JP6934308B2 - 光透過性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、光透過性フィルム、詳しくは、光学用途に好適に用いられる光透過性フィルムに関する。
従来、透明導電層を備える透明導電性フィルムなどの光透過性フィルムが、タッチパネルなどの光学用途に用いられることが知られている。
例えば、ガラス基板上に、透明酸化物薄膜、銀系薄膜および透明酸化物薄膜が順に形成された導電層が積層されている透明導電膜が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の透明導電膜では、2層の透明酸化導電膜は、ともに、酸化インジウムを含む混合酸化物から形成されている。
特開平9−176837号公報
特許文献1では、2層の透明酸化導電膜の間に銀系薄膜が介在されているため、低抵抗に優れる。また、導電層が透明酸化物薄膜、銀系薄膜および透明酸化物薄膜の3層構造であるため、導電層をパターンニングしたときに、パターン化された導電層(配線パターン)の視認を抑制することができる。
しかしながら、銀系薄膜は、湿熱に対して弱く、銀系薄膜の上面および下面が透明酸化物薄膜に被覆されていても、銀系薄膜は、腐食して、変色する。そのため、透明導電膜の外観が不良となる。
本発明の目的は、低抵抗および透明性に優れるとともに、湿熱耐久性に優れる光透過性フィルムを提供することにある。
本発明[1]は、透明基材と、光透過性導電層とを順に備え、前記光透過性導電層は、第1無機酸化物層と、金属層と、第2無機酸化物層とを前記透明基材から順に備え、前記第1無機酸化物層は、結晶粒を含有せず、前記第2無機酸化物層は、結晶粒を含有する光透過性フィルムを含んでいる。
本発明[2]は、前記金属層が、銀層または銀合金層である[1]に記載の光透過性フィルムを含んでいる。
本発明[3]は、前記第1無機酸化物層および前記第2無機酸化物層のいずれもが、酸化インジウムを含有する[1]または[2]に記載の光透過性フィルムを含んでいる。
本発明[4]は、前記第1無機酸化物層および前記第2無機酸化物層のいずれもが、インジウムスズ複合酸化物を含有する[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光透過性フィルムを含んでいる。
本発明[5]は、前記第2無機酸化物層が、非晶質部および結晶質部を有する半結晶膜である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の光透過性フィルムを含んでいる。
本発明[6]は、前記第2無機酸化物層が、厚み方向に前記第2無機酸化物層を貫通しない結晶粒を含有する[1]〜[5]のいずれか一項に記載の光透過性フィルムを含んでいる。
本発明[7]は、前記光透過性導電層が、パターン形状を有している[1]〜[6]のいずれか一項に記載の光透過性フィルムを含んでいる。
本発明[8]は、前記透明基材に対して、前記光透過性導電層の反対側の表面に設けられる粘着剤層をさらに備える[7]に記載の光透過性フィルムを含んでいる。
本発明の光透過性フィルムによれば、低抵抗および透明性に優れるとともに、湿熱耐久性に優れるため、湿熱による外観不良を抑制することができる。
図1は、第1実施形態の光透過性フィルムの断面図を示す。 図2A〜Bは、図1に示す光透過性フィルムの一部拡大図を示し、 図2Aは、第2無機酸化物層が完全結晶膜である場合の模式図を示し、 図2Bは、第2無機酸化物層が半結晶膜である場合の模式図を示す。 図3は、図1に示す光透過性フィルムにおいて、光透過性導電層がパターン形状を有する場合の断面図を示す。 図4は、第2実施形態の光透過性フィルムの断面図を示す。 図5は、第1実施形態の光透過性フィルムの変形例であって、透明基材の上面に、第1無機酸化物層が直接配置された光透過性フィルムの断面図を示す。 図6は、第1実施形態の光透過性フィルムの変形例であって、光学調整層が保護層および第1無機酸化物層の間に介在された光透過性フィルムの断面図を示す。
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態の光透過性フィルム1について説明する。
図1において、紙面上下方向は、上下方向(厚み方向、第1方向)であって、紙面上側が、上側(厚み方向一方側、第1方向一方側)、紙面下側が、下側(厚み方向他方側、第1方向他方側)である。図1において、紙面左右方向は、左右方向(幅方向、第1方向に直交する第2方向)であり、紙面左側が左側(第2方向一方側)、紙面右側が右側(第2方向他方側)である。図1において、紙厚方向は、前後方向(第1方向および第2方向に直交する第3方向)であり、紙面手前側が前側(第3方向一方側)、紙面奥側が後側(第3方向他方側)である。具体的には、各図の方向矢印に準拠する。
1. 光透過性フィルム
光透過性フィルム1は、所定の厚みを有するフィルム形状(シート形状を含む)をなし、厚み方向と直交する所定方向(前後方向および左右方向、すなわち、面方向)に延び、平坦な上面および平坦な下面(2つの主面)を有する。光透過性フィルム1は、例えば、光学装置(例えば、画像表示装置、調光装置)に備えられるタッチパネル用基材や赤外線反射用基材、調光パネルなどの一部品であり、つまり、光学装置ではない。すなわち、光透過性フィルム1は、光学装置などを作製するための部品であり、LCDモジュールなどの画像表示素子や、LEDなどの光源を含まず、単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。また、光透過性フィルム1は、可視光を透過するフィルムであって、透明導電性フィルムを含む。
具体的には、図1に示すように、第1実施形態の光透過性フィルム1は、順に、透明基材2と、保護層3と、光透過性導電層4とを備える光透過性積層フィルムである。つまり、光透過性フィルム1は、透明基材2と、透明基材2の上側に配置される保護層3と、保護層3の上側に配置される光透過性導電層4とを備える。好ましくは、光透過性フィルム1は、透明基材2と、保護層3と、光透過性導電層4とのみからなる。以下、各層について詳述する。
2. 透明基材
透明基材2は、光透過性フィルム1の最下層であって、光透過性フィルム1の機械強度を確保する支持材である。透明基材2は、光透過性導電層4を、保護層3とともに、支持する。
透明基材2は、例えば、高分子フィルムからなる。
高分子フィルムは、透明性および可撓性を有する。高分子フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、例えば、ポリメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂(アクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂)、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマーなどのオレフィン樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ノルボルネン樹脂などが挙げられる。これら高分子フィルムは、単独使用または2種以上併用することができる。透明性、耐熱性、機械特性などの観点から、好ましくは、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、より好ましくは、シクロオレフィンポリマー、PETなどが挙げられる。
透明基材2の厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、200μm以下、より好ましくは、150μm以下である。
また、透明基材2は、好ましくは、第1無機酸化物層5の非晶質性を保持する観点から、微量の水を含有している。つまり、透明基材2では、好ましくは、高分子フィルムが水を含有している。
3. 保護層
保護層3は、光透過性導電層4の上面に擦り傷を生じにくくする(すなわち、優れた耐擦傷性を得る)ための、擦傷保護層である。また、保護層3は、図3が参照されるように、光透過性導電層4を後の工程で配線パターンなどのパターン形状に形成した後に、非パターン部9とパターン部10との相違が認識されないように(すなわち、配線パターンの視認を抑制するように)、光透過性フィルム1の光学物性を調整する光学調整層でもある。
保護層3は、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、透明基材2の上面全面に、透明基材2の上面に接触するように、配置されている。
保護層3は、樹脂組成物から形成されている。
樹脂組成物は、例えば、樹脂、粒子などを含有する。樹脂組成物は、好ましくは、樹脂を含有し、より好ましくは、樹脂のみからなる。
樹脂としては、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂(例えば、ポリオレフィン樹脂)などが挙げられ、好ましくは、硬化性樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂としては、例えば、活性エネルギー線(具体的には、紫外線、電子線など)の照射により硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂、例えば、加熱により硬化する熱硬化性樹脂などが挙げられ、好ましくは、活性エネルギー線硬化性樹脂が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、例えば、分子中に重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基を有するポリマーが挙げられる。そのような官能基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基(メタクリロイル基および/またはアクリロイル基)などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、側鎖に官能基を含有する(メタ)アクリル樹脂(アクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂)などが挙げられる。
これら樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
粒子としては、例えば、無機粒子、有機粒子などが挙げられる。無機粒子としては、例えば、シリカ粒子、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどからなる金属酸化物粒子、例えば、炭酸カルシウムなどの炭酸塩粒子などが挙げられる。有機粒子としては、例えば、架橋アクリル樹脂粒子などが挙げられる。
保護層3の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、10μm以下、好ましくは、5μm以下である。保護層3の厚みは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
4. 光透過性導電層
光透過性導電層4は、導電層であり、図3が参照されるように、後の工程で配線パターンに形成して、パターン部10を形成するための導電層である。また、光透過性導電層4は、透明導電層でもある。
図1に示すように、光透過性導電層4は、光透過性フィルム1の最上層であって、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、保護層3の上面全面に、保護層3の上面に接触するように、配置されている。
光透過性導電層4は、順に、第1無機酸化物層5と、金属層6と、第2無機酸化物層7とを備える。つまり、光透過性導電層4は、保護層3の上側に配置される第1無機酸化物層5と、第1無機酸化物層5の上側に配置される金属層6と、金属層6の上側に配置される第2無機酸化物層7とを備えている。また、光透過性導電層4は、好ましくは、第1無機酸化物層5と、金属層6と、第2無機酸化物層7とのみからなる。
5. 第1無機酸化物層
第1無機酸化物層5は、透明基材2に含有される水に由来する水素や、保護層3に含有される有機物に由来する炭素が、金属層6に侵入することを防止するバリヤ層である。さらに、第1無機酸化物層5は、後述する第2無機酸化物層7とともに、金属層6の可視光反射率を抑制し、光透過性導電層4の可視光透過率を向上させるための光学調整層でもある。第1無機酸化物層5は、好ましくは、後述する金属層6とともに、光透過性導電層4に導電性を付与する導電層であり、より好ましくは、透明導電層である。
第1無機酸化物層5は、光透過性導電層4における最下層であって、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、保護層3の上面全面に、保護層3の上面に接触するように、配置されている。
第1無機酸化物層5を形成する無機酸化物としては、例えば、In、Sn、Zn、Ga、Sb、Ti、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、W、Fe、Pb、Ni、Nb、Crからなる群より選択される少なくとも1種の金属から形成される金属酸化物などが挙げられる。金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子をドープすることができる。
無機酸化物としては、好ましくは、表面抵抗値を低下させる観点、および、優れた透明性を確保する観点から、酸化インジウムを含有する酸化物(酸化インジウム含有酸化物)が挙げられる。
酸化インジウム含有酸化物は、金属元素としてインジウム(In)のみを含有していてもよく、また、インジウム(In)以外の(半)金属元素を含んでいてもよい。酸化インジウム含有酸化物は、好ましくは、主金属元素がインジウム(In)である。主金属元素がインジウムである酸化インジウム含有酸化物は、優れたバリヤ機能を有し、水などの影響による金属層6の腐食を好適に抑制しやすい。
酸化インジウム含有酸化物は、単数または複数の(半)金属元素を不純物元素として含有することにより、導電性、透明性、耐久性をより一層向上させることができる。第1無機酸化物層5中の、主金属元素Inの原子数に対する不純物金属元素の含有原子数比(不純物金属元素の原子数/Inの原子数)は、例えば、0.50未満であり、好ましくは、0.40以下、より好ましくは、0.30以下、さらに好ましくは、0.20以下であり、また、例えば、0.01以上、好ましくは、0.05以上、より好ましくは、0.10以上である。これにより、透明性、湿熱耐久性に優れる無機酸化物層が得られる。
酸化インジウム含有酸化物としては、具体的には、例えば、インジウム亜鉛複合酸化物(IZO)、インジウムガリウム複合酸化物(IGO)、インジウムガリウム亜鉛複合酸化物(IGZO)、インジウムスズ複合酸化物(ITO)が挙げられ、より好ましくは、インジウムスズ複合酸化物(ITO)が挙げられる。本明細書中における“ITO”とは、少なくともインジウム(In)とスズ(Sn)とを含む複合酸化物であればよく、これら以外の追加成分を含んでもよい。追加成分としては、例えば、In、Sn以外の金属元素が挙げられ、例えば、上記群に示された金属元素、および、これらの組み合わせが挙げられる。追加成分の含有量は特に制限されないが、例えば、5質量%以下である。
ITOに含有される酸化スズ(SnO)の含有量は、酸化スズおよび酸化インジウム(In)の合計量に対して、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、3質量%以上、より好ましくは、6質量%以上、さらに好ましくは、8質量%以上、特に好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、35質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、15質量%以下、さらに好ましくは、13質量%以下である。酸化インジウムの含有量(In)は、酸化スズ(SnO)の含有量の残部である。ITOに含有される酸化スズ(SnO)の含有量を、上記範囲とすることにより、ITO膜の結晶化度を調整することができる。特に、ITO膜内の酸化スズの含有量を多くすることにより、加熱によるITO膜の完全結晶化を抑制し、半結晶膜を得ることができる。
ITOに含有される、Inに対するSnの原子数比Sn/Inは、例えば、0.004以上、好ましくは、0.02以上、より好ましくは、0.03以上、さらに好ましくは、0.04以上、特に好ましくは、0.05以上であり、また、例えば、0.4以下、好ましくは、0.3以下、より好ましくは、0.2以下、さらに好ましくは、0.10以下である。Inに対するSnの原子数比は、X線光電子分光法(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)により求めることができる。InとSnの原子数比を上記範囲とすることにより、環境信頼性に優れる膜質を得やすい。
第1無機酸化物層5は、結晶粒を含有しない。すなわち、第1無機酸化物層5は、非晶質である。これにより、第1無機酸化物層5表面の濡れ性を向上させて、後述する金属層6を第1無機酸化物層5の上面に、より確実に薄くかつ均一に成膜することができる。そのため、光透過性導電層4の膜質を良好にし、湿熱耐久性を向上させることができる。
本発明において、「結晶粒を含有しない」とは、第1無機酸化物層5を、200,000倍での断面TEM画像を用いて観察した場合に、厚み方向と直交する面方向(左右方向または前後方向)500nmの範囲において、結晶粒が観察されないことをいう。
第1無機酸化物層5における無機酸化物の含有割合は、例えば、95質量%以上、好ましくは、98質量%以上、より好ましくは、99質量%以上であり、また、例えば、100質量%以下である。
第1無機酸化物層5の厚みT1は、例えば、5nm以上、好ましくは、20nm以上、より好ましくは、30nm以上であり、また、例えば、100nm以下、好ましくは、60nm以下、より好ましくは、50nm以下である。第1無機酸化物層5の厚みT1が上記範囲であれば、光透過性導電層4の可視光透過率を高い水準に調整しやすい。第1無機酸化物層5の厚みT1は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
6. 金属層
金属層6は、第1無機酸化物層5および第2無機酸化物層7とともに、光透過性導電層4に導電性を付与する導電層である。また、金属層6は、光透過性導電層4の表面抵抗値を低減する低抵抗化層でもある。また、金属層6は、好ましくは、高い赤外線反射率(特に、近赤外線の平均反射率)を付与するための赤外線反射層でもある。
金属層6は、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、第1無機酸化物層5の上面に、第1無機酸化物層5の上面に接触するように、配置されている。
金属層6を形成する金属は、表面抵抗が小さい金属であれば限定的でないが、例えば、Ti,Si,Nb,In,Zn,Sn,Au,Ag,Cu,Al,Co,Cr,Ni,Pb,Pd,Pt,Cu、Ge、Ru、Nd、Mg、Ca、Na、W,Zr,TaおよびHfからなる群から選択される1種の金属からなるか、または、それらの2種以上の金属を含有する合金が挙げられる。
金属として、好ましくは、銀(Ag)、銀合金が挙げられ、より好ましくは、銀合金が挙げられる。金属が、銀または銀合金であれば、光透過性導電層4の抵抗値を小さくすることができるのに加えて、近赤外線領域(波長850〜2500nm)の平均反射率が特に高い光透過性導電層4が得られ、屋外で使用される画質表示装置用途にも好適に適用できる。
銀合金は、銀を主成分として含有し、その他の金属を副成分として含有している。副成分の金属元素は限定的でない。銀合金としては、例えば、Ag−Cu合金、Ag−Pd合金、Ag−Pd−Cu合金、Ag−Pd−Cu−Ge合金、Ag−Cu−Au合金、Ag−Cu−In合金、Ag−Cu−Sn合金、Ag−Ru−Cu合金、Ag−Ru−Au合金、Ag−Nd合金、Ag−Mg合金、Ag−Ca合金、Ag−Na合金、Ag−Ni合金、Ag−Ti合金、Ag−In合金、Ag−Sn合金などが挙げられる。湿熱耐久性の観点から、銀合金として、好ましくは、Ag−Cu合金、Ag−Cu−In合金、Ag−Cu−Sn合金、Ag−Pd合金、Ag−Pd−Cu合金などが挙げられる。
銀合金における銀の含有割合は、例えば、80質量%以上、好ましくは、90質量%以上、より好ましくは、95質量%以上であり、また、例えば、99.9質量%以下である。銀合金におけるその他の金属の含有割合は、上記した銀の含有割合の残部である。
金属層6の厚みT3は、光透過性導電層4の透過率を上げる観点から、例えば、1nm以上、好ましくは、5nm以上であり、また、例えば、20nm以下、好ましくは、10nm以下である。金属層6の厚みT3は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
7. 第2無機酸化物層
第2無機酸化物層7は、外部の酸素や水分などが金属層6に侵入することを防止するバリヤ層であり、特に、湿熱による金属層6の変色を抑制するバリヤ層である。また、第2無機酸化物層7は、金属層6の可視光反射率を抑制し、光透過性導電層4の可視光透過率を向上させるための光学調整層でもある。第2無機酸化物層7は、好ましくは、金属層6とともに、光透過性導電層4に導電性を付与する導電層であり、より好ましくは、透明導電層である。
第2無機酸化物層7は、光透過性導電層4における最上層であって、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、金属層6の上面全面に、金属層6の上面に接触するように、配置されている。
第2無機酸化物層7を形成する無機酸化物は、第1無機酸化物層5で例示した無機酸化物が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム含有酸化物が挙げられ、より好ましくは、主金属元素がインジウム(In)である酸化インジウム含有酸化物が挙げられ、さらに好ましくは、ITOが挙げられる。
第2無機酸化物層7を形成する無機酸化物は、第1無機酸化物層5を形成する無機酸化物と同一または異なっていてもよいが、エッチング性や湿熱耐久性の観点から、好ましくは、第1無機酸化物層5と同一の無機酸化物である。
第2無機酸化物層7が酸化インジウム含有酸化物からなる場合、第2無機酸化物層7中の、主金属元素Inの原子数に対する不純物金属元素の含有原子数比(不純物金属元素の原子数/Inの原子数)は、第1無機酸化物層5における「不純物金属元素の原子数/Inの原子数」と同一またはそれ以上(例えば、0.001以上)である。
第2無機酸化物層7がITOからなる場合、ITOに含有される酸化スズ(SnO)の含有量およびInに対するSnの原子数比は、第1無機酸化物層5と同様である。
第1無機酸化物層5及び第2無機酸化物層7のいずれもがITOからなる場合、第2無機酸化物層7に含有される酸化スズ(SnO)の含有量は、好ましくは、第1無機酸化物層5に含有される酸化スズ(SnO)の含有量と同一またはそれ以上(例えば、0.1質量%以上)である。また、第2無機酸化物層7に含有されるInに対するSnの原子数比Sn/Inは、好ましくは、第1無機酸化物層5に含有されるInに対するSnの原子数比と同一またはそれ以上(具体的には、0.001以上)である。第2無機酸化物層7は大気と接して酸化しやすく、第1無機酸化物層5と比して結晶化しやすいため、第2無機酸化物層7における、酸化スズ(SnO)の含有量、あるいは、Inに対するSnの原子数比を、第1無機酸化物層5のそれらと同一またはそれ以上とすることにより、第2無機酸化物層7の結晶化度を制御しやすい。
第2無機酸化物層7における無機酸化物の含有割合は、例えば、95質量%以上、好ましくは、98質量%以上、より好ましくは、99質量%以上であり、また、例えば、100質量%以下である。
第2無機酸化物層7は、結晶粒11を含有する(図2Aまたは図2B参照)。これにより、結晶粒11は、膜構造が安定しており、水を透過しにくいため、外部からの水が、第2無機酸化物層7を通過して金属層6に侵入することを抑制できる。そのため、光透過性導電層4の湿熱耐久性を良好にすることができる。
具体的には、第2無機酸化物層7は、結晶膜である。結晶膜としては、例えば、図2Aに示すように、側断面図(特に、断面TEM画像)において、面方向全体に連続して結晶粒11を含有する完全結晶膜であってもよく、また、図2Bに示すように、非晶質部12(結晶化していない部分)および結晶質部13(すなわち、結晶粒11からなる部分)を含有する半結晶膜であってもよい。後述する第2結晶粒11bを含有することができ、湿熱耐久性がより一層優れる観点から、好ましくは、半結晶膜が挙げられる。
本発明において、「結晶粒を含有する」とは、第2無機酸化物層7を、200,000倍での断面TEM画像を用いて観察した場合に、面方向500nmの範囲において、少なくとも1つ以上の結晶粒11を有することをいう。上記範囲において、結晶粒11の数は、好ましくは、2以上、より好ましくは、3以上、さらに好ましくは、5以上であり、また、好ましくは、50以下、より好ましくは、40以下、さらに好ましくは、30以下の結晶粒11を有する。
また、第2無機酸化物層7の上面を、100,000倍での平面TEM画像にて観察した場合において、結晶粒11が占める面積割合は、例えば、5%以上、好ましくは、10%以上、より好ましくは、20%以上であり、また、例えば、100%以下、好ましくは、90%以下、より好ましくは、80%以下、さらに好ましくは、70%以下、特に好ましくは、60%以下である。
なお、平面TEM画像で結晶粒が占める面積割合を算出する際、前記記載の条件で第1無機酸化物層5の断面TEM画像を確認し、第1無機酸化物層5内に結晶粒が存在しないことを確認した後、平面TEM画像を観察することとする。平面TEM画像だけでは、第1無機酸化物層5および第2無機酸化物層7のいずれの層に存在する結晶粒であるかの判断が難しい場合がある。そのため、本発明では、断面TEM画像で第1無機酸化物層5に結晶粒が存在しないことを確認した後、平面TEM画像を観察することにより、第2無機酸化物層7の結晶粒11を観察できているものと判断する。
第2無機酸化物層7に含まれる結晶粒11の大きさは、例えば、3nm以上、好ましくは、5nm以上、より好ましくは、10nm以上であり、例えば、200nm以下、好ましくは、100nm以下、より好ましくは、80nm以下、さらに好ましくは、50nm以下である。第2無機酸化物層7の観察面積内において、上記範囲以外の結晶粒を含んでいてもよいが、その面積割合は、好ましくは、30%以下、より好ましくは、20%以下である。より好ましくは、第2無機酸化物層7に含まれる結晶粒11は全て上記範囲の大きさの結晶粒からなる。結晶粒11の大きさは、第2無機酸化物層7を200,000倍での断面TEM画像を用いて観察した場合に、各結晶粒11がとり得る長さの最大値である。
第2無機酸化物層7に含まれる結晶粒11の中で最も大きい結晶粒11(最大結晶粒)の大きさは、例えば、10nm以上、好ましくは、20nm以上であり、また、例えば、200nm以下、好ましくは、100nm以下である。
結晶粒の形状は限定的でなく、例えば、断面視略三角形状、断面視略矩形状などが挙げられる。
結晶粒11としては、厚み方向に第2無機酸化物層7を貫通する第1結晶粒11a、および、厚み方向に第2無機酸化物層7を貫通しない第2結晶粒11bが挙げられる。
第1結晶粒11aは、その上端が第2無機酸化物層7の上面から露出し、かつ、その下端が第2無機酸化物層7の下面から露出するように、成長した結晶粒である。第1結晶粒11aの厚み方向長さは、第2無機酸化物層7の厚みと同一である。
第2結晶粒11bは、その上端および下端の少なくとも一端が第2無機酸化物層7の表面(上面または下面)から露出しないように、成長した結晶粒である。第2結晶粒11bは、好ましくは、その上端が第2無機酸化物層7の上面から露出し、かつ、その下端が第2無機酸化物層7の下面から露出しないように、形成されている。
第2結晶粒11bの厚み方向長さの平均は、第2無機酸化物層7の厚み(T2)よりも短く、例えば、第2無機酸化物層7の厚み100%に対して、例えば、98%以下、好ましくは、90%以下、より好ましくは、80%以下であり、また、例えば、5%以上、好ましくは、10%以上、より好ましくは、20%以上である。
第2無機酸化物層7は、好ましくは、第2結晶粒11bを有する。これにより、結晶粒11の粒界が厚み方向に貫通しないため、水が粒界に沿って第2無機酸化物層7を厚み方向に通過することを抑制することができる。
第1結晶粒11aの数は、例えば、0以上、好ましくは、1以上であり、また、例えば、30以下、好ましくは、10以下である。
第2結晶粒11bの数は、好ましくは、第1結晶粒11aの数よりも多く、具体的には、好ましくは、1以上、より好ましくは、2以上、さらに好ましくは、3以上であり、また、好ましくは、50以下、より好ましくは、40以下、さらに好ましくは、30以下である。
第2無機酸化物層7の厚みT2は、例えば、5nm以上、好ましくは、20nm以上、さらに好ましくは、30nm以上であり、また、例えば、100nm以下、好ましくは、60nm以下、より好ましくは、50nm以下である。第2無機酸化物層7の厚みT2が上記範囲であれば、光透過性導電層4の可視光透過率を高い水準に調整しやすい。第2無機酸化物層7の厚みT2は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
第2無機酸化物層7の厚みT2の、第1無機酸化物層5の厚みT1に対する比(T2/T1)は、例えば、0.5以上、好ましくは、0.75以上、また、例えば、1.5以下、好ましくは、1.25以下である。比(T2/T1)が上記した下限以上であり、かつ、上記した上限以下であれば、湿熱環境下であっても金属層6の劣化をより一層抑制することができる。
第2無機酸化物層7の厚みT2の、金属層6の厚みT3に対する比(T2/T3)は、例えば、2.0以上、好ましくは、3.0以上であり、また、例えば、10以下、好ましくは、8.0以下である。
そして、光透過性導電層4の厚み、すなわち、第1無機酸化物層5、金属層6および第2無機酸化物層7の総厚みは、例えば、20nm以上、好ましくは、40nm以上、より好ましくは、60nm以上、さらに好ましくは、80nm以上であり、また、例えば、150nm以下、好ましくは、120nm以下、より好ましくは、100nm以下である。
また、光透過性導電層4は、図3に示すように、パターンニングされていてもよい。すなわち、光透過性導電層4は、配線パターンなどのパターン形状を有することができる。
パターン形状は、非パターン部9およびパターン部10を有する。パターン部10は、ストライプ形状などに形成されており、例えば、前後方向に延び、左右方向に互いに間隔(非パターン部9)を隔てて複数整列配置されている。非パターン部9は、隣接するパターン部10の側面および保護層3の上面から区画されている。各パターン部10の幅Lは、例えば、1μm以上、3000μm以下である。隣接するパターン部10の間隔S(すなわち、非パターン部9の幅)は、例えば、1μm以上、3000μm以下である。
8. 光透過性フィルムの製造方法
次に、光透過性フィルム1を製造する方法を説明する。
光透過性フィルム1を製造するには、例えば、透明基材2の上に、保護層3と、第1無機酸化物層5と、金属層6と、第2無機酸化物層7とを、上記した順序で配置(積層)する。
この方法では、図1が参照されるように、まず、透明基材2を用意する。
用意する透明基材2(高分子フィルム)における水分量は限定的でないが、例えば、10μg/cm以上、好ましくは、15μg/cm以上であり、また、例えば、200μg/cm以下、好ましくは、170μg/cm以下である。水分量が上記した下限以上であれば、第1無機酸化物層5に水素原子などを付与して、後述する加熱によって第1無機酸化物層5が結晶化することを抑制して、第1無機酸化物層5の非晶質性を維持しやすい。また、水分量が上記した上限以下であれば、加熱工程などにより、結晶粒11を含有する第2無機酸化物層7を確実に得ることができる。透明基材2における水分量は、JIS K 7251(2002年)B法−水分気化法に準じて測定される。
また、透明基材2(高分子フィルム)に含有される水の、透明基材2に対する含有量は、例えば、0.05質量%以上、好ましくは、0.1質量%以上であり、また、例えば、1.5質量%以下、好ましくは、1.0質量%以下、より好ましくは、0.5質量%以下である。
なお、上記した水の一部または全部は、後で説明する脱ガス処理において外部に放出される。
次いで、樹脂組成物を透明基材2の上面に、例えば、湿式により、配置する。
具体的には、まず、樹脂組成物を透明基材2の上面に塗布する。その後、樹脂組成物が活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する場合には、活性エネルギー線を照射する。
これによって、フィルム形状の保護層3を、透明基材2の上面全面に形成する。つまり、透明基材2と保護層3とを備える保護層付透明基材14を得る。
その後、必要により、保護層付透明基材14を脱ガス処理する。
保護層付透明基材14を脱ガス処理するには、保護層付透明基材14を、例えば、1×10−1Pa以下、好ましくは、1×10−2Pa以下、また、例えば、1×10−6Pa以上の減圧雰囲気下に放置する。脱ガス処理は、例えば、乾式の装置に備えられる排気装置(具体的には、ターボ分子ポンプなど)を用いて、実施される。
この脱ガス処理によって、透明基材2に含有される水の一部や、保護層3に含有される有機物の一部が、外部に放出される。
次いで、光透過性導電層4を保護層3の上面に、例えば、乾式により、配置する。
具体的には、第1無機酸化物層5、金属層6および第2無機酸化物層7のそれぞれを、順に、乾式により、配置する。
乾式としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。好ましくは、スパッタリング法が挙げられる。具体的には、マグネトロンスパッタリング法が挙げられる。
スパッタリング法で用いられるガスとしては、例えば、Arなどの不活性ガスが挙げられる。また、必要に応じて、酸素などの反応性ガスを併用することができる。反応性ガスを併用する場合において、反応性ガスの流量比は、特に限定されず、反応性ガスの流量の、不活性ガスの流量に対する比で、例えば、0.1/100以上、好ましくは、1/100以上であり、また、例えば、5/100以下である。
具体的には、第1無機酸化物層5の形成において、ガスとして、好ましくは、不活性ガスおよび反応性ガスが併用される。金属層6の形成において、ガスとして、好ましくは、不活性ガスが単独使用される。第2無機酸化物層7の形成において、ガスとして、好ましくは、不活性ガスおよび反応性ガスが併用される。
第1無機酸化物層5や第2無機酸化物層7が、酸化インジウムを含有する場合、各層の抵抗挙動は、反応性ガスの導入量に依存して変化し、反応性ガス導入量(x軸)−表面抵抗値(y軸)のグラフにおいて、下に凸となる放物線を描く。このとき、第1無機酸化物層5や第2無機酸化物層7が含有する反応性ガスの量は、抵抗値が最小値(すなわち、放物線の変曲点)付近となる導入量であることが好ましく、具体的には、抵抗値が最小値となる導入量±20%の導入量であることが好ましい。
スパッタリング法を採用する場合、ターゲット材としては、各層を構成する上述の無機酸化物または金属が挙げられる。
スパッタリング法で用いられる電源には限定はなく、例えば、DC電源、MF/AC電源およびRF電源の単独使用または併用が挙げられ、好ましくは、DC電源が挙げられる。
また、好ましくは、第1無機酸化物層5をスパッタリング法で形成するとき、透明基材2(および保護層3)を冷却する。具体的には、透明基材2の下面を、冷却装置(例えば、冷却ロール)などに接触させて、透明基材2(および保護層3)を冷却する。これによって、第1無機酸化物層5を形成するときに、スパッタリングにより生じる蒸着熱などで透明基材2に含有される水、および、保護層3に含有される有機物が、多量に放出され、水が第1無機酸化物層5に過剰に含まれることを抑制することができる。冷却温度は、例えば、−30℃以上、好ましくは、−10℃以上であり、また、例えば、60℃以下、好ましくは、40℃以下、より好ましくは、30℃以下、さらに好ましくは、20℃以下、特に好ましくは、0℃未満である。また、好ましくは、第1無機酸化物層5、金属層6および第2無機酸化物層7は、いずれも、上記温度範囲で冷却しながら、スパッタリング形成される。これにより、金属層6の凝集や第2無機酸化物層7の過剰酸化を抑制できる。
これにより、第1無機酸化物層5、金属層6および第2無機酸化物層7が順に形成された光透過性導電層4を、保護層3の上に形成して、光透過性導電層積層体が得られる。このとき、成膜直後(例えば、光透過性導電層積層体形成後24時間以内)の第1無機酸化物層5および第2無機酸化物層7は、いずれも、結晶粒11を含有していない。
次いで、第2無機酸化物層7に結晶粒11を発生させる結晶化工程を実施する。結晶化工程は、結晶粒11を形成できれば限定的でないが、例えば、加熱工程が挙げられる。すなわち、光透過性導電層積層体を加熱する。
なお、加熱工程は、上記結晶粒11を発生させることを目的とした加熱のみならず、光透過性導電層積層体のカール除去や、銀ペースト配線の乾燥形成などに伴って付随的に実施される加熱であってもよい。
加熱温度は適宜設定でき、例えば、30℃以上、好ましくは、40℃以上、より好ましくは、80℃以上であり、また、例えば、180℃以下、好ましくは、150℃以下である。
加熱時間は限定的でなく、加熱温度に応じて設定されるが、例えば、1分以上、好ましくは、10分以上、より好ましくは、30分以上であり、また、例えば、4000時間以下、好ましくは、100時間以下である。
加熱は、大気雰囲気下、不活性雰囲気下、真空下のいずれで実施してもよいが、結晶化を容易にする観点から、好ましくは、大気雰囲気下で実施する。
この加熱工程により、第2無機酸化物層7が結晶化され、第2無機酸化物層7内に結晶粒11が存在する。特に、第2無機酸化物層7は、透明基材2と第2無機酸化物層7との間に介在する金属層6が、結晶化を阻害する透明基材2からの水や保護層3からの有機物をバリヤし、かつ、加熱工程時に露出していることによって結晶化に必要な酸素を取り込みやすいため、第2無機酸化物層7は、容易に結晶化することができる。なお、第1無機酸化物層5は、水や有機物の影響が大きく、また、酸素を取り込みにくいため、結晶粒11の成長が阻害され、非晶質性を維持する。
これによって、図1に示すように、透明基材2と、保護層3と、光透過性導電層4(第1無機酸化物層5、金属層6および第2無機酸化物層7)とを順に備え、第2無機酸化物層7のみが結晶粒11を含有する光透過性フィルム1が得られる。
光透過性導電層4の表面抵抗値は、例えば、40Ω/□以下、好ましくは30Ω/□以下、より好ましくは20Ω/□以下、さらに好ましくは15Ω/□以下であり、また、例えば、0.1Ω/□以上、好ましくは、1Ω/□以上、より好ましくは、5Ω/□以上である。
光透過性導電層4の比抵抗は、例えば、2.5×10−4Ω・cm以下、好ましくは、2.0×10−4Ω・cm以下、より好ましくは、1.1×10−4Ω・cm以下であり、また、例えば、0.01×10−4Ω・cm以上、好ましくは、0.1×10−4Ω・cm以上、より好ましくは、0.5×10−4Ω・cm以上である。
光透過性導電層4の比抵抗は、光透過性導電層4の厚み(第1無機酸化物層、金属層6、第2無機酸化物層7の総厚み)と、光透過性導電層4の表面抵抗値とを用いて算出される。
また、光透過性導電層4は、近赤外線(波長850〜2500nm)の平均反射率が高いことが好ましく、例えば、近赤外線領域の反射率が高い金属層6(例えば、銀または銀合金を含む金属層6)を備える。光透過性導電層4は、例えば、導電性酸化物(例えば、ITOなど)からなる透明無機酸化物と比して近赤外線の平均反射率が高く、太陽光などの熱線を効率的に遮断できる。そのため、パネル温度が上昇しやすい環境(例えば、屋外など)で使用される画像表示装置にも好適に適用できる。光透過性導電層4の近赤外線(波長850〜2500nm)の平均反射率は、例えば、10%以上、好ましくは、20%以上、より好ましくは、50%以上であり、また、例えば、95%以下、好ましくは、90%以下である。
光透過性フィルム1は、金属層6の上面および下面に光学調整層(第1無機酸化物層5および第2無機酸化物層7)を備える光透過性導電層4を備えるため、光透過性導電層4が、概して可視光反射率の高い金属層6(具体的には、例えば、波長550nmの反射率が、15%以上、さらには、30%以上の金属層6)を含んでいても高い可視光透過率を実現できる。光透過性フィルム1の可視光透過率は、例えば、60%以上、好ましくは、80%以上、より好ましくは、85%以上であり、また、例えば、95%以下である。
光透過性フィルム1の総厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、200μm以下、より好ましくは、150μm以下である。
次いで、光透過性導電層4にパターン形状を形成させる場合は、光透過性導電層4をエッチングによってパターンニングする。
具体的には、まず、感光性フィルムを、第2無機酸化物層7の上面全面に配置し、次いで、非パターン部9およびパターン部10に対応するパターンを有するフォトマスクを介して露光し、その後、現像することにより、非パターン部9に対応する感光性フィルムを除去する。これにより、パターン部10となる光透過性導電層4の上面に、パターン部と同一パターンを有するエッチングレジストを形成する。その後、エッチングレジストから露出する光透過性導電層4を、エッチング液を用いて、エッチングする。エッチング液としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、蓚酸、リン酸およびこれらの混酸などの酸が挙げられる。
その後、エッチングレジストを、第2無機酸化物層7の上面から、例えば、剥離などによって、除去する。
これにより、図3に示すように、透明基材2と、保護層3と、パターン形状を有する光透過性導電層4とを順に備える光透過性フィルム1(パターンニング光透過性フィルム)が得られる。
なお、上記した製造方法を、ロールトゥロール方式で実施できる。また、一部または全部をバッチ方式で実施することもできる。
その後、光透過性フィルム1は、例えば、光学装置に備えられる。光学装置としては、例えば、画像表示装置、調光装置などが挙げられる。
光透過性フィルム1を画像表示装置(具体的には、LCDモジュールなどの画像表示素子を有する画像表示装置)に備える場合には、光透過性フィルム1は、例えば、タッチパネル用基材として用いられる。タッチパネルの形式としては、光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などの各種方式が挙げられ、特に静電容量方式のタッチパネルに好適に用いられる。
また、光透過性フィルム1を、例えば、近赤外線反射用基材として使用することができる。例えば、波長850〜2500nmの近赤外線の平均反射率が高い(例えば、10%以上)光透過性フィルム1を画像表示装置に備えることにより、屋外使用向けの画質表示装置に好適に適用できる。光透過性フィルム1は、例えば、偏光フィルムや偏光板などの偏光子を粘着層または接着層を介して貼り合せた、光透過性導電層積層偏光フィルムとして画像表示装置に備えることもできる。
また、光透過性フィルム1を調光装置(具体的には、LEDなどの光源を有する調光装置)に備える場合には、光透過性フィルム1は、例えば、調光フィルムとして備えられる。
9. 作用効果
第1実施形態の光透過性フィルム1によれば、光透過性導電層4が、結晶粒11を含有しない第1無機酸化物層5と、金属層6と、結晶粒11を含有する第2無機酸化物層7とを順に備える。このため、大気中の水が、第2無機酸化物層7を厚み方向に通過して金属層6に侵入することを抑制することができる。また、第1無機酸化物層5の濡れ性が良好であり、第1無機酸化物層5の上面に、金属層6および第2無機酸化物層7を薄くかつ均一に成膜することができるため、光透過性導電層4の膜質が良好である。よって、湿熱耐久性に優れる。すなわち、金属層6の腐食や変色を抑制することができ、湿熱による外観不良を抑制することができる。
また、光透過性導電層4が、第1無機酸化物層5および第2無機酸化物層7の間に、金属層6が介在されているため、表面抵抗値を低くすることができる。
さらに、光透過性導電層4が、第1無機酸化物層5、金属層6および第2無機酸化物層7の3層構造であるため、透明性に優れる。その結果、光透過性導電層4をパターンニングしたときに、配線パターンの視認を抑制することができる。
また、光透過性フィルム1では、金属層6が、銀層または銀合金層であれば、より低抵抗にすることができる、また、近赤外線の平均反射率が高く、太陽光などの熱線を効率的に遮断できる。
また、光透過性フィルム1では、第1無機酸化物層5および第2無機酸化物層7のいずれもが、インジウムスズ複合酸化物を含有すれば、湿熱耐久性がより一層優れる。また、透明性に優れ、配線パターンの視認を効果的に抑制することができる。
また、光透過性フィルム1では、第2無機酸化物層7が、非晶質部12および結晶質部13を有する半結晶膜であれば、湿熱耐久性がより一層優れる。
また、光透過性フィルム1では、第2無機酸化物層7が、厚み方向に第2無機酸化物層7を貫通しない第2結晶粒11bを含有すれば、水が第2無機酸化物層7を粒界に沿って厚み方向に通過して、金属層6に侵入することをさらに抑制することができる。そのため、湿熱耐久性がより一層優れる。
特に、第1無機酸化物層5および第2無機酸化物層7の間に金属層6が含有される3層構造である場合には、金属層6の凝集や腐食(変色)が比較的生じやすく、外観不良や抵抗不良となるおそれがある。このことから、第2無機酸化物層7において、第1結晶粒11aが多くなるほど、金属層6に水が侵入し易くなり、湿熱耐久性が向上しにくいおそれがある。他方、第2無機酸化物層7において、第2結晶粒11bが多くなるほど、金属層6付近への水の侵入を効果的に防止でき、湿熱耐久性をより一層向上させることができる。
その一方で、例えば、従来技術のように、光透過性導電層4が、金属層6が介在されない第1無機酸化物層5および第2無機酸化物層7の2層構造である場合には、無機酸化物層同士が接触しているため、上記のような金属層6の凝集に伴う外観不良などは生じ得ない。よって、このような場合では、第2無機酸化物層7は、厚み方向に貫通する第1結晶粒11aを多量に有していてもよく、むしろ、結晶化の特性(低抵抗など)を最大限にする観点から、第2無機酸化物層7は完全結晶膜であることが好ましい。
また、光透過性フィルム1では、光透過性導電層4は、パターン形状を有していれば、例えば、タッチパネル用基材、近赤外線反射用基材として好適に使用することができる。特に、パターン形状の光透過性導電層4(配線パターン)においても、厚み方向に侵入する水に対して湿熱耐久性に優れるため、金属層6の上面の腐食や変色を確実に抑制することができる。
[第2実施形態]
図4を参照して、第2実施形態の光透過性フィルム1について説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
具体的には、図4に示すように、第2実施形態の光透過性フィルム1は、順に、透明基材2と、保護層3と、光透過性導電層4と、粘着剤層15とを備える光透過性積層フィルムである。すなわち、光透過性フィルム1は、透明基材2と、透明基材2の上側に配置される保護層3と、保護層3の上側に配置される光透過性導電層4と、光透過性導電層4の上側に備える粘着剤層15とを備える。好ましくは、光透過性フィルム1は、透明基材2と、保護層3と、光透過性導電層4と、粘着剤層15とのみからなる。
光透過性導電層4は、パターン形状を有する。すなわち、光透過性導電層4は、非パターン部9およびパターン部10を備える。
粘着剤層15は、光透過性フィルム1の光透過性導電層4側に透明保護層を配置して、光学装置を作製する際に、透明保護層と光透過性フィルム1とを固定するための接着層である。また、粘着剤層15は、光透過性導電層4が大気に直接暴露されることを防止するための保護層でもある。
粘着剤層15は、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、光透過性導電層4の上側(透明基材2に対して反対側)に配置されている。具体的には、粘着剤層15は、光透過性導電層4の上面および側面、ならびに、光透過性導電層4から露出される保護層3の上面を被覆するように、保護層3および光透過性導電層4の上側に、配置されている。
粘着剤層15は、粘着剤組成物から調製されている。
粘着剤組成物は、例えば、粘着性樹脂を含有する。
粘着性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ゴム(ブチルゴムなど)、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ビニルアルキルエーテル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ、好ましくは、接着性の観点から、アクリル樹脂が挙げられる。
粘着剤組成物は、好ましくは、ベンゾトリアゾール系化合物を含有する。粘着剤層15がベンゾトリアゾール系化合物を含有することにより、パターン形状の光透過性導電層4の側面における湿熱耐久性をより一層向上させることができる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、特開2014−177612号公報に記載されているベンゾトリアゾール系化合物が挙げられる。好ましくは、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
粘着剤組成物は、例えば、充填剤、酸化防止剤、軟化剤、揺変剤、滑剤、顔料、スコーチ防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、防カビ剤、難燃剤などの添加剤を適宜の割合で含有することもできる。
粘着剤層15の厚みT4は、例えば、2μm以上、好ましくは、5μm以上、より好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下、より好ましくは、70μm以下である。
粘着剤層15は、粘着剤組成物を光透過性導電層4の上面に、例えば、湿式により、配置する。
具体的には、まず、粘着剤組成物を、パターンニングされた光透過性導電層4の上面および、非パターン部9の保護層3の上面に塗布する。その後、加熱により粘着剤組成物を乾燥する、または、活性エネルギー線照射により、粘着剤組成物を硬化させる。
なお、粘着剤層15の配置には、まず、離型基材に粘着剤層15を配置して粘着剤層付基材を作製し、次いで、粘着剤層付基材を用いて、粘着剤層15を光透過性導電層4に転写することもできる。
これにより、図4に示すように、透明基材2と、保護層3と、パターン形状を有する光透過性導電層4と、粘着剤層15とを順に備える光透過性フィルム1が得られる。
第2実施形態の光透過性フィルム1も、第1実施形態の光透過性フィルム1と同様の作用効果を奏する。
また、光透過性フィルム1は、光透過性導電層4の上側の表面に設けられる粘着剤層15をさらに備えているため、光透過性導電層4に侵入し得る水の量が低減され、湿熱耐久性に優れる。また、パターン形状の光透過性導電層4(配線パターンなど)においては、パターンの側面を保護することができ、側面における湿熱耐久性に優れる。具体的には、金属層6の側面における腐食や変色を確実に抑制することができ、配線パターンの性能(導電性など)をより確実に維持することができる。
[変形例]
変形例において、上記した第1実施形態および第2実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上記実施形態では、例えば、図1および図4に示すように、透明基材2の上に、光透過性導電層4を設けているが、図示しないが、透明基材2の下に、さらに、光透過性導電層4を設けることもできる。つまり、光透過性フィルム1は、透明基材2の上下両側に、それぞれ、順に、保護層3と、光透過性導電層4とを備えることができる。
上記実施形態では、例えば、図1および図4に示すように、保護層3を、透明基材2および第1無機酸化物層5の間に介在させている。しかし、例えば、図5に示すように、第1無機酸化物層5を透明基材2の上面に直接配置することもできる。つまり、光透過性フィルム1は、順に、透明基材2、第1無機酸化物層5、金属層6および第2無機酸化物層7を備えている。一方、この光透過性フィルム1は、保護層3を備えていない。
上記実施形態では、例えば、図1および図4に示すように、第1無機酸化物層5を保護層3の上面に直接配置している。しかし、例えば、図6に示すように、光学調整層16を、保護層3および第1無機酸化物層5の間に介在させることもできる。
光学調整層16は、保護層3とともに、光透過性導電層4における配線パターンの視認を抑制するように、光透過性フィルム1の光学物性を調整する光学調整層(第2光学調整層)である。光学調整層16は、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、保護層3の上面全面に、保護層3の上面に接触するように、配置されている。光学調整層16は、所定の光学物性を有し、例えば、酸化物、フッ化物などの無機物や、アクリル樹脂、メラミン樹脂などの樹脂組成物から調製されている。光学調整層16は、単層であってもよく、また、組成の異なる複層であってもよい。光学調整層16の厚みは、1nm以上、好ましくは、5nm以上、より好ましくは、10nm以上であり、また、例えば、500nm以下、好ましくは、200nm以下、より好ましくは、50nm以下、さらに好ましくは、25nm以下である。
上記実施形態では、図1に示すように、光透過性導電層4は、第1無機酸化物層5と、金属層6と、第2無機酸化物層7とのみを備えている。しかし、例えば、図示しないが、第2無機酸化物層7の上面に、さらに、第2金属層と、第3無機酸化物層とを順に配置することもでき、さらには、第3無機酸化物層の上面に、第3金属層と、第4無機酸化物層とを配置することもできる。
また、図示しないが、第1透明基材2の上面および/または下面には、例えば、防汚層、密着、撥水層、反射防止層、オリゴマー防止層などの機能層を配置することもできる。機能層は、好ましくは、上記した樹脂組成物を含有する。このような機能層は、必要な機能に応じて適宜選択される。
光透過性フィルム1の製造方法においては、加熱工程の後にパターンニングしているが、例えば、パターンニングした後に、加熱工程を実施することもできる。また、加熱工程により、第2無機酸化物層7を結晶化しているが、例えば、大気雰囲気下に数か月間以上暴露することにより、第2無機酸化物層7を結晶化することもできる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1
(フィルム基材の用意、および、保護層の形成)
まず、長尺状ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなり、厚みが50μmである透明基材を用意した。なお、用意した透明基材における水分量は、19μg/cmであり、また、水の、透明基材に対する含有量は、0.27質量%でもあった。
次いで、透明基材の上面に、アクリル樹脂からなる紫外線硬化性樹脂を塗布し、紫外線照射により硬化させて、硬化樹脂層からなり、厚みが2μmである保護層を形成した。これにより、透明基材と、保護層とを備える保護層付透明基材ロールを得た。
(第1無機酸化物層の形成)
次いで、保護層付透明基材ロールを真空スパッタ装置に設置して、未搬送時の気圧が2×10−3Paとなるまで真空排気した(脱ガス処理)。この時、スパッタリングガス(ArおよびO)を導入しない状態で、保護層付透明基材の一部を搬送し、1×10−2Paまで気圧が上がることを確認した。これにより、保護層付透明基材ロールに十分な量のガスが残存していることを確認した。
次いで、保護層付透明基材ロールを繰り出しながら、硬化樹脂層の上面に、スパッタリングにより、インジウムスズ酸化物層からなり、厚みが40nmである第1無機酸化物層を形成した。
具体的には、ArおよびOを導入した気圧0.2Paの真空雰囲気下(流量比はAr:O=100:3.8)で、直流(DC)電源を用いて、12質量%の酸化スズと88質量%の酸化インジウムとの焼結体からなる、ITOターゲットをスパッタリングした。
なお、スパッタリングにより第1無機酸化物層を形成するとき、保護層付透明基材ロールの下面(具体的には、透明基材の下面)を、−5℃の冷却ロールに接触させて、保護層付透明基材ロールを冷却した。
(金属層の形成)
Ag合金からなり、厚みが8nmである金属層を、スパッタリングにより、第1無機酸化物層の上面に形成した。
具体的には、Arを導入した気圧0.4Paの真空雰囲気で、電源として、直流(DC)電源を用い、Ag合金ターゲット(三菱マテリアル社製、品番「No.317」)をスパッタリングした。
(第2無機酸化物層の形成)
ITOからなり、厚みが38nmである第2無機酸化物層を、金属層の上面に、スパッタリングにより、形成した。
具体的には、ArおよびOを導入した気圧0.2Paの真空雰囲気下(流量比はAr:O=100:4.0)で、直流(DC)電源を用いて、12質量%の酸化スズと88質量%の酸化インジウムとの焼結体からなる、ITOターゲットをスパッタリングした。
その後、大気雰囲気下で80℃、12時間の条件で、加熱工程を実施した。これにより、第2無機酸化物層を結晶化した。
これによって、透明基材の上に、順に、保護層、第1無機酸化物層、金属層および第2無機酸化物層が形成された光透過性フィルムを得た。
実施例2
ArおよびOの流量比をAr:O=100:3.1とし、3質量%の酸化スズと97質量%の酸化インジウムとの焼結体からなる、ITOターゲットをスパッタリングすることにより、第2無機酸化物層を形成した以外は、実施例1と同様にして光透過性フィルムを得た。
比較例1
各層の厚みを表1の記載の厚みに変更し、かつ、第2無機酸化物層の形成において加熱工程を実施しなかった以外は、実施例1と同様にして光透過性フィルムを得た。
比較例2
スパッタ時のArおよびOの流量比をAr:O=100:1.0とし、各層の厚みを表1の記載の厚みに変更し、かつ、金属層を形成することなく、光透過性導電層を形成し、その後、大気雰囲気下で140℃、1時間の加熱工程を実施したこと以外は、実施例1と同様にして光透過性フィルムを得た。
(測定)
(1)厚み
保護層、第1無機酸化物層、金属層および第2無機酸化物の厚みを、透過型電子顕微鏡(日立社製、「HF−2000」)を用いた断面観察により測定した。また、基材の厚みを、膜厚計(Peacock社製 デジタルダイアルゲージDG−205)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
(2)断面TEMによる結晶粒の観察
透過型電子顕微鏡(日立社製、「HF−2000」、倍率200,000倍)を用いて、第1無機酸化物層および第2無機酸化物層の断面を観察した。そのときの断面図の面方向距離500nm当たりにおける結晶粒の数を数えた。また、無機酸化物層に生じた結晶粒の最大結晶粒の長さを測定した。その結果を表1に示す。
(3)平面TEMによる結晶粒の観察
断面TEMにより結晶粒が確認された各実施例および比較例の光透過性フィルムにおいて、透過型電子顕微鏡(日立社製、「H−7650」)を用いて、第2無機酸化物層の上面を観察し、倍率:100,000倍の平面画像を得た。次に、第2無機酸化物層全体の面積に対する、結晶粒(結晶化している箇所)の面積の割合を測定した。その結果を表1に示す。なお、実施例1においては、第2結晶粒の数が、第1結晶粒の数よりも多かった。
(4)湿熱耐久性
各実施例および各比較例の光透過性フィルムを10cm×10cmのサイズに切り出し、光透過性導電層上に粘着層(日東電工社製、「CS9904U」)を形成して、ガラス基板に貼り合せた後、60℃、95%RHの条件で240時間、放置した。その後、中央8cm×8cm部分の光透過性導電層の上面を目視観察した。
このとき、以下の基準に基づいて、外観評価を実施した。
◎:白色の点状欠点(凝集、腐食箇所)が、観察されない(0個)。
○:白色の点状欠点が0個超、5個以下である。
×:白色の点状欠点が5個超である。
(5)光透過性導電層の表面抵抗
JIS K7194(1994年)の4探針法に準拠して、光透過性導電層の表面抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
(6)可視光透過率
ヘーズメーター(スガ試験機社製、装置名「HGM−2DP)を用いて、全光線透過率を測定し、可視光透過率とした。その結果を表1に示す。
(7)近赤外線反射特性
実施例1〜2の光透過性フィルムについて、近赤外線(波長850〜2500nm)の平均反射率を測定したところ、58%であった。このことから、実施例の光透過性フィルムは、良好な近赤外線反射特性を有することが分かる。
Figure 0006934308
1 光透過性フィルム
2 透明基材
4 光透過性導電層
5 第1無機酸化物層
6 金属層
7 第2無機酸化物層
11 結晶粒
12 非晶質部
13 結晶質部
15 粘着剤層

Claims (11)

  1. 高分子フィルムからなる透明基材と、樹脂含有硬化層と、光透過性導電層とを順に備え、
    前記光透過性導電層は、第1無機酸化物層と、金属層と、第2無機酸化物層とを前記透明基材から順に備え、
    前記第1無機酸化物層は、結晶粒を含有せず、
    前記第2無機酸化物層は、結晶粒を含有することを特徴とする、光透過性フィルム。
  2. 前記金属層は、銀層または銀合金層であることを特徴とする、請求項1に記載の光透過性フィルム。
  3. 前記第1無機酸化物層および前記第2無機酸化物層のいずれもが、酸化インジウムを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の光透過性フィルム。
  4. 前記第1無機酸化物層および前記第2無機酸化物層のいずれもが、インジウムスズ複合酸化物を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光透過性フィルム。
  5. 前記第2無機酸化物層が、非晶質部および結晶質部を有する半結晶膜であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光透過性フィルム。
  6. 前記第2無機酸化物層が、厚み方向に前記第2無機酸化物層を貫通しない結晶粒を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光透過性フィルム。
  7. 前記光透過性導電層は、パターン形状を有していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光透過性フィルム。
  8. 前記透明基材に対して、前記光透過性導電層の反対側の表面に設けられる粘着剤層をさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載の光透過性フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の光透過性フィルムを備えることを特徴とする、タッチパネル。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の光透過性フィルムを備えることを特徴とする、画像表示装置。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の光透過性フィルムを備えることを特徴とする、調光装置。
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