JP6924109B2 - 鞍乗り型車両のシート構造 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、シートの座面を快適にすることのできる鞍乗り型車両のシート構造を提供することにある。
また、前記発明において、前記配管(80)は、前記配管(80)を流れる空気の流量を調整する流量調整機構(85)を備え、前記流量調整機構(85)の調整スイッチ(86)は、ハンドル(33)に設置されていてもよい。
前記発明において、前記シート底板(65)の開口部(67)は、複数設けられていてもよい。
図1は、本発明に係る鞍乗り型車両のシート構造を適用した自動二輪車10を示す左側面図である。図2は、図1のカウルを取り外した状態を示す拡大図である。
ヘッドパイプ21は、車体フレーム11の前端部を構成している。左右のメインフレーム22は、ヘッドパイプ21から後方斜め下方に延びている。左右のセンターフレーム23は、左右のメインフレーム22の後端からそれぞれ下方に延びている。左右のシートフレーム24は、左右のメインフレーム22から後方斜め上方にそれぞれ延びてメッシュシート17を支持している。
左右のフォークチューブ26は、テレスコピック型の緩衝器であり、左右のフォークチューブ26の下端部に車軸31を介して前輪13が支持されている。トップブリッジ27及びボトムブリッジ28は、左右のフォークチューブ26の上部を連結する部材である。トップブリッジ27、ボトムブリッジ28間には、上下に延びるステムパイプ(不図示)が渡され、ステムパイプは、ヘッドパイプ21に回動可能に支持される。
トップブリッジ27には、高さ調整可能な左右一対のハンドル33が取付けられる。
左右のメインフレーム22の上部には、メッシュシート17の前方に配置された燃料タンク43が取付けられている。メッシュシート17の後方には同乗者用シート44が配置されている。
自動二輪車10の前部及び下部は、カウリング51で覆われている。カウリング51は、アッパーカウル52、ミドルカウル53、ロアカウル54とから構成される。
アッパーカウル52は、ヘッドライト56の周囲を覆うとともに上部中央にウインドスクリーン58が設けられる。アッパーカウル52の一部は、左右のハンドル33の高さ調整に伴って高さを変更可能とされている。
ミドルカウル53は、アッパーカウル52の車幅方向外側に近接いた位置から後方及び下方に延びて車体前部を両側方から覆う。ロアカウル54は、エンジン35を含む車体下部を覆う。
前輪13は、上方からフロントフェンダー61で覆われ、後輪16は、上方からリアフェンダー62で覆われている。
図3に示すように、メッシュシート17は、シート底板65を備え、シート底板65の上面側には、シートカバー66が設けられている。シート底板65とシートカバー66の間には、クッション体68が充填されている。シートカバー66は、例えば、合成樹脂などからなる繊維素材を編んで形成されたメッシュ状の孔空き組織の編地から構成されており、通気性を有している。
クッション体68は、熱可塑性エラストマー等の合成樹脂からなる繊維(連続線状体とも称する)を曲がりくねらせてループを形成し、各ループの接触部分を融着などで接合した三次元網状構造体である。クッション体68の各部材は、必要なサイズに合わせ、大型な定形サイズのものから切断加工されて、必要な形状に形成される。
つまり、クッション体68は、熱可塑性エラストマー網状体で構成される。これにより、クッション性および耐久性に優れ、かつ、通気性に優れたクッションが得られる。特に、ウレタン製の従来の車両用クッションと比べ、格段に通気性に優れたクッションが得られる。
なお、本実施形態においては、1つのメッシュシート17に12個の開口部67を形成するようにしたが、本発明はこれに限定されず、任意の個数の開口部67を形成することが可能である。また、各開口部67の形成場所についても、任意の場所に形成することが可能である。
また、メインフレーム22の上方には、メインフレーム22に沿って延在する配管80が設けられている。配管80の前端は、ラムダクト70に接続される吸入口81とされており、配管80の後端は、メッシュシート17のシート底板65に向けて開口する吹出口82とされている。この配管80は、メインフレーム22の両側に、2本設置される。
これにより、ラムダクト70から取り入れた外気は、メインフレーム22の内側に送られるとともに、外気の一部は、配管80に流入し、吹出口からメッシュシート17のシート底板65に送られる。
なお、配管80の吹出口82は、シート底板65に向かって開口するのみならず、吹出口82を開口部67に直接接続し、この接続部分をシールするように構成してもよい。
これにより、搭乗者は、調整スイッチ86を操作することにより、流量調整機構85の開度を調整することが可能となってる。
鞍乗り型車両が走行すると、メインカウルのラムダクト70から外気を取り込み、この外気は、配管80の吸入口81から配管80内に流れ、配管80の吹出口からメッシュシート17のシート底板65に吹出される。
シート底板65に吹出された空気は、メッシュシート17が通気性を有することから、シート底板65に形成された開口部67からメッシュシート17の表面に向けて流れる。
このように空気の流れにより、メッシュシート17の座面の温度を一定に保つことができる。
図5に示すように、本実験では、メッシュシート17の前端から後方に向かう距離が前部a、中間部b、後部cの位置、およびメッシュシート17の中心からメッシュシート17の幅方向への距離がd、eの位置の測定点1〜6を設定した。これら各測定点は、メッシュシート17の開口部67の形成位置に対応している。そして、自動二輪車10を風洞において、座面温度を測定した。
図6に示すように、座面温度の測定結果によれば、測定点1および測定点2では、実験開始から座面温度が上昇する傾向が確認された。測定点3および測定点4では、実験開始から座面温度やや上昇した後下降し、その後再び上昇する傾向が確認された。測定点5および測定点6では、実験開始から座面温度が急激に下降し、その後上昇する傾向が確認された。
今回の実験では、比較的短時間で、メッシュシート17の座面温度が設定値(目標値)に近づくことが分かり、快適性が向上していることが分かる。
これにより、配管80を介して外気をメッシュシート17のシート底板65に送ることができ、開口部67からメッシュシート17に空気を送ることができるので、メッシュシート17の座面温度を快適に保持することができる。また、外気を利用するので、別途ヒータや冷却水などが不要となり、部品点数を削減することができる。
これにより、ラムダクト70が取り入れた空気を配管80を介してメッシュシート17のシート底板65に送ることができ、開口部67からメッシュシート17に空気を送ることができるので、メッシュシート17の座面温度を快適に保持することができる。また、外気を利用するので、別途ヒータや冷却水などが不要となり、部品点数を削減することができる。
これにより、搭乗者は、必要に応じて調整スイッチ86を操作することで、流量調整機構85により配管80を流れる空気の流量を調整することができるので、メッシュシート17に送られる空気量を調整して座面温度の調整を行うことができ、シートの座面温度を快適に保持することができる。
これにより、配管80を介してメッシュシート17のシート底板65に送られた空気を複数の開口部67からメッシュシート17に送ることができるので、メッシュシート17の座面温度を快適に保持することができる。
例えば、前記実施形態においては、ラムダクト70を介して配管80に外気を取り入れ、メッシュシート17のシート底板65に送るようにしたが、配管80の吸入口81を自動二輪車の前方に開口して設置し、ラムダクト70を介さず、配管80により直接外気を取り入れるようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、配管80をメインフレーム22に沿って設けるようにしたが、例えば、ミドルカウル53の内側または外側に沿って設けるようにしてもよい。この場合、配管80は、メインフレーム22の外面とミドルカウル53の内面との間に設けるようにしてもよい。
11 車体フレーム
17 メッシュシート
22 メインフレーム
33 ハンドル
65 シート底板
66 シートカバー
67 開口部
70 ラムダクト
80 配管
81 吸入口
85 流量調整機構
86 調整スイッチ
Claims (3)
- 一対のメインフレーム(22)と搭乗者用のシートとを備える鞍乗り型車両のシート構造において、
前記シートは、通気性を有するメッシュシート(17)であり、前記メッシュシート(17)のシート底板(65)には、前記メッシュシート(17)の前後左右に配列された複数の開口部(67)が設けられ、前記メッシュシート(17)の前方に開口し前記メッシュシート(17)に延びる配管(80)が設けられ、
前記配管(80)は前記メインフレーム(22)と重なるように延び、前記配管(80)の後端は前記シート底板(65)の複数の開口部(67)の前部に向かって延びることを特徴とする鞍乗り型車両のシート構造。 - 外気を取り込むラムダクト(70)を備え、前記配管(80)の前端は、前記ラムダクト(70)に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のシート構造。
- 前記配管(80)は、前記配管(80)を流れる空気の流量を調整する流量調整機構(85)を備え、前記流量調整機構(85)の調整スイッチ(86)は、ハンドル(33)に設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鞍乗り型車両のシート構造。
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