JP6932280B1 - 耐風装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震時にせん断破壊される耐風ピンや電子ロック装置を適用することなく、優れた耐風性能を有する耐風装置を提供すること。【解決手段】免震建物500の免震層510において、免震装置400とともに配設される耐風装置100であり、鋼製の第一プレート10及び第二プレート20と、第一プレート10の一方の第一広幅面11に配設されている第一摩擦材40と、第二プレート20の一方の第二広幅面21に配設されている第二摩擦材50と、相互に当接する第一摩擦材40と第二摩擦材50を圧接する締め付けボルト70とを少なくとも有し、締め付けボルト70に対して設計張力Nが導入されることにより、第一摩擦材40と第二摩擦材50が設計摩擦力Fを有して圧接されており、設計摩擦力F以上の外力Qで第一摩擦材40と第二摩擦材50が引っ張られて双方の当接が解除された際に、設計張力Nが解放される。【選択図】図4

Description

本発明は、耐風装置に関する。
地震国であるわが国においては、ビルや橋梁、高架道路、戸建の住宅といった様々な構造物に対して、地震力に抗する技術、構造物に入る地震力を低減する技術など、様々な耐震技術、免震技術、制震技術が開発され、各種構造物に適用されている。中でも免震技術は、構造物に入る地震力そのものを低減する技術であることから、地震時の構造物の振動は効果的に低減される。この免震技術を概説すると、下部構造物である基礎と上部構造物との間に免震装置を介在させ、地震による基礎の振動の上部構造物への伝達を低減し、上部構造物の振動を低減して構造安定性を保証するものである。尚、この免震装置は、地震時のみならず、構造物に対して常時作用する交通振動の上部構造物への影響低減にも効果を発揮するものである。
免震装置には、鉛プラグ入り積層ゴム支承装置や高減衰積層ゴム支承装置、積層ゴム支承と減衰ダンパーを組み合わせた装置、滑り免震装置など、様々な形態の装置が存在している。例えば従来の球面滑り支承を有する免震建物では、球面滑り支承の摩擦係数が比較的小さいことから、風荷重を受けた際に球面滑り支承で支持される上部構造体の変位が大きくなり、これが大きな残留変位となるといった課題を有している。すなわち、球面滑り支承は地震荷重に対して高い減衰効果を発揮する一方で、風荷重に対してはその低い摩擦係数ゆえに支持する上部構造体の変位を抑制し難いといったデメリットを有していた。このように、免震装置を備える免震層において、耐風性能も同時に満足させる技術の開発が必要になってきている。
ところで、地震入力を低減させ、免震層の変形を300mm乃至500mm程度に留めるために、ダンパー率(建物重量に対する減衰ダンパーの降伏層せん断力係数)が2%乃至4%で設計されるのが一般的であるが、近年、アスペクト比(幅に対する高さの比率)が4以上の高層ビルにも免震装置が採用されている。このようなプロポーションの高層ビルにおいては風荷重が支配的となり易く、風荷重載荷時における最大変形や残留変形、あるいは減衰ダンパーの疲労を抑えるべく、ダンパー率5%乃至7%程度が必要になってくる。しかしながら、ダンパー率を5%乃至7%程度に設定すると今度は地震時の建物への入力が増加してしまい、免震装置を採用する本来の意義を失ってしまう。
ここで、特許文献1には、再現期間1年程度の風荷重に対して快適な居住性を確保し、再現期間50年程度の風荷重に対しては免震層の水平剛性を高め、大地震時には免震効果を発揮する免震構造が提案されている。具体的には、外乱により相対移動する上部構造体と下部構造体との間に免震装置が設けられた免震構造において、上部構造体と下部構造体との相対移動量が第1所定値になると上部構造体と下部構造体との相対移動を拘束し、上部構造体と下部構造体との相対移動量が第1所定値よりも大きい第2所定値になると破断又は座屈することにより上部構造体と下部構造体との相対移動の拘束を解除して免震装置を機能させる剛性部材を有する。
一方、特許文献2には、強風時に作用し、地震時には作用が解除される耐風構造が提案されている。具体的には、基礎と基礎上に支持される構造物本体との間に設けられる耐風構造であり、基礎上に設けられる下部構造体と、下部構造体上に配置され、その上方に構造物本体を支持する上部構造体と、強風時に下部構造体と上部構造体の間の定位置に係合してこれら下部構造体と上部構造体とを剛に拘束する。地震力が入力された際に定位置から退避して下部構造体と上部構造体の間を縁切りする第1ピンと、下部構造体と上部構造体が剛に拘束された状態において、地震力が一定値を超えた際に破断して下部構造体と構造物本体とを縁切りする第2ピンとを備えている。
特開2008−156945号公報 特開2004−176525号公報
免震装置を備えた建物において、免震性能を確保しながら耐風性能も満足するための方策として、一つはロック式のオイルダンパーを適用する方法があり、他の一つは上記特許文献1,2で開示されるように耐風ピンを免震層に適用する方法がある。
ロック式のオイルダンパーはダンパーに電子ロックの装置が着いたものであり、台風が近づいた際に建物管理者が電子ロックのロック設定をおこなうものであるが、非常に設備コストが高いという課題があるとともに、建物管理者がロック設定を忘れた際に建物の耐風性能が発揮されないといった課題があり、さらには、電子制御の動作の有無に関して常時メンテナンスする必要がある。
一方、耐風ピンは一般に、円筒状のピン部材にスリットを設けて所定のせん断力になったら破断する機構を備え、風荷重に対しては耐風ピンで抵抗し、大地震時には耐風ピン以外の免震装置等で抵抗する機構を備えているため、大地震時のあとには耐風ピンを点検し、耐風ピンが破断している場合には交換を余儀なくされるといったメンテナンス手間の課題がある。また、耐風ピンの破断時には非常に大きな音が発生することから、この大きな音が建物利用者を不安にさせるといった課題もある。さらに、耐風ピンは破断後に急激に耐力低下することから、破断後に免震層に大きな加速度が生じるといった課題もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、建物の免震層において免震装置とともに配設される耐風装置に関し、地震時にせん断破壊される耐風ピンや電子ロック装置を適用することなく、優れた耐風性能を有する耐風装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による耐風装置の一態様は、
免震建物の免震層において、免震装置とともに配設される耐風装置であって、
鋼製の第一プレートと、
鋼製の第二プレートと、
前記第一プレートの一方の第一広幅面に配設されている第一摩擦材と、
前記第二プレートの一方の第二広幅面に配設されている第二摩擦材と、
相互に当接する前記第一摩擦材と前記第二摩擦材を圧接する締め付けボルトと、を少なくとも有し、
前記締め付けボルトに対して設計張力が導入されることにより、前記第一摩擦材と前記第二摩擦材が設計摩擦力を有して圧接されており、
前記設計摩擦力以上の外力で前記第一摩擦材と前記第二摩擦材が引っ張られ、該第一摩擦材と該第二摩擦材の当接が解除された際に、前記設計張力が解放されることを特徴とする。
本態様によれば、第一摩擦材と第二摩擦材が鋼製の第一プレートと第二プレートに挟まれ、設計張力が導入されている締め付けボルトによって設計摩擦力を有した状態で圧接されており、外力の作用によって第一摩擦材と第二摩擦材の当接が解除された際に設計張力が解放されることにより、締め付けボルトによる締め付けが緩み、その後の第一摩擦材と第二摩擦材の変位(例えば往復変位)の際に大きな摩擦抵抗力が生じることは無くなる。このことにより、大きな風荷重によって耐風装置が機能した後は、免震層における耐風装置による抵抗(摩擦抵抗)は無くなり、その後に免震層に地震が作用した際には、耐風装置による抵抗を受けることなく免震層において免震装置が機能することができる。そのため、地震時(例えばレベル2地震等の大地震時)にせん断破壊される耐風ピンや電子ロック装置を適用することなく、優れた耐風性能を有する耐風装置となる。ここで、免震層において耐風装置とともに配設される免震装置には、球面滑り装置や平面滑り装置といった滑り免震装置、積層ゴム装置(積層ゴム支承型免震装置)等が適用される。
締め付けボルトに導入される設計張力は、第一摩擦材と第二摩擦材の圧接状態を解除する荷重であることから、設計解放荷重と称することもできる。ここで、第一プレートと第二プレートとこれらの間にある第一摩擦材と第二摩擦材を一つのユニットとし、複数のユニットが積層され、共通の締め付けボルトにて締め付けられている構成であってもよい。例えば二つのユニットが積層している形態では、下層のユニットの第一プレート(上方にあるプレート)が、上層のユニットの第二プレート(下方のプレート)を兼用してもよい。
また、本発明による耐風装置の他の態様において、
前記第一摩擦材と前記第二摩擦材の当接が解除された際に、前記耐風装置を形成する構成部材の一部が当初位置から係脱することにより、前記設計張力が解放されることを特徴とする。
本態様によれば、例えば大きな風荷重にて第一摩擦材と第二摩擦材の当接が解除された際に、耐風装置を形成する構成部材の一部が当初位置から係脱することによって設計張力が解放されることにより、比較的シンプルな機構で確実な設計張力の解放を実現することができる。大きな風荷重を受けて構成部材の一部が当初位置から係脱した後は、適宜のタイミングで、第一摩擦材と第二摩擦材を当接した姿勢に戻し、係脱した構成部材を当初位置に戻すことにより、耐風装置を復元することができる。
また、本発明による耐風装置の他の態様は、
前記第二広幅面が上方を向き、前記第一広幅面が下方を向いて該第二広幅面と対向し、
前記第一広幅面には溝があり、該溝に前記第一摩擦材の一部が収容されており、
前記第一摩擦材と前記第二摩擦材の当接が解除された際に、前記溝から前記第一摩擦材が前記第二広幅面に落下して前記設計張力が解放されることを特徴とする。
本態様によれば、第一プレートの第一広幅面にある溝に第一摩擦材が収容され、第一摩擦材と第二摩擦材の当接が解除された際に、溝から第一摩擦材が第二広幅面に落下して設計張力が解放されることにより、第一摩擦材と第二摩擦材の当接が解除されると同時に第一摩擦材を自然かつ瞬時に当初位置から係脱させることができる。また、第一プレートの第一広幅面に設けられている溝に収容されていた第一摩擦材は、その下方にある第二プレートの第二広幅面の上に落下することから、落下した第一摩擦材は紛失することなく、第二広幅面の上に保持しておくことができる。
また、本発明による耐風装置の他の態様において、
前記第一広幅面における前記溝の側方には、下方へ張り出すスペーサが配設され、もしくは、前記第二広幅面における前記溝の側方に対応する位置には、上方へ張り出すスペーサが配設されており、
前記第一摩擦材と前記第二摩擦材が当接している際に、前記スペーサは前記第二広幅面もしくは前記第一広幅面に当接しておらず、
前記第一摩擦材と前記第二摩擦材の当接が解除された際に、前記スペーサが前記第二広幅面もしくは前記第一広幅面に当接して該第二広幅面もしくは該第一広幅面の上を摺動することを特徴とする。
本態様によれば、第一広幅面の溝の側方(第一プレートの長手方向の側方)において下方へ張り出すスペーサが配設され、もしくは、第二広幅面の溝の側方に対応する位置に上方へ張り出すスペーサが配設され、第一摩擦材と第二摩擦材が当接している際にスペーサは第二広幅面もしくは第一広幅面に当接せず、第一摩擦材と第二摩擦材の当接が解除された際にスペーサが第二広幅面もしくは第一広幅面に当接して第二広幅面もしくは第一広幅面の上を摺動することにより、スペーサは第一摩擦材と第二摩擦材による摩擦抵抗を邪魔することなく、また、当接解除後はスペーサが第一広幅面と第二広幅面の間の隙間を保持して双方のスムーズな相対変位を保証することができる。
また、本発明による耐風装置の他の態様において、
前記溝が、前記第一プレートの長手方向に直交する幅方向における対向する一対の側面まで延設していることを特徴とする。
本態様によれば、溝が第一プレートの長手方向に直交する幅方向における対向する一対の側面まで延設していることにより、第一摩擦材が第二広幅面に落下した後、締め付けボルトを抜いて側方から第一摩擦材を溝へ容易に戻す(収容する)ことが可能になる。
また、本発明による耐風装置の他の態様において、
前記第一プレートの下方に前記第二プレートがあり、該第二プレートの下方に第三プレートがあり、
前記第一プレートと前記第三プレートの長手方向に直交する幅方向の幅に比べて、前記第二プレートの幅は狭く、
前記第一プレートと前記第三プレートの間であって、かつ前記第二プレートの前記幅方向の外側において、前記長手方向に延設する一対の移動規制材が配設されており、
前記第一プレートと前記移動規制材と前記第三プレートが、前記締め付けボルトにて締め付けられていることを特徴とする。
本態様によれば、第一プレートと第三プレートの間に相対的に幅の狭い第二プレートが配設され、第一プレートと第三プレートの間であって、かつ第二プレートの幅方向の外側において、第一プレート等の長手方向に延設する一対の移動規制材が配設された状態で、第一プレートと移動規制材と第三プレートが締め付けボルトにて締め付けられていることにより、一対の移動規制材にて、落下した第一摩擦材が移動してばらつくことを防止できる。また、第一プレートに対する第二プレートの長手方向への摺動(一軸摺動)を保証でき、双方のプレートが相互に複数方向に移動する(摺動する)ことを防止できる。さらには、一対の移動規制材により、各プレートの撓みを抑制して、締め付けボルトに導入された設計張力による初期の設計摩擦力を保証することができる。
また、本発明による耐風装置の他の態様において、
前記第一プレートの下方に前記第二プレートがあり、該第一プレートの上方に第三プレートがあり、
前記第二プレートと前記第三プレートの長手方向に直交する幅方向の幅に比べて、前記第一プレートの幅は狭く、
前記第二プレートと前記第三プレートの間であって、かつ前記第一プレートの前記幅方向の外側において、前記長手方向に延設する一対の移動規制材が配設されており、
前記第二プレートと前記移動規制材と前記第三プレートが、前記締め付けボルトにて締め付けられていることを特徴とする。
本態様によれば、第二プレートと第三プレートの間に相対的に幅の狭い第一プレートが配設され、第二プレートと第三プレートの間であって、かつ第一プレートの幅方向の外側において、第二プレート等の長手方向に延設する一対の移動規制材が配設された状態で、第二プレートと移動規制材と第三プレートが締め付けボルトにて締め付けられていることにより、一対の移動規制材にて、落下した第一摩擦材が移動してばらつくことを防止できる。また、第一プレートに対する第二プレートの長手方向への摺動(一軸摺動)を保証でき、双方のプレートが相互に複数方向に移動する(摺動する)ことを防止できる。さらには、一対の移動規制材により、各プレートの撓みを抑制して、締め付けボルトに導入された設計張力による初期の設計摩擦力を保証することができる。
また、本発明による耐風装置の他の態様において、
前記締め付けボルトが頭部と軸部を備えた頭付きボルトであり、
前記締め付けボルトの頭部と前記第一プレートもしくは前記第二プレートとの間に、U型座金が介在して前記軸部に係合しており、
前記第一摩擦材と前記第二摩擦材の当接が解除された際に、前記軸部から前記U型座金が落下して前記設計張力が解放されることを特徴とする。
本態様によれば、頭付きボルトの頭部と第一プレートもしくは第二プレートとの間にU型座金が介在して頭付きボルトの軸部に係合し、第一摩擦材と第二摩擦材の当接が解除された際に軸部からU型座金が係脱(落下)して設計張力が解放されることにより、比較的シンプルな機構で確実な設計張力の解放を実現することができる。ここで、「U型座金」には、文字通りU型の座金の他、C型の座金等が含まれ、軸部に係合可能であって軸部よりも大きな隙間を備えている形状の座金が含まれる。
以上の説明から理解できるように、本発明の耐風装置によれば、建物の免震層において免震装置とともに配設される耐風装置に関し、地震時にせん断破壊される耐風ピンや電子ロック装置を適用することなく、優れた耐風性能を有する耐風装置を提供することができる。
実施形態に係る耐風装置の一例を備える免震建物の免震層を示す図である。 実施形態に係る耐風装置の一例の分解斜視図である。 図1のIII方向の矢視図であって、第一プレートの第一広幅面を斜め下方から見た図である。 実施形態に係る耐風装置の一例の斜視図である。 実施形態に係る耐風装置において、設計摩擦力よりも小さな風荷重が作用している際の耐風装置の作用を説明する縦断面図である。 実施形態に係る耐風装置において、設計摩擦力以上の風荷重が作用している際の耐風装置の作用を説明する縦断面図である。 実施形態に係る耐風装置の荷重−変形特性を示す図である。
以下、実施形態に係る耐風装置について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態に係る耐風装置]
図1乃至図7を参照して、実施形態に係る耐風装置の一例を説明する。ここで、図1は、実施形態に係る耐風装置の一例を備える免震建物の免震層を示す図である。また、図2は、実施形態に係る耐風装置の一例の分解斜視図であり、図3は、図1のIII方向の矢視図であって、第一プレートの第一広幅面を斜め下方から見た図であり、図4は、実施形態に係る耐風装置の一例の斜視図である。さらに、図5と図6はそれぞれ、実施形態に係る耐風装置において、設計摩擦力よりも小さな風荷重が作用している際の耐風装置の作用を説明する縦断面図と、設計摩擦力以上の風荷重が作用している際の耐風装置の作用を説明する縦断面図である。
図1に示すように、免震建物500は、上部構造体300と基礎である下部構造体200とを有し、上部構造体300は、相互に格子状に組み付けられている地中梁310と柱320を少なくとも備えており、上部構造体300と下部構造体200の間に免震層510(基礎免震層)を有する高層ビルやマンション等の鉄筋コンクリート造(RC(Reinforced Concrete)造)や鉄骨造(S(Steel)造)、SRC造の高層建物である。
地中梁310同士の交点の上方に柱320が立設し、交点の下方に支承用凸部330が設けられており、基礎200のうち、支承用凸部330に対応する位置にフーチング210が設けられ、フーチング210と支承用凸部330の間に免震装置400が配設されている。図示例の免震装置400は積層ゴム支承型装置であるが、球面滑り装置や平面滑り装置等の滑り免震装置が適用されてもよい。また、免震層510には、不図示のダンパー装置がさらに設けられてもよい。
免震層510において、地中梁310の下面から下方へ耐風装置用凸部340が突設し、基礎200の上面から上方へ別途の耐風装置用凸部220が突設しており、双方の耐風装置用凸部340,220の対向する側面に対して取り付け治具95A,95Bと取り付けボルト90A,90Bを介して耐風装置100が取り付けられている。
次に、図2乃至図7を参照して、免震層510に配設される耐風装置100の構成と、耐風装置100による作用とその特性について説明する。
図2に示すように、耐風装置100は、鋼製の第一プレート10、第二プレート20、及び第三プレート30と、第一プレート10の一方(下方)の第一広幅面11に配設されている第一摩擦材40と、第二プレート20の一方(上方)の第二広幅面21に配設されている第二摩擦材50と、第一プレート10と第三プレート30の間に配設されて第二プレート20を挟む一対の移動規制材80と、相互に当接する第一摩擦材40及び第二摩擦材50を圧接する締め付けボルト70とを有する。
尚、図示例の各プレートの上下の並びは一例であり、第一プレート10の第一広幅面11と第二プレート20の第二広幅面21の上下関係の維持を前提として、様々な形態の耐風装置がある。図示を省略するが、例えば、下から順に、第二プレート20,第一プレート10,第三プレート30の並びとし、第三プレート30は図示例に対して反転させ(第四広幅面31が下を向いた姿勢)、第一プレート10の上面に第三摩擦材61が取り付けられている形態、すなわち、第一プレート10が中央に配設される形態等であってもよい。また、第三プレートを具備せず、第一プレート10と第二プレート20のみを備えた形態であってもよい。
図2に戻り、相互に当接する第一摩擦材40と第二摩擦材50は、双方がアルミ合金板、もしくは、一方が鋼製の支圧板で他方がアルミ合金板等により形成される。
第一プレート10、第二プレート20,及び第三プレート30はいずれも鋼製のプレートで平面視が横長の略矩形状を呈し、第一プレート10と第三プレート30は同じ平面視形状を有しており、各プレートが積層された状態において、第一プレート10と第三プレート30の双方の対応する位置には、複数(図示例は八つ)のボルト孔12,32と、治具孔13,33とが開設されている。
また、第一プレート10と第三プレート30の長手方向に直交する幅方向の幅s1は、それらの間に挟まれる第二プレート20の幅方向の幅s2よりも広く、第一プレート10と第三プレート30の双方のボルト孔12,32の開設位置は、これらに挟持される第二プレート20の幅方向の外側に位置している。尚、図示例は、第一プレート10と第三プレート30の対応する幅方向の両端近傍位置に、それぞれ四つ(計八つ)のボルト孔12,32が設けられている。
第一プレート10と第三プレート30の間に第二プレート20が配設され、第一プレート10と第三プレート30の間で、かつ第二プレート20を挟むように一対の移動規制材80が配設される。
移動規制材80は、上下のフランジ81とウェブ82を備える溝形鋼により形成されており、その上下のフランジ81には、移動規制材80が第一プレート10と第三プレート30の間に配設された際にボルト孔12,32に対応する位置において、四つのボルト孔83が開設されている。尚、移動規制材は、溝形鋼以外の鋼材により形成されてもよい。
第二プレート20の上下に第一プレート10と第三プレート30が配設され、第一プレート10と第三プレート30の間に第二プレート20を挟むようにして一対の移動規制材80が配設され、対応するボルト孔12,32,83に締め付けボルト70がX1方向に挿入され、ナット75にて締め付けられるようになっている。尚、図2では、一組の締め付けボルト70とナット75のみを図示している。
治具孔13,33に対して、図1に示す耐風装置用凸部340に接続されている取り付け治具95Aが位置合わせされ、取り付けボルト90Aが治具孔13,33に挿通さることにより、耐風装置100の一端が耐風装置用凸部340に対してボルト接合されるようになっている。
一方、治具孔23に対して、図1に示す耐風装置用凸部220に接続されている取り付け治具95Bが位置合わせされ、取り付けボルト90Bが治具孔23に挿通さることにより、耐風装置100の他端が耐風装置用凸部220にボルト接合されるようになっている。
図3に明りょうに示すように、第一プレート10の第一広幅面11には、平面視矩形で幅方向に延設する複数(図示例は三つ)の溝15が間隔を置いて開設されている。各溝15は、第一プレート10の対向する一対の側面14まで延設して、当該側面14に臨んでいる。
第一広幅面11において、第一プレート10の幅方向に延設する溝15のうち、中央の領域は第一摩擦材40を収容する第一摩擦材収容領域15aであり、その両側は収容外側領域15bとなっている。
そして、第一広幅面11において、各溝15の収容外側領域15bの長手方向の側方位置には、幅方向に一組(二つ)で計三組(計六つ)のスペーサ17が設けられている。尚、スペーサは、第一広幅面11に設けられる図示例の形態に代えて、第二プレート20の第二広幅面21に設けられてもよいし、その数は図示例に限定されない。
以下で説明するように、第一摩擦材収容領域15aに収容されている第一摩擦材40は、第二摩擦材50との当接が解除された際に下方の第二プレート20の第二広幅面21の上へ落下することになるが、スペーサ17は溝15の収容外側領域15bの側方に設けられていることから、第一摩擦材収容領域15aの下方へ落下した後の第一摩擦材40とスペーサ17が干渉することはなく、従って、その後のスペーサ17の先端の第二広幅面21上におけるスムーズな摺動が保証される。
各溝15における第一摩擦材収容領域15aには、第一摩擦材収容領域15aと同一もしくは第一摩擦材収容領域15aよりもわずかに平面視寸法の小さな第一摩擦材40がX2方向に収容される。
図2に戻り、第二プレート20の第二広幅面21のうち、第一プレート10の第一広幅面11の各溝15の第一摩擦材収容領域15aに収容されている第一摩擦材40に対応する位置には、第一摩擦材40と平面視形状及び寸法が同一の第二摩擦材50が固定されている。そのため、第一プレート10と第二プレート20が積層された姿勢において、対応する第一摩擦材40と第二摩擦材50が双方の全面で当接するようになっている。
第二プレート20の他方(下方)の第三広幅面22には、平面視が横長矩形の第三摩擦材61が固定されている。また、第三プレート30の一方(上方)の第四広幅面31のうち、第三摩擦材61と対応する位置には第四摩擦材62が固定されている。第三摩擦材61と第四摩擦材62も、第一摩擦材40及び第二摩擦材50と同様に、双方がアルミ合金板、もしくは、一方が鋼製の支圧板で他方がアルミ合金板等により形成される。
図4に示すように、各部材が組み付けられた耐風装置100において、相互に対応する第一摩擦材40と第二摩擦材50が当接し、第三摩擦材61と第四摩擦材62が当接する。図示例では、八つの締め付けボルト70が所定の締め付け力にて締め付けられることにより、全ての締め付けボルト70に対して所定の設計張力Nが導入されることになる。耐風装置100に対して風荷重Q(引張力)が作用した際には、この風荷重Qに抗する設計摩擦力Fが、設計張力Nにて相互に圧接されている三組の第一摩擦材40及び第二摩擦材50と、一組の第三摩擦材61及び第四摩擦材62により奏される。
図1に示すように、免震層510において、図示例の耐風装置100は、上から順に、第一プレート10,第二プレート20,及び第三プレート30の順に各広幅面が水平となるように配設される。すなわち、耐風装置100は、図4に示す姿勢で免震層510に取り付けられる。
図5に示すように、免震層510に対して設計摩擦力Fより小さな風荷重Q1(外力)が作用している状態では、対応する第一摩擦材40と第二摩擦材50が相互に当接し、第一プレート10の第一広幅面11と第二プレート20の第二広幅面21の間に隙間t2が形成されている。そして、この姿勢において、第一広幅面11から下方へ突設するスペーサ17の高さt1は隙間t2よりも小さく設定されており、従って、スペーサ17の先端(下端)は第二広幅面21に当接していない。
一方、図6に示すように、免震層510に対して設計摩擦力F以上の風荷重Q2(外力)が作用すると、第一摩擦材40と第二摩擦材50が相互に反対方向であるY1方向へ引っ張られ、同様に、第三摩擦材61と第四摩擦材62が相互に反対方向であるY1方向へ引っ張られることにより、対応する第一摩擦材40と第二摩擦材50の当接が解除され、溝15に収容されていた第一摩擦材40は、下方の第二広幅面21の上へY2方向に落下する。
全ての第一摩擦材40が第二広幅面21の上へ落下することにより、第一プレート10も下方の第二プレート20側へY3方向に落下し、高さt1のスペーサ17の先端(下端)が第二広幅面21に当接し、複数のスペーサ17により第一プレート10と第二プレート20が間隔t1を保持した状態を形成する。この第一プレート10の落下により、締め付けボルト70に導入されていた設計張力Nは完全に解放されることになる。
締め付けボルト70に導入されていた設計張力Nが解放された後、第一プレート10は、スペーサ17の先端が第二プレート20の第二広幅面21の表面を抵抗なく(もしくは僅かな抵抗にて)滑ることとなり、作用する風荷重に対して第一プレート10(及び第三プレート30)と第二プレート20はスムーズに相対変位することができる。この際、上記するように、スペーサ17は溝15の収容外側領域15bの側方に設けられていることから、第一摩擦材収容領域15aの下方へ落下した後の第一摩擦材40とスペーサ17が干渉することはなく、従って、その後のスペーサ17の先端の第二広幅面21上におけるスムーズな摺動が保証される。
図7は、耐風装置100の荷重−変形特性を示す図であるが、設計摩擦力に相当する風荷重Q2が作用した段階で第一プレート10と第二プレート20の相対変位がはじまり、相対変位量δ1で第一摩擦材40と第二摩擦材50の当接が解除される。
第一摩擦材40と第二摩擦材50の当接が解除された際に、締め付けボルト70に導入されていた設計張力は完全に解放され、耐風装置100の摩擦抵抗は速やかに無くなり、第一プレート10と第二プレート20は抵抗なく、許容変位量δ2(例えば300mm程度)まで変位することになる。
図示例の耐風装置100によれば、第一プレート10の第一広幅面11にある溝15の第一摩擦材収容領域15aに第一摩擦材40が収容され、第一摩擦材40と第二摩擦材50の当接が解除された際に、溝15から第一摩擦材40が第二広幅面21に落下して設計張力Nが解放されることにより、第一摩擦材40と第二摩擦材50の当接が解除されると同時に、第一摩擦材40を自然かつ瞬時に当初位置から係脱させることができる。
また、第一プレート10の第一広幅面11の溝15の第一摩擦材収容領域15aから落下した第一摩擦材40が下方にある第二プレート20の第二広幅面21の上に落下することから、落下した第一摩擦材40を紛失することなく、第二広幅面21の上に保持しておくことができる。
また、第一プレート10と第三プレート30の間であって、かつ第二プレート20の幅方向の外側において、第一プレート10等の長手方向に延設する一対の移動規制材80が配設された状態で、第一プレート10と移動規制材80と第三プレート30が締め付けボルト70にて締め付けられていることにより、一対の移動規制材80にて、落下した第一摩擦材40が移動してばらつくことを防止できる。
また、一対の移動規制材80が第二プレート20の幅方向の両側に位置していることから、第一プレート10に対する第二プレート20の長手方向への一軸摺動を保証でき、第一プレート10と第二プレート20が相互に複数方向に移動することにより初期の設計摩擦力が発揮されないといった問題は生じない。
さらに、一対の移動規制材80により、第一プレート10と第三プレート30の撓みを抑制することができ、締め付けボルト70に導入された設計張力による初期の設計摩擦力を保証することができる。
このように、一対の移動規制材80は、文字通り、様々な部材の移動を所望に規制する機能を有している。
さらに、第一プレート10の第一広幅面11において、第一摩擦材40が収容される溝15が、第一プレート10の対向する一対の側面14まで延設して、当該側面14に臨んでいることにより、第一摩擦材40が第二プレート20の第二広幅面21の上に落下した後、締め付けボルト70を抜いて移動規制材80を取り外し、第二プレート20の側面を露出させた際に、溝15の端部も露出することから、落下している第一摩擦材40を溝15に容易に戻すことが可能になる。この際、スペーサ17は溝15の側方(第一プレート10の長手方向の側方)に設けられていることから、第一摩擦材40を溝15へ戻す際にスペーサ17が邪魔になることもない。
尚、図示を省略するが、スペーサ17を備えていない耐風装置であってもよいが、上記するように、設計張力N解放後の第一プレート10と第二プレート20の間隔t1をスペーサ17により保持でき、複数のスペーサ17の先端が第二広幅面21の上をスムーズに滑る(スペーサが第二広幅面に設けられている場合は、複数のスペーサの先端が第一広幅面の上をスムーズに滑る)ことから、図示例の耐風装置100が好ましい。
免震層510においては、作用する風荷重に対して耐風装置100が作用し、レベル1地震やレベル2地震等による地震荷重に対して免震装置400が作用する。従って、免震建物500がアスペクト比4以上の高層ビル等であっても、ダンパー率を一般的な2%乃至4%に設計することができるため、風荷重を十分に抑制しながら、免震装置400による免震性能を保証することが可能になる。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
例えば、図示を省略するが、図示例の耐風装置100の配設姿勢を図示例の姿勢から90度回動させ、各プレートの広幅面を鉛直方向に沿うように配設する形態であってもよい。この形態の耐風装置では、第一プレートの溝に第一摩擦材の一部を収容させる構成に代わり、第一摩擦材40と第二摩擦材50を当接させつつ、締め付けボルト70の頭部と第一プレート10の間にU型座金(図示せず)を介在させて締め付けボルト70の軸部に係合させておく。この際、U型座金の開口が下方を向くようにして軸部に係合させる。免震層510に風荷重が作用して第一摩擦材40と第二摩擦材50の当接が解除されると、締め付けボルト70の軸部に係合されていたU型座金が下方へ落下することにより、締め付けボルト70に導入されていた設計張力が完全に解放されることになる。
10:第一プレート
11:第一広幅面
12:ボルト孔
13:治具孔
14:側面
15:溝
15a:第一摩擦材収容領域
15b:収容外側領域
17:スペーサ
20:第二プレート
21:第二広幅面
22:第三広幅面
23:治具孔
30:第三プレート
31:第四広幅面
32:ボルト孔
33:治具孔
40:第一摩擦材
50:第二摩擦材
61:第三摩擦材
62:第四摩擦材
70:締め付けボルト
75:ナット
80:移動規制材
81:フランジ
82:ウェブ
83:ボルト孔
90A,90B:取り付けボルト
95A,95B:取り付け治具
100:耐風装置
200:下部構造体(基礎)
210:フーチング
220:耐風装置用凸部
300:上部構造体
310:地中梁
320:柱
330:支承用凸部
340:耐風装置用凸部
400:免震装置
500:免震建物
510:免震層
N:設計張力
F:設計摩擦力
Q,Q1,Q2:風荷重(外力)

Claims (7)

  1. 免震建物の免震層において、免震装置とともに配設される耐風装置であって、
    鋼製の第一プレートと、
    鋼製の第二プレートと、
    前記第一プレートの一方の第一広幅面に配設されている第一摩擦材と、
    前記第二プレートの一方の第二広幅面に配設されている第二摩擦材と、
    相互に当接する前記第一摩擦材と前記第二摩擦材を圧接する締め付けボルトと、を少なくとも有し、
    前記締め付けボルトに対して設計張力が導入されることにより、前記第一摩擦材と前記第二摩擦材が設計摩擦力を有して圧接されており、
    前記設計摩擦力以上の外力で前記第一摩擦材と前記第二摩擦材が引っ張られ、該第一摩擦材と該第二摩擦材の当接が解除された際に、前記耐風装置を形成する構成部材の一部が当初位置から係脱することにより、前記設計張力が解放されることを特徴とする、耐風装置。
  2. 前記第二広幅面が上方を向き、前記第一広幅面が下方を向いて該第二広幅面と対向し、
    前記第一広幅面には溝があり、該溝に前記第一摩擦材の一部が収容されており、
    前記第一摩擦材と前記第二摩擦材の当接が解除された際に、前記溝から前記第一摩擦材が前記第二広幅面に落下して前記設計張力が解放されることを特徴とする、請求項に記載の耐風装置。
  3. 前記第一広幅面における前記溝の側方には、下方へ張り出すスペーサが配設され、もしくは、前記第二広幅面における前記溝の側方に対応する位置には、上方へ張り出すスペーサが配設されており、
    前記第一摩擦材と前記第二摩擦材が当接している際に、前記スペーサは前記第二広幅面もしくは前記第一広幅面に当接しておらず、
    前記第一摩擦材と前記第二摩擦材の当接が解除された際に、前記スペーサが前記第二広幅面もしくは前記第一広幅面に当接して該第二広幅面もしくは該第一広幅面の上を摺動することを特徴とする、請求項に記載の耐風装置。
  4. 前記溝が、前記第一プレートの長手方向に直交する幅方向における対向する一対の側面まで延設していることを特徴とする、請求項2又は3に記載の耐風装置。
  5. 前記第一プレートの下方に前記第二プレートがあり、該第二プレートの下方に第三プレートがあり、
    前記第一プレートと前記第三プレートの長手方向に直交する幅方向の幅に比べて、前記第二プレートの幅は狭く、
    前記第一プレートと前記第三プレートの間であって、かつ前記第二プレートの前記幅方向の外側において、前記長手方向に延設する一対の移動規制材が配設されており、
    前記第一プレートと前記移動規制材と前記第三プレートが、前記締め付けボルトにて締め付けられていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の耐風装置。
  6. 前記第一プレートの下方に前記第二プレートがあり、該第一プレートの上方に第三プレートがあり、
    前記第二プレートと前記第三プレートの長手方向に直交する幅方向の幅に比べて、前記第一プレートの幅は狭く、
    前記第二プレートと前記第三プレートの間であって、かつ前記第一プレートの前記幅方向の外側において、前記長手方向に延設する一対の移動規制材が配設されており、
    前記第二プレートと前記移動規制材と前記第三プレートが、前記締め付けボルトにて締め付けられていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の耐風装置。
  7. 前記締め付けボルトが頭部と軸部を備えた頭付きボルトであり、
    前記締め付けボルトの頭部と前記第一プレートもしくは前記第二プレートとの間に、U型座金が介在して前記軸部に係合しており、
    前記第一摩擦材と前記第二摩擦材の当接が解除された際に、前記軸部から前記U型座金が落下して前記設計張力が解放されることを特徴とする、請求項に記載の耐風装置。
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