JP2018071894A - 高炉ガスからの水素の分離回収方法、水素の製造方法、および、高炉ガスからの水素の分離回収装置 - Google Patents

高炉ガスからの水素の分離回収方法、水素の製造方法、および、高炉ガスからの水素の分離回収装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のコークス炉ガスに代わり、高炉ガスを原料として水素をより効率的に分離回収する方法を提供する。
【解決手段】製鉄所において排出される、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含有する高炉ガスから、圧力スイング吸着法を用いて、水素を分離回収する方法であって、水性ガスシフト反応によって上記高炉ガスに含有される一酸化炭素を二酸化炭素および水素に変えた後、上記圧力スイング吸着法を用いて水素を分離回収する、高炉ガスからの水素の分離回収方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉ガスからの水素の分離回収方法、水素の製造方法、および、高炉ガスからの水素の分離回収装置に関する。
製鉄所においては、コークス炉、高炉および転炉などの設備から副生ガスと呼ばれるガスが発生する。副生ガスは、水素、一酸化炭素およびメタンなどの燃料として利用可能な成分のほかに、窒素および二酸化炭素などの不活性成分を含有する。このような副生ガスは、その大部分が、発電所および加熱炉などの設備において、燃焼によって発生する熱を利用する用途に使用されている。
コークス炉ガス(コークス炉から発生する副生ガス)は、水素を約50体積%、メタンを約30体積%、一酸化炭素を約5体積%含み、体積あたりの熱量が約4500kcal/Nm3であり、副生ガスの中では最も熱量が高い。
また、転炉ガス(転炉から発生する副生ガス)は、体積あたりの熱量が約2000kcal/Nm3である。
これに対して、高炉ガス(高炉から発生する副生ガス)は、体積あたりの熱量が700kcal/Nm3程度であり、コークス炉および転炉ガスと比べると、熱量が低い。これは、高炉ガスが、窒素および二酸化炭素を多く含んでおり、水素および一酸化炭素などの燃料成分が少ないからである。
このため、高炉ガスは、単独では燃料ガスとしての使用が困難であり、通常は、熱量がより高い転炉ガスまたはコークス炉ガス等と混合することによって熱量を調整したうえで、使用されている。
このような高炉ガスの使用方法は、元々熱量の高い転炉ガスやコークス炉ガスの熱量を低下させる点で、エネルギー的に非効率である。また、昨今の事情として、コークス炉の老朽化、ならびに、それに伴うコークス炉ガスの熱量低下および発生量低下への対応として、さらに高熱量である天然ガスを混合する場合があり、その場合は、天然ガスの購入量が増大し、コスト高を引き起こす。
そこで、従来、高炉ガスから、二酸化炭素などの不活性成分を分離回収する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、圧力スイング吸着(以下「PSA」とも表記)法を用いて、高炉ガスから二酸化炭素を分離回収する方法が開示されている。
PSA法は、概略的には、ガスを、吸着剤を充填した吸着塔に加圧状態で通気して、ガス成分のうちの一部を吸着させ、その後に減圧状態にすることによって、吸着剤に吸着したガス成分を脱着させて、回収する方法である。
特許5069087号公報
ところで、水素は、電磁鋼板の製造に使用される重要なガスである。従来は、PSA法を用いて、水素濃度が高いコークス炉ガスから水素が分離回収され、製鉄所内で使用されたり外販されたりしている。すなわち、コークス炉ガスが水素源として利用されている。
しかし、高炉ガスは、製鉄所内における発生量はコークス炉ガスの約8倍と多いものの、水素濃度の低さが原因となって、水素源としては利用されていない。
高炉ガスを水素源として利用できるようになれば、コークス炉ガスを水素源として利用する量を減らして、コークス炉ガスを高熱量ガスとして多く利用できるようになる。その結果、製鉄所外から高熱量ガスを購入する量が抑制され、全体として省エネルギーに寄与することが期待される。
したがって、高炉ガスを水素源として利用できるようにするため、高炉ガスからの水素の回収量をより多くすることにより、高炉ガスから水素をより効率的に分離回収することが望まれる。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、従来のコークス炉ガスに代わり、高炉ガスを原料として水素をより効率的に分離回収する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、圧力スイング吸着(PSA)法を用いて高炉ガスから二酸化炭素を分離回収する前に、水性ガスシフト反応によって高炉ガスを改質することで、高炉ガスの一酸化炭素が二酸化炭素および水素に変わるため、水素の回収量が増大することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供する。
[1]製鉄所において排出される、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含有する高炉ガスから、圧力スイング吸着法を用いて、水素を分離回収する方法であって、水性ガスシフト反応によって上記高炉ガスに含有される一酸化炭素を二酸化炭素および水素に変えた後、上記圧力スイング吸着法を用いて水素を分離回収する、高炉ガスからの水素の分離回収方法。
[2]上記高炉ガスに含有される一酸化炭素の量が最小化する条件で、上記水性ガスシフト反応を行なう、上記[1]に記載の高炉ガスからの水素の分離回収方法。
[3]上記水性ガスシフト反応を行なう際に、加圧する、上記[1]または[2]に記載の高炉ガスからの水素の分離回収方法。
[4]上記圧力スイング吸着法が、ガス成分を、吸着剤を充填した吸着塔に加圧状態で通気して、上記ガス成分の一部を上記吸着剤に吸着させる吸着工程と、その後、上記吸着塔内を上記吸着工程の圧力よりも減圧することによって、上記吸着剤に吸着したガス成分を脱着させる脱着工程と、を備える方法であって、上記吸着工程の圧力として、上記水性ガスシフト反応を行なう際に加えた圧力を使用する、上記[3]に記載の高炉ガスからの水素の分離回収方法。
[5]製鉄所において排出される、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含有する高炉ガスから、圧力スイング吸着法を用いて水素を得る、水素の製造方法であって、水性ガスシフト反応によって上記高炉ガスに含有される一酸化炭素を二酸化炭素および水素に変えた後、上記圧力スイング吸着法を用いて水素を得る、水素の製造方法。
[6]製鉄所において排出される、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含有する高炉ガスが導入され、水性ガスシフト反応によって、上記高炉ガスに含有される一酸化炭素を二酸化炭素および水素に変える、水性ガスシフト反応装置と、上記水性ガスシフト反応後の上記高炉ガスが加圧状態で通気され、この高炉ガス中に含まれる一酸化炭素、二酸化炭素および窒素を吸着剤に吸着させると共に、上記吸着剤に吸着しなかった水素を排出する圧力スイング吸着装置と、を備える高炉ガスからの水素の分離回収装置。
[7]上記水性ガスシフト反応後の上記高炉ガスを上記圧力スイング吸着装置に通気させる前に除湿する除湿装置をさらに備える、上記[6]に記載の高炉ガスからの水素の分離回収装置。
本発明によれば、従来のコークス炉ガスに代わり、高炉ガスを原料として水素をより効率的に分離回収する方法を提供することができる。
本発明の一実施形態を示す概略図である。
本発明の高炉ガスからの水素の分離回収方法(以下「本発明の分離回収方法」とも表記)は、製鉄所において排出される、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含有する高炉ガスから、圧力スイング吸着法を用いて、水素を分離回収する方法であって、水性ガスシフト反応によって上記高炉ガスに含有される一酸化炭素を二酸化炭素および水素に変えた後、上記圧力スイング吸着法を用いて水素を分離回収する、高炉ガスからの水素の分離回収方法である。
以下、本発明の好適な実施形態を、図1を参照して具体的に説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されない。
なお、以下の説明は、本発明の水素の製造方法および本発明の高炉ガスからの水素の分離回収装置の好適な実施形態の説明も兼ねる。
図1は、本発明の一実施形態を示す概略図である。図1には、高炉ガスからの水素の分離回収装置(以下、単に「分離回収装置」ともいう)の一例を示している。
図1の分離回収装置は、高炉ガス母管1から、ガスが流れる順に、除塵装置2、水性ガスシフト反応装置3、除湿装置4、送風装置5、および、圧力スイング吸着装置6を有する。圧力スイング吸着装置6は、ガス利用設備7と貯蔵容器8とに接続している。
次に、分離回収装置が有する各部について、より詳細に説明する。
高炉ガス母管1には、高炉(図示せず)から発生した副生ガスである高炉ガスが流通している。高炉ガスは、少なくとも、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含有する。高炉ガスの組成は、一例として、一酸化炭素:21.1〜26.2体積%、二酸化炭素:19.3〜23.2体積%、水素:2.9〜5.3体積%、および、窒素:52.5〜59.2体積%である(第4版鉄鋼便覧(CD−ROM)No.1第2巻製銑・製鋼、2002年7月30日発行、表42−5・7(2000)を参照)。
高炉ガス母管1より分岐された高炉ガスは、除塵装置2に導入される。除塵装置2においては、高炉ガス中に含まれる、後述する水性ガスシフト反応において影響を与える可能性のある不純物および/またはダストが取り除かれる。
不純物および/またはダストが取り除かれた高炉ガスは、次いで、水性ガスシフト反応装置3に導入される。水性ガスシフト反応装置3は、高炉ガスを加熱する熱交換器および水性ガスシフト反応を行なうための触媒が充填された反応容器(いずれも図示せず)を有する。水性ガスシフト反応を行なうための触媒としては、例えば、酸化鉄−酸化クロム系触媒、酸化亜鉛−酸化銅系触媒などが挙げられるが、これらに限定されず、従来公知の水性ガスシフト反応用触媒を適宜使用できる。
水性ガスシフト反応装置3においては、熱交換器によって加熱された高炉ガスが、反応容器内を流通し、その際に、触媒と接触することによって、下記式(1)で表される反応(水性ガスシフト反応)が進行して、高炉ガス中に含まれる一酸化炭素が、二酸化炭素および水素に変えられる。
CO+H2O→CO2+H2・・・(1)
水性ガスシフト反応装置3には、反応に必要な水分(H2O)が添加される。このとき、水分の添加量が少なすぎると、上記式で表される反応が十分に進まず一酸化炭素(CO)の残存量が多くなり、後述するPSA装置6において回収される水素含有ガスの量が減少する。一方、水分の添加量が多すぎると、上記式(1)で表される反応に係わらない水分が多くなり、後述する除湿装置4の負荷が大きくなる場合がある。
以上の点から、水性ガスシフト反応装置3において添加される水分と高炉ガスとの量比は、体積比で、35:65〜70:30の範囲内とすることが好ましい。
水性ガスシフト反応装置3においては、上述したように、熱交換器によって高炉ガスが加熱される。このとき、加熱温度が低温すぎると反応が遅くなりすぎる場合があり、加熱温度が高温すぎると上記式(1)で表される反応の逆反応が優勢となる場合がある。
以上の点から、反応容器内の温度は、200〜400℃が好ましい。
なお、水性ガスシフト反応は発熱反応であるため、水性ガスシフト反応装置3においては、反応による熱暴走が起きないように工夫することが好ましい。例えば、シェルアンドチューブ型の反応容器を使用してチューブ側に上記触媒を充填して反応させると同時に、周囲を流動媒体で除熱することで温度を制御することが可能である。
水性ガスシフト反応は等モル比反応であるので、平衡に関しては圧力の影響はないが、水性ガスシフト反応を行なう際に加圧する(圧力を加える)ことによって反応速度が大きくなる。ただし、水性ガスシフト反応装置3のコストの観点から、10kg/cm2G未満で加圧することが経済的に好ましい。
また、加圧する場合には、反応後の高炉ガスが加圧状態となることから、後述するPSA装置6において再び加圧することが不要となるというメリットもある。
水性ガスシフト反応装置3においては、高炉ガス中に含まれる一酸化炭素の量が最小化する条件(例えば、水分の添加量、加熱温度など)で、水性ガスシフト反応が行なわれることが好ましい。
水性ガスシフト反応後の高炉ガス(以下「改質高炉ガス」とも表記)は、水性ガスシフト反応装置3の熱交換器によって、原料の高炉ガスと熱交換されて、除熱される。改質高炉ガスは、除熱された後、除湿装置4に導入される。
除湿装置4においては、改質高炉ガスに含まれる水分が除去される。除湿装置4としては、特に限定されず、従来公知の既存の装置が使用可能である。例えば、改質高炉ガスを除熱して冷却した後に凝縮した水分は、ノックアウトドラム等で気液分離する。なお、その時点では、改質高炉ガスは水蒸気が飽和状態であるので、さらに目標の露点になるように冷却し、さらには吸着剤等を利用して凝縮水分を除くことが好ましい。
なお、後述するPSA装置6における吸着剤としてゼオライトを使用する場合には、除湿後のガスの露点は0℃を超えないことが好ましい。露点が0℃を超えるガスは、ゼオライトの性能を劣化させる場合があるからである。これに対して、PSA装置6における吸着剤として活性炭等の水分の影響を受けにくい吸着剤を使用する場合には、除湿目標はそれぞれの吸着剤に応じて適宜設定すればよい。
除湿装置4において改質高炉ガスから除去された水分は、水性ガスシフト反応装置3に供給して、上述した水性ガスシフト反応に使用できる。これにより、外部から新たに供給される水分を最小限にすることができる。
除湿後の改質高炉ガスは、送風装置5によって、PSA装置6に送り出される。
PSA(圧力スイング吸着)装置6は、吸着剤を充填した吸着塔、吸着塔にガスを供給する管、吸着塔からガスを排出する管、および、吸着塔を減圧するための減圧装置(いずれも図示せず)を有する。
こうして、PSA装置6では、圧力スイング吸着法(PSA法)が実行される。
PSA法は、ガス成分を、吸着剤を充填した吸着塔に加圧状態で通気して、上記ガス成分の一部を上記吸着剤に吸着させる吸着工程と、その後、上記吸着塔内を上記吸着工程の圧力よりも減圧することによって、上記吸着剤に吸着したガス成分を脱着させる脱着工程と、を備える方法である。
PSA装置6の吸着塔には、高炉ガス(改質高炉ガス)中の水素以外のガス成分の吸着に適した吸着剤が充填される。この吸着剤としては、特に限定されるものではないが、活性炭またはゼオライトなどが好ましい。
改質高炉ガスを、このような吸着剤が充填された吸着塔に通気する。これにより、改質高炉ガス中に含まれる一酸化炭素、二酸化炭素および窒素は、吸着剤に吸着される。吸着剤に吸着しなかった水素を含むガス成分は、吸着塔から排出されて、貯蔵容器8に貯蔵される。
改質高炉ガスをPSA装置6の吸着塔に通気する際の圧力(吸着工程の圧力)および吸着剤に吸着したガス成分を脱着させる際の圧力(脱着工程の圧力)としては、使用する吸着剤の特性に応じて適宜選択すべきである。
もっとも、水性ガスシフト反応装置3において水性ガスシフト反応を行なう際に加圧した(圧力を加えた)場合には、この圧力を、吸着工程の圧力として使用することによって、PSA装置6に要する動力を削減できる。
また、この場合、脱着工程を常圧(大気圧)付近で行なう(例えば、吸着塔内の圧力を常圧(大気圧)付近にまで放圧させる)ことによって、PSA装置6に要する動力をより削減できる。
改質高炉ガスをPSA装置6の吸着塔に通気した際に吸着剤に吸着されずに排出されるガス(以下「オフガス」とも表記)には水素が含まれる。このようにして、高炉ガス(改質高炉ガス)から、水素(水素を主として含むオフガス)が分離回収される。
このオフガスは、水性ガスシフト反応装置3において一酸化炭素が二酸化炭素および水素に変えられた改質高炉ガスに由来するガスであって、かつ、この改質高炉ガス中に含まれるガス成分のうち、水素以外のガス成分がPSA装置6の吸着塔内の吸着剤に吸着されたガスであるから、水性ガスシフト反応装置3を経ないでPSA装置6から排出されるオフガスと比較して、水素の量が増大している。
一方、PSA装置6の吸着塔内の吸着剤に吸着されたガス成分は、吸着塔内を、改質高炉ガスを吸着塔に通気した際の圧力(吸着工程の圧力)よりも減圧することによって、吸着剤から脱着される(以下「脱着ガス」とも表記)。脱着ガスは、ガス利用設備7に貯蔵される。ここで、「脱着」は、吸着の逆過程を意味する。
なお、減圧時の到達圧力(脱着工程の圧力)は、吸着剤の性能や減圧に要する動力等から最適な圧力を選択することが好ましい。もっとも、吸着工程の圧力が大気圧よりも相応に高い場合には、吸着塔内の圧力を常圧(大気圧)付近にまで放圧させることによって、真空ポンプ等の動力を使わずに、脱着を行なうこともできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。
<実施例1>
図1に基づいて説明した装置および設備を用いて、高炉ガスから水素を分離回収した。
具体的には、まず、高炉ガス母管1を流通する高炉ガス(窒素:50体積%、一酸化炭素:24体積%、二酸化炭素:22体積%、水素:4体積%)を分岐させて、除塵装置2に導入し、不純物および/またはダストを取り除いた後、水性ガスシフト反応装置3に導入した。
水性ガスシフト反応装置3では、水分と高炉ガスとの量比が体積比で1:2となるように水分を添加しつつ、反応容器内を300℃に加熱した条件で、水性ガスシフト反応させて、改質高炉ガス(窒素:40体積%、一酸化炭素:1体積%、二酸化炭素:36体積%、水素:22体積%、水分を除く)を得て、除熱した。
除熱した改質高炉ガスを、除湿装置4を経由して除湿した後、送風装置5によって、PSA装置6に送り出した。PSA装置6の吸着塔には、吸着剤として活性炭が充填されていた。改質高炉ガスを、吸着剤1kgあたり15NLの流量で送り、圧力120kPaで、PSA装置6の吸着塔を通気させて、吸着剤に水素以外のガス成分を吸着させた。
吸着剤に吸着されなかったオフガスの組成は、窒素:20体積%、一酸化炭素:1体積%、二酸化炭素:5体積%、水素:74体積%であった。水素の回収率は48%であった。
PSA装置6の吸着塔内を、減圧装置を用いて10kPaまで減圧することによって、吸着塔の吸着剤に吸着していた吸着成分を脱着させた。脱着ガスの組成は、窒素:44体積%、一酸化炭素:3体積%、二酸化炭素:42体積%、水素:11体積%であった。
1:高炉ガス母管
2:除塵装置
3:水性ガスシフト反応装置
4:除湿装置
5:送風装置
6:PSA(圧力スイング吸着)装置
7:ガス利用設備
8:貯蔵容器

Claims (7)

  1. 製鉄所において排出される、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含有する高炉ガスから、圧力スイング吸着法を用いて、水素を分離回収する方法であって、
    水性ガスシフト反応によって前記高炉ガスに含有される一酸化炭素を二酸化炭素および水素に変えた後、前記圧力スイング吸着法を用いて水素を分離回収する、高炉ガスからの水素の分離回収方法。
  2. 前記高炉ガスに含有される一酸化炭素の量が最小化する条件で、前記水性ガスシフト反応を行なう、請求項1に記載の高炉ガスからの水素の分離回収方法。
  3. 前記水性ガスシフト反応を行なう際に、加圧する、請求項1または2に記載の高炉ガスからの水素の分離回収方法。
  4. 前記圧力スイング吸着法が、ガス成分を、吸着剤を充填した吸着塔に加圧状態で通気して、前記ガス成分の一部を前記吸着剤に吸着させる吸着工程と、その後、前記吸着塔内を前記吸着工程の圧力よりも減圧することによって、前記吸着剤に吸着したガス成分を脱着させる脱着工程と、を備える方法であって、
    前記吸着工程の圧力として、前記水性ガスシフト反応を行なう際に加えた圧力を使用する、請求項3に記載の高炉ガスからの水素の分離回収方法。
  5. 製鉄所において排出される、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含有する高炉ガスから、圧力スイング吸着法を用いて水素を得る、水素の製造方法であって、
    水性ガスシフト反応によって前記高炉ガスに含有される一酸化炭素を二酸化炭素および水素に変えた後、前記圧力スイング吸着法を用いて水素を得る、水素の製造方法。
  6. 製鉄所において排出される、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素を含有する高炉ガスが導入され、水性ガスシフト反応によって、前記高炉ガスに含有される一酸化炭素を二酸化炭素および水素に変える、水性ガスシフト反応装置と、
    前記水性ガスシフト反応後の前記高炉ガスが加圧状態で通気され、当該高炉ガス中に含まれる一酸化炭素、二酸化炭素および窒素を吸着剤に吸着させると共に、前記吸着剤に吸着しなかった水素を排出する圧力スイング吸着装置と、
    を備える高炉ガスからの水素の分離回収装置。
  7. 前記水性ガスシフト反応後の前記高炉ガスを前記圧力スイング吸着装置に通気させる前に除湿する除湿装置をさらに備える、請求項6に記載の高炉ガスからの水素の分離回収装置。
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