JP6928721B2 - 電気液圧式のサーボブレーキの一体型の液圧モジュール - Google Patents

Description

本発明は、電気液圧式のサーボブレーキの一体型の液圧モジュールを対象とし：
−ブレーキ回路に供給するためのブレーキ液をブレーキコマンドに依存して受け取るチャンバを区切るピストンを収容するシリンダを含み、
−ピストンは、ピストンの並進運動を回転運動によって制御する再循環ボールスピンドルによってモジュールの電気モータと結合され、
スピンドルのねじ山コアはピストンと固定的に結合され、該ピストンは、ピストンの軸に対して平行である、ピストンの円周にある切欠きが協同作用するニードルにより案内されることによって、それ自体として回転に関してブロックされているが、軸での並進に関して自由であり、
再循環ボールスピンドルのねじ山スリーブは電気モータによって回転駆動される。

電気液圧式のサーボブレーキのこのような種類の一体型の液圧モジュールはすでに知られており、シリンダの本体に取り付けられた直線状のニードルと重なり合うために切込みを備える外側のフランジを有する、アルマイト加工されたアルミニウムからなるピストンで構成される。

回転に関するブロックのためのフランジの切込みとニードルの間の結合部は、摩擦係数を低減するために、細かいグリース層を備えている。

フランジの切込みの形状が、再循環ボールスピンドル伝動装置のピストンおよびそれに伴ってスピンドルの回転に関するブロックを保証し、電気サーボブレーキの電気モータの回転運動が、軸に沿ったピストンの並進運動へと変換される。このようにして作動液がチャンバの中で圧力の下におかれて、これをブレーキ回路へと移送する。

しかし、このような公知の解決法は一定数の欠点を有している。まず第１にピストンが変形を受け、この変形がアルマイト加工の高さで表面破断個所を生じさせる恐れがある。このようなピストンとそのフランジは、摩耗や機能損失のリスクに対して信頼性が高くない。さらにこのようなシステムは、温度やシステム内の径方向の力への依存性など、システムの環境パラメータに対して十分にロバストではない。

本発明の課題は、特にピストンの回転に関するブロックについて、いっそう高い信頼性とロバスト性を簡易で経済的な手段によって提供する、電気液圧式のサーボブレーキの一体型の液圧モジュールを開発することにある。

そのために本発明は、上に定義した型式の電気液圧式のサーボブレーキの液圧モジュールを対象とし、ピストンが、アルマイト加工されたアルミニウムからなる円筒状の本体と鋼材からなる外側のリングとで形成された部品であり、該リングがピストンの縁部に強制的に組み付けられるとともに、ニードルの有効断面積に相当する断面積をもつ切込みを軸ｘｘを中心とする対応する位置に備え、ピストンが軸に沿って並進に関して自由に保たれることによって、ニードルと協同作用してピストンを並進に関して案内してこれを回転に関してブロックするとともに、再循環ボールスピンドルのコアを回転に関してブロックすることを特徴とする。

このモジュールは、所要スペースを増やすことなく、ピストンの案内のために、およびその回転に関するブロックのために、簡易で信頼性の高い施工形態を有するという利点を有する。

別の好ましい構成要件によると、ピストンの開いた縁部は切欠きを含み、円形の環の形態のリングは、溝付きの内側の表面と、案内ニードルが存在するのと同じだけ多くの切込みを備えた外側の表面とを有し、切込みはニードルに対応する軸を中心とする位置にあり、切込みの径方向にリングは内側のほうを向く径方向のラグを含み、これらのラグはピストンの切欠きの円周長さに相当する円周長さを有し、その位置は切欠きの位置に対応し、それにより緊密な組立によってラグが切欠きの中で固定され、リングの内側の円周の溝がピストンの縁部の円周表面に係合する。

ピストンの本体と環とのこのような組立方法は、そのようにして得られた複合ピストンを脆弱にすることがない、安定的な形状接合式の組立である。このような組立は、２つのコンポーネントの成形についてもその統合についても、簡易かつ迅速に行うことができる。

別の好ましい構成要件によると、ピストンの開いた縁部は切欠きを含み、円形の環の形態のリングは溝付きの内側表面と、案内ニードルが存在する程度に多くの切込みを備えた外側の表面とを有し、切込みはニードルに対応する軸を中心とする位置にあり、切込みの径方向にリングは内側のほうを向く径方向のラグを含み、これらのラグはピストンの切欠きの円周長さに相当する円周長さを有し、その位置は切欠きの位置に対応し、それにより緊密な組立によってラグが切欠きの中で固定され、リングの内側の円周の溝がピストンの縁部の円周表面に係合する。

別の好ましい構成要件によると、ピストンの開いた縁部の切欠きは長方形の形状を有し、径方向のラグは切欠きの径方向の幅に等しい径方向の幅を有する長方形の断面を有する。このような簡易な径方向の組立は、正確かつ迅速な仕方で行われる。別の好ましい構成要件によると、リングの外側の表面は、ピストンがシリンダの中で動くときにリングの両方の側で空気の通過を可能にする補助切込みを含む。このような切込みは、ピストンの周りの空気がリングの前面または裏面で封入されてピストンの運動を制動するのを回避する。このようにして、ブレーキシステムの機能を妨げることが回避される。

別の好ましい構成要件によると、シリンダは等しい角度で配分された３つの案内ニードルを有する。このような３部分からなる対称性は、最小かつもっとも均衡のとれた案内手段をその機能のために構成する。

別の構成要件によると、ニードルは円形の断面をもつ円筒状の形状を有し、切込みはニードルの断面に対応する円弧状の断面を有する。

この実施形態では、切込みはニードルをほぼニードルの円周断面の半分だけ包囲する。

次に、電気液圧式のサーボブレーキの一体型の液圧モジュールの一実施形態を示す添付の図面を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。

それ自体で軸方向に切断された液圧モジュールを装備する液圧ブロックを示す断面図である。 液圧モジュールのみを示す軸方向の断面図である。 液圧モジュールのピストンを示す等角図である。 複合ピストンの本体と切込みを示す等角図である。 図３Ａのピストンの本体に緊密な組立によって組み付けられるべきリングを示す等角図である。 液圧モジュールをプラネタリギヤなしで示す等角図である。 プラネタリギヤとそのフードとともに液圧モジュールを示す等角図である。

図１の断面図によると本発明は、液圧ブロック１００に供給をするブレーキ液リザーバ１０１が重なり合う液圧ブロック１００のための液圧モジュール１を対象物とする。モジュールの制御ユニット１０２が液圧ブロック１００の側に取り付けられている。

液圧ブロック１００は、電気モータ５（フード）で覆われているブロック１の側で外側に取り付けられた液圧モジュール１によって横切られ、該電気モータはそれ自体が別個に液圧ブロック１００のこの側に取り付けられている。

こうして形成される液圧ブロック１００は、液圧ブロック１００の裏面によりブロックの設置向きに準じて車両で担持される支持プレート１０３によって、車両のスプラッシュボードに取り付けられる。

ブレーキペダルおよび／またはブレーキ制御システム（ＡＢＳ，ＥＰＳ）により制御ユニット１０２で励起される制御信号に従って、リザーバ１０１と液圧ブロック１００の間で、ならびに後者とブレーキ回路の間でブレーキ液を交換するために、配管が液圧ブロック１００を横切っている。

電気モータを除いた図２の液圧モジュール１の断面図は、構造と機能をより良く理解することを可能にする。

液圧モジュール１は、ピストン３によってブレーキ回路に供給をするためのブレーキ液チャンバ４をピストン３で区切る、固定的なシリンダ２で構成される。

ピストン３は、制御ユニット１０２から電気信号を受信するサーボブレーキの電気モータ５と結合されている。電気モータはピストン３と結合され、および、モータ５の回転運動をピストン３の並進運動に変換する再循環ボールスピンドル６と結合されている。

再循環ボールスピンドル６は、一方では、それ自体が回転に関してブロックされているピストン３と軸ｘｘでの回転と並進に関して固定的に結合されたねじ山コア６１で構成され、他方では、コア６１を取り囲む、電気モータ５の運動をプラネタリギヤ５１によって受け取るねじ山スリーブ６２で構成される。ねじ山コア６１はその延長部６１２による形状接合式の結合によって、ピストン３の底面３１の厚みに埋設されている。スリーブ６２はボール６３を介してねじ山コア６１と係合しており、これらのボールがループの中で循環運動し、それにより、軸ｘｘでの並進に関して固定されているスリーブ６２の回転が、回転に関して固定されているねじ山コア６１とピストン３の並進を生成する。、

プラネタリギヤ５１は、モータ５の軸５２によって担持されて遊星歯車５１２と係合する中央のピニオン５１１で構成され、該遊星歯車の軸はねじ山スリーブ６２と固定的に結合されて、これを駆動する。プラネタリギヤ５１は、モータ５の軸５２によって横切られるモジュール１のハウジング７に取り付けられたフード５１３で覆われている。

ハウジング７は、液圧ブロック１の側に組み付けるために、取付環７３を備えている。

軸５２と、中央のピニオン５１１への取付部はプラネタリギヤ５１の面から突出しているので、ねじ山コア６１はその向かい合う面に中空スペース６１１を有しており、該中空スペースは、コア６１が図１および２に示すもっとも強く引き戻された位置にあるときに、この突出する区域を（これと接触することなく）自由に収容することを可能にする。

スリーブ６２は、ハウジング７の固定的な環７１の中で、ボールベアリング７２により回転可能に組み付けられている。

図３，４Ａ，４Ｂによると、液圧シリンダ２の中で摺動するピストン３はその外套面３２の縁部３４に、案内ニードル２１（図２）と協同作用する外側のリング３５を備えている。このニードル２１は直線状であり、シリンダ２の軸ｘｘに対して平行である；ニードルは、軸ｘｘに対して平行である縦長の中空空間２２の端部で、シリンダ２の本体にそれぞれ保持される。

図面を複雑にしないために、図１は切断面になるはずのニードルを示していない。このニードルは図２にのみ示されている。

リング３５は、ニードル２１の突出する区域の形状に対して相補的な形状を有する円弧状の断面をもつ切込み３５１を備えており、これらの切込みはそれ自体が円形の断面をもつ円筒状であり、それによりニードルに沿って並進的に案内される。切込み３５１は、シリンダ２の軸ｘｘを中心とするニードル２１の角度位置に対応する角度位置にある。

図２は、ニードル２１と係合するリング３５を、外套面３２の切込み３５１の断面形状と、リング３５のラグ３５３との係合による結合を見ることができる断面で示している。切断平面は軸方向なので、その他のニードル２１およびリング３５の切込み３５１は見えていない。

ピストン３の外套面３２は、シリンダ２のシール材２３（カラー）と緊密な仕方で協同作用する。これらの円周シール材２３は、シリンダ２とブレーキ液リザーバ１０１の間の接続配管の開口部の両方の側に位置する。これらの開口部は、その機能が周知であるので詳細には示していない。

図３は、円筒状の本体３２（外套面）で形成されるピストン３の側面図であり、シリンダ２のチャンバ４の側のほうを向くその閉じた底面３１は、凹部３２１を備える円周ゾーン３３によって円周表面とつながっており、該凹部は、ブレーキ液リザーバと接続されているシリンダの円周開口部でピストン３を通過するときの液体流の中断を緩衝して、圧力衝撃の急激な作用を回避するためのものである。

ピストン３の開いた端部３４は、回転に関するピストンのブロックを保証するリング３５で取り囲まれている。リング３５はニードル２１の数と同じ数の円周切込み３５１を有していて、それによってこれらと重なり合い、そのようにして軸ｘｘを中心とするピストン３とコア６１の回転をブロックする。ニードル２１は、たとえば軸ｘｘを中心として等しい角度で配分された３つの数で存在する。

図４Ａおよび４Ｂは、ピストン３の本体と、組付前に分かれているそのリング３５とを示している。

ピストン３の開いた縁部３４は、円周幅ＬＰを有する長方形の切欠き３４１を有している。リング３５は、ピストンの縁部３４の切込み３４１の円周断面ＬＰに等しい円周断面（円周幅）を一致する位置に有する突出する径方向のラグ３５３を有する、溝付きの円形の内側の表面３５２を有している。したがってこれらの径方向のラグ３５３は、等しい角度で配分されている。リング３５の平滑な外側の縁部はその切込み３５１をラグ３５３の高さに有しており、それにより、リングのこのゾーンが切込み３５１の高さでの厚みの低減によって脆弱になることがない。

リング３５は、２つの案内切込みの間の補助切込み３５４も有している。これらの補助切込み３５４は、組立の過程でこの部品をオリエンテーションするだけでなく、ピストン３がシリンダ２の中へ迅速に入ったときに、リング３５の両側での空気の圧縮を回避するための役目も果たす。切欠き３４１の軸方向の深さは、環３５のラグ３５３の厚みに実質的に等しい。

リング３５の内径はピストン３の外径よりもわずかに小さく、それにより、リング３５とピストンの外套面３２との軸に即した組付が強制的に行われる。溝３５２の歯は外套面３２の縁部３４の外側の表面と係合するとともに、さらに、３つの切欠き３４１が圧縮を受けるようにし、そのようにしてラグ３５３を圧縮する。

本発明によると、ピストン３はアルマイト加工されたアルミニウムからなる部品であり、リングは鋼材でできている。

ピストン３のモジュールは、スピンドルに対して及ぼされてリング／ニードル境界面に伝達される、場合により変化する激しい力に対して機械的に耐性がある。

図５Ａ，５Ｂは、液圧ブロック１００に組み付けるために、液圧モジュール１を部分的に接合されたとき（図５Ａ）と、完全に接合されたとき（図５Ｂ）とで示している。

図５Ａによると、シリンダ２はハウジング７に取付環７３とともに、ただし伝動装置５１とそのフード５１３なしに組み付けられる。ニードル２１およびピストンの外套面３２の縁部３４に重なり合う切込み３５１を有する外側のリング３５、およびニードル２１の端部を示すねじ山コア６１の周りに、シリンダ２が見えている。

スリーブ６２は図示しておらず、突出するコア６１の端部だけが見えている。

取付環７３はねじのための穴７３１を含んでおり、円周は、ブロック１００への取付時にモータ５のフード６３と協同作用するためにブロックラグ７３２を有している（図１）。

図５Ｂは、液圧モジュール１を接合され状態で、ただし電気モータ５は省いて示している。スリーブ６２がその個所でハウジング７の延長部７４にある；スリーブ６２とスピンドルのボールがその個所にあり、伝動装置５１およびフード５１３も同様である。

１ 液圧モジュール
２ シリンダ
２１ 案内ニードル
２２ 中空スペース
３ ピストン
３１ 底面
３２ 外套面／円筒状の本体
３３ 円周ゾーン
３３１ 凹部
３４ 開いた縁部
３４１ 切欠き
３５ 外側のリング
３５１ 切込み
３５２ 溝付きの内側の表面
３５３ ラグ
３５４ 相補的な切込み
４ チャンバ
５ 電気モータ
５１ 伝動装置
５１１ 中央のピニオン
５１２ 遊星歯車
５１３ フード
５２ 軸
５３ フード
６ 再循環ボールスピンドル
６１ ねじ山コア
６１１ 中空スペース
６１２ 延長部
６２ ねじ山スリーブ
６３ ボール
７ ハウジング
７１ 固定的な環
７２ ボールベアリング
７３ 取付環
７３１ 穴
７３２ ラグ
７４ 延長部
１００ 液圧ブロック
１０１ 作動液リザーバ
１０２ 制御ユニット
１０３ 支持プレート
ＬＰ 円周幅
ｘｘ シリンダの軸

Claims (6)

1. 電気液圧式のサーボブレーキの一体型の液圧モジュールにおいて、
   ブレーキ回路に供給するためのブレーキ液をブレーキコマンドに依存して受け取るチャンバ（４）を区切るピストン（３）を収容するシリンダ（２）を含み、
   前記ピストン（３）は、前記ピストン（３）の並進運動を制御する再循環ボールスピンドル（６）によって前記モジュール（１）の電気モータ（５）と結合され、
   前記スピンドル（６）のねじ山コア（６１）は前記ピストン（３）と固定的に結合され、前記ピストンは、前記ピストン（３）の軸（ｘｘ）に対して平行である、前記ピストン（３）の円周にある切欠きが協同作用するニードル（２１）により案内されることによって、それ自体として回転に関してブロックされているが軸（ｘｘ）での並進に関しては自由であり、
   前記再循環ボールスピンドル（６）のねじ山スリーブ（６２）は前記電気モータ（５）によって回転駆動され、
   前記液圧モジュールは、
   前記ピストン（３）が、アルマイト加工されたアルミニウムからなる円筒状の本体（３２）と鋼材からなる外側のリング（３５）とで形成された部品であり、該リングは前記ピストンの縁部（３４）に強制的に組み付けられるとともに、前記ニードル（２１）の有効断面積に相当する断面積をもつ切込み（３５１）を軸ｘｘを中心とする対応する位置に備えそれにより前記ニードル（２１）と協同作用し、前記ピストンが回転に関してブロックされることによって前記ピストン（３）を並進に関して案内するとともに、前記ピストンが前記軸（ｘｘ）に沿っての並進に関して自由に保たれることによって前記再循環ボールスピンドルの前記コア（６１）を回転に関してブロックすることを特徴とする液圧モジュール。
2. 前記ピストン（３）の開いた縁部（３４）は切欠き（３４１）を含み、円形の環の形態の前記リング（３５）は、溝付きの内側の表面（３５２）と、前記案内ニードル（２１）が存在するのと同じだけ多くの切込み（３５１）を備えた外側の表面とを有し、前記切込みは前記軸（ｘｘ）を中心として前記ニードル（２１）の位置に対応する位置にあり、前記切込み（３５１）の径方向に前記リング（３５）は内側のほうを向く径方向のラグ（３５３）を含み、前記ラグは前記ピストンの前記切欠き（３４１）の円周長さに相当する円周長さ（ＬＰ）を有し、その位置は前記切欠きの位置に対応し、それにより緊密な組立によって前記ラグ（３５３）が前記切欠き（３４１）の中で固定され、前記リングの内側の円周（３５２）の溝が前記ピストン（３）の縁部（３４）の円周表面に係合することを特徴とする、請求項１に記載の液圧モジュール。
3. 前記ピストン（３）の開いた縁部（３４）の前記切欠き（３４１）は長方形の形状を有し、径方向の前記ラグ（３５３）は長方形の断面と、前記切欠き（３４１）の径方向の幅に等しい径方向の幅（ＬＰ）とを有することを特徴とする、請求項２に記載の液圧モジュール。
4. 前記リング（３５）の外側の表面は前記ピストン（３）が前記シリンダ（２）の中で動くときに前記リング（３５）の軸（ｘｘ）方向における両方の側で空気の通過を可能にする補助切込み（３５４）を含むことを特徴とする、請求項２に記載の液圧モジュール。
5. 前記シリンダ（２）は等しい角度で配分された３つの案内ニードル（２１）を有することを特徴とする、請求項３に記載の液圧モジュール。
6. 前記ニードル（２１）は円形の断面をもつ円筒状の形状を有し、前記切込み（３５１）は前記ニードル（２１）の断面に対応する円弧状の断面を有することを特徴とする、請求項１に記載の液圧モジュール。

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