JP6930513B2 - 有機物の合成装置および合成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機物の合成装置および合成方法に関し、特に製鉄所において排出される副生ガスから有機物を合成する装置および方法に関するものである。
製鉄所においては、コークス炉、高炉、転炉等の設備から副生ガスと呼ばれるガスが発生する。この副生ガスには、水素(以下、「H」とも言う。)、一酸化炭素(以下、「CO」とも言う。)、メタン(以下、「CH」とも言う。)といった燃料として利用可能な成分のほかに、窒素(以下、「N」とも言う。)、二酸化炭素(以下、「CO」とも言う。)が含有されている。特に、高炉炉頂から排出される高炉ガスは、体積では製鉄所から排出される副生ガスの8割を占めるとともに、製鉄所から排出されるCOの約4割がここに含まれている。また、COあるいはCHは、所内の加熱炉や熱風炉、コークス炉において燃料として使用されてCOとして排出される。
最近のCO排出削減の要請から、COを分離回収する技術の開発が多方面で行われており、化学吸収法を筆頭として様々な手法が提案されている。その中でも、圧力スイング吸着法(以下、「PSA法」とも言う。)は、分離回収に要する動力が比較的小さいこと、常温での運転が可能な場合が多いこと、時間当たりで数千Nm程度の比較的大規模なガス処理も可能であることから、有用な技術の一つである。
PSA法は、活性炭やゼオライトといった、ガスの種類によって吸着の強さが異なる材料(吸着剤)を充填した吸着塔に、複数種類のガスからなる混合ガスを原料ガスとして導入することにより、吸着剤に比較的吸着しやすいガス成分(通常複数のガス種である)と、比較的吸着しづらいガス成分(これも通常複数のガス種である)とを分離する方法である。通常は、原料ガスの導入を所定時間行うことによって、原料ガス中の吸着しやすいガス成分を吸着剤に吸着させるとともに吸着しづらいガス成分を吸着塔からオフガスとして排出する、「吸着工程」と称する工程と、その後に、上記のガス導入時よりも吸着塔内を減圧することによって吸着したガス成分を脱着させて回収するとともに、吸着剤のガス吸着性能の再生を行う、「脱着工程」と称する工程をそれぞれ所定時間毎に繰り返すことにより、ガスの分離操作を繰り返すことが可能となる。
ここで、分離したい原料ガスに含まれる各種ガス成分の吸着剤への吸着性能にあまり差がない場合、例えば同じガス分圧での吸着量が数十倍程度の差しかない場合には、分離されたガスも、先述のように複数種のガス成分を含む混合ガスであることが多い。このため、例えば、高炉ガスのようなCOとCOやNを含む混合ガスを活性炭やゼオライトを用いてガス成分毎に分離させると、COを主成分としてCOやNも多少含んだガスと、それ以外のガスに分離されることが多い。
また、一方で製鉄所内ではHも利用されており、コークス炉ガス(Hを55体積%程度含む)を原料として、PSA法によって分離されている。
ところで、先述のように分離されたCOを、化学反応によって有用な物質に転換して再利用するCCU(Carbon Capture and Utilization)と呼ばれる手法の開発が昨今さかんになされている。その一つとして、下記の式(1)で表されるCOとHとの反応によるメタノール(CHOH)合成がある。
[化1]
CO+3H ⇔ CHOH+HO (1)
上記メタノール合成は、平衡上では低温である方が有利である。しかしながら、低温では反応速度が低下するため、実際には200℃程度以上の温度で反応させることが必要である。また、反応器内ではCOとHとの反応で生成するメタノールおよび水が反応を抑制するために、通常、この反応でのCOが反応する割合(以下、転化率と表す)は、せいぜい10%程度であった。
そのため、COとHとからメタノールを合成する反応器から出た後のガスを冷却してメタノールと水を液化させ、さらに気液分離器でこれらを分離し、未反応のCOおよびHを反応器に戻して循環させることによって、原料ガスの転化率を向上させる操作が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
この操作では、各原料ガスの純度が99〜100体積%の場合(メタノール合成の原料となるCOおよびH以外の不純物成分をほとんど含まない)であれば問題ないが、原料ガスを高純度化することが必要であるため、コストの増大は避けられない。また、高純度化するためのエネルギーを多く消費するため、高純度化自体によるCOの排出量が増えてしまい、CO排出量の削減効果が低下する課題を有している。
また、原料ガス中に反応に寄与しない不純物成分(例えばN)が多く含まれる場合、上述したようなプロセスではガスを再循環させるたびに不純物成分が蓄積し、反応転化率を低減させてしまう。そのため、通常は、循環されるガスの一部を系外に排出して、不純物成分の蓄積を回避する必要がある。ただし、この操作を行うと、メタノールの原料となるCOおよびHも排出されてしまうため、損失となる。
そこで、原料としてより高価であるHの損失を最小化するために、未反応ガスを、水素ガスを高濃度化する工程に戻すことによりHを回収し、回収したHをメタノール合成工程に戻す手法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2003−526631号公報 特許第5738658号公報
特許文献2に記載された方法では、未反応ガスに含まれるH以外の成分を除去することが可能であるため、原料ガスの純度は特許文献1に記載された方法に比べて低く抑えることができる。また、Hが循環するために追加で供給する(以下、「メークアップ」とも言う。)Hガスの量を低減することができる。しかしながら、製鉄所の副生ガスのようなCOおよびH以外のガスも多く含むガスを原料とするためには、特許文献2に記載された方法ではまだ不十分である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来よりもより省エネルギーのプロセスによって、製鉄所において排出される副生ガスから有機物を合成する装置および方法を提案することにある。
上記課題を解決する本発明は、以下の通りである。
[1]製鉄所において排出される副生ガスから有機物を合成する装置であって、
前記副生ガスと水蒸気とを水性ガスシフト反応させる水性ガスシフト反応手段と、
前記水性ガスシフト反応後のガスから、二酸化炭素を主成分として含むガスおよび水素を主成分として含むガスを分離する原料ガス分離手段と、
分離された前記二酸化炭素を主成分として含むガスと前記水素を主成分として含むガスとを反応させて有機物を合成する二酸化炭素水素化反応手段と、
前記有機物を合成した後のガスを液化させて前記有機物を含む反応生成物と未反応ガスとに分離する生成物液化分離手段と、
前記未反応ガスを前記原料ガス分離手段に戻す配管と、
を備え、前記未反応ガスを前記原料ガス分離手段と前記生成物液化分離手段との間を循環させながら、前記副生ガスに含まれる二酸化炭素および水素から前記有機物を合成することを特徴とする有機物の合成装置。
[2]前記水性ガスシフト反応手段の前段に、前記副生ガスを精製するガス精製手段をさらに備える、前記[1]に記載の有機物の合成装置。
[3]前記原料ガス分離手段は、圧力スイング吸着式または温度スイング吸着式の装置である、前記[1]または[2]に記載の有機物の合成装置。
[4]前記原料ガス分離手段によって前記二酸化炭素を主成分として含むガスおよび前記水素を主成分として含むガスが分離された残りのガスを、製鉄所において排出される副生ガスの母管に戻す配管、または製鉄所において排出される副生ガスから水素を分離する水素分離手段に供給する配管をさらに備える、前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の有機物の合成装置。
[5]製鉄所において排出される副生ガスから有機物を合成する方法であって、
前記副生ガスと水蒸気とを水性ガスシフト反応させる水性ガスシフト反応工程と、
前記水性ガスシフト反応後のガスから、二酸化炭素を主成分として含むガスおよび水素を主成分として含むガスを分離する原料ガス分離工程と、
分離された前記二酸化炭素を主成分として含むガスと前記水素を主成分として含むガスとを反応させて有機物を合成する二酸化炭素水素化反応工程と、
前記有機物を合成する反応後のガスを液化させて前記有機物を含む反応生成物と未反応ガスとを分離する生成物液化分離工程と、
を含み、
前記未反応ガスを前記原料ガス分離工程に戻して前記未反応ガスを前記原料ガス分離工程と前記生成物液化分離工程との間を循環させながら、前記副生ガスに含まれる二酸化炭素および水素から前記有機物を合成することを特徴とする有機物の合成方法。
[6]前記水性ガスシフト反応工程の前段に、前記副生ガスを精製するガス精製工程をさらに含む、前記[5]に記載の有機物の合成方法。
[7]前記原料ガス分離工程は、圧力スイング吸着法または温度スイング吸着法により行う、前記[5]または[6]に記載の有機物の合成方法。
[8]前記原料ガス分離工程によって前記二酸化炭素を主成分として含むガスおよび前記水素を主成分として含むガスが分離された残りのガスを、製鉄所において排出される副生ガスの母管に戻す、または製鉄所において排出される副生ガスから水素を分離する水素分離手段に供給する、前記[5]〜[7]のいずれか一項に記載の有機物の合成方法。
本発明によれば、従来よりもより省エネルギーのプロセスによって、製鉄所において排出される副生ガスから有機物を合成することができる。
本発明よる有機物の合成方法の好適な実施形態のフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明による有機物の合成方法の好適な実施形態のフロー図を示している。まず、製鉄所内で発生する副生ガス(高炉ガス、コークス炉ガス、転炉ガス等、および、それらの混合ガス)を、このガスを送るガス母管より分岐した配管によってガス精製手段1に導入し、副生ガスを精製する(ガス精製工程)。
ガス精製手段1は、ガスを送るための送ガス装置、ガス中に含まれるダストやミストを除去する装置のほか、硫黄分を除去する装置を含む。副生ガスに含まれるダストやミストは、ガス精製手段1より後段の各手段において装置内部を閉塞させるおそれがあるため、除去することが好ましい。特に限定されないが、副生ガスに含まれるダストおよびミストの含有量は、合計で1mg/Nm以下とすることが好ましい。
また、副生ガスに含まれる硫黄分は、後述する水性ガスシフト反応手段2において使用される触媒の反応性に影響を与えるため、除去することが好ましい。例えば、触媒として銅−亜鉛系の触媒を使用する際には、副生ガスに含まれる硫黄分は3ppm以下とすることが好ましい。
こうしてガス精製手段1においてダストやミスト、硫黄分を除去して精製された副生ガスaを水性ガスシフト反応手段2に導入し、副生ガスaと水蒸気とを混合して水性ガスシフト反応させる(水性ガスシフト反応工程)。水性ガスシフト反応手段2は、ガス加熱装置、水蒸気を導入してガスに混合させるための配管、水性ガスシフト反応させるための触媒が充填された反応器、およびガス冷却装置、および冷却したガスから凝縮した水分を除去する気液分離器を含む。
なお、水性ガスシフト反応とは、下記の式(2)で示される反応で一酸化炭素と水から二酸化炭素と水素を生成する反応である。この反応により、副生ガスaに含まれる二酸化炭素と水素の濃度を高めることができる。
[化2]
CO+HO ⇔ CO+H (2)
ガス加熱装置は通常、後段の冷却装置も兼ねる熱交換器および反応温度までガス温度を上昇させる加熱装置からなる。原料ガスである副生ガスと水蒸気との混合ガスの温度は、反応器に充填される触媒や副生ガスと水蒸気との混合ガスの流量/触媒体積比(通常、「SV」と称する。)等によって異なる。
また、触媒は、上記の水性ガスシフト反応を生じさせることができるものであれば、任意の触媒を使用することができる。例えば、銅−亜鉛系触媒や鉄系、ニッケル系の触媒を使用することができる。これらのいずれの触媒を使用した場合にも、SVが高くなる条件では反応をより高温で行う必要がある。例えば、銅−亜鉛系の触媒を用いる場合、SVが1200hr−1程度では温度を300℃程度に制御することが好ましい。
反応器から排出されたガスは、前述した熱交換器で副生ガスと熱が交換され、さらに水分が凝縮する温度にまで冷却された後、気液分離器で水分が分離される。水分をどの程度除去するかは、後段の原料ガス分離手段3がどのような手法に基づくものであるかで異なる。例えば、原料ガス分離手段3が圧力スイング吸着法(PSA法)に基づくものであり、かつ、吸着剤にゼオライトのような水分が吸着性能に影響する剤を使用した場合には、副生ガスに含まれる大部分の水分を除去することが好ましい。
上記水分を除去する方法としては、ガスを冷却する方法、および水分を吸着する剤を使用する方法が挙げられるが、通常は両者を併用した方法が使用される。例えば、原料ガス分離手段3において吸着剤に13X型ゼオライトを使用する場合には、少なくともガスの露点が−30℃以下となるよう水分を低減することが好ましい。
続いて、水性ガスシフト反応手段2から排出された上記反応後のガスbを原料ガス分離手段3に導入し、COを主成分(例えば、CO濃度が70体積%以上)とするガスc、Hを主成分(例えば、H濃度が70体積%以上)とするガスc、およびその他のガスcにそれぞれ分離する(原料ガス分離工程)。その際、後述する生成物液化分離工程において分離された未反応ガスgも、原料ガス分離手段3に導入する。原料ガス分離手段3は、ガスbを加圧してガス分離装置に送る送ガス手段(ブロア等)、ガスbから必要とする成分を分離するガス分離装置、およびガス分離装置を減圧脱気するガス排気手段(真空ポンプ等)を含む。また、原料ガス分離手段3には、後述する生成物液化分離手段5において分離された未反応ガスgを導入する配管が接続されている。
ガス分離装置としては、COおよびHを主成分とするガスをそれぞれ分離可能な装置であれば、膜分離法や吸着法等に基づくいずれのものでも使用できる。中でも、COを主成分とするガスcと、Hを主成分とするガスcを同じ装置で分離できることから、吸着法に基づく装置が好適である。
吸着法は、前述したように、吸着剤(活性炭、ゼオライト等)に対する各ガス成分の吸着力の差を利用した分離であり、通常、Hは最も吸着し難い一方、COは最も吸着し易い。そのため、吸着剤を充填した吸着塔にガスを通気させると、Hは吸着し難いため、吸着剤にあまり吸着することなく吸着塔から比較的短時間で流出する。一方、COは吸着剤に吸着しやすいため、真空ポンプ等によって塔内を減圧することによって吸着剤から脱着させて回収する。こうした吸着法に基づくガス分離手段3としては、圧力スイング吸着式または温度スイング吸着式のガス分離装置を用いることができる。
それぞれのガスの純度はある程度任意に設定可能であるが、後述する二酸化炭素水素化反応工程における効率を考慮すると、COとHの混合ガス状態において、反応に寄与しない不純物の濃度が1〜10体積%であることが好ましい。不純物ガスの濃度が1体積%未満の場合には、分離の条件が厳しくなる(高加圧、高減圧が必要となる等)とともに、元の混合ガスbから回収できる量が少なくなってしまい、効率が低下する。また、不純物の濃度が10体積%を超える場合には、後述の二酸化炭素水素化反応工程において反応の効率が低下する。
さらに、原料ガス分離工程では、HあるいはCOを主成分とするガス以外のガスcも分離される。このガスcについては、製鉄所の副生ガスの母管へ戻す、あるいは製鉄所内に通常併設されている水素PSA装置等の水素分離手段(図視せず)に供給する等の用途が考えられ、C2の熱量あるいは水素濃度により適宜決定すればよい。
続いて、原料ガス分離手段3によって分離された、Hを主成分とするガスc、およびCOを主成分とするガスcを二酸化炭素水素化手段4に導入し、Hを主成分とするガスcと、COを主成分とするガスcとを反応させて有機物を合成する(二酸化炭素水素化反応工程)。
二酸化炭素水素化手段4は、ガスcおよびcを数百kPaA〜数MPaAまで加圧して送風する装置(圧縮ポンプ等)、および二酸化炭素を水素化させるための触媒を充填した反応器を含む。二酸化炭素の水素化反応により合成される有機物としては、メタンやメタノール等が挙げられる。例えば、有機物がメタノールの場合には、上述した式(1)の反応によって二酸化炭素と水素とが反応し、メタノールおよび水分(水蒸気)が生成される。
[化3]
CO+3H ⇔ CHOH+HO (1)
上記式(1)から分かるように、COとHとの反応式での比率は1:3であり、この比率となるよう原料ガスを調整することが好ましい。前述した原料ガス分離手段3によって分離された、Hを主成分とするガスcと、COを主成分とするガスcとを、ガスcの量を調節して上記比率で混合してもよいが、できるだけ多くのCOを水素化するために、Hを主成分とするガスcのみでは不足する場合には、別途Hを製鉄所内あるいは外部より調達したH(d)を用いてメークアップし、ガスの体積比を調整することが好ましい。反対に、COがガスcのみでは不足する場合には、別途調達したCO(d)を用いてメークアップすることが好ましい。
反応器に充填される触媒としては、式(1)の反応を生じさせるものであれば特に限定されないが、例えば銅−亜鉛系の触媒等が使用可能である。反応における圧力は、101kPaA〜10MPaAにする。圧力が低い場合には反応が進まないため、高圧であるほど望ましいが、加圧動力が高くなるため好ましくない。そのため、反応における圧力は、1MPaA〜5MPaA程度が好適である。
また、温度は、銅−亜鉛系の触媒では150〜300℃程度が好ましく、200℃前後がより好ましい。温度が150℃未満では、式(2)の反応速度が遅くなるため、好ましくない。一方、温度が300℃を超えると、平衡が逆反応の方向に優勢となるため、却って非効率的である。
なお、前述したように、この反応器での転化率はそれほど高くないため、二酸化炭素水素化手段4から排出されたガスは、反応生成物であるメタノール等の有機物、水、および原料であるCOやH等の未反応ガスの混合物である。
続いて、二酸化炭素水素化手段4から排出された、有機物を合成する反応(二酸化炭素水素化反応工程)後のガスeを生成物液化分離手段5に導入し、反応生成物である有機物(メタノール等)fおよび水fと、それ以外の未反応ガスgに分離する(生成物液化分離工程)。生成物液化分離手段5は、ガスeを冷却する装置、凝縮液化した反応生成物f、fとそれ以外の未反応ガスgとを分離する気液分離装置、および水fと有機物(メタノール等)fとを分離する装置を含む。
生成物液化分離手段5において分離された未反応ガスgには未反応のCOやHが含まれるため、従来の技術においては、二酸化炭素水素化手段4や水素分離手段(図示せず)に戻される。未反応ガスgを二酸化炭素水素化手段4に戻す場合、不純物ガスが蓄積されていくため、COおよびHの濃度が低下して反応効率が低下する。
上記反応効率の低下を避けるためには、一定量の未反応ガスgを二酸化炭素水素化手段4に戻す途中で排出する必要がある。このような排出による損失を抑制するために、本発明においては、未反応ガスgを水性ガスシフト反応手段2と原料ガス分離手段3との間(すなわち、原料ガス分離手段3)に戻す。これにより、余分な不純物ガスが原料ガス分離手段3において分離され、二酸化炭素水素化手段4において不純物ガスが蓄積するのを回避できる。
また、未反応ガスgを水素分離手段(図示せず)に戻す場合には、Hは回収可能であるが、有機物のもう1つの原料であるCOを廃棄することになる。そのため、原料ガス分離手段3として、HおよびCOの双方を回収可能な手法に基づくものを採用するのが好ましい。
こうして、製鉄所副生ガスからCOおよびHを原料ガス分離手段で過度に高濃度化することなく反応原料ガスとするとともに、未反応ガスからこれらを回収することによって、新たに追加するHガスやCOガスも最小化して、従来よりも、より省エネルギーのプロセスによって有機物を合成することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されない。
(発明例1)
高炉から排出された高炉ガスを除塵および脱硫して精製した(ガス精製工程)。精製された高炉ガス(CO:22体積%、CO:24体積%、N:51体積%、H:3体積%)を水蒸気(水蒸気/高炉ガス流量比=2:1)とともに、銅−亜鉛系の触媒を充填して300℃に加熱した反応管に常圧で流通させた(水性ガスシフト反応工程)。反応後のガスの組成は、CO:31体積%、CO:1体積%、N:34体積%、H:18体積%、HO:16体積%であった。この反応後のガスを冷却し、水分を吸着する性能を有する吸着剤に通気させて水分をほぼ除去した。得られたガスの組成は、CO:37体積%、CO:1体積%、N:41体積%、H:21体積%であった。
上述のように水分を除去したガスと、後述する二酸化炭素水素化反応工程後の未反応ガスとを混合し、ガス吸着用の活性炭(粒状白鷺)を充填させた吸着塔に150kPaAの圧力で通気して、COやN等を吸着させてHを主成分とするガスを得た。また、その後に吸着塔を真空ポンプで6kPaAまで減圧させて吸着したガス成分を脱着させて回収し、COを主成分とするガスを得た(原料ガス分離工程)。
これらのガスを混合し、さらに外部から調達したHを添加してCOとHの比を1:3となるように調整して5MPaAに加圧し、200℃に温度調整した銅−亜鉛系の水素化反応触媒を充填した触媒層に流通させ、メタノールを合成した(二酸化炭素水素化反応工程)。反応後のガスを冷却し、凝縮した液体成分を除去回収したガスを未反応ガスとして前述のPSA装置に戻した。こうして、未反応ガスを原料ガス分離工程と生成物液化分離工程との間を循環させながら、高炉ガスに含まれるCOおよびHからメタノールを合成した。
上述のメタノールの合成プロセスにおいては、二酸化炭素水素化反応工程において、外部からCOを添加せず(すなわち、COのメークアップ率(メークアップCO量/水素化反応原料中CO量)は0%)、CO:H=1:3とするのに必要なHのみを添加している。その結果、Hのメークアップ率(メークアップH量/水素化反応原料中H量)は50%、高炉ガス中(シフト反応前)のCOのメタノールへの転化率は100%であった。
(発明例2)
発明例1と同様に、高炉ガスからメタノールを合成した。ただし、二酸化炭素水素化反応工程において、COのメークアップ率が28%となるように外部から調達したCOを添加し、またCO:H=1:3とするのに必要なHも外部から調達して添加した。その結果、Hのメークアップ率は30%、高炉ガス中(シフト反応前)のCOのメタノールへの転化率は100%であった。上記Hのメークアップ率は、上記組成の高炉ガスからメタノールを合成する際の最小値であることが分かった。
本発明によれば、従来よりも、より省エネルギーのプロセスによって、製鉄所において排出される副生ガスから有機物を合成することができるため、製鉄業において有用である。
1 ガス精製手段
2 水性ガスシフト反応手段
3 原料ガス分離手段
4 水素化反応手段
5 生成物液化分離手段
a 精製された副生ガス
b シフト反応後のガス
を主成分とするガス
その他のガス
COを主成分とするガス
メークアップガス(H)
メークアップガス(CO)
e 二酸化炭素水素化反応後のガス
有機物(メタノール等)
副生物(水等)
g 未反応ガス

Claims (8)

  1. 製鉄所の製鉄に用いられる設備において排出される副生ガスから有機物を合成する装置であって、
    前記副生ガスと水蒸気とを水性ガスシフト反応させる水性ガスシフト反応手段と、
    前記水性ガスシフト反応後のガスから、二酸化炭素を主成分として含むガスおよび水素を主成分として含むガスを分離する原料ガス分離手段と、
    分離された前記二酸化炭素を主成分として含むガスと前記水素を主成分として含むガスとを反応させて有機物を合成する二酸化炭素水素化反応手段と、
    前記有機物を合成した後のガスを液化させて前記有機物を含む反応生成物と未反応ガスとに分離する生成物液化分離手段と、
    前記未反応ガスを前記原料ガス分離手段に戻す配管と、
    を備え、前記未反応ガスを前記原料ガス分離手段と前記生成物液化分離手段との間を循環させながら、前記副生ガスに含まれる二酸化炭素および水素から前記有機物を合成することを特徴とする有機物の合成装置。
  2. 前記水性ガスシフト反応手段の前段に、前記副生ガスを精製するガス精製手段をさらに備える、請求項1に記載の有機物の合成装置。
  3. 前記原料ガス分離手段は、圧力スイング吸着式または温度スイング吸着式の装置である、請求項1または2に記載の有機物の合成装置。
  4. 前記原料ガス分離手段によって前記二酸化炭素を主成分として含むガスおよび前記水素を主成分として含むガスが分離された残りのガスを、製鉄所の製鉄に用いられる設備において排出される副生ガスの母管に戻す配管、または製鉄所の製鉄に用いられる設備において排出される副生ガスから水素を分離する水素分離手段に供給する配管をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機物の合成装置。
  5. 製鉄所の製鉄に用いられる設備において排出される副生ガスから有機物を合成する方法であって、
    前記副生ガスと水蒸気とを水性ガスシフト反応させる水性ガスシフト反応工程と、
    前記水性ガスシフト反応後のガスから、二酸化炭素を主成分として含むガスおよび水素を主成分として含むガスを分離する原料ガス分離工程と、
    分離された前記二酸化炭素を主成分として含むガスと前記水素を主成分として含むガスとを反応させて有機物を合成する二酸化炭素水素化反応工程と、
    前記有機物を合成する反応後のガスを液化させて反応生成物と未反応ガスとを分離する生成物液化分離工程と、
    を含み、
    前記未反応ガスを前記原料ガス分離工程に戻して前記未反応ガスを前記原料ガス分離工程と前記生成物液化分離工程との間を循環させながら、前記副生ガスに含まれる二酸化炭素および水素から前記有機物を合成することを特徴とする有機物の合成方法。
  6. 前記水性ガスシフト反応工程の前段に、前記副生ガスを精製するガス精製工程をさらに含む、請求項5に記載の有機物の合成方法。
  7. 前記原料ガス分離工程は、圧力スイング吸着法または温度スイング吸着法により行う、請求項5または6に記載の有機物の合成方法。
  8. 前記原料ガス分離工程によって前記二酸化炭素を主成分として含むガスおよび前記水素を主成分として含むガスが分離された残りのガスを、製鉄所の製鉄に用いられる設備において排出される副生ガスの母管に戻す、または製鉄所の製鉄に用いられる設備において排出される副生ガスから水素を分離する水素分離手段に供給する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の有機物の合成方法。
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