いて、140%デューティのシアンインクのベタ画像を記録し、記録直後のインクの乾きを目視で観察した。インクジェット記録装置としては、imagePROGRAF iPF6400(製品名、キヤノン製)を使用し、インクタンクPFI−106(製品名、キヤノン製)を装着して記録した。記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%とした。なお、上記インクジェット記録装置は、解像度1200dpi×1200dpiで1/1200インチ×1/1200インチの単位領域に、約4.5ngのインクを1滴付与する条件で記録された画像を、記録デューティが100%であると定義するものである。評価基準は以下のとおりである。
A:印字直後のインク乾きが非常に良好で、印字後2秒以内に乾いた
B:印字直後のインクの乾きが低下し、印字後2秒超え、5秒以内に乾いた
C:印字直後のインクの乾きが悪く、印字後10秒を超えても乾かなかった
各記録媒体に、インクジェット記録装置を用いて、140%デューティのシアンインクのベタ画像を記録し、記録直後のインクの乾きを目視で観察した。インクジェット記録装置としては、imagePROGRAF iPF6400(製品名、キヤノン製)を使用し、インクタンクPFI−106(製品名、キヤノン製)を装着して記録した。記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%とした。なお、上記インクジェット記録装置は、解像度1200dpi×1200dpiで1/1200インチ×1/1200インチの単位領域に、約4.5ngのインクを1滴付与する条件で記録された画像を、記録デューティが100%であると定義するものである。評価基準は以下のとおりである。
A:印字直後のインク乾きが非常に良好で、印字後2秒以内に乾いた
B:印字直後のインクの乾きが低下し、印字後2秒超え、5秒以内に乾いた
C:印字直後のインクの乾きが悪く、印字後10秒を超えても乾かなかった
Claims (7)
- 基材とインク受容層とを有する記録媒体であって、
前記インク受容層は、無機粒子とバインダーとを含み、
前記無機粒子は、2次粒子の平均粒径が1μm以上10μm以下であり、下記式(1)で表される2次粒子の真円度が10%以下であり、かつ、2次粒子の吸油量が250ml/100g以上300ml/100g以下であり、
前記バインダーは、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする記録媒体。
真円度(%)={((2次粒子を外接する円の半径)−(2次粒子を外接する円と同心の2次粒子を内接する円の半径))/(2次粒子を外接する円の半径)}×100 (1) - 前記アクリル樹脂が、カチオン性アクリル樹脂である請求項1に記載の記録媒体。
- 前記アクリル樹脂が、ノニオン性アクリル樹脂である請求項1に記載の記録媒体。
- 前記アクリル樹脂のガラス転移点が20℃以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂が、カチオン性ウレタン樹脂及びノニオン性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の記録媒体。
- 前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂のガラス転移点が0℃以下である請求項1又は5に記載の記録媒体。
- 前記インク受容層が、さらに多価金属塩を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016179446A JP2018043410A (ja) | 2016-09-14 | 2016-09-14 | 記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016179446A JP2018043410A (ja) | 2016-09-14 | 2016-09-14 | 記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018043410A true JP2018043410A (ja) | 2018-03-22 |
Family
ID=61694052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016179446A Pending JP2018043410A (ja) | 2016-09-14 | 2016-09-14 | 記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018043410A (ja) |
-
2016
- 2016-09-14 JP JP2016179446A patent/JP2018043410A/ja active Pending
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