JP6926192B2 - N,n−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミドの新規用途 - Google Patents

N,n−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミドの新規用途 Download PDF

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Description

本発明は、化合物N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド(NBMI)ならびにその薬学的に許容される塩および/または誘導体の新たな医学的用途に関する。特に、本発明は、パラセタモール過剰摂取の毒性作用により起こり得るパラセタモール毒性の影響の治療または予防における、そのような化合物の使用に関する。より具体的には、本発明は、パラセタモール毒性の結果として生じる急性肝不全の治療または予防に関するものであり得る。
本明細書内の明らかに以前に発行された文書の列挙または考察は、必ずしも、その文書が、先端技術の一部であるか、または一般共通の知識であると認識されるべきではない。
肝臓の損傷によって引き起こされる肝障害は、深刻でしばしば命を脅かす病態である。急性肝不全(ALF)は肝障害の最も重大なものの一つであり、患者の死亡率は非常に高い。ウイルス性肝炎、アルコール性肝疾患および非アルコール性脂肪性肝疾患などの肝疾患の進行、ならびに薬物療法の毒性作用を含む、ALFの多くの潜在的な原因がある。
ALFにつながる肝障害の潜在的な原因であることが知られている薬の中で、パラセタモール毒性は、とりわけ肝組織に急速な損傷をもたらすその潜在性のため、特に危険なものとして突出しており、肝臓に治癒不可能な損傷、すなわち不可逆の肝不全を引き起こすことが多い。
パラセタモール(アセトアミノフェンとしても知られている)は、軽度から中等度の疼痛のために広く使用されている効果的な鎮痛薬である。しかしながら、それは有効治療用量よりほんのわずかに大きい用量で非常に有毒であるので、偶発的なパラセタモール中毒は重大なリスクである。さらに、過剰に投与されると有害な作用を及ぼすことが一般に知られているように、過剰摂取による意図的なパラセタモール中毒は自殺傾向のある人々における自傷の手段として使用されてきた。これらの理由から、パラセタモール過剰摂取は、承認された薬による中毒の最も一般的な形態であり、米国および欧州だけで年間10万件を超える救急外来受診をもたらしている。
投与後、パラセタモールは肝臓で毒性中間体N−アセチル−p−ベンゾキノンイミン(NAPQI)に代謝され、これは正常状況下では内因性抗酸化剤グルタチオンとの抱合により解毒され、結果として無毒のシステイニルパラセタモールとして排出される。しかしながら、パラセタモール過剰摂取の場合のようなストレス時には、肝臓内のグルタチオンの貯蔵が枯渇し、酸化ストレスおよびNAPQI−タンパク質付加物の形成を招き、それによって急速な肝障害を引き起こされる。重篤な場合には、この毒性作用によりALFが引き起こされ、治療しないでおくと死に至ることがある。
パラセタモール毒性の標準的な治療法は、長期間にわたって高用量のN−アセチルシステイン(NAC)を投与することである。NACは、グルタチオンの前駆体であるシステインの類似体であり、したがって肝臓中のグルタチオンの貯蔵を補充し、それによって保護作用の回復につながると考えられている。NACによるパラセタモール毒性の治療は、パラセタモールの有毒用量の摂取後8時間以内に投与される場合に有効である。しかし、パラセタモール摂取後8時間を超えて投与すると、グルタチオン濃度があまりにも減少しすぎ(正常レベルの約70%未満)、すべてのNAPQI代謝物に結合できないため、NAC治療の有効性は急速に減退し、肝臓に損傷を与える。NAC自体はインビトロでNAPQIに結合するが、NACはインビボで中毒を止めることができない。
したがって、パラセタモール毒性によって引き起こされる肝障害の治療および予防のための新規かつ効果的な代替療法の開発に対する臨床的に満たされていない重要なニーズがある。
N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド(NBMI)は、米国特許第US6,586,600B2号として付与された特許出願において最初に開示された。栄養補助食品としてのその使用は、米国特許出願第US2010/0227812号に開示されており、水銀、カドミウムおよび鉛などの重金属のキレート剤であることも知られている。NBMIの類似体は、とりわけ、米国特許第US8,426,368B2号、ならびに国際特許出願第WO2011/038385号および同第WO2012/121798号に開示されている。
しかしながら、パラセタモール毒性によって引き起こされる肝障害の治療または予防におけるNBMIまたはその誘導体の潜在的な使用に関する教示または示唆はなかった。
本発明の説明
本発明者らは驚くべきことに、パラセタモール過剰摂取後のNBMIの投与が肝障害を予防または軽減し、したがってパラセタモール毒性の影響を治療または予防するための効果的な手段を提供することを見出した。それゆえ、NBMIは、パラセタモール毒性およびパラセタモール毒性に関連した急性肝不全のための治療の改善として大いに有望であることを示している。
新規方法および医学的用途
本発明の第1の態様によれば、パラセタモール毒性の治療または予防に使用するための、化合物N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド(NBMI)、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは誘導体が提供される。
特に指示がない限り、NBMIならびにその薬学的に許容される塩および/または誘導体は、本明細書中で「本発明の化合物」と呼ばれ得る。
本発明の別の第1の態様において、パラセタモール毒性の治療または予防のための医薬の製造における、化合物N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは誘導体の使用が提供される。
本発明のさらなる別の第1の態様において、パラセタモール毒性の治療または予防のための方法であって、それを必要とする患者(すなわち、そのような治療または予防の患者)に、有効量のN,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは誘導体の投与を含む方法が提供される。
他に示されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
本発明の所与の態様に関して説明された特定の特徴および実施形態は、文脈が他に示さない限り、本発明のその態様の任意のおよびすべての他の特定の特徴および実施形態と組み合わせて開示されたとみなされるべきである。
誤解を避けるために、本明細書に記載の化合物NBMIは、商品名Irminix(登録商標)または国際一般名(INN)Emeramideとも呼ばれることがある。化合物の構造(非塩形態)を以下に表す。
Figure 0006926192
本発明の範囲内で言及されるような薬学的に許容される塩は、酸付加塩および塩基付加塩を含む。このような塩は、慣用的手段により、例えば、本発明の化合物の遊離酸または遊離塩基形態と、1当量以上の適切な酸または塩基とを、任意の溶媒中で、または塩が不溶である媒体中で反応させ、次いで、標準的技法を用いて(例えば、減圧下にて、凍結乾燥または濾過によって)、該溶媒または該媒体を除去することにより、形成されてもよい。塩はまた、例えば適切なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の本発明の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって、調製されてもよい。
言及され得る特定の酸付加塩としては、カルボン酸塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、ヘプタン酸塩、デカン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、ステアリン酸塩、アクリル酸塩、カプロン酸塩、プロピオール酸塩、アスコルビン酸塩、クエン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、α-ヒドロキシ酪酸塩、乳酸塩、洒石酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、o-アセトキシ安息香酸塩、サリチル酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、桂皮酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、馬尿酸塩、フタル酸塩またはテレフタル酸塩)、ハロゲン塩(例えば、塩化物塩、臭化物塩またはヨウ化物塩)、スルホネート塩(例えば、ベンゼンスルホネート塩、メチル−、ブロモ−、またはクロロ−ベンゼンスルホネート塩、キシレンスルホネート塩、メタンスルホネート塩、エタンスルホネート塩、プロパンスルホネート塩、ヒドロキシエタンスルホネート塩、1−または2−ナフタレンスルホネート塩、または1、5−ナフタレンジスルホネート塩)、または硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、または硝酸塩などが含まれる。
言及され得る特定の塩基付加塩には、アルカリ金属(Na塩およびK塩など)、アルカリ土類金属(Mg塩およびCa塩など)、有機塩基および無機塩基(水酸化アルミニウムなど)によって形成される塩が含まれる。より具体的には、言及され得る塩基付加塩には、Mg塩、Ca塩が含まれ、また最も具体的には、K塩およびNa塩が含まれる。
言及され得る特定の薬学的に許容される塩(特に、NBMIの塩を形成する場合)には、アルカリ金属と形成されるもの(例えば、NaまたはKと形成される塩)などの塩基付加塩が含まれる。
当業者は、NBMIの薬学的に許容される誘導体への言及が、その中の−NH−および/または−SH部分のうちの1つ以上の修飾を介するなど、当業者に既知の手順に従ってNBMIの誘導体化によって形成される化合物を含むことを理解するだろう。例えば、このような誘導体への言及は、そのアルキル化を介した−NH−部分の誘導体化(例えば、Rが1つ以上のフルオロ基で任意に置換されたC1−3アルキル、例えばRがメチルを示すなど、−NR−部分を形成すること)、および/またはそのアルキル化を介した−SH部分の誘導体化(例えば、Rが1つ以上のフルオロ基で任意に置換されたC1−3アルキル、例えばRがメチルを示すなど、−SR部分を形成すること)、またはそのエステル化(例えば、Rが1つ以上のフルオロ基で任意に置換されたC1−3アルキル、例えばRがメチルを示すなどの−SC(O)R部分、またはこのようなチオエステルを形成できる薬学的に許容される化合物の反応から生じた別の部分、例えば薬学的に許容されるカルボン酸またはエステルなど、を形成すること)を含み得る。
言及され得るNBMIの特定の薬学的に許容される誘導体は、グルタチオン、システイン、アルファジヒドロリポ酸、シスタミン、チオールホスフェート、5'−チオールアデノシン、L−ホモシステイン、補酵素A、2−メルカプトエタノールおよびジチオトレイトールのジスルフィド架橋付加を含む。そのような誘導体は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第2011/0237776号に記載されている手順と同様に調製することができる。
誤解を避けるために、「N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド(NBMI)、またはその薬学的に許容される塩および/もしく誘導体」への言及は、NBMIがその薬学的に許容される塩、その薬学的に許容される誘導体、またはその薬学的に許容される誘導体の薬学的に許容される塩の形態で存在し得ることを示す。
言及され得る本発明の特定の化合物には、NBMIおよびその薬学的に許容される塩が含まれる。
言及され得る本発明のより具体的な化合物はNBMIを含む。
誤解を避けるために、本発明の化合物は固体として存在してもよく、したがって、本発明の範囲は、そのすべての非晶質、結晶および部分結晶形を含む。本発明の化合物が結晶および部分結晶形で存在する場合、このような形態は溶媒和物を含んでもよく、これも本発明の範囲に含まれる。本発明の化合物はまた、溶液中に存在してもよい。
本発明はまた、1つ以上の原子が、通常自然界で見出される(または自然界で最も豊富に存在するもの)原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられているという事実を除けば、同一である、同位体標識された本発明の化合物も包含する。本明細書で特定される任意の特定の原子または元素の全ての同位体は、本発明の化合物の範囲内であると考えられる。したがって、本発明の化合物への言及は、重水素化化合物をも含み、すなわち1個以上の水素原子が水素同位体重水素で置き換えられた化合物も含む。
当業者であれば、特定の状態の治療(または、同様に、その状態を治療すること)への言及は、医学分野における通常の意味をとることを理解するであろう。特に、この用語は、上記状態に関連する1つ以上の臨床症状の重篤度の低下を達成することを意味してもよい。
当業者は、本明細書における特定の状態の「予防」への(および同様に、その状態を「予防すること」への)言及が、当技術分野におけるそれらの通常の意味をとることを理解するであろう。特に、これらの用語は、関連病態または関連病態に伴う症状を発症する可能性の低減を達成すること(例えば、ベースラインレベルと比較して少なくとも10%の低減、例えば、少なくとも20%の低減、より具体的には少なくとも30%の低減)を指す。同様に、「予防すること」という用語はまた、関連病態の「予防」とも呼ばれ得、そしてその逆もまた同様である。
例えば、パラセタモール毒性に関連して使用される場合、「予防」への言及は、患者が肝障害(ALFを含む)などのパラセタモール毒性の影響を経験する可能性を減らすことを指し得る。同様に、「治療する」への言及は、肝障害(ALFを含む)などのパラセタモール毒性の影響の重症度を軽減することを指し得る。
本明細書中で使用される場合、「患者」への言及は、哺乳動物(特にヒト)患者を含む治療中の生きている対象を指し、このような「患者」はまた「対象」とも呼ばれ、逆もまた同様にあり得る。「患者」(およびそれゆえに「対象」)への言及はまた、関連病態の症状を示さない個体を指すと考えられるべきであり、その患者のために本発明の化合物は予防的または予防的手段として使用され得る(上記、本明細書で定義されるように)。
誤解を避けるために、患者への言及は、非哺乳動物(例えば、鳥)、特に哺乳動物(例えば、猫、犬、ウサギ、げっ歯類、馬、ヒツジ、ブタ、ヤギ、牛、霊長類など)などの動物への言及を含み得る。
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、治療対象に所望の治療効果(すなわち、本明細書に記載の所望の治療または予防)を与える化合物の量を指すであろう。その効果は、客観的(すなわち、ある試験またはマーカーによって測定可能)または主観的(すなわち、対象が効果の指標を与えるか、および/または効果を感じる)であってもよい。
当業者は、パラセタモール毒性(および同様にパラセタモール中毒)が、パラセタモールの有毒用量(すなわち過剰摂取)の投与後に経験する臨床効果によって特徴付けられる状態を指すことを理解するであろう。そのため、パラセタモール毒性の治療または予防は、パラセタモール過剰摂取(意図的または偶発的であり得る)、パラセタモール乱用(意図的なパラセタモール過剰摂取を意味し得る)、パラセタモール中毒(意図的または偶発的であり得る)などの治療と呼ばれる。
特に、パラセタモール毒性は、1000単位/Lを超える血清肝酵素アラニントランスアミナーゼ(ALT)および/またはアミノトランスフェラーゼ(AST)レベルによって示され得る。それは肝細胞壊死(すなわち、肝臓の細胞への損傷)を特徴とし、それにより肝機能障害、および重篤な場合には急性肝不全(ALF)を特徴とし得る。このような効果は、最初(すなわち、パラセタモール過剰摂取後の最初の24時間)に、吐き気や嘔吐などの症状があり、その後に右肋骨下疼痛と圧痛が現れ、肝障害の発症を示すことを特徴とし得る。
当業者は、パラセタモールの有毒用量を構成する量が非常に変動しやすく、患者の体重、年齢および全般的な健康状態などのいくつかの要因に依存し得ることを理解するであろう。パラセタモールの有毒用量は、急性過剰摂取(すなわち、ある用量で投与される有毒量の結果として生じる過剰摂取)、または慢性投与(すなわち、数回の投与の累積効果の結果として生じる過剰摂取)を通して起こり得る。一般に、約10〜12g(または約150mg/kg体重)を超える累積一日投与量、および約4.5〜6g(または75mg/kg体重)の単回投与量は一般に毒性を誘発するおそれがあると考えられている。
さらに、当業者は、肝機能障害を経験している患者(すなわち、パラセタモール毒性の即時効果とは無関係に肝機能障害を経験している患者)など、このような毒性に対する高い感受性を有する患者では、パラセタモール毒性が低投与量で発生し得ることを理解するだろう。そのような肝機能障害は、栄養失調もしくは絶食、慢性疾患(ウイルス感染、例えば肝炎感染、または慢性アルコール依存症によって引き起こされる肝障害など)、または急性疾患(薬(すなわち、パラセタモール以外の薬)の影響によって引き起こされる肝機能障害、または過剰なアルコール摂取など)の結果であり得る。
いずれにせよ、当業者は、パラセタモール毒性の治療または予防(例えば予防)を、当業者に既知の、任意の所与の患者に対する標準的な治療投与量(例えば、健康体重の成人において24時間あたりの上限4gとする4時間ごとに1gの用量)を基準にして、より高いパラセタモールの治療投与量を受けたこと(例えば摂取によって)が知られている患者(または、慎重なアプローチが必要とされる状況では、受けたと考えられる対象)に実行できることを理解するであろう。
当業者は、パラセタモール過剰摂取がパラセタモール自体の投与(例えば、経口投与用に典型的に製剤化されたものなどのパラセタモール錠剤の形態で、または静脈内注入を介して)、または他の活性成分(風邪およびインフルエンザの症状を緩和するために設計された製剤など)と共にパラセタモールを含む薬学的製剤の形態での投与の結果として起こり得ることを理解するであろう。
当業者は、本明細書に記載のパラセタモール毒性の治療または予防は、理想的にはパラセタモール過剰摂取後できるだけ早く、例えば過剰摂取が生じてから72時間以内(または特に24時間以内、例えば12時間以内、またはより具体的には8時間以内)に実施すべき(すなわち、開始すべき)であることを理解するであろう。しかしながら、本発明の化合物による治療はまた、過剰摂取後の初期期間以内(例えば、初期24時間、またはより詳細には初期12時間以内、例えば初期8時間以内)に(パラセタモール過剰摂取の)治療をされていない患者にも有効であり得る。この場合、治療は、パラセタモール過剰摂取の168時間〜12時間後(例えば72時間〜12時間後、例えば72時間〜24時間後)に実施することができる。例えば、本発明の化合物による治療は、過剰摂取後の初期8時間以内に(パラセタモール過剰摂取の)治療をされていない患者に実施することができる。
本明細書に記載されるように、パラセタモール毒性は急性肝不全を特徴とし得る。したがって、本明細書に記載のパラセタモール毒性の治療または予防は、急性肝不全を有するかまたは発症する危険性がある患者(例えば、発症する危険性がある患者)において実施することができる。
さらに、本発明の第2の態様によれば、パラセタモール毒性に関連した急性肝不全の治療または予防に使用するための化合物N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド(NBMI)、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは誘導体が提供される。
本発明の別の第2の態様では、パラセタモール毒性に関連する急性肝不全を治療または予防するための医薬の製造における、化合物N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは誘導体の使用が提供される。
本発明のさらに別の第2の態様では、パラセタモール毒性に関連する急性肝不全の治療または予防のための方法であって、有効量のN,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは誘導体を、それを必要とする患者(すなわち、そのような治療または予防を受けている患者)に投与することを含む方法が提供される。
誤解を避けるために、本発明の第1の態様(およびそれらの組み合わせ)に関して説明したすべての実施形態および特定の特徴は、本発明の第2の態様にも適用されるであろう。
本明細書で使用される場合、「パラセタモール毒性に関連する急性肝不全」への言及は、パラセタモール毒性によって引き起こされる(またはそれによって引き起こされる)急性肝不全を指すと理解され、それはパラセタモール毒性から生じる急性肝不全と呼ばれ得る。
当業者は、急性肝不全は、肝疾患歴のない(例えば、既知の肝疾患歴のない)患者において、凝固障害(典型的には1.5より大きい国際標準化比(INR)を有する)および脳症(典型的に精神状態の変化によって特徴付けられる)の発症によって特徴付けられる、肝細胞機能不全の急速な発症として定義され得ることを理解するだろう。さらに、急性肝不全を引き起こす肝障害は、約80%〜約90%の肝細胞における機能喪失を含み得ることが一般的に理解されている。
当業者は、損なわれた(および同様に、減少したまたは異常な)肝機能が、当業者に既知の技術を使用して臨床医によって決定された問題のある不十分な肝機能を指すことを理解するだろう。例えば、肝機能障害の一般的な検査(一般に肝機能検査(LFT)と呼ばれる)には、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アルカリホスファターゼ(ALP)、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ(GGT)、患者の血液中に存在するビリルビンまたはアルブミンのレベルを測定するものを含む。同様に、不十分な肝機能は、凝固試験(プロトロンビン時間(PT)または国際標準化比(INR)を評価することなどによる)によって同定することができる。肝機能障害または異常な肝機能を示すこれらの試験の関連する結果は、医師(または当業者)にはよく知られている。
当業者は、パラセタモール毒性またはパラセタモール毒性に関連する急性肝不全の治療または予防を、そのような目的に使用される他の治療(すなわち、薬物療法および/または治療方法)と組み合わせてもよい(すなわち、同じ医学的介入の一部として投与する)ことを理解するだろう。
例えば、パラセタモールの摂取から生じる過剰摂取の場合、パラセタモール毒性またはパラセタモール毒性に関連する急性肝不全の治療または予防は、活性炭または類似の調製物の経口投与と組み合わせてもよい。
さらに、以下に本明細書に記載するものなど当業者に既知の通り、このような治療または予防は、パラセタモール毒性またはパラセタモール毒性に関連する急性肝不全の治療または予防に有用な1つ以上の他の治療薬の投与(例えば同時投与または連続投与)と組み合わせることができる。
本明細書中で使用される場合、「連続投与」への言及は、同じ医学的介入の一部としての治療薬を別々に投与することを指し得る(例えば、2時間以内、または特に1時間以内など、それぞれを4時間以内に投与)。
本明細書中に記載されるように、本発明の化合物は、パラセタモール毒性またはパラセタモール毒性に関連する急性肝不全の予防において特に有効であり得る。
したがって、パラセタモール毒性またはパラセタモール毒性に関連する急性肝不全の予防(それぞれ、本発明の第1および第2の態様に記載される)は、パラセタモールによる治療(例えば、治療有効量のパラセタモールをそれを必要とする患者に投与することによるなどの、軽度から中等度の疼痛、発熱または他の類似の病態の治療であって、その治療は当業者に既知の手法で実施できる)と組み合わせられ、またはその逆もまた同様であり得る。
そのような組み合わせ(すなわち、パラセタモールとの併用)は、本明細書に記載のものなど、パラセタモール毒性に対してより高い感受性を有する患者、および/または通常使用されるものよりも高用量のパラセタモールで治療を受けるまたは必要とする患者に投与される場合に特に有用であり得る。(例えば、24時間あたりの上限を4gとする4時間ごとに1gを超える用量)
薬学的組成物および投与量
当業者は、本明細書に記載される使用および方法において使用されるとき、本発明の化合物が全身吸収を可能にする様式で投与され得ることを理解するであろう。例えば、本発明の化合物は、薬学的に許容される剤形の化合物を含む薬学的製剤の形態で、経口的に、静脈内にもしくは動脈内に、筋肉内に、皮膚性に、皮下に、経粘膜的に(例えば舌下もしくは頬側に)、直腸に、経皮的に、経鼻的に、経肺的に(例えば吸入、気管または気管支により)、または他の非経口経路によって投与され、多くの可能な経路を介して吸収が生じ得る。特に、本発明の化合物は経口的に、直腸内にまたは静脈内に(例えば静脈内注入によって)投与することができる。
本発明の化合物は、一般に、意図される投与経路および標準的な薬務を考慮して選択され得る、薬学的に許容される賦形剤と混合した1つ以上の薬学的製剤の形態で投与される。そのような薬学的に許容される賦形剤は、活性化合物に対して化学的に不活性であり得、使用条件下で有害な副作用または毒性を有さない可能性がある。そのような薬学的に許容される賦形剤はまた、本発明の化合物の即時放出(例えば迅速放出)または調節放出(例えば遅延放出)をもたらし得る。
適切な薬学的製剤は市販されていてもよく、あるいは文献に記載されており(例えば、Remington The Science and Practice of Pharmacy、第19版、Mack Printing Company、Easton、Pennsylvania(1995)、およびMartindale−The Complete Drug Reference(第35版)、およびその中で引用される文書を参照されたい)、これらの文書の全てにおける関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。そうでなければ、適切な製剤の調製は、日常的な技術を用いて当業者によって非進歩的に達成され得る。本発明の化合物と共に使用するのに適した薬学的製剤は、米国特許出願第2010/0227812号にも記載されている。
したがって、本発明の第3の態様では、N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド、またはその薬学的に許容できる塩および/もしくは誘導体と、任意に1つ以上の薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物が、
(a)パラセタモール毒性の治療または予防(本明細書に記載される)、または
(b)パラセタモール毒性に関連する急性肝不全の治療または予防(本明細書に記載される)で使用するために提供される。
本発明の別の第3の態様では、
(a)パラセタモール毒性の治療または予防(本明細書に記載される)、または
(b)パラセタモール毒性に関連する急性肝不全の治療または予防(本明細書に記載される)のための方法が提供される。
この方法は、それを必要としている患者に、N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド、またはその薬学的に許容できる塩および/もしくは誘導体と、に任意に1つ以上の薬学的に許容される賦形剤とを含む有効量の薬学的組成物を投与することを含む。
誤解を避けるために、本発明の第1および第2の態様(およびそれらの組み合わせ)に関して説明したすべての実施形態および特定の特徴は、本発明の第3の態様にも適用されるであろう。
当業者は、本明細書における薬学的に許容される賦形剤への言及が、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、および/または担体への言及を含むことを理解し、これらのアジュバント、希釈剤、および/または担体は、当業者に既知であろう(本明細書に記載される)。
本明細書に記載されるように、薬学的製剤は、当業者に既知の技術および材料を用いて、所望の投与経路に適した方法で調製することができる。特に、薬学的製剤は、経口製剤または静脈内製剤(または静脈内製剤の調製に使用するのに適した製剤、例えば濃縮製剤)の形態を取り得る。
例えば、経口投与を意図する場合、本発明の化合物を含む薬学的製剤は、錠剤、または経口粉末もしくは経口溶液の形態で提供することができ、それぞれ任意に適切な賦形剤を含み、当業者に既知の技術を使用して調製することができる。同様に、静脈内(IV)投与を意図する場合、本発明の化合物を含む薬学的製剤は、IV投与に適した溶液の形態で、またはIV投与に適した溶液の調製に適した溶液として提供され、当業者に既知の技術を使用して調製することができる。同様に、直腸投与を意図する場合、本発明の化合物を含む薬学的製剤は、錠剤(例えば座薬)、または粉末もしくは溶液の形態で提供され、それぞれ任意に適切な賦形剤を含み、当業者に既知の技術を使用して調製できる。
治療される患者、投与経路、および病態の重篤度(例えば、パラセタモール過剰摂取のレベルおよびその影響の重篤度)に応じて、本発明の化合物を様々な治療有効量で投与することができる(それを必要とする関連患者に)。適切な投与量は、日常的な用量滴定試験などによるなど、日常的な技術を用いて当業者によって決定され得る。
同様に、関連する薬学的製剤に含まれる本発明の化合物の量は、本発明の化合物の所望の投与量、製剤の容易さ、および投与経路に基づいて決定することができる(これにより、全身吸収のための本発明の化合物の有効性が決まり得る)。
本発明の化合物の適切な投与量は、約0.05〜300mg/kg、例えば約0.5〜約200mg/kg(例えば約5mg/kgまたは約50mg/kgなどの、約1〜約100mg/kg)の範囲の用量(例えばIV投与用)を含み得る。
特に、そのような投与量を、約15分、1時間または数時間(例えば1時間)のような期間にわたって、IV投与、経口投与、または直腸投与(例えばIV投与により)できる。さらに、そのような投与量は、周期的な連続注入の形態など、必要に応じて繰り返されてもよく、その注入は用量を減少させるものであってもよい。
誤解を避けるために、本明細書で、例えば量(例えば、活性成分の用量)の文脈において「約」という語が用いられる場合は常に、そのような変数は近似値であり、本明細書で明記した数字からそれ自体±10%変動し、例えば±5%、好ましくは±2%(例えば±1%)変化し得ることが理解されよう。
誤解を避けるために、当業者は、(例えばヒトに)投与される本発明の化合物の用量が、妥当な時間枠内に(およびそれを超えて)所望の治療反応または予防効果をもたらすのに十分であるべきであることを理解するだろう。例えば、本発明の化合物は、急速崩壊錠剤の形態でなど、活性成分の急速な(すなわち、迅速または即時の)放出に適した形態で提供されてもよく、その錠剤は、当業者に既知の技術および材料を用いて製剤化され得る。
いずれにしても、当業者は、個々の患者に最も適した実際の投与量を日常的に決定することができるであろう。上記投与量は、平均的事例の例示であり、当然のことながら、より高いまたはより低い投薬量範囲が妥当である個々の事例があり得、それらも本発明の範囲内である。
本発明の化合物の投与は、連続的に(例えば連続IV注入によって)もしくは間欠的に(例えばボーラス注射、または錠剤もしくは溶液の周期的な経口投与または直腸投与、例えばボーラス注射もしくは周期的な錠剤投与または溶液投与などによって)、あるいは単一用量の形態(例えば注射、または錠剤もしくは溶液の投与によって)で提供されてもよい。剤形はまた、投与のタイミングおよび頻度によって決定されてもよく、その逆も同様である。
組み合わせと部分キット(kits-of-parts)
本明細書に記載の使用および方法において、本発明の化合物はまた、肝障害の治療において潜在的に有用、または使用のために適応とされている1つ以上の活性成分と組み合わせることができる。
したがって、本発明の第4の態様では、
(a)N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは誘導体と、
(b)パラセタモール毒性の治療または予防に有用である1つ以上の他の治療薬と、
任意に1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む薬学的製剤が提供される。
さらに本発明の第5の態様では、部分
構成成分(A)N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド、またはその薬学的に許容できる塩および/もしくは誘導体と、任意に1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む薬学的製剤と、
構成成分(B)パラセタモール毒性の治療または予防に有用である1つ以上の他の治療薬と、任意に1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む薬学的製剤と、を含み、
これらの構成成分(A)および(B)がそれぞれ、他方と一緒に投与するのに適した形態で提供される、部分キットが提供される。
誤解を避けるために、本発明の第1〜第3の態様(およびそれらの組み合わせ)に関連して説明したすべての実施形態および特定の特徴は、本発明の第4および第5の態様にも適用されるだろう。
当業者は、本明細書に記載の部分キットが、適切な量/用量の本発明の化合物を含む2つ以上の製剤、および/または反復投与を提供するために、パラセタモール毒性を治療または予防することができる、適切な量/用量の1つ以上の他の治療薬を含む2つ以上の製剤を含んでもよいことを理解するだろう。2つ以上の製剤(いずれかの活性化合物を含む)が存在する場合、そのような製剤は、いずれかの化合物の用量、化学的組成物(複数可)および/または物理的形態(複数可)に関して、同一でも異なっていてもよい。
本明細書に記載の部分キットについて、「併用投与」(および同様に「併用投与される」)は、本発明の化合物を含む各製剤、およびパラセタモール毒性を治療または予防できる1つ以上の他の治療薬が、同じ医学的介入の一部として、順次に、別々にまたは同時に投与されることを含む。
したがって、本発明に関して、「併用投与」(および同様に「併用投与された」)という用語は、患者にとって有益な効果を可能にするために、2つの活性成分(すなわち本発明の化合物、およびパラセタモール毒性の治療または予防を可能にする1つ以上の他の治療薬)を、一緒にまたは時間的に十分に接近して(任意に繰り返して)投与することを含み、それは、関連病態の治療を通じて、本発明の化合物を含む製剤、またはパラセタモール毒性を治療または予防できる1つ以上の他の治療薬、あるいはその薬学的に許容される塩を含む製剤のいずれかを、同治療を通じて、他の構成成分の非存在下で(任意に繰り返して)単独投与することよりも優れている。関連病態の治療または予防に関して、関連病態の治療または予防の過程で、組み合わせがより高い有益な効果を提供するかどうかの決定は、当業者によって日常的に達成され得る。
さらに、本発明の文脈において、「と組み合わせて」という用語は、2つの製剤のうちの一方または他方を(任意に繰り返し)、他の構成成分の投与前、投与後、および/または同時に投与し得ることを含む。この文脈で使用されるとき、「同時に(simultaneously)投与される」および「同時に(at the same time)投与される」という用語は、本発明の化合物およびパラセタモール毒性を治療または予防することができる1つ以上の他の治療薬の個別用量をそれぞれ24時間以内に(例えば、12時間、6時間、3時間、2時間、1時間、45分、30分、20分または10分以内に)投与することを含む。
したがって、本発明の第5の態様に関連して、
(I)本発明の第5の態様に記載の構成成分(A)または(B)のうちの一方と、
(II)2つの構成成分のうちの他方と組み合わせてその構成成分を使用するための説明書と、を含む部分キットも提供される。
パラセタモール毒性の治療または予防において有効な適切な治療薬(例えば本発明の第4の態様の構成成分(b)および本発明の第5の態様の構成成分(B)での使用のための、または本発明の第1の態様に記載の治療または予防と組み合わせた使用のための)は、ビタミンE、ビタミンD、システイン、シスチン、グルタチオン、リポ酸グルタチオン(GSH)、ジヒドロリポ酸(DLPA)、リポ酸(LPA)、N−アセチルシステイン(NAC)、ジメルカプトプロパンスルホン酸(DMPS)、ジメルカプトコハク酸(DMSA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、デフェロキサミン(DFO)、デフェラシロックス、デフェリプロン、トリエンチン、D−ペニシラミン、テトラチオモリブデン酸アンモニウム、コリンテトラチオモリブデート、およびこれらの組み合わせなどの抗酸化剤およびキレート剤を含む。
言及され得る特定のそのような治療薬には、N−アセチルシステイン(NAC)が含まれる。
本発明の第4および第5の態様の特定の実施形態では、薬学的製剤または部分キットは、必要に応じて、
(a)パラセタモール毒性の治療または予防(本明細書で定義される)、または
(b)パラセタモール毒性に関連する急性肝不全の治療または予防(本明細書で定義される)に使用することができる。
本発明の第4および第5の態様のさらなる実施形態では、薬学的製剤または部分キットは、必要に応じて、
(a)パラセタモール毒性の治療または予防(本明細書で定義される)、または
(b)パラセタモール毒性に関連する急性肝不全の治療または予防(本明細書で定義される)のための方法で使用することができ、
そのような方法は、治療有効量のNBMI、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは誘導体を、それを必要とする患者に投与することを含んでもよい(例えば、必要に応じて、関連する治療有効量を含有する薬学的製剤または部分キットとして)。
本明細書中にも記載されるように、本発明の化合物は、特に、(本明細書に記載の)パラセタモール毒性に対してより高い感受性を有する患者、および/または通常使用されるもの(例えば、24時間あたりの上限を4gとする4時間ごとに1gの用量)よりも高用量のパラセタモールで治療を受けるまたは必要とする患者において、パラセタモール毒性またはパラセタモール毒性に関連する急性肝不全の予防に特に有効であり得、したがってパラセタモールと組み合わせた投与に有用であり得る。(例えば当業者に既知の通り、そのようなパラセタモールを軽度から中程度の疼痛または発熱の治療で使用した場合)
したがって、本発明の第6の態様では、
(a)N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは誘導体と、
(b)パラセタモールと、
任意に1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む薬学的製剤が提供される。
さらに、本発明の第7の態様では、
構成成分(A)N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド、またはその薬学的に許容できる塩および/もしくは誘導体と、任意に1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む薬学的製剤と、
構成成分(B)パラセタモールと、任意に1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む薬学製剤と、を含み、
これらの構成成分(A)および(B)がそれぞれ、他方と一緒に投与するのに適した形態で提供される、部分キットが提供される。
誤解を避けるために、本発明の第1〜第5の態様(およびそれらの組み合わせ)に関して説明した実施形態および特定の特徴は、本発明の第6および第7の態様にも適用されるだろう。
本発明の第7の態様に関連して、
(I)本発明の第7の態様に記載の構成成分(A)または(B)のうちの一方と、
(II)2つの構成成分のうちの他方と組み合わせてその構成成分を使用するための説明書と、を含む部分キットも提供される。
特に、本発明の第6の態様に記載の薬学的製剤および本発明の第7の態様に記載の部分キットは、以下の治療に使用することができる(または以下の治療の方法に使用することができる)。
●特にパラセタモール毒性に対する感受性が高い患者(本明細書に記載)における軽度から中等度の疼痛もしくは熱、および/または
●より重度の疼痛もしくは熱、および/または通常使用よりも高用量のパラセタモールによる治療を受けているまたは必要としている患者(例えば、24時間あたりの上限を約4gとする4時間ごとに約1gを超える容量;例えば、任意の24時間で、約8gまで、例えば約16gまで、さらには約24gまで、または約32gまで)。
本明細書で言及される他の治療薬(NACなど)の適切な用量は、当業者に知られており、関連する医学文献、例えばMartindale−The Complete Drug Reference(第35版)および本書内で言及される文献で問題になっている薬物について列挙されているものを含み、これらの文献の全てにおける関連する開示は参照により本明細書に組み込まれる。
化合物および製剤の調製
本発明の化合物は商業的に入手してもよく、または本明細書で言及される開示に記載のものなど、当業者に既知の技術を使用して調製することができる。例えば、NBMIは、米国特許第US6,586,600B2号に記載された手順に従って調製することができ、その内容(特に、そこで提供される実施例に記載の手順)は参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されているように、薬学的製剤(本発明の第4の態様に記載されるような2つ以上の活性成分を含有するものを含む)は、当業者に既知の技術を用いて調製することができる。同様に、(本発明の第5の態様に記載されるような)部分キットは、当業者に既知の技術を使用して調製することができる。
本発明のさらなる態様によれば、
本発明の第4および第6の態様に記載の構成成分(a)および(b)を、任意に1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と共に混合する(すなわち、同製剤中に)ことを含む、本発明の第4および第6の態様に記載の薬学的製剤を調製する方法と、
本発明の第5および第7の態様に記載の構成成分(A)および(B)を会合させることを含む、本発明の第5および第7の態様に記載の部分キットを調製する方法と、が提供される。
誤解を避けるために、構成成分を互いに「会合させる」ことによって、本発明の第5および第7の態様に記載される部分キットの構成成分(A)および(B)は、
別個の製剤(すなわち、互いに独立して)として提供されてもよく、その後、併用療法において互いに組み合わせて併用されるか、または
併用療法において互いに併用するための「コンビネーションパック」の別個の成分として一緒に包装され提示されてもよい。
本明細書に記載の使用および方法で使用する場合、本発明の化合物は、パラセタモール毒性またはパラセタモール毒性を伴う急性肝不全の治療または予防において、先行技術で既知の類似治療または予防手段と比べて、医師および/または患者にとってより便利で、より効能があり、より毒性が少なく、より広い範囲の活性を有し、より強力で、より少ない副作用を生じ、または他の有用な薬理学的性質を有することができる、という利点を有し得る。
理論に束縛されることを望むものではないが、インビトロおよび、重要なことにインビボでのパラセタモールの毒性代謝物(NAPQI)を1:2比で結合することにおける、本発明の化合物の驚くべき活性は、肝臓に対する有害作用を阻止することに予想外に有効な手段を可能にし、したがって、予防に有効な手段(早期投与の場合)、またはその治療(そのような有害作用が発生し始めた場合に投与)を提供することによって、パラセタモール毒性を防止すると考えられている。
特に、NBMIはインビボでNAPQIに効果的に結合する能力を有し、したがってパラセタモール毒性のインビボ効果を直接阻止するための有効な手段を提供すると考えられている。(NACなどの薬剤と同様にグルタチオンの前駆体として作用する代わりに)
NAPQIによるカルシウムイオンチャネルTRPA1の活性化がNBMIの存在により阻害されることを示したインビトロ試験の結果を示す。 POC臨床試験の結果を示し、NBMIがインビボでNAPQIに結合する可能性があることを示している。 POC臨床試験の結果を示し、NBMIがインビボでNAPQIに結合する可能性があることを示している。 パラセタモールを経口投与したマウス試験における、パラセタモール毒性に対するNBMIの効果を示す。 パラセタモールを腹腔内投与したALTアッセイにおけるパラセタモール毒性に対するNBMIの効果を示す。 パラセタモールを腹腔内投与したASTアッセイにおけるパラセタモール毒性に対するNBMIの効果を示す。 NBMI680mg/kgまたはビヒクルのいずれかの経口投与と同期した、200mg/kgパラセタモールの腹腔内投与の24時間後のマウスにおける肝臓酵素ALTおよびASTレベル(単位/L)を示す。**および***印は高い統計的有意性を示す。
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これらに限定されるものではない。
実施例1−NBMIがNAPQIに結合することを示すインビトロ試験
カルシウムイオンチャネルTRPA1はNAPQIによって活性化される。この活性化は、レシオメトリックカルシウムイメージングによって決定され得る。
ヒトTRPA1を発現するHEK293細胞を7μMのNAPQIおよびカルシウムフルオロフォアFURAIIと共にプレインキュベートした。一方の実験は4μMのNBMIの存在下で行われ、別の実験は4μMのNACの存在下で行われた。
NBMIまたはNACの非存在下では、NAPQIは約55%の受容体活性化を引き起こした。図1に示すように、4μMのNBMIの存在は受容体の活性化をほぼ完全に阻害したが、4μMのNACの存在は部分的な阻害のみを与えた。
これはまた、NBMIのすべての分子が1:2の関係で2つのNAPQIに結合するのに対して、NACは1:1の関係で単一のNAPQIに結合することを示す。
実施例2−POC臨床試験
予備臨床試験はルンド病院臨床試験ユニットで3回行われた。各回において、標準的な無毒性治療用量である1gのパラセタモールを、NBMI事前投与の有無にかかわらずT=0時間に摂取し、静脈血を8時間採取した。この実験の結果は図2aおよび2bに要約されている。
図2aの左側にある最初の3本の高い線は、パラセタモールの濃度(取り込み)を示しており、曲線はほぼ同じである(同じであるはずである)。6時間後、パラセタモールは残らず、すべて分解された。
パラセタモールの約5〜10%が肝臓で毒性代謝物NAPQIに分解される。解毒するために、グルタチオンが結合されて代謝物グルタチオニル−パラセタモールを形成し、次いで、無毒性代謝物システイニル−パラセタモール(Cys−パラセタモール)に変換され、それは血液中で測定でき、図2b中「ビヒクル」と記された線で示される。
図2bにおいてNBMI濃度で記された2本の線は、パラセタモール投与前にNBMIを摂取した場合にはcys−パラセタモールの濃度が低く、パラセタモール投与の1時間前に摂取した600mgのNBMIが曲線下面積(AUC)を23%減少させ、パラセタモール投与の2時間前に摂取した1200mgのNBMIは曲線下面積(AUC)を73%減少させたことを示している。
これらの結果は、NBMIがインビボでグルタチオンの存在下でNAPQIに結合することを示している。
一般情報−実施例3〜5
正常マウスでは、肝臓酵素アラニントランスアミナーゼ(ALT)レベルは約36〜40単位/Lであり、肝臓酵素アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)レベルは約90ユニット/Lである。パラセタモールの有毒用量では、高レベルの毒性代謝物NAPQIが肝臓のグルタチオンを枯渇させ、その結果酸化ストレスが生じ、さらにALTおよび/またはASTレベルが1000単位/Lを超えて上昇すると、これはヒトでは有毒とみなされる。AST:ALTの比率はヒトにも関連があり、1以下の値は毒性を示すとみなされ得る。
実施例3−パラセタモール中毒マウス試験(パラセタモールの経口投与)
試験計画
一晩絶食させた6匹のマウスに、それぞれ有毒用量700mg/kgのパラセタモール(アセトアミノフェン)を経口投与した。20分後、半数(3匹)のマウスにビヒクル(水中で300〜600センチポアズを有する0.5%(w/v)のカルボキシメチルセルロース)のみを投与し、半数(3匹)のマウスにNBMI100mg/kg(後述のようにCMC中に溶解したNBMI)を経口投与した。48時間後、または必要に応じてそれ以前に麻酔を用いてすべてのマウスを屠殺する。
結果
中毒(すなわちパラセタモール中毒)対照マウスは体調が悪かったので、マウスは17時間で屠殺する必要があった。結果は図3に要約され、マウスの単位/Lとして肝臓酵素ALTレベルを示す。
対照マウスにおけるALTレベルの中央値は13680単位/Lであり、通常レベル(36単位/L)よりも約380倍高く、ヒトにおける毒性レベル(1000単位/L)の13倍である。
NBMI投与群のALTレベルの中央値は624単位/Lであり、したがって中毒動物の中央値よりも約95%低く、ヒトに対する毒性レベル以下である。
実施例4−パラセタモール中毒マウス試験(パラセタモールの腹腔内投与)
試験計画
6匹のマウスに有毒用量300mg/kgのパラセタモール(アセトアミノフェン;APAP)を腹腔内(IP)投与した。30分後、2匹のマウスにビヒクルのみを投与し、2匹に経口NAC1200mg/kgを経口投与し、2匹にNBMI200mg/kgを経口投与した。マウスを24時間で屠殺した。
結果ALT
ALTアッセイにおける結果を図4に示す。中毒マウスは約8000単位/LのALTレベルを有したことが分かる。NACの投与はALTを平均55レベルに保った。200mg/kgのNBMIの投与はALTを平均984レベルに維持し、これは中毒レベルの1000を下回っている。
結果AST
ASTアッセイの結果を図5に示す。中毒マウスは約6000単位/LのASTレベルだった。NACの投与はASTを180に保った。200mg/kgのNBMIの投与はALTレベルを600に保った。
実施例5−パラセタモール中毒マウスにおける、対照(ビヒクルのみ)と比較したNMBI投与の効果(パラセタモールの腹腔内投与)
絶食したマウスに200mg/kgのパラセタモールを腹腔内注射し、(i)CMCビヒクル中に680mg/kgのNBMI(中粘度のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩)、または(ii)CMCビヒクルのみのいずれかの経口投与(5μL/g体重の投与量)と同期した。NBMI投与量は、28日間の毒性試験において、臨床試験で薬物関連有害事象を示さない用量である、ヒトにおける4.5〜9mg/kg用量と同様の曝露を提供することが示されたので選択された。投与後24時間でマウスを屠殺し、その後肝臓酵素ASTおよびALTのレベルを測定した。
NBMI処置群では、11匹のマウスを処置した。1つの結果は異常値として割り引かれた(異常値に対するGrubbs検定に基づき、溶血が観察されたため)。残りのマウスから得られた結果の平均は次のことを示した。
AST(単位/L)−753(P値=0.00204、Excelで計算)
ALT(単位/L)−952(P値=0.00006、Excelで計算)
AST/ALT比−2.1(P値=0.00068、Excelで計算)
ビヒクルのみの群では、13匹のマウスを処置した。得られた結果の平均は以下の通りであった。
AST(単位/L)−8507
ALT(単位/L)−14511
AST/ALT比−0.5
結果は、図6に要約されている。

Claims (8)

  1. パラセタモール毒性の予防に使用するための、N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド(NBMI)、またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的製剤
  2. 前記パラセタモール毒性の予防が、それを必要とする患者に、有効量の前記薬学的製剤を投与することを含む、請求項1に記載の薬学的製剤。
  3. パラセタモール毒性を予防するための医薬を製造するための、N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド(NBMI)、またはその薬学的に許容される塩の使用
  4. パラセタモール毒性に関連する急性肝不全の予防に使用するための、N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド(NBMI)、またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的製剤
  5. 前記パラセタモール毒性に関連する急性肝不全の予防が、それを必要とする患者に、有効量の前記薬学的製剤を投与することを含む、請求項4に記載の薬学的製剤。
  6. パラセタモール毒性に関連する急性肝不全の予防のための医薬を製造するための、N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド(NBMI)、またはその薬学的に許容される塩の使用
  7. (a)N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド(NBMI)、またはその薬学的に許容される塩と
    (b)パラセタモールと、
    および任意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む薬学的製剤。
  8. 構成成分(A)N,N−ビス−2−メルカプトエチルイソフタルアミド(NBMI)、またはその薬学的に許容できる塩と、任意に1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤と、を含む薬学的製剤と、
    構成成分(B)パラセタモールを含む薬学的製剤、および任意に1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを含み、
    構成成分(A)および(B)がそれぞれ、他方と一緒に投与するのに適した形態で提供される、部品キット。
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