JP2020003921A - フィラー充填未架橋高分子モデルを生成する方法、システム及びプログラム - Google Patents

フィラー充填未架橋高分子モデルを生成する方法、システム及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】計算コストを下げ且つポリマーとフィラーが適切に混ざり合ったフィラー充填未加硫高分子モデルを生成する方法を提供する。【解決手段】仮想空間Ar1の体積を、目標密度に対応する第1体積V1よりも大きい第2体積V2に設定し(ST2)、第2体積V2に設定された仮想空間Ar1に、複数のポリマー粒子30が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマー3と、複数のフィラー粒子20が結合された複数のフィラー2と、を配置し(ST3)、仮想空間Ar1の体積が第2体積V2から第1体積V1になるまで(ST6:YESとなるまで)、仮想空間Ar1を徐々に収縮変形させる処理(ST5)と、所定温度T及び体積を指定した分子動力学計算(ST4)と、を繰り返し実行し(ST4〜6)、仮想空間Ar1の体積が第1体積V1になった後に、所定温度T及び所定圧力Pを指定した分子動力学計算により平衡化する(ST7)。【選択図】図2

Description

本発明は、フィラー充填未架橋高分子モデルを生成する方法、システム及びプログラムに関する。
産業用ゴムにおいては、カーボンブラックやシリカなどの充填剤であるフィラーをゴムに混合することにより、力学特性を用途に応じて調節する。フィラー充填の目的は高分子(ゴム)の補強である。補強効果は、ゴムマトリクスを構成するポリマーとフィラー表面との結合構造により生じる、と考えられている。シミュレーションにおいても、バウンドラバーやその他の結合構造を作成する必要があるが、結合構造を生成する架橋反応処理を実行する前提として、ポリマーとフィラーとが均一(ランダム)に混合し且つ互いに結合(架橋)していないフィラー充填未架橋高分子モデルを生成する必要がある。
フィラー充填未架橋高分子モデルを生成する方法として、特許文献1には、まず、ポリマーモデルを空間に配置して、その後、適当な空間にあるポリマーモデルを除去し、フィラーモデルに置換する方法が提案されている。
特開2016−24177号公報
しかしながら、特許文献1の記載の方法では、ポリマーに穴をあけてフィラーを配置するといった物理的に不自然な状況が多数生じることになり、ポリマーとフィラー間のエネルギーが大きくなるので、計算破綻を招来しやすい。また、作為的にフィラーを配置する箇所を設定するので、ポリマーとフィラーとが完全に混ざらないという問題もある。
また、フィラーの高充填ゴム(例えば、フィラーの体積分率が30%〜40%)などを再現する際には、多数のフィラーを入れるために、ポリマーの中に多数の穴を空ける作業が必要になる。ポリマーとフィラーの粒子数にあまり差がない高密度で上記置換を実行するには、多大な計算コストが必要になってしまう。
本発明は、物理的に不自然な操作によって生じる計算破綻を避けるとともに、計算コストを下げ且つポリマーとフィラーが適切に混ざり合ったフィラー充填未加硫高分子モデルを生成する方法、システム及びプログラムを提供することである。
本発明のフィラー充填未架橋高分子モデルを生成する方法は、
1又は複数のプロセッサが実行する方法であって、
粒子モデルを配置するための仮想空間の体積を、目標密度に対応する第1体積よりも大きい第2体積に設定し、
前記第2体積に設定された仮想空間に、複数のポリマー粒子が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマーと、複数のフィラー粒子が結合された複数のフィラーと、を配置し、
前記仮想空間の体積が前記第2体積から前記第1体積になるまで、前記仮想空間を徐々に収縮変形させる処理と、所定温度及び体積を指定した分子動力学計算と、を繰り返し実行し、
前記仮想空間の体積が前記第1体積になった後に、前記所定温度及び所定圧力を指定した分子動力学計算により平衡化する。
目標密度に対応する第1体積に設定された仮想空間に対し、フィラーとポリマーとを配置しようとすれば、互いに干渉してしまい、配置することができない。例えば、ポリマーを先に配置してからフィラーを配置しようとすれば、仮想空間におけるあらゆる場所にポリマーが存在するので、フィラーを配置することができない。
これに対して、本発明の方法では、ポリマーとフィラーとを配置する際に、目標密度に対応する第1体積よりも大きい第2体積に仮想空間を設定しているので、目標密度よりも密度が低く、余分なスペースがあるので、ポリマーとフィラーとを容易に配置することができる。
さらに、分子動力学計算を実行しつつ、第2体積から第1体積になるように仮想空間を徐々に収縮変形させるので、短時間に大きな力が発現せず、安定した計算が可能となる。
さらに、低密度にした仮想領域の体積を第2体積から第1体積まで収縮させることにより、例えば常温・常圧などの所定温度及び所定圧力で平衡化したときに生じやすい2層共存(固体相と気体相への分離)を回避可能となる。
したがって、計算破綻を避けるとともに、計算コストを下げ且つポリマーとフィラーが適切に混ざり合ったフィラー充填未加硫高分子モデルを生成可能となる。
フィラー充填未架橋高分子モデルを生成するシステムを示すブロック図。 上記システムが実行する処理ルーチンを示すフローチャート。 第2体積に設定された仮想空間に配置された複数のポリマー及び複数のフィラーを示す図。 仮想空間を第2体積から第1体積まで収縮変形させる工程を示す図。 66個のフィラー粒子20を球状に結合させたフィラー2が100個、100個のポリマー粒子30が連結されたポリマー3が200本配置された、第2体積の仮想空間を示す図。 収縮変形の中間段階を示す図。 仮想空間の体積が、目標密度に対応する第1体積になった段階を示す図。 温度1.0、圧力0.1として平衡化されたフィラー充填未架橋高分子モデルを示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
[フィラー充填未架橋高分子モデルを生成するシステム]
本実施形態のシステム1は、フィラーが充填され、フィラーが高分子に架橋しておらず、フィラーと高分子が混合した、フィラー充填未架橋高分子モデルを生成する。
図1に示すように、システム1は、初期設定部10と、配置部11と、体積設定部12と、分子動力学計算実行部13と、を有する。これら各部10〜13は、CPU、メモリ、各種インターフェイス等を備えたパソコン等の情報処理装置において予め記憶されている図2に示す処理ルーチンをプロセッサが実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現される。本実施形態では、1つの装置におけるプロセッサが各部の処理を実行しているが、これに限定されない。例えば、ネットワークを用いて分散させ、複数のプロセッサが各部の処理を実行するように構成してもよい。
図1に示す初期設定部10は、キーボードやマウス等の既知の操作部を介してユーザからの操作を受け付け、解析対象となるフィラーモデル、ポリマーモデルに関するデータの設定、分子動力学計算に必要な解析条件などの各種設定を実行し、これら設定値をメモリに記憶する。図1に示すように、メモリには、フィラーモデルデータM1、ポリマーモデルデータM2が記憶されている。
フィラーモデルM1は、図3Aに示すように、複数のフィラー粒子20が結合相互作用によって結合されたフィラー2を表す。各々のフィラー粒子20に対して他の粒子との非結合相互作用が設定されている。フィラーモデルM1は、各々のフィラー粒子20の座標、互いに結合関係にあるフィラー粒子20同士の結合相互作用、他の粒子との非結合相互作用が設定されたデータである。図3Aに示す実施形態では、複数のフィラー粒子20が球状に結合されているが、これに限定されず、種々の形状が採用できる。
ポリマーモデルM2は、同図に示すように、複数のポリマー粒子30が結合相互作用によって直鎖状又は分岐状に連なったポリマー3を表す。各々のポリマー粒子30に対して他の粒子との非結合相互作用が設定されている。ポリマーモデルM2は、各々のポリマー粒子30の座標、互いに結合関係にあるポリマー粒子30同士の結合相互作用、他の粒子との非結合相互作用が設定されたデータである。
図1に示す体積設定部12は、粒子モデルを配置するための仮想空間Ar1の体積を設定する。体積設定部12は、図3A及び図3Bに示すように、仮想空間Ar1の体積を、目標密度に対応する第1体積V1よりも大きい第2体積V2に設定する。その後、体積設定部12は、図3Bに示すように、第2体積V2から第1体積V1になるまで、仮想空間Ar1を徐々に収縮変形させる。収縮変形(体積変更)における体積の変化率は、所定値以下となるように抑制することが好ましい。急激に体積変更を行うと、体積変更により各粒子に作用する力の変化が過大になり、計算破綻を招来するおそれがあるからである。収縮変形における体積の変化率は、収縮変形を伴う分子動力学計算の1ステップあたり変化前の体積に対して0.01%以下にするのが好ましい。変化率[%]={変化前の体積−変化後の体積}/変化前の体積×100 である。目標密度に対する第2体積V2に対応する第2密度の比率は、0.1以下であるのが好ましい。比率=第2密度/目標密度である。図4〜図6の例は、10万ステップの分子動力学計算により、比率=0.01/0.82=約0.012の収縮変形を行った過程を示している。
図1に示す配置部11は、図3Aに示すように、第2体積V2が設定された仮想空間Ar1に、複数のポリマー3と、複数のフィラー2と、を配置する。配置するポリマー3及びフィラー2の数は予め定められている。具体的に、配置部11は、複数のポリマー3及び複数のフィラー2を配置する座標をランダムに決定し、決定した座標が既に配置された他の粒子と重なる場合には座標の決定をやり直し、決定した座標が既に配置された他の粒子と重ならない場合には決定した座標にモデルを配置する。これにより、簡素なロジックで、ポリマー3とフィラー2とをランダムに仮想空間Ar1に配置可能となる。
図1に示す分子動力学計算実行部13は、仮想空間Ar1に配置されている粒子について、指定された条件(所定温度T、体積、圧力)に基づき分子動力学計算を実行する。分子動力学計算では、タイムステップ毎(時点毎)に粒子の挙動(位置を含む)が計算される。図3Bに示すように仮想空間Ar1の体積が第2体積V2から第1体積V1になるまでは、体積設定部12が指定した体積及び指定された所定温度Tになるように分子動力学計算が実行され、圧力が可変となる。一方、仮想空間Ar1の体積が第1体積V1になった後では、指定された所定温度T及び所定圧力Pになるように分子動力学計算が実行され、体積が可変となり、平衡化処理が行われる。平衡化処理では、仮想空間Ar1すなわちモデルの体積がほぼ一定になる(体積変化が閾値以下になる)まで各分子の挙動を計算する。体積の算出方法としては、仮想空間Ar1に配置されている各粒子の座標に基づき、全ての粒子を含むように粒子を配置するための最小の立法体又は直方体の計算領域(セル)の体積が、フィラー充填未架橋高分子モデルの体積となる。
[フィラー充填未架橋高分子モデルを生成する方法]
図1に示すシステム1を用いて、フィラー充填未架橋高分子モデルを生成する方法について、図2を用いて説明する。
まず、ステップST1において、初期設定部10は、解析対象となるフィラーモデルデータM1、ポリマーモデルデータM2、各種モデルの相互作用、分子動力学計算に必要な解析条件(温度、圧力、密度、体積など)などの各種設定を行い、これらの設定値をメモリに記憶する。
次のステップST2において、体積設定部12は、粒子モデルを配置するための仮想空間Ar1の体積を、目標密度に対応する第1体積V1よりも大きい第2体積V2に設定する。図4〜7に示す例では、目標密度が0.82であり、第2体積V2に対応する第2密度が0.01である。目標密度に対する第2密度の比は、約0.012であるが、これは一例である。
次のステップST3において、配置部11は、図3A、図3B及び図4に示すように、第2体積V2に設定された仮想空間Ar1に、複数のポリマー粒子30が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマー3と、複数のフィラー粒子20が結合された複数のフィラー2と、を配置する。図4の例は、66個のフィラー粒子20を球状に結合させたフィラー2を100個、100個のポリマー粒子30が連結されたポリマー3を200本配置した例である。フィラー粒子20は黒色球で示し、ポリマー粒子30は灰色球で示している。
なお、本実施形態において、粒子間に作用する結合相互作用には、FENE−LJ(レナードジョーンズ)が設定されている。具体的に、結合相互作用は、フィラー粒子20同士の結合、ポリマー粒子30同士の結合に用いられる。相互作用の強さを表すパラメータ及び粒子の径を示すパラメータは同じ値にしている。これらは一例であり、種々変更可能である。
本実施形態において、粒子間に作用する非結合相互作用には、WCA(斥力のみのLJポテンシャル)が設定されている。具体的に、非結合相互作用は、フィラー粒子20同士の間、フィラー粒子20とポリマー粒子30との間、ポリマー粒子30同士の間、に設定される。相互作用の強さを表すパラメータ及び粒子の径を示すパラメータは同じ値にしている。これらは一例であり、種々変更可能である。
次に、ステップST4〜5において、図3Bに示すように、仮想空間Ar1の体積が第2体積V2から第1体積V1になるまで(ST6:YESになるまで)、体積設定部12が仮想空間Ar1を徐々に収縮変形させる処理(ST5)と、分子動力学計算実行部13が所定温度T及び体積を指定した分子動力学計算(ST4)と、を繰り返し実行する。図5は、収縮変形処理の中間段階を示し、密度は0.2である。仮想空間Ar1の体積が初期の第2体積V2よりも小さくなっていることがわかる。図6は、仮想空間Ar1の体積が、目標密度0.82に対応する第1体積V1になった段階を示している。
仮想空間Ar1の体積が第2体積V2になった後に(ST6:YES)、次のステップST7において、分子動力学計算実行部13が所定温度T及び所定圧力Pを指定した分子動力学計算を実行することで平衡化処理が実行される。平衡化処理が終われば、仮想空間Ar1にあるモデルは、フィラーが充填された未架橋の高分子モデルである。図7は、温度1.0、圧力0.1として平衡化されたフィラー充填未架橋高分子モデルを示している。密度は0.84である。本明細書における温度、圧力、密度の単位はLJ(レナードジョーンズ)単位である。
以上のように、本実施形態のフィラー充填未架橋高分子モデルを生成する方法は、
1又は複数のプロセッサが実行する方法であって、
粒子モデルを配置するための仮想空間Ar1の体積を、目標密度に対応する第1体積V1よりも大きい第2体積V2に設定し(ST2)、
第2体積V2に設定された仮想空間Ar1に、複数のポリマー粒子30が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマー3と、複数のフィラー粒子20が結合された複数のフィラー2と、を配置し(ST3)、
仮想空間Ar1の体積が第2体積V2から第1体積V1になるまで(ST6:YESとなるまで)、仮想空間Ar1を徐々に収縮変形させる処理(ST5)と、所定温度T及び体積を指定した分子動力学計算(ST4)と、を繰り返し実行し(ST4〜6)、
仮想空間Ar1の体積が第1体積V1になった後に、所定温度T及び所定圧力Pを指定した分子動力学計算により平衡化する(ST7)。
本実施形態のフィラー充填未架橋高分子モデルを生成するシステム1は、
1又は複数のプロセッサを備え、
1又は複数のプロセッサは、
粒子モデルを配置するための仮想空間Ar1の体積を、目標密度に対応する第1体積V1よりも大きい第2体積V2に設定し(ST2)、
第2体積V2に設定された仮想空間Ar1に、複数のポリマー粒子30が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマー3と、複数のフィラー粒子20が結合された複数のフィラー2と、を配置し(ST3)、
仮想空間Ar1の体積が第2体積V2から第1体積V1になるまで(ST6:YESとなるまで)、仮想空間Ar1を徐々に収縮変形させる処理(ST5)と、所定温度T及び体積を指定した分子動力学計算(ST4)と、を繰り返し実行し(ST4〜6)、
仮想空間Ar1の体積が第1体積V1になった後に、所定温度T及び所定圧力Pを指定した分子動力学計算により平衡化する(ST7)、
ように構成されている。
目標密度に対応する第1体積V1に設定された仮想空間Ar1に対し、フィラー2とポリマー3とを配置しようとすれば、互いに干渉してしまい、配置することができない。例えば、ポリマー3を先に配置してからフィラー2を配置しようとすれば、仮想空間Ar1におけるあらゆる場所にポリマー3が存在するので、フィラー2を配置することができない。
これに対して、本実施形態の方法では、ポリマー3とフィラー2とを配置する際に、目標密度に対応する第1体積V1よりも大きい第2体積V2に仮想空間Ar1を設定しているので、目標密度よりも密度が低く、余分なスペースがあるので、ポリマー3とフィラー2とを容易に配置することができる。
さらに、分子動力学計算を実行しつつ、第2体積V2から第1体積V1になるように仮想空間Ar1を徐々に収縮変形させるので、短時間に大きな力が発現せず、安定した計算が可能となる。
さらに、低密度にした仮想領域の体積を第2体積から第1体積まで収縮させることにより、例えば常温・常圧などの所定温度及び所定圧力で平衡化したときに生じやすい2層共存(固体相と気体相への分離)を回避可能となる。
したがって、計算破綻を避けるとともに、計算コストを下げ且つポリマーとフィラーが適切に混ざり合ったフィラー充填未加硫高分子モデルを生成可能となる。
本実施形態において、複数のポリマー3及び複数のフィラー2を配置する座標をランダムに決定し、決定した座標が既に配置された他の粒子と重なる場合には座標の決定をやり直し、決定した座標が既に配置された他の粒子と重ならない場合には、決定した座標にモデルを配置する。
このようにすれば、複数のポリマー3及び複数のフィラー2の配置を、容易なロジックで実装可能となる。
本実施形態に係るプログラムは、上記方法を1又は複数のプロセッサに実行させるプログラムである。このプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、図1に示す各部10〜13は、所定プログラムをコンピュータのプロセッサで実行することで実現しているが、各部を専用回路で構成してもよい。また、本実施形態では1つのコンピュータにおけるプロセッサが各部10〜13を実装しているが、少なくとも1又は複数のプロセッサに分散して実装してもよい。
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…システム
2…フィラー
20…フィラー粒子
3…ポリマー
30…ポリマー粒子

Claims (5)

  1. 1又は複数のプロセッサが実行する方法であって、
    粒子モデルを配置するための仮想空間の体積を、目標密度に対応する第1体積よりも大きい第2体積に設定し、
    前記第2体積に設定された仮想空間に、複数のポリマー粒子が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマーと、複数のフィラー粒子が結合された複数のフィラーと、を配置し、
    前記仮想空間の体積が前記第2体積から前記第1体積になるまで、前記仮想空間を徐々に収縮変形させる処理と、所定温度及び体積を指定した分子動力学計算と、を繰り返し実行し、
    前記仮想空間の体積が前記第1体積になった後に、前記所定温度及び所定圧力を指定した分子動力学計算により平衡化する、フィラー充填未架橋高分子モデルを生成する方法。
  2. 前記複数のポリマー及び前記複数のフィラーを配置する座標をランダムに決定し、決定した座標が既に配置された他の粒子と重なる場合には座標の決定をやり直し、決定した座標が既に配置された他の粒子と重ならない場合には前記決定した座標にモデルを配置する、請求項1に記載の方法。
  3. 1又は複数のプロセッサを備え、
    前記1又は複数のプロセッサは、
    粒子モデルを配置するための仮想空間の体積を、目標密度に対応する第1体積よりも大きい第2体積に設定し、
    前記第2体積に設定された仮想空間に、複数のポリマー粒子が直鎖状又は分岐状に連なる複数のポリマーと、複数のフィラー粒子が結合された複数のフィラーと、を配置し、
    前記仮想空間の体積が前記第2体積から前記第1体積になるまで、前記仮想空間を徐々に収縮変形させる処理と、所定温度及び体積を指定した分子動力学計算と、を繰り返し実行し、
    前記仮想空間の体積が前記第1体積になった後に、前記所定温度及び所定圧力を指定した分子動力学計算により平衡化する、
    ように構成されている、フィラー充填未架橋高分子モデルを生成するシステム。
  4. 前記複数のポリマー及び前記複数のフィラーを配置する座標をランダムに決定し、決定した座標が既に配置された他の粒子と重なる場合には座標の決定をやり直し、決定した座標が既に配置された他の粒子と重ならない場合には前記決定した座標にモデルを配置する、ように構成されている、請求項3に記載のシステム。
  5. 請求項1又は2に記載の方法を1又は複数のプロセッサに実行させるプログラム。
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