JP6934902B2 - メルトブロー不織布 - Google Patents
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Description
見掛け密度(g/cm3)={平均目付(g/m2)/平均厚み(mm)}/1000
メルトブロー不織布製造装置を用いて、ポリプロピレン樹脂を原料として不織布を製造した。本実施例において原料は、ポリプロピレン樹脂A(商品名「AchieveTM6936G2」、Exxon Mobil社製)を用いた。このポリプロピレン樹脂について、溶融温度と、溶融温度におけるメルトフローレイトとの関係を測定した結果のグラフを図1に示した。得られた結果を元に、ダイの設定温度(200℃)における原料の樹脂のMFRは829g/10分であり、繊維化するための加熱圧縮された空気の設定温度(175℃)における原料の樹脂のMFRは440g/10分であった。このときのダイ温度比MFR率は53%である。前記のポリプロピレン樹脂を用い、前記製造装置においてダイの設定温度を200℃、直径0.15mmの紡糸ノズル1穴当たりの吐出量を0.0075g/分とした。前記紡糸ノズルの両側からは、加熱圧縮された空気(温度:175℃、単位面積当たりの噴出量:57Nm3/sec/m2)を吹き付け、前記紡糸ノズルから100mmの距離の捕集装置に紡糸させ、目付を約10g/m2としたメルトブロー不織布を得た。得られた不織布の物性を下記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。また、得られた不織布の繊維径分布のヒストグラムを、図2(a)に示す。
加熱圧縮された空気の単位面積当たりの噴出量を65Nm3/sec/m2とした以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。得られた不織布の物性を下記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
原料として、実施例1で使用したポリプロピレン樹脂AよりもMFRの小さいポリプロピレン樹脂Bを用いた。このポリプロピレン樹脂Bについて、溶融温度と、溶融温度におけるメルトフローレイトとの関係を測定した結果のグラフを図1に示した。得られた結果を元に、ダイの設定温度を230℃、加熱圧縮された空気の温度を180℃とした以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。ここで、ダイの設定温度(230℃)における原料の樹脂のMFRは915.1g/10分であり、前記加熱圧縮された空気の温度(180℃)における原料の樹脂のMFRは336g/10分であり、このときのダイ温度比MFR率は37%である。得られた不織布の物性を下記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
加熱圧縮された空気の温度(190℃)と、単位面積当たりの噴出量を65Nm3/sec/m2とした以外は、実施例3と同様にして不織布を得た。ここで、ダイの設定温度(230℃)における原料の樹脂のMFRは915.1g/10分であり、前記加熱圧縮された空気の温度(190℃)における原料の樹脂のMFRは403g/10分であり、このときのダイ温度比MFR率は44%である。得られた不織布の物性を下記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。また、得られた不織布の繊維径分布のヒストグラムを、図2(b)に示す。
加熱圧縮された空気の単位面積当たりの噴出量を73Nm3/sec/m2とした以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。得られた不織布の物性を下記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。また、得られた不織布の繊維径分布のヒストグラムを、図2(c)に示す。
加熱圧縮された空気の温度を200℃、単位面積当たりの噴出量を53Nm3/sec/m2とした以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。ここで、前記加熱圧縮された空気の温度(200℃)における原料の樹脂のMFRは829g/10分であった。ここで、ダイの設定温度(200℃)における原料の樹脂のMFRは829g/10分であり、このときのダイ温度比MFR率は100%である。得られた不織布の物性を下記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
加熱圧縮された空気の温度を200℃、単位面積当たりの噴出量を73Nm3/sec/m2とした以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。ここで、前記加熱圧縮された空気の温度(200℃)における原料の樹脂のMFRは829g/10分であった。ここで、ダイの設定温度(200℃)における原料の樹脂のMFRは829g/10分であり、このときのダイ温度比MFR率は100%である。得られた不織布の物性を下記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
加熱圧縮された空気の温度を190℃、単位面積当たりの噴出量を73Nm3/sec/m2とした以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。ここで、前記加熱圧縮された空気の温度(190℃)における原料の樹脂のMFRは654g/10分であった。ここで、ダイの設定温度(200℃)における原料の樹脂のMFRは829g/10分であり、このときのダイ温度比MFR率は79%である。得られた不織布の物性を下記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
原料として、ポリプロピレン樹脂Bを用いた。ダイの設定温度を200℃、加熱圧縮された空気の温度を200℃とした以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。ここで、ダイの設定温度および前記加熱圧縮された空気の温度(いずれも200℃)における原料の樹脂のMFRは475g/10分であった。このときのダイ温度比MFR率は100%である。得られた不織布の物性を下記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
ダイの設定温度を185℃、加熱圧縮された空気の温度を185℃とした以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。ここで、ダイの設定温度および前記加熱圧縮された空気の温度(いずれも185℃)における原料の樹脂のMFRは576g/10分であった。このときのダイ温度比MFR率は100%である。得られた不織布の物性を下記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
メルトブロー不織布製造装置を用いて、ポリプロピレン樹脂Aを原料として不織布を製造した。ダイの設定温度(200℃)における原料の樹脂のMFRは829g/10分であり、繊維化するための加熱圧縮された空気の設定温度(175℃)における原料の樹脂のMFRは440g/10分であった。このときのダイ温度比MFR率は53%である。前記のポリプロピレン樹脂を用い、前記製造装置においてダイの設定温度を200℃、直径0.15mmの紡糸ノズル1穴当たりの吐出量を0.025g/分とした。前記紡糸ノズルの両側からは、加熱圧縮された空気(温度:175℃、単位面積当たりの噴出量:57Nm3/sec/m2)を吹き付け、前記紡糸ノズルから100mmの距離の捕集装置に紡糸させ、目付20.00g/m2としたメルトブロー不織布を得た。得られた不織布を3枚重ね、1対のスチールロールを有するカレンダー加工装置にて、ロール温度を室温である22℃とし、線圧を27kg/cm、加工速度1m/minにて積層加工した。このカレンダー加工を行ったメルトブロー不織布を比較例7とした。比較例7の不織布は、目付60.00g/m2、厚み0.24mm、見掛け密度が0.250g/cm3であり、平均繊維径1.30μm、最大繊維径6.21μm、最大細孔径8.5μm、通気度0.6cm3/cm2/secであった。
比較例4では、実施例と比較すると、吹き付ける空気温度が高く、ダイ温度における樹脂のメルトフローレイトと前記吹き付ける空気の温度における樹脂のメルトフローレイトとの差が小さく、背圧は実施例の条件に比べて低下した。この低背圧によってポリマー吐出直後の押出力(量)、直進性が不安定となりやすく、ショット発生が生じたと考えられる。また、比較例4の不織布では、外観観察で毛羽が認められた。これは、空気の単位面積当たりの噴出量が多く、空気の流速も早くなることから、繊維化後に千切れが発生しているためであると考えられる。
平均厚みは、メルトブロー不織布を250mm×250mmにカットし、それぞれの辺の中央部分の4ヶ所をダイヤルシックネスゲージにより測定し、得られた値から、平均値を算出し、小数点以下第3位を四捨五入することにより求めた。
平均目付は、メルトブロー不織布を250mm×250mmにカットした試験片を3枚採取し、各々の質量を電子天秤にて測定して3枚の平均値を算出し、この平均値を16倍し、小数点以下第3位を四捨五入することにより求めた。
見掛け密度は前述の平均厚みおよび平均目付から、下記式より算出し、小数点以下第4位を四捨五入した。
見掛け密度(g/cm3)={平均目付(g/m2)/平均厚み(mm)}/1000
平均繊維径および最大繊維径は、メルトブロー不織布を電子顕微鏡にて3000倍で撮影した写真から、繊維径を測定することにより求めた。平均繊維径は、写真10枚から任意に、合計本数200本の繊維について直径0.01μmオーダーまで繊維径を測定し、それらを平均し、小数点以下第3位を四捨五入して求めた。最大繊維径は、前記の繊維200本のうち最大となる繊維径の値とした。さらに、2.00μm以上の繊維本数を全測定繊維本数で除し、百分率で小数点以下第2位を四捨五入して算出した。
バブルポイント法(JIS K3832(1990))により、最大細孔径を求めた。測定は、自動細孔径分布測定器(型式「CFP−1200AEXCS」、Porous materials,Inc社製)を用い、下記試験方法によって得られたバブルポイント値から下記式1を用いて最大細孔径を算出し、小数点以下第2位を四捨五入した。
(試験方法)
メルトブロー不織布の試験片に試薬(GALWICK、表面張力15.9dyn/cm=15.9mN/m)を含浸させて完全に濡らし、液体(試薬)とサンプル(メルトブロー不織布)との接触角をゼロとする。前記試薬を含浸させたメルトブロー不織布の試験片を、前記測定器のホルダーにセットし測定する。
d=Cr/P (式1)
d=最大細孔径 (μm)
r=試薬の表面張力(15.9mN/m)
P=差圧 (Pa)
C=圧力定数(2860)
前記自動細孔径分布測定器に、乾燥したメルトブロー不織布の試験片をセットし、一方の面にかける空気圧を徐々に増大させて、空気が乾燥試験片を透過するときの圧力と流量との関係を示す乾き流量曲線(DRY FLOW CURVE)を測定した。このとき、空気が乾燥試験片を透過し始めたときの圧力をP1とする。次いで、前記乾き流量曲線を基に、透過流量を1/2としたハーフドライ流量曲線を作成した。そして、前記試験片を前記試薬に浸漬した後に、同様の測定を行い、濡れ流量曲線(WET FLOW CURVE)を得た。
平均細孔径dmは、ハーフドライ流量曲線と濡れ流量曲線との交点における圧力P2と、前記P1との差圧Pcから、下記式2を用いて算出し、小数点以下第2位を四捨五入した。
dm=Cr/Pc (式2)
dm=平均細孔径 (μm)
r=液体の表面張力(15.9mN/m)
Pc=差圧(P2−P1) (Pa)
C=圧力定数(2860)
メルトブロー不織布を200mm×200mmにカットした試験片を5枚採取し、JIS L 1096(A法:フラジール形法)に準拠した方法にて、通気性試験/通気度測定器(TEXTEST社製 FX3300)を用いて測定した。測定においては、1cm2の面積に通過する空気量(cm3/cm2/sec)を求め、試験片5枚の前記空気量の平均値から、小数点以下第2位を四捨五入して通気度とした。
上記測定により得られた最大細孔径と通気度の値を用いて、通気度(cm3/cm2/sec)/最大細孔径(μm)を算出し、小数点以下第3位を四捨五入した。
メルトブロー不織布の外観は、下記の基準により評価した。
(ショット)
A:発生しておらず製品として使用できる。
B:若干発生しているが製品として使用できる。
C:多発しており製品として使用できない。
Claims (1)
- ポリプロピレン樹脂からなる、平均繊維径が0.80μm以下であり、かつ、繊維径が2.00μm以上の繊維本数の割合が5.0%以下であって、見掛け密度が0.05g/cm3以上0.15g/cm3以下、かつ、最大細孔径が10.0μm以下であり、平均目付が9g/m2以上であって、かつ、通気度(cm 3 /cm 2 /sec)/最大細孔径(μm)の値が、1.30以上1.65以下であることを特徴とするメルトブロー不織布。
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