JP6235509B2 - シェッドとその施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、山沿いの道路や鉄道用軌道を落石、土砂崩落及び雪崩等から防護するためのシェッドとその施工方法に関する。
従来、特許文献1に示すように、道路の幅方向に複数の横梁が架設され、この横梁間に複数の頂版部材を架設して成る保護用シェッドがあった。頂版部材の裏面には補強リブが形成され、上面側に受ける衝撃に対する曲げ抵抗力を向上させている。また、頂版部材の長さ方向の両端部は、隣り合う横梁の上面に係合する係止突条が形成され、隣り合う頂版部材の間の目地シールド(目地からの漏水の防止など)を容易にしている。
実開昭59−73409号公報
しかし、特許文献1の保護用シェッドは、上面側に受ける衝撃に対する耐力性能や目地シールドの性能が共に十分とは言えず、これらの性能を向上させるには、重量や厚みが大きくなり、支柱間隔も狭いものとなり、コストもかかるものであった。従って、より強度が高く、しかも安価で施工性も良好な構造が求められていた。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、現場での施工が容易で、土砂崩落等の衝撃に対してより高い強度を有するシェッドとその施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、山の斜面に沿って設けられた通路を防護するシェッドであって、前記通路上方に前記通路の幅方向に配され、前記通路の長さ方向に所定の間隔を空けて設置された複数の受け梁と、前記各受け梁の上面間に複数のプレキャスト床版を架設することによって前記通路上方を覆う床版層と、前記床版層の上面に打設された現場打ちコンクリート層とを備え、前記プレキャスト床版は、略長方形のコンクリート本体と、前記コンクリート本体の下面を覆う被覆板と、前記コンクリート本体内に立てて配された補強用のプレートとで構成され、前記コンクリート本体は、この被覆板を型枠にして形成され、前記受け梁の上面に架設された状態で、前記プレートが前記各受け梁間に架設されるシェッドである。
前記プレートの上端部は、前記コンクリート本体の上面から突出し、前記通路の幅方向に並ぶ複数の前記プレキャスト床版は、前記プレートの前記上端部又はその近傍同士が、連結部材で相互に固定されていることが好ましい。また、前記プレートの上端部は、前記コンクリート本体の上面から突出し、前記通路の長さ方向に並ぶ複数の前記プレキャスト床版は、前記プレートの前記上端部又はその近傍同士が、連結部材で相互に固定されていることが好ましい。
また、前記プレートには、前記プレートと交差する向きに複数の補助部材が延設され、前記各補助部材は、一部が前記コンクリート本体の上面から突出していても良い。この場合、前記複数の補助部材の中の特定の補助部材に、吊り上げ移送用のロープを固定するためのロープ取り付け部が設けられていることが好ましい。さらに、前記コンクリート本体の上面から突出している前記補助部材の部分同士が、連結部材で相互に固定されていることが好ましい。
また、前記プレートは、下端部がフランジ状に形成され強度が高められていることが好ましい。さらに、前記プレートの下端部のフランジ状の上面に複数の補強用鉄筋が配置され、前記コンクリート本体は、この前記複数の補強用鉄筋及び前記プレートの下端部が埋まっている部分がモルタルで成り、その他の部分がコンクリートで成ることが好ましい。
前記被覆板は、その内側面が前記プレートの下端部に接合され支持されることが好ましい。さらに、前記被覆板の内側面に複数のスタッドが立設され、この複数のスタッドが前記コンクリート本体内に埋まって嵌合し、前記被覆板が前記コンクリート本体に密接していることが好ましい。
また、前記プレキャスト床版は、前記コンクリート本体の前記プレートが配されていない部分が、他の部分よりも薄い薄肉部になっていることが好ましい。さらに、前記プレキャスト床版は、側端面に係合部及び受け部が設けられ、前記床版層が形成された状態で、前記プレキャスト床版の前記係合部又は前記受け部が他の前記プレキャスト床版の前記受け部又は係合部にそれぞれ係合することによって、複数の前記プレキャスト床版が前記通路の幅方向又は長さ方向に連続することが好ましい。
また本発明は、山の斜面に沿って設けられた通路上方であって前記通路の幅方向に設置するとともに、前記通路の長さ方向に所定の間隔を空けて、複数の受け梁を設置し、前記各受け梁の上面間に複数のプレキャスト床版を架設して成る床版層を、前記通路上方に設置し、前記床版層の上面に現場打ちコンクリート層打設するシェッドの施工方法において、
前記プレキャスト床版を、略長方形のコンクリート本体と、前記コンクリート本体の下面を覆う被覆板と、前記コンクリート本体内に立てて配された補強用のプレートとで構成し、前記被覆板を型枠にして前記プレキャスト床版の前記コンクリート本体を形成し、前記受け梁の上面に前記プレキャスト床版を架設して前記プレートを前記各受け梁間に架設するシェッドの施工方法である。
本発明のシェッドによれば、個々のプレキャスト床版の構造、各プレキャスト床版を連結部材で一体化させる構造、及び現場打ちコンクリート層を設ける構造などを組み合わせた独特の構成により、落石、土砂崩落及び雪崩等の衝撃に対する耐力性能が高いシェッドを実現することができる。これにより、支柱間隔をより広く取ることも可能となり、さらに道路等の通路への漏水も防止しやすいシェッドを得ることもできる。
また、本発明のシェッド及びその施工方法によれば、床版層は工場で製作された複数のプレキャスト床版を使用する構造なので、山間地の現場で行う作業は、受け梁の設置、必要数のプレキャスト床版の敷設、現場打ちコンクリート層の打設等の比較的容易な作業だけとなり、シェッドを効率よく施工することができ、工期を短縮することができる。
本発明のシェッドの一実施形態を示す断面図(a)、正面図(b)である。 図1のA部を拡大した図(a)、現場打ちコンクリート層を透視した図(b)である。 この実施形態に使用されるプレキャスト床版の外観を示す正面図(a)、平面図(b)、及び側面を拡大した図(c)である。 図3のプレキャスト床版のコンクリート本体を透視した正面図(a)、平面図(b)、及び側面を拡大した図(c)である。 図3のプレキャスト床版を敷設して連結部材で連結した状態を示す平面図、右側面図及び正面図である。 この実施形態に使用されるプレキャスト床版の第一の変形例の外観を示す正面図(a)、平面図(b)、及び側面を拡大した図(c)である。 図6のプレキャスト床版のコンクリート本体を透視した正面図(a)、平面図(b)、及び側面を拡大した図(c)である。 図6のプレキャスト床版を敷設して連結部材で連結した状態を示す平面図、右側面図及び正面図である。 この実施形態に使用されるプレキャスト床版の第二の変形例の外観を示す正面図(a)、平面図(b)、及び側面を拡大した図(c)である。 図9のプレキャスト床版のコンクリート本体を透視した正面図(a)、平面図(b)、及び側面を拡大した図(c)である。 図9のプレキャスト床版を敷設して連結部材で連結した状態を示す平面図、右側面図及び正面図である。 この実施形態に使用されるプレキャスト床版の第三の変形例の外観を示す正面図(a)、平面図(b)である。 図12のプレキャスト床版の側面を拡大した図である。 図12のプレキャスト床版のコンクリート本体を透視した正面図(a)、平面図(b)である。 図14のA1−A1断面を拡大した図(a)、A2−A2断面を拡大した図(b)、A3−A3断面を拡大した図(c)、A4−A4断面を拡大した図(d)である。 この実施形態に使用されるプレキャスト床版の第四の変形例を示す側面図である。 図3のプレキャスト床版を敷設したときの側面図(a)、プレキャスト床版の第五の変形例を敷設したときの側面図(b)、プレキャスト床版の第六の変形例を敷設したときの側面図(c)である。
以下、本発明とその施工方法のシェッドの一実施形態について、図1〜図5に基づいて説明する。この実施形態のシェッド10は、図1に示すように、山の斜面Sに沿って設けられた通路T(道路、鉄道用軌道等)に設置され、通路Tを土砂崩落や雪崩から防護するものである。
シェッド10は、通路Tの上方に複数の受け梁12が設けられている。受け梁12は、太い角柱状のコンクリート材であり、それぞれ通路Tの幅方向に配され、通路Tの長さ方向に所定の間隔を空けて設置されている。各受け梁12は、山の斜面S側の端部が支持壁14の上端部で支持され、反対側の端部が複数の支柱16の上端部により個別に支持されている。ここでは例えば、通路Tの幅が10mであり、受け梁12の長さが約11m、複数の受け梁12のピッチが約6mに設定されている。
受け梁12の上方には、通路Tの上方を覆う床版層20が設けられ、床版層20は、図1、図2に示すように、複数のプレキャスト床版22を用いて形成される。プレキャスト床版22は、図3、図4に示すように、コンクリート本体24、これを補強するためのプレート26、及びコンクリート本体24の下面を覆う被覆板28等で構成され、あらかじめ工場で製作され、山間地の現場に搬送される。
コンクリート本体24は、平面視で略長方形の外形を有し、長辺は、両端部を一対の受け梁12の間に架設できる長さに設定され(例えば約6m)、短辺は、受け梁12の長さ方向に切りよく並べられる長さに設定され(例えば約0.75mで通路Tの幅方向に14本が並ぶ)、厚みは強度等を考慮した所定の値に設定されている(例えば約0.25m)。
プレート26は強靱な金属板等で成り、長方形の板状本体26aを有し、長手方向と平行な両端部が上下方向に位置するように配置される。即ち、プレート26は、長手方向が水平方向であって、板面が鉛直方向に設置されている。プレート26の上端部26b及び下端部26cにはフランジ状部分が設けられ、大きな断面二次モーメントを有した縦断面形状に形成されている。つまり、プレート26を設けることで、主にプレキャスト床版22の、床面に対して垂直方向の力(土砂崩落等の衝撃)に対する、床面の長手方向に対する曲げ抵抗力及びせん断抵抗力を向上させることができる。プレート26の長さは、コンクリート本体24の長辺とほぼ等しいか、コンクリート本体24から突出しない程度に若干短く、下端部26cから上端部26bまでの高さは、コンクリート本体24の厚みより高く(例えば約0.33m)、コンクリート本体24の上面から上端部26bが突出している。突出長さは、後述する現場打ちコンクリート層34中に上端部26bが位置する程度である。プレート26の上端部26bがコンクリート本体24の上面から突出している理由については後で述べる。
コンクリート本体24には、2つの薄肉部24aが設けられている。薄肉部24aは、第一プレート26がない部分の下面側部分を、プレート16に沿って溝状に凹ませることによって設けられている。薄肉部24aの厚みは、例えば全体厚みの約1/4程度である。これにより、コンクリート本体24の体積を小さくし、プレキャスト床版22の軽量化やコストダウンを図っている。
被覆板28は鉄板等であり、コンクリート本体24の下面に沿って密着し、下面全体を覆っている。さらに、内側面がプレート26の下端部26cに溶接等でしっかり接合されている。被覆板28は、土砂崩落による衝撃を吸収し、プレキャスト床版22の耐力性能を高めるとともに、コンクリート本体24の一部が通路Tに剥落するのを防止する。また、プレキャスト床版22を製作する際、コンクリート本体24を打設するための型枠として利用される
現場で床版層20を組み立てるときは、図2に示すように、受け梁12の上面に必要数のプレキャスト床版22を敷設して通路Tの上方を覆う。そして、通路Tの幅方向(受け梁12の長さ方向)に並ぶ複数のプレキャスト床版22を一体化させるため、図5に示すように、各コンクリート本体24の上面から突出しているプレート26の上端部26bを、鉄筋等である複数の連結部材30を介して相互に固定する。このように連結部材30で固定することによって、通路Tの幅方向に並ぶプレキャスト床版22間のせん断抵抗力を向上させることができる。
次に、通路Tの長さ方向に並ぶ複数のプレキャスト床版22を一体化させるため、各コンクリート本体24の上面から突出しているプレート26の上端部26bを、鉄筋等である複数の連結部材32を介して相互に固定する。このように連結部材32で固定することによって、通路Tの長さ方向に並ぶプレキャスト床版22間のせん断抵抗力を向上させることができる。さらに図5に示す構造では、複数の連結部材30も、連結部材33を介して相互に固定している。連結部材33は、連結部材32と同様の働きをする。
床版層20の上面には、現場打ちコンクリート層34が設けられている。現場打ちコンクリート層34は、プレート26及び連結部材30,32,33の全体が埋まるように打設する(厚みは、例えば約0.12m)。現場打ちコンクリート層34を設けることによって、シェッド10の強度が向上すると共に、敷設されたプレキャスト床版22間の目地をシールドすることができる。また、現場打ちコンクリート層34内に、床版層20のプレート26の上側部分が嵌合する形になるので、現場打ちコンクリート層34と床版層20の結合力を強くすることができる。
以上説明したように、シェッド10によれば、個々のプレキャスト床版22の構造、各プレキャスト床版22を連結部材30,32,33で一体化させる構造、床版層20の上面に現場打ちコンクリート層34を設ける構造などを組み合わせた独特の構成により、落石、土砂崩落及び雪崩等の衝撃に対する耐力性能が高いので、支柱16の間隔を従来の構造と比較して広く取ることができ、シェッド10の軽量化も可能である。さらに、通路Tへの漏水やコンクリート本体24の剥落も防止しやすいシェッドを得ることができる。
また、床版層20は工場で製作された複数のプレキャスト床版22を使用する構造なので、山間地の現場で行う作業は、受け梁12の設置、必要数のプレキャスト床版22の敷設、現場打ちコンクリート層34の打設などの比較的容易な作業だけとなり、シェッド10を効率よく施工することができ、工期を短縮することができる。
次に、プレキャスト床版22の6種変形例について、図6〜図17に基づいて順に説明する。ここで、上記のプレキャスト床版22と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
第一の変形例であるプレキャスト床版36は、図6に示すように、プレキャスト床版22の構成に加え、プレート26に、その板面方向とほぼ直角に交差する向きに複数の補助部材38が貫通して延設されている。補助部材38は、所定長さに寸法切りされた鉄筋であり、図7に示すように、プレート26の板状本体26aに形成された透孔に挿通され、中央部38aが透孔に溶接等により接合され、板状本体26aとほぼ直角に固定されている。中央部38aはコンクリート本体24内に配され、両側の端部38bは、途中で上向きに屈曲してコンクリート本体24の上面から突出している。
現場で床版層20を組み立てるときは、上記と同様に、受け梁12の上面に必要数のプレキャスト床版36を敷設して通路Tの上方を覆う。そして、通路Tの幅方向(受け梁12の長さ方向)に並ぶ複数のプレキャスト床版36を一体化させるため、図8に示すように、各コンクリート本体24の上面から突出しているプレート26の上端部26bを、複数の連結部材30を介して相互に固定する。このように連結部材30で固定することによって、通路Tの幅方向に並ぶプレキャスト床版36間のせん断抵抗力を向上させるとともに、プレキャスト床版36の幅方向における曲げ抵抗力を向上させることができる。
次に、通路Tの長さ方向に並ぶ複数のプレキャスト床版36を一体化させるため、各コンクリート本体24の上面から突出しているプレート26の上端部26bを、鉄筋等である複数の連結部材32を介して相互に固定し、複数の補助部材38の端部38bも、連結部材33を介して相互に固定する。このように連結部材32,33で固定することによって、通路Tの長さ方向に互いに平行に並ぶプレキャスト床版36のせん断抵抗力及び曲げ抵抗力を向上させることができる。
以上説明したように、プレキャスト床版36によれば、床版層20のせん断抵抗力及び曲げ抵抗力を向上させることができる。また、床版層20の上面に現場打ちコンクリート層34を設けたとき、現場打ちコンクリート層34内に、プレート26の上側部分だけでなく補助部材38の端部38bも嵌合する形になるので、現場打ちコンクリート層40と床版層20の結合力を、上記のプレキャスト床版22の場合よりも、さらに強くすることができる。
第二の変形例であるプレキャスト床版40は、図9に示すように、プレキャスト床版22の構成に加え、プレート26とほぼ直角に交差する向きに複数の補助部材42が設けられている。補助部材42は、所定長さに寸法切りされた鉄筋であり、図10に示すように、中央部42aがプレート26の上端部26bの上面に接合され、板状本体26aとほぼ直角に固定されている。両側の端部42bは、途中で下向きに屈曲してコンクリート本体24内に配され、中央部38aがコンクリート本体24の上面から突出している。現場で床版層20を組み立てる作業は、コンクリート床版22の場合と同様であり、図11に示すように組み立てられる。
プレキャスト床版40によれば、床版層20の上面に現場打ちコンクリート層34を設けたとき、現場打ちコンクリート層34内に、プレート26の上側部分だけでなく補助部材42の中央部42aも嵌合する形になるので、現場打ちコンクリート層34と床版層20の結合力を、上記のプレキャスト床版22の場合よりも、さらに強くすることができる。
第三の変形例であるプレキャスト床版44は、図12、図13に示すように、上記のプレキャスト床版22を、長手方向と直交する方向に2つ並べて合体させ、さらに、対向するプレート26を板状の補助部材46,48で相互に連結した構造を有している。
補助部材46,48は、図14及び図15(b)、(c)に示すように、ほぼ同じ略長方形であり、長手方向の両端部が、プレート26(1),26(2)の上端部26b(1),26b(2)及びその下方部分に係合する形状になっている。特に、補助部材48は、両端部にロープ取り付け部48aが設けられている点にも特徴がある。被覆板28(1),28(2に)は、図15(a)〜(d)に示すように、内側面に複数のスタッド50(1),50(2)が立設されている。
次に、工場でプレキャスト床版44を製作する方法の一例を説明する。まず、図15(a)に示すように、2つの被覆板28(1),28(2)を複数の固定具52(例えば、ボルトとナット)で相互に固定し、被覆板28(1),28(2)の内側にプレート26(1),26(2)を取り付ける。そして、プレート26(1),26(2)の長手方向の複数の位置を相互に連結するため、補助部材46,48を溶接等の方法で取り付ける。
この後、被覆板28(1)を補強するため、図15(b)、(d)に示すように、被覆板28(1)の一対の側面同士を連結する連結バー54(1)を取り付け、プレート26(1)と被覆板28(1)の一側面を連結する連結バー56(1)を取り付ける。同様に、被覆板28(2)の一対の側面同士を連結する連結バー54(2)を取り付け、プレート26(2)と被覆板28(2)の一側面を連結する連結バー56(2)を取り付ける。その後、被覆板28(1),28(2)の内側にコンクリートを打設してコンクリート本体24(1),24(2)を形成し、プレキャスト床版44が完成する。
完成したプレキャスト床版44は、図12、図13に示すように、補助部材46,48の下側部分がコンクリート本体24(1),24(2)内に配され、上側部分及びロープ取り付け部48aがコンクリート本体24(1),24(2)の上面から突出している。
現場で床版層20を組み立てる作業は、上記のコンクリート床版22の場合と同様であるが、コンクリート床版44の場合、補助部材48の両端部にロープ取り付け部48aが設けられているので、プレキャスト床版44を受け梁12の上面に敷設する際、クレーン等で吊り上げて移送するのに便利である。
プレキャスト床版44によれば、床版層20の上面に現場打ちコンクリート層34を設けたとき、現場打ちコンクリート層34内に、プレート26の上側部分だけでなく補助部材46,48の上側部分も嵌合する形になるので、現場打ちコンクリート層34と床版層20の結合力を、上記のプレキャスト床版22の場合よりも、さらに強くすることができる。また、プレキャスト床版44を使用すれば、プレキャスト床版22よりも床版の数が少なくなるので、床版層20を施工する作業をさらに効率よく行うことができる。
また、被覆板28(1),28(2)が連結バー54(1),56(1),54(2),56(2)及び補助部材46,48で補強されているので、被覆板28(1),28(2)を型枠にしてコンクリート本体24(1),24(2)を形成するとき、被覆板28(1),28(2)が変形しにくい。さらに、被覆板28(1),28(2)の内側面のスタッド50(1),50(2)がコンクリート本体24(1),24(2)の内側に埋まって嵌合するので、被覆板28(1),28(2)がコンクリート本体24(1),24(2)から剥がれ難く、プレキャスト床版44の曲げ強度も高くなる。
第四の変形例であるプレキャスト床版58は、図16に示すように、プレキャスト床版44の構成に加え、プレート26(1),26(2)の下端部26(1),26(2)のフランジ状の上面に、複数の補強用鉄筋60(1),60(2)が配置されている。また、被覆板28(1),28(2)を型枠にしてコンクリート本体24(1),24(2)を形成するとき、補強用鉄筋60が埋まる位置まではモルタル62(1),62(2)が打設され、残りの部分に高強度のコンクリート64が打設されている。
プレキャスト床版58によれば、プレート26(1),26(2)の下端部26(1),26(2)が補強用鉄筋60(1),60(2)によって補強されているので、土砂崩落等の衝撃を受けて大きな張力がかかる引っ張り側の断面係数をより大きくすることができる。また、モルタル62(1),62(2)は流動性が高いので、複数の補強用鉄筋60(1),60(2)の狭い隙間まで十分に流れ込み、補強用鉄筋60(1),60(2)の周囲に空洞ができるのを防止することができる。
第五の変形例であるプレキャスト床版66は、図17(b)に示すように、コンクリート本体24の長手方向と直交する方向の幅が2倍に形成されたもので、外形が大きいので補強用のプレート26が2列設けられ、プレート26間が薄肉部24aとして設けられている。被覆板68は、コンクリート本体24の下面の形状に合わせ、被覆板28の2倍の幅を有している。
このプレキャスト床版68を使用して床版層20を形成すると、図12(a)に示すプレキャスト床版22を使用する場合よりも、床版の数が少なくなるので、床版層20を施工する作業をさらに効率よく行うことができる。
第六の変形例であるプレキャスト床版70は、図17(c)に示すように、2つの薄肉部24aの側端面に係合部72と受け部74が一対に設けられている。係合部72は、薄肉部24aの下面側を切り欠いた段差部分であり、受け部74は、薄肉部24aの上面側を切り欠いた段差部分である。また、コンクリート本体24の下面の形状に合わせ、新たな被覆板76が設けられている。
このプレキャスト床版70を使用して床版層20を形成すると、各プレキャスト床版70の係合部72又は受け部74が、隣のプレキャスト床版70の受け部72又は係合部74に係合し、複数のプレキャスト床版48が通路Tの幅方向に連続する。したがって、プレキャスト床版48の位置決めが容易であり、床版層20の漏水防止の効果も向上する。
なお、本発明のシェッドは、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、シェッド10の構成を説明する中で例示した具体的な数値(各部材の寸法、プレキャスト床版に設けるプレートの数など)は、設置環境、通路の大きさ、作業の効率性等に鑑みて適宜変更できるものである。
シェッド全体として狙いの強度が得られる場合、連結部材、選択的に省略することができる。また、現場打ちコンクリート層と床版層との結合力が十分得られる場合は、補助部材を省略してもよいし、プレートの上側部分をコンクリート本体の上面から突出させなくてもよい。反対に、プレキャスト床版の強度を上げるため、コンクリート本体を直方体状にして薄肉部を省略してもよい。また、プレキャスト床版に一対の係合部及び受け部を設ける場合、上記のように長手方向の2つの側端面に設けてもよいし、短手方向の2つの側端面に設けてもよい。
また、上記の構成に加え、現場打ちコンクリート層の上面に緩衝用の発泡スチロール層や敷砂層等を付設してもよい。
10 シェッド
12 受け梁
20 床版層
22,36,40,44,58,66,70 プレキャスト床版
24 コンクリート本体
24a 薄肉部
26 プレート
26a 板状本体
26b 上端部
26c 下端部
28,68,76 被覆板
30,32,33 連結部材
34 現場打ちコンクリート層
38,42,46,48 補助部材
38a,42a 中央部
38b,42b 端部
50 スタッド
60 補強用鉄筋
62 モルタル
64 コンクリート
72 係合部
74 受け部
S 山の斜面
T 通路

Claims (13)

  1. 山の斜面に沿って設けられた通路を防護するシェッドにおいて、
    前記通路上方に前記通路の幅方向に配され、前記通路の長さ方向に所定の間隔を空けて設置された複数の受け梁と、前記各受け梁の上面間に複数のプレキャスト床版を架設することによって前記通路上方を覆う床版層と、前記床版層の上面に打設された現場打ちコンクリート層とを備え、
    前記プレキャスト床版は、略長方形のコンクリート本体と、前記コンクリート本体の下面を覆う被覆板と、前記コンクリート本体内に立てて配された補強用のプレートとで構成され、前記コンクリート本体はこの被覆板を型枠にして形成され前記受け梁の上面に架設された状態で、前記プレートが前記各受け梁間に架設されることを特徴とするシェッド。
  2. 前記プレートの上端部は、前記コンクリート本体の上面から突出し、
    前記通路の幅方向に並ぶ複数の前記プレキャスト床版は、前記プレートの前記上端部又はその近傍同士が、連結部材で相互に固定されている請求項1記載のシェッド。
  3. 前記プレートの上端部は、前記コンクリート本体の上面から突出し、
    前記通路の長さ方向に並ぶ複数の前記プレキャスト床版は、前記プレートの前記上端部又はその近傍同士が、連結部材で相互に固定されている請求項1記載のシェッド。
  4. 前記プレートには、前記プレートと交差する向きに複数の補助部材が延設され、前記各補助部材は、一部が前記コンクリート本体の上面から突出している請求項1記載のシェッド。
  5. 前記複数の補助部材の中の特定の補助部材に、吊り上げ移送用のロープを固定するためのロープ取り付け部が設けられている請求項4記載のシェッド。
  6. 前記コンクリート本体の上面から突出している前記補助部材の部分同士が、連結部材で相互に固定されている請求項4又は5記載のシェッド。
  7. 前記プレートは、下端部がフランジ状に形成されている請求項1乃至6のいずれか記載のシェッド。
  8. 前記プレートの下端部のフランジ状の上面に複数の補強用鉄筋が配置され、
    前記コンクリート本体は、この前記複数の補強用鉄筋及び前記プレートの下端部が埋まっている部分がモルタルで成り、その他の部分がコンクリートで成る請求項7記載のシェッド。
  9. 前記被覆板は、その内側面が前記プレートの下端部に接合され支持されている請求項1記載のシェッド。
  10. 前記被覆板の内側面に複数のスタッドが立設され、この複数のスタッドが前記コンクリート本体内に埋まって嵌合し、前記被覆板が前記コンクリート本体に密接している請求項1又は9記載のシェッド。
  11. 前記プレキャスト床版は、前記コンクリート本体の前記プレートが配されていない部分が、他の部分よりも薄い薄肉部になっている請求項1乃至6のいずれか記載のシェッド。
  12. 前記プレキャスト床版は、側端面に係合部及び受け部が設けられ、
    前記床版層が形成された状態で、前記プレキャスト床版の前記係合部又は前記受け部が他の前記プレキャスト床版の前記受け部又は係合部にそれぞれ係合することによって、複数の前記プレキャスト床版が前記通路の幅方向又は長さ方向に連続する請求項1乃至6のいずれか記載のシェッド。
  13. 山の斜面に沿って設けられた通路上方であって前記通路の幅方向に設置するとともに、前記通路の長さ方向に所定の間隔を空けて、複数の受け梁を設置し、前記各受け梁の上面間に複数のプレキャスト床版を架設して成る床版層を、前記通路上方に設置し、前記床版層の上面に現場打ちコンクリート層打設するシェッドの施工方法において、
    前記プレキャスト床版を、略長方形のコンクリート本体と、前記コンクリート本体の下面を覆う被覆板と、前記コンクリート本体内に立てて配された補強用のプレートとで構成し、前記被覆板を型枠にして前記プレキャスト床版のコンクリート本体を形成し、
    前記受け梁の上面に、前記プレキャスト床版を架設することを特徴とするシェッドの施工方法。
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