JP6929882B2 - 灌流バイオリアクタおよび連続細胞培養を実施するためのその使用方法 - Google Patents

灌流バイオリアクタおよび連続細胞培養を実施するためのその使用方法 Download PDF

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Description

関連出願の説明
本出願は、2016年2月23日に出願された米国仮特許出願第62/298,691号および2016年7月25日に出願された米国仮特許出願第62/366,372号の合衆国法典第35編第119条の下での優先権の利益を主張し、各々の内容は信頼され、かつその全体が参照によりそのまま本明細書に援用される。
本開示は、広く、バイオプロセス技術に関し、具体的には、灌流バイオリアクタおよび該灌流バイオリアクタを用いる連続細胞培養の実施方法に関する。
バイオプロセスは、培養細胞から目的の治療用産生品の製造に関連する上流および下流プロセスを広く記述するために使用される用語である。細胞は、たとえば、哺乳動物、昆虫または微生であり得る。現行の最新バイオプロセスは、産生物を製造するために、ほぼ例外なく流加培養細胞培養プロセスを使用する。流加培養細胞培養プロセスでは、通常、細胞を懸濁状態の細胞培養培地に接種し、多段階クロマトグラフィープロセスによる精製に適した生成力価が充分得られる細胞密度まで増殖させる。連続細胞培養プロセスは、流加培養細胞培養プロセスの代替法である。連続細胞培養プロセスでは、細胞は、流加培養細胞培養プロセスよりもはるかに長い時間(たとえば、>2週間)、高い細胞密度で維持される。連続細胞培養プロセスは、コスト、機敏性および製造規模の改善をもたらすことにより、流加培養と比べていくつかの利点を提供することが期待される。
図1(従来技術)を参照すると、流加プロセスに対する連続細胞培養プロセスの利点を示すグラフが示される(非特許文献1参照−この文献の内容は、あらゆる目的のため参照により本明細書に援用される)。ライン102および104は、それぞれ連続細胞培養プロセス(灌流細胞培養プロセス)について、目的の産生物、たとえば抗体、の理論産生量、および細胞密度を表す。ライン106および108は、それぞれ流加培養プロセスの抗体産生量および細胞密度を表す。図に示すように、ライン102および106で表される抗体産生量は、2週間後の時点で分れ始め、ライン102で表される連続培養産生量は収量が上昇し始め、したがって、ライン106で表される流加培養産生量に比べて生産収益が高くなる。
連続細胞培養プロセスでは、細胞滞留は、所望産生物の蓄積中に細胞密度を維持するために実施者が用いる最も一般的な手段である。細胞滞留では、新鮮培地を必要に応じて交換しながら、細胞を消費培地から分離する。連続細胞培養プロセス実施のため、細胞滞留を可能にするいくつかの技術が用いられる。1つの技術では、スピンフィルタが使用され、細胞から培地を分離する膜を有しながら回転するフィルターによって、消費培地が懸濁培養物から抽出される。交互タンジェンシャルフロー濾過(ATF)と称される他の技術では、移動メンブレンが細胞保持膜を介して液体(消費培地)を押し出す間に、懸濁培養液中の細胞の一部が、細胞が主培養容器から隔離される管中に転送される。次いで、この能動的なポンピングシステムは、再開し、前記消費培地が吸い出される間に前記細胞を前記培養物に戻す。現在、ATF技術は業界内で優勢である。これら2つの細胞滞留技術は、よく機能してはいるが、連続細胞培養プロセスの改善および向上が依然として求められている。そのような改善の1つは、本開示の主題である。
本明細書で開示される灌流バイオリアクタおよび該灌流バイオリアクタの使用方法は、本開示の独立請求項に記載される。灌流バイオリアクタおよび灌流バイオリアクタの使用方法の有利な実施形態は、従属請求項に記載される。一態様では、本開示は、(i)少なくとも1つの開口と空洞を有する容器;(ii)前記少なくとも1つの開口を覆うために前記容器に装着可能な少なくとも1つの蓋;(iii)前記空洞を内室および外室に分画するために前記空洞内に配置された多孔質膜;(iv)前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する新鮮培地ポート(たとえば、該新鮮培地ポートは、その一端が前記内室内にある新鮮培地供給管を受容するように構成されている);(v)前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する消費培地ポート(たとえば、該消費培地ポートは、その一端が前記外室内にある消費培地排出管を受容するように構成されている);および(vi)ミキサー装置を含む、灌流バイオリアクタを提供する。実施形態では、前記ミキサーは、インペラおよびシャフトを含み、該インペラおよびシャフトは前記内室内に配置されている。灌流バイオリアクタは、1つ以上の他の構成要素(たとえば)内側容器(前記多孔質膜を支持する)、ガススパージャポート(ガススパージャに接続された)、ブリードオフポート(ブリードオフラインを受容するように構成された)、センサポート(センサに接続された)、スピンフィルタ(記インペラ装置に接続された)、膜浄化ブレード(前記ミキサーに接続された)、通気孔、およびガス透過性 ハウジング(前記容器中)を有していてもよい。実施形態では、前記容器または前記多孔質膜または両方とも可撓性であり、前記灌流バイオリアクタを可撓性のバッグバイオリアクタとする。
他の態様において、本開示は、連続細胞培養を実施するための灌流バイオリアクタの使用方法も提供する。該方法は、以下の工程を含む:(a)灌流バイオリアクタを供給する工程であって、該灌流バイオリアクタは、(i)開口および空洞を有する容器;(ii)前記開口を覆うため、前記容器に装着される少なくとも1つの蓋;(iii)前記空洞を内室および外室に分画するように前記空洞内に配置された多孔質膜;(iv)前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する新鮮培地ポート、ここで、該新鮮培地ポートは、その一端が前記内室内にある新鮮培地供給管を受容するように構成されている;(v)前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する消費培地ポート、ここで、該消費培地ポートは、その一端が前記外室内にある消費培地排出管を受容するように構成されている;および(vi)ミキサーを含む、前記工程;(b)前記内室に細胞を加える工程;(c)前記新鮮培地供給管を介して新鮮培地を前記内室に導入する工程;(d)前記内室内の前記インペラを回転させ、前記多孔質膜を介して消費培地および細胞分泌物(たとえば、組換えタンパク、抗体、ウィルス粒子、DNA、RNA、糖、脂質、バイオディーゼル、無機粒子、ブタノール、代謝副産物)を前記外室に移送することができるように前記インペラ装置を操作する工程;および(e)前記消費培地および前記細胞分泌物を、前記消費培地排出管を介して前記外室から除去する工程を含む。実施形態では、前記ミキサーは、インペラおよびシャフトを含むインペラ装置を備え、前記インペラおよび前記シャフトは、前記内室内に配置されている。
本開示のさらなる態様は、部分的に、以下の詳細な説明、図面および特許請求の範囲に記載され、一部は詳細な説明から導かれるか、または本開示の実施によって知り得る。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示的で説明的なものに過ぎず、開示された開示を限定するものではないことを理解されたい。
本開示は、以下の添付図面を併せて参照すると、以下の詳細な説明により、より完全に理解することができる。
図1(従来技術)は、流加プロセスに対する連続細胞培養プロセスの利点を示すグラフである。 図2は、本開示の一実施形態による灌流バイオリアクタの基本構成要素を示す模式図である。 図3は、本開示の一実施形態によるいくつかの付加的構成要素を含む図2に示す灌流バイオリアクタの模式図である。 図4は、本開示の一実施形態によるいくつかの付加的構成要素を含む図2に示す灌流バイオリアクタの模式図である。 図5Aは、本開示の一実施形態による、灌流バイオリアクタ実験装置の解体図である。 図5Bは、本開示の一実施形態による、灌流バイオリアクタ実験装置の組立図である。 図5Cは、本開示の一実施形態による、灌流バイオリアクタ実験装置の組立図である。 図5D1は、灌流バイオリアクタ実験装置の組立図である。 図5D2は、食用色素 (暗色液)のような小分子を内側容器内に加えた時、前記内側容器 (内室)から10ミクロン織メッシュ多孔質膜を介して前記外室へ通過することを証明するために行った試験の灌流バイオリアクタ実験装置の組立図(図5D1)であり、食用色素 (暗色液)のような小分子を内側容器内に加えた時の図である。 図5D3は、食用色素 (暗色液)のような小分子(図5D2)が前記内側容器 (内室)から10ミクロン織メッシュ多孔質膜を介して前記外室へ通過することを示す灌流バイオリアクタ実験装置の組立図である。 図5Eは、本開示の一実施形態による灌流バイオリアクタの実施可能性を試験するための、3ミクロン織メッシュ多孔質膜を介する抗体の通過に関する信号(y軸)対時間(x軸)を示すグラフである。 図5F1は、本開示の一実施形態による灌流バイオリアクタ実験装置の実施可能性を試験するための実験的配置図である 図5F2は、図5F1に示す実験的配置および灌流バイオリアクタ実験装置を用いて実施された実験結果を示すグラフである。 図6は、本開示の一実施形態による灌流バイオリアクタ実験装置の組立図である。 図7は、本開示による灌流バイオリアクタの実施可能性を示す分析溶液で得られる圧力損失(y軸)対透過度(x軸)を示すグラフである。 図8Aは、本開示による灌流バイオリアクタの実施可能性を示す使用した流体におけるフローモデル設定図である。 図8Bは、本開示による灌流バイオリアクタの実施可能性を示す水平面での速度の大きさによるグレースケール陰影付き速度ベクトルを示す流体モデルの結果を示す。 図8Cは、本開示による灌流バイオリアクタの実施可能性を示す垂直面での速度の大きさによるグレースケール陰影付き速度ベクトルを示す流体モデルの結果を示す。 図8Dは、本開示による灌流バイオリアクタの実施可能性を示す水平面での速度の大きさによるグレースケール陰影付き速度ベクトルを示す流体モデルの結果を示す。 図8Eは、本開示による灌流バイオリアクタの実施可能性を示す流体モデルで得られる圧力損失(y軸)対流速(x軸) を示すグラフである。 図8Fは、本開示による灌流バイオリアクタの実施可能性を示す流体モデルから外挿された圧力損失(y軸)対透過度(x軸)を示すグラフである。 図9は、本開示の一実施形態による連続細胞培養を実施するための図2−6に示す灌流バイオリアクタを用いる方法の基本的手順を示すフローチャートである。
本明細書は、連続細胞培養を実施するために構成された新規な灌流バイオリアクタを開示する。前記新規な灌流バイオリアクタは、(i)少なくとも1つの開口と空洞を有する容器;(ii)前記少なくとも1つの開口を覆うために前記容器に装着可能な少なくとも1つの蓋;(iii)前記空洞を内室および外室に分画するために前記空洞内に配置された多孔質膜;(iv)前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する新鮮培地ポートであって、その一端が前記内室内にある新鮮培地供給管を受容するように構成された新鮮培地ポート;(v)前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する消費培地ポートであって、その一端が前記外室内にある消費培地排出管を受容するように構成された消費培地ポート;および、(vi)ミキサーを含む。実施形態では、前記ミキサーは、インペラおよびシャフトを含むインペラ装置を備え、前記インペラおよび前記シャフトは、前記内室内に配置されている。以下に詳述するように、前記灌流バイオリアクタは、たとえば、内側容器(前記多孔質膜または多重多孔質を支持する)、ブリードオフポート(ブリードオフラインを受容するように構成された)、センサポート(センサに接続された)、ガススパージャポート(ガススパージャに接続された)、およびスピンフィルタなどの1つ以上の他の構成要素を有することもできる。
本明細書は、連続細胞培養を実施するための前記新規な灌流バイオリアクタの使用方法も開示する。該方法は、(i)前記新規な灌流バイオリアクタを準備する工程;(ii)前記内室に細胞を加える工程;(iii)前記新鮮培地供給管を介して新鮮培地を前記内室に導入する工程;(iv)前記外室前記ミキサー装置を操作し、前記内室の内容物をかき混ぜて消費培地および細胞製品もしくは分泌物(たとえば、組換えタンパク、抗体、ウィルス粒子、DNA、RNA、糖、脂質、バイオディーゼル、無機粒子、ブタノール、代謝副産物)を、前記多孔質膜を介して前記外室への移送する工程;および(v)前記消費培地および前記細胞分泌物を、前記消費培地排出管を介して前記外室から除去する工程を含む。前記新規な灌流バイオリアクタは、前記栄養物を前記細胞および他の培地から分離するための機構の一部としての分離濾過ユニットによる実施を必要とする伝統的な細胞培養バイオリアクタに対し、顕著な改善である。
本開示のさまざまな実施形態を、本開示の非限定的な実施形態によるさまざまな新規灌流バイオリアクタおよびそのさまざまな新規灌流バイオリアクタの使用方法を示す図2−9を参照しながら説明する。以下の説明は、新規灌流バイオリアクタの実施を説明することを意図し、新規灌流バイオリアクタのさまざまな態様について非限定的な実施形態を参照する説明により詳細に説明する。ここで述べるさまざまな新規灌流バイオリアクタは、液体(培地)中の細胞から細胞分泌組換えタンパクを分離することに関連して実施されるが、新規灌流バイオリアクタは、同様に(たとえば): バイオディーゼル、量子ドットなどの無機粒子、抗原、抽出物、アルコールのような代謝副産物、酵素;および治療用腫瘍溶解性ウィルスなどの種々の検体を含む他の適用に用い得ることは高く評価されるべきである。
図2を参照すると、本開示の一実施形態による灌流バイオリアクタ200の基本構成要素を示す模式図である。図に示すとおり、前記灌流バイオリアクタ200は、容器202、任意の蓋204、多孔質膜206、新鮮培地ポート208、消費培地ポート210、およびミキサー装置212を含む。容器202(たとえば、透明な容器202)は、開口214および空洞216を有する。蓋204は、開口214を覆うため、容器202に装着される(たとえば、ねじ込まれる、押し込まれる)。外側の容器202は、プラスチック、ガラス、セラミックまたはステンレススチールでもよい。多孔質膜206は、空洞216を内室218および外室220に分画するように空洞216内に配置される。この実施例では、多孔質膜206は、崩落せず、ミキサー装置212と絡まないように、充分な構造的完全性を有する(多孔質膜206が内側容器246に組み込まれてもよい模範的な方法についての後述の議論参照)。前記インペラは、前記多孔質膜を横切る運動伝達を最適化するように設計することができる。内室および外室は、両方または各、動的攪拌器またはインペラを含むことができる。前記インペラの設計は、適切な細胞かき混ぜを生じながら膜領域に沿った動きの移送を最大にするように調整できる。たとえば、前記細胞透過性膜の長さに沿って平行に移動するが接触しないブレードを有するインペラを作製することができる。細胞を損傷することなくメッシュに培地を押し込む機械的な動きが望ましい効果である。前記容器は、スピンフィルタを含むこともできる。実施形態では、容器202または多孔質膜206は、硬質容器であってもよく、あるいは、これら構成要素の1つまたは両方が可撓性バッグであってもよい。
多孔質膜206は、内室218内の新鮮培地および細胞222を収容するように(細胞222を計るためでも、量を示すためでもなく)、また、消費培地が細胞分泌物(たとえば、組換えタンパク、抗体、ウィルス粒子、DNA、RNA、糖、脂質、バイオディーゼル、無機粒子、ブタノール、代謝副産物)と共に外室220へ通過できるように、半透性である。多孔質膜206は、細胞滞留を最適化できるように細胞222のサイズに合わせることができる。たとえば、多孔質膜206は、約0.5〜約150ミクロンの範囲内のサイズの孔を有することができる。さらに、多孔質膜206は、培地、細胞、細胞分泌物などによる孔のバイオ汚染防止に有用であり、それに適用された不活性コーティング223(たとえば、PluronicF127、SigmaCote(商標))を有することができる。実施形態では、前記多孔質膜は、たとえば、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート環状オレフィン共重合体(COP)、セルロース、Ultem 1000などのプラスチック製であってよい。前記多孔質膜は、セラミックまたはステンレススチールまたはガラスであってもよい。前記多孔質膜は、たとえば、射出オーバーモールド、接着剤、ラミネート膜、スポット溶接、レーザー焼結、および超音波溶接などの広範な種々方法により、内側容器(1または複数の覗き窓を有することができる)に付着されていてもよい。前記多孔質膜は、たとえば、PluronicF68、Aculon NanoclearまたはAculon multisurface 疎水コーティング、PluronicF127またはSigmaCoteなどの不活性非バイオ汚染(fouling)表面処理で被覆することができる。半多孔質膜上の防汚剤は、汚染までの時間を緩和するのに有用である。前記多孔質膜は、バイオ汚染を最小化する表面形状となるように形成することができる。前記多孔質膜は、細胞サイズに合わせて設計および調整することができる。膜浄化ブレードは、前記多孔質膜(1以上)のバイオ汚染を防止するために前記多孔質膜(1以上)を掃除するために用いることができる。いくつかのポリマー膜は他のものより汚れやすいが、ポリカーボネートは汚れが最小のようであることは理解されるべきである。超音波溶接およびヒートシールは、前記多孔質膜を内側容器に付着するために用いることができる。前記多孔質膜は、細胞滞留を最適化するように細胞サイズに合わせて調整することができる。前記多孔質膜は、>2%の細孔密度を有することができ、そのいくつかの適用では12ミクロンの孔サイズがうまく機能するようである。前記多孔質膜は、内側容器の両サイドまたは内側容器の底部または最頂部にも配置することができる。頂部の膜設計は、ルーチンの細胞が膜接触するのを避けるようにするのが最善としてもよい。実施形態では、前記容器または前記多孔質膜または両方とも可撓性であり、前記灌流バイオリアクタを可撓性のバッグバイオリアクタとする。
図に示すとおり、新鮮培地ポート208および消費培地ポート210の両方とも蓋204を貫通するが、図たとえば図5C中に示すとおり、必要であれば容器202を貫通する。新鮮培地ポート208は、内室218b内に配置された一端226を有する新鮮培地供給管224を受容するように構成される。新鮮培地供給管224は、新鮮培地を内室218に供給するために使用される。消費培地ポート210は、外室220に配置された一端230を有する消費培地排出管228を受容するように構成される。消費培地排出管228は、消費培地および細胞分泌物(たとえば、組換えタンパク、抗体、ウィルス粒子、DNA、RNA、糖、脂質、バイオディーゼル、無機粒子、ブタノール、代謝副産物)を外室220から除去するために使用される。図5C中に示すとおり、インペラ装置212は、インペラ232およびシャフト234を含む。インペラ232およびシャフト234は、両方とも内室218内に配置される。この実施例では、インペラ232はシャフト234の一端に装着され、一方、シャフト234の他端は、着脱可能な蓋104に回動自在に装着され、蓋104から下方へ延びる。インペラ232は、容器202の下に配置された磁気攪拌プレート255により回転される(図5Cのたとえば磁気攪拌プレート255参照)。代替方法として、ミキサー装置212は、ボート型トップダウウン駆動方式のインペラ232を有してもよい。または、前記ミキサーは、空中浮揚攪拌要素、磁気攪拌要素、パドル状攪拌要素であってもよい。実施形態ではいかなる好適な攪拌機器も使用することができる。灌流バイオリアクタ200は、図3−4について後述するように、1つ以上の付加的構成要素(たとえば、内側容器(多孔質膜206または多重多孔質膜を支持する)、ブリードオフポート238(ブリードオフ管250を受容するように構成された)、センサポート240(センサ254に接続された)、ガススパージャポート236(ガススパージャ244に接続された)、スピンフィルタ243など…)もまた有することができる。前記内側容器は、すべての最終利用者が行う必要のある滅菌水および細胞を追加することができるように、再構成培地を収容することができる。マイクロキャリアビーズもまた、高密度付着細胞培養のために、前記容器内に使用または供給することができる。
図3を参照すると、図2に示される灌流バイオリアクタ200が、本開示の実施形態により、いくつかの付加的構成要素を含む場合を示す模式図である。実施形態では、これら付加的構成要素の全く無い、1つ、いくつか、またはすべてが存在し得る。灌流バイオリアクタ200は、前述の基本構成要素すなわち容器202(開口214および空洞216を有する)、蓋204、多孔質膜206(多重多孔質膜206でもよい)、新鮮培地ポート208(そこに挿入された新鮮培地供給管224を有する)、消費培地ポート210(そこに挿入された消費培地排出管228を有する)、およびミキサー装置212(図示のとおり、インペラ232およびシャフト234)を含む。さらに、灌流バイオリアクタ200は、ガススパージャポート236、ブリードオフポート238、センサポート240、通気孔242、スピンフィルタ243、内側容器246(1つ以上の多孔質膜206を支持するように構成された)、および容器202に組み込まれたガス透過性ハウジング材料247などの1つ以上の付加的構成要素を含むことができる。ガススパージャ装置および連続多変数QbDおよびプロセス解析工学(PAT)設計および操作のためのさまざまなセンサ(たとえば、温度、DO、CO、pH、細胞密度)を、前記内室および前記外室の一方または両方に追加することができる。必要であれば、細胞への酸素供給を改善するために、フッ化エチレンポリプロピレン(FEP)などのガス透過性フィルム、Teflon(登録商標)フッ素ポリマー製光学的透明フィルムは、前記バイオリアクタの容器の前記外側のハウジングおよび蓋に組み込まれ得る。
この実施例では、ガススパージャポート236、ブリードフポート238、センサポート240、および通気孔242は、それぞれ蓋204を貫通するが、必要であれば、容器202を貫通することができる。ガススパージャポート236は、内室218または外室220に配置された一端245を有するガススパージャ244に接続される。ガススパージャ244は、内室218(図示)または外室220(図示せず)内の培地に酸素(透明泡248で示される)を追加するために使用される。ブリードフポート238は、内室218内に配置された一端252を有するブリードオフ管250を受容するように構成されている。ブリードオフ管250は、細胞密度を制御するために内室218から細胞222を除去するために使用される。センサポート240は、内室218 (図示)または外室220(図示せず)内に配置された一端256を有するセンサ254に接続されている。たとえば、センサ254は、溶存酸素(DO)センサ、二酸化炭素(CO)センサ、pHセンサ、細胞密度センサ、糖 グルコースセンサ、または流量または剪断応力および温度センサ、またはその他のセンサであればよい。実施形態では、スピンフィルタ243は、ミキサー装置212のシャフト234に接続されている。スピンフィルタ243は、消費培地に追加の濾過を施すために使用され、消費培地および細胞分泌物は、たとえば消費培地排出管228を介してそこから除去することができる。内側容器246は、1つ以上の開口249を有することができ、1つ以上の多孔質膜206を支持するために使用される(注:図3中、2つの開口249および2つの多孔質膜206が示される)。内側容器246は、容器202の空洞216内に収まるように形成される。さらに、光学的透明性ガス透過性ハウジング材料247(たとえば、シリコーン(PDMSのような)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリメチルペンテン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネートおよびシリコーン・ポリカーボネート共重合体、ポリアクリレート、ポリウレタン、ナイロン、不織レーヨン、エチルセルロース、セルロースアセテート、フッ化エチレンプロピレン(FEP))を含んでもよい容器202は、前記細胞培地に追加の酸素供給をもたらすため、容器202の外側ハウジングに組み込まれていてもよい。さらに、内側容器246は、多孔質膜206間に、細胞培養の目視検査を可能にする覗き窓(1以上)をもたらすように透明であり得る。さらなる実施形態では、前記灌流バイオリアクタは、圧入口および真空圧出口(図8A中、符号802および804参照)によりもたらされる圧力損失を含んでもよい。前記内側容器は、細胞培養および培地の連続的目視検査を可能にする前記多孔質膜(1以上)間に設置された1つ以上の介在窓を有していてもよい。前記多孔質膜は、前記内側容器の両サイドまたは前記内側容器の底部または最頂部にも配置することができる。頂部の膜設計は、ルーチンの細胞が膜接触するのを避けるようにするのが最善としてもよい。
図4を参照すると、図4は、本開示の一実施形態によるいくつかの付加的構成要素を含む図2に示す灌流バイオリアクタ200の模式図である。これら実施形態では、1つまたは図3に示す全く無い、いくつか、またはすべての付加的構成要素に加え、全く無い、いくつか、またはすべてのこれら付加的構成要素が存在し得る。さらなる実施形態では、灌流バイオリアクタは、前記灌流装置中での共培養できるように、“ロシア人形”構造の入れ子で配置され、それぞれが異なる細胞集団を収容する多重内側容器を有してもよい。灌流バイオリアクタ200は、前述の基本構成要素すなわち容器202(開口214および空洞216を有する)、蓋204、多孔質膜206(多重多孔質膜206でもよい)、新鮮培地ポート208(そこに挿入された新鮮培地供給管224を有する)、消費培地ポート210(そこに挿入された消費培地排出管228を有する)、およびミキサー装置212(インペラ232およびシャフト234を有する)を含む。さらに、灌流バイオリアクタ200は、ガススパージャポート236、ブリードオフポート238、センサポート240、通気孔242、膜浄化ブレード258および内側容器246(1つ以上の多孔質膜206を支持するように構成された)などの1つ以上の付加的構成要素を含むことができる。この実施例では、ガススパージャポート236、ブリードフポート238、センサポート240、および通気孔242は、それぞれ蓋204を貫通するが、必要であれば、容器202を貫通することができる。ガススパージャポート236は、内室218(図示)または外室220(図示せず)に配置された一端245を有するガススパージャ244に接続される。ガススパージャ244は、内室218内の培地に酸素(透明泡248で示される)を追加するために使用される。ブリードフポート238は、内室218内に配置された一端252を有するブリードオフ管250を受容するように構成されている。ブリードオフ管250は、細胞密度を制御するために内室218から細胞222を除去するために使用される。センサポート240は、内室218(図示)または外室220(図示せず)内に配置された一端256を有するセンサ254に接続されている。たとえば、センサ254は、DOセンサ、COセンサ、pHセンサ、細胞密度センサ、グルコースセンサ、流量または剪断応力および温度センサ、またはその他のセンサであればよい。実施形態では、膜浄化ブレード258は、ミキサー装置212のシャフト234に装着されている。膜浄化ブレード258は、多孔質膜(1以上)206のバイオ汚染を防止するため、多孔質膜(1以上)206を穏やかにブラッシングすることにより多孔質膜(1以上)206を浄化するために使用される(注:内側容器246は、また、細胞222のそこへの付着防止を補助する移動壁または回転壁を有し得る)。内側容器246は、1つ以上の多孔質膜206を支持するために使用される1つ以上の開口249を有することができる(注:図4中、2つの開口249および2つの多孔質膜206が示される)。内側容器246は、容器202の空洞216内に収まるように形成される。さらに、内側容器246は、1つ以上の換気窓221(2つ図示)を有していてもよい。内側容器246は、容器202の空洞216内に収まる大きさである。さらに、内側容器246は、多孔質膜206間に、細胞培養の目視検査を可能にする覗き窓(1以上)をもたらすように透明であり得る。
図4に示される灌流バイオリアクタ200において、スピンフィルタ243(図3に示す)(膜浄化ブレード258よりむしろ)およびガス透過性ハウジング材料247などの付加的構成要素が使用され得ることは、高く評価されるべきである。さらに、図3に示される灌流バイオリアクタ200において、膜浄化ブレード258(スピンフィルタ243よりむしろ)および1つ以上の換気窓221を有する内側容器246を使用してもよいことは、高く評価されるべきである。基本的に、図3および4に示される付加的構成要素は、互換性であり、必要であれば、1つ以上のそれらは、図2に示される灌流バイオリアクタ200において使用されてもよい。
図5A−5F2を参照すると、本開示の一実施形態による、実験的灌流バイオリアクタ200’および実験的灌流バイオリアクタ200’を試験するために使用されたさまざまな実験的機構を示すいくつかの図を示す。図5Aに示されるとおり、解体時の灌流バイオリアクタ200’は、3つの構成要素すなわち:(1)蓋204、そこに回動自在に装着され、そこから下方へ延びるミキサー装置212(シャフト234およびインペラ232を有する)付;(2)多重多孔質膜206(5つ図示)および多重換気窓221(5つ図示)を支持するために使用される多重開口249(5つ図示)付き内側容器246;および(3)開口214、空洞216、支持プレート213、および容器202から外方に延びる2つの首217aおよび217b(対応する2つのキャップ219aおよび219b付)を含む容器202を含む。灌流バイオリアクタ200’は、容器202内に内側容器246を置き、次いで、蓋204をインペラ装置212(すなわち、インペラ232およびシャフト234)が内側容器246内に位置するように容器202上に固定することで組み立てることができる(図5B参照)。
実施形態では、蓋204は着脱可能に前記容器に装着され、または取り外せないように前記容器に固定されてもかまわない。実施形態では、蓋は、前記容器に不可欠であり、灌流バイオリアクタを、いったん組み立てられたら閉鎖の完成装置とする。または、その代りに、蓋が取り外し可能な時は、灌流バイオリアクタは利用者によって解体され、その内容物が利用者に利用されることができる。
さらに、灌流バイオリアクタ200’は、使用時、新鮮培地ポート208(すなわち、新鮮培地供給管224を受容する大きさの孔208)および消費培地ポート210(すなわち、消費培地排出管228を受容する大きさの孔210)を有するように構成されたキャップ219aおよび219bを有し、必要であれば、1つ以上の以下のものを有する:ガススパージャポート236(ガススパージャ244に接続された)、ブリードフポート238(ブリードオフ管250を受容するサイズの)、センサポート240(センサ254に接続された)、および通気孔242。たとえば、図5Cは、典型的な灌流バイオリアクタ200’を示す図であり、ここでは、キャップ219aは、新鮮培地ポート208(新鮮培地供給管224を受容する)およびガススパージャポート236(ガススパージャ244に接続された)を有し、キャップ219bは、消費培地ポート210(消費培地排出管228を受容する)およびブリードフポート238(ブリードオフ管250を受容する)を有する。典型的な灌流バイオリアクタ200’は、さらに容器202の外部に配置された磁気攪拌プレート255を有する。磁気攪拌プレート255は、インペラ232およびシャフト234を回転させるように構成される。
実施形態では、図2−5D3に示される灌流バイオリアクタは、現在利用可能な灌流バイオリアクタシステムに対し、顕著な利点を有する。たとえば、灌流バイオリアクタは、培地の通過を可能にしながら細胞を保持するために使用される半透性膜をする。多孔質膜の存在は、伝統的な細胞培養バイオリアクタの濾過ユニットまたは他の外付け装置、たとえば遠心分離機、タンジェンタルフローフィルタレーション(TFF)または交互タンジェンタルフロー(ATF)(たとえば、精製技術/レプリジェン(Repligen)装置参照)のような外部細胞滞留装置の防止外部メンテナンス(Avoids external maintenance)の必要性を排除する。バイオリアクタは、連続的に操作され得る。100リットル灌流バイオリアクタ の連続的操作は、1000リットルの従来の流加バイオリアクタに匹敵する量の抗体を産生し得る。灌流バイオリアクタは、従来の密閉フラスコバイオリアクタを用いる典型的な5日間バッチ培養を超える細胞増殖を可能する。灌流バイオリアクタは、連続的抗体または組換えタンパク精製システムと一体化し得る。灌流バイオリアクタは、再利用容器用の単なる挿入物として、または完全なシステムとして販売され得る。組立てられた灌流バイオリアクタは、ガンマ線照射、電子ビーム滅菌、紫外線(UV)照射、エタノール滅菌またはガス滅菌され得る。
灌流バイオリアクタは、たとえば0.1リットル〜約1000リットルまたはそれ以上のどのようなサイズでもよい。灌流バイオリアクタは、ハイスループット連続的培養試験を実施し得る15ml容量のような小スケールに小型化され得る。現在のところ、従来型AMBRバイオリアクタシステムは、15ml容量レベルでの流加培養試験に使用されるが、いまだ連続細胞培養探索(scouting)スクリーンを実施する能力はない。新規灌流バイオリアクタを用いれば、これは可能であろう。灌流バイオリアクタは、新鮮培地供給流速が1回の充填量/日に等しくなる1L〜3Lの充填容量をもち得る。灌流バイオリアクタは、従来の密閉フラスコバイオリアクタを用いる典型的な5日間バッチ培養を超える細胞増殖を可能する。
灌流バイオリアクタは、灌流バイオリアクタ中に包含される細胞への酸素の利用性を最適化する構造とし得る。たとえば、任意に使用してもよいガススパージャおよび/またはTeflon(登録商標)フッ素ポリマー製FEP光学的透明フィルムなどのガス透過性フィルムが、追加の酸素供給をもたらすために、バイオリアクタの外側ハウジングに一体化され得る。内側容器は、内側容器の頂部に1つ以上の換気窓を有することができる。該窓(1以上)は、細胞への酸素保持に有用であろう。
組立てられた灌流バイオリアクタ200’は、次いで、概念実証を示すため、図5D1−5F2を参照して次に説明するいくつかの実験において試験された。一実験では、灌流バイオリアクタ200’(図5D1参照)に、食用色素(暗色液体)のような小分子が内側容器246(図5D2参照)に添加された時、内側容器246から10ミクロン織メッシュ多孔質膜206(図5D3参照)を通過することを証明する試験を実施させた。内側容器246に添加された食用色素は、速やかに10ミクロン織メッシュ多孔質膜206を通過したことで、試験は成功であった。
他の実験では、本願発明者らは、灌流バイオリアクタ200’を試験しなかったが、抗体複合体および消費培地が3ミクロン織メッシュ多孔質膜206を通過することを証明する試験を実施した(図5E参照)。この実験では、本願発明者らは、3ミクロン織メッシュ多孔質膜206の一方の表面上に、アルカリホスファターゼ抗体複合体をスパイクし、アルカリホスファターゼ抗体複合体が3ミクロン織メッシュ多孔質膜206を速やかに通過することを示した。これは、抗体はもちろん消費培地も3ミクロン孔を有する多孔質膜206を通過するであろうことを証明する。
さらに他の実験では、図5F1に示される灌流バイオリアクタ200’は、インキュベーターの内部に配置され、新鮮培地ボトル502は、その内容物すなわち蠕動ポンプ503の1揚程で内側容器246内に汲み出された新鮮培地を有し、一方、前記消費培地および細胞分泌物は、容器202の外室220の外部の蠕動ポンプ503の他の揚程で消費培地ボトル504中に汲み出された。スパージャーとも称されるエアポンプ505およびエアフローメータ506は、内側容器246内で細胞が経験する通気の量のコントロールを補助するために使用された。磁気攪拌プレート255は、内側容器246内のインペラ232(非可視)を回転させるために、その中の回転磁石を利用する。図5F2は、この実験の結果を示すグラフであり、グラフは、2種のデータ(1)生細胞密度(灌流バイオリアクタ200’に関連するライン508および流加培養装置に関連するライン510参照)および(2)生存率%(灌流バイオリアクタ200’に関連するライン512および流加培養装置に関連するライン514参照)を示す。生細胞密度は、ミリリットルあたりの百万細胞で示され、流加培養装置(ライン514)に対する灌流バイオリアクタ200’(ライン512)の結果を比較する。グラフから分かるように、流加培養装置は、たかだか〜15百万細胞(ライン514)に達するのに対し、灌流バイオリアクタ200’は、ミリリットルあたり40百万細胞まで上昇した(ライン512)。このことは、灌流バイオリアクタ200’は、細胞密度について流加培養装置よりも劇的に優れていることを示す。ライン508および510で示される生存率%は、〜90%で、灌流バイオリアクタ200’と流加培養装置との間で極めて密接に一致する。
図6を参照すると、本開示の一実施形態による灌流バイオリアクタ200”実施例を示す図である。図に示すとおり、灌流バイオリアクタ200”は、3つの構成要素すなわち:(1)蓋204、そこに回動自在に装着され、そこから下方へ延びるミキサー装置212付;(2)多重多孔質膜206(図中に不透明部分としてみられる)および多重換気窓221を支持するために使用される多重開口249(非可視)付内側容器246;および(3)開口214、空洞216、支持プレート213、および容器202から外方に延びる2つの首217aおよび217b(対応する2つのキャップ219aおよび219b付)を含む容器202を含む。灌流バイオリアクタ200”は、容器202内に内側容器246を置き、次いで、蓋204をミキサー装置212(すなわち、インペラ232およびシャフト234)が内側容器246内に位置するように容器202上に固定することで組み立てられた。さらに、灌流バイオリアクタ200”は、使用時、新鮮培地ポート208(すなわち、新鮮培地供給管224を受容する大きさの孔208)および消費培地ポート210(すなわち、消費培地排出管228を受容する大きさの孔210)を有するように構成されたキャップ219aおよび219bを有し、必要であれば、1つ以上の以下のものを有する:ガススパージャポート236(ガススパージャ244に接続するための大きさの孔236)、ブリードフポート238(すなわち、ブリードオフ管250を受容するサイズの孔238)、センサポート240(すなわち、センサ254に接続するための大きさの孔240)、および通気孔242。図5A−5Fに示される灌流バイオリアクタ200’および図6に示される灌流バイオリアクタ200”は、装置を作製するための構造および材料の選択に応じて再利用可能または使い捨てを考慮することができることは、高く評価されるべきである。たとえば、ガラス装置は、再利用可能であると考えることができ、一方、プラスチック容器は、使い捨てであると考えることができる。必要であれば、灌流バイオリアクタ200’および灌流バイオリアクタ200”は、前述の灌流バイオリアクタ200について説明した付加的構成要素242、244、247、および258の1つ以上のどれでも組み込でもよい。
灌流バイオリアクタ200、200’および200”の重要な構成要素は、内室218(内側空間(volume)218)および外室220(外側空間220)の分離を容易にし、細胞を容器202から流出させることなく、栄養素欠乏増殖培地の抽出を可能にさせる多孔質膜206である。多孔質膜206は、培養細胞222、たとえば、NS0マウス骨髄腫細胞、PER.C6(登録商標)ヒト細胞、ヒト胎児腎(HEK)293、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、SF9、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞222、を内室218内に保持するように特別に設計されており、一方、将来的に有益な細胞分泌物(たとえば、組換えタンパク、抗体、ウィルス粒子、DNA、RNA、糖、脂質、バイオディーゼル、無機粒子、ブタノール、代謝副産物)を含む前記消費培地は、後続の獲得および精製のために多孔質膜206を通過して外室220に移送される。次いで議論するとおり、前述の灌流バイオリアクタ200、200’および200”の設計の実行可能性を示すために、多孔質膜206の孔のサイズ計測および圧力損失対流速の計算のために解析および数値モデルの両方が用いられた。
A.ダルシー(Darcy)則に基づく解析ツール
多孔質培地を通過する流量の理論に基づき、多孔質膜(多孔質膜206のような)横断の圧力損失は、粘性効果(ダルシー項)および慣性効果による多孔質膜通過の流動抵抗について説明する以下の解析方程式(1)で評価することができる:
Figure 0006929882
したがって、圧力損失は、多孔質膜、すなわち厚みΔt、透過度Kおよび慣性抵抗係数C2に関連する設計変数に依存する。透過度Kおよび慣性抵抗係数C2は、通常、多孔質膜の製造業者から提供される圧力損失対体積流速の測定値から決定することができる。そのような測定値がない場合、慣性損失項を無視することができ、ダルシー則は、以下のような透過度の関数としての圧力損失を算出するために用いることができる:
Figure 0006929882
多孔質膜の厚み100ミクロン、および流速1リットル(L)/日と仮定して、式(2)に基づく圧力損失の計算は、圧力損失(y軸)対膜透過度(x軸)のグラフを示す図7に示される。グラフに示されるとおり、多孔質膜の透過抵抗の上昇に伴い、圧力損失を低下に導く多孔質膜横断流速の減少がみられる。これら解析的計算から導くことができる結論は、10ミクロン未満の孔サイズに対応する10-13のオーダーの膜透過度について、多孔質膜横断圧力損失は小さいことである。換言すれば、データは、膜透過度に対する圧力損失が非常に小さいことを示す。それゆえ、多孔質膜の使用は、灌流バイオリアクタ200、200’および200”中での広範な細胞培養の間、多孔質膜を横断する培地および分子移送のために非常に有用なはずである。
B. 流体中で展開される計算流体力学(CFD)モデル
灌流バイオリアクタ200、200’および200”におけるミキサー232のかき混ぜによる増殖培地の慣性効果を説明するために、本願発明者らは、かき混ぜプロセスをシミュレートし、多孔質膜206横断の圧力損失を計算するCFDモデルを開発した。図8Aは、CFDモデル機構を示し、ここで、容器は802で示され、真空圧出口は804で示され、圧入口(p=0)は806で示され、多孔質膜は808で示され(多孔質とび境界条件として扱われるフラスコ壁:多孔質膜(0.1mm厚))、およびミキサーは810で示される。CFDモデルは、ミキサー810が細胞培養の実施を補助するだけでなく、多孔質膜808を横断する培地の移動も促進する動的攪拌の効果を示す。これは、灌流バイオリアクタ200、200’および200”内での広範な細胞培養および多孔質膜(1以上)206の潜在的なバイオ汚染を考慮するとき、特に有益な特性である。
図8B、8Cおよび8Dは、速度ベクトルを示し、グレー陰影は、選択された水平面(図8Bおよび8D)および垂直面(図8C)での速度の大きさを示す。図から分かるように、速度は、ミキサー810が起動してすぐに最大値である。また、培地は、内部フラスコ多孔質膜壁808を通過して、フラスコの内壁および外壁で掲載される環状空間へ流れ(図8B)、真空圧出口804を介して容器802から出ていく(図8C)ことも分かる。
CFDモデルは、独立変数および従変数としての体積流速として透過度および真空圧を用いるパラメーター研究を実行することで、さまざまな値の膜透過度についての流速の関数として、圧力損失を計算するために使用された。この研究の結果を、圧力損失(y軸)対流速(x軸)を示す図8Eに示す。なお、K<10-10に収束した解はなされなかった。したがって、CFDモデル結果の外挿は、1L/日の流速においてK<10-10の時の圧力損失を計算するために用いられた。外挿された結果を、圧力損失(y軸)対透過度(x軸)のグラフを示す図8Fに示す。
図7および図8Eの比較は、CFDモデルは、分析的解明に比べ多孔質膜横断のより高い圧力損失を予測する。これは、ダルシー則が圧力損失に追加する慣性項を無視する時に妥当である。この特定の適用のため、灌流バイオリアクタ200、200’および200”は、おそらく1e-10〜1e-132の範囲の値の膜透過度を有するであろう。この範囲の膜透過度について、解析および数値モデルの両方は、本開示による灌流バイオリアクタ200、200’および200”の設計の実施可能性を保証する望ましい流速1L/日については、低い圧力損失(<20dyne/cm2)を予測する。
図9を参照すると、本開示の一実施形態による連続細胞培養を実施するための灌流バイオリアクタ200、200’および200”の使用方法900の基本工程を示すフローチャートが示される。最初の工程902において、灌流バイオリアクタ200、200’または200”が供給され、ここで、灌流バイオリアクタは、(i)開口214および空洞216を有する容器202;(ii)開口214を覆うため、容器202に装着される蓋204;(iii)空洞216を内室218および外室220に分画するように空洞216内に配置された多孔質膜206;(iv)容器202または蓋204を貫通する新鮮培地ポート208、ここで、新鮮培地ポート208は、内室218内に配置された一端を有する新鮮培地供給管224を受容するように構成されている;(v)容器202または蓋204を貫通する消費培地ポート210、ここで、消費培地ポート210は、外室220内に配置された一端を有する消費培地排出管228を受容するように構成されている;(vi)容器202または蓋204を貫通するガススパージャポート236(任意)、ここで、ガススパージャポート236は、内室218または外室220内に配置された一端を有するガススパージャ244に接続されている;(vii)容器202または蓋204を貫通するブリードオフポート238(任意)、ここで、ブリードフポート238は、内室218内に配置された一端を有するブリードオフ管250を受容するように構成されている;(viii)容器202または蓋204を貫通するセンサポート240(任意)、ここで、センサポート240は、内室218または外室220内に配置された一端を有するセンサ254に接続されている;および(viiii)室218内に配置されたインペラ232およびシャフト234を有するミキサー装置、を含む。工程904において、細胞222が内室218に添加される。工程906において、新鮮培地が新鮮培地供給管224を介して内室218に導入される。工程908において、消費培地および細胞分泌物(たとえば、組換えタンパク、抗体、ウィルス粒子、DNA、RNA、糖、脂質、バイオディーゼル、無機粒子、ブタノール、代謝副産物)が多孔質膜206を介して外室220に移動できるように内室218内のミキサー232を回転させるため、ミキサー装置212が操作される。工程910(任意)において、前記消費培地 および前記細胞分泌物を、消費培地排出管228を介して外室220から除去する。工程912(任意)において、ガススパージャ244は、酸素を内室218、または外室220、または両室218および220に導入するために使用される。工程914(任意)において、内室218の細胞密度を制御するため、少なくとも細胞222の一部が内室218からブリードオフ管250を介して除去される。工程916(任意)において、センサ254からセンサ信号が得られる。たとえば、センサ254は、DOセンサ、COセンサ、pHセンサ、細胞密度センサ、グルコースセンサ、流量または剪断応力および温度センサ、またはその他のセンサであればよい。
前述を考慮して、細胞がミキサーによりもたらされるかき混ぜを介して増殖培地内で培養される内側空間(内室)、および多孔質膜を介して内側空間から分離された外側空間(外室)を有する灌流バイオリアクタが開示される。前記多孔質膜は、細胞をブロックするが、増殖培地および細胞分泌物(たとえば、組換えタンパク、抗体、ウィルス粒子、DNA、RNA、糖、脂質、バイオディーゼル、無機粒子、ブタノール、代謝副産物)の内側空間(内室)から外側空間(外室)への流出は可能にさせる充分に小さい孔(たとえば、CHO細胞用の<15μm−または細胞のサイズに応じて)を有する。新鮮培地は、供給管を介して前記容器の前記内側空間(内室)に連続的に供給され、一方、栄養素欠乏培地は、前記内側空間から外側空間(外室)への流出し、および真空圧出口(たとえば、消費培地排出管)を介して前記容器から流出する。
開示された灌流バイオリアクタは、実用的には、灌流を介して消費培地および細胞分泌物(たとえば、組換えタンパク、抗体、ウィルス粒子、DNA、RNA、糖、脂質、バイオディーゼル、無機粒子、ブタノール、代謝副産物)が透過性細胞保持膜を通過する連続細胞培養ができるように、細胞保持膜を細胞培養容器内に一体化する。灌流バイオリアクタは、製造規模または研究規模のいずれのバイオプロセスでも使用され得る。灌流バイオリアクタは、前記消費培地から細胞を分離するための従来のスピンフィルタおよびATF技術における機械的および動的労力を必要とせず、従来技術の装置に対し顕著な改善である。膜またはメッシュ構造は、培地および細胞分泌物を膜から流出させつつ細胞を保持することを可能にする。本願発明者らは、このアプローチが意図した効果が得られることを実証するためのモデリングを実施した(図7−図8F参照)。さらに、本願発明者らは、灌流バイオリアクタ200’および200”の試作品を作製し、それらを確実に操作させて、細胞は保持されたまま、抗体を前記多孔質膜に通過させ得ることを観察した(図5A−図6参照)。
一態様(1)では、本開示は、容器(202)少なくとも1つの開口(214)および空洞(216);前記少なくとも1つの開口を覆うため前記容器に装着される少なくとも1つの蓋(204);前記空洞を内室(218)および外室 (220)に分画するために前記空洞内に配置された多孔質膜(206);前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する新鮮培地ポート(208); 前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する消費培地ポート(210);およびインペラ(232)およびシャフト(234)を含み、前記インペラおよび前記シャフトが前記内室内に配置されているミキサー装置(212)を含む、灌流バイオリアクタ(200、200’、200”)を提供する。
他の態様(2)では、本開示は、前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するガススパージャポート(236)をさらに含む、前記態様(1)の灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(3)では、本開示は、前記容器前記少なくとも1つの蓋を貫通するブリードオフポート(238)をさらに含む、前記態様(1または2)の灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(4)では、本開示は、前記容器前記少なくとも1つの蓋を貫通するセンサポート(240)をさらに含む、前記態様(1−3)のいずれかの灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(5)では、本開示は、前記容器または前記蓋が、前記空洞に連通する通気孔(242)をさらに含む、前記態様(1−4)のいずれかの灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(6)では、本開示は、前記容器がガス透過性ハウジング材料(247)をさらに含む、前記態様(1−5)のいずれかの灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(7)では、本開示は、前記多孔質膜が内側容器(246)内の開口(249)に装着され、前記内側容器は前記容器の前記空洞内に配置されている、前記態様(1−6)のいずれかの灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(8)では、本開示は、前記内側容器が1つ以上の換気窓(221)または前記空洞に連通する通気孔をさらに含む、前記態様(1−7)のいずれかの灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(9)では、本開示は、前記多孔質膜が約0.5〜約150ミクロンの範囲内のサイズの孔を有する、前記態様(1−8)のいずれかの灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(10)では、本開示は、前記多孔質膜がその表面に不活性コーティングをさらに含む、態様(1または2)の灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(11)では、本開示は、前記インペラが前記シャフトの一端に装着され、前記シャフトの他端が前記着脱可能な蓋に回動自在に装着され、かつ下方へ延びる、前記態様(2)の灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(12)では、本開示は、前記ミキサー装置がスピンフィルタ(243)をさらに含む、態様(1)の灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(13)では、本開示は、前記ミキサー装置が前記シャフトの本体に装着された除去ブレード(258)をさらに含む、前記態様(1または12)の灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(14)では、本開示は、前記ミキサー装置が前記容器の外部に配置された磁気攪拌プレート(255)をさらに含み、該磁気攪拌プレートは前記インペラおよび 前記シャフトを回転させるように構成されている、前記態様(1)の灌流バイオリアクタを提供する。
一態様(15)では、本開示は、連続細胞培養を実施するための方法(900)を提供し、該方法は、以下の工程を含む:
(a)灌流バイオリアクタ(200、200’、200”)を供給する工程(902)であって、該灌流バイオリアクタは、(i)開口(214)および空洞(216)を有する容器(202);(ii)前記開口を覆うため、前記容器に装着される少なくとも1つの蓋(204);(iii)前記空洞を内室および外室に分画するように前記空洞内に配置された多孔質膜(206);(iv)前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する新鮮培地ポート(208)、ここで、該新鮮培地ポートは、前記内室内に配置された一端を有する新鮮培地供給管(224)を受容するように構成されている;(v)前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する消費培地ポート(210)、ここで、該消費培地ポートは、前記外室内に配置された一端を有する消費培地排出管(228)を受容するように構成されている;および(vi)インペラ(232)およびシャフト(234)を含み、前記インペラおよびシャフトが前記内室内に配置されているミキサー装置(212)を含む、前記工程(902);
(b)前記内室に細胞(222)を加える工程(904);
(c)前記新鮮培地供給管を介して新鮮培地を前記内室に導入する工程(906);
(d)前記内室内の前記ミキサーを回転させ、前記多孔質膜を介して消費培地および細胞分泌物を前記外室に移送することができるように前記ミキサー装置を操作する工程(910);および
(e)前記消費培地および前記細胞分泌物を、前記消費培地排出管を介して前記外室から除去する工程(912)。
他の態様(16)では、本開示は、前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するガススパージャポート(236)をさらに含み、該ガススパージャポートは、ガススパージャ(244)に接続され、該ガススパージャは、前記内室および前記外室の少なくとも1つに配置された一端を有し、さらに、該方法は、前記外室に酸素を導入するためのガススパージャを用いる工程(914)を含む、前記態様(15)の方法を提供する。
他の態様(17)では、本開示は、前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するブリードオフポート(238)をさらに含み、該ブリードフポートは、ブリードオフ管(250)を受容するように構成されており、該ブリードオフ管は、前記内室に配置された一端を有し、さらに、該方法は、前記ブリードオフ管を介して前記細胞の少なくとも一部を前記内室から除去工程(916)を含む、前記態様(15)の方法を提供する。
他の態様(18)では 、本開示は、前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するセンサポート(240)をさらに含み、該センサポートはセンサ(254)に接続され、該センサは、前記内室または前記外室に配置された一端を有し、さらに、該方法は、前記センサからセンサ信号を取得する工程(918)を含む、前記態様(15)の方法を提供する。
他の態様(19)では、本開示は、前記多孔質膜は内側容器(246)の開口(249)に装着され、該内側容器は、前記容器の前記空洞内に配置されている、前記態様(15)の方法を提供する。
他の態様(20)では、本開示は、前記容器または前記少なくとも1つの蓋が、前記空洞に連通する通気孔をさらに含む、前記態様(1−7)のいずれかの灌流バイオリアクタを提供する。
他の態様(21)では、本開示は、前記容器がガス透過性ハウジング材料をさらに含む、前記態様(1−8)のいずれかの灌流リアクタを提供する。
他の態様(22)では、本開示は、前記多孔質膜が内側容器の開口に装着され、該内側容器が前記容器の前記空洞内に配置されている、前記態様(1−9)のいずれかの灌流バイオリアクタを提供する。
開示されたさまざまな実施形態は、その特定の実施形態に関連して説明された特定の特徴、構成要素または工程を含み得ることは理解されるであろう。特定の特徴、構成要素または工程は、1つの特定の実施形態に関連して説明されたが、さまざまな図示しない組合せまたは変更において、別の実施形態との互換または組合せでもよいことも理解されるであろう。
本明細書で用いられる場合、名詞は、「少なくとも1つの」対象を指し、特に明確なことわりのない限り、「唯一」に限定すべきではないことも理解されるべきである。すなわち、たとえば、「開口」を参照すれば 、文脈上他に明白に示さない限り、2以上の「開口」を有する例を含む。
本明細書において、範囲は、「約」1つの特定値から、および/または、「約」他の特定値までとして表される。このような範囲で表される時、例は、その1つの特定値から、および/または、他の特定値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」を用いて近似値として表される場合、その特定値は別の態様を形成すると解されよう。範囲の各々の終点は、他の終点に関連して、および、他の終点とは無関係に、の両方の意味を表すこともさらに理解されるであろう。
本明細書において、すべての数値は、そのような記載があってもなくても、特にことわりのない限り、「約」を含むものと解釈されるであろう。しかしながら、さらに理解されるように、「約」付の値で表わされているかどうかに拘わらず、記載された各数値は正確によく熟考されている。すなわち、「10mm未満の寸法」および「約10mm未満の寸法」の両方とも、「約10mm未満の寸法」の実施形態も「10mm未満の寸法」の実施形態も含む。
特にことわりのない限り、本明細書に記載のいずれの方法も、その各工程が特定の順序で実施される必要があると解釈されることを決して意図するものではない。したがって、方法に係る請求項は、実際にその各工程に従うべき順序を記載しておらず、またはさもなければ、工程は特定の順序に限定されることは請求項または明細書に特に記載されておらず、特定の順序が推定されることを意図するものではない。
特定の実施形態のさまざまな特徴、構成要素または工程は、移行句「〜を含む(comprising)」を用いて開示され得るが、移行句「〜からなる(consisting)」又は「〜から本質的になる(consisting essentially of)」を使用して記載されうるものを含む代替的な実施形態が包含されるものと理解されるであろう。それゆえ、たとえば、A+B+Cを含む方法に対する黙示的代替の実施形態は、A+B+Cからなる方法の実施形態、およびA+B+Cから本質的になる方法の実施形態を包含する。
本開示の多様な実施形態は、添付図面および上述の発明の詳細な説明において説明されたが、該開示は記載された実施形態に限定されないが、上記記載されたおよび以下の特許請求の範囲に規定される開示を逸脱することなく、さまざまな修正、変形および置換がなされうると理解されるべきである。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
少なくとも1つの開口と空洞を有する容器;
前記少なくとも1つの開口を覆うために前記容器に装着される少なくとも1つの蓋;
前記空洞を内室および外室に分画するために前記空洞内に配置された多孔質膜;
前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する新鮮培地ポート;
前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する消費培地ポート;および、
ミキサー
を備える灌流バイオリアクタ。
実施形態2
前記ミキサーは、インペラおよびシャフトを備え、該インペラおよびシャフトは内室内に配置されている、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態3
前記蓋は、前記容器に着脱可能に装着されている、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態4
前記容器または前記多孔質膜または両方とも可撓性である、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態5
前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するガススパージャポートをさらに備える、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態6
前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するブリードオフポートをさらに備える、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態7
前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するセンサポートをさらに備える、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態8
前記容器または前記少なくとも1つの蓋が前記空洞に連通する通気孔をさらに備える、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態9
前記容器がガス透過性ハウジング材料をさらに備える、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態10
前記多孔質膜が内側容器内の開口に装着され、かつ該内側容器が前記容器の前記空洞内に配置されている、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態11
前記内側容器が1つ以上の換気窓をさらに備える、実施形態10に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態12
前記多孔質膜が約0.5〜約150ミクロンの範囲内のサイズの孔を有する、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態13
前記多孔質膜がその表面に不活性コーティングをさらに有する、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態14
前記インペラが前記シャフトの一端に装着され、かつ前記シャフトの他端が前記少なくとも1つの蓋に回動自在に装着され、該蓋から下方へ延びる、実施形態2に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態15
前記ミキサー装置がスピンフィルタをさらに備える、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態16
前記ミキサー装置が前記シャフト本体に装着された膜浄化ブレードをさらに備える、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態17
前記ミキサー装置が前記容器の外部に配置された磁気攪拌プレートをさらに備え、かつ該磁気攪拌プレートが前記ミキサーを回転させるように構成されている、実施形態1に記載の灌流バイオリアクタ。
実施形態18
連続細胞培養を実施する方法であって、
少なくとも1つの開口と空洞を有する容器;
前記少なくとも1つの開口を覆うために前記容器に装着される少なくとも1つの蓋、
前記空洞を内室および外室に分画するために前記空洞内に配置された多孔質膜、
前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する新鮮培地ポートであって、その一端が前記内室内にある新鮮培地供給管を受容するように構成された新鮮培地ポート、
前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する消費培地ポートであって、その一端が前記外室内にある消費培地排出管を受容するように構成された消費培地ポート、および、
前記内室内に配置されたミキサー、
を備える灌流バイオリアクタにおいて、前記内室に細胞を加える工程;
前記新鮮培地供給管を介して新鮮培地を前記内室に導入する工程;
前記内室内の前記ミキサーを回転させ、前記多孔質膜を介して消費培地および細胞分泌物を前記外室に移送することができるように前記ミキサー装置を操作する工程;および
前記消費培地排出管を介して、前記消費培地および前記細胞分泌物を前記外室から除去する工程
を含む、前記方法。
実施形態19
前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するガススパージャポートをさらに備え、該ガススパージャポートがガススパージャに接続され、かつ該ガススパージャが前記内室および前記外室の少なくとも一方にある端部を有し、
前記方法は、前記ガススパージャを用いて前記外室または内室または両方に酸素を導入することをさらに含む、実施形態18に記載の方法。
実施形態20
前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するブリードオフポートをさらに備え、該ブリードオフポートがブリードオフ管を受容するように構成され、かつ該ブリードオフ管が前記内室にある端部を有し、
前記方法は、前記ブリードオフ管を介して前記細胞の少なくとも一部を前記内室から除去することをさらに含む、実施形態18に記載の方法。
実施形態21
前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するセンポートをさらに備え、該センサポートがセンサに接続され、かつ該センサが前記内室または前記外室にある端部を有し、
前記方法が、前記センサからセンサ信号を取得することをさらに含む、実施形態18に記載の方法。
実施形態22
前記多孔質膜は内側容器内の開口に装着され、該内側容器が前記容器の前記空洞内に配置されている、実施形態18に記載の方法。
200、200’、200” 灌流バイオリアクタ
202 容器
204 蓋
206 多孔質膜
208 新鮮培地ポート
210 消費培地ポート
212 ミキサー装置
214 開口
216 空洞
218 内室
220 外室
221 換気窓
224 新鮮培地供給管
228 消費培地排出管
232 インペラ
236 ガススパージャポート
238 ブリードオフポート
240 センサポート
242 通気孔
244 ガススパージャに
250 ブリードオフ管
254 センサ

Claims (18)

  1. ガス透過性ハウジング材料、少なくとも1つの開口および空洞を有する容器;
    前記少なくとも1つの開口を覆うために前記容器に装着される少なくとも1つの蓋;
    前記空洞を内室および外室に分画するために前記空洞内に配置された多孔質膜;
    前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する新鮮培地ポート;
    前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する消費培地ポート;および、
    ミキサー
    を備え
    前記多孔質膜が内側容器内の開口に装着され、
    該内側容器が前記容器の前記空洞内に配置されており、
    前記内側容器が1つ以上の換気窓をさらに備える、灌流バイオリアクタ。
  2. 前記ミキサーは、インペラおよびシャフトを備え、該インペラおよびシャフトは前記内室内に配置されている、請求項1に記載の灌流バイオリアクタ。
  3. 前記蓋は、前記容器に着脱可能に装着されている、請求項1または2に記載の灌流バイオリアクタ。
  4. 前記容器または前記多孔質膜または両方とも可撓性である、請求項1〜3のいずれかに記載の灌流バイオリアクタ。
  5. 前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するガススパージャポートをさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の灌流バイオリアクタ。
  6. 前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するブリードオフポートをさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の灌流バイオリアクタ。
  7. 前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するセンサポートをさらに備える、請求項1〜6のいずれかに記載の灌流バイオリアクタ。
  8. 前記容器または前記少なくとも1つの蓋が前記空洞に連通する通気孔をさらに備える、請求項1〜7のいずれかに記載の灌流バイオリアクタ。
  9. 前記多孔質膜が0.5〜150ミクロンの範囲内のサイズの孔を有する、請求項1に記載の灌流バイオリアクタ。
  10. 前記多孔質膜がその表面に不活性コーティングをさらに有する、請求項1または2に記載の灌流バイオリアクタ。
  11. 前記インペラが前記シャフトの一端に装着され、かつ前記シャフトの他端が前記少なくとも1つの蓋に回動自在に装着され、該蓋から下方へ延びる、請求項2に記載の灌流バイオリアクタ。
  12. 前記ミキサー装置がスピンフィルタをさらに備える、請求項1に記載の灌流バイオリアクタ。
  13. 前記ミキサー装置が前記シャフト本体に装着された膜浄化ブレードをさらに備える、請求項1〜12のいずれかに記載の灌流バイオリアクタ。
  14. 前記ミキサー装置が前記容器の外部に配置された磁気攪拌プレートをさらに備え、かつ該磁気攪拌プレートが前記ミキサーを回転させるように構成されている、請求項1に記載の灌流バイオリアクタ。
  15. 連続細胞培養を実施する方法であって、該方法は、
    灌流バイオリアクタであって、
    少なくとも1つの開口と空洞を有する容器、
    前記少なくとも1つの開口を覆うために前記容器に装着される少なくとも1つの蓋、
    前記空洞を内室および外室に分画するために前記空洞内に配置された多孔質膜、
    前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する新鮮培地ポートであって、その一端が前記内室内にある新鮮培地供給管を受容するように構成された新鮮培地ポート、
    前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通する消費培地ポートであって、その一端が前記外室内にある消費培地排出管を受容するように構成された消費培地ポート、および、
    前記内室内に配置されたミキサー、
    を備え、
    前記多孔質膜は内側容器内の開口に装着され、
    該内側容器が前記容器の前記空洞内に配置されており、
    前記内側容器が1つ以上の換気窓をさらに備える灌流バイオリアクタにおいて、前記内室に細胞を加える工程;
    前記新鮮培地供給管を介して新鮮培地を前記内室に導入する工程;
    前記内室内の前記ミキサーを回転させ、前記多孔質膜を介して消費培地および細胞分泌物を前記外室に移送することができるように前記ミキサー装置を操作する工程;および
    前記消費培地排出管を介して、前記消費培地および前記細胞分泌物を前記外室から除去する工程
    を含む、前記方法。
  16. 前記灌流バイオリアクタが、前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するガススパージャポートをさらに備え、該ガススパージャポートがガススパージャに接続され、かつ該ガススパージャの一端が前記内室および前記外室の少なくとも一方内にあり、および、
    前記方法は、前記ガススパージャを用いて前記外室または内室または両方に酸素を導入する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記灌流バイオリアクタが、前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するブリードオフポートをさらに備え、該ブリードオフポートがブリードオフ管を受容するように構成され、かつ該ブリードオフ管の一端が前記内室内にあり、
    前記方法は、前記ブリードオフ管を介して前記細胞の少なくとも一部を前記内室から除去する工程をさらに含む、請求項15または16に記載の方法。
  18. 前記灌流バイオリアクタが、前記容器または前記少なくとも1つの蓋を貫通するセンサポートをさらに備え、該センサポートがセンサに接続され、かつ該センサの一端が前記内室または前記外室内にあり、
    前記方法が、前記センサからセンサ信号を取得する工程をさらに含む、請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
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