以下、図面を参照して本発明をより詳細に例示説明する。
図1に示す本発明の第1実施形態である計量容器1は、例えば洗濯用の液体洗剤や柔軟剤等の比較的粘度の高い内容液を収容する用途に用いられるものであり、容器本体10、ノズルキャップ20及び計量キャップ30を有している。なお、本明細書、特許請求の範囲、要約書および図面では、計量キャップ30が位置する側を上方(図1における上側)とし、容器本体10が位置する側を下方(図1における下側)とする。また、径方向外側とは、図1において上下方向に延びる計量容器1の中心軸線を通り中心軸線に垂直な直線に沿って外側に向かう方向であり、径方向内側とは、当該直線に沿って中心軸線に向かう方向を指すものとする。なお、図1における中心軸線は、径方向外側、及び径方向内側の定義に用いており、本実施形態の計量容器1の各部材が、常にこの中心軸線周りに軸対称に形成されていることを意味するものではない。
容器本体10は、内側に収容空間Sを備える胴部11と、該胴部11の下端を閉塞する底部12と、収容空間Sに連なる円筒状の口部13とを備えたボトル形状に形成されており、その収容空間Sに内容液(不図示)を収容することができる。この容器本体10としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の合成樹脂製のものを用いることができる。なお、口部13は円筒状に限らず、例えば楕円筒状や角筒状など筒状であれば他の形状に形成することもできる。
ノズルキャップ20は、図2に示すように、容器本体10の口部13に装着される外周壁23と外周壁23の上部に連なる天壁26とを有する装着キャップ部21と、装着キャップ部21に連結されると共に径方向内側に配置され有底筒状形状を有する隔壁27と、隔壁27の底壁27bに形成された注出孔27cの縁部から上方に向けて樋状に突出する第1ノズル28と、第1ノズル28に対して周方向に対向して設けられ、第1ノズル28よりも先端部の高さが低い第2ノズル29とを備えている。本実施形態において、装着キャップ部21、隔壁27、第1ノズル28、及び第2ノズル29は、一体に形成されており、例えば合成樹脂製とすることができる。
より具体的に説明すると、装着キャップ部21は口部13よりも大径の円筒状の外周壁23を備え、この外周壁23の内周面に一体に設けられた雌ねじ23aが口部13の外周面に一体に設けられた雄ねじ13aにねじ結合することで、装着キャップ部21は口部13に装着されている。外周壁23の下端には複数の凹溝23bが設けられ、口部13の根元部分に設けられた係止リブ13bが凹溝23bに係合している。これにより、装着キャップ部21は口部13に対して装着状態に保持され、口部13から容易に取り外されないようになっている。
図示する場合では、装着キャップ部21は口部13にねじ結合によって装着される構成となっているが、これに限らず、例えばアンダーカット等の他の手段により口部13に装着される構成とすることもできる。この場合、口部13の形状に合わせて、外周壁23を例えば楕円筒状や角筒状などの他の形状に形成することもできる。
装着キャップ部21は外周壁23の上部に連結する天壁26を備えている。天壁26における外周壁23の径方向内側からシール壁26aが垂下しており、このシール壁26aが口部13の内周面に嵌合することで、装着キャップ部21は、口部13の上端開口を液密にシールしている。天壁26の径方向内側端には、隔壁27が形成されている。隔壁27は、図2に示すように有底筒状形状を有しており、側壁27aと側壁27aの下端部を閉塞する底壁27bとを有している。底壁27bの径方向中央には、収容空間Sを外部と連通させ、収容空間S内の内容液を外部に注出する注出孔27cが設けられている。なお、隔壁27の構成については後ほど詳述する。
装着キャップ部21はさらに被装着筒25を備えている。被装着筒25は外周壁23より小径であるとともに外周壁23と同軸の円筒状に形成されており、天壁26の上面から上方に向けて突出している。被装着筒25の外周面には計量キャップ30を装着するための雄ねじ25aが一体に設けられている。
第1ノズル28は側面に軸方向に沿って一端から他端にまで延びるスリット28aを備えた断面C字形状つまり樋状に形成されている。第1ノズル28は、計量キャップ30装着時において、計量カップ部32の筒状壁32aの内周面に対して径方向に間隔を空けて配置されている。第1ノズル28の先端部は、スリット28aが設けられる側が容器本体10の収容空間Sに向けて下がるように口部13の上端開口に対して斜めに傾斜する形状とされており、当該先端部は被装着筒25の上端よりも上方に向けて突出している。また、この傾斜部は、利用者が取り扱い易いようにR面処理されている。このような構成により、容器本体10の収容空間Sに収容された内容液を、第1ノズル28を通して所望の位置に容易に注出させることができる。
なお、第1ノズル28の先端は、斜めに傾斜する形状に限らず、口部13の上部開口に平行な形状や、側方から見て丸みを帯びるようにカットした形状とするなど、種々の形状とすることができる。
第1ノズル28に対して周方向の対向する位置には、図2に示すように、第2ノズル29が形成されている。第2ノズル29の先端部は、第1ノズル28よりも低く、且つ被装着筒25の上端よりも高い位置まで突出している。また、第2ノズル29は、第1ノズル28よりも径方向外側となる半径位置に形成されている。本実施形態では、第2ノズル29は、周方向の180度未満の領域に形成されており、第1ノズル28と周方向にオーバーラップしないように形成されている。第2ノズル29は、後述するように、収容空間S内の内容液の残量が少なくなった場合に、第1ノズル28に代えて第2ノズル29を用いることで、内容液の残留を抑制し、使い終えることができる。
隔壁27は、第1ノズル28のスリット28a側に向けて下方に傾斜する底壁27bを有しており、その外周縁において天壁26から垂下する側壁27aに連なっている。側壁27a及び底壁27bにおける第2ノズル29が形成されている周方向位置には、切り欠き27dが形成されている。本実施形態において、切り欠き27dは、側壁27aにおける天壁26の下面から底壁27bに設けられた注出孔27cまで延びており、切り欠き27dは注出孔27cと連結されて開口を形成している。このように、第2ノズル29が設けられた周方向位置において隔壁27に切り欠き27dを形成することで、収容空間S内の内容液の残量が少なくなった場合でも、第2ノズル29を通じて残留する内容液を注出することで、内容液が隔壁27と口部13との間に形成される凹所に貯留されることなく、この切り欠き27dを通じて第2ノズル29から外部に注出することができる。
なお、内容液の注出後に第1ノズル28の外周面に沿って垂れ落ちる内容液は、傾斜する隔壁27の最下部に集めてスリット28aを通して収容空間Sに戻すことができる。
計量キャップ30は、例えば透明ないし半透明の樹脂製となっており、キャップ本体部31と計量カップ部32とを備えている。
キャップ本体部31は、合成樹脂材料により、被装着筒25よりも大径の円筒状に形成された装着筒31aと、装着筒31aの上端部に連なる上壁31eから更に上方へと僅かに縮径しながら延びる側壁31dと、側壁31dの上端に一体に設けられた頂壁31bとを有する有頂筒状に形成されている。装着筒31aの内周面には雌ねじ31cが一体に設けられており、この雌ねじ31cを被装着筒25の外周面に形成された雄ねじ25aにねじ結合させることにより、キャップ本体部31は装着キャップ部21に着脱自在に装着されている。装着筒31aの径方向内側における上壁31eの下面からシール壁31fが垂下しており、被装着筒25の内周面に嵌合することで被装着筒25の開口端を液密にシールしている。
キャップ本体部31が装着キャップ部21に装着されると、第1ノズル28及び第2ノズル29がキャップ本体部31により覆われ、ノズルキャップ20が閉塞される。一方、キャップ本体部31が装着キャップ部21から取り外されると、第1ノズル28及び第2ノズル29が露出し、内容液を注出可能な状態となる。
計量カップ部32は、キャップ本体部31の頂壁31bの内面から突出する円筒状の筒状壁32aを有し、この筒状壁32aとキャップ本体部31の頂壁31bとで区画形成されてカップ状に形成されている。筒状壁32aの側面には、例えばリブ状の突起ないし印刷等で表示された計量用の目盛が設けられていてもよい。
計量キャップ30は、平坦な板状に形成されたキャップ本体部31の頂壁31bを下側とし、計量カップ部32の開口を上側とした姿勢とすることにより、液体を計量する計量カップとして用いることができる。
図1に示すノズルキャップ20に計量キャップ30が装着された状態から、キャップ本体部31を回してキャップ本体部31と被装着筒25とのねじ結合を解除すると、ノズルキャップ20に対して計量キャップ30が上方に移動する。そして、ねじ係合が完全に解除された状態でキャップ本体部31を上方に引き抜くことで、隔壁27の側壁27aと第1ノズル28との間に配置されていた筒状壁32aを上方に移動させてノズルキャップ20から取り外すことができる。
計量キャップ30をノズルキャップ20から取り外し、第1ノズル28及び第2ノズル29を露出させた状態で、容器本体10を第1ノズル28の先端部が上方を向く正立姿勢からスリット28aが上方となる傾斜姿勢とすることにより、収容空間S内の内容液を、注出孔27cを通じて第1ノズル28の先端部から外部に注出することができる。このとき、口部13の内側に隔壁27が設けられるとともに第1ノズル28が隔壁27の内周縁から起立する構成とされているので、容器本体10の収容空間Sの内容液は、樋状に形成された第1ノズル28に沿って案内されて当該第1ノズル28の先端から注出されることになる。また、内容液の注出後に、容器本体10を正立姿勢に戻したときに、第1ノズル28の先端に付着した内容液が第1ノズル28の外周面に沿って垂れ落ちても、当該内容液は口部13の外側に垂れ落ちることなく、第1ノズル28に沿って下方に垂れ落ちて隔壁27の上面で受けられ、第1ノズル28のスリット28aの部分から容器本体10の収容空間Sに戻されることになる。したがって、この計量容器1によれば、第1ノズル28から内容液を注出させつつ当該内容液の外部への液垂れを防止することができる。
この第1ノズル28による内容液の注出では、容器本体10をスリット28aが上方となる傾斜姿勢とすることで内容液を注出するため、図2におけるスリット28aに対向する周方向位置における隔壁27の側壁27aと口部13の内周面との間に形成される隙間(凹所)に内容液が貯留され、貯留された内容液を注出することができない。そこで、本実施形態では、第1ノズル28に対向する周方向位置に、第2ノズル29を形成している。第2ノズル29は、先端部の高さが第1ノズル28よりも低く、また第2ノズル29の基端部は天壁26において終端しており、天壁26よりも下方に延在していない。そして、隔壁27には、第2ノズル29が配置されている周方向位置において、切り欠き27dが天壁26の下面から底壁27bに設けられた注出孔27cまで延びている。すなわち、切り欠き27dは注出孔27cと連結されて開口を形成している。
上述のように、第2ノズル29が形成されている周方向位置において、天壁26の下方には、内容液の注出を遮る部材が配置されていない。従って、内容液の残量が少なくなってきた段階で、利用者は、第2ノズル29が第1ノズル28の下方に位置するように容器本体10を傾斜姿勢とし、内容液を注出させる。収容空間S内の内容液は、容器本体10の内周面に沿って口部13を通過した後、第2ノズル29直下の切り欠き27dを通過して第2ノズル29の先端部から注出される。このように、第2ノズル29を使用する場合に内容液が流れる流路には、第1ノズル28側のような凹所が形成されていないので、内容液が貯留されるのを抑制することができる。従って、内容液をほぼ使い切った状態で計量容器1を使い終えることができる。
なお、本実施形態では、第2ノズル29の先端部の高さが第1ノズル28よりも低く形成されているので、少量の内容液を第2ノズル29を通じてより正確に目的の場所に注出することができる。また、内容液の注出後に、容器本体10を正立姿勢に戻したときに、第2ノズル29の先端に付着した内容液が第2ノズル29の外周面に沿って垂れ落ちても、天壁26の上面で受けられ、第1ノズル28側の天壁26及び隔壁27を経由してスリット28a部分から容器本体10の収容空間Sに戻されることになる。したがって、この計量容器1によれば、第2ノズル29から内容液を注出させつつ当該内容液の外部への液垂れを防止することができる。
ノズルキャップ20から取り外された計量キャップ30は、頂壁31bを下側とし、計量カップ部32の開口を上側とした姿勢とすることで、液体を計量する計量カップとして用いることができる。
使用後には、筒状壁32aの下端部を側壁27aと第1ノズル28との間の空間に挿入し、計量キャップ30をノズルキャップ20に再び装着することで、第1ノズル28及び第2ノズル29を閉塞させることができる。
なお、本実施形態では、ノズルキャップ20に設けた被装着筒25に計量キャップ30のキャップ本体部31を装着させる構成としているが、これに限らず、ノズルキャップ20に被装着筒25を設けることなく、外周壁23の外側に計量キャップ30を装着する構成としてもよい。
また、本実施形態では、第2ノズル29と同一の周方向位置に切り欠き27dを形成するように構成したが、この態様には限定されない。第2ノズル29と切り欠き27dとの周方向位置が一部のみ重なるようにしてもよく、収容空間S内の内容液が貯留されることなく切り欠き27dを通過して第2ノズル29から注出可能であればよい。
また、本実施形態では、第2ノズル29が天壁26で終端するように構成したが、この態様には限定されない。切り欠き27dが適切な場所に適切な大きさで設けられることで、収容空間S内の内容液が貯留されることなく切り欠き27dを通過して第2ノズル29から注出可能であれば、第2ノズル29は、天壁26を越えて下方に突出していてもよい。
また、本実施形態では、切り欠き27dが天壁26から注出孔27cまで延在するように構成したが、この態様には限定されない。切り欠き27dは、天壁26を越えて延在していてもよい。また、切り欠き27dが必ずしも天壁26まで延在している必要はなく、収容空間S内の内容液が貯留されることなく切り欠き27dを通過して第2ノズル29から注出可能であればよい。
以上述べたように、本実施形態では、装着キャップ部21に連結される隔壁27と、隔壁27の底壁27bに形成された注出孔27cの縁部から上方に向けて樋状に突出する第1ノズル28と、第1ノズル28に対して周方向に対向して設けられ、第1ノズル28よりも先端部の高さが低い第2ノズル29とを有し、隔壁27における、第2ノズル29が形成された周方向位置には、収容空間Sと第2ノズル29とを連通する切り欠き27dが形成されるように構成した。これによって、第2ノズル29を使用する場合に、内容液が流れる流路に第1ノズル28側のような凹所が形成されていないので、収容空間S内の内容液の残留を抑制して計量容器1を使い終えることができる。
また、本実施形態では、第2ノズル29が、筒状壁32aの径方向外側に形成されるように構成した。これによって、計量カップ部32の計量体積が大きく筒状壁32aが下方まで延在する場合でも、第2ノズル29を筒状壁32aの下端より下方まで延在させる必要がないので、内容液が貯留される凹所の形成を容易に回避して、内容液の残留を抑制することができる。
また、本実施形態では、第2ノズル29の基端部が、天壁26より下方に突出しないように構成した。これによって、第2ノズル29の下方への延在に起因する凹所の形成を回避して、内容液の残留を抑制することができる。
また、本実施形態では、切り欠き27dが、天壁26の高さまで上方に延在するように構成した。これによって、口部13と隔壁27との間に凹所が形成されても、天壁26まで延びる切り欠き27dを経由して内容液が第2ノズル29へと流れるため、内容液の残留を抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態である計量容器101について、図面を参照して例示説明する。
図3に示す本発明の第2実施形態である計量容器101は、容器本体110、ノズルキャップ120及び計量キャップ130を有している。なお、本実施形態は、ノズルキャップ120の構成を除いては、第1実施形態と近似している。従って、主にノズルキャップ120の構成について詳説する。
ノズルキャップ120は、図3に示すように、容器本体110の口部113に装着される外周壁123と外周壁123の上部に連なる天壁126とを有する装着キャップ部121と、装着キャップ部121に連結されると共に径方向内側に配置され有底筒状形状を有する隔壁127と、隔壁127の底壁127bに形成された注出孔127cの縁部から上方に向けて樋状に突出する第1ノズル128と、第1ノズル128に対して周方向に対向して設けられ、第1ノズル128よりも先端部の高さが低い第2ノズル129とを備えている。
装着キャップ部121は外周壁123の上部に連結する天壁126を備えている。天壁126における外周壁123の径方向内側からシール壁126aが垂下しており、このシール壁126aが口部113の内周面に嵌合することで、装着キャップ部121は、口部113の上端開口を液密にシールしている。天壁126の径方向内側端には、隔壁127が形成されている。隔壁127は、図3に示すように有底筒状形状を有しており、天壁126から下方に向かって径方向内側に延びる傾斜部127eと、傾斜部127eの内周端から垂下する側壁127aと、側壁127aの下端部を閉塞する底壁127bとを有している。底壁127bの径方向中央には、収容空間Sを外部と連通させ、収容空間S内の内容液を外部に注出する注出孔127cが設けられている。
第1ノズル128は側面に軸方向に沿って一端から他端にまで延びるスリット128aを備えた断面C字形状つまり樋状に形成されている。第1ノズル128は、計量キャップ130装着時において、計量カップ部132の筒状壁132aの内周面に対して径方向に間隔を空けて配置されている。第1ノズル128の先端部は、スリット128aが設けられる側が容器本体110の収容空間Sに向けて下がるように口部113の上端開口に対して斜めに傾斜する形状とされており、当該先端部は被装着筒125の上端よりも上方に向けて突出している。また、この傾斜部は、利用者が取り扱い易いようにR面処理されている。このような構成により、容器本体110の収容空間Sに収容された内容液を、第1ノズル128を通して所望の位置に容易に注出させることができる。
第1ノズル128に対して周方向の対向する位置には、図3に示すように、第2ノズル129が形成されている。第2ノズル129の先端部は、第1ノズル128よりも低く、且つ被装着筒125の上端よりも高い位置まで突出している。また、第2ノズル129は、第1ノズル128よりも径方向外側となる半径位置に形成されている。本実施形態では、第2ノズル129は、周方向の180度未満の領域に形成されており、第1ノズル128と周方向にオーバーラップしないように形成されている。第2ノズル129は、後述するように、収容空間S内の内容液の残量が少なくなった場合に、第1ノズル128に代えて第2ノズル129を用いることで、内容液の残留を抑制しつつ、計量容器101を使い終えることができる。
隔壁127は、第1ノズル128のスリット128a側に向けて下方に傾斜する底壁127bを有しており、その外周縁において天壁126から傾斜部127eを介して垂下する側壁127aに連なっている。傾斜部127eにおける第2ノズル129が形成されている周方向位置には、第2注出孔127d(切り欠き)が形成されている。このように、第2ノズル129が設けられた周方向位置において傾斜部127eに第2注出孔127dを形成することで、収容空間S内の内容液の残量が少なくなった場合に、この第2注出孔127d及び第2ノズル129を通じて残留する内容液を注出することができる。これによって、内容液が隔壁127と口部113との間に形成される凹所に貯留されることなく、この第2注出孔127dを通じて第2ノズル129から外部に注出することができる。
なお、内容液の注出後に第1ノズル128の外周面に沿って垂れ落ちる内容液は、傾斜する隔壁127の最下部に集めてスリット128aを通して収容空間Sに戻すことができる。
図3に示すノズルキャップ120に計量キャップ130が装着された状態から、キャップ本体部131を回してキャップ本体部131と被装着筒125とのねじ結合を解除すると、ノズルキャップ20に対して計量キャップ130が上方に移動する。そして、ねじ係合が完全に解除された状態でキャップ本体部131を上方に引き抜くことで、隔壁127の側壁127aと第1ノズル128との間に配置されていた筒状壁132aを上方に移動させてノズルキャップ120から取り外すことができる。
計量キャップ130をノズルキャップ120から取り外し、第1ノズル128及び第2ノズル129を露出させた状態で、容器本体110を第1ノズル128の先端部が上方を向く正立姿勢からスリット128aが上方となる傾斜姿勢とすることにより、収容空間S内の内容液を、注出孔127cを通じて第1ノズル128の先端部から外部に注出することができる。このとき、口部113の内側に隔壁127が設けられるとともに第1ノズル128が隔壁127の内周縁から起立する構成とされているので、容器本体110の収容空間Sの内容液は、樋状に形成された第1ノズル128に沿って案内されて当該第1ノズル128の先端部から注出されることになる。また、内容液の注出後に、容器本体110を正立姿勢に戻したときに、第1ノズル128の先端に付着した内容液が第1ノズル128の外周面に沿って垂れ落ちても、当該内容液は口部113の外側に垂れ落ちることなく、第1ノズル128に沿って下方に垂れ落ちて隔壁127の上面で受けられ、第1ノズル128のスリット128aの部分から容器本体110の収容空間Sに戻されることになる。したがって、この計量容器101によれば、第1ノズル128から内容液を注出させつつ当該内容液の外部への液垂れを防止することができる。
この第1ノズル128による内容液の注出では、容器本体110をスリット128aが上方となる傾斜姿勢とすることで内容液を注出するため、図3におけるスリット128aに対向する周方向位置における隔壁127の側壁127aと口部113の内周面との間に形成される隙間(凹所)に内容液が貯留され、貯留された内容液を注出することができない。そこで、本実施形態では、第1ノズル128に対向する周方向位置に、第2ノズル129を形成している。第2ノズル129は、先端部の高さが第1ノズル128よりも低く、また第2ノズル129の基端部は天壁126において終端しており、天壁126よりも下方に延在していない。そして、隔壁127の傾斜部127eには、第2ノズル129が配置されている周方向位置において、第2注出孔127dが設けられている。
上述のように、第2ノズル129が形成されている周方向位置において、天壁126に隣接して第2注出孔127dが形成されている。従って、内容液の残量が少なくなってきた段階で、利用者は、第2ノズル129が第1ノズル128の下方に位置するように容器本体110を傾斜姿勢とし、内容液を注出させる。収容空間S内の内容液は、容器本体110の内周面に沿って口部113を通過した後、第2ノズル129直下の第2注出孔127dを通過して第2ノズル129の先端部から注出される。このように、第2ノズル129を使用する場合に内容液が流れる流路には、第1ノズル128側のような凹所が形成されていないので、内容液が貯留されるのを抑制することができる。従って、内容液をほぼ使い切った状態で計量容器101を使い終えることができる。
なお、本実施形態では、第2ノズル129の先端部の高さが第1ノズル128よりも低く形成されているので、少量の内容液を第2ノズル129を通じてより正確に目的の場所に注出することができる。また、内容液の注出後に、容器本体110を正立姿勢に戻したときに、第2ノズル129の先端に付着した内容液が第2ノズル129の外周面に沿って垂れ落ちても、天壁126の上面で受けられ、第1ノズル128側の天壁126及び隔壁127を経由してスリット128a部分から容器本体110の収容空間Sに戻されることになる。したがって、この計量容器101によれば、第2ノズル129から内容液を注出させつつ当該内容液の外部への液垂れを防止することができる。
なお、本実施形態では、第2ノズル129と同一の周方向位置に第2注出孔127dを形成するように構成したが、この態様には限定されない。第2ノズル129と第2注出孔127dとの周方向位置が一部のみ重なるようにしてもよく、収容空間S内の内容液が貯留されることなく第2注出孔127dを通じて第2ノズル129から注出可能であればよい。
また、本実施形態では、第2ノズル129が天壁126で終端するように構成したが、この態様には限定されない。第2注出孔127dが適切な場所に適切な大きさで設けられることで、収容空間S内の内容液が貯留されることなく第2注出孔127dを通過して第2ノズル129から注出可能であれば、第2ノズル129は、天壁126を越えて下方に突出していてもよい。
また、本実施形態では、天壁126と側壁127aが傾斜部127eを介して連結され、当該傾斜部127eに第2注出孔127dを形成するように構成したが、この態様には限定されない。傾斜部127eを設けずに側壁127aを直接天壁126に連結してもよい。また、第2注出孔127dは、側壁127aや天壁126に形成してもよい。
以上述べたように、本実施形態では、装着キャップ部121に連結される隔壁127と、隔壁127の底壁127bに形成された注出孔127cの縁部から上方に向けて樋状に突出する第1ノズル128と、第1ノズル128に対して周方向に対向して設けられ、第1ノズル128よりも先端部の高さが低い第2ノズル129とを有し、隔壁127における、第2ノズル129が形成された周方向位置には、注出孔127cとは離間して設けられ収容空間Sと第2ノズル129とを連通する第2注出孔127dが形成されるように構成した。これによって、第2ノズル129を使用する場合に、第2注出孔127dを経由して流すことができるので、収容空間S内の内容液の残留を抑制して計量容器101を使い終えることができる。また、第2注出孔127dは、注出孔127cとは離間して形成され、注出孔127cよりも開口面積を小さく構成しているので、収容空間S内の内容液の残量が少なくなった場合に、少量の内容液をこの第2注出孔127dを通じて注出し易くすることができる。また、注出孔127cを通じて内容液の詰め替えを行う際に、内容液の注入と同時に第2注出孔127dから収容空間S内の空気を排出することができるので、内容液の詰め替えをスムーズに行うことができる。
なお、図3に示すように、筒状壁132aの下端に円環状のリップ部132cを一体に設け、計量キャップ130がノズルキャップ120に装着されたときに、リップ部132cが隔壁127の側壁127aに当接する構成とすることもできる。これにより、計量カップ部132に残った内容液が筒状壁132aの先端と隔壁127との間から筒状壁132aの外側に回り込んで筒状壁132aの外周面に付着することを防止することができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。