JPH059140A - 銑鉄・メタノール製造プラント - Google Patents

銑鉄・メタノール製造プラント

Info

Publication number
JPH059140A
JPH059140A JP3161601A JP16160191A JPH059140A JP H059140 A JPH059140 A JP H059140A JP 3161601 A JP3161601 A JP 3161601A JP 16160191 A JP16160191 A JP 16160191A JP H059140 A JPH059140 A JP H059140A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
combustible gas
facility
combustible
pig iron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3161601A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Fukushima
福島▲丈▼雄
Hiroaki Kaneda
博晶 金田
Masahiro Tokuda
雅寛 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP3161601A priority Critical patent/JPH059140A/ja
Publication of JPH059140A publication Critical patent/JPH059140A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/10Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions
    • Y02P10/122Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions by capturing or storing CO2

Landscapes

  • Manufacture Of Iron (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低品位炭や低品質鉄鉱石を使用できる溶融製
銑法で多量に発生する可燃性ガスを有効に利用し、経済
性を向上させること。 【構成】 溶融製銑工程で発生する可燃性ガスを原料に
して、クリーン燃料であるメタノールを製造する。ま
た、メタノール製造過程で発生する酸化度の低い可燃性
ガスを鉄鉱石還元に使用し、製銑設備の適正操業に供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銑鉄とメタノールとを
同時に製造するプラントに関する。
【0002】
【従来の技術】銑鉄の製造は従来その大半を高炉法に頼
っているが、周知のとおり高炉法では高品質の原料炭と
鉄鉱石が必要であるため、今後の原料事情悪化に備え
て、高炉法の代替として溶融製銑法が注目されてきてい
る。
【0003】溶融製銑法は、低品位炭や低品質の鉄鉱石
が使用でき、かつ高炉法で必要とされるコークスの製造
や鉄鉱石焼結などが不要のため、画期的な製銑法といわ
れているが、製銑時に膨大な量の可燃性ガスが発生する
ので、その有効利用が製銑の経済性を左右する。すなわ
ち、溶融製銑法は、発生する可燃性ガスを有効に利用で
きてはじめて、高炉法の代替法となり得る。
【0004】この有効利用方法として、日本鉄鋼協会講
演論文集「材料とプロセス」 Vol3(1990),P1
069に紹介されているように、従来は自己系内のエネ
ルギーとして使用することと一貫製鉄所の下工程のエネ
ルギー源として使用することが提案されている。しか
し、一貫製鉄所の下工程で必要とするエネルギーは、上
記文献にも紹介されているように、銑鉄1トン当り 1.0
〜2.0 Gcalであり、それだけでは溶融製銑で発生する可
燃性ガスを使い切れないので、その発生量を抑える努力
が払れている。
【0005】また、周知のように溶融製銑操作では、溶
解ガス化炉と予備還元炉を使用し、溶解ガス化炉内に石
炭、酸素含有ガス、還元鉄(一部還元された状態を含
む)、更に必要に応じ塩基性物質や水蒸気を供給して、
そのガス化炉内で溶融銑鉄を製造するとともに、一酸化
炭素と水素を主成分とする可燃性ガスを発生させ、その
可燃性ガスを予備還元炉に導入し、鉄鉱石を還元して、
上記還元鉄を製造する。この操作を効率的に行なうため
には、予備還元炉における鉄鉱石の還元率を高める必要
があるが、還元率を上げると、鉄鉱石同士がくっつき合
って(金属化鉄がくっつき合うといわれている)塊状物
を形成する、いわゆるスティッキング現象が発生する。
特に粉粒状の鉄鉱石原料を使用する流動層方式の予備還
元炉を使用する場合は、このスティッキング現象が起き
ると溶融製銑操作ができなくなる。
【0006】スティッキング現象は、使用する鉄鉱石の
種類によっても異なるが、一般に鉄鉱石の還元率が高
く、また温度が高いほど発生しやすい。そこで、溶解ガ
ス化炉の発生可燃性ガスを直ちに予備還元炉に導入する
従来の溶融製銑設備では、予備還元炉における鉄鉱石の
還元率を約70%以下に抑えるとともに、予備還元炉に
投入する可燃性ガスの温度を約850℃以下に抑えてい
た。その手段としては、溶解ガス化炉に水蒸気を吹込む
ことにより、溶解ガス化炉で発生する可燃性ガスの酸化
度(可燃性ガス中の炭酸ガス、水蒸気、一酸化炭素およ
び水素成分の濃度の総和に対する炭酸ガスと水蒸気成分
の濃度の比)を高くするとともに、その可燃性ガスの温
度を低く抑えていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術には、
次のような解決すべき課題があった。 1)溶融製銑で発生する可燃性ガスを自己系内や製鉄所
下工程のエネルギー源として使用するだけでは、その経
済的利用に限界があり、可燃性ガス発生量の多い一般炭
などの使用が困難になるので、結果として製銑の経済性
が低下する。 2)溶融製銑操作で、予備還元炉におけるスティッキン
グを防止するために還元炉内の鉄鉱石の還元率を下げる
と、鉄鉱石の還元負荷が溶解ガス化炉のみに集中し、溶
融製銑操作のフレキシビリティと銑鉄の生産速度を低下
させる。 3)また本来なら予備還元炉における鉄鉱石の還元率を
高くしたいにもかかわらず、鉄鉱石のスティッキングを
防止するために、この本来の目的を犠牲にしなければな
らない。そしてそのために、溶解ガス化炉で発生する低
酸化度の可燃性ガスに水蒸気を吹込んで、その酸化度を
上げかつ温度を下げると、溶解ガス化炉の製銑操作が困
難になるだけでなく、水蒸気を浪費する。なぜならば、
固形炭素が共存しかつ還元雰囲気にある溶解ガス化炉内
に水蒸気を吹込む場合、雰囲気温度が約1000℃以上
では、水蒸気と炭素が反応する、いわゆる水成反応など
によって、可燃性ガスの水素を富化できる利点などがあ
るが、雰囲気温度が850℃程度の低温では、反応速度
が小さく、可燃性ガスの水素富化ができないばかりでな
く、反応温度低下にともない石炭等の燃料のガス化も阻
害され、ひいては溶融製銑操作にも支障をきたす。
【0008】本発明は、上記従来の課題を解決し、溶融
製銑で発生する可燃性ガスを経済的に有効利用するとと
もに、溶融製銑操作で、予備還元炉内におけるスティッ
キングの発生を防止し、かつ同予備還元炉における鉄鉱
石の還元率を高めることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、溶解ガス化炉と第1の固気分離器と予備
還元炉と第2の固気分離器とを有し、可燃性ガスを排出
する溶融製銑設備、上記溶融製銑設備に後置接続され、
上記溶融製銑設備から排出される可燃性ガスを、顕熱回
収および/または冷却し、かつ上記可燃性ガス中に含ま
れる微量の固形分を除去するガス洗浄設備、上記ガス洗
浄設備に後置接続され、上記ガス洗浄設備を出た可燃性
ガスの全量または一部を導入して上記可燃性ガス中の硫
黄化合物と炭酸ガスの大半を除去する脱硫設備、上記脱
硫設備に後置接続され、上記脱硫設備で処理された可燃
性ガスと水蒸気を導入し、上記可燃性ガス中の一酸化炭
素の一部と水蒸気を反応させて、水素と炭酸ガスに変換
させるCOシフト反応設備、上記COシフト反応設備に
後置接続され、上記COシフト反応設備を出た可燃性ガ
ス中の炭酸ガスと水分を除去する脱炭酸設備、ならびに
上記脱炭酸設備に後置接続され、上記脱炭酸設備で処理
された可燃性ガスを原料ガスとして使用するメタノール
合成設備を備え、上記溶解ガス化炉では、投入された炭
素を含む燃料を酸素あるいは酸素と水蒸気により部分燃
焼ガス化して、一酸化炭素と水素を主成分とする可燃性
ガスを発生させるとともに、投入された還元鉄により溶
融銑鉄を製造し、上記第1の固気分離器は、上記溶解ガ
ス化炉に接続されて上記溶解ガス化炉で発生する可燃性
ガス中の固形分を分離し、かつ分離した固形分を上記溶
解ガス化炉に還流する導管を有し、上記予備還元炉で
は、上記第1の固気分離器で固形分の大半が除去された
可燃性ガスが底部付近に吹込まれ、頂部近傍から供給さ
れる粉粒状の鉄鉱石を還元し、上記第2の固気分離器
は、上記予備還元炉に接続され、上記予備還元炉から流
出する可燃性ガス中の固形分を分離して、分離した固形
分の一部を上記予備還元炉に循環させる連通管と、分離
した固形分の他の一部を上記溶解ガス化炉に供給できる
導管とを有するプラントにおいて、上記脱硫設備で処理
された可燃性ガスの一部および/または上記メタノール
合成設備出口の可燃性ガスの一部を、上記溶融製銑設備
の上記溶解ガス化炉で発生する可燃性ガス中に吹込むこ
とができる導管が設けられていることを特徴とする銑鉄
・メタノール製造プラントを提案するものである。
【0010】本発明はまた、上記要件に加えて、脱炭酸
設備で処理された可燃性ガスの一部を、上記溶解ガス化
炉で発生する可燃性ガス中に吹込むことができる導管が
設けられていることを特徴とする銑鉄・メタノール製造
プラントを提案するものである。
【0011】
【作用】本発明においては、銑鉄とメタノールを同時に
製造する複合プラントとすることにより、溶融製銑で発
生する可燃性ガスの大半を付加価値の高いメタノールに
転換でき、従来の溶融製銑操作で採用されている可燃性
ガスの利用手段、すなわち溶融製銑自己系内のエネルギ
源あるいは一貫製鉄所の下工程のエネルギ源として使用
する場合のように溶融製銑で発生する可燃性ガス量を制
限する必要がなくなる。したがって、揮発分の多い一般
炭、褐炭などが使用でき、溶融製銑法の長所が最大限発
揮されるので、高炉法の代替が可能になる。
【0012】本発明ではまた、銑鉄とメタノールを同時
に製造するプラントにおいて、脱硫工程で処理された可
燃性ガスの一部および/またはメタノール合成工程出口
の可燃性ガスの一部を、溶解ガス化炉で発生する可燃性
ガスの中に吹込むことができるようにしたことにより、
溶解ガス化炉における溶融製銑操作に支障をきたすこと
なく、予備還元炉内におけるスティッキングの発生を防
止し、かつ同予備還元炉内における鉄鉱石の還元率を高
めることができる。
【0013】この理由について詳しく説明する。溶融製
銑で発生する可燃性ガスは、メタノール合成用原料ガス
に調整される過程で、脱硫処理される。この脱硫操作に
おいては、炭酸カリウム、モノエタノールアミンなどの
アルカリ水溶液によって洗浄するため、可燃性ガス中の
硫黄化合物とともにガス中の炭酸ガスの大半も除去され
る。そして、脱硫処理された可燃性ガスを、約10気圧
程度の圧力下で約60℃程度まで冷却してガス中の水蒸
気を凝縮液化させ、この凝縮水分を分離することによ
り、この可燃性ガスは低酸化度の可燃性ガスとなる。ま
た、メタノール合成設備の出口ガスは、ガス中にある反
応生成物であるメタノールと水分を凝縮分離すれば、同
様な低酸化度のガスである。
【0014】このような低酸化度でかつ低温の可燃性ガ
スを、溶解ガス化炉で発生する高温かつ低酸化度の可燃
性ガスに吹込むことにより、予備還元炉に吹込まれる可
燃性ガスを、予備還元炉でスティッキングを発生させな
い温度であってかつ低酸化度の可燃性ガスに、調整する
ことができる。周知のように、酸化度の低い可燃性ガス
は、600℃程度の低温においても、鉄鉱石を十分に還
元できるからである。したがって、従来のように溶解ガ
ス化炉で発生する可燃性ガスの酸化度を犠牲にして温度
を下げる必要はない。
【0015】また、溶解ガス化炉で発生する可燃性ガス
は、約1000℃以上に保持することにより、溶解ガス
化炉における製銑と燃料のガス化がスムーズに遂行さ
れ、結果として低酸化度の可燃性ガスが得られる。そし
て、これが溶融製銑操作全体としての効率向上につなが
ることも容易に理解できよう。
【0016】更に本発明では、メタノール合成設備出口
の可燃性ガスの一部を鉄鉱石の還元に利用できるように
したことにより、プラントの経済性を向上させることが
できる。周知のように、メタノール合成においては、原
料ガスに含有されていたり、メタノール合成時に副生し
たりするメタンガスが系内に蓄積するのを防止するた
め、メタノール合成塔出口の可燃性ガス中に含まれるメ
タノールと水分を分離回収した後、その可燃性ガスの一
部を系外にパージする必要がある。本発明は、このパー
ジガスを鉄鉱石の還元に有効利用できるようにもしたも
のであり、これによりプラントの経済性を格段に向上さ
せることができる。
【0017】加えて本発明においては、脱炭酸設備で処
理された可燃ガスの一部を溶解ガス化炉で発生する可燃
性ガス中に吹込むことにより、酸化度が更に低くかつ水
素富化された可燃性ガスを鉄鉱石の予備還元に利用でき
る。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す概略系統図
である。本実施例の銑鉄とメタノールを製造する複合プ
ラントは、溶融製銑設備A、ガス洗浄設備B、脱硫設備
C、COシフト反応設備D、脱炭酸設備Eおよびメタノ
ール合成設備Fを基本構成とする。
【0019】溶融製銑設備Aは、鉄鉱石から銑鉄を製造
するとともに、メタノール合成用の粗原料ガスを発生さ
せる設備であり、溶解ガス化炉(1)、第1の固気分離
器(2)、予備還元炉(3)および第2の固気分離器
(4)を主要構成機器としている。
【0020】溶解ガス化炉(1)には、燃料供給路(1
a)から石炭などの燃料が供給される。この燃料は、導
管(1b)から供給される酸素で部分燃焼され、導管
(4a)から供給される還元鉄の溶融製銑熱源となると
ともに、必要に応じ導管(1c)から供給される水蒸気
によってガス化され、一酸化炭素と水素を主成分とする
可燃性ガスとなる。熔銑はスラグとともに導管(1d)
から取出され、可燃性ガスは導管(1e)により第1の
固気分離器(2)に吹込まれる。
【0021】第1の固気分離器(2)で分離された可燃
性ガス中のチャーを主体とする固形分は、導管(2a)
より溶解ガス化炉(1)に還流され、溶解ガス化炉の燃
料源となる。また、固形分の大半を分離された後の可燃
性ガスは、予備還元炉(3)における鉄鉱石の還元用ガ
スとして、導管(3a)から供給される低酸化度かつ低
温の可燃性ガスと混合され、組成と温度を調整された
後、導管(2b)より予備還元炉(3)に供給される。
【0022】予備還元炉(3)に供給された可燃性ガス
は、炉頂付近から供給される粉粒状の鉄鉱石を還元した
後、鉄鉱石(還元された状態を含む)の一部を伴って、
導管(3b)により第2の固気分離器(4)に導入され
る。
【0023】第2の固気分離器(4)においては、可燃
性ガス中の鉄鉱石等の固形分の大半が分離され、その一
部は、導管(4a)より溶解ガス化炉(1)へ供給さ
れ、残りは連通管(4b)から予備還元炉(3)に還流
されて再度還元される。第2の固気分離器(4)で固形
分を分離された可燃性ガスは、必要ならばさらに別の固
気分離器(図示せず)を通して、該ガス中の固形分を分
離した後、導管(4c)により取出され、必要ならば可
燃性ガスの排熱回収設備(図示せず)で排熱を回収した
後、ガス洗浄設備B供給される。
【0024】ガス洗浄設備Bは、ベンチュリースクラバ
方式の洗浄塔(5)を主要構成機器とする。導管(4
c)から供給される可燃性ガスは、洗浄塔(5)に供給
される水(図示せず)により洗浄され、冷却されるとと
もにガスに含まれる固形分を除去される。除去された固
形分は、水とともに導管(5a)から系外に取出され
る。ガス洗浄設備Bで冷却・除塵された可燃性ガスは、
導管(5b)より脱硫設備Cに供給されるが、必要なら
ばこの可燃性ガスの一部を導管(5c)から他の燃料源
として取出してもよい。
【0025】脱硫設備Cは、可燃性ガス中の硫黄化合物
と炭酸ガスを除去する目的で設置されるもので、硫黄化
合物および炭酸ガスの吸収塔(6)と吸収液の再生塔
(7)を主要構成機器としている。導管(5b)から供
給される可燃性ガスは、圧縮機(図示せず)で約10気
圧程度に昇圧され、吸収塔(6)の底部付近に供給され
る。吸収塔の頂部付近からは、再生された吸収液が導管
(7a)により供給され、可燃性ガスと向流接触してガ
ス中の硫黄化合物と炭酸ガスの大半を吸収除去する。硫
黄化合物と炭酸ガスを吸収した吸収液は、ほぼ常圧下で
操業され、底部にリボイラー(図示せず)、頂部にコン
デンサーと気液分離器(図示せず)を備えた再生塔
(7)に導管(6a)から供給され、吸収塔(6)で吸
収した硫黄化合物と炭酸ガスをストリップして、再生さ
れる。再生塔(7)でストリップされた硫黄化合物と炭
酸ガスは、導管(7b)により系外に取出され、再生さ
れた吸収液は、送液ポンプ(図示せず)で、冷却器(図
示せず)を介して導管(7a)から吸収塔(6)に戻さ
れる。
【0026】脱硫設備Cで硫黄化合物と炭酸ガスの大半
を除去された可燃性ガスは、コンデンサーと気液分離器
(図示せず)によりガス中の水分の大半が除去されて、
低酸化度の可燃性ガスとなり、その一部は導管(6b)
により鉄鉱石の還元用ガスとして取り出され、残りは導
管(6c)より予熱器(図示せず)を介して、COシフ
ト反応設備Dに供給される。
【0027】COシフト反応設備Dは、可燃性ガスをメ
タノール合成用原料とするために、ガス中の水素を富化
する目的で設置されるものであり、Fe−Cr系触媒お
よび/またはZn−Cu系触媒が充填された固定床式の
反応器(8)が主要構成機器である。反応器(8)に可
燃性ガスが供給されると、ガス中の一酸化炭素の一部
は、導管(8a)から供給される水蒸気と反応器内で反
応し、水素と炭酸ガスとなる。この反応量は、メタノー
ル合成工程へ供給される可燃性ガスの成分モル数比が H2 /(3CO2 +2CO)=1 の条件を満たすことを目途に決められる。COシフト反
応器(8)をでた可燃性ガスは、コンデンサーと気液分
離器(図示せず)を通って冷却・除湿された後、導管
(8b)から脱炭酸設備Eに供給される。
【0028】脱炭酸設備Eは、COシフト反応工程で生
成した炭酸ガスなど、可燃性ガス中の炭酸ガスを除去す
る目的で設置されるもので、炭酸ガス吸収塔(9)と吸
収液の再生塔(10)を主要構成機器としている。導管
(8b)から吸収塔(9)の底部付近に供給される可燃
性ガスは、導管(10a)から吸収塔の頂部付近に供給
される吸収液と向流接触し、ガス中の炭酸ガスの一部が
吸収除去される。炭酸ガスを吸収した吸収液は、ほぼ常
圧下で運転され、底部にリボイラー(図示せず)、頂部
にコンデンサーと気液分離器(図示せず)を備えた再生
塔(10)に導管(9a)から供給され、吸収塔で吸収
した炭酸ガスをストリップして再生される。再生塔(1
0)でストリップされた炭酸ガスは、前記したコンデン
サーと気液分離器(図示せず)を介して系外に取り出さ
れ、再生された吸収液は、送液ポンプ(図示せず)で冷
却器(図示せず)を介して導管(10a)から吸収塔
(9)の頂部付近に供給される。
【0029】吸収塔(9)における炭酸ガスの除去量
は、ガス中の水素、一酸化炭素、炭酸ガスのモル数が H2 /(3CO2 +2CO)=1 の条件を満たすように決められる。
【0030】炭酸ガスの一部を除去された可燃性ガス
は、コンデンサーと気液分離器(図示せず)を通して除
湿された後、圧縮機(図示せず)を用いて導管(9b)
からメタノール合成設備Fに供給される。また脱炭酸設
備Eで処理された可燃性ガスの一部は、必要に応じ、導
管(9c)から鉄鉱石還元用ガスの組成調整用として取
り出される。
【0031】メタノール合成設備Fは、メタノール合成
塔(11)、熱回収装置(図示せず)およびコンデンサ
ーと気液分離器(12)を主要構成機器としている。
【0032】メタノール合成塔(11)としては通常、
触媒が充填された多段充填層方式のものが使用され、触
媒としてはCu−Zn系触媒、Cu−Zn−Cr系触
媒、Zn−Cr系触媒などが利用できる。メタノール合
成塔(11)においては、可燃性ガス中の水素、一酸化
炭素、炭酸ガスの一部が、次の量論式で示される反応に
より、メタノールと水を生成する。
【0033】
【化1】
【0034】生成メタノールと水を含有している可燃性
ガスは、熱回収設備(図示せず)を介してコンデンサー
と気液分離器(12)に導入され、ガス中のメタノール
と水分を凝縮分離した後、その大半はガス循環機(図示
せず)を用いて導管(12a)からメタノール合成塔
(11)に循環される。
【0035】コンデンサーと気液分離器(12)で分離
されたメタノールと水の混合物は、粗製メタノールとし
て導管(12b)から取り出され、必要に応じメタノー
ル精製設備等で処理される。また、メタノール合成工程
におけるメタンなどの炭化水素系不純物が系内に蓄積す
るのを防止することをかねて、メタノール合成塔循環ガ
スの一部は、鉄鉱石還元用ガスとして導管(12c)か
ら溶融製銑設備Aへ供給される。メタンなどの炭化水素
系物質は、溶解ガス化炉(1)で発生する高温の可燃性
ガスと混合されることにより、その高温ガス中の炭酸ガ
スや水蒸気と反応して一酸化炭素や水素を生成するし、
また鉱石還元に一部寄与するので、鉄鉱石還元用ガスと
して優れている。そして、このように炭化水素系不純物
を溶融製銑設備Aに循環させることによって、これがメ
タノール合成系内に蓄積するのを避けることができる。
なお、可燃性ガス中には石炭等の燃料や酸素含有ガスな
どから混入してくる窒素等の不活性ガスが少量含まれる
が、これら不活性ガスがメタノール合成系内に蓄積する
のを防止するため、メタノール合成塔循環ガスの一部
は、導管(12d)から取り出されて、燃料などとして
利用される。
【0036】次に、溶融製銑設備Aの予備還元炉(3)
における鉄鉱石の還元とスティッキング防止について、
従来技術と本実施例との相違を図1を用いて説明する。
予備還元炉(3)における鉄鉱石のスティッキングを防
止するためには、前記したように、導管(2b)から予
備還元炉(3)に供給される可燃性ガス温度を、鉄鉱石
の種類に応じて調節する必要がある。スティッキングが
低温でも発生するような低品位鉱を処理する場合、この
供給温度を低くする必要があるので、従来は、導管(1
c)から吹込む水蒸気の量を多くして、溶解ガス化炉
(1)で発生するガスの温度を下げる方法で対処してい
た。しかし、低品位鉱の場合スティッキングは約700
℃程度でも発生するものであり、水蒸気吹込みによって
このような低温度にすると、予備還元炉(3)に供給さ
れる可燃性ガスの酸化度を著しく上げる結果となり、予
備還元炉(3)で鉄鉱石を還元できなくなる。
【0037】本実施例においては、導管(1c)から吹
込む水蒸気の量を、溶解ガス化炉(1)から流出する可
燃性ガスの酸化度を損わない程度に留める。すなわち高
温かつ低酸化度の可燃性ガスとして、溶解ガス化炉
(1)の適正操業を維持した上、その可燃性ガスに、溶
融製銑副生ガスをメタノール合成原料ガスに調整してい
く過程の脱硫工程で処理した低酸化度でかつ低温の可燃
性ガス、更に低温・低酸化度であるメタノール合成工程
のパージガスを混合して、予備還元炉(3)に供給する
可燃性ガスの温度を調節するのである。したがって、使
用する鉄鉱石に応じて可燃性ガス温度を自由に設定で
き、かつ鉄鉱石の還元が十分に達成できる低酸化度の可
燃性ガスを調整することができる。
【0038】本実施例ではまた、水素富化されかつ酸化
度の低い脱炭酸設備E出口の可燃性ガスも、鉄鉱石の還
元に使用するので、予備還元炉(3)の適正操業をする
ための可燃性ガスの組成調整が容易にできる。したがっ
て、溶融製銑法が狙った低品位鉱の使用をも完全に実現
できる。
【0039】
【発明の効果】本発明は、製銑操作の副生ガスから、付
加価値の高いメタノールを製造するものである。したが
って従来のように副生ガスの発生量を制限する必要はな
く、むしろ資源として豊富で低価格の一般炭や褐炭を使
用して副生ガスの発生量を多くすることは、本発明にと
っては却って好都合である。このことは、溶融製銑法が
狙った低品位炭の使用を可能にするものであり、高炉法
で問題とされている原料炭の不足に対応できる。
【0040】また、地球温暖化の元凶とされる炭酸ガス
の発生を抑制する観点から、炭素含有量の少ないクリー
ンエネルギの経済的製造技術が社会的ユーズとなってい
るが、メタノールは炭素含有量が少なく、かつ取扱や貯
蔵が容易で、ガソリン代替のクリーンエネルギとして注
目されており、本発明によれば、このようなクリーン燃
料であるメタノールを、埋蔵量豊富な低品位炭を原料と
する溶融製銑の副生ガスを利用して安価に製造できるの
で、本発明の社会的意義は大きい。
【0041】更に本発明のプラント自体が排出する炭酸
ガス量の抑制についても、脱硫設備の導管および脱炭酸
設備の導管から排出される炭酸ガスを回収することによ
り容易に対応できる。
【0042】上記のように本発明においては、埋蔵量豊
富で、安価な一般炭や褐炭を使用した溶融製銑の副生ガ
スから、付加価値の高いメタノールが経済的に製造で
き、加えてその製造過程で必然的に発生する酸化度の低
い可燃性ガスを利用することにより、低品位鉱を原料に
して銑鉄を製造できる。したがって本発明は、高炉法の
代替技術として溶融製銑法を不動なものにするのみなら
ず、地球環境保全の社会的要請にも応えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る概略系統図であ
る。
【符号の説明】
A 溶融製銑設備 B ガス洗浄設備 C 脱硫設備 D COシフト反応設備 E 脱炭酸設備 F メタノール合成設備 (1) 溶解ガス化炉 (2) 第1の固気分離器 (3) 予備還元炉 (4) 第2の固気分離器 (5) 洗浄塔 (6) 吸収塔 (7) 再生塔 (8) 反応器 (9) 吸収塔 (10) 再生塔 (11) メタノール合成塔 (12) コンデンサーと気液分離器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解ガス化炉と第1の固気分離器と予備
    還元炉と第2の固気分離器とを有し、可燃性ガスを排出
    する溶融製銑設備、上記溶融製銑設備に後置接続され、
    上記溶融製銑設備から排出される可燃性ガスを、顕熱回
    収および/または冷却し、かつ上記可燃性ガス中に含ま
    れる微量の固形分を除去するガス洗浄設備、上記ガス洗
    浄設備に後置接続され、上記ガス洗浄設備を出た可燃性
    ガスの全量または一部を導入して上記可燃性ガス中の硫
    黄化合物と炭酸ガスの大半を除去する脱硫設備、上記脱
    硫設備に後置接続され、上記脱硫設備で処理された可燃
    性ガスと水蒸気を導入し、上記可燃性ガス中の一酸化炭
    素の一部と水蒸気を反応させて、水素と炭酸ガスに変換
    させるCOシフト反応設備、上記COシフト反応設備に
    後置接続され、上記COシフト反応設備を出た可燃性ガ
    ス中の炭酸ガスと水分を除去する脱炭酸設備、ならびに
    上記脱炭酸設備に後置接続され、上記脱炭酸設備で処理
    された可燃性ガスを原料ガスとして使用するメタノール
    合成設備を備え、上記溶解ガス化炉では、投入された炭
    素を含む燃料を酸素あるいは酸素と水蒸気により部分燃
    焼ガス化して、一酸化炭素と水素を主成分とする可燃性
    ガスを発生させるとともに、投入された還元鉄により溶
    融銑鉄を製造し、上記第1の固気分離器は、上記溶解ガ
    ス化炉に接続されて上記溶解ガス化炉で発生する可燃性
    ガス中の固形分を分離し、かつ分離した固形分を上記溶
    解ガス化炉に還流する導管を有し、上記予備還元炉で
    は、上記第1の固気分離器で固形分の大半が除去された
    可燃性ガスが底部付近に吹込まれ、頂部近傍から供給さ
    れる粉粒状の鉄鉱石を還元し、上記第2の固気分離器
    は、上記予備還元炉に接続され、上記予備還元炉から流
    出する可燃性ガス中の固形分を分離して、分離した固形
    分の一部を上記予備還元炉に循環させる連通管と、分離
    した固形分の他の一部を上記溶解ガス化炉に供給できる
    導管とを有するプラントにおいて、上記脱硫設備で処理
    された可燃性ガスの一部および/または上記メタノール
    合成設備出口の可燃性ガスの一部を、上記溶融製銑設備
    の上記溶解ガス化炉で発生する可燃性ガス中に吹込むこ
    とができる導管が設けられていることを特徴とする銑鉄
    ・メタノール製造プラント。
  2. 【請求項2】 上記脱炭酸設備で処理された可燃性ガス
    の一部を、上記溶解ガス化炉で発生する可燃性ガス中に
    吹込むことができる導管が設けられていることを特徴と
    する請求項1記載の銑鉄・メタノール製造プラント。
JP3161601A 1991-07-02 1991-07-02 銑鉄・メタノール製造プラント Withdrawn JPH059140A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3161601A JPH059140A (ja) 1991-07-02 1991-07-02 銑鉄・メタノール製造プラント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3161601A JPH059140A (ja) 1991-07-02 1991-07-02 銑鉄・メタノール製造プラント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH059140A true JPH059140A (ja) 1993-01-19

Family

ID=15738259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3161601A Withdrawn JPH059140A (ja) 1991-07-02 1991-07-02 銑鉄・メタノール製造プラント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH059140A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009242248A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ジメチルエーテルの製造方法および製造装置
JP2011509390A (ja) * 2007-12-27 2011-03-24 ポスコ 温室効果ガス分解装置
JP2012106894A (ja) * 2010-11-19 2012-06-07 Hitachi Ltd 水素を主成分とするガスの製造方法及び製造装置
JPWO2012067222A1 (ja) * 2010-11-19 2014-05-19 三井化学株式会社 メタノールの製造方法
EP2520674A4 (en) * 2009-12-28 2017-05-10 Posco Apparatus for manufacturing molten iron
JP2020066585A (ja) * 2018-10-24 2020-04-30 Jfeスチール株式会社 有機物の合成装置および合成方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011509390A (ja) * 2007-12-27 2011-03-24 ポスコ 温室効果ガス分解装置
JP2009242248A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ジメチルエーテルの製造方法および製造装置
EP2520674A4 (en) * 2009-12-28 2017-05-10 Posco Apparatus for manufacturing molten iron
JP2012106894A (ja) * 2010-11-19 2012-06-07 Hitachi Ltd 水素を主成分とするガスの製造方法及び製造装置
JPWO2012067222A1 (ja) * 2010-11-19 2014-05-19 三井化学株式会社 メタノールの製造方法
JP2020066585A (ja) * 2018-10-24 2020-04-30 Jfeスチール株式会社 有機物の合成装置および合成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8940076B2 (en) Method for producing direct reduced iron with limited CO2 emissions
CN101358258B (zh) 煤制还原气气基竖炉直接还原冶金方法及系统
US8821760B2 (en) Method and device for producing a raw synthesis gas
US4265868A (en) Production of carbon monoxide by the gasification of carbonaceous materials
RU2496884C2 (ru) Способ выплавки чугуна с возвратом колошникового газа при добавлении углеводородов
US6033456A (en) Integration of partial oxidation process and direct reduction reaction process
KR101663343B1 (ko) 환원 가스와 함께 주철 또는 세미 스틸을 생산하기 위한 방법
EP0130846B1 (en) Process for the production of ammonia
EA017978B1 (ru) Способ получения железа прямого восстановления
US20070256361A1 (en) Method for the gasification of hydrocarbon feedstocks
US20100031668A1 (en) Process and installation for generating electrical energy in a gas and steam turbine (combined cycle) power generating plant
US20070256360A1 (en) Method for the gasification of moisture-containing hydrocarbon feedstocks
WO2007134075A2 (en) Method for the gasification of hydrocarbon feedstocks
US20240052441A1 (en) Smart hydrogen production for dri making
CN221166600U (zh) 一种用于制造直接还原铁的直接还原设施
EP4032991A1 (en) Smart hydrogen production for dri making
JPH059140A (ja) 銑鉄・メタノール製造プラント
JP4515975B2 (ja) 改質ガスを利用するシステム及び方法
KR101150021B1 (ko) 석탄과 철광석을 이용한 액체 화학물질과 선철 생산 방법
KR20240013201A (ko) 직접환원철의 제조 방법
Cyprès Modern carbochemical processes for hydrogen production from coal
CN117337337A (zh) 用于制造直接还原铁的方法
CN117280047A (zh) 用于直接还原铁矿石的方法
JPH04346950A (ja) 銑鉄とメタノールを製造する複合プラント
KR20070067830A (ko) 석탄과 철광석을 이용한 수소와 선철 생산 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19981008