JP6935308B2 - 金属パターンを備える基材の製造方法および金属インク - Google Patents

金属パターンを備える基材の製造方法および金属インク Download PDF

Info

Publication number
JP6935308B2
JP6935308B2 JP2017223998A JP2017223998A JP6935308B2 JP 6935308 B2 JP6935308 B2 JP 6935308B2 JP 2017223998 A JP2017223998 A JP 2017223998A JP 2017223998 A JP2017223998 A JP 2017223998A JP 6935308 B2 JP6935308 B2 JP 6935308B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
base material
ink
pattern
organic solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017223998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019096442A (ja
Inventor
渡部 功治
功治 渡部
祥晴 大西
祥晴 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase Chemtex Corp
Original Assignee
Nagase Chemtex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagase Chemtex Corp filed Critical Nagase Chemtex Corp
Priority to JP2017223998A priority Critical patent/JP6935308B2/ja
Publication of JP2019096442A publication Critical patent/JP2019096442A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6935308B2 publication Critical patent/JP6935308B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

本発明は、金属ナノ粒子を含む金属インクを用いる金属パターンを備える基材の製造方法、および金属インクに関する。
回路基板に配線パターンを形成したり、電極の導電層を形成したりする際に、金属ナノ粒子を含む組成物が使用されている。例えば、特許文献1では、金属ナノ粒子を含むインクを基材上にスプレーコーティングなどにより塗布して、焼成することにより、太陽電池用の電極を作製することが提案されている。特許文献2では、金属ナノ粒子を含む導電性インクを用いてインクジェットにより配線パターンを形成することが提案されている。
特開2013−140991号公報 特開2003−309369号公報
配線パターンなどの金属パターンを基材上に形成する場合、より精密な配線構造を形成する目的で、撥液性の高い基材を用いることがある。撥液性が高い基材を用いると、金属インクの濡れ広がりが抑制され、配線幅を狭くすることができると期待される。しかし、撥液性の高い基材に対して金属インクを用いてパターンを形成すると、基板上に塗布されたインクの液滴同士が集まって液だまりとなり、パターンの幅が部分的に大きくなった部分(バルジ)が形成され易い。場合によっては、線状のパターンを形成しようとしても、インクが過度に弾かれて液滴同士の集まりが顕著になり、パターンが破線状となったりする。
本発明の一局面は、基材上に、第1インクとしての金属インクを塗布して金属パターンを形成する工程、を備え、
前記金属インクは、金属ナノ粒子と有機溶媒と前記基材に対する濡れ性向上剤とを含み、
前記有機溶媒は、ハンセン溶解度パラメータの水素結合項dHが2MPa0.5以上13MPa0.5以下であり、極性項dPが2MPa0.5以上である第1溶媒を含み、
前記濡れ性向上剤は、前記有機溶媒と相溶し、かつ、脂肪族炭化水素および脂肪族ポリシロキサンからなる群より選択される少なくとも一種である、金属パターンを備える基材の製造方法に関する。
本発明の他の局面は、基材上に塗布されて金属パターンを形成するための金属インクであって、
金属ナノ粒子と有機溶媒と前記基材に対する濡れ性向上剤とを含み、
前記有機溶媒は、ハンセン溶解度パラメータの水素結合項dHが2MPa0.5以上13MPa0.5以下であり、極性項dPが2MPa0.5以上である第1溶媒を含み、
前記濡れ性向上剤は、前記有機溶媒と相溶し、かつ、脂肪族炭化水素および脂肪族ポリシロキサンからなる群より選択される少なくとも一種である、金属インクに関する。
本発明の上記局面によれば、金属パターンにおいてバルジの発生を低減できる。
実施例5で形成された金属パターンの写真である。 比較例1で形成された金属パターンの写真である。 比較例2で形成された金属パターンの写真である。
本発明の一局面に係る金属パターンを備える基材の製造方法は、基材上に、第1インクとしての金属インクを塗布して金属パターンを形成する工程、を備える。金属インクは、金属ナノ粒子と有機溶媒と基材に対する濡れ性向上剤とを含む。有機溶媒は、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の水素結合項dHが2MPa0.5以上13MPa0.5以下であり、極性項dPが2MPa0.5以上である第1溶媒を含む。濡れ性向上剤は、有機溶媒と相溶し、かつ、脂肪族炭化水素および脂肪族ポリシロキサンからなる群より選択される少なくとも一種である。
本発明には、基材上に塗布されて金属パターンを形成するための上記の金属インクも包含される。
金属ナノ粒子を含む金属インク(いわゆる金属ナノインク)は、基材上に塗布して、配線パターンなどの金属パターンを形成するのに利用されている。微細な金属パターンを形成するためには、基材表面が高い撥液性を有することが有利であると考えられる。しかし、高い撥液性を有する基材上に金属インクを塗布すると、液滴同士が集まってバルジが形成され易い。このような場合、線状のパターンを形成しようとしても、線状パターンに複数のバルジが形成され、バルジ以外の部分はパターンの幅が小さくなる。そのため、幅が不均一なパターンが形成されることになる。また、基板上に塗布された金属インクが過度に弾かれて、液滴同士の集まりが顕著になると、バルジが孤立した状態となって、パターンの断線が起こる(つまり、パターンが途切れる部分が生じる)。例えば、線状のパターンを形成しようとしても、パターンが破線状となってしまうこともある。
本発明の上記局面によれば、水素結合項dHおよび極性項dPが上記範囲である第1溶媒を金属インクが含むことで、金属インク中に含まれる金属コロイドを安定化できる(つまり、金属コロイドの高い分散安定性を確保することができる)。また、金属インクが濡れ性向上剤を含むことで、基材の金属インクに対する濡れ性を高めることができる。よって、バルジの発生を低減することができる。さらに、金属パターンの断線も抑制できる。従って、導電性の高い精巧な金属パターンを形成することが可能となる。
なお、溶解度パラメータは、物質間の親和性の尺度を表すものであり、HSPは、第1溶媒を含む有機溶媒中における金属ナノ粒子の分散安定性を示す指標となる。水素結合項dHおよび極性項dPが上記範囲のとき、金属ナノ粒子の分散安定性は高くなり易い。
このような金属インクは、インクジェット方式などの非接触のジェット塗布に適している。なお、インクジェット方式による塗布とは、非接触のジェット塗布のことを意味する。非接触のジェット塗布とは、エアー圧力、ばね弾性、ピエゾ素子(圧電素子)の振動などを利用して金属インクをインクの被着体に飛ばす塗布方法であり、例えば、メカ式またはピエゾ式の非接触ジェットディスペンサを用いて塗布が行われる。非接触のジェット塗布は、三次元造形物の表面への配線パターンの形成や、多層基板の作製などにも適している。ここで、三次元造形物とは、三次元構造を有する回路部材の基材となる材料をいう。
以下に、金属インクおよび金属パターンを備える基板の製造方法について、より詳細に説明する。
[金属インク]
金属インクは、基材の表面に塗布して形成された塗膜を焼成することにより、金属パターンを形成させる焼成型の金属インクである。
金属インクは、金属ナノ粒子と有機溶媒と濡れ性向上剤とを含む。金属インクは、これらの成分以外に、任意成分として、分散剤、重合反応性化合物、重合開始剤などを含むことができる。
(金属ナノ粒子)
金属ナノ粒子を形成する金属材料としては、金属単体や合金などが用いられる。
金属単体または合金に含まれる金属元素としては、典型金属元素、遷移金属元素などが挙げられる。典型金属元素としては、例えば、Zn、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Biなどが挙げられる。遷移金属元素としては、例えば、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Auなどが挙げられる。合金は、これらの金属元素を二種以上含むものが好ましい。金属元素としては、Al、Sn、Ti、Ni、Pt、Cu、Ag、Auなどが好ましい。金属材料としては、Cu単体、Ag単体、Cu合金、Ag合金などが好ましく、中でも、AgまたはAg合金が好ましい。
金属インクは、材料が異なる複数種の金属ナノ粒子を含んでいてもよい。例えば、金属インクは、AgまたはAg合金で形成された第1金属ナノ粒子と、前記例示の金属のうちAg以外の金属単体またはAg合金以外の合金で形成された第2金属ナノ粒子とを組み合わせて含んでもよい。この場合、金属ナノ粒子全体に占める第1金属ナノ粒子の割合は、80質量%以上であることが好ましく、80質量%以上99質量%以下または85質量%以上99質量%以下であってもよい。
金属ナノ粒子の平均粒子径は、5nm以上1000nm未満の範囲から選択できる。平均粒子径は、5nm以上500nm以下であることが好ましく、5nm以上200nm以下または5nm以上100nm以下であることがさらに好ましい。このような平均粒子径を有する金属ナノ粒子を用いることで、金属ナノ粒子間の接触を高めることができるとともに、比較的低い温度でも金属ナノ粒子同士が融着しやすくなるため、金属ナノインクを用いて形成される金属パターンの導電性が高まり易い。
なお、本明細書中、平均粒子径とは、体積基準の粒度分布の累積体積50%における粒径(D50)である。平均粒子径(D50)は、レーザー回折式の粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折散乱法によって測定することができる。また、金属ナノ粒子の平均粒子径は、金属ナノインクの塗膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、任意に選択した複数(例えば、10個)の金属ナノ粒子の外縁で囲まれた領域と同じ面積を有する円(相当円)の直径を求め、平均化することにより算出してもよい。
金属ナノ粒子の形状は、特に制限されず、球状、楕円球状、多角柱状、多角錐状、扁平形状(薄片状、鱗片状、フレーク状など)、またはこれらの類似する形状などのいずれの形状であってもよい。金属ナノ粒子間の接触を高めやすい観点からは、球状、楕円球状、扁平形状、もしくはこれらに類似する形状であることが好ましい。
金属ナノ粒子としては、市販のものを用いてもよく、金属材料を蒸発させることにより形成したものを用いてもよい。また、液相や気相中で化学反応を利用して作製した金属ナノ粒子を用いてもよい。
(有機溶媒)
金属インクに含まれる有機溶媒としては、アルキルアルコール、エーテル、エステル、ケトン、芳香族炭化水素などが挙げられる。金属インクは、有機溶媒を一種含んでもよく、二種以上を組み合わせて含んでもよい。
アルキルアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノールなどが挙げられる。アルキルアルコールとしては、C1−14アルキルアルコールが好ましく、C1−12アルキルアルコールがさらに好ましい。また、C1−6アルキルアルコールを用いてもよい。
エーテルとしては、脂肪族エーテル、環状エーテル(テトラヒドロフランなど)が例示できる。脂肪族エーテルとしては、例えば、ジアルキルエーテル(ジエチルエーテルなど)、グリコールのエーテル(アルキルエーテル、アリールエーテル、アラルキルエーテルなど)が挙げられる。
エステルとしては、脂肪族エステルが好ましい。脂肪族エステルとしては、脂肪族カルボン酸のエステルが好ましい。脂肪族エステルは、脂環族基を有してもよい。脂肪族カルボン酸のエステルとしては、例えば、脂肪族カルボン酸のアルキルエステル、シクロアルキルエステル、シクロアルキルアルキルエステル、およびグリコールエステルなどが挙げられる。脂肪族エステルの具体例としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、酢酸デシル、酪酸エチル、酢酸ジヒドロターピニル、1,4−ブタンジオールジアセテートが挙げられる。脂肪族エステルとしては、脂肪族C2−4カルボン酸のアルキルエステル(C1−12アルキルエステルなど)、脂肪族C2−4カルボン酸と脂肪族環(炭素数5〜8の脂肪族環など)を有するアルコールとのエステル(酢酸ジヒドロターピニルなど)、脂肪族C2−4カルボン酸のC2−6グリコールエステルなどが好ましい。また、脂肪族C2−4カルボン酸のC1−4アルキルエステルを用いてもよい。
ケトンとしては、脂肪族ケトン(炭素数3〜6の脂肪族ケトンなど)、脂環族ケトン(C5−8シクロアルカノンなど)などが好ましい。脂肪族ケトンとしては、アセトン、エチルメチルケトンが例示される。脂環族ケトンとしては、シクロペンタノン、シクロヘキサノンが例示される。
芳香族炭化水素としては、C6−14芳香族炭化水素が好ましく、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
有機溶媒は、金属インクの塗膜が形成されてから金属パターンが形成されるまでの過程で除去されるため、揮発性である。ただし、保管する場合を考慮して、金属インクは室温では液体であることが望ましい。また、有機溶媒の沸点は、100℃以上300℃以下であることが好ましく、150℃以上250℃以下であることがさらに好ましい。沸点がこのような範囲である場合、塗布された金属インクの液滴が乾き易いためにパターン形成が容易である。また、金属インクの液滴が金属インクをジェット塗布する場合でも、ヘッドでの有機溶媒の揮発に伴うヘッドの詰まりを抑制できる。
有機溶媒は、HSPの水素結合項dHが2MPa0.5以上13MPa0.5以下であり、極性項dPが2MPa0.5以上である第1溶媒を含む。このような第1溶媒を用いると、金属インク中で金属コロイドが安定化し、金属インクの塗布性が高まる。有機溶媒は、少なくとも第1溶媒を含んでいればよく、第1溶媒と、上記有機溶媒のうち第1溶媒以外のものとを含んでもよい。
第1溶媒としては、エーテル、アルキルアルコール、エステルなどが好ましい。
第1溶媒のエーテルとしては、C2−3アルキレングリコールまたはポリC2−3アルキレングリコールの、アルキルエーテル(C1−8アルキルエーテルなど)、アリールエーテル(フェニルエーテル、トリルエーテルなど)、アラルキルエーテル(ベンジルエーテル、フェネチルエーテルなど)などが好ましい。ポリC2−3アルキレングリコールのエーテルにおいて、C2−3アルキレングリコールの繰り返し数は、例えば、2〜4が好ましい。エーテルは、モノエーテルまたはジエーテルのいずれであってもよい。
エーテルの具体例としては、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノノルマルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル、ジエチレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノノルマルヘキシルエーテル、ジエチレングルコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)などが挙げられる。
第1溶媒のアルキルアルコールとしては、C7−14アルキルアルコール(1−オクタノール、2−オクタノール、ドデカノールなど)が好ましく、C8−12アルコールがより好ましい。
第1溶媒のエステルとしては、脂肪族C2−4カルボン酸のC2−6グリコールエステル(1,4−ブタンジオールジアセテートなど)、脂肪族C2−4カルボン酸と脂肪族C2−6グリコールC1−4アルキルエーテルとのエステル(ジエチレングリコールノルマルブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなど)、脂肪族C2−4カルボン酸のアルキルエステル(酢酸オクチルなどのC4−10アルキルエステルなど)、脂肪族C2−4カルボン酸と炭素数5〜8の脂肪族環を有するアルコールとのエステル(酢酸ジヒドロターピニルなど)などが好ましい。
第1溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1溶媒は、少なくとも上記のエステルを含むことが好ましく、エステルと他の第1溶媒とを組み合わせてもよい。第1溶媒がエステルを含むことで、金属インクの塗布性が高まるとともに、塗布された金属インクの液滴も乾き易くなる。
第1溶媒の沸点は、100℃以上300℃以下(例えば、150℃以上300℃以下)であることが好ましく、150℃以上250℃以下であることがさらに好ましい。沸点がこのような範囲である場合、有機溶媒の場合と同様に、塗布された金属インクの液滴が乾き易いためにパターン形成が容易である。また、金属インクをジェット塗布する場合でも、ヘッドでの有機溶媒の揮発に伴うヘッドの詰まりを抑制できる。
第1溶媒の25℃における表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下(例えば、22mN/m以上35mN/m以下)であることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下(例えば、25mN/m以上35mN/m以下)であることがさらに好ましい。この場合、金属インクの塗布性が向上するため、パターンの断線を抑制する効果が高まる。また、液滴が過度に広がることも抑制されるため、微細な金属パターンを形成することができる。
なお、本明細書において、表面張力は、接触角計を用いて懸滴法により求められる。
第1溶媒として、上記の沸点と上記の表面張力を有するエステルを用いることが好ましい。このようなエステルとしては、例えば、脂肪族C2−3カルボン酸のC2−4グリコールエステル(1,4−ブタンジオールジアセテートなど)が挙げられる。このようなエステルと他の第1溶媒および/または他の有機溶媒とを組み合わせてもよい。
金属インクに含まれる有機溶媒に占める第1溶媒の比率は、例えば、80質量%以上であり、90質量%以上が好ましい。有機溶媒を第1溶媒のみで構成してもよい。このように有機溶媒に占める第1溶媒の比率が多いと、金属インク中の金属コロイドの高い安定性を確保し易くなる。
第1溶媒がエステルを含む場合、第1溶媒としてのエステルと他の有機溶媒(他の第1溶媒も含む)との質量比は、80:20〜100:0であることが好ましく、90:10〜100:0であることがさらに好ましい。質量比がこのような範囲である場合、金属インクの塗布性が高まるとともに、塗布された金属インクの液滴も乾き易くなる。
金属インク中の有機溶媒の割合は、25質量%以上95質量%以下であることが好ましく、25質量%以上90質量%以下であってもよい。有機溶媒の割合がこのような範囲である場合、金属インクに含まれる金属ナノ粒子などの構成成分を有機溶媒中に分散させ易く、良好な塗工性を確保し易い。そのため、金属インクは、インクジェット方式などのジェット塗布にも適している。
(濡れ性向上剤)
濡れ性向上剤とは、金属インクに添加される添加剤であり、金属インクが塗布される基材(特に、基材表面の金属インクが塗布される領域)の金属インクに対する濡れ性を向上させる成分を言う。
濡れ性向上剤は、有機溶媒と相溶し、脂肪族炭化水素および脂肪族ポリシロキサンからなる群より選択される少なくとも一種である。濡れ性向上剤を用いることで、基材の金属インクに対する濡れ性を向上することができるため、バルジの発生を低減することができるとともに、金属パターンの断線を抑制することができる。
濡れ性向上剤のうち、脂肪族炭化水素としては、鎖状の脂肪族炭化水素、環状の脂肪族炭化水素などが挙げられる。脂肪族炭化水素は、飽和脂肪族炭化水素であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素であってもよい。鎖状の脂肪族炭化水素としては、例えば、アルカン、アルケンなどが好ましい。脂肪族炭化水素は、直鎖状および分岐鎖状のいずれであってもよい。環状の脂肪族炭化水素としては、環状アルカン、環状アルケンなどが挙げられる。脂肪族炭化水素は、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などのC1−6アルキル基など)、アルケニル基(ビニル基、1−メチルビニル基、アリル基などのC2−6アルケニル基など)などの置換基を有していてもよい。
アルカンとしては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、イソドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、H−(CH−C(CH−H(n=1〜5の整数である)などが例示される。アルカンとしては、例えば、出光興産(株)製のIPシリーズ(例えば、IP1016、IP1620、IP2028、IPクリーンLX、IPクリーンHX)も使用できる。
アルケンとしては、4−メチル−1−ペンテン、オクテン、デセン、ドデセン、ジイソブチレンなどが例示される。アルケンとしては、例えば、丸善石油化学(株)製のDIBも使用できる。
環状アルカンとしては、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デカヒドロナフタレンなどが例示される。環状アルケンとしては、例えば、シクロヘキセン、リモネン、シクロオクテンなどが挙げられる。
脂肪族炭化水素の炭素数は、例えば、6以上20以下であり、6以上16以下が好ましく、6以上14以下がさらに好ましい。炭素数がこのような範囲である場合、第1溶媒に対して高い相溶性を確保し易く、コロイド粒子を安定化することができる。また、金属インクの液滴が基材上で過度に弾かれるのを抑制できるため、バルジの発生を低減できるとともに、パターンの断線を抑制できる。環状の脂肪族炭化水素は、5員環から8員環を有することが好ましく、5員環または6員環を有することがより好ましい。
これらの脂肪族炭化水素は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族炭化水素のうち、直鎖状アルカン、分岐鎖状アルカン、分岐鎖状アルケン、環状アルカン、および環状アルケンが好ましく、中でも、分岐鎖状アルカンが好ましい。これらの脂肪族炭化水素は、第1溶媒を含む有機溶媒との相溶性も高く、基材の金属インクに対する濡れ性を高め易い。そのため、バルジの低減効果をさらに高めることができるとともに、金属パターンの断線をさらに抑制することができる。
濡れ性向上剤のうち、脂肪族ポリシロキサンは、鎖状であってもよく、環状であってもよい。鎖状の脂肪族ポリシロキサンとしては、ポリジアルキルシロキサン(ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリエチルメチルシロキサンなど)などが挙げられる。環状の脂肪族ポリシロキサンとしては、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリシロキサンを用いると、基材の金属インクに対する濡れ性をより高め易くなるため、バルジの低減効果をさらに高めることができるとともに、金属パターンの断線をさらに抑制することができる。脂肪族ポリシロキサンは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。脂肪族ポリシロキサンのうち、環状の脂肪族ポリシロキサンは、第1溶媒を含む有機溶媒との相溶性も高く、基材の金属インクに対する濡れ性を高め易いため、より好ましい。
脂肪族ポリシロキサンは、例えば、3量体以上12量体以下であり、3量体以上10量体以下であることが好ましく、3量体以上6量体以下であることがさらに好ましい。このような場合、基材の金属インクに対する濡れ性をより高め易くなるため、バルジの低減効果をさらに高めることができるとともに、金属パターンの断線をさらに抑制することができる。脂肪族ポリシロキサンのSi原子に結合するアルキル基としては、C1−4アルキル基(メチル基、エチル基など)が好ましい。
濡れ性向上剤の量は、有機溶媒100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上20質量部以下であり、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、1質量部以上10質量部以下であることがさらに好ましい。濡れ性向上剤の量がこのような範囲である場合、第1溶媒との相溶性を確保し易いことに加え、基材の金属インクに対する濡れ性を高め易い。よって、バルジの低減効果および金属パターンの断線抑制効果をさらに高めることができる。
(分散剤)
金属インクは、分散剤を含んでもよい。分散剤を用いることで、金属インク中で金属ナノ粒子が凝集することが抑制され、金属ナノ粒子を安定化することができる。
分散剤は、金属ナノインクを調製する際に添加してもよいが、金属ナノ粒子に配位させた状態で使用することが好ましい。分散剤は、金属ナノ粒子とともに混合し、必要により加熱することで金属ナノ粒子に配位させてもよく、金属ナノ粒子の作製過程で分散剤を用いることにより金属ナノ粒子に配位させてもよい。
分散剤としては、例えば、金属ナノ粒子に配位する極性の官能基と疎水性の有機基とを有する有機化合物が用いられる。極性の官能基としては、例えば、アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基(フェノール性ヒドロキシル基を含む)、カルボニル基、エステル基、カルボキシル基などの酸素含有基などが挙げられる。分散剤は、極性の官能基を一種含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
中でも、室温安定性の点で、アミノ基を含む化合物である有機アミンを用いることが好ましい。有機アミンは、一級アミン、二級アミン、三級アミンのいずれであってもよく、環状アミンおよび鎖状アミンのいずれであってもよい。金属ナノ粒子に配位しやすい点では、一級アミン(中でも、一級鎖状アミン)が好ましい。有機アミンとしては、例えば、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ミリスチルアミンなどのアルキルアミンが好ましい。金属ナノ粒子の分散安定性が高く、金属パターンの作製過程で除去し易い点で、C6−14アルキルアミンまたはC8−12アルキルアミンが好ましい。また、炭素数が少ないアミン(例えば、C6−10アルキルアミン、好ましくはC8−10アルキルアミン)は反応性が高いため、低温焼成などにより、温和な条件下で重合反応を行うことができる。
分散剤は、金属パターンの形成過程の適当な段階で除去されることが好ましいため、低分子化合物(例えば、分子量500以下の化合物)であることが好ましい。
金属インク中に含まれる分散剤(好ましくは、金属ナノ粒子に配位した分散剤)の量は、金属ナノ粒子100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上10質量部以下であり、0.5質量部以上5質量部以下であることが好ましい。分散剤の量がこのような範囲である場合、金属インク中で金属ナノ粒子を安定化しやすく、分散剤の除去も容易である。
(重合反応性化合物)
重合反応性化合物は、金属インクの所望の物性に応じて選択すればよい。活性化した重合反応開始剤の作用により重合(架橋や硬化も含む)して高分子を形成可能であればよく、公知の重合反応性化合物が使用できる。重合反応性化合物としては、高分子の原料、例えば、モノマーまたはモノマーがいくつか連なったオリゴマーなどの前駆体が挙げられ、硬化性樹脂(光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂など)も使用できる。
硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ケイ素樹脂、ビニルエステル樹脂、ビニルエーテル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ウレタン系樹脂などが挙げられる。
(重合開始剤)
重合開始剤は、金属インクの所望の物性や重合反応性化合物の種類などに応じて選択すればよい。重合開始剤は、熱および/または光の作用により活性化して重合反応性化合物の重合を進行させるものが使用され、公知の重合開始剤が使用できる。重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤やイオン重合開始剤などが使用される。また、重合反応開始剤としては、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂などの硬化性樹脂で使用されるその他の硬化剤も使用できる。
(その他)
金属インクは、必要に応じて、公知の添加剤を含んでもよい。例えば、金属インクが重合反応性化合物および重合開始剤を含む場合、重合反応性化合物の種類に応じて、硬化促進剤、反応性希釈剤、表面調整剤などを含んでもよい。
金属インクは、金属インクの構成成分を混合することにより得ることができる。構成成分をより均一に分散させるため、公知の攪拌機、ミキサーなどが用いられる。構成成分の混合順序は特に制限されない。例えば、一部の成分を予め混合し、残りの成分を添加してさらに混合してもよい。各成分は、一度に添加してもよく、複数回に分けて添加してもよい。金属ナノ粒子は固体であるため、予め有機溶媒中に分散させておくことが好ましい。例えば、有機溶媒に金属ナノ粒子を予め分散した分散液に、濡れ性向上剤、および必要により他の成分を添加し、混合することにより金属ナノインクを調製することができる。分散剤を用いる場合、金属ナノ粒子に予め分散剤を配位させた後、有機溶媒に分散させて、これに濡れ性向上剤、および必要により他の成分を添加、混合してもよい。
金属インクの25℃における粘度は、例えば、1mPa・s以上10000mPa・s以下であることが好ましい。インクジェット方式に適用する場合には、ノズルにおける吐出性を確保し易い観点から、金属インクの25℃における粘度を3mPa・s以上300mPa・s以下とすることが好ましい。
なお、本明細書中、粘度は、E型粘度計を用いて、回転速度20rpmで測定したときの粘度である。
金属インクは、基材上(具体的には、基材の表面の撥液性を有する領域上)に塗布して、25℃で1分間経過した後の、金属インクの基材に対する接触角が、5°以上30°以下であることが好ましく、10°以上25°以下であることがより好ましい。接触角がこのような範囲である場合、金属インクが広がりすぎることが抑制されるとともに、金属インクが過度に弾かれることも抑制される。液滴が集まり難くなるため、バルジの発生をさらに抑制することができるとともに、金属パターンの断線を抑制する効果が高まる。よって、精巧な金属パターンを形成し易くなる。
接触角は、接触角計を用いて液滴の横方向から計測することができる。
金属インクの滑落角は、例えば、3°以上30°以下であり、3°以上25°以下であることが好ましく、10°以上25°以下であることがさらに好ましい。滑落角がこのような範囲である場合、金属インクの液滴が基材上で動き難い。よって、液滴が集まり難くなるため、バルジの発生をさらに抑制することができ、金属パターンの断線を抑制する上でも有利である。また、金属インクの高い密着性を確保することができる。
なお、滑落角とは、板状の基材の上(具体的には、基材の表面の撥液性を有する領域上)に金属インクを塗布して、25℃で1分間経過した後、基材の底面の一辺を台座につけた状態で反対側の辺を徐々に持ち上げることで基材を傾けていき、金属インクの液滴が滑り始めたときの基材の底面と台座との間の角度を言うものとする。
金属インクの表面張力は、25mN/m以上40mN/m以下であることが好ましく、より好ましくは27mN/m以上37mN/m以下である。表面張力がこのような範囲である場合、バルジや断線が発生し難く、パターンが広がりすぎることも抑制されるため、精巧な金属パターンを得る上で有利である。
[金属パターンを備える基材の製造方法]
金属パターンを備える基材の製造方法は、基材上に、上記の金属インク(第1インク)を塗布して金属パターンを形成する工程を備える。金属パターン形成工程は、金属インクを基材に塗布して塗膜を形成する工程と、塗膜を焼成して金属パターン(金属膜)を形成する工程とを含むことができる。
金属パターンが形成される基材の材質としては、特に制限されず、例えば、ガラス、シリコン、プラスチック(熱可塑性樹脂、硬化樹脂など)などが挙げられる。微細配線パターン形成の観点から、基材(具体的には、基材表面)の少なくとも一部の領域は、撥液性を有することが好ましい。金属パターンは、少なくとも基材の撥液性を有する領域に形成されることが好ましい。このような場合でも、金属インクが第1溶媒と濡れ性向上剤とを含むことで、基材の金属インクに対する濡れ性を高めることができるため、バルジの発生を低減できるとともに、金属パターンの断線を抑制することができる。基材は、表面に撥液性を有する層(撥液層)を備えるものであってもよい。
なお、基材が撥液性を有する場合とは、基材の表面の撥液性を備える領域において、表面自由エネルギーが15mN/m以上35mN/mである場合を言うものとする。
基材の表面の撥液性を備える領域の表面自由エネルギーは、SFE(Surface Free Energy)解析により、水、ジヨードメタンなどの数種のプローブ液体の接触角を測定し、測定された接触角から算出できる。また、接触角は、接触角計を用いて液滴の横方向から計測できる。
撥液層としては、例えば、光硬化性材料を含むインク(第2インク)を用いて形成される硬化樹脂層が挙げられる。このような撥液層は、例えば、金属パターン形成工程の前に、硬化樹脂層(硬化樹脂パターン)を形成する工程を経ることにより形成できる。
以下に、各工程についてより具体的に説明する。
(硬化樹脂パターンの形成工程)
本工程では、基材上に硬化性材料を含む第2インクを塗布して、未硬化樹脂パターンを形成し、未硬化樹脂パターンを硬化させて撥液性を有する硬化樹脂パターン(撥液層)を形成する。この場合、金属パターン形成工程において、少なくとも硬化樹脂パターン上に金属パターンが形成されることになる。硬化樹脂パターンは、撥液性が高いが、撥液性が高い硬化樹脂パターン上に金属パターンを形成する場合でも、金属インクが第1溶媒と濡れ性向上剤とを含むことで、基材の金属インクに対する濡れ性を高めることができる。そのため、バルジの発生を低減できるとともに、金属パターンの断線を抑制することができる。なお、未硬化樹脂パターンの硬化は、光照射により行なってもよく、加熱により行なってもよい。光照射により硬化を進行させて硬化樹脂パターンを形成すると、加熱などにより溶媒を蒸発させて樹脂パターンを形成する場合に比べて、硬化速度(乾燥速度)が速いため、ボイドの少ない、膜厚の均一な樹脂パターンを得ることができる。また、生産性も高くなる。このような観点からは、光硬化性材料を用いて、光照射により硬化を行なうことが好ましい。
基材上への第2インクの塗布は、非接触のジェット塗布に限定されず、スピンコート、スプレーコート、ブレードコート、スクリーン印刷などの公知の塗布方法により行うことができる。
光照射に利用される光源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、LEDランプなどを用いることができる。光の波長は、光重合開始剤の種類などに応じて選択すればよく、例えば、200nm以上400nm以下であってもよい。照射時間は、光硬化性材料の種類などによって適宜設定することができる。
硬化樹脂パターン(撥液層)の膜厚は、特に限定されない。回路部材の絶縁層として利用される場合には、硬化樹脂パターンの膜厚は、1μm以上100μm以下とすることが好ましい。所望の膜厚を得るために、第2インクの塗布と硬化とを繰り返し行ってもよい。
(第2インク)
第2インクは、例えば、硬化性材料および重合開始剤を含む。光硬化性材料および光重合開始剤を用いることが好ましい。第2インクを基材の表面に塗布することにより、未硬化樹脂パターンを形成することができる。その後、得られた未硬化樹脂パターンを硬化させて、硬化樹脂パターンを形成する。光硬化性材料の場合には、光を照射することによって光硬化性材料の重合が進行し、硬化樹脂パターンが形成される。
(光硬化性材料)
光硬化性材料としては、光重合開始剤の作用によって反応が開始し、重合反応や架橋反応が進行し、硬化性樹脂を形成することが可能な化合物が用いられる。このような化合物としては、硬化性樹脂の原料となるラジカル重合性モノマー、カチオン重合性モノマーまたはアニオン重合性モノマーが用いられる。また、これらのモノマーのいずれかが、いくつか重合したオリゴマーなども、光硬化性材料として用いることができる。
このような光硬化性材料としては、少なくとも一つの脂環式骨格を有する化合物が挙げられる。少なくとも一つの脂環式骨格を有する化合物を用いることにより、第2インクを基材上に塗布した際に、基材上に良く濡れ広がり、硬化樹脂パターンの薄膜化や均一化が容易になる。
少なくとも一つの脂環式骨格を有する化合物としては、例えば、シクロヘキサン骨格、シクロペンタン骨格、1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格、トリシクロデカン骨格、ジシクロペンタン骨格、アダマンタン骨格などを有する(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、エポキシ化合物などが挙げられる。中でも、硬化樹脂パターンの薄膜化が容易な点で、トリシクロデカン骨格を有する(メタ)アクリレートやジ(メタ)アクリレートが好ましい。なお、アクリレートおよびメタクリレートを(メタ)アクリレートと総称し、ジアクリレートおよびジメタクリレートをジ(メタ)アクリレートと総称する。
具体的には、シクロヘキサン骨格を有するアルコキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレートや水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカン骨格を有するトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートやトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタン骨格を有するジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ファンクリルFA−511AS、ファンクリルFA−512AS、ファンクリルFA−513AS、ファンクリルFA−512M、ファンクリルFA−512MT、ファンクリルFA−513M((メタ)アクリレート、いずれも日立化成(株)製);KAYARAD R−684(ジアクリレート、日本化薬(株)製);セロキサイド2021P(エポキシ化合物、(株)ダイセル製)の商品名で市販されている脂環式骨格を有する化合物を用いてもよい。
光硬化性材料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
第2インクから良好な硬化樹脂パターンを得るためには、第2インク中、光硬化性材料の含有量は、好ましくは20質量%以上98質量%以下、より好ましくは50質量%以上98質量%以下である。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、光の作用により、塩基(またはアニオン)や酸(またはカチオン)を生成したり、ラジカルを生成したりする化合物であれば、特に限定されず、光硬化性材料の種類に応じて、公知のラジカル重合開始剤やイオン重合開始剤を用いることができる。
中でも、α―アミノアルキルフェノン系開始剤、α−ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤、フェニルグリオキシレート系開始剤、オキシフェニル酢酸エステル系開始剤、アシルホスフィンオキサイド系開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4’−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−ヒロドキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、オキシ−フェニル−酢酸2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、オキシ−フェニル−酢酸2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エチルエステル、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(メトキシカルボニル)−4,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジ(メトキシカルボニル)−3,3’−ジ(t−チルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルフォリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
CPI−100P、CPI−100A、CPI−110P、CPI−210S、CPI−200K(いずれもサンアプロ(株)製);サイラキュア光硬化開始剤UVI−6992、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6976(いずれもダウ・ケミカル日本(株)製);アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172(いずれも旭電化工業(株)製);CI−5102、CI−2855(いずれも日本曹達(株)製);エサキュア1064、エサキュア1187(いずれもランベルティ(株)製);オムニキャット550(アイジーエム レジン(株)製);イルガキュア250、イルガキュア754、イルガキュア907(いずれもBASFジャパン(株)製);ロードシルフォトイニシエーター2074(ローディア・ジャパン(株)製)の商品名で市販されている重合開始剤を用いてもよい。
この中でも、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4'−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、オキシ−フェニル−酢酸2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル、オキシ−フェニル−酢酸2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エチルエステル、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドおよび2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが好ましい。
光重合開始剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
昨今、省エネルギーの観点から、UV−LED技術が光硬化の手段として使われるようになっている。UV−LEDは現状のところ長波長(365−405nm)の発光波長を有するものが多い。そのため、未硬化樹脂パターンにUV−LEDを照射して光硬化性材料を硬化させる場合には、365nm以上405nm以下の光を吸収するα−アミノアルキルフェノン系およびアシルホスフィンオキサイド系の光重合開始剤が好ましい。
第2インクを基材上に塗布した後、第2インクに含まれる光硬化性材料を十分に硬化させるためには、第2インク中の光重合開始剤の含有量は、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがさらに好ましい。
(表面調整剤)
第2インクには、表面調整剤を含ませることが好ましい。表面調整剤により、第2インクから形成される硬化樹脂パターンの表面張力が均一化され易くなる。
表面調整剤としては、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ソルビタン誘導体、スルホン酸塩、ポリアクリレートなどを用いることができる。
具体的には、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、ヨウ化フルオロアルキルアンモニウム、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩などが例示される。
また、ディスパーベイク(Disperbyk)161、ディスパーベイク162、ディスパーベイク163、ディスパーベイク164、ディスパーベイク166、ディスパーベイク170、ディスパーベイク180、ディスパーベイク181、ディスパーベイク182、BYK−300、BYK−306、BYK−310、BYK−320、BYK−330、BYK−344、BYK−346、BYK−UV−3570、BYK−UV−3576(シリコーン系化合物、いずれもビックケミー・ジャパン(株)製);KP−341、KP−358、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(シリコーン系化合物、いずれも信越化学工業(株)製);TEGO Rad 2200N、TEGO Rad 2250、TEGO Rad 2300、TEGO Rad 2500(シリコーン系化合物、いずれもエボニック デグサ ジャパン(株)製);サーフロンSC−101、サーフロンKH−40(フッ素系化合物、いずれもセイミケミカル(株)製);フタージェント222F、フタージェント251、FTX−218(フッ素系化合物、いずれも(株)ネオス製);EFTOP EF−351、EFTOP EF−352、EFTOP EF−601、EFTOP EF−801、EFTOP EF−802(フッ素系化合物、いずれも三菱マテリアル(株)製);RS-72K、RS−211K、メガファックF−171、メガファックF−177、メガファックF−475、メガファックR−08、メガファックR−30(フッ素系化合物、いずれもDIC(株)製);ポリフローNo.45、ポリフローKL−245、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(ポリアクリレート、いずれも共栄社化学工業(株)製)の商品名で市販されている表面調整剤を用いてもよい。第2インクに含まれる表面調整剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化樹脂パターンの表面撥液性を高める観点からは、反応性基を有するフッ素系化合物またはシリコーン系化合物を用いることが好ましい。このような反応性基としては、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基が挙げられる。なお、アクリロイル基およびメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と総称する。
反応性基として(メタ)アクリロイル基を有するフッ素系化合物しては、商品名RS-72Kなどが例示される。(メタ)アクリロイル基を有するシリコーン系化合物としては、商品名BYK−UV−3570、BYK−UV−3576、TEGO Rad 2200N、TEGO Rad 2250、TEGO Rad 2300、TEGO Rad 2500などが例示される。また、反応性基としてエポキシ基を有するシリコーン系化合物としては、RS−211Kなどが例示される。
特に、第2インクが硬化性の高いインクとなる点で、(メタ)アクリロイル基を有するシリコーン系化合物を用いることが好ましい。
第2インクにおいて、表面調整剤の含有量は、0.01質量%以上10質量%以下、好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。表面調整剤の含有量が上記範囲のとき、第2インクに含まれる硬化性材料は十分に硬化し、さらに、形成される硬化樹脂パターンの撥液性が高くなる。
(その他)
第2インクには、光硬化性材料、光重合開始剤、表面調整剤以外に、必要に応じて、公知の添加剤を含ませることもできる。例えば、光硬化性材料の種類に応じた硬化促進剤や反応性希釈剤、重合禁止剤、無機フィラー、顔料などを添加することができる。これらの添加剤を含ませる場合、第2インク中の添加剤の量は、0.1質量%以上80質量%以下、好ましくは0.5質量%以上50質量%以下である。
第2インクの25℃における粘度は、5mPa・s以上1000mPa・s以下であることが好ましい。このような粘度であれば、基材上に塗布した際に、基材上に良く濡れ広がり、硬化樹脂パターンの薄膜化や均一化が容易になるため、精巧な金属パターンを形成する上で有利である。第2インクの粘度は、溶媒および/または希釈性モノマーなどにより調整できる。
第2インクは、第2インクの構成成分を混合することにより得ることができる。構成成分をより均一に分散させるため、公知の攪拌機、ミキサーなどが用いられる。
(金属パターン形成工程)
(塗膜形成工程)
塗膜形成工程では、基材の表面に金属インクを塗布する。金属インクの塗布は、特に制限されず、スピンコート、スプレーコート、ブレードコート、スクリーン印刷、インクジェットなどの公知の塗布方法により行うことができる。また塗膜は、配線や穴埋めといったパターン膜であってよく、ベタ膜でもよい。
金属インクは、特に、インクジェット方式などの非接触のジェット塗布に適している。インクジェット方式では、金属インクにおける有機溶媒の比率が多いため、金属インクの液滴が過度に弾かれ易く、液滴の凝集が起こり易い。そのため、バルジが発生し易く、均一なパターンが形成され難い。本発明の上記局面によれば、金属インクが第1溶媒と濡れ性向上剤とを含むことで、基材の金属インクに対する濡れ性を高めることができるため、インクジェット方式で金属インクを塗布する場合でも、バルジの発生を低減できるとともに、金属パターンの断線を抑制することができる。
(乾燥工程)
塗膜形成工程で得られた塗膜を有する基材は、焼成工程に先立って、必要に応じて乾燥してもよい。乾燥条件は、金属ナノインクの構成成分などに応じて適宜決定できる。乾燥工程では、揮発性の液状媒体を除去することが好ましい。
乾燥温度は特に制限されず、液状媒体を除去できる温度で行ってもよい。乾燥温度は、後述の焼成の温度よりも低いことが望ましい。
(焼成工程)
焼成工程では、塗膜形成工程で得られた塗膜を有する基材を焼成する。焼成により、塗膜内に含まれる金属ナノ粒子同士が融着して、得られる金属膜の抵抗を大幅に低減することができる。金属ナノ粒子のナノサイズ効果により、金属の融点よりも低い温度で融着するため、焼成は比較的低温であっても十分に金属膜の抵抗を低減する効果が得られる。
焼成は、金属ナノ粒子の金属の種類に応じて適宜選択でき、例えば、50℃以上250℃以下で行ってもよく、100℃以上250℃以下または150℃以上250℃以下で行ってもよい。分散剤として炭素数の少ないアミンを用いると、温和な条件下でも金属膜を形成することができる。この場合、焼成温度は、150℃以下(例えば、50℃以上150℃以下)であることが好ましく、100℃以上150℃以下であってもよい。
焼成は、必要に応じて、還元剤の存在下で行なってもよい。
焼成は、不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、大気中で行ってもよい。
焼成時間は、特に制限されないが、例えば、5分以上120分以下であってもよい。
重合反応開始剤として、熱の作用により活性化するものを用いる場合には、乾燥工程および/または焼成工程で加えられる熱により活性化させ、重合反応性化合物の重合を進行させてもよい。重合反応開始剤として、光の作用により活性化するものを用いる場合には、塗膜形成後から焼成工程までの適当な段階で塗膜に光を照射することが好ましい。乾燥工程および/または焼成工程を、光照射下で行ってもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1〜15および比較例1〜11》
(1)硬化樹脂パターンの形成
(a)第2インクの調製
光硬化性材料、光重合開始剤および表面調整剤を、遊星式撹拌装置((株)シンキー製、ARV−310)を用いて攪拌し、第2インクを調製した。光硬化性材料としては、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(SR833S、アルケマ(株)製)およびジシクロペンテニルアクリレート(FA−511AS、日立化成(株)製)を、光重合開始剤としては、α−アミノアルキルフェノン系の光重合開始剤である2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、(Irgacure907、BASF社製)を、表面調整剤としては、シリコーン変性アクリレート系のBYK−UV−3576(ビッグケミー・ジャパン(株)製)を用いた。SR833S、FA−511AS、Irgacure907、BYK−UV−3576の質量比は、70:30:4:0.5とした。
調製した第2インクの25℃における粘度は70mPa・sであった。粘度については、E型粘度計(東機産業(株)製、TVE−20)を用いて、20rpm回転数時の数値を読み取った。
(b)撥液層の形成
第2インクを、インクジェット装置を用いて基材上に塗布し、未硬化樹脂パターンを形成した。基材としては、10mm四方のガラス板を用い、一方の主面(10mm×10mmの範囲)を全面塗布した。
続いて、形成した未硬化樹脂パターンに水銀ランプを用いて光を照射し、撥液層(硬化樹脂パターン)を形成した。光照射は、365nmの照度計を用いて、光強度が50mW/cmになるように水銀ランプの高さを調整し、60秒間行なった。このようにして、撥液性の硬化樹脂パターン(撥液層)を備える基材を得た。硬化樹脂パターンの表面における表面自由エネルギーは32mN/mであった。
(2)金属パターンの形成
(a)金属インクの調製
(a−1)金属ナノ粒子の作製
硝酸銀20g、イソブタノール100g、オクチルアミン(分散剤)80gを混合した。得られた混合物を、温度が100℃になるまで加熱し、5時間還流した。得られた混合物中の固形分を遠心分離で沈降させて回収した。回収した固形分を、メタノールで3回洗浄したのち、遠心分離することにより、オクチルアミンが配位した銀ナノ粒子を回収した。回収した銀ナノ粒子を、ジエチレングリコールモノブチルエーテル中に、3本ロールを用いて分散させることにより、分散ペーストを調製した。銀ナノ粒子と銀ナノ粒子に配位したオクチルアミンとの質量比は、100:3であった。また、銀ナノ粒子(オクチルアミンが配位した銀ナノ粒子)とジエチレングリコールモノブチルエーテルとの質量比は、100:17であった。
得られた分散ペーストをスピンコートで基材に塗布し、銀ナノ粒子のSEM写真を撮影した。この撮影画像において、上記の方法により銀ナノ粒子の平均粒子径を算出したところ、約40nmであった。
(a−2)金属インクの調製
得られた銀ナノ粒子を含むペーストを、表1または表2に示す有機溶媒に、超音波分散機を用いて分散させた後、目開き5μmのディスクフィルターを用いてろ過し、金属インクを調製した。表1または表2に示す添加剤を用いる場合には、超音波分散機を用いて分散させる際に添加して、ペーストとともに有機溶媒中に分散させた。金属インク中の銀ナノ粒子(オクチルアミンが配位した銀ナノ粒子)の濃度は50質量%とした。
(b)金属パターンの形成
上記(a)で得られた金属インク(第1インク)を、上記(1)で形成した硬化樹脂パターンの表面に、インクジェット装置を用いて、長さ10mm幅100μmの線状パターンを形成するように設定して塗布し、塗膜を形成した。その後、基材を加熱し、塗膜を乾燥させ、次いで、120℃のオーブンの中で1時間焼成して、金属パターンを形成した。
実施例5の金属パターンの写真を図1に示す。比較例1の金属パターンの写真を図2に、比較例2の金属パターンの写真を図3に示す。
なお、実施例および比較例で用いた有機溶媒は以下の通りである。
ジエチレングリコールモノノルマルブチルエーテル(第1溶媒、dH11、dP7、沸点168.4℃、表面張力(25℃)28mN/m)
1,4−ブタンジオールジアセテート(第1溶媒、dH9、dP7、沸点230℃、表面張力(25℃)32mN/m)
ジエチレングリコールノルマルブチルエーテルアセテート(第1溶媒、dH8、dP4、沸点245℃、表面張力(25℃)27mN/m)
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(第1溶媒、dH10、dP6、沸点145〜146℃、表面張力(25℃)24mN/m)
ジプロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル(第1溶媒、dH10、dP5、沸点210℃、表面張力(25℃)27mN/m)
エチレングリコールモノノルマルヘキシルエーテル(第1溶媒、dH13、dP8、沸点205℃、表面張力(25℃)27mN/m)
エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル(第1溶媒、dH11、dP4、沸点228.6℃、表面張力(25℃)25mN/m)
ジプロピレングリコールジメチルエーテル(第1溶媒、dH5、dP5、沸点175℃、表面張力(25℃)22mN/m)
テトラグライム(第1溶媒、dH7、dP6、沸点276℃、表面張力(25℃)33mN/m)
2−オクタノール(第1溶媒、dH11、dP5、沸点179℃、表面張力(25℃)24mN/m)
酢酸オクチル(第1溶媒、dH5、dP3、沸点211℃、表面張力(25℃)23mN/m)
酢酸ジヒドロターピニル(第1溶媒、dH3、dP3、沸点246.8〜247℃、表面張力(25℃)28mN/m)
実施例で用いた添加剤のうち、分岐鎖状アルカンおよび分岐鎖状アルケンは以下の通りである。
IP1016(出光興産(株)製、イソパラフィン、炭素数6〜9)
IP1620(出光興産(株)製、イソパラフィン、炭素数10〜13)
IPクリーンLX(出光興産(株)製、イソパラフィン、炭素数10〜13)
マルカゾールR(丸善石油化学(株)製、イソドデカン、炭素数12)
DIB(丸善石油化学(株)製、ジイソブチレン、炭素数8)
(3)評価
上記に調製した金属インクおよび作製した金属パターンについて以下の評価を行なった。
(a)金属インクの粘度および表面張力
金属インクの25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業(株)製、TVE−20)を用いて測定し、20rpm回転数時の数値を読み取った。
金属インクの表面張力は、接触角計(協和界面科学(株)製、DM−501)を用いて、懸滴法により求めた。
(b)接触角
金属インクを、(1)(b)で作製した硬化樹脂パターンの表面に塗布し、25℃で1分間経過した後の金属インクの硬化樹脂パターンに対する接触角を測定した。接触角は、接触角計(共和界面科学(株)製、DM−501)を用いて横からの観察にて計測を行った。
(c)滑落角
金属インクを、(1)(b)で作製した基材上の硬化樹脂パターンの表面に塗布し、25℃で1分間経過した後、基材の底面の一辺を台座につけた状態で反対側の辺を徐々に持ち上げることで基材を傾けていき、金属インクの液滴が滑り始めたときの基材の底面と台座との間の角度(滑落角)を調べた。
(d)金属パターンの状態
金属インクを硬化樹脂パターン上に形成した塗膜および金属パターンの状態(配線性)を下記の基準で評価した。なお、配線部分と比較して幅が1.5倍以上の部分をバルジとして、その個数を数えた。
○バルジ数が7未満で、パターンの断線が見られない。
△パターンの断線は見られないが、バルジ数は7以上である。
×バルジ数が7以上で、パターンの断線が見られる。
(e)配線抵抗値
テスターを用いて、10mm長さの抵抗値を測定した。導通がとれなかったものは測定不能(−)とした。
(a)〜(e)の評価結果を、表1および表2に示す。
Figure 0006935308
Figure 0006935308
表1に示されるように、比較例では、金属インクを塗布した際に、液滴が凝集し易く、バルジが形成され易かった。比較例2では、表1および図3に示されるように、バルジ数も多く、金属パターンの断線が見られ、配線抵抗値も測定不能であった。比較例3〜11についても比較例2と類似の結果が得られた。比較例1では、表1および図2に示すように、断線は見られないものの、バルジ数が多く、パターンの幅が不均一であった。それに対し、表2に示すように、実施例では、比較例に比べて、バルジの発生が低減されており、金属パターンの幅のばらつきが小さく、断線も見られず、より精巧な金属パターンが得られた。実施例5の金属パターンを図1に示すが、バルジ数が0であり、精巧な線状の金属パターンが得られている。
なお、いずれの金属インクも、第1溶媒を含んでおり、相分離することなく、コロイド粒子の高い分散安定性を確保できた。
本発明の実施形態に係る金属インクによれば、バルジの発生や断線が抑制された金属パターンを形成できる。よって、高導電性の金属パターンが利用される種々の用途、例えば、配線パターンを形成するのに有用である。また、三次元造形物の表面への配線パターンの形成や、多層基板の作製などに利用することもできる。

Claims (13)

  1. 基材上に、第1インクとしての金属インクを塗布して金属パターンを形成する工程、を備え、
    前記金属インクは、金属ナノ粒子と有機溶媒と前記基材に対する濡れ性向上剤とを含み、
    前記有機溶媒は、ハンセン溶解度パラメータの水素結合項dHが2MPa0.5以上13MPa0.5以下であり、極性項dPが2MPa0.5以上である第1溶媒を含み、
    前記濡れ性向上剤は、前記有機溶媒と相溶し、かつ、脂肪族炭化水素および脂肪族ポリシロキサンからなる群より選択される少なくとも一種であり、
    前記金属インクを、前記基材上に塗布して、25℃で1分間経過した後の、前記金属インクの前記基材に対する接触角は、10°以上25°以下であり、前記金属インクの滑落角は、3°以上25°以下である、金属パターンを備える基材の製造方法。
  2. 前記脂肪族炭化水素は、鎖状の脂肪族炭化水素および環状の脂肪族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種であり、
    前記脂肪族ポリシロキサンは、鎖状の脂肪族ポリシロキサンおよび環状の脂肪族ポリシロキサンからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の金属パターンを備える基材の製造方法。
  3. 前記脂肪族炭化水素は、直鎖状アルカン、分岐鎖状アルカン、分岐鎖状アルケン、環状アルカン、および環状アルケンからなる群より選択される少なくとも一種であり、
    前記脂肪族ポリシロキサンは、環状の脂肪族ポリシロキサンを含む、請求項1または2に記載の金属パターンを備える基材の製造方法。
  4. 前記脂肪族炭化水素の炭素数は、6以上14以下であり、
    前記脂肪族ポリシロキサンは、3量体以上10量体以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属パターンを備える基材の製造方法。
  5. 基材上に、第1インクとしての金属インクを塗布して金属パターンを形成する工程、を備え、
    前記金属インクは、金属ナノ粒子と有機溶媒と前記基材に対する濡れ性向上剤とを含み、
    前記有機溶媒は、ハンセン溶解度パラメータの水素結合項dHが2MPa 0.5 以上13MPa 0.5 以下であり、極性項dPが2MPa 0.5 以上である第1溶媒を含み、
    前記濡れ性向上剤は、前記有機溶媒と相溶する脂肪族炭化水素から選択される少なくとも一種である、金属パターンを備える基材の製造方法。
  6. 前記金属インクを、前記基材上に塗布して、25℃で1分間経過した後の、前記金属インクの前記基材に対する接触角は、10°以上25°以下であり、前記金属インクの滑落角は、3°以上25°以下である、請求項に記載の金属パターンを備える基材の製造方法。
  7. 前記濡れ性向上剤の量は、前記有機溶媒100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の金属パターンを備える基材の製造方法。
  8. 前記第1溶媒は、沸点が100℃以上300℃以下で、25℃における表面張力が25mN/m以上40mN/m以下であるエステルを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の金属パターンを備える基材の製造方法。
  9. 前記金属パターンは、少なくとも前記基材の撥液性を有する領域に形成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の金属パターンを備える基材の製造方法。
  10. 前記金属パターンを形成する工程の前に、前記基材上に光硬化性材料を含む第2インクを塗布して、未硬化樹脂パターンを形成し、前記未硬化樹脂パターンに光照射して撥液性を有する硬化樹脂パターンを形成する工程を備え、
    前記金属パターンを形成する工程において、少なくとも前記硬化樹脂パターン上に前記金属パターンが形成される、請求項1〜のいずれか1項に記載の金属パターンを備える基材の製造方法。
  11. インクジェット方式により、前記基材上に前記金属インクが塗布される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属パターンを備える基材の製造方法。
  12. 基材上に塗布されて金属パターンを形成するための金属インクであって、
    金属ナノ粒子と有機溶媒と前記基材に対する濡れ性向上剤とを含み、
    前記有機溶媒は、ハンセン溶解度パラメータの水素結合項dHが2MPa0.5以上13MPa0.5以下であり、極性項dPが2MPa0.5以上である第1溶媒を含み、
    前記濡れ性向上剤は、前記有機溶媒と相溶し、かつ、脂肪族炭化水素および脂肪族ポリシロキサンからなる群より選択される少なくとも一種であり、
    前記金属インクを、前記基材上に塗布して、25℃で1分間経過した後の、前記金属インクの前記基材に対する接触角は、10°以上25°以下であり、前記金属インクの滑落角は、3°以上25°以下である、金属インク。
  13. 基材上に塗布されて金属パターンを形成するための金属インクであって、
    金属ナノ粒子と有機溶媒と前記基材に対する濡れ性向上剤とを含み、
    前記有機溶媒は、ハンセン溶解度パラメータの水素結合項dHが2MPa 0.5 以上13MPa 0.5 以下であり、極性項dPが2MPa 0.5 以上である第1溶媒を含み、
    前記濡れ性向上剤は、前記有機溶媒と相溶する脂肪族炭化水素から選択される少なくとも一種である、金属インク。
JP2017223998A 2017-11-21 2017-11-21 金属パターンを備える基材の製造方法および金属インク Active JP6935308B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017223998A JP6935308B2 (ja) 2017-11-21 2017-11-21 金属パターンを備える基材の製造方法および金属インク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017223998A JP6935308B2 (ja) 2017-11-21 2017-11-21 金属パターンを備える基材の製造方法および金属インク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019096442A JP2019096442A (ja) 2019-06-20
JP6935308B2 true JP6935308B2 (ja) 2021-09-15

Family

ID=66971967

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017223998A Active JP6935308B2 (ja) 2017-11-21 2017-11-21 金属パターンを備える基材の製造方法および金属インク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6935308B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021153460A1 (ja) * 2020-01-27 2021-08-05 昭栄化学工業株式会社 インク組成物、製品、液体樹脂組成物、および生成物
JP7477338B2 (ja) * 2020-03-27 2024-05-01 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 導電性インクジェットインク
CN116601246B (zh) * 2020-09-30 2024-09-17 富士胶片株式会社 油墨组、层叠体及层叠体的制造方法
CN118355458A (zh) * 2021-11-30 2024-07-16 株式会社大赛璐 接合性导体糊

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3384861B2 (ja) * 1994-03-08 2003-03-10 ジーイー東芝シリコーン株式会社 導電性シリコーンゴム組成物およびその製造方法
JP2006100397A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Seiko Epson Corp 多層配線基板の製造方法、電子機器
DE602006013100D1 (de) * 2005-01-10 2010-05-06 Yissum Res Dev Co Wasserbasierte dispersionen von metall-nanopartikeln
KR101221780B1 (ko) * 2009-08-28 2013-01-11 주식회사 엘지화학 전도성 금속 잉크 조성물 및 전도성 패턴의 형성 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019096442A (ja) 2019-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6935308B2 (ja) 金属パターンを備える基材の製造方法および金属インク
KR101923330B1 (ko) 금속 패턴의 형성 방법 및 도전체
JP5964507B2 (ja) 金属酸化物多孔質粒子、その製造方法、及びその用途
JP5626520B2 (ja) 紫外線硬化型インクジェット用インク組成物
WO2006035679A1 (ja) 光硬化性白色インク組成物及びその硬化物
JP5967969B2 (ja) 撥液膜及びその製造方法、並びにこの撥液膜を用いた微細構造体及びその製造方法
US11039541B2 (en) Double-sided and multilayered printed circuit board fabrication using inkjet printing
KR20040065263A (ko) 터치 패널 스페이서 도트 및 그의 제조 방법
JP2010183064A5 (ja)
TWI685415B (zh) 模型材用組成物
JP2017002162A (ja) 金属顔料含有紫外線硬化型インクジェットインクおよびこれを用いたインクジェットプリント物の製造方法
WO2019069594A1 (ja) 硬化性組成物及び硬化物
JP2011138850A (ja) 微細構造体、微細構造体の製造方法、及び微細構造体製造用の重合性樹脂組成物
DE60303885T2 (de) Photohärtbare Beschichtungszusammensetzung für harte Schutzschicht und beschichteter Gegenstand
JP6883183B2 (ja) 回路部材の製造方法
JP6732199B2 (ja) 金属ナノインクおよびそれを用いた金属膜の製造方法
JP2007502901A (ja) 接着剤を基材に適用する方法
WO2020105215A1 (ja) 高耐電圧放熱絶縁性樹脂組成物、およびそれを用いた電子部品
JP2009276722A (ja) カラーフィルター用着色組成物
JP5689614B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性インクジェットインク組成物および印刷物
KR102225126B1 (ko) 소수성 3차원 프린팅 잉크 조성물 및 그 제조방법, 그리고 3차원 잉크젯 프린팅 방법.
JP6944775B2 (ja) インクジェットインクおよび当該インクジェットインクを用いた印刷物の製造方法
JP2017097051A (ja) 光学用硬化性樹脂組成物
JP6752677B2 (ja) インクジェットインクおよび当該インクジェットインクを用いた印刷物の製造方法
JP2014526143A (ja) 半導体組み立てにおける加工領域を保護するためのリペレント材料の使用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210825

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6935308

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250