JP6933562B2 - 架橋モデルの生成システム、方法及びプログラム - Google Patents

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本発明は、分子動力学計算により粘弾性を算出するために利用される架橋モデルの生成システム、方法及びプログラムに関する。
例えば未加硫ゴムに硫黄等の架橋剤を加えて加硫する加硫ゴムについて、実験により架橋分布を観察するのは困難である。架橋分布が粘弾性に影響を与えることは知られており、CAE(Computer Aided Engineering)を用いたコンピュータシミュレーションで粒子の架橋分布と粘弾性の関連性を解析できれば、研究開発を進めるうえで好ましいと考えられる。
複数のポリマー粒子が数珠繋ぎとなったポリマーモデルと、架橋剤粒子とが結合した架橋モデルを生成する一つの方法として、複数のポリマー粒子が数珠繋ぎとなったポリマーモデルに対し、全てのポリマー粒子を架橋剤粒子と結合可能に設定し、分子動力学計算により架橋処理(反応処理)を実行することが知られている。反応処理において、ポリマーモデルを構成するポリマー粒子と所定距離以内にある架橋剤粒子とが所定確率で結合される。
しかしながら、ポリマーモデルを構成するポリマー粒子に結合した架橋剤粒子は、結合したポリマー粒子の両隣にあるポリマー粒子と距離が近くなる確率が高いため、それらのポリマー粒子と結合しやすい。そうすると、図4(c)に示すように、隣接する2つのポリマー粒子2に一つの架橋剤粒子3が結合した短距離の分子内ループ構造が生成されてしまう。分子内ループ構造は、ゴム等の架橋モデルを用いた分子シミュレーションにおいて応力などの物理量の発現に寄与しないため、計算コストを抑えるために生成されないようにすることが好ましい。
架橋モデルを生成する別の方法として、例えば非特許文献1には、ポリマーモデルに対し、架橋可能な粒子を指定することが開示されている。架橋可能粒子の設定は、架橋可能粒子の間に配置する架橋不可能な粒子の数を指定することにより行う。これによれば、例えば、架橋可能な粒子が1個目、80個目と指定された場合、その間の粒子は、架橋不可能な粒子として設定される。架橋可能な粒子間に配置する架橋不可能な粒子の数を変化させることによって、架橋の分布を不均一にすることが開示されている。
非特許文献1による方法を用いれば、分子内ループ構造の生成を抑制できる場合がある。しかし、全ての架橋剤粒子を反応させるためには、架橋可能粒子をどれぐらいの間隔で配置するかを適切に決定する必要があり、その作業が煩わしい。架橋可能粒子の間隔が大きければ、ポリマーモデルのうち架橋可能な箇所が少なくなり、架橋剤粒子が余ることになる。逆に、架橋可能粒子の間隔を小さくすれば、全ての架橋剤粒子を反応させることができるが、分子内ループ構造が生成されるおそれがある。特に、架橋剤粒子がポリマーモデルに対して相対的に多い場合には、架橋可能粒子の間隔を小さくしなければならず、分子内ループ構造の生成を回避することが難しい。
平成21年度〜平成23年度成果報告書 ナノテク・先端部材実用化研究開発「三次元ナノ階層構造制御による超低燃費タイヤ用ゴム材料の研究開発」,平成24年2月,独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構,8〜9頁
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、煩わしい設定をしなくても分子内ループ構造が生成されることを抑制し、適切な物理量を発現させるための粒子の結合を増大させた、架橋モデルの生成システム、方法及びプログラムを提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。
すなわち、本発明の架橋モデルの生成システムは、
複数のポリマー粒子が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマーモデルと、複数の架橋剤粒子と、を有し、ポリマーモデルと架橋剤粒子とが結合した架橋モデルを生成するシステムであって、
予め設定された解析条件に基づいて分子動力学計算を行い、所定のタイミングで互いに所定距離以内にあるポリマー粒子と架橋剤粒子とを、前記ポリマー粒子に設定された架橋確率で結合させる反応処理を繰り返し実行する反応処理実行部と、
ポリマー粒子と既に結合している架橋剤粒子に対して、次の反応処理で用いる条件に、結合可能条件及び結合不可条件のいずれかを設定する結合条件設定部と、を備え、
前記結合可能条件は、架橋剤粒子を結合可能とし、且つ、当該架橋剤粒子に結合したポリマー粒子を中心とする所定数のポリマー粒子を結合不可能とする条件であり、
前記結合不可条件は、架橋剤粒子及び当該架橋剤粒子に結合したポリマー粒子を結合不可とする条件である。
このように、結合可能条件及び結合不可条件を設定することで、ポリマー粒子に既に結合した架橋剤粒子が近くのポリマー粒子に結合することを防止でき、分子内ループ構造の発生を抑制できる。
結合可能条件を設定することで、既に結合した架橋剤粒子が他のポリマー粒子に結合することができ、一つの架橋剤粒子が複数のポリマー粒子に結合するように反応処理を継続することができる。
結合不可条件を設定することで、架橋剤粒子が結合したポリマー粒子に近い位置にあるポリマー粒子に他の架橋剤粒子が結合でき、ポリマーモデルにおいて架橋剤粒子が結合可能な箇所を十分に確保でき、適切な物理量を発現させるための粒子の結合を増大可能となる。
したがって、煩わしい設定をしなくても分子内ループ構造が生成されることを抑制し、適切な物理量を発現させるための粒子の結合を増大させることが可能となる。
本発明の架橋モデルを生成するシステムを示すブロック図。 ポリマーモデルを構成するポリマー粒子及び架橋剤粒子に対して設定される、結合可能条件及び結合不可条件に関する説明図。 本発明の生成システムで実行されるモデル生成処理ルーチンを示すフローチャート。 (a)比較例1のポリマー粒子の結合条件を示す図。(b)比較例2のポリマー粒子の結合条件を示す図。(c)短距離の分子内ループ構造を示す図。 本発明のシステム及び方法により得られる架橋モデルと従来技術の架橋モデルによる応力−伸長比曲線を示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
[架橋モデルの生成システム]
本実施形態のシステムは、分子動力学計算により粘弾性を算出するために利用される、分子動力学計算用の架橋モデルを生成するシステム(装置)である。架橋モデルは、例えば硫黄などの架橋剤と、高分子とを架橋したゴムが挙げられる。架橋剤は、架橋剤粒子として表現され、高分子は、複数のポリマーモデルが直鎖状又は分岐状に連なったポリマーモデルとして表現される。
図1に示すように、システム1は、初期設定部10と、反応処理実行部11と、結合条件設定部12と、を有する。これら各部10〜12は、CPU、メモリ、各種インターフェイス等を備えたパソコン等の情報処理装置において予め記憶されている図3に示すモデル生成処理ルーチンをCPUが実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現される。
図1に示す初期設定部10は、キーボードやマウス等の既知の操作部を介してユーザからの操作を受け付け、ポリマーモデルに関する情報の設定、硫黄等の架橋剤に関する設定、架橋に必要となる分子動力学計算に用いる各種解析条件の設定を実行し、これらをメモリに記憶する。
図1に示す初期設定部10は、図2(a)に示す直鎖状のポリマーモデルを構成する各々のポリマー粒子2(図中では丸で示す)に対し、図2(b)に示す架橋剤粒子3(図中では塗りつぶし円で示す)と架橋する確率を表す所定の第1架橋確率T1を設定する。
なお、本実施形態では、複数の粒子が直列接続された直鎖状のモデルを例に挙げているが、これに限定されない。例えば、分岐を有する分岐状のモデルでもよい。
図1に示す反応処理実行部11は、予め設定された解析条件に基づいて分子動力学計算を行い、所定のタイミングで反応処理を実行する。所定のタイミングの一例として、解析上の所定時間が経過する時が挙げられる。反応処理は、所定のタイミングで互いに所定距離以内にあるポリマー粒子2と架橋剤粒子3とを、ポリマー粒子2に設定された架橋確率(第1架橋確率T1)で結合させる反応処理を繰り返し実行する。
図1に示す結合条件設定部12は、図2(c)に示すように、ポリマー粒子2に既に結合している架橋剤粒子3に対して、次の反応処理で用いる条件に、結合可能条件及び結合不可条件のいずれかを設定する。図2(c)は、結合可の粒子を塗りつぶさず、結合不可の粒子を斜線で塗りつぶして示している。本実施形態では、結合可能条件及び結合不可条件のいずれかをランダムで設定しているが、これに限定されない。例えば、順番に割り振るなどの所定のルールに基づいてもよい。
結合可能条件は、同2(c)に示すように、架橋剤粒子3を結合可能とし、且つ、この架橋剤粒子3と結合したポリマー粒子2aを中心とする所定数N1(図示では4つ)のポリマー粒子2bを結合不可能とする条件である。その他のポリマー粒子2cは、結合可能である。本実施形態では、所定数N1は4に設定しているが、適宜変更可能である。
結合不可条件は、架橋剤粒子3及びこの架橋剤粒子3に結合したポリマー粒子2aを結合不可とする条件である。その他のポリマー粒子2b、2cは、結合可能である。
図1に示す結合条件設定部12が、ポリマー粒子2に既に結合している全ての架橋剤粒子3に対して結合条件を設定する。その後に、反応処理実行部11が、分子動力学計算を行い、所定のタイミングで次の反応処理を実行する。全ての架橋剤粒子3が、一つの架橋剤粒子3あたり所定数(本実施形態では2つ)のポリマー粒子2に結合するまで、上記結合条件設定部12による結合条件の設定と、結合条件を用いた反応処理実行部11による反応処理の実行とが繰り返される。
[架橋モデルの生成方法]
上記システム1を用いて架橋モデルを生成する方法について図3を用いて説明する。
まず、ステップST1において、図1に示す初期設定部10は、設定されたデータに基づいて、図2(a)に例示するような、ポリマーモデルを構成する全てのポリマー粒子2に、架橋剤粒子3と架橋する確率を示す所定の第1架橋確率T1を設定する。
次のステップST2において、図1に示す反応処理実行部11は、予め設定された解析条件に基づいて分子動力学計算を行い、所定のタイミングで互いに所定距離以内にあるポリマー粒子2と架橋剤粒子3とを、ポリマー粒子2に設定された架橋確率(第1架橋確率T1)で結合させる反応処理を実行する。
具体的に、本実施形態では、分子動力学の計算にLAMMPS(Large-scale Atomic/Molecular Massively Parallel Simulator)を使用している。LAMMPSにおいて、次のコマンドを実行することにより、第1架橋確率T1の設定および反応処理を実行する。
fix BOND all bond/create 1000 2 3 1.1 prob 0.8 123 iparam 3 4 jparam 2 4
ここでは、各粒子に識別子を付与している。識別子「2」はポリマー粒子2を意味し、識別子「3」は架橋剤粒子3を意味する。このコマンドでは、解析上で所定時間(1000ステップ)経過したときに、識別子「2」であるポリマー粒子2と、識別子「3」である架橋剤粒子3との結合について、所定距離を1.1とし、第1架橋確率T1は0.8としている。iparamの次の3はポリマー粒子の最大結合数、4は反応後の識別子を表す。つまり、識別子「2」であるポリマー粒子2は、結合数が3になると識別子「4」と変化し、架橋反応の対象から外れる。また、jparamの次の2は架橋財粒子の最大結合数、4は反応後の識別子を表す。識別子「3」である架橋粒子3は、結合数が2になると識別子「4」と変化し、架橋反応の対象から外れる。
次のステップST3において、図1に示す結合条件設定部12は、ポリマー粒子2と既に結合している架橋剤粒子3に対して、次の反応処理で用いる条件に、結合可能条件及び結合不可条件のいずれかを設定する。本実施形態では、ランダムに設定している。ステップST3で行う結合条件の設定は、ポリマー粒子2と既に結合している全ての架橋剤粒子3に対して行われるまで(ST4:YES)、繰り返し実行される(ST4:NO)。
次のステップST5において、所定の終了条件が成立するかを判定し、所定の終了条件が成立していないと判定した場合(ST5:NO)は、ステップST2に移り、反応処理実行部11は、条件に従って分子動力学計算及び反応処理を実行する(ST2)。所定の終了条件が成立していると判定した場合(ST5:YES)は、架橋モデルが生成されているので、モデル生成処理を終了する。本実施形態における所定の終了条件は、全ての架橋剤粒子3は、一つの架橋剤粒子3あたり所定数(2つ)のポリマー粒子2に結合したこと、に設定しているが、適宜設定可能である。
上記システム及び方法の有効性を確認するために、次に述べる架橋モデルを生成し、当該架橋モデルを用いて分子動力学計算を行い、応力−伸長比の曲線を得た。下記のいずれもポリマー長さは等しくしてある。
比較例1
100個のポリマー粒子2が連なった100個のポリマーモデルに対して、1600個の架橋剤粒子3を全て結合させるとした。
図4(a)に示すように、全ての全ポリマー粒子が架橋剤粒子3と同じ確率で反応するように同一確率に設定し、架橋モデルを生成した。
比較例2
図4(b)に示すように、非特許文献1の記載に基づき、ポリマーモデルにおいて分子鎖の末端から1つ飛ばしで架橋可能なポリマー粒子を設定し、その他の粒子を架橋不可能なポリマー粒子に設定し、架橋モデルを生成した。斜線で塗りつぶしたポリマー粒子2が結合不可であり、斜線で塗りつぶしていないポリマー粒子2は結合可能であることを示す。
実施例1
本発明に述べる装置及び方法を用いて、架橋モデルを生成した。
図5は、比較例1〜2と実施例1それぞれについて、応力−伸長比の曲線を示す。図5によれば、実施例1は、比較例1〜2に比べて伸長比が低い時点から応力が適切に発現していることが分かる。これは、分子内ループ構造が生成されることを回避しているので、応力の発現に寄与する構造が架橋剤粒子3によって作られているからと考えられる。
よって、煩わしい設定をしなくても分子内ループ構造が生成されることを抑制し、適切な物理量を発現させることが可能となる。
以上のように、本実施形態の架橋モデルの生成システムは、
複数のポリマー粒子2が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマーモデルと、複数の架橋剤粒子3と、を有し、ポリマーモデルと架橋剤粒子3とが結合した架橋モデルを生成するシステムであって、
予め設定された解析条件に基づいて分子動力学計算を行い、所定のタイミングで互いに所定距離以内にあるポリマー粒子2と架橋剤粒子3とを、ポリマー粒子2に設定された架橋確率T1で結合させる反応処理を繰り返し実行する反応処理実行部11と、
ポリマー粒子2と既に結合している架橋剤粒子3に対して、次の反応処理で用いる条件に、結合可能条件及び結合不可条件のいずれかを設定する結合条件設定部12と、を備え、
結合可能条件は、架橋剤粒子3を結合可能とし、且つ、架橋剤粒子3に結合したポリマー粒子2aを中心とする所定数N1のポリマー粒子2bを結合不可能とする条件であり、
結合不可条件は、架橋剤粒子3及び架橋剤粒子3に結合したポリマー粒子2aを結合不可とする条件である。
本実施形態の架橋モデルの生成方法は、
複数のポリマー粒子2が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマーモデルと、複数の架橋剤粒子3と、を有し、ポリマーモデルと架橋剤粒子3とが結合した架橋モデルを生成するシステムであって、
予め設定された解析条件に基づいて分子動力学計算を行い、所定のタイミングで互いに所定距離以内にあるポリマー粒子2と架橋剤粒子3とを、ポリマー粒子2に設定された架橋確率T1で結合させる反応処理を繰り返し実行するステップST2と、
ポリマー粒子2と既に結合している架橋剤粒子3に対して、次の反応処理で用いる条件に、結合可能条件及び結合不可条件のいずれかを設定するステップST3と、を含み、
結合可能条件は、架橋剤粒子3を結合可能とし、且つ、架橋剤粒子3に結合したポリマー粒子2aを中心とする所定数N1のポリマー粒子2bを結合不可能とする条件であり、
結合不可条件は、架橋剤粒子3及び架橋剤粒子3に結合したポリマー粒子2aを結合不可とする条件である。
このように、結合可能条件及び結合不可条件を設定することで、ポリマー粒子2に既に結合した架橋剤粒子3が近くのポリマー粒子2に結合することを防止でき、分子内ループ構造の発生を抑制できる。
結合可能条件を設定することで、既に結合した架橋剤粒子3が他のポリマー粒子2に結合することができ、一つの架橋剤粒子3が複数のポリマー粒子2に結合するように反応処理を継続することができる。
結合不可条件を設定することで、架橋剤粒子3が結合したポリマー粒子2aに近い位置にあるポリマー粒子に他の架橋剤粒子3が結合でき、ポリマーモデルにおいて架橋剤粒子3が結合可能な箇所を十分に確保でき、適切な物理量を発現させるための粒子の結合を増大可能となる。
したがって、煩わしい設定をしなくても分子内ループ構造が生成されることを抑制し、適切な物理量を発現させるための粒子の結合を増大させることが可能となる。
本実施形態では、全ての架橋剤粒子3が、一つの架橋剤粒子3あたり所定数のポリマー粒子2に結合するまで、結合条件の設定及び結合条件を用いた反応処理の実行を繰り返す。
このようにすれば、全ての架橋剤粒子3をポリマーモデルに結合させた架橋モデルを得ることが可能となる。
本実施形態では、結合条件設定部12は、結合可能条件と結合不可条件とをランダムで設定する。
このようにすれば、架橋剤粒子3の反応を進めやすくなる。
本実施形態に係るコンピュータプログラムは、上記方法を構成する各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。このプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。言い換えると、上記方法を使用しているとも言える。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現できる。特許請求の範囲、明細書、および図面中のフローに関して、便宜上「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
例えば、図1に示す各部10〜12は、所定プログラムをコンピュータのCPUで実行することで実現しているが、各部を専用メモリや専用回路で構成してもよい。
本実施形態のシステムは、一つのコンピュータに各部10〜12が実装されているが、各部10〜12を分散させて、複数のコンピュータで実装してもよい。
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
2…ポリマー粒子
3…架橋剤粒子
11…反応処理実行部
12…結合条件設定部

Claims (7)

  1. 複数のポリマー粒子が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマーモデルと、複数の架橋剤粒子と、を有し、ポリマーモデルと架橋剤粒子とが結合した架橋モデルを生成するシステムであって、
    予め設定された解析条件に基づいて分子動力学計算を行い、所定のタイミングで互いに所定距離以内にあるポリマー粒子と架橋剤粒子とを、前記ポリマー粒子に設定された架橋確率で結合させる反応処理を繰り返し実行する反応処理実行部と、
    ポリマー粒子と既に結合している架橋剤粒子に対して、次の反応処理で用いる条件に、結合可能条件及び結合不可条件のいずれかを設定する結合条件設定部と、を備え、
    前記結合可能条件は、架橋剤粒子を結合可能とし、且つ、当該架橋剤粒子に結合したポリマー粒子を中心とする所定数のポリマー粒子を結合不可能とする条件であり、
    前記結合不可条件は、架橋剤粒子及び当該架橋剤粒子に結合したポリマー粒子を結合不可とする条件である、架橋モデルの生成システム。
  2. 全ての架橋剤粒子が、一つの架橋剤粒子あたり所定数のポリマー粒子に結合するまで、前記結合条件の設定及び結合条件を用いた前記反応処理の実行を繰り返す、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記結合条件設定部は、前記結合可能条件と前記結合不可条件とをランダムで設定する、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 複数のポリマー粒子が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマーモデルと、複数の架橋剤粒子と、を有し、ポリマーモデルと架橋剤粒子とが結合した架橋モデルを、コンピュータが生成する方法であって、
    予め設定された解析条件に基づいて分子動力学計算を行い、所定のタイミングで互いに所定距離以内にあるポリマー粒子と架橋剤粒子とを、前記ポリマー粒子に設定された架橋確率で結合させる反応処理を繰り返し実行するステップと、
    ポリマー粒子と既に結合している架橋剤粒子に対して、次の反応処理で用いる条件に、結合可能条件及び結合不可条件のいずれかを設定するステップと、を含み、
    前記結合可能条件は、架橋剤粒子を結合可能とし、且つ、当該架橋剤粒子に結合したポリマー粒子を中心とする所定数のポリマー粒子を結合不可能とする条件であり、
    前記結合不可条件は、架橋剤粒子及び当該架橋剤粒子に結合したポリマー粒子を結合不可とする条件である、架橋モデルの生成方法。
  5. 全ての架橋剤粒子が、一つの架橋剤粒子あたり所定数のポリマー粒子に結合するまで、前記結合条件の設定及び結合条件を用いた前記反応処理の実行を繰り返す、請求項4に記載の方法。
  6. 前記結合可能条件及び前記結合不可条件のいずれかをランダムで設定する、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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