<第1実施形態>
図1〜図7Bを参照して、第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態では、カラオケ店舗のカラオケルームRにおいて、5名の利用者(利用者U1〜利用者U5)がカラオケ装置Kを使用してカラオケ歌唱を行っている場合を例に説明する。
利用者U1〜利用者U5は、それぞれ携帯端末A〜携帯端末Eを所有している。すなわち、各利用者は、各携帯端末の所有者に相当する。
本実施形態において、利用者(所有者)は、自己の携帯端末を介して物品の注文を行う。各携帯端末には、物品の注文や物品の提供時に利用できる専用アプリケーションソフトウェア(以下、「注文アプリ」)がインストールされている。注文アプリは、Webサイトからダウンロードすることで入手できる。携帯端末を介して物品の注文を行う場合、利用者は、自己の携帯端末で注文アプリを起動させ、指示入力を行う。カラオケ店舗において注文する物品は、アルコールやソフトドリンク、ピザやポテト等の飲食物、或いはカラオケ歌唱で使用する打楽器等である。
携帯端末A〜携帯端末Eは、互いに通信可能となるようにペアリングされている。ペアリングは公知の手法を利用することができる。ペアリングは、たとえば、カラオケルームRへの入室後、注文アプリを起動させた場合に実行される。
==携帯端末==
携帯端末A〜携帯端末Eは、一般的なスマートフォン等である。本実施形態において、携帯端末A〜携帯端末Eは、同様の構成(機能)を備えるため、以下では主に携帯端末Aを例に説明を行う。なお、この場合、携帯端末B〜携帯端末Eは、「他の携帯端末」に相当する。
図2に示すように、携帯端末Aは、記憶部10、通信部11、表示部12、入力部13、及び制御部14を備える。
[記憶部、通信部、表示部、入力部]
記憶部10は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。本実施形態に係る記憶部10は、注文情報及び識別情報(いずれも後述)を記憶する。通信部11は、ペアリングされた他の携帯端末(携帯端末B〜携帯端末E)との接続を行うためのインターフェースを提供する。表示部12は、各種情報を表示させるディスプレイである。入力部13は、利用者U1が各種指示入力を行うための構成である。入力部13は、たとえば、利用者U1からの音声入力を受け付けるためのマイクや、利用者U1が各情報を入力するための操作ボタンである。表示部12をタッチパネル形式で構成し、入力部13として用いてもよい。
[制御部]
制御部14は、携帯端末Aにおける各種の制御を行う。制御部14は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
ここで、本実施形態においては、CPUがメモリに記憶される注文アプリのプログラムを実行することにより、制御部14は、注文情報取得部14a、送受信処理部14b、記憶処理部14c、リスト表示処理部14d、提供情報取得部14e、及び通知部14fとして機能する。
(注文情報取得部)
注文情報取得部14aは、所有者からの指示入力に基づいて、注文する物品を示す注文情報を取得する。注文情報は、注文する物品を識別するための情報であり、たとえば、物品の名称や注文番号に相当する。
指示入力は、入力部13を介して行われる。たとえば、携帯端末Aの所有者(利用者U1)は、入力部13のマイクに対し、注文する物品名の音声入力を行う。注文情報取得部14aは、入力された音声を音声認識処理し、注文情報を取得する。
具体例として、利用者U1が「ビール」を注文する例について説明する。利用者U1が注文アプリを起動させると、制御部14は、表示部12にメニュー画面を表示させる(図3A参照)。図3Aに示すように、メニュー画面には、注文の入力を行う画面に切り替えるための「注文入力」アイコンと、注文を実行する画面に切り替えるための「注文指示」アイコンと、注文した物品が届けられた際に利用する画面に切り替えるための「物品提供」アイコンが表示される。
物品の注文を行う場合、利用者U1は「注文入力」アイコンを選択する。この場合、注文情報取得部14aは、表示部12に物品名を音声入力するための画面を表示させる(図3B参照)。利用者U1は、入力部13のマイクに対し、注文する物品名「ビール」の音声入力を行う。注文情報取得部14aは、入力された音声を音声認識処理し、注文情報「BEER」を取得する。注文情報取得部14aは、表示部12に取得した注文情報(注文情報に対応する物品)を確認する画面を表示させる(図3C参照)。図3Cにおいて利用者U1が「OK」アイコンを選択すると、注文情報取得部14aは、他の注文があるかどうかを確認する確認画面を表示部12に表示させる(図3D参照)。図3Dにおいて利用者U1が「NO」アイコンを選択した場合、利用者U1の「ビール」の注文が確定する。注文情報取得部14aは、取得した注文情報を送受信処理部14b及び記憶処理部14cに出力する。一方、図3Dにおいて利用者U1が「YES」アイコンを選択すると、注文情報取得部14aは、図3Bと同様の画面を表示させる。この場合、利用者U1は複数の物品の注文を一回で行うことができる。
なお、指示入力は、利用者U1が表示部12に表示された物品リストの中から、任意の物品を操作ボタンまたはタッチパネルにより選択することでもよい。注文情報取得部14aは、選択された物品に応じた注文情報を取得する。物品リストは、カラオケ店舗において提供可能な物品名を示したものであり、予め記憶部10等に記憶されている。利用者U1が「注文入力」アイコンを選択することにより、注文情報取得部14aは、対応する物品リストを記憶部10から読み出して表示部12に表示させる。
(送受信処理部)
送受信処理部14bは、取得した注文情報に対し、携帯端末Aを識別するための識別情報を紐づけて、他の携帯端末(携帯端末B〜携帯端末E)に送信する。携帯端末の識別情報は、携帯端末毎に固有の情報であり、各携帯端末の記憶部10に予め記憶されている。
たとえば、上記例において、送受信処理部14bは、注文情報取得部14aで取得された注文情報「BEER」に対し、記憶部10から読み出した携帯端末Aの識別情報「ID_A」を紐付けて、携帯端末B〜携帯端末Eに送信する。
また、送受信処理部14bは、他の携帯端末において取得された注文情報、及び当該他の携帯端末を識別するための識別情報を、他の携帯端末から受信する。
たとえば、利用者U2が携帯端末Bにおいて「ポテトフライ」を注文し、利用者U3が携帯端末Cにおいて「ハイボール」を注文したとする。この場合、携帯端末Bの送受信処理部14bは、「ポテトフライ」を示す注文情報「POTATO」に対し、携帯端末Bの識別情報「ID_B」を紐付けて携帯端末Aに送信する。同様に、携帯端末Cの送受信処理部14bは、「ハイボール」を示す注文情報「HIGHBALL」に対し、携帯端末Cの識別情報「ID_C」を紐付けて携帯端末Aに送信する。携帯端末Aの送受信処理部14bは、通信部11を介してこれらの注文情報及び識別情報を受信する。携帯端末Aの送受信処理部14bは、受信した注文情報及び識別情報を記憶処理部14cに出力する。
更に、本実施形態に係る送受信処理部14bは、所定の携帯端末に対して通知を行った後、他の携帯端末に対し、特定された注文情報を削除する指示を送信する。この処理の詳細については後述する。
(記憶処理部)
記憶処理部14cは、送受信した注文情報及び識別情報を記憶部10に記憶させる。
たとえば、上記例において、記憶処理部14cは、注文情報取得部14aから出力された注文情報「BEER」に対し、携帯端末Aの識別情報「ID_A」を紐付けて、記憶部10に記憶させる。また、記憶処理部14cは、携帯端末Bから送信された注文情報「POTATO」及び識別情報「ID_B」と、携帯端末Cから送信された注文情報「HIGHBALL」及び識別情報「ID_C」とを記憶部10に記憶させる。その結果、記憶部10には、注文情報と識別情報とが紐付けられたデータがテーブル形式で記憶される(図4参照)。なお、記憶処理部14cは、各注文の入力がなされた時刻等のデータを注文情報に関連付けて記憶させてもよい。
更に、本実施形態に係る記憶処理部14cは、所定の携帯端末に対して通知を行った後、特定された注文情報を記憶部10から削除する。この処理の詳細については後述する。
(リスト表示処理部)
リスト表示処理部14dは、記憶部10に記憶された注文情報に基づく注文リストを表示部12に表示させる。注文リストは、注文情報が示す物品名等、利用者が注文したい物品を認識できるような一覧である。
たとえば、利用者U1〜利用者U3が上記のような物品(ビール、ポテトフライ、ハイボール)の注文を行った後、利用者U1は、図3Aのメニュー画面において、「注文指示」アイコンを選択する。この場合、リスト表示処理部14dは、記憶部10に記憶された注文情報に基づいて注文リストを作成し、表示部12に当該注文リストを表示させる(図5参照)。利用者U1は、表示させた注文リストをカラオケ店舗の従業員に提示する。従業員は、注文リストに記載された物品名を読み取ることで、注文を受け付ける。リスト表示処理部14dは、作成した注文リストを記憶部10に記憶させる。
なお、携帯端末B〜携帯端末Eは、それぞれペアリングされている。従って、携帯端末Bの送受信処理部14bは、「ポテトフライ」を示す注文情報「POTATO」に対し、識別情報「ID_B」を紐付けて携帯端末C〜携帯端末Eに送信する。同様に、携帯端末Cの送受信処理部14bは、「ハイボール」を示す注文情報「HIGHBALL」に対し、識別情報「ID_C」を紐付けて、携帯端末B、携帯端末D及び携帯端末Eに送信する。携帯端末B〜携帯端末Eの記憶処理部14cは、送受信した注文情報及び識別情報を自己の記憶部10に記憶させる。
すなわち、ペアリングされている携帯端末A〜携帯端末Eには、同じ注文情報(「BEER」、「POTATO」、「HIGHBALL」)及び識別情報(「ID_A」、「ID_B」、「ID_C」)が記憶される。従って、携帯端末A〜携帯端末Eにおいて、同じ注文リストを表示させることができる。そのため、利用者U2〜利用者U5は、利用者U1と同様の注文を行うことが可能である。
(提供情報取得部)
提供情報取得部14eは、注文リストに応じた物品が届けられた場合、所有者からの指示入力に基づいて、届けられた物品を示す提供情報を取得する。提供情報は、届けられた物品を識別するための情報であり、たとえば、物品の名称や注文番号に相当する。また、注文リストに応じた物品が届けられた場合とは、注文した物品が、注文を行った利用者が居る場所に届けられた場合をいう。たとえば上記例であれば、注文された「ビール」、「ポテトフライ」、「ハイボール」が、カラオケルームRに届けられた場合である。
指示入力は、注文情報取得部14aの場合と同様、入力部13を介して行われる。たとえば、携帯端末Aの所有者(利用者U1)は、入力部13のマイクに対し、届けられた物品名の音声入力を行う。提供情報取得部14eは、入力された音声を音声認識処理し、提供情報を取得する。
具体的に、上記例で示した注文を行った結果、利用者U1が「ビール」、「ポテトフライ」、「ハイボール」を受け取った例について説明する。
まず、利用者U1は図3Aのメニュー画面において「物品提供」アイコンを選択する。この場合、提供情報取得部14eは、表示部12に物品名を音声入力するための画面を表示させる(図6A参照)。利用者U1は、入力部13のマイクに対し、届けられた物品名「ビール」の音声入力を行う。提供情報取得部14eは、入力された音声を音声認識処理し、提供情報「BEER」を取得する。提供情報取得部14eは、表示部12に取得した提供情報(提供情報に対応する物品)を確認する画面を表示させる(図6B参照)。図6Bにおいて利用者U1が「OK」アイコンを選択すると、提供情報取得部14eは、他に届いた物品があるかどうかを確認する確認画面を表示部12に表示させる(図6C参照)。この例では、ほかに「ポテトフライ」、「ハイボール」が届いているため、利用者U1は、図6Cの確認画面で「YES」アイコンを選択する。この場合、提供情報取得部14eは、図6Aと同様の画面を表示させる。利用者U1は、届いた物品の音声入力を順次行う。提供情報取得部14aは、音声入力に応じて、提供情報(「POTATO」、「HIGHBALL」)を順次取得する。全ての物品の音声入力が完了した後、利用者U1は、図6Cの確認画面で「NO」アイコンを選択する。この場合、提供情報取得部14eは、取得した提供情報(「BEER」、「POTATO」、「HIGHBALL」)を通知部14fに出力する。
なお、指示入力は、利用者U1が表示部12に表示された注文リストの中から、届けられた任意の物品を操作ボタンまたはタッチパネルにより選択することでもよい。提供情報取得部14eは、選択された物品に応じた提供情報を取得する。利用者U1が「物品提供」アイコンを選択することにより、提供情報取得部14eは、対応する注文リストを記憶部10から読み出して表示部12に表示させる。なお、利用者U1による指示入力は、上述の物品リストに基づいて行われてもよい。
(通知部)
通知部14fは、記憶部10に記憶された注文情報の中から、提供情報が示す物品と一致する物品の注文情報を特定し、特定された当該注文情報に紐付けられた識別情報に対応する所定の携帯端末に対し、注文した物品が届けられた旨の通知を行う。
たとえば、記憶部10に図4に示した注文情報が記憶されているとする。そして、提供情報取得部14eから提供情報として「BEER」、「POTATO」、「HIGHBALL」が出力されたとする。
この場合、まず、通知部14fは、記憶部10の注文情報を参照し、提供情報「BEER」、「POTATO」、「HIGHBALL」と一致するものがあるかどうかを特定する。この例においては、いずれの提供情報も一致する注文情報が存在する。なお、一致する注文情報が無い場合(たとえば、従業員が間違って届けた場合等)、通知部14fは、エラーメッセージを携帯端末Aの表示部12に表示させてもよい。
次に、通知部14fは、記憶部10に記憶された識別情報を参照し、特定された注文情報「BEER」、「POTATO」、「HIGHBALL」に紐付けられた識別情報を取得する。図4の例では、「BEER」には識別情報「ID_A」が紐づけられ、「POTATO」には識別情報「ID_B」が紐づけられ、「HIGHBALL」には識別情報「ID_C」が紐づけられている。
そして、通知部14fは、取得した識別情報に基づいて、各携帯端末に対し、注文した物品が届けられた旨の通知を行う。上記例において、通知部14fは、識別情報「ID_A」に基づいて、携帯端末Aに利用者U1自身が注文したビールが届けられた旨の通知を行う。また、通知部14fは、識別情報「ID_B」に基づいて、携帯端末Bに利用者U2が注文したポテトフライが届けられた旨の通知を行う。また、通知部14fは、識別情報「ID_C」に基づいて、携帯端末Cに利用者U3が注文したハイボールが届けられた旨の通知を行う。通知を受けた携帯端末の制御部14は、当該通知に応じて表示部12にメッセージを表示させたり、携帯端末が備えるバイブレーション機能を駆動させることにより、各利用者に対して自己の注文した物品が届いたことを報知する。この例において、注文した物品が届けられた旨の通知を受けた携帯端末A〜携帯端末Cは、「所定の携帯端末」の一例である。
なお、利用者U1は自己が注文した物品(ビール)は把握できている可能性が高い。そのため、通知部14fは、特定された注文情報に紐付けられている識別情報が自己の携帯端末の識別情報である場合には、通知を行わなくともよい。
また、上述の通り、本実施形態においてペアリングされている携帯端末A〜携帯端末Eには、同じ注文情報(「BEER」、「POTATO」、「HIGHBALL」)及び識別情報(「ID_A」、「ID_B」、「ID_C」)が記憶される。従って、届けられた物品を受け取った者が利用者U2〜利用者U5の場合であっても、各利用者は、自己の携帯端末を用いて、利用者U1と同様に物品が届けられた旨の通知を行うことが可能である。
更に、所定の携帯端末に対して通知を行った後、送受信処理部14bは、他の携帯端末に対し、特定された注文情報を削除する指示を送信する。たとえば、上記例において、携帯端末A〜携帯端末Cに対して通知を行った後、送受信処理部14bは、携帯端末B〜携帯端末Eに対し、特定された注文情報をそれぞれの記憶部10から削除する指示を送信する。当該指示を受信した携帯端末B〜携帯端末Eの記憶処理部14cは、特定された注文情報をそれぞれの記憶部10から削除する。
また、所定の携帯端末に対して通知を行った後、記憶処理部14cは、特定された注文情報を記憶部10から削除する。たとえば、上記例において、携帯端末A〜携帯端末Cに対して通知を行った後、携帯端末Aの記憶処理部14cは、特定された注文情報を記憶部10から削除する。
==携帯端末における処理について==
次に、図7A及び図7Bを参照して本実施形態に係る携帯端末A及び他の携帯端末(携帯端末B)における処理の具体例について述べる。図7Aは、携帯端末A及び携帯端末Bにおける物品の注文に関する処理例を示すフローチャートである。図7Bは、携帯端末A及び携帯端末Bにおける届けられた物品の配布に関する処理例を示すフローチャートである。携帯端末Aと携帯端末Bとはペアリングされており、互いに通信可能になっている。
(物品の注文に関する処理)
携帯端末Aの注文情報取得部14aは、利用者U1からの指示入力に基づいて、注文する物品を示す注文情報D1を取得する(注文情報D1の取得。ステップ10)。
携帯端末Aの送受信処理部14bは、ステップ10で取得した注文情報D1に対し、携帯端末Aを識別するための識別情報E1を紐づけて、携帯端末Bに送信する(注文情報D1の送信。ステップ11)。また、携帯端末Aの記憶処理部14cは、ステップ11で送信した注文情報D1及び識別情報E1を記憶部10に記憶させる(注文情報D1の記憶。ステップ12)。
一方、ステップ11で送信された注文情報D1及び識別情報E1を受信した携帯端末Bの記憶処理部14cは、当該情報を記憶部10に記憶させる(注文情報D1の記憶。ステップ13)。
また、携帯端末Bの注文情報取得部14aは、利用者U2からの指示入力に基づいて、注文する物品を示す注文情報D2を取得する(注文情報D2の取得。ステップ14)。
携帯端末Bの送受信処理部14bは、ステップ14で取得した注文情報D2に対し、携帯端末Bを識別するための識別情報E2を紐づけて、携帯端末Aに送信する(注文情報D2の送信。ステップ15)。また、携帯端末Bの記憶処理部14cは、ステップ15で送信した注文情報D2及び注文情報E2を記憶部10に記憶させる(注文情報D2の記憶。ステップ16)。
ステップ15で送信された注文情報D2及び識別情報E2を受信した携帯端末Aの記憶処理部14cは、当該情報を記憶部10に記憶させる(注文情報D2の記憶。ステップ17)。
その後、利用者U1の指示入力に応じ、携帯端末Aのリスト表示処理部14dは、記憶部10に記憶された注文情報D1及び注文情報D2に基づいて注文リストを作成し、表示部12に当該注文リストを表示させる(注文リストの表示。ステップ18)。利用者U1は、表示させた注文リストを、カラオケ店舗の従業員に提示する。従業員は、注文リストに記載された物品名を読み取ることで、注文を受け付ける。
(物品の配布に関する処理)
図7Aに示したような注文処理が行われた後、注文した物品を利用者U1が受け取ったとする。
この場合、携帯端末Aの提供情報取得部14eは、利用者U1からの指示入力に基づいて、届けられた物品を示す提供情報F1及び提供情報F2を取得する(提供情報F1、F2の取得。ステップ20)。
携帯端末Aの通知部14fは、記憶部10に記憶された注文情報の中から、提供情報F1及び提供情報F2が示す物品と一致する物品の注文情報を特定する(注文情報の特定。ステップ21)。この例では、提供情報F1が示す物品と注文情報D1が示す物品とが一致し、提供情報F2が示す物品と注文情報D2が示す物品とが一致したとする。
この場合、携帯端末Aの通知部14fは、特定された注文情報D2に紐付けられた識別情報E2に対応する携帯端末Bに対し、注文した物品が届けられた旨の通知を行う(注文した物品が届けられた旨の通知。ステップ22)。なお、この例において、利用者U1は自己が注文した物品を把握できているとする。従って、通知部14fは、特定された注文情報D1に基づく携帯端末Aへの通知を行わない。
ステップ22の通知を受けた携帯端末Bの制御部14は、利用者U2に対して自己の注文した物品が届いたことを報知する(注文した物品が届いたことを報知。ステップ23)。従って、利用者U2は、自己が注文した物品が届いたことを認識できる。
ステップ22の通知を行った後、携帯端末Aの送受信処理部14bは、携帯端末Bに対し、特定された注文情報D1及び注文情報D2を削除する指示を送信する(特定された注文情報の削除を指示。ステップ24)。また、ステップ22の通知を行った後、携帯端末Aの記憶処理部14cは、特定された注文情報D1及び注文情報D2を記憶部10から削除する(特定された注文情報の削除。ステップ25)。
ステップ25の指示を受信した携帯端末Bの記憶処理部14cは、特定された注文情報D1及び注文情報D2を記憶部10から削除する(特定された注文情報の削除。ステップ26)。
以上から明らかなように、本実施形態に係る携帯端末Aは、所有者(利用者U1)からの指示入力に基づいて、注文する物品を示す注文情報を取得する注文情報取得部14aと、取得した注文情報に対し、携帯端末Aを識別するための識別情報を紐づけて、他の携帯端末(携帯端末B〜携帯端末E)に送信し、且つ他の携帯端末において取得された注文情報、及び当該他の携帯端末を識別するための識別情報を、他の携帯端末から受信する送受信処理部14bと、送受信した注文情報及び識別情報を記憶部10に記憶させる記憶処理部14cと、記憶部10に記憶された注文情報に基づく注文リストを表示部12に表示させるリスト表示処理部14dと、注文情報に応じた物品が届けられた場合、所有者(利用者U1)からの指示入力に基づいて、届けられた物品を示す提供情報を取得する提供情報取得部14eと、記憶部10に記憶された注文情報の中から、提供情報が示す物品と一致する物品の注文情報を特定し、特定された当該注文情報に紐付けられた識別情報に対応する所定の携帯端末に対し、注文した物品が届けられた旨の通知を行う通知部14fと、を有する。
このような携帯端末によれば、注文した物品が届けられた旨の通知を各利用者に対して行うことができる。従って、一度に複数の物品が注文された場合に、当該複数の物品を受け取った利用者が、他の利用者に対し、注文した物品があるか、何を注文したか等の確認作業を行う必要が無い。また、通知を受けた利用者が自ら物品を取ればよいため、配布作業の手間も低減できる。すなわち、本実施形態に係る携帯端末によれば、注文した物品を効率よく配布することができる。なお、注文した物品が届くまでに時間を要した場合や、利用者のアルコールの摂取が進んでいるような場合、物品を受け取った利用者本人が自己が注文した物品を忘れてしまう可能性もありうる。このような場合に、物品を受け取った利用者に対しても通知を行うことにより、届けられた物品が誰が注文したものかわからないという事態を防止できる。
また、本実施形態に係る注文情報取得部14a及び/または提供情報取得部14eにおける指示入力は、所有者の音声入力によってもよい。このように音声を用いることにより、指示入力の手間を省くことができる。或いは、本実施形態に係る注文情報取得部14aにおける指示入力は、表示部12に表示された物品リスト中の任意物品の選択により、及び/または提供情報取得部14eにおける指示入力は、表示部12に表示された注文リスト中の任意物品の選択によってもよい。このように、リストを参照しながら選択をすることにより、指示入力の確実性を高めることができる。
また、本実施形態において、所定の携帯端末に対して通知を行った後、携帯端末Aの送受信処理部14bは、他の携帯端末に対し、特定された注文情報を削除する指示を送信し、所定の携帯端末に対して通知を行った後、携帯端末Aの記憶処理部14cは、特定された注文情報を記憶部10から削除する。このように、特定された注文情報(既に届けられた物品を示す注文情報)を削除することにより、当該注文情報と提供情報とが照合されることは無い。従って、注文の間違いを防止することができる。また、特定された注文情報を削除することにより、まだ届いていない物品を容易に把握することができる。
なお、上記例では、カラオケ店舗における例で説明を行ったが、これに限られない。たとえば、複数人で居酒屋を利用する場合等、一回の注文で複数の物品が要求される環境であれば、本実施形態に係る携帯端末を利用することができる。
また、上記例では、携帯端末B〜携帯端末Eを「他の携帯端末」として説明したが、これに限られない。たとえば、上記例において、届けられた物品を受け取った者が利用者U2の場合、利用者U2が自己の携帯端末Bを使用して指示入力を行うこともある。この場合、携帯端末Bが「携帯端末」として機能し、携帯端末A、携帯端末C〜携帯端末Eが「他の携帯端末」として機能する。すなわち、ペアリングされた携帯端末同士は、「携帯端末」として機能することもできるし、「他の携帯端末」として機能することもできる。
また、カラオケ店舗や居酒屋では、その場にいる皆が同じ物品を注文することもある。この際、注文した物品の一部だけが先に届けられる場合もありうる。このような場合、通知部14fは、所定の条件に基づいて、複数の同じ物品の注文情報の中から一部の注文情報を特定することで、届けられた物品の数と同数の利用者に対して通知することができる。すなわち、記憶部10に記憶された注文情報の中に、識別情報の異なる同一物品の注文情報が含まれている場合であって、当該同一物品のうち一部の物品のみが届けられた場合、通知部14fは、所定の条件に基づいて、同一物品の注文情報の中から一部の注文情報を特定することができる。所定の条件は、たとえば、注文をした時刻やこれまでに注文した品の数が多い(或いは少ない)といった条件である。
たとえば、利用者U1〜利用者U5が皆、とりあえず「ビール」を注文したとする。一方、届けられたビールが一つしかなかったとする。この場合、提供情報取得部14eは、「ビール」を示す提供情報を一つだけ取得することとなる。通知部14fは、記憶部10に記憶された注文情報の中から、提供情報が示す物品と一致する物品の注文情報を特定する。この場合、利用者U1〜利用者U5が入力した五つの注文情報が特定される。そこで、更に通知部14fは、これら五つの注文情報の中から、所定の条件に基づいて一の注文情報(たとえば、最も注文が早かった利用者U2の注文情報)を特定する。通知部14fは、特定された注文情報に紐付けられた識別情報に相当する利用者U2の携帯端末Bに対し、注文した物品が届けられた旨の通知を行う。
<第2実施形態>
次に、図8〜図11Bを参照して、第2実施形態に係る物品注文提供システム1について説明する。本実施形態では、一の操作端末により注文情報を一括で管理し、且つ当該一の操作端末により、注文した物品が届けられた旨の通知を携帯端末に対して行う例について述べる。第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態では、第1実施形態と同様、カラオケ店舗のカラオケルームRにおいて、5名の利用者(利用者U1〜利用者U5)がカラオケ装置Kを使用してカラオケ歌唱を行っている場合を例に説明する。利用者U1〜利用者U5は、それぞれ携帯端末A〜携帯端末Eを所有している。各携帯端末には、物品の注文時に利用できる注文アプリがインストールされている。なお、本実施形態に係る注文アプリは、第1実施形態の注文アプリにおける「注文入力」の機能のみを有しており、「注文指示」及び「物品提供」の機能は有していない。
カラオケ装置Kには、リモコン装置RCが付属している。リモコン装置RCは、カラオケ装置Kに対する各種操作を行うための端末である。リモコン装置RCは、「操作端末」の一例である。
本実施形態における物品注文提供システム1は、携帯端末A〜携帯端末E、及びリモコン装置RCから構成されている。各携帯端末とリモコン装置RCとは互いに通信可能となるようにペアリングされている。この場合のペアリングも公知の手法を利用することができる。ペアリングは、たとえば、カラオケルームRへの入室後、注文アプリを起動させた場合に実行される。
==携帯端末==
本実施形態においても、携帯端末A〜携帯端末Eは同様の構成(機能)を備えるため、以下では主に携帯端末Aを例に説明を行う。図9に示すように、携帯端末Aは、記憶部10、通信部11、表示部12、入力部13、及び制御部14を備える。
[制御部]
本実施形態においては、CPUがメモリに記憶される注文アプリのプログラムを実行することにより、制御部14は、注文情報取得部14a、及び送信処理部14gとして機能する。注文情報取得部14aは、第1実施形態と同様の機能を有するため詳細な説明を省略する。
(送信処理部)
送信処理部14gは、注文情報取得部14aで取得した注文情報に対し、携帯端末Aを識別するための識別情報を紐づけて、リモコン装置RCに送信する。
たとえば、注文情報取得部14aで注文情報「BEER」が取得されたとする。この場合、送信処理部14gは、注文情報「BEER」に対し、記憶部10から読み出した携帯端末Aの識別情報「ID_A」を紐付けて、リモコン装置RCに送信する。
なお、本実施形態では、利用者U4が携帯端末Dにおいて「ピザ」を注文し、利用者U5が携帯端末Eにおいて「ウーロン茶」を注文したとする。この場合、携帯端末Dの送信処理部14gは、「ピザ」を示す注文情報「PIZZA」に対し、携帯端末Dの識別情報「ID_D」を紐付けてリモコン装置RCに送信する。同様に、携帯端末Eの送信処理部14gは、「ウーロン茶」を示す注文情報「OolongTea」に対し、携帯端末Eの識別情報「ID_E」を紐付けてリモコン装置RCに送信する。
==リモコン装置==
図10に示すように、リモコン装置RCは、記憶部20、通信部21、表示部22、入力部23、及び制御部24を備える。
[記憶部、通信部、表示部、入力部]
記憶部20は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。本実施形態に係る記憶部20は、注文情報及び識別情報を記憶する。通信部21は、ペアリングされた携帯端末(携帯端末A〜携帯端末E)との接続を行うためのインターフェースを提供する。表示部22は、各種情報を表示させるディスプレイである。入力部23は、利用者が各種指示入力を行うための構成である。入力部23は、たとえば、利用者からの音声入力を受け付けるためのマイクや、利用者が各情報を入力するための操作ボタンである。表示部22をタッチパネル形式で構成し、入力部23として用いてもよい。
[制御部]
制御部24は、リモコン装置RCにおける各種の制御を行う。制御部24は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
ここで、本実施形態においては、CPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御部24は、記憶処理部24a、注文処理部24b、提供情報取得部24c、及び通知部24dとして機能する。
(記憶処理部)
記憶処理部24aは、携帯端末から受信した注文情報及び識別情報を記憶部20に記憶させる。
たとえば、上記例において、記憶処理部24aは、携帯端末Aの送信処理部14gから送信された注文情報「BEER」及び識別情報「ID_A」を記憶部20に記憶させる。同様に、記憶処理部24aは、携帯端末Dの送信処理部14gから送信された注文情報「PIZZA」及び識別情報「ID_D」を記憶部20に記憶させ、携帯端末Eの送信処理部14gから送信された注文情報「OolongTea」及び識別情報「ID_E」を記憶部20に記憶させる。その結果、記憶部20には、注文情報と識別情報とが紐付けられたデータがテーブル形式で記憶される。
更に、本実施形態に係る記憶処理部24aは、第1実施形態と同様、所定の携帯端末に対して通知を行った後、特定された注文情報を記憶部20から削除してもよい。
(注文処理部)
注文処理部24bは、記憶部20に記憶された注文情報、または当該注文情報に基づく注文リストを物品の提供者側に提供する。
たとえば、利用者U1、利用者U4、利用者U5が上記のような物品(ビール、ピザ、ウーロン茶)の注文を行った場合、注文処理部24bは、記憶部20に記憶された注文情報に基づいて注文リストを作成し、表示部22に表示させる。ここで、たとえば利用者U2は、表示させた注文リストをカラオケ店舗の従業員に提示する。従業員は、注文リストに記載された物品名を読み取ることで、注文を受け付ける。このように、注文リストを表示部22に表示させることは、「注文リストを物品の提供者側に提供する」ことの一例である。注文処理部24bは、作成した注文リストを記憶部20に記憶させる。
一方、利用者U1、利用者U4、利用者U5が上記のような物品(ビール、ピザ、ウーロン茶)の注文を行った場合、注文処理部24bは、記憶部20に記憶された注文情報をカラオケ店舗が備える管理システムに直接送信することも可能である。この場合、従業員をカラオケルームRに呼び出すことなく、注文を行うことができる。なお、注文情報を送信する際、注文処理部24bは、注文を行ったリモコン装置RCの識別IDや、ルームを特定するための識別IDを関連付けて送信する。このように、注文情報を管理システムに送信することは、「注文リストを物品の提供者側に提供する」ことの一例である。
(提供情報取得部)
提供情報取得部24cは、注文情報に応じて届けられる予定の物品、または注文リストに応じて届けられた物品を示す提供情報を取得する。
たとえば、注文した「ビール」、「ピザ」、「ウーロン茶」が、カラオケルームRに届けられた場合、提供情報取得部24cは、利用者からの指示入力に基づいて、届けられた物品を示す提供情報を取得する。
指示入力は、入力部23を介して行われる。たとえば、利用者U2は、入力部23のマイクに対し、届けられた物品名の音声入力を行う。提供情報取得部24cは、入力された音声を音声認識処理し、提供情報を取得する。音声入力に基づく提供情報の取得は、第1実施形態と同様である。
たとえば、利用者U2が「ビール」、「ピザ」、「ウーロン茶」を受け取った場合、提供情報取得部24cは、利用者U2からの音声入力に応じて、提供情報(「BEER」、「PIZZA」、「OolongTea」)を取得する。全ての物品の音声入力が完了した後利用者U2からの指示入力に応じて、提供情報取得部24cは、取得した提供情報を通知部24dに出力する。
なお、指示入力は、利用者U2が表示部22に表示された注文リストの中から、届けられた任意の物品を操作ボタンまたはタッチパネルにより選択することでもよい。提供情報取得部24cは、選択された物品に応じた提供情報を取得する。利用者U2の指示入力に応じ、提供情報取得部24cは、対応する注文リストを記憶部20から読み出して表示部22に表示させる。
また、提供情報取得部24cは、提供情報として、注文情報に応じて届けられる予定の物品を取得することでもよい。
たとえば、上記例において、「ビール」、「ピザ」、「ウーロン茶」の注文を受け付けた従業員は、カラオケ店舗の管理システムに対し、受け付けた注文の内容及び注文した利用者が居るルームを特定するための識別IDを、所定の識別番号と紐付けて入力する。その後、従業員は、カラオケ店舗の厨房において、注文された物品の準備を行う。そして、注文された物品の準備が完了した場合、従業員は、管理システムに所定の識別番号を入力する。管理システムは、当該識別番号に紐付けられたルームを特定するための識別IDに基づき、当該ルームにあるリモコン装置RCに対し、「ビール」、「ピザ」、「ウーロン茶」を届ける旨の提供情報を送信する。従って、提供情報取得部24cは、物品が実際にカラオケルームに届けられる前に、提供情報を取得することができる。つまり、物品が届けられる前に以下で説明する通知部24dによる処理を開始できるため、物品が実際に届いた際の配布をよりスムーズに行うことができる。
(通知部)
通知部24dは、記憶部20に記憶された注文情報の中から、提供情報が示す物品と一致する物品の注文情報を特定し、特定された当該注文情報に紐付けられた識別情報に対応する所定の携帯端末に対し、注文した物品が届けられた旨の通知を行う。
たとえば、提供情報取得部24cから提供情報として「BEER」、「PIZZA」、「OolongTea」が出力されたとする。この場合、まず、通知部24dは、記憶部20の注文情報を参照し、提供情報「BEER」、「PIZZA」、「OolongTea」と一致するものがあるかどうかを特定する。この例においては、記憶部20に注文情報「BEER」(識別情報「ID_A」)、注文情報「PIZZA」(識別情報「ID_D」)、注文情報「OolongTea」(識別情報「ID_E」)が記憶されている。つまり、いずれの提供情報も一致する注文情報が存在する。
次に、通知部24dは、記憶部20に記憶された識別情報を参照し、特定された注文情報「BEER」、「PIZZA」、「OolongTea」に紐付けられた識別情報を取得する。
そして、通知部24dは、取得した識別情報に基づいて、各携帯端末に対し、注文した物品が届けられた旨の通知を行う。上記例において、通知部24dは、識別情報「ID_A」に基づいて、携帯端末Aに利用者U1が注文したビールが届けられた旨の通知を行う。また、通知部24dは、識別情報「ID_D」に基づいて、携帯端末Dに利用者U4が注文したピザが届けられた旨の通知を行う。また、通知部24dは、識別情報「ID_E」に基づいて、携帯端末Eに利用者U5が注文したウーロン茶が届けられた旨の通知を行う。通知を受けた携帯端末は、第1実施形態と同様の処理を行うことで利用者に対して自己の注文した物品が届いたことを報知する。この例において、注文した物品が届けられた旨の通知を受けた携帯端末A、携帯端末D、及び携帯端末Eは、「所定の携帯端末」の一例である。
更に、所定の携帯端末に対して通知を行った後、記憶処理部24aは、特定された注文情報を記憶部20から削除する。たとえば、上記例において、携帯端末A、携帯端末D、及び携帯端末Eに対して通知を行った後、記憶処理部24aは、特定された注文情報を記憶部20から削除する。
==物品注文提供システムにおける処理について==
次に、図11A及び図11Bを参照して本実施形態に係る物品注文提供システム1における処理の具体例について述べる。図11Aは、物品注文提供システム1における物品の注文に関する処理例を示すフローチャートである。図11Bは、物品注文提供システム1における届けられた物品の配布に関する処理例を示すフローチャートである。携帯端末A、携帯端末D、リモコン装置RCとはペアリングされており、互いに通信可能になっている。
(物品の注文に関する処理)
携帯端末Aの注文情報取得部14aは、利用者U1からの指示入力に基づいて、注文する物品を示す注文情報D1を取得する(注文情報D1の取得。ステップ30)。
携帯端末Aの送信処理部14gは、ステップ30で取得した注文情報D1に対し、携帯端末Aを識別するための識別情報E1を紐づけて、リモコン装置RCに送信する(注文情報D1の送信。ステップ31)。
ステップ31で送信された注文情報D1及び識別情報E1を受信したリモコン装置RCの記憶処理部24aは、当該情報を記憶部20に記憶させる(注文情報D1の記憶。ステップ32)。
同様に、携帯端末Dの注文情報取得部14aは、利用者U4からの指示入力に基づいて、注文する物品を示す注文情報D4を取得する(注文情報D4の取得。ステップ33)。
携帯端末Dの送信処理部14gは、ステップ33で取得した注文情報D4に対し、携帯端末Dを識別するための識別情報E4を紐づけて、リモコン装置RCに送信する(注文情報D4の送信。ステップ34)。
ステップ34で送信された注文情報D4及び識別情報E4を受信したリモコン装置RCの記憶処理部24aは、当該情報を記憶部20に記憶させる(注文情報D4の記憶。ステップ35)。
その後、利用者U2の指示入力に応じ、リモコン装置RCの注文処理部24bは、記憶部20に記憶された注文情報D1及び注文情報D4に基づいて注文リストを作成し、表示部22に当該注文リストを表示させる(注文リストの表示。ステップ36)。利用者U2は、表示させた注文リストを、カラオケ店舗の従業員に提示する。従業員は、注文リストに記載された物品名を読み取ることで、注文を受け付ける。
(物品の配布に関する処理)
図11Aに示したような注文処理が行われた後、注文した物品を利用者U3が受け取ったとする。
この場合、リモコン装置RCの提供情報取得部24cは、利用者U3からの指示入力に基づいて、届けられた物品を示す提供情報F1及び提供情報F4を取得する(提供情報F1、F4の取得。ステップ40)。
リモコン装置RCの通知部24dは、記憶部20に記憶された注文情報の中から、提供情報F1及び提供情報F4が示す物品と一致する物品の注文情報を特定する(注文情報の特定。ステップ41)。この例では、提供情報F1が示す物品と注文情報D1が示す物品とが一致し、提供情報F4が示す物品と注文情報D4が示す物品とが一致したとする。
この場合、リモコン装置RCの通知部24dは、特定された注文情報D1に紐付けられた識別情報E1に対応する携帯端末A、及び特定された注文情報D4に紐付けられた識別情報E4に対応する携帯端末Dに対し、注文した物品が届けられた旨の通知を行う(注文した物品が届けられた旨の通知。ステップ42)。
ステップ42の通知を受けた携帯端末Aの制御部14は、利用者U1に対して自己の注文した物品が届いたことを報知する(注文した物品が届いたことを報知。ステップ43)。同様に、ステップ42の通知を受けた携帯端末Dの制御部14は、利用者U4に対して自己の注文した物品が届いたことを報知する(注文した物品が届いたことを報知。ステップ44)。従って、利用者U1及び利用者U4は、自己が注文した物品が届いたことを認識できる。
ステップ42の通知を行った後、リモコン装置RCの記憶処理部24aは、特定された注文情報D1及び注文情報D4を記憶部20から削除する(特定された注文情報の削除。ステップ45)。
以上から明らかなように、本実施形態に係る物品注文提供システム1は、複数の携帯端末(携帯端末A〜携帯端末E)と、携帯端末と通信可能に接続されたリモコン装置RC(操作端末)と、を有する。携帯端末は、所有者からの指示入力に基づいて、注文する物品を示す注文情報を取得する注文情報取得部14aと、取得した注文情報に対し、携帯端末を識別するための識別情報を紐づけて、リモコン装置RCに送信する送信処理部14gと、を有する。リモコン装置RCは、携帯端末から受信した注文情報及び識別情報を記憶部20に記憶させる記憶処理部24aと、記憶部20に記憶された注文情報、または当該注文情報に基づく注文リストを物品の提供者側に提供する注文処理部24bと、注文情報に応じて届けられる予定の物品、または注文リストに応じて届けられた物品を示す提供情報を取得する提供情報取得部24cと、記憶部20に記憶された注文情報の中から、提供情報が示す物品と一致する物品の注文情報を特定し、特定された当該注文情報に紐付けられた識別情報に対応する所定の携帯端末に対し、注文した物品が届けられた旨の通知を行う通知部24dと、を有する。
このようなシステムによれば、一の操作端末により、注文した物品が届けられた旨の通知を各利用者の携帯端末に対して行うことができる。従って、一度に複数の物品が注文された場合に、当該複数の物品を受け取った利用者が、他の利用者に対し、注文した物品があるか、何を注文したか等の確認作業を行う必要が無い。また、通知を受けた利用者が自ら物品を取ればよいため、配布作業の手間も低減できる。すなわち、本実施形態に係る物品注文提供システム1によれば、注文した物品を効率よく配布することができる。更に、このようなシステムによれば、携帯端末は注文情報を取得する機能及び取得した注文情報を送信する機能だけを備えていればよい。すなわち、携帯端末の機能を簡素化できる。
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。