JP6931334B2 - PCa壁とPCa柱との接合構造 - Google Patents
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本開示は、PCa壁とPCa柱との接合構造に関する。
建物の建設に際し、工期を短縮するため、プレキャストコンクリート(PCa)部材を用いることがある。PCa柱にPCa壁を接合する場合、PCa柱及びPCa梁間の接合に比べて接合面が直線状に延びていることから互いに接合すべき鉄筋の数が多くなる。PCa壁の鉄筋をPCa柱に埋設しておいた鉄筋に機械式継手で継ぐと、その材料コストが嵩み、継手作業のために施工スピードが遅くなる。特に、PCa耐震壁の場合、接合すべき鉄筋の本数が多いため、継手箇所数及びグラウトの量が膨大となり、これらの問題が顕著となる。継手部における施工スピードが遅くなると、工期を短縮できるというPCa部材のメリットを最大限に生かせなくなる。
そのため、施工性が改善されたPCa壁とPCa柱との様々な接合構造が提案されている。例えば特許文献1には、鉄筋製のコッターがコンクリート部分から突出したPCa耐震壁と、コンクリートのかぶり部分においてその鉄筋製のコッターを埋設している柱との接合構造が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の構造では、鉄筋製のコッターがかぶり部分だけで納まっているため、所望の接合強度が得られない可能性があった。
このような問題を鑑み、本発明は、施工性がよく、かつ接合強度が高いPCa壁とPCa柱との接合構造を提供することを目的とする。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る接合構造は、PCa壁(2)とPCa柱(3,22)との接合構造(1,21)であって、前記PCa壁は、その外形の主要部を画成するとともに前記PCa柱を向いた接合面(5a)を有する第1コンクリート部分(5)と、前記接合面から突出する突出部(13)を有する横筋(7)とを有し、前記PCa柱は、その外形の主要部を画成する第2コンクリート部分(9)と、前記第2コンクリート部分に埋設された柱主筋(10)及び帯筋(11)とを有し、充填材(4)が、前記PCa壁及び前記PCa柱間を充填しており、前記第2コンクリート部分は、互いに隣接する前記帯筋間に設けられて前記突出部を受容する凹部(12)を有し、前記突出部の突出端は、前記帯筋よりも前記PCa柱の内側に位置することを特徴とする。ここで、「PCa」はプレキャストコンクリートを意味する。
この構成によれば、突出部の突出端が、帯筋よりもPCa柱の内側に位置するため、帯筋及び突出部間で応力が伝達されやすく、また、凹部に打設された充填材がコッターとして機能するため、PCa壁及びPCa柱間の接合が強固になる。また、材料コストが高く作業に時間を要する機械式継手が不要であるため、低コスト、高スピードで施工できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る接合構造(21)は、上記構成において、前記PCa柱(22)は、前記PCa壁側が前記凹部から突出して前記横筋の前記突出部と重ね継手を構成する定着筋(23)を有することを特徴とする。
この構成によれば、横筋と定着筋とが継がれるため、横筋のPCa柱への定着が強固になる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る接合構造(1,21)は、上記構成の何れかにおいて、前記凹部の上面は、前記PCa壁側に向かうにつれて上方に向かうように傾斜していることを特徴とする。
この構成によれば、凹部の上面が傾斜しているため、充填材を打設する際に空気が凹部に溜まり難い。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る接合構造は、上記構成の何れかにおいて、前記PCa柱(3)は、少なくとも一部の前記凹部に対して、前記第2コンクリート部分の側面から前記凹部の底の近傍に連通する確認孔(14)を有することを特徴とする。
この構成によれば、充填材を打設する際に、凹部に充填材が充填されているか否かを確認することができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る接合構造は、上記構成の何れかにおいて、前記突出部の先端には定着金物が取り付けられ、及び/又は、前記突出部は、直線状、前記突出端側が底となるU字状若しくはフック状をなし、若しくはダブル配筋された前記横筋において互いに前記PCa壁の厚さ方向に隣接する1対の前記突出部が、平面視でハ字状をなすことを特徴とする。
この構成によれば、突出部の形状がこれらの何れであっても、横筋をPCa柱に定着することができる。
本発明によれば、施工性がよく、かつ接合強度が高いPCa壁とPCa柱との接合構造を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係る接合構造1を示す。接合構造1は、建物の耐震壁を構成するPCa壁2と、建物の柱を構成するPCa柱3と、PCa壁2及びPCa柱3間を充填する充填材4とを有する。
PCa壁2は、その外形の主要部を画成する第1コンクリート部分5と、中間部が第1コンクリート部分5に埋設された複数の縦筋6及び複数の横筋7を有する。縦筋6の中間部は鉛直方向に延在し、横筋7の中間部は厚さ方向に直交する水平方向に延在する。図1及び図2では、縦筋6及び横筋7のそれぞれが2列に並んだダブル配筋の例を示すが、1列に並んだシングル配筋でもよい。
縦筋6の上部6a及び下部6bは、それぞれ第1コンクリート部分5から突出している。下層階の縦筋の上部6aと上層階の縦筋の下部6bとは、互いに重ね継手等の継手を形成し、現場打ちコンクリートによって形成された床スラブ8に埋設されている。
PCa柱3は、その外形の主要部を画成する第2コンクリート部分9と、第2コンクリート部分9に埋設された複数の柱主筋10及び複数の帯筋11とを有する(図1では柱主筋の図示を省略している)。柱主筋10は鉛直方向に延在し、帯筋11は複数の柱主筋10を囲むように水平方向に延在する。各々の帯筋11は、鉛直方向に互いに略等間隔で配置される。
第2コンクリート部分9は、互いに隣接する帯筋11間に、水平方向において横筋7に整合するように設けられた凹部12を有する。横筋7には、第1コンクリート部分5におけるPCa柱3を向いた接合面5aから突出する突出部13が設けられており、凹部12は、突出部13を受容する。凹部12の底面及び突出部13の突出端は、帯筋11よりもPCa柱3の内側に位置する。よって、平面視で帯筋11は突出部13に交差している。突出部13は、突出端側が底となるU字状をなす。また、突出部13は、横筋7の中間部と共通の鉄筋から構成されてもよく、横筋7の中間部を構成する鉄筋に継がれた鉄筋から構成されてもよい。
充填材4は、グラウト、コンクリート又は短繊維入りコンクリート等から選択され、PCa壁2とPCa柱3とを互いに一体化している。凹部12にも充填材4が充填される。PCa壁2及びPCa柱3を所定の位置に配置後、充填材4が打設されて、接合構造1が構築される。この時、凹部12の上面が、PCa壁2側に向かうにつれて上方に向かうように傾斜しているため、凹部12に空気が溜まらないように施工できる。
突出部13の突出端が、第2コンクリート部分9のかぶりよりも奥に、すなわち、帯筋11よりもPCa柱3の内側に位置するため、帯筋11及び突出部13間で応力が伝達されやすい。また、凹部12に打設された充填材4がコッターとして機能する。これらの構成により、PCa壁2及びPCa柱3間の接合が強固になる。また、材料コストが高く作業に時間を要する機械式継手が、PCa壁2及びPCa柱3間の接合に不要であるため、接合構造1は、コストが低く、施工スピードが速い。
図3は、接合構造1の変形例を示す。変形例に係る接合構造1は、PCa柱3の凹部12の深さが深くなっている点等で上記実施形態と異なる。
凹部12の底は、PCa柱3の中心よりも深く、帯筋11におけるPCa壁2とは反対側の部分よりも内側に位置する。また、凹部12への充填材4の充填状態を確認するため、少なくとも一部の凹部12に対して、その底の近傍に連通する確認孔14が、第2コンクリート部分9の側面から設けられている。確認孔14は、PCa壁2の厚さ方向に延在することが好ましい。確認孔14内は、充填材4で充填されている。
横筋7の突出部13の長さを凹部12の深さに応じて長くすることにより、突出部13のPCa柱3に対する定着長が長くなるため、横筋7のPCa柱3への定着力が高まる。なお、確認孔14は、変形例のように凹部12が比較的深い場合だけでなく、上記の実施形態のように凹部12が比較的浅い場合に設けてもよい。
図4及び図5は、第2実施形態に係る接合構造21を示す。第1実施形態と共通する構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。第2実施形態に係る接合構造21は、PCa柱22に横筋7に継がれる定着筋23を有する点で、第1実施形態と異なる。図4では、図1と同様に柱主筋10の図示を省略している。
定着筋23の中間部は、横筋7に平行に第2コンクリート部分9内に埋設され、定着筋23におけるPCa壁2側の端部24は、凹部12から突出し、横筋7の突出部13と空き重ね継手を構成して、充填材4に埋設されている。定着筋23を設けることにより、横筋7及び定着筋23間に応力が伝達しやすくなるため、横筋7のPCa柱22への定着力が高まる。定着筋23をPCa壁2の厚さ方向に隣り合うように1対設け、ダブル配筋された横筋7の突出部13に当接させて重ね継手としてもよい。横筋7がシングル配筋の場合は、定着筋23と横筋7とは、空き重ね継手でもよいが、互いが当接する重ね継手が好ましい。
第1実施形態及び第2実施形態の何れにおいても、突出部13の形状は、図6のように変更できる。図6(A)に示す突出部13は直線状であり、図6(B)に示す突出部13はフック状である。図6(C)に示す突出部13の先端には定着金物25が取り付けられている。また、図6(D)は、PCa壁2の平面図であり、横筋7がダブル配筋であり、互いにPCa壁2の厚さ方向に隣接する1対の突出部13,13が、平面視でハ字状をなしている。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。PCa壁は耐震壁以外の壁に適用されてもよい。第1実施形態の変形例における確認孔を第2実施形態の接合構造に適用してもよい。
1,21:接合構造
2:PCa壁
3,22:PCa柱
4:充填材
5:第1コンクリート部分
5a:接合面
6:縦筋
7:横筋
9:第2コンクリート部分
10:柱主筋
11:帯筋
12:凹部
13:突出部
14:確認孔
23:定着筋
24:定着筋の端部
25:定着金物
2:PCa壁
3,22:PCa柱
4:充填材
5:第1コンクリート部分
5a:接合面
6:縦筋
7:横筋
9:第2コンクリート部分
10:柱主筋
11:帯筋
12:凹部
13:突出部
14:確認孔
23:定着筋
24:定着筋の端部
25:定着金物
Claims (5)
- PCa壁とPCa柱との接合構造であって、
前記PCa壁は、その外形の主要部を画成するとともに前記PCa柱を向いた接合面を有する第1コンクリート部分と、前記接合面から突出する突出部を有する横筋とを有し、
前記PCa柱は、その外形の主要部を画成する第2コンクリート部分と、前記第2コンクリート部分に埋設された柱主筋及び帯筋とを有し、
充填材が、前記PCa壁及び前記PCa柱間を充填しており、
前記第2コンクリート部分は、互いに隣接する前記帯筋間に設けられて前記突出部を受容する凹部を有し、前記突出部の突出端は、前記帯筋よりも前記PCa柱の内側に位置することを特徴とする接合構造。 - 前記PCa柱は、前記PCa壁側が前記凹部から突出して前記横筋の前記突出部と重ね継手を構成する定着筋を有することを特徴とする請求項1に記載の接合構造。
- 前記凹部の上面は、前記PCa壁側に向かうにつれて上方に向かうように傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の接合構造。
- 前記PCa柱は、少なくとも一部の前記凹部に対して、前記第2コンクリート部分の側面から前記凹部の底の近傍に連通する確認孔を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の接合構造。
- 前記突出部の先端には定着金物が取り付けられ、及び/又は、前記突出部は、直線状、前記突出端側が底となるU字状若しくはフック状をなし、若しくはダブル配筋された前記横筋において互いに前記PCa壁の厚さ方向に隣接する1対の前記突出部が、平面視でハ字状をなすことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の接合構造。
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