JP2662772B2 - 構造物用免震支承構造 - Google Patents

構造物用免震支承構造

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JP2662772B2 JP19111595A JP19111595A JP2662772B2 JP 2662772 B2 JP2662772 B2 JP 2662772B2 JP 19111595 A JP19111595 A JP 19111595A JP 19111595 A JP19111595 A JP 19111595A JP 2662772 B2 JP2662772 B2 JP 2662772B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物の水平方向に細
長い水平部材を、基礎構造部で下面側から免震支承する
構造物用免震支承構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、橋梁、高架道路、高架鉄道道
路等の構造物の水平方向に細長い水平部材を基礎構造部
に免震支承する構造物用免震支承構造が実用化されてい
る。例えば、橋梁の免震支承構造においては、一般に、
1対の橋台(又は橋脚)で橋桁を免震支承する為に、橋
桁の端部と橋台との間にゴム支承機構を介装し、通常時
においては橋桁の熱膨張や熱収縮に対応でき、また、地
震時においては免震機能が得られるように、橋桁を橋台
に対して所定変位内で水平方向に移動自在に連結してあ
る(道路橋の免震設計法マニュアル(案)、土木研究セ
ンター参照)。
【0003】前記ゴム支承機構としては、上下1対の鋼
製基板の間に、高減衰性の塊状のゴム部材や、複数のゴ
ム板と鋼板とを交互に積層した積層ゴムや、前記積層ゴ
ムに軸状の鉛プラグを挿入した鉛プラグ入り積層ゴム等
を介装した種々のゴム支承機構が実用に供されており、
上下1対の鋼製基板を橋桁の下面と橋台の上面とに固着
することで、ゴム支承機構が橋桁と橋脚とに連結されて
いる。
【0004】前記橋梁の免震支承構造において、地震が
発生して橋台に対して橋桁が水平移動した場合、ゴム支
承機構によって、橋桁に作用する水平荷重を減衰すると
ともに、水平荷重を橋台に均等に分散し、且つ、水平移
動した橋桁を初期位置へ復元させる復元力を付与するよ
うに構成してある。一方、ゴム支承機構に作用する圧縮
力に関しては、ゴム支承機構の耐荷面積を大きくするこ
とで、十分な圧縮抗力が得られるが、地震時において、
ゴム支承機構に作用する引張り力については、基本的に
ゴム部材や積層ゴムにより引張り抗力を発生させるよう
に構成してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、地震時に橋台
に対して橋桁に上向きの大きなアップリフトが作用した
場合、ゴム支承機構のゴム部材や積層ゴムが破断した
り、鋼製基板とゴム板や積層ゴムとが剥離するという問
題があり、ゴム支承機構だけでは十分な引張り抗力を発
生できないため、橋桁と橋台との連結が解除されて、橋
桁が橋台から脱落する虞がある。しかも、橋桁が橋台に
対して水平移動した状態において、橋桁に大きなアップ
リフトが作用した場合には、ゴム支承機構のゴム部材や
積層ゴムが水平方向に弾性変形しているため、ゴム支承
機構のゴム部材や積層ゴムが破断し易くなったり、鋼製
基板とゴム板や積層ゴムとが剥離し易くなり、ゴム支承
機構による引張り抗力が一層低下するという問題が生じ
る。
【0006】本発明の目的は、大きなアップリフトに対
して十分な引張り抗力を発生できる構造物用免震支承構
造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の構造物用免震
支承構造は、構造物の水平方向に細長い水平部材を、基
礎構造部で下面側から免震支承する構造物用免震支承構
造において、前記水平部材と基礎構造部の一方に固着さ
れたゴム支承機構と、前記水平部材と基礎構造部の他方
と、ゴム支承機構の前記他方側の端部とに両端部におい
て固着され且つ鉛直向きに圧縮状に設けられた金属製弾
性部材と、前記基礎構造部に対する水平部材の上下動を
許し且つゴム支承機構の前記他方側の端部に対する水平
部材の少なくともその長さ方向への移動に抵抗するリン
ク機構とを備えたものである。
【0008】請求項2の構造物用免震支承構造は、請求
項1の発明において、前記ゴム支承機構は、ゴム積層体
とこのゴム積層体を挟持する上下1対の基板とを備え、
前記上下1対の基板の相対接近を許容し且つ相対隔離を
拘束する拘束部材を設けたものである。請求項3の構造
物用免震支承構造は、請求項1又は請求項2に記載の発
明において、前記リンク機構は、水平部材と基礎構造部
の他方と、ゴム支承機構の前記他方側の端部とに両端部
においてピン結合されたパンタグラフ式リンク機構から
なるものである。
【0009】請求項4の構造物用免震支承構造は、構造
物の水平方向に細長い水平部材を、基礎構造部で下面側
から免震支承する構造物用免震支承構造において、前記
水平部材と基礎構造部の一方に固着されたゴム支承機構
と、前記水平部材と基礎構造部の他方と、ゴム支承機構
の前記他方側の端部とに両端部において固着され且つ鉛
直向きに圧縮状に設けられた皿バネ積層体であって、ゴ
ム支承機構の前記他方側の端部に対する水平部材の水平
方向への移動と基礎構造部に対する水平部材の上方移動
に抵抗する皿バネ積層体とを備えたものである。請求項
5の構造物用免震支承構造は、請求項4の発明におい
て、前記ゴム支承機構は、ゴム積層体とこのゴム積層体
を挟持する上下1対の基板とを備え、前記上下1対の基
板の相対接近を許容し且つ相対隔離を拘束する拘束部材
を設けたものである。
【0010】
【作用】請求項1の構造物用免震支承構造においては、
水平部材と基礎構造部とは、ゴム支承機構とリンク機構
と金属製弾性部材とを介して連結されているため、通常
時に水平部材が熱膨張や熱収縮した場合、水平部材の水
平方向への変位が許容される。また、地震発生時に水平
部材に水平荷重が作用した場合、リンク機構がゴム支承
機構の前記他方側の端部に対する水平部材の少なくとも
その長さ方向への移動に抵抗するため、ゴム支承機構に
よって、水平部材に作用する水平荷重が減衰され、水平
荷重が基礎構造部に均等に分散され、且つ、ゴム支承機
構により水平移動した水平部材を初期位置へ復元させる
復元力が発生する。地震発生時に水平部材に上向きのア
ップリフトが作用した場合、金属製弾性部材によって、
アップリフトによる衝撃を著しく緩和できる。
【0011】請求項2の構造物用免震支承構造において
は、請求項1と同様の作用を奏するが、前記ゴム支承機
構は、ゴム積層体とこのゴム積層体を挟持する上下1対
の基板とを備え、前記上下1対の基板の相対接近を許容
し且つ相対隔離を拘束する拘束部材を設けたので、水平
部材にアップリフトが作用した場合、前記拘束部材と金
属製弾性部材とによって、前記アップリフトに対する十
分な引張り抗力を発生することができる。
【0012】請求項3の構造物用免震支承構造において
は、請求項1又は請求項2と同様の作用を奏するが、前
記リンク機構は、水平部材と基礎構造部の他方と、ゴム
支承機構の前記他方側の端部とに両端部においてピン結
合されたパンタグラフ式リンク機構からなるので、ゴム
支承機構の作動を妨げることがない。
【0013】請求項4の構造物用免震支承構造において
は、水平部材と基礎構造部とは、ゴム支承機構と皿バネ
積層体とを介して連結されているため、通常時に水平部
材が熱膨張や熱収縮した場合、水平部材の水平方向への
変位が許容される。また、地震時に基礎構造部に対して
水平部材が水平移動する場合、皿バネ積層体によりゴム
支承機構の前記他方側の端部に対する水平部材の水平方
向への移動と基礎構造部に対する水平部材の上方移動に
抵抗するように構成してあるため、皿バネ積層体とゴム
支承機構によって、水平部材に作用する水平荷重が減衰
され、水平荷重が基礎構造部に均等に分散され、且つ、
水平移動した水平部材を初期位置へ復元させる復元力が
発生する。また、水平部材に上向きのアップリフトが作
用した場合、皿バネ積層体によって、アップリフトによ
る衝撃を著しく緩和できる。
【0014】請求項5の構造物用免震支承構造において
は、請求項4と同様の作用を奏するが、前記ゴム支承機
構は、ゴム積層体とこのゴム積層体を挟持する上下1対
の基板とを備え、前記上下1対の基板の相対接近を許容
し且つ相対隔離を拘束する拘束部材を設けたので、水平
部材にアップリフトが作用した場合、前記拘束部材と皿
バネ積層体とによって、前記アップリフトに対する十分
な引張り抗力を発生することができる。
【0015】
【発明の効果】請求項1の構造物用免震支承構造によれ
ば、金属製弾性部材を、前記水平部材と基礎構造部の他
方と、ゴム支承機構の前記他方側の端部とに両端部にお
いて固着し且つ鉛直向きに圧縮状に設けたので、水平部
材に作用する上向きのアップリフトによる衝撃を著しく
緩和でき、衝撃により水平部材、基礎構造部、ゴム支承
機構等が破損するのを防止できる。また、ゴム支承機構
の前記他方側の端部に対する水平部材の少なくともその
長さ方向への移動に抵抗するリンク機構を設けたので、
地震発生時に水平部材が水平移動する場合、ゴム支承機
構によって、水平部材に作用する水平荷重を減衰し、水
平荷重を基礎構造部に均等に分散する免震機能と、水平
移動した水平部材を初期位置へ復元させる復元機能を確
実に得ることができる。 また、水平部材と基礎構造部
とは、ゴム支承機構とリンク機構と金属製弾性部材とを
介して連結されているため、通常時に水平部材が熱膨張
や熱収縮した場合、水平部材の水平方向への変位を許容
することができる。
【0016】請求項2の構造物用免震支承構造によれ
ば、請求項1と同様の効果が得られるが、前記ゴム支承
機構は、ゴム積層体とこのゴム積層体を挟持する上下1
対の基板とを備え、前記上下1対の基板の相対接近を許
容し且つ相対隔離を拘束する拘束部材を設けたので、ア
ップリフトに抗するゴム支承機構の引張り抗力を強化で
き、ゴム支承機構のゴム積層体の破断、基板とゴム積層
体間の剥離を防止できる。その結果、アップリフト作用
時における水平部材と基礎構造部との連結が解除され
ず、水平部材が基礎構造部から脱落するのを確実に防止
できる。
【0017】請求項3の構造物用免震支承構造によれ
ば、請求項1又は請求項2と同様の効果が得られるが、
前記リンク機構は、水平部材と基礎構造部の他方と、ゴ
ム支承機構の前記他方側の端部とに両端部においてピン
結合されたパンタグラフ式リンク機構からなるので、ゴ
ム支承機構の作動が妨げられることがない。
【0018】請求項4の構造物用免震支承構造によれ
ば、皿バネ積層体を、前記水平部材と基礎構造部の他方
と、ゴム支承機構の前記他方側の端部とに両端部におい
て固着し且つ鉛直向きに圧縮状に設けたので、水平部材
に作用する上向きのアップリフトによる衝撃を著しく緩
和でき、衝撃により水平部材、基礎構造部、ゴム支承機
構等が破損するのを防止できる。しかも、皿バネ積層体
によりゴム支承機構の前記他方側の端部に対する水平部
材の水平方向への移動と基礎構造部に対する水平部材の
上方移動に抵抗するように構成してあるため、地震発生
時に水平部材が水平移動する場合、皿バネ積層体とゴム
支承機構によって、水平部材に作用する水平荷重を減衰
し、水平荷重を基礎構造部に均等に分散する免震機能
と、水平移動した水平部材を初期位置へ復元させる復元
機能を確実に得ることができる。また、水平部材と基礎
構造部とは、ゴム支承機構と皿バネ積層体とを介して連
結されているため、通常時に水平部材が熱膨張や熱収縮
した場合、水平部材の水平方向への変位を許容すること
ができる。
【0019】請求項5の構造物用免震支承構造によれ
ば、請求項4と同様の効果が得られるが、前記ゴム支承
機構は、ゴム積層体とこのゴム積層体を挟持する上下1
対の基板とを備え、前記上下1対の基板の相対接近を許
容し且つ相対隔離を拘束する拘束部材を設けたので、ア
ップリフトに抗するゴム支承機構の引張り抗力を強化で
き、ゴム支承機構のゴム積層体の破断、基板とゴム積層
体間の剥離を防止できる。その結果、アップリフト作用
時における水平部材と基礎構造部との連結が解除され
ず、水平部材が基礎構造部から脱落するのを確実に防止
できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。本実施例に係る橋梁の免震支承構造は、
左右方向に細長い橋桁を、左右1対の橋台で下面側から
免震支承する橋梁の免震支承構造に、本発明を適用した
場合の一例である。図1、図2に示すように、橋梁の免
震支承構造1において、鉄筋コンクリートで構成された
橋台2(これが、基礎構造部に相当する)は、上端面を
地盤6と同高さになるように立設されており、各橋台2
には、橋桁7(これが、水平部材に相当する)の端部を
支承する為の支承部3が、橋台2の上端面から段落ち状
に設けられている。支承部3と橋桁7との端部の間に
は、支承部3に固定された前後1対のゴム支承機構10
が設けられ、このゴム支承機構10の上端部と橋桁7の
下面とは、パンタグラフ式リンク機構20を介して連結
されている。また、各ゴム支承機構10と橋桁7の間に
は、スプリング30がその両端部を橋桁7の下面と支承
部3に固定して、鉛直向きに圧縮状に設けられている。
【0021】橋桁7について簡単に説明すると、図1に
示すように、左右方向に細長い橋桁7は、水平板部材と
複数の補強部材を溶接等で連結して構成され、橋桁7の
左右方向向きの熱膨張や熱収縮、又は地震発生時におけ
る橋台2に対する橋桁7の水平移動に対応できるよう
に、橋桁7はその両端部を橋台2の上壁部2aから所定
の間隔を空けた状態で免震支承されており、橋台2の上
壁部2aと橋桁7の端部とは、複数のフィンガー部を有
する連結部材(図示略)で構成されたフィンガージョイ
ント8を介して連結されている。
【0022】ゴム支承機構10について説明する。図4
に示すように、各ゴム支承機構10は鉛プラグ入り積層
ゴム支承体11(以下、積層ゴム支承体という)と4本
の軸状の拘束部材17からなり、積層ゴム支承体11は
既存の積層ゴム支承体と同様のもので、積層ゴム支承体
11は、複数のゴム板13と鋼板14とを交互に積層し
たゴム積層体12と、ゴム積層体12を挟持する上下1
対の鋼製基板15(上部基板と下部基板)と、これら鋼
製基板15とゴム積層体12の中央部に、上下方向向き
に挿入された軸状の鉛プラグ16で構成され、前記4本
の拘束部材17によって、上下1対の鋼製基板15の相
対接近を許容し且つ相対隔離を拘束するように構成され
ている。
【0023】そして、ゴム支承機構10は、積層ゴム支
承体11の下部基板15を橋台2の支承部3に固定して
構成されている。尚、支承部3の上端部には、橋台2の
コンクリートに埋込まれた鋼製のベース基板4の上面が
臨み、このベース基板4に下部基板15がボルトで固定
されている。また、4本の拘束部材17は、積層ゴム支
承体11の角部に鉛直向きに夫々設けられており、各拘
束部材17の下端部に固定されている連結部材17a
は、下部基板15の上面に固着されたブラケット18
に、前後方向向きの水平なピン部材でピン結合され、拘
束部材17の上端部分は上部基板15の挿通孔(図示
略)を挿通しており、拘束部材17の上端部には、挿通
孔より大径の規制部材17bが固着されている。尚、各
ブラケット18において、前記ピン部材を連結する為の
1対の連結部の間隔は、前記連結部材17aの幅より大
きく(例えば、約3倍)、拘束部材17が前後方向にも
揺動できるように構成してある。
【0024】パンタグラフ式リンク機構20について説
明する。パンタグラフ式リンク機構20は、橋台2に対
する橋桁7の上下動を許し且つゴム支承機構10の上端
部に対する橋桁7の左右方向への水平移動に抵抗するよ
うに、各ゴム支承機構10の上部基板15と橋桁7の下
面を連結する為のもので、このパンタグラフ式リンク機
構20は、図3、図4に示すように、2本の連結部材2
2をピン部材23でピン結合した4つのリンク体21か
らなり、4つのリンク体21は、ゴム支承機構10の上
部基板15と橋桁7との間に、左右に相隔離した2つの
リンク体21を1組として、その2組を前後に所定間隔
を空けて相対抗させた状態で配置され、各リンク体21
の両端部は、橋桁7の下面とゴム支承機構10の上部基
板15の上面とに固着されたブラケット24に前後方向
向きのピン部材25によりピン結合されている。
【0025】スプリング30について説明する。スプリ
ング30は、各ゴム支承機構10と橋桁7との間におい
て、パンタグラフ式リンク機構20の4つのリンク体2
1の中央部に、鉛直向きに圧縮状に設けられており、ス
プリング30の下端部は、ゴム支承機構10の上部基板
15に固着され、スプリング30の上端部にはブロック
部材31が固定され、このブロック部材31を橋桁7の
内部に固定させることで、スプリング30の上端部が橋
桁7の下面側に固定されている。尚、スプリング30の
バネ定数はかなり大きく設定されている。
【0026】上記橋梁の免震支承構造1の作用について
説明する。通常時に橋桁7が熱膨張や熱収縮した場合、
橋桁7と橋台2とは、ゴム支承機構10とリンク機構2
0とスプリング30とを介して連結されているため、通
常時に橋桁7が熱膨張や熱収縮した場合、橋桁7の水平
方向への変位が許容される。また、地震時に橋台2に対
して橋桁7が左右方向に移動する場合、パンタグラフ式
リンク機構20が、ゴム支承機構10の上端部に対する
橋桁7の水平方向への移動に抵抗するため、ゴム支承機
構10により、橋桁7に作用する水平荷重が減衰され、
水平荷重が橋台2に均等に分散され、且つ、ゴム支承機
構10により、左右方向へ水平移動した橋桁7を初期位
置へ復元させる復元力が発生する。また、地震時に水平
部材に上向きのアップリフトが作用した場合、スプリン
グ30によって、アップリフトの衝撃を著しく緩和でき
る。
【0027】また、ゴム支承機構10には、上下1対の
鋼製基板15の相対接近を許容し且つ相対隔離を拘束す
る拘束部材17が設けられているので、ゴム支承機構1
0の拘束部材17とスプリング30により、前記アップ
リフトに対して十分な引張り抗力が発生するため、橋桁
7と橋台2との連結が解除されず、橋桁7が橋台2から
脱落するのを確実に防止できる。また、パンタグラフ式
リンク機構20においては、4つのリンク体21を橋桁
7とゴム支承機構10の上端部にピン結合した非常に簡
単な構造で構成することができる。
【0028】次に、別実施例に係る橋梁の免震支承構造
1Aについて説明する。但し、前記実施例と同一のもの
には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図
6、図7、図8に示すように、各ゴム支承機構10と橋
桁7との間には、前記実施例のパンタグラフ式リンク機
構20とスプリング30の代わりに、皿バネ積層体40
が介装されている。この皿バネ積層体40は、ゴム支承
機構20の上端部に対する橋桁7の水平方向への移動と
橋台2に対する橋桁7の上方移動に抵抗して、橋桁7と
ゴム支承機構10を連結する為のもので、皿バネ積層体
40は、その両端部をゴム支承機構10の上端部と橋桁
7の下面とに固着され、橋桁7とゴム支承機構10の間
に、鉛直向きに圧縮状に設けられている。
【0029】皿バネ積層体40について詳細に説明する
と、図9に示すように、皿バネ積層体40には6枚の皿
バネ41が設けられ、フランジ41a同士が溶接接合さ
れ、基底部同士がボルト42とナット43によりボルト
連結して積層されている。皿バネ積層体40の上端部
は、ボルト(図示略)により橋桁7の下面に固定され、
皿バネ積層体40の下端部は、連結ブロック44を介し
てゴム支承機構10の上面に固定されている。
【0030】上記橋梁の免震支承構造1Aの作用につい
て説明する。通常時に橋桁7が熱膨張や熱収縮した場
合、橋桁7と橋台2とは、ゴム支承機構10と皿バネ積
層体40とを介して連結されているため、橋桁7の水平
方向への変位が許容される。また、地震時に橋台2に対
して橋桁7が水平移動した場合、皿バネ積層体40がゴ
ム支承機構10の上端部に対する橋桁7の水平方向への
移動に抵抗するため、ゴム支承機構10により、橋桁7
に作用する水平荷重が減衰され、水平荷重が橋台2に均
等に分散され、且つ、ゴム支承機構10により水平方向
へ水平移動した橋桁7を初期位置へ復元させる復元力が
発生する。
【0031】また、地震発生時に橋桁7に上向きのアッ
プリフトが作用した場合、橋桁7とゴム支承機構10と
の間に介装された皿バネ積層体40により、アップリフ
トの衝撃を著しく緩和できる。また、橋桁7に上向きの
大きなアップリフトが作用した場合でも、前記ゴム支承
機構10の拘束部材17と皿バネ積層体40とにより、
前記アップリフトに対して十分な引張り抗力を発生する
ことができるため、橋桁7と橋台2との連結が解除され
ず、橋桁7が橋台2から脱落するのを確実に防止でき
る。
【0032】次に、前記別実施例の変更例について図1
0を参照して説明する。変更例に係る皿バネ積層体45
において、各皿バネ41のフランジ41aを挿通して上
方へ延びるガイドロッド46を設けたものであり、各ガ
イドロッド46の基端部は、ゴム支承機構10の上部基
板15に固着され、ガイドロッド46の上端部分は、橋
桁7にその下面側から摺動自在に挿通している。つま
り、ガイドロッド46を設けることにより、ゴム支承機
構10の上端部に対する橋桁2の水平方向への移動に確
実に抵抗することができる。
【0033】尚、前記メイン実施例において、リンク機
構20及びスプリング30を、各ゴム支承機構10の下
部基板15と橋台2の支承部3とに介装してもよい。ま
た、前記別実施例において、前記皿バネ積層体40,4
5を、各ゴム支承機構10の下部基板15と橋台2の支
承部3とに介装してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る橋梁の免震支承構造の正
面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】図2の要部拡大図である。
【図5】ゴム支承機構の部分切欠き縦断斜視図である。
【図6】別実施例に係る橋梁の免震支承構造の正面図で
ある。
【図7】図6のVII −VII 線断面図である。
【図8】図6の要部拡大図である。
【図9】皿バネ積層体の部分切欠き縦断拡大正面図であ
る。
【図10】別実施例の変形例に係る免震支承構造の正面
図である。
【符号の説明】
1,1A 橋梁の免震支承構造 2 橋台 7 橋桁 10 ゴム支承機構 15 鋼製基板 17 拘束部材 20 パンタグラフ式リンク機構 30 スプリング 40,45 皿バネ積層体

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の水平方向に細長い水平部材を、
    基礎構造部で下面側から免震支承する構造物用免震支承
    構造において、 前記水平部材と基礎構造部の一方に固着されたゴム支承
    機構と、 前記水平部材と基礎構造部の他方と、ゴム支承機構の前
    記他方側の端部とに両端部において固着され且つ鉛直向
    きに圧縮状に設けられた金属製弾性部材と、 前記基礎構造部に対する水平部材の上下動を許し且つゴ
    ム支承機構の前記他方側の端部に対する水平部材の少な
    くともその長さ方向への移動に抵抗するリンク機構と、 を備えたことを特徴とする構造物用免震支承構造。
  2. 【請求項2】 前記ゴム支承機構は、ゴム積層体とこの
    ゴム積層体を挟持する上下1対の基板とを備え、 前記上下1対の基板の相対接近を許容し且つ相対隔離を
    拘束する拘束部材を設けたことを特徴とする請求項1に
    記載の構造物用免震支承構造。
  3. 【請求項3】 前記リンク機構は、水平部材と基礎構造
    部の他方と、ゴム支承機構の前記他方側の端部とに両端
    部においてピン結合されたパンタグラフ式リンク機構か
    らなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    構造物用免震支承構造。
  4. 【請求項4】 構造物の水平方向に細長い水平部材を、
    基礎構造部で下面側から免震支承する構造物用免震支承
    構造において、 前記水平部材と基礎構造部の一方に固着されたゴム支承
    機構と、 前記水平部材と基礎構造部の他方と、ゴム支承機構の前
    記他方側の端部とに両端部において固着され且つ鉛直向
    きに圧縮状に設けられた皿バネ積層体であって、ゴム支
    承機構の前記他方側の端部に対する水平部材の水平方向
    への移動と基礎構造部に対する水平部材の上方移動に抵
    抗する皿バネ積層体と、 を備えたことを特徴とする構造物用免震支承構造。
  5. 【請求項5】 前記ゴム支承機構は、ゴム積層体とこの
    ゴム積層体を挟持する上下1対の基板とを備え、 前記上下1対の基板の相対接近を許容し且つ相対隔離を
    拘束する拘束部材を設けたことを特徴とする請求項4に
    記載の構造物用免震支承構造。
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