JP6400032B2 - シェッド - Google Patents

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Description

本発明は、山沿いの道路や鉄道用軌道を落石や土砂崩落等から防護するためのシェッドに関する。
落石等の衝撃がシェッドの特定部分に集中すると、その特定部分だけで強い衝撃を吸収する必要がある。そうすると、落石等をどの部分で受けてもよいように、シェッド全体を極めて衝撃緩衝性の高い構造にしなければならず、コストが高くなってしまう。したがって、十分な衝撃耐量を確保してコストも抑えるためには、特定部分に加わった衝撃力を分散させ、広い領域で効率よく吸収する構造であることが好ましい。
従来、例えば特許文献1に開示されているように、シェッドの頂版上に樹脂発泡成形体を設置し、その上に補強コンクリート版(鉄筋コンクリート版等)を打設し、その上に、樹脂発泡成形体又は砂等の緩衝材を設置した荷重軽減構造があった。この構造によれば、上面に落石等を受けると、まず受けた衝撃力を上部の樹脂発泡成形体又は砂で緩和し、次にある程度緩和された衝撃力を補強コンクリート版で分散させ、さらに下部の樹脂発泡成形体により衝撃力が緩和される。
また、特許文献2に開示されているように、衝撃吸収材(発泡スチロール等)の母材中に分散材をメッシュ状に埋設した軽量ブロック体を複数用意し、これらを縦横方向に敷設することにより形成された緩衝ブロックがあった。分散材は、各種の金網、エキスパンドメタル、有孔板等が用いられる。この緩衝ブロックによれば、母材上面の特定位置に落石等を受けると、メッシュの一部に作用した衝撃エネルギーが、連続性を有するメッシュの全体に分散して伝えられ、非衝突範囲の母材の衝撃吸収性能により減衰される。
特開平7−300818号公報 特開平9−310314号公報
しかし、特許文献1の荷重軽減構造の場合、補強コンクリート版は硬くて脆いので、一度落石等を受けると、補強コンクリート版のコンクリート材が損傷し(割れや亀裂等が発生し)、衝撃分散性及び衝撃吸収性が大幅に低下してしまう。したがって、例えば落石等が複数回連続した場合、2〜3回目以降の落石等に対しては、設計上の衝撃緩和性能が期待できないものである。また、落石等を受けた後、補強コンクリート版が破損した部分を撤去したり補修したりする作業が非常に面倒である。
また、特許文献2の緩衝ブロックは、分散材を埋設した軽量ブロック体を工場等で製作し、これを山間地の現場に搬送して敷設することにより形成される。したがって、軽量ブロック体の搬送を容易にするため、分散材は、金網、エキスパンドメタル、有孔板のような軽量物である必要があり、分散材の剛性をあまり高くすることができない。したがって、落石等の衝撃が一定以上の強さになると、分散材が過度に変形したり破断したりするおそれがあり、十分な衝撃分散性が期待できない。したがって、この緩衝ブロックは、強い衝撃が想定される大規模シェッドには適さないものである。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、現場での施工や補修が容易で、強い衝撃に対しても優れた緩衝緩和性能を発揮できるシェッドを提供することを目的とする。
本発明は、山の斜面に沿って設けられた通路の上方を覆う屋根部と、前記屋根部上に設置され、斜面落下物を受けたときに前記屋根部に加わる衝撃を和らげる衝撃緩和部とを備えたシェッドであって、前記衝撃緩和部には、衝撃吸収用の緩衝材層と、衝撃分散及び吸収用の格子層とが設けられ、前記緩衝材層及び前記格子層は、前記緩衝材層の上層に前記格子層が位置するように交互に重り、前記格子層は、格子状に配した複数の角型パイプで構成され、格子状の交点の部分が互いに接合した状態で一体化しているシェッドである。
前記複数の角型パイプは、矩形断面の高さ寸法が互いに等しく、前記格子層は、特定の前記角型パイプの側面に他の前記角型パイプの端面が接合して格子を形成し、前記格子層の上面及び下面が、それぞれ面一になっている構成であることが好ましい。
前記格子層は、複数の格子部材を敷設した層であり、隣り合う前記格子部材の端部同士が相互に連結されている構成にしてもよい。また、前記緩衝材層は、複数の樹脂発泡成形体を敷設した層であり、前記格子層と前記緩衝材層は、溶接金網で形成された金網層を介して重なっている構成にしてもよい。さらに、前記衝撃緩和部には、最も上側の前記緩衝材層及び前記格子層の上面を覆う保護層が設けられている構成にしてもよい。
本発明のシェッドは、比較的高い衝撃耐量が求められる大規模なシェッドに好適な構成であり、衝撃吸収用の緩衝材層と衝撃分散及び吸収用の格子層とを有し、斜面落下物の種類や大きさ、想定される衝撃のエネルギー等に合わせ、衝撃緩和部の衝撃緩衝性と衝撃分散性をバランスよく設定することができる。
特に、格子層を構成する角型パイプは、一定以上の剛性を有しながら適度に変形することができるという特徴があり、角型パイプの太さや格子の目の粗さを変更することによって、格子層全体の剛性及び変形のしやすさを自由に調節することができる。したがって、格子層と緩衝材層との組み合わせにより、衝撃緩衝性及び衝撃分散性をバランスよく向上させることができ、高い衝撃緩和性能が求められる大規模シェッド等を低コストに構成することができる。
また、格子層は、複数の角型パイプを使用して軽量化されているので、現場での施工が容易である。また、適当な大きさの格子部材の単位で取り扱うことによって、トラックによる現場への搬送も容易であり、落石等を受けた後、破損した部分を撤去したり補修したりする作業も容易に行うことができる。
本発明のシェッドの一実施形態を示す断面図(a)、正面図(b)である。 図1(a)のA部を拡大した図(a)、現場打ちコンクリート層を透視した図(b)である。 この実施形態で使用されるプレキャスト床版の外観を示す正面図(a)、平面図(b)、側面を拡大した図(c)である。 図3のプレキャスト床版のコンクリート本体を透視した正面図(a)、平面図(b)、側面を拡大した図(c)である。 図3のプレキャスト床版を敷設して連結部材で連結した状態を示す平面図、右側面図及び正面図である。 この実施形態で使用される緩衝材層を示す平面図である。 この実施形態で使用される格子層を示す平面図である。 図7の格子層を構成する格子部材を示す平面図(a)、右側面図(b)、正面図(c)、B−B断面図(d)、C−C断面図(e)である。 この実施形態の変形例を示す図であって、緩衝材層と格子層との間に設けられた金網層を示す平面図である。
以下、本発明のシェッドの一実施形態について、図面に基づいて説明する。この実施形態のシェッド10は、図1(a)、(b)に示すように、山の斜面Sに沿って設けられた通路T(道路、鉄道用軌道等)に設置され、通路Tを落石や土砂崩落から防護するものである。なお、図1(b)では、囲い壁40を省略してある。
シェッド10は、通路Tの上方に複数の受け梁12が設けられている。受け梁12は、太い角柱状のコンクリート材であり、それぞれ通路Tの幅方向に配され、通路Tの長さ方向に所定の間隔を空けて設置されている。各受け梁12は、山の斜面S側の端部が支持壁14の上端部で支持され、反対側の端部が複数の支柱16の上端部で個別に支持されている。例えば、通路Tの幅は10mであり、受け梁12の長さが約11m、複数の受け梁12のピッチが約6mに設定されている。
受け梁12の上方には、通路Tの上方を覆う屋根部18が設けられ、屋根部18は、床版層20の上面に現場打ちコンクリート層34を重ねた2層構造になっている。床版層20は、図2(a)、(b)に示すように、複数のプレキャスト床版22を用いて形成される。なお、図2(a)、(b)では、衝撃緩和部42を省略してある。
プレキャスト床版22は、図3、図4に示すように、コンクリート本体24、これを補強するためのプレート26、及びコンクリート本体24の下面を覆う被覆板28等で構成され、あらかじめ工場で製作され、山間地の現場に搬送される。
コンクリート本体24は、平面視で略長方形の外形を有し、長辺は、両端部を一対の受け梁12の間に架設できる長さに設定され(例えば約6m)、短辺は、受け梁12の長さ方向に切りよく並べられる長さに設定され(例えば約0.75mで通路Tの幅方向に14本が並ぶ)、厚みは、強度等を考慮した所定の値に設定されている(例えば約0.25m)。
プレート26はH鋼材等の強靱な金属板等で成り、長方形の板状本体26aを有し、その上端部26b及び下端部26cがフランジ状に形成され、大きな断面二次モーメントを有した縦断面形状に形成されている。つまり、プレート26を設けることで、主にプレキャスト床版22の、床面に対して垂直方向の力(落石等の衝撃)に対する長手方向の曲げ抵抗力及びせん断抵抗力を向上させることができる。プレート26の長さは、コンクリート本体24の長辺とほぼ等しいか、コンクリート本体24から突出しない程度に若干短く、下端部26cから上端部26bまでの高さは、コンクリート本体24の厚みより高く(例えば約0.33m)、コンクリート本体24の上面から上端部26bが突出している。突出長さは、後述する現場打ちコンクリート層34中に上端部26bが位置する程度で、例えば約0.08m程度である。プレート26の上端部26bがコンクリート本体24の上面から突出している理由については後で述べる。
コンクリート本体24には、2つの薄肉部24aが設けられている。薄肉部24aは、プレート26がない部分の下面側を、プレート26に沿って溝状に凹ませることによって設けられている。薄肉部24aの厚みは、例えば全体厚みの約1/4である。これにより、コンクリート本体24の体積を小さくし、プレキャスト床版22の軽量化やコストダウンを図っている。
被覆板28は鉄板等であり、コンクリート本体24の下面に沿って密着し、下面全体を覆っている。さらに、内側面がプレート26の下端部26cに溶接等によりしっかり接合されている。被覆板28は、落石等による衝撃を吸収し、プレキャスト床版22の耐力性能を高めるとともに、コンクリート本体24の一部が通路Tに剥落するのを防止する。また、プレキャスト床版22を製作する際、コンクリート本体24を打設するための型枠として利用してもよい。
現場で床版層20を組み立てるときは、図2(a)、(b)に示すように、受け梁12の上面に必要数のプレキャスト床版22を敷き並べて通路Tの上方を覆う。そして、通路Tの幅方向に並ぶ複数のプレキャスト床版22を一体化させるため、図5に示すように、各コンクリート本体24の上面から突出しているプレート26の上端部26bを、鉄筋等の連結部材30を介して相互に固定する。このように連結部材30で固定することによって、通路Tの幅方向に並ぶプレキャスト床版22間のせん断抵抗力を向上させることができる。
次に、通路Tの長さ方向に並ぶ複数のプレキャスト床版22を一体化させるため、各コンクリート本体24の上面から突出しているプレート26の上端部26bを、鉄筋等の複数の連結部材32を介して相互に固定する。このように連結部材32で固定することによって、通路Tの長さ方向に並ぶプレキャスト床版22間のせん断抵抗力を向上させることができる。さらに図6では、複数の連結部材30も、連結部材33を介して相互に固定している。連結部材33は、連結部材32と同様の働きをする。
床版層20の上面には、屋根部18の上側の層である現場打ちコンクリート層34が設けられている。現場打ちコンクリート層34は、プレート26及び連結部材30,32,33の全体が埋まるように打設されている(厚みは、例えば約0.12m)。現場打ちコンクリート層34を設けることによって、屋根部18の強度が向上すると共に、敷設されたプレキャスト床版22間の目地をシールドすることができる。また、現場打ちコンクリート層34内に、床版層20のプレート26の上側部分が嵌合する形になるので、現場打ちコンクリート層34と床版層20の結合力を強くすることができる。
この屋根部18の構造は、落石や土砂崩落等の衝撃に対する耐力性能が高いので、支柱16の間隔を広く取ることができ、屋根部18の軽量化も可能である。さらに、通路Tへの漏水も防止しやすいという特徴がある。また、現場で行う作業は、受け梁12の設置、必要数のプレキャスト床版22の敷設、現場打ちコンクリート層34の打設などの比較的容易な作業だけとなり、効率よく施工することができる。
屋根部18の支柱16側の端部には、図1(a)に示すように、衝撃緩和部42の側面を支える囲い壁40が立設されている。
屋根部18の上面には、落石等を受けたときに屋根部18に加わる衝撃を和らげる衝撃緩和部42が設けられている。衝撃緩和部42は、衝撃吸収用の緩衝材層44と、衝撃分散及び吸収用の格子層46とで構成され、緩衝材層44と格子層46は2層ずつ設けられ、最上層が格子層46になるように交互に重なっている。
緩衝材層44は、図6に示すように、複数の樹脂発泡成形体44aを屋根部18の上面に切れ目なく敷き並べることにより形成される。樹脂発泡成形体44aは、発泡スチロール、発泡ウレタン、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)発泡体等、衝撃吸収効果が大きい素材が好適である。
格子層46は、図7に示すように、複数の格子部材48により構成されている。格子部材48は、外形が長方形(例えば、縦横が約5m×2m)で、図8(a)〜(e)に示すように、4種類の角型パイプ50a,50b,50c,50dで構成されている。角型パイプ50a,50b,50c,50dは、ともに断面矩形の鋼管等であり、断面の高さ寸法は同じ(例えば、100mm)である。断面の幅寸法は、角型パイプ50a,50bの場合は高さ寸法の約1/2で、角型パイプ50c,50dの場合は高さ寸法の約1倍になっている。また、外枠部を構成する角型パイプ50a,50bの側面には、複数の透孔52が形成されている。
格子部材48の構造を詳しく説明すると、一対の角型パイプ50bは、両端部同士が一対の角型パイプ50aにより連結され、端部より内側の部分同士が一対の角型パイプ50cにより連結されている。また、一対の角型パイプ50cの端部より内側の部分同士が複数の角型パイプ50dにより連結され、さらに各角型パイプ50cの端部より内側の部分が、それぞれに対向する角型パイプ50aの端部より内側の部分に、複数の角型パイプ50dにより連結されている。各部の連結は、特定の角型パイプの側面に他の角型パイプの端面を当接させて溶接することにより行われている。したがって、格子部材48の上面及び下面は、それぞれ面一になっている。格子部材48は、工場で製作された後、山間地の現場に搬送される。
格子層46は、図7に示すように、平坦な緩衝材層44の上面に複数の格子部材48を切れ目なく敷き並べ、隣り合う格子部材48の端部同士を相互に連結することにより形成される。格子部材48同士を連結する方法は特に限定されないが、ここでは、対応する一対の透孔52にボルト等を通して締結することにより行っている。これで、格子層46の上面及び下面が、それぞれ面一に形成される。
衝撃緩和部42は、図1(a)、(b)に示すように、屋根部18の上面に、緩衝材層44(1)、格子層46(1)、緩衝材層44(2)、格子層46(2)の順に敷設される。この状態で、格子層46(1)は、下面全体が緩衝材層44(1)の上面にほぼ均等に当接し、上面全体が緩衝材層44(2)の下面にほぼ均等に当接する。同様に、格子層46(2)も、下面全体が緩衝材層44(2)の上面にほぼ均等に当接する。
さらに衝撃緩和部42には、格子層46(2)及び最も上側の緩衝材層である緩衝材層44(2)の上面を覆う保護層54が設けられている。保護層54は、例えば敷砂であり、敷砂は、落石等の衝撃を吸収するとともに、緩衝材層44(2)を遮光して保護する働きをする。敷砂は、一部又は全部が格子層46(2)の格子の内側に収容されるので、風雨を受けても移動しにくく、敷砂の状態(砂の量、層の厚みの均等性)が変化しにくい。なお、保護層54は敷砂以外の構成でもよく、例えば、袋状の内側にコンクリートを注入して硬化させた薄い布製型枠や、遮光性に優れたシート材等を使用してもよい。
シェッド10は、落石等を衝撃緩和部42の上面に受けると、まず、敷砂である保護層54により衝撃エネルギーの一部が吸収され、格子層46(2)の特定部分に作用した衝撃力が格子層4格子層46(2)全体に分散される。そして、角型パイプ50a〜50dが適度に変形して格子層46(2)が下向きに凹むことにより、分散された衝撃力による衝撃エネルギーの一部が格子層46で吸収され、残りが緩衝材層44(2)に伝達される、このとき、格子層46(2)の下面全体が緩衝材層44(2)の上面に均等に当接しているので、緩衝材層44(2)に対する衝撃力の伝達が非常に効率よく行われ、確実に衝撃エネルギーを吸収する。そして、緩衝材層44(2)の広い範囲で衝撃力を受け、効果的に衝撃エネルギーが吸収される。
緩衝材層44(2)で吸収しきれなかった衝撃エネルギーは、その下側の格子層46(1)の上面に作用する。そして、格子層46(1)と緩衝材層44(1)において同様の動作が行われ、衝撃力がさらに分散し、衝撃エネルギーが吸収され、屋根部18に加わる衝撃力が大幅に緩和される。
シェッド10の衝撃緩和部42は、1組の格子層46及び緩衝材層44を2段に重ねた構造にしているが、さらに衝撃緩和性能を向上させるため3段以上に増やしてもよい。また、性能が過剰であれば1段に減らしてもよい。
以上説明したように、シェッド10は、比較的高い衝撃耐量が求められる大規模なシェッドに好適であり、衝撃吸収用の緩衝材層44と、衝撃分散及び吸収用の格子層46とを有し、斜面落下物の種類(落石、土砂、雪等)や大きさ、想定される衝撃のエネルギー等に合わせ、衝撃緩和部42の衝撃緩衝性と衝撃分散性をバランスよく設定することができる。
特に、格子層46を構成する角型パイプ50a〜50dは、一定以上の剛性を有しながら適度に変形することができるという特徴があり、角型パイプ50a〜50dの太さや断面の縦横寸法の比、格子の目の粗さを変更することによって、格子層46全体の剛性及び変形のしやすさを自由に調節することができる。したがって、格子層46と緩衝材層44との組み合わせにより、衝撃緩衝性及び衝撃分散性をバランスよく向上させることができ、高い衝撃緩和性能が求められる大規模シェッド等を低コストに構成することができる。ただし、施工現場ごとに専用の格子部材を設計するのは手間が掛かるので、あらかじめタイプが異なる複数の格子部材を用意しておき、施工現場ごとに適切なタイプを選択できるようにしておくことが好ましい。
また、格子層46は、複数の角型パイプ50a〜50dを使用して軽量化されているので、現場での施工が容易である。また、適当な大きさの格子部材48の単位で取り扱われるので、トラックによる現場への搬送も容易であり、落石等を受けた後、破損した部分を撤去したり補修したりする作業も容易に行うことができる。
なお、本発明のシェッドは、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、シェッド10の場合、緩衝材層44と格子層46とが直接重なっているが、図9に示す金網層54を介して重ねてもよい。金網層54は、長尺の鋼線(例えば、直径8mm)を格子状に配し、交点を溶接した溶接金網により形成されている。緩衝材層44は、複数の樹脂発泡成形体44aを連結せずに敷き並べている。金網層54は、各樹脂発泡成形体44aの表面に少し食い込むことにより(又は接触摩擦により)、複数の樹脂発泡成形体44aを相互に連結する働きをする。例えば、特定の樹脂発泡成形体44aが衝撃力を受けて変形すると、隣接する樹脂発泡成形体44aも金網層54に引っ張られて一緒に変形するので、特定の樹脂発泡成形体44aが受けた衝撃力を複数の樹脂発泡成形体44aで吸収することができ、緩衝材層44の衝撃吸収性をさらに向上させることができる。なお、金網層54は一定の剛性を有しているので、ある程度の衝撃分散性が期待できるが、衝撃の分散は格子層46によって良好に行われるので、金網層54の剛性はそれほど強くする必要はない。金網層54は、衝撃緩衝部42の軽量化、施工の容易性、経済性等を重視し、適宜の溶接金網を使用するのが好ましい。さらに、少なくとも緩衝材層の上側に格子層が位置する構造であれば良く、さらにその上層に適宜の緩衝材層があっても良い。
また、上記の受け梁12、支持壁14、支柱16及び屋根部18の構成は、その他の公知な構成に置き換えてもよい。また、保護層は、必要に応じて省略してもよい。
緩衝材層は、上記の樹脂発泡成形体44aを敷き並べた緩衝材層44の形態に限定されず、一定の衝撃吸収性が得られるものであれば、例えば、多数の廃タイヤ等を敷き並べた構成にしてもよい。
格子部材は、上面及び下面がそれぞれ面一になった構造が好ましいが、コストダウンのため、縦方向の角型パイプの上に横方向の角型パイプを重ねて接合する構造(一般的な溶接金網の構造)にしてもよい。また、格子部材の外形は、搬送用のトラックの荷台の大きさや屋根部の形状等に合わせ、自由に変更することができる。また、上記の格子部材48は、外枠部(角型パイプ50a,50b)を設け、隣接する格子部材48同士の連結を容易にしたり、衝撃分散性能を向上させたりしているが、外枠部が必要なければ省略してもよい。
また、格子層は、格子部材を使用せずに施工してもよい。例えば、工場で格子部材を製作せず、現場に角型パイプを搬送し、屋根部の上で角型パイプを組み立てることによって一体の格子層を形成してもよい。
10 シェッド
18 屋根部
42 衝撃緩和部
44,44(1),44(2) 緩衝材層
44a 樹脂発泡成形体
46,46(1),46(2) 格子層
48 格子部材
50a,50b,50c,50d 角型パイプ
54 金網層
S 斜面
T 通路

Claims (5)

  1. 山の斜面に沿って設けられた通路の上方を覆う屋根部と、前記屋根部上に設置され、斜面落下物を受けたときに前記屋根部に加わる衝撃を和らげる衝撃緩和部とを備えたシェッドにおいて、
    前記衝撃緩和部には、衝撃吸収用の緩衝材層と、衝撃分散及び吸収用の格子層とが設けられ、前記緩衝材層及び前記格子層は、前記緩衝材層の上側に前記格子層が位置するように交互に重り、
    前記格子層は、格子状に配した複数の角型パイプで構成され、格子状の交点の部分が互いに接合した状態で一体化していることを特徴とするシェッド。
  2. 前記複数の角型パイプは、矩形断面の高さ寸法が互いに等しく、
    前記格子層は、特定の前記角型パイプの側面に他の前記角型パイプの端面が接合して格子を形成し、前記格子層の上面及び下面が、それぞれ面一になっている請求項1記載のシェッド。
  3. 前記格子層は、複数の格子部材を敷設した層であり、隣り合う前記格子部材の端部同士が相互に連結されている請求項1又は2記載のシェッド。
  4. 前記緩衝材層は、複数の樹脂発泡成形体を敷設した層であり、
    前記格子層と前記緩衝材層は、溶接金網で形成された金網層を介して重なっている請求項1又は2記載のシェッド。
  5. 前記衝撃緩和部には、前記格子層及び最も上側の前記緩衝材層の上面を覆う保護層が設けられている請求項1又は2記載のシェッド。
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CN111236099A (zh) * 2020-03-19 2020-06-05 中铁第一勘察设计院集团有限公司 防落石棚洞顶部的可拼装刚柔组合缓冲结构

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